- 長野・乗鞍「合掌」
- 長野・御代田「地粉や」
- 長野・高遠「華留運」
- 長野・小諸「郷ごころ」
- 長野・大町市「手打そば 美郷」
- 長野・松本「ヒカリヤヒガシ」
- 長野・穂高「そば処 一休庵」
- 長野・下島「木鶏」
- 長野・姨捨SA (上り)「田毎庵」
- 長野「某高速SAの手打ち蕎麦!」
- 「峠の茶屋 風聲庵」
- (思い出)松本「そば屋五兵衛」
- 長野・駒ヶ根「丸富」
- 長野・松本「蔵のむこう」(知らずに入った系列店♡)
- 長野・松本「山里」(2軒続けて、系列店!)
- 長野・南豊科「一葉」
- 長野・高山村「文の蔵」
- 長野・駒ヶ根「手打ちそば ももも」
- 長野・信州新町「そば信」
- 長野・権堂「二本松」
- 長野・長和町「ブランシュたかやまスキー場のゲレンデ蕎麦」
- 長野・富士見町「おっこと亭」
- 長野・塩尻「◯泉(まるいずみ)」
- 長野・塩尻「蕎麦屋しみず」
- 長野・佐久平「磊庵はぎわら」
- 長野・茅野「傍」
- 長野・南松本「深志荘」
- 長野・上田「くろつぼ」
- 長野・上田「十割そば処 福田」
- 長野・山形村唐沢地区「山法師」
- 長野・白馬「蕎麦処 りき」
- 長野・栂池高原「手打そば ふるさと」
- 長野・白馬村「蕎麦酒房 膳」
- 長野・乗鞍高原「手打ちそば 御池」
- 長野・白馬村「こいや」
- 長野・白馬村「そば工房 林檎舎」
- 長野・松本 美ヶ原温泉街「米十」
- 長野・長野市「手挽きそば 蔵之内」
- 長野・軽井沢「ささくら」
- 長野・上田「いちや」(いちや×る庵)
- 長野・茅野「そばのさと」
- 長野・小布施町「せきざわ」
- 長野・山形村 唐沢地区「石碾き蕎麦 水舎」
- 長野・姫木平「利休庵」
- 長野・松本「蕎麦倶楽部 佐々木」
- 長野・木曽町「時香忘」
- 長野・須坂市「手打ちそば処 小杉 須坂店」
- 長野・戸隠「戸隠手打ちそば処 二葉屋」
- 長野・小布施「手打そば処 鼎(かなえ)」
- 長野・黒姫「手打ちそば工房 若月」
- 長野・安曇稲核「手打そば わたなべ」
- 長野・飯山「江戸前手打蕎麦 しおいり」
- 長野・松本市安曇 「グリンデル」
- 駒ヶ根「そば切り てる坊」
- 長野・高遠町「高遠そば ますや」
- 長野・木曽町「時香忘」
- 長野・白樺湖「手打蕎麦処 朝日ヶ丘」
- 長野・千曲市「蕎麦処 ひぐち」
- 長野・東御市「そば家 叶」
- 長野市「手打ちそば処 小杉」
- 長野・佐久市春日「職人館」
- 長野・北志賀「石臼挽き蕎麦香房 山の実」
2024年04月26日
長野・乗鞍「合掌」
完璧。
と言ってしまうのは実に簡単だが
どのようにしてこの完璧までに至ったのかは
私などには想像もできない。
その蕎麦。
この上なく美しい店舗。
乗鞍という最高のロケーション。
(しかもお蕎麦は3種類もあるんですよ〜!)。
世界中にあるどんな三つ星レストランにも
胸を張って対抗できる世界だと、私は本気で思う。
だってあなた!
この雰囲気でございますよ!!
お店のウェブサイトでは
「乗鞍高原にあります家族経営の小さな蕎麦屋です」
と謙虚に名乗っておられますが、
建物はご覧の通りドーンと立派な、それはそれは美しい合掌造り。
なんてったって江戸時代中期寛政時代に建てられた建物なのだ。
スキーシーズンの最後に行ったので
残雪がまた良きムード。
外観もいいけど店内はもっとシビレます!!
うああああああ
もうだめだ
美しすぎる・・・!
清すぎる・・・!
またこの店の素晴らしいもう一つのポイントは
地元の人にがっしりと愛されているところである。
地方の名店あるあるだが、駐車場は県外ナンバーだらけ、
下手すると東京のナンバーだらけなんてところもある。
それはそれですごいことなのだが
店内に聞こえてくる会話が
「この間三宿の交差点でね・・・」とか
「高輪にできたあの店の〜」
とかだと、せっかくの旅情が一時冷めそうになってしまう私なのでございます(^^)
しかしここでは、
近所のご家族連れや袖なし丹前みたいなのを着たじいちゃんとかが
4人ぎゅっと座って静かに、でも楽しそうに蕎麦を啜っているのです。
そんなこの店の景色を見ていると
ああここは本当に美味しい店、よい店なんだなと感じさせられ、
ただでさえ美味しいお蕎麦がまた何十倍美味しくなってしまうのだ。
なんかゴタゴタ喋ってますがとにかく私はこの店が
大好きなんだあああああああーーーーー!!!
(自分の長話に愛が喉元でつかえてついにキレた笑)
テーブルにつくとまずは長野なおもてなし。
野沢菜とお茶。
ここまではまあまあのんびりした気分でいられたのだが
メニューを見ると途端に落ち着かなくなる私(笑)。
この店にはもう20年近く、何度も来ているが
近年は特にお蕎麦の種類も増え、とにかく食べたいものだらけ!!
煩悩と限りあるお腹の容量問題で
胸張り裂けそうになりながら熟読します。
うーーーーーん!!
とにかく一番重要なお蕎麦についてはですね、
⚫️田舎十割蕎麦(玄挽き黒)
⚫️そばの実十割蕎麦(九抜き白)
この二つに加え、
本日はこちらもあるのです♡♡♡
ぎゃあああーーーーーーー
会いたかったよーーーう!!
この番所そばの凄さ、それをこの店で食べる美味しさを体が記憶しているだけに
もうその文字を見ただけでワナワナしてしまう私。
というわけで、
⚫️田舎十割蕎麦(玄挽き黒)
⚫️そばの実十割蕎麦(九抜き白)
⚫️番所そば(番所在来十割蕎麦)
この 3つのお蕎麦はもう絶対食べるわけですよ。
それは決まっているわけですよ。
でも、ここで「そばがき」を食べないわけにはいきません。
ここは「そばがき」もまた、本当に本当にものすごいのですから!!
でも天ぷらも食べたいよね〜・・・
となると私の胃はもうどうなっちゃうんだ!?
という心配がありますが、
今日は愛する愛する、だーいすきなお仲間お二人と3名で来ております。
しかも、みんな大の蕎麦好き♡
いえーい、みんなありがとう!!
こころおきなく暴走するぜーーーーい(≧∇≦)!!
「そばがき」
この美しい合掌造りの家の中で、この湯気の立つそばがきを眺めるというのは
オルセーだのマウリッツハイスだので名画を眺めるのに全く劣らない醍醐味と私は思う。
もう、見てすぐにわかるこの美味しさ。上質さ。
これはもう絶対に美味しいのです。
食べずとも痛いほどわかって胸が苦しい。
あああああ
ときめきすぎてもうダメだー!!
見た瞬間にハートを鷲掴みにされたが
その予感をさらに上回る最高の素晴らしさ。
ああああああ
この上なくふくよかで豊かな芳しさがこんなに濃厚で幸せすぎる!!!
口に含むとさらに感激の大津波、
ふんわりもっちり、ちょいエアリーな質感がニクすぎるー!
味わいはもっとえげつないほど濃厚なグルタミン系かと思ったがそこまではいかず、
でも上品に味わい深い感じがまた最高。
今回は3等分して食べたが、これ、丸ごと3つくらいを独り占めして
お腹いっぱいになるまで食べられたらどんなに幸せだろう・・・
とか思っちゃうが、ここに来たら毎回お蕎麦で目がぐるぐるしてるので、
そんな日は一生来ないのだ笑。
「本日の天ぷら」
野菜の天ぷらなのだがこれがまためっぽう美味しい。
パリサクな薄衣が最高!
ネギがとろとろで粘りがあり、甘くてびっくり。
そして一番気に入ったのはゴボウで
どうやら薄味で軽く煮てから揚げているらしい。
いちいちニクイねええ〜〜(≧∇≦)
そしていよいよ、胸ときめきすぎて
お仲間の二人と完全に会話不能となるこの時がやってきてしまいました!!
「そばの実十割蕎麦(九抜き白)」
高台付きの美しい笊に盛られた整った姿。
優しい風情に思わず見惚れる。
箸先から香りを寄せると・・・
おやー?なんとなんと、ほぼ何も香りません。
微かにクリーミーなイメージのほんわりした香りがあるような?
そのまま口に含むと、おーー!これは素晴らしい質感です。
この絶妙のコシ、絶妙の上品なずっしり感はさすがとしか言いようがない。
結局最後まで香りはふくらまず、味もごく淡かったのだが
じゃあ美味しくないかっていうと、世にある味なし香りなし蕎麦とは一線を隠す
確かな美味しさがそこにあるのが本当に不思議。
いつもは蕎麦の香りや味わいに魅せられて蕎麦汁がつけられない私だが
味も香りも淡いのに、蕎麦汁をつけずに完食したくなってしまうというのは
私にとっては不思議な美味しさなのだ。
この質感の素晴らしさはもちろんあるが、素材の良さ、水の良さ、もあるのかな〜
せっかく長野に来たんだから、「くるみだれ」も頼みたかった私。
こちらのお蕎麦が「くるみだれ」と やってきました。
でもね、こんなに素晴らしいお蕎麦じゃぁ、
やっぱり最後までつけられないと思うのよ・・・(じゃあなんで頼んだんだ笑)
「田舎十割蕎麦(玄挽き黒)」
なんと素朴で、かつ優しい世界。
これだけ黒っぽく、がっつり粗挽きでもありながら
荒々しさはほぼなく、 優しい上品な安定感を感じる。
ほとんど拝みたくなるような柔和な姿・・・
このまま食べないでずっと見惚れいているだけでもいい、と本気で思う。
箸先から香りを寄せて・・・目がかっぴらいた!
こ、これは・・・
明確に、抹茶??畳のような青く美しい香りがする。(畳よりは抹茶だな!)
質感は「そばの実十割蕎麦(九抜き白)」にも似た絶妙のコシで
ふっくらとしたずっしり感と共に、本当に最高としか言いようがない見事な質感だ。
粗挽きらしい荒さはほぼ感じず、この不思議な抹茶的かぐわしさと
ふっくらの中から生まれる香ばしい味わいにただただうっとり。
もうなんなの?美味しすぎませんか!??
こんなに個性的で、こんなに素朴で優しく、
こんなにも感動させてくれるお蕎麦って・・・
もうただただ
大好きだあああああーーーーーーーー!!
そして私の遠吠えをかき消すように
ついに最後のこの方がやってきてしまいました。
もう食べる前から降参です。
大好きすぎて平伏してます。
愛しい、愛しい、「番所在来十割蕎麦」様!!
この乗鞍の地で古くから大切に受け継がれ育てられてきた在来種。
この「合掌」では2013年から自家栽培でこの番所そばを育てているのだ。
希少な在来種とは言え、私は他でもこの番所そばを食べたことはある。
しかし私の経験の中ではこの「合掌」で食べる番所そばが神がかって美味しく、
自家栽培の地のものということを考えると、
ここで食べる番所そばこそが、番所そばの真骨頂と言うべきものなのだと思っている。
また愛余って語りすぎたが、
もう私のお喋りなんか無視してください。
とにかくみなさん、私と一緒に見惚れてください。
ぶっ倒れてください。
この例えようもなく美しい姿に!!
姿も素晴らしいが、その香りを寄せひとくち口に含んで
私は完全に壊れました。
( °o°) ( °o°) ( °o°)
!!
あまりにも、あまりにも
爆発的な魅力すぎて受け止めきれないのですがーーーーーーっ!!!!
この香りはなんだ。
香ばしいという言葉では全く表現しきれない。
香ばしさの質が違う。
こんな香ばしさ、出会ったことあったっけ!?というくらい、
目が覚めるような素晴らしい香ばしさ。
その上、野趣溢れる味わいがもう無尽蔵無限大無重力に溢れまくり!!
(日本語もコワレちゅう!!)
ザラつぷしながらもふっくらぬったりと豊かな質感も最高!!
えーんえーーーん
美味しいようーーたまらないよう〜〜!!
これ以上のお蕎麦はない。
これ以上のお蕎麦はない。
何度呟いても叫んでもこの愛は言い尽くせない。
このお蕎麦が今日ここで、
この笊に盛られて出てくるまでには
それこそ畑をおこすところから、蕎麦打ちの修行から、と思うと
何十年もの努力と手間暇が積み重なっているのだ。
そんなありがたいお蕎麦が、
大ホームランの勢いで私の全身を撃ち抜いてくれたこの感動・・・
もう・・・泣いてもいいですか・・・(T T)♡♡♡♡♡
実は3人で分けて食べるために
こんな夢のような3種盛りを勝手に作って食べていました。
メニューにはない、ときめく眺めでしょう〜!!♡
しかもね、「足るを知る」って言葉が
イマイチ実行できない私。
贅沢にも「番所在来十割蕎麦」をおかわりしやがりました!!
いやー・・・本当の贅沢ってこういうことを言うんだなーと思いましたよ!!
エルメスでバッグ買うより私は断然こっちでございます!!(笑)
お蕎麦で興奮しすぎてせっかくオーダーした「くるみだれ」や「蕎麦汁」について
書く暇がありませんでしたが、
どちらも、さすが大変素晴らしい!!
「くるみだれ」はそれだけだとかなり甘いが蕎麦汁入れて完成するよう計算されていて
そこにネギがめっちゃ合う!!
ほんっっとに悩ましいわ〜!!
こんなにおそばが美味しくちゃあ、rつけるチャンスが全くないんですけど!!笑
「蕎麦汁」は東京で言えば藪蕎麦並みの濃さで
甘さもしっかりだか醤油も濃い感じ
個性的だけどなんか突き抜けた美味しさがある。
ああ〜これもほんと悩ましい・・・
つけて食べたいけどお蕎麦が美味しすぎてさー!無理なのよー!!(笑)
帰りがけのこの景色にもうっとり。
私がこの乗鞍という場所に 来るようになってから、かなり長い時が経ち
いろいろなことが変わったと思う。
変わってしまったと思う。
でもこの店の素晴らしさはその変化の中で
どんどん良いほうに変化している・・・のだか、
私の愛がただただ蓄積しているのかわからないが
とにかく行くたびに感動が増していく気がするのだ。
日本にはこんなすごい店が、こんなにさりげなくあって
自分のことを「家族経営の小さな蕎麦屋です」なんて名乗っているのだ。
もう素敵すぎちゃって・・・
どうしましょうね?(≧∇≦)
bd10ms8gk10bs100
2023年10月11日
長野・御代田「地粉や」
長年全国のお蕎麦屋さんのストーカーをしていると
「店名」を見れば大体の想像がつくという
特殊能力が備わってくる。
もちろんハズレることもあるが
特に当たるのは地方に行った時、
「この店は夜営業をしてくれているか否か」
についてである。
山奥に引っ込んだ趣たっぷりの店ほど
「お昼のみ、営業は2時間のみ」
みたいな難易度の高い店が多く
その見分けは大体店名を見ればできるようになってしまった(笑)。
その意味で言うと、この店は予想はアタリで、
そしていい意味で裏切られた店でもあった。
店名を聞いて夜営業をしてくれていそうだな、
と思ったら、してくれていた!
それは良かったのだが、こんなオッサレーなお店とは知らなんだ。
テラス席がステキすぎませんかー!?♡♡♡
こんな環境で美味しい手打ち蕎麦がたぐれるなんて
まさに天国!!
人気の訳がわかりました。
外観は、意外とストイックでシンプル。
外に向けて打ち場があります。
はあ〜っ
打ち場ってほんっっっとーーーーにかっこいいですよねえ〜
魔法が生まれるところ。
好きすぎて近づけば近づくほど
蕎麦打ち場内部より私が目立っていく件(笑)。
エントランスに向かって左脇に入っていくと
絶景に出会えます。
山が大好きな私は、この時点でときめきまくり〜!!
店内に入ると、店内より店外が目に飛び込んでくる。
なんと贅沢な庭!
予約しておいたのでギリギリ、テラスに近い席に案内されて嬉しい。
予約した時には想像していなかったシチュエーション!!
混雑しているしキッズ連れも多いし、テラスにはワンコもコロコロ(≧∇≦)
必然的に店はわさわさしているのだが
スタッフはどの人も丁寧で必ず笑顔で、めちゃめちゃ感じがいい。
すごいお店だなあ〜
食べたいのはもちろん、雪が降ろうが槍が降ろうが「もりそば」ですが、
ここは長野だけに「くるみ蕎麦」なんかも気になるところ。
ご飯ものやキッズプレートもあるし
単品で生卵頼めるのも生卵好きとしては嬉しい。
(生卵トッピングは手打ちじゃないお店で私が良くやるテ (≧∇≦))
夜メニュー。
メニュー読解力と決断力には自信のある私は
瞬時に食べたいものが決まっちゃいます。
上田でとれた大きなしめじ。
大きいだけあってシャクシャクとした食感があって
ものすごく美味しい!!
おろしもたっぷりで最高。
長野できのこおろしを食べるたびに
長野愛が一度熱くなる私(≧∇≦)
ここで突然ですが皆さんに、
私がいつもお蕎麦屋さんで撮っている写真の裏話をご紹介。
私はいつもスマホで、シャッター音を消せるアプリで撮っていますが
とにかくやたら枚数を撮ります。
そもそもがスマホだし、どれが当たるかわからないので・・・
特にお蕎麦の肌感については実物に近い雰囲気を大切にしたいので
めちゃめちゃ真剣にたくさん撮ります。
例えば同じ「だし巻き卵」を撮っても
こんなに違うんですよ〜!?
なんで!?ってくらい違いますよね。
実際のイメージに近かったのはこちらの方です♡
「だし巻き卵」
この「だし巻き卵」が素晴らしかった!!
まず出汁の味わいがものすごく美味しい。
食感は意外と個性的で
ふんわりしてるのだがゆばのような膜感、ミルフィーユ感がある。
これまたおろしたっぷりで嬉しい。
いやー、この時点で大満足の美味しいお店だなあ〜
そしてお楽しみのこのお方も
ユニークなビジュアルで出会った瞬間笑っちゃいました。
「そばがき」
完全球体のそばがきさん!
かっわいい〜〜(≧∇≦)
まだお箸も持たぬうちから、
ホワーッと漂う最高の芳しさに脳を射抜かれる。
この上なくフレッシュで、青さも野性味もあり素晴らしい香り!
食感もまた最高で、ことさらエアリーとかふわっふわとかではないのだが
もっちりした中にかすかなふんわり感があり
素直で堅実な、そばがきとして最高のおいしさ。
食べている間じゅうしあわせ!!
「海老と野菜の天ぷら」
細長く切ったズッキーニ、モロッコインゲン、
まいたけ、えのき、かぼちゃ、なす。
海老は一本追加でふたつにしました。
とにかくカリッカリの天ぷら。
油っこくないのはいいのだがちょっとカリカリすぎたので
いつも天ぷらは塩で食べる私だが
こちらは天汁につけると美味しかったです。
でも天汁につけても何もヘタらない魔法のカリカリ天ぷらでびっくりでした(^^;)
これもおろしがたっぷり最高〜!
ほんと、こういうの大事で嬉しい!
そしてこの絶景を見てください・・・
「ざる蕎麦」
静かに暮れていく緑の庭。
眼下には私の永い永い片恋人であるお蕎麦。
しあわせすぎて・・・
時がとまります
美しい細打ちのお蕎麦がたっぷり。
箸先から香りを寄せると、ずしっと香ばしさを感じて嬉しくなる。
そばがきとはまた違う香りで、ただかなりキンキンに〆てあって
香りが淡めだったので少し待とうと思ったら
食べてるうちに香りがもっと淡くなってしまった。あらら〜
しかしそのあとは、淡い中にもそばがきと同じ、
フレッシュで誠実な素晴らしい香りが感じられた。
細打ちだが密な質感で量もたっぷり、食べ応えあり!
自家栽培と御代田契約栽培のブレンドの二八蕎麦。
県内全域蕎麦汁かなり甘めエリアである長野だが
ここのもやはりかなりの甘め。
しかし出汁の感じや合わさったまろやかさはとてもいい。
デフォルトで天かすが付いてくるものすごいサービス。
(さっきの天ぷらの通りのカリッカリで金平糖みたい)
たっぷりのおろしを毎度つけてくれたり、蕎麦の盛りもそうだし
「食べる人に喜んでほしい」
という思いやりが伝わってくる店だ。
長野好きとしてはいつも気になる「くるみだれ」も試してみました。
これがねー!!
意外にも普通の蕎麦汁よりくるみだれの方が
甘すぎなかったんです。
しかもここのくるみだれは特に超濃厚で、
ザクザクしたツブ感があり香ばしくて最高!
おいしーーー!!
ますます暮れて、ひんやりとした野の大気。
帰りがけ見たら和風の座敷席もあったし
キッズもワンコも大歓迎で、色々な使い方ができそうなお店。
でもやっぱり、早めの予約でテラス席がおすすめかな〜♡
<bd95s80>
「店名」を見れば大体の想像がつくという
特殊能力が備わってくる。
もちろんハズレることもあるが
特に当たるのは地方に行った時、
「この店は夜営業をしてくれているか否か」
についてである。
山奥に引っ込んだ趣たっぷりの店ほど
「お昼のみ、営業は2時間のみ」
みたいな難易度の高い店が多く
その見分けは大体店名を見ればできるようになってしまった(笑)。
その意味で言うと、この店は予想はアタリで、
そしていい意味で裏切られた店でもあった。
店名を聞いて夜営業をしてくれていそうだな、
と思ったら、してくれていた!
それは良かったのだが、こんなオッサレーなお店とは知らなんだ。
テラス席がステキすぎませんかー!?♡♡♡
こんな環境で美味しい手打ち蕎麦がたぐれるなんて
まさに天国!!
人気の訳がわかりました。
外観は、意外とストイックでシンプル。
外に向けて打ち場があります。
はあ〜っ
打ち場ってほんっっっとーーーーにかっこいいですよねえ〜
魔法が生まれるところ。
好きすぎて近づけば近づくほど
蕎麦打ち場内部より私が目立っていく件(笑)。
エントランスに向かって左脇に入っていくと
絶景に出会えます。
山が大好きな私は、この時点でときめきまくり〜!!
店内に入ると、店内より店外が目に飛び込んでくる。
なんと贅沢な庭!
予約しておいたのでギリギリ、テラスに近い席に案内されて嬉しい。
予約した時には想像していなかったシチュエーション!!
混雑しているしキッズ連れも多いし、テラスにはワンコもコロコロ(≧∇≦)
必然的に店はわさわさしているのだが
スタッフはどの人も丁寧で必ず笑顔で、めちゃめちゃ感じがいい。
すごいお店だなあ〜
食べたいのはもちろん、雪が降ろうが槍が降ろうが「もりそば」ですが、
ここは長野だけに「くるみ蕎麦」なんかも気になるところ。
ご飯ものやキッズプレートもあるし
単品で生卵頼めるのも生卵好きとしては嬉しい。
(生卵トッピングは手打ちじゃないお店で私が良くやるテ (≧∇≦))
夜メニュー。
メニュー読解力と決断力には自信のある私は
瞬時に食べたいものが決まっちゃいます。
上田でとれた大きなしめじ。
大きいだけあってシャクシャクとした食感があって
ものすごく美味しい!!
おろしもたっぷりで最高。
長野できのこおろしを食べるたびに
長野愛が一度熱くなる私(≧∇≦)
ここで突然ですが皆さんに、
私がいつもお蕎麦屋さんで撮っている写真の裏話をご紹介。
私はいつもスマホで、シャッター音を消せるアプリで撮っていますが
とにかくやたら枚数を撮ります。
そもそもがスマホだし、どれが当たるかわからないので・・・
特にお蕎麦の肌感については実物に近い雰囲気を大切にしたいので
めちゃめちゃ真剣にたくさん撮ります。
例えば同じ「だし巻き卵」を撮っても
こんなに違うんですよ〜!?
なんで!?ってくらい違いますよね。
実際のイメージに近かったのはこちらの方です♡
「だし巻き卵」
この「だし巻き卵」が素晴らしかった!!
まず出汁の味わいがものすごく美味しい。
食感は意外と個性的で
ふんわりしてるのだがゆばのような膜感、ミルフィーユ感がある。
これまたおろしたっぷりで嬉しい。
いやー、この時点で大満足の美味しいお店だなあ〜
そしてお楽しみのこのお方も
ユニークなビジュアルで出会った瞬間笑っちゃいました。
「そばがき」
完全球体のそばがきさん!
かっわいい〜〜(≧∇≦)
まだお箸も持たぬうちから、
ホワーッと漂う最高の芳しさに脳を射抜かれる。
この上なくフレッシュで、青さも野性味もあり素晴らしい香り!
食感もまた最高で、ことさらエアリーとかふわっふわとかではないのだが
もっちりした中にかすかなふんわり感があり
素直で堅実な、そばがきとして最高のおいしさ。
食べている間じゅうしあわせ!!
「海老と野菜の天ぷら」
細長く切ったズッキーニ、モロッコインゲン、
まいたけ、えのき、かぼちゃ、なす。
海老は一本追加でふたつにしました。
とにかくカリッカリの天ぷら。
油っこくないのはいいのだがちょっとカリカリすぎたので
いつも天ぷらは塩で食べる私だが
こちらは天汁につけると美味しかったです。
でも天汁につけても何もヘタらない魔法のカリカリ天ぷらでびっくりでした(^^;)
これもおろしがたっぷり最高〜!
ほんと、こういうの大事で嬉しい!
そしてこの絶景を見てください・・・
「ざる蕎麦」
静かに暮れていく緑の庭。
眼下には私の永い永い片恋人であるお蕎麦。
しあわせすぎて・・・
時がとまります
美しい細打ちのお蕎麦がたっぷり。
箸先から香りを寄せると、ずしっと香ばしさを感じて嬉しくなる。
そばがきとはまた違う香りで、ただかなりキンキンに〆てあって
香りが淡めだったので少し待とうと思ったら
食べてるうちに香りがもっと淡くなってしまった。あらら〜
しかしそのあとは、淡い中にもそばがきと同じ、
フレッシュで誠実な素晴らしい香りが感じられた。
細打ちだが密な質感で量もたっぷり、食べ応えあり!
自家栽培と御代田契約栽培のブレンドの二八蕎麦。
県内全域蕎麦汁かなり甘めエリアである長野だが
ここのもやはりかなりの甘め。
しかし出汁の感じや合わさったまろやかさはとてもいい。
デフォルトで天かすが付いてくるものすごいサービス。
(さっきの天ぷらの通りのカリッカリで金平糖みたい)
たっぷりのおろしを毎度つけてくれたり、蕎麦の盛りもそうだし
「食べる人に喜んでほしい」
という思いやりが伝わってくる店だ。
長野好きとしてはいつも気になる「くるみだれ」も試してみました。
これがねー!!
意外にも普通の蕎麦汁よりくるみだれの方が
甘すぎなかったんです。
しかもここのくるみだれは特に超濃厚で、
ザクザクしたツブ感があり香ばしくて最高!
おいしーーー!!
ますます暮れて、ひんやりとした野の大気。
帰りがけ見たら和風の座敷席もあったし
キッズもワンコも大歓迎で、色々な使い方ができそうなお店。
でもやっぱり、早めの予約でテラス席がおすすめかな〜♡
<bd95s80>
2023年06月23日
長野・高遠「華留運」
私が大好きな、そして私自身のルーツにも関わる高遠町にあるお蕎麦屋さん。
高遠には「高遠蕎麦」という歴史深い郷土蕎麦があり、
その詳細については後で紹介するが
この店もその「高遠蕎麦」が食べられる貴重な名店だ。
純和風の素敵な外観でしょう〜〜?!♡
もっと素敵なのはこちら。
きゃ〜〜〜!!!!
十割 長野県入野谷産 入野屋在来
玄挽 高遠産信濃一号 十割細挽き
二八 高遠産信濃一号 国産強力小麦
こっ これを見て血圧・脈拍を正常に保てる人がいるのだろうか!?!?
ステキ・・・このままここでしばらくこれを眺めているだけでも幸せ・・・!!
でもそれではお店の方も気持ち悪いと思うのでさっさと入ります(笑)
店名の「華留運」はケルンと読む。
山への親しみが感じられる名前だが、店内に入ればこの通り。
山小屋風にまとめれた店内には
山の写真やピッケルが飾られ、
まさに今日も登山していた私には実に楽しい雰囲気。
ほっこりとくつろげる雰囲気だが、
しかし私は今それどころではないのである。
とにかくここはお蕎麦がものすごいので
もうすぐそれらに出会えると思うと、胸が高鳴って高鳴って
全然落ち着きませんーーーー!!!
だって、ほら!
もうダメだ
おいしそうすぎて嬉しすぎて大気圏を飛び出しそうだ
高遠町のお蕎麦なんて泣けるほど嬉しいし
入野屋在来なんてもう!アナタ!えーーーん!!(ついに泣き出す笑)
そして冒頭で触れた高遠蕎麦とは歴史的にこういうものです。
(ちなみに私の曽祖父は高遠藩の血筋の者です〜)
高遠蕎麦という文化はお殿様と一緒に会津に行っちゃったんですが
その後本場である高遠町で復活して愛されるようになったんですね。
肝心の、「高遠蕎麦ってどんな蕎麦よ?」って話なのですが
こんなお蕎麦です!
ここは写真入りでしっかり説明してくれていていいですよね〜!
私は普段は「蕎麦と私の間に入る者は水も許サヌ」とか言っちゃって
蕎麦汁もつけずにそのままズルズル完食しちゃう極悪人なのですが
本日は大好きな高遠に来たんだもの!一枚は高遠蕎麦、ぜひ頂きますよー!
二八、十割、玄挽、もちろん全部食べるかから
どれかを高遠蕎麦のセットにしてもらおうーっと。
高遠産雑きのこ入りの「雑きのこぶっかけ」とかもちょー気になるけど
私のお腹は残念ながら一つしかないからあきらめだな・・・
嗚呼明日の私からお腹を借りたい!!
でもお蕎麦の前にはやっぱり色々食べたいよね〜
じゃーん!
「馬刺し」
半分凍った状態で、とメニューにあった通りの半ジャリ!
薄切りで上品でとても美味しい。
にんにくとしょうがは欠かせないですよね〜♡
「馬すじ煮込み」
馬すじ、豆腐、こんにゃく、ねぎ。
すじ肉がプリプリと固めの食感でうっまーーー!
味付けも甘くなく汁がいい味でめちゃくちゃ美味しい。
コラーゲンぽいところも嬉しーい♡
さてこれが今回ちょっとびっくりしちゃったのですが・・・
「そばがき」
おお〜なかなかの粗挽き!
蕎麦の実の青さも伝わって美しい。
・・・なんだけど、アレ??切るとギシギシいうみたい??
???
なんだか中が生のようでした〜
せっかく出していただいたのに申し訳ないが
勇気を出して言ってみると、快く交換してくれました。
すみません〜!
そして出してくれた2代目そばがきさん。
あららら??
また切るときギシギシいって、
食べてみると中はジャリジャリギシギシとした生の蕎麦粉。
そうかこれは狙ってこの状態なのかもしれない。
新しい出会い!?
胡桃味噌?がついてくるのが長野らしくていいですねえ〜
「高遠蕎麦(二八 高遠産信濃一号 国産強力小麦)」
二八のお蕎麦を「高遠蕎麦」のセットでオーダーしました〜
「華留運」の高遠蕎麦にはくるみだれもついてくるのがめっちゃ嬉しいですね!
しかしとにもかくにもお蕎麦です。
この美しさ!
あ〜〜〜〜〜うれしーーー!
みずみずしくピカピカに輝く粗挽き肌。
ドキドキと箸先から香りを寄せると・・・
めちゃくちゃキンキンに冷やされていて
意外にもその冷気に香りは乗ってこなかった。
口に含むと細撃ちなのに質感はずっしりめ、歯応えもやや硬めでしっかり。
そして粗挽きのざらつきとかすかなジャリツブ感もあるのにつるんっつるん!
味わいは香ばしい滋味深い味わいがあり、
いやー・・・香りがなくてもすごく美味しいなーと思っていたら!!
香り後から出てきたああーー!!♡♡♡
野生味のある香りだが、いわゆる信濃一号らしい野生味とは
一線を画す香りで、香ばしさもあるのが素晴らしい。
おいしーーー!
ちょっと次のお蕎麦来ちゃったので高遠蕎麦としては
後で食べます!私は今めちゃめちゃ忙しい!!(笑)
「ざる(十割 長野県入野谷産 入野屋在来)」
ぎゃーーーー!!
さ さらにすごい。さらにすごい!!
これは絶対に美味しいいいいいい!!
極細、平打ちの繊細な輪郭線。
二八よりさらに暗めのに浮かぶ
無数の細かな褐色のホシたち。
そしてこちらはトップから、ガツンと黒く香ばしい芳しさ!!!
口に含むとちゅるんとしなやかで素晴らしいコシがあり
十割と思えない食感。
二八同様、かすかにザラチク感があるがこちらもつるり。
香りはガッツリだけど味わいは澄んでいて最高!!
ああ〜幸せだああああーーー
「ざる(玄挽 高遠産信濃一号 十割細挽き)」
ウワーー・・・
絶句の粗挽き、絶句の美しさ
この粗挽きはめっちゃいい粗挽き!!これは絶対に美味しい!!
この素晴らしい一枚が出来上がるまでに
種から土から雨の日風の日、そして挽き方打ち方(日本語崩壊)
どれだけの苦労と工夫が詰まっているんだろうと思うと
その尊さに涙が出そうになる。
私なんかが食べていいのかなという気持ちになる。
えーんえーん 会えて嬉しいようーーー
いただきます!!!
うっわー・・・
見ての通りではありますが
食べてももんんのすごい粗挽きでございます!!
そしてビビるのほどの香り爆発っぷり!!!
黒い香ばしさとたくましさ、甘くさ、全てが深くて
素晴らしすぎる、最高の香りーーー!!
これだけ粗挽きでこの香り方って強烈に凄い。
二八や十割はほんのりだったザラチク感だが
この玄挽きでは容赦ないザラチク感。めっちゃ刺激的で楽しい(≧∇≦)
味わいも濃くてずっと膨らみ続けてくれて
ああもう・・・興奮しすぎてくたびれたかも・・・
へなへなへな・・・
ちなみに蕎麦汁は長野らしくかなりの甘手。
しかし、より甘そうに思えるくるみだれは甘くないんです!
香ばしくて美味しいー!
そしてお楽しみの「高遠蕎麦」。
「越前おろし蕎麦」の大根汁は独特の甘さがあってそれが美味しいのですが
「高遠蕎麦」は「辛味大根の汁」なので甘くありません。
そこに焼き味噌を入れると香ばしくて美味しい〜!
糠のような香りがするのもなんかおいしい♡
高遠は高遠城址公園の周りの1500本のコヒガンザクラで名高い町ですが
とてもとても美しくて素敵な町。
行ったことのない方は、ぜひ一度訪れてみてくださいね〜!!
<bd1n8j9g95>
2022年12月14日
長野・小諸「郷ごころ」
駅前にある店なのだが
なにせ駅がどこにあるかわからない。
よって店がどこにあるかもわからない。
小さくてそれはそれは可愛らしい「三岡(みつおか)駅」。
電車が来ても静か・・・
銀河鉄道の夜。
店はその駅のどまん前にあるのだが、
これまたこの目立たなさである。
わかりやすく光る看板などはなく、
店名自体は暗闇の中なので
写真よりさらにひっそりとした存在だ。
店内はとても美しく、完璧に調っている。
メニューはいろいろ盛り沢山で楽しい!
左下、「燻製三種盛り合わせ」に目が釘付け♡
全て昔ながらの手作業による、種まきから収穫、製粉までの様子なども
詳しく紹介されていて素晴らしいメニュー本だ。
お通しの、野のもの。
大根のきんぴら、漬けもの、おから。
「天ぷら盛り合わせ」
なんだかモダンアートのような盛り付けでやってきました。
見た目はちょっと不思議なのだが、この天ぷらがすごいんです!
まずですよ、この天ぷら盛り合わせ、税込638円なんです。
なのにネタが、メゴチ、ハモ、アナゴ+野菜ときたもんだーーー!
しかもひとつひとつがやたら美味しい。見た目よりずっと美味しい!
特にメゴチがいい。穴子も臭みゼロで美味。
衣はバリバリではなく軽やかなサクサクで、時間経ってもサクサク!
またこの量がいいですよねー
一人で来て一杯やりながら638円でこれ食べられるって
控えめに言って天国ですよね? (≧∇≦)
「蕎麦屋の塩焼き鳥」
名前に惹かれてオーダーしたが、
ちょっと塩辛いのが難点だったかな〜
でも皮パリパリで香ばしさもあって焼き具合最高!
お酒に合わせた塩加減なのかも?(この日はノンアルコールビールでした)
「豚の角煮」
「煮肉愛好会会長」を自称する私だけに、この手のものには滅法弱いのと
メニューのトップにあったのでオーダーしてみました。
うっまーーーー!!
さすが自信ありメニュー、究極の味染み!!
美味しさが煮詰まりまくっております〜
うおお〜ずしっと重めのビール飲みたい!
この角煮めちゃおいしい〜〜
「燻製三種盛り合わせ」
やはりというか、1番に頼んでしまいました燻製三種盛り。
おっほー!!これまた強烈にお酒を欲する御三方!!
●はんぺんチーズ
はんぺんって甘いのが多くて苦手なこともあるのだが
これは甘さ控えめでチーズも濃くなく上品。
燻製の香りもわざとらしくなく実に美味しい。
上手い、美味いなああ〜
●サーモン
しっとりとてもいいサーモンなのだが
これだけ塩分控えめで味が足りない感じ?
でも外食は塩辛いものが多いし、塩分は足りなければ足せるし、
素材のうまみや甘みを楽しむチャンスなので大歓迎!
●厚切りベーコン
これは反則!ビールーーーー!! (≧∇≦)♡♡♡
燻製の香りが最高で、脂がおいしすぎる!
もうどうなってもいいおいしさ。
そしていよいよ、おまちかねの方の登場です。
「ざるそば」
おっほー!
「ざるそば」と名乗ったからには海苔がのってくるスタイルでございました。
海苔は大好物ですがお蕎麦さまとは「個別に」お会いしたいので(笑)
全力で別々に味わいます。
しっとりやさしく重なり合う素朴な肌。
香りは淡いが、甘くふっくらした香りが静かに漂っている。
食感は意外としっかり目でほんの少し口中で暴れる感じもあったくらいだが
不思議と噛み締めると硬さははく程よいコシ。
その噛み締めた時の味わいが素晴らしいー!
ストイックな蕎麦の滋味深さがじわ〜と広がり、
小諸の地で大切に育てられた蕎麦の味わいにしみじみと浸るひととき。
今日はお仲間と一緒だったので、
私にしては珍しい、こんないいものも一口分けてもらいましたあ〜 (≧∇≦)
「カレーつけ麺」
あんまりこういう種物食べたことがないんですが
おいしいですねえ〜! (≧∇≦)
あんかけのようなしっかりとしたとろみがあり、
蕎麦つゆ感もしっかり感じられる。
体の芯から温まりますね〜♡
私は雪が降ろうと風邪気味だろうと
冷たいせいろしかありえない運命の下に生まれたので
あたたかい種物食べると新鮮に感動します。
ここはあの絶品だった「豚の角煮」が入っているらしい
「角煮そば」っちゅーのもあるので気になりまくり (≧∇≦)
本日この十割に出会えなかったのはショックすぎて倒れそうでしたが・・・
次回は事前確認のうえ参りまして、
「みちる蕎麦」「ざるそば」「角煮そば」
を狙いたいと思いまーす♡
(これも気になる・・・香ばしいといきなり甘いものOKになる私♡)
うっまーーーー!!
さすが自信ありメニュー、究極の味染み!!
美味しさが煮詰まりまくっております〜
うおお〜ずしっと重めのビール飲みたい!
この角煮めちゃおいしい〜〜
「燻製三種盛り合わせ」
やはりというか、1番に頼んでしまいました燻製三種盛り。
おっほー!!これまた強烈にお酒を欲する御三方!!
●はんぺんチーズ
はんぺんって甘いのが多くて苦手なこともあるのだが
これは甘さ控えめでチーズも濃くなく上品。
燻製の香りもわざとらしくなく実に美味しい。
上手い、美味いなああ〜
●サーモン
しっとりとてもいいサーモンなのだが
これだけ塩分控えめで味が足りない感じ?
でも外食は塩辛いものが多いし、塩分は足りなければ足せるし、
素材のうまみや甘みを楽しむチャンスなので大歓迎!
●厚切りベーコン
これは反則!ビールーーーー!! (≧∇≦)♡♡♡
燻製の香りが最高で、脂がおいしすぎる!
もうどうなってもいいおいしさ。
そしていよいよ、おまちかねの方の登場です。
「ざるそば」
おっほー!
「ざるそば」と名乗ったからには海苔がのってくるスタイルでございました。
海苔は大好物ですがお蕎麦さまとは「個別に」お会いしたいので(笑)
全力で別々に味わいます。
しっとりやさしく重なり合う素朴な肌。
香りは淡いが、甘くふっくらした香りが静かに漂っている。
食感は意外としっかり目でほんの少し口中で暴れる感じもあったくらいだが
不思議と噛み締めると硬さははく程よいコシ。
その噛み締めた時の味わいが素晴らしいー!
ストイックな蕎麦の滋味深さがじわ〜と広がり、
小諸の地で大切に育てられた蕎麦の味わいにしみじみと浸るひととき。
今日はお仲間と一緒だったので、
私にしては珍しい、こんないいものも一口分けてもらいましたあ〜 (≧∇≦)
「カレーつけ麺」
あんまりこういう種物食べたことがないんですが
おいしいですねえ〜! (≧∇≦)
あんかけのようなしっかりとしたとろみがあり、
蕎麦つゆ感もしっかり感じられる。
体の芯から温まりますね〜♡
私は雪が降ろうと風邪気味だろうと
冷たいせいろしかありえない運命の下に生まれたので
あたたかい種物食べると新鮮に感動します。
ここはあの絶品だった「豚の角煮」が入っているらしい
「角煮そば」っちゅーのもあるので気になりまくり (≧∇≦)
本日この十割に出会えなかったのはショックすぎて倒れそうでしたが・・・
次回は事前確認のうえ参りまして、
「みちる蕎麦」「ざるそば」「角煮そば」
を狙いたいと思いまーす♡
(これも気になる・・・香ばしいといきなり甘いものOKになる私♡)
2022年11月22日
長野・大町市「手打そば 美郷」
9月末。
白い蕎麦の花が一面に咲く蕎麦畑には、雨が降っていた。
濡れそぼる古い水車小屋を見つめ
私は何をするでもでなく、ただ立ちつくしていた。
というのは大嘘で!
その畑に面した、
こちらのお店に突進したのでありました〜 (≧∇≦)!
蕎麦畑のすぐ向かいに製粉所とお蕎麦屋さんがあるって
めっちゃめっちゃときめきませんか!?
土から生まれ、青く育ち、美しい粉となって蕎麦切りになる
シンデレラ(?)ストーリーが一目瞭然の眺め!
もうもうもう、私にはどんな高級ブランド街の眺めよりも
輝かしい、美しい、心ときめく眺めであります♡
製粉仕立ての地粉を使う本格的な手打ち蕎麦店でありつつ
メニューはそば、うどんのほかにカレーライスも名物なので
店内は気楽な食堂のような雰囲気。
早速メニューの右下に、見逃せない文言を発見。
「当店からの心づくし」
そばうすやき一枚、自家製漬物、
ざるそばには、季節の天ぷらがついています
もう一度読んでみてください。
なかなか難しい日本語ですよね(笑)
どこからが、ついてくるのだろう? (≧∇≦)
「うすやき」と「自家製漬物」と「天ぷら」3つ全部ついてくるの?
それとも天ぷらだけかな??
よくわからないけどワクワクしながら
「ざるそば700円」を頼んでみました。
白い蕎麦畑を眺めつ待っていると・・・
やっぱり「そばうすやき」キターーーーー!!
「そばうすやき」
蕎麦粉を水で練って、
蕎麦切りにせずにそのまま焼いたらしい素朴な薄焼き。
見入ると、わーい、お蕎麦な生地♡
甘いお味噌が苦手な私はすみませんが全力で避けてしまいましたが
うすやきだけを食べてみると・・・
う〜ん、じんわり蕎麦の旨み、こうばしさもあって美味しい〜!
そして「ざるそば」には
本当に天ぷらもついてきました。
しかもこんなに大きなのが、
大胆にも直接お蕎麦の上にのっかっております!
すごい眺め (≧∇≦)
うわあ この天ぷら美味しい〜
天ぷらは、その日によって
食用菊、クワの葉っぱ、あおじその葉、キクイモの葉
といろいろらしい。
特にパリッパリとか衣が素晴らしいとかではないのだが
とにかく素材がよく、家庭的な美味しさの極みという感じ。
写真は揃っているところを切り取ったが
実際の蕎麦は、ものすごい太さのばらつきがあった。
でも私、そういうのもすっごく好きなんですよね〜
揃ってるのは綺麗だし美味しいけど、
揃ってない美味しさも大好き (≧∇≦)
夏と冬で配合を変えていて
夏は3割、冬は2割のつなぎで打っているらしい。
香りは意外にも上品系。
淡いのだが白くやわらかい香りがほんのりと漂っている。
それでいて、舌に乗せると不思議とじわーっと味が染み渡る。
それも濃いわけではないのだがとっても美味しい。
事前に「ここのお蕎麦は最近やわらかくなった」との情報を得ていたが
全然そんなことはなく、コシは多少弱いが程よいおいしい食感だった。
私には蕎麦汁の個性の方が印象的だった。
まず、長野特有の強烈な甘さがないのは素晴らしい。
ところが出汁に全然鰹を感じないのだ。
椎茸でもないし・・・となると昆布かな?
いろいろ聞いていみたかったが
とにかく人気のお店で忙しそうだったので
またの機会に〜
ちなみにメニュー左下の「ズク出す」は長野の方言で
「労を惜しまずに励む」「やる気を出す」
という意味らしいです。
方言好きの私はシビレましたぁ〜♡♡♡
2022年08月19日
長野・松本「ヒカリヤヒガシ」
本日はお蕎麦屋さんではなく
和食屋さんでたまたま出会えた手打ち十割蕎麦のご紹介。
気がつけば年に10回程行っている、愛する松本の街。
その松本に大人気のレストラン、
「ヒカリヤヒガシ」と「ヒカリヤニシ」がある。
明治20年建築の名門商家の堂々たる、美しい建物をリノベーションし、
母屋を和食の「ヒカリヤ ヒガシ」として、
改装した蔵をフレンチの「ヒカリヤ ニシ」として
再生させたレストランである。
特に「ヒカリヤ ニシ」は長野県で唯一の
「ルレ・エ・シャトー(Relais & Châteaux)」加盟レストランでもある。
Relais & Châteaux!!
初めて行ったパリで元修道院の建物のRelais Christineに宿泊し
Relais & Châteaux という言葉は私にとってその時初めて知った魅惑の響き。
Relais & Châteaux加盟店紹介のガイド本は
見ているだけでもうっとりなんですよね〜♡
話は逸れたが、今回はたまたまご紹介いただき
家族でヒカリヤを訪れることになったのだが
その日は「ヒカリヤ ニシ」は定休日だったために
必然的に和食の「ヒカリヤ ヒガシ」の方に行くことになった。
想像はしていたが、建物の美しさにとにかく圧倒された!!
すすすすごすぎる
美しすぎる
好きすぎて激写しまくり〜
松本城を思わせる黒々とした姿に完全に一目惚れ!!
入るのに緊張を覚えそうなほどの素晴らしい建物だが
中に入ると意外と雰囲気は砕けた感じ?
簡易着物のようなものを着た若い女性スタッフが
いらっしゃいませ〜と迎えてくれ個室に案内された。
個室は床の間や立派な襖絵もありいいムード。
スタッフがお料理の説明をしてくれるのだが
これがなんともこのムードに似つかわしくない初々しさで
こちらも一生懸命耳を傾けて聞くことになった。
その時、事件が!
聞き捨てならない単語が飛び出し
私の両耳がぴょんと立ちました!!!
本日のコース料理はこちらなのですが
なんと最後のごはんを、
プラス料金で手打ちの十割蕎麦に替えられるんだとか!!
ハーイハーイハーイ私替えます!絶対お蕎麦にします!
父が可笑しそうにこちらを見ていました(笑)。
コースのお料理はこんな感じ。
特に美味しかったのは卵味噌漬、勘八の幽庵焼、
真鯛もすごくいいところでおいしかった〜
でも最初に「十割蕎麦」の四字熟語を耳にして以来
すっかり落ち着きを失くした私(笑)。
いよいよ、その時が〜♡
おー!
色とりどりの美しい和食を見た後だと
蕎麦という食べ物のストイックな美しさがますます際立って見える。
本当に、蕎麦の景色は世界に誇りたい絶景だ・・・
褐色のホシが散りばめられた肌。
輪郭線に全く角がなく、ちょっと手打ちとは思えないくらい
ほにゃーんと優しげな雰囲気の蕎麦だ。
(正真正銘手打ち十割蕎麦ですが!)
箸先から香りを寄せると、
ジーッと低く香る、いわゆる長野らしい野生より一歩渋い、
素朴で土着的な香り。
ここから近い、奈川の蕎麦の香りだ。
食べるとこれがまた十割と思えないほど軽い。
ふわっとした感じはとてもいいのだが、悪く言えば頼りないかな?
味わいは淡く、見た目でも思ったが、知らずに食べたら
機械かな〜?と間違えてしまいそうな食感だ。
でも、美味しいコース料理を食べた後なので
このふわっと淡いお蕎麦はスルッと入って
ちょうどよかったかも!
お料理が美味しかったので蕎麦汁には期待。
意外にもかなり甘かったが長野の平均よりは甘くなく、
出汁の味がすっきりしているので全体にはしつこさがなく
澄んだ印象だった。
とにかく大好きな松本のこんな美しい建物で
家族水入らずで個室で楽しいひとときを過ごせたのは
本当に楽しかったし、素晴らしい思い出となった。
今度は「ヒカリヤニシ」も行ってみたいなあー
お蕎麦は出てこないと思うけど!(笑)
<s7>
2022年08月16日
長野・穂高「そば処 一休庵」
想像を遥かに超える、
特大フライパンみたいなサイズのもりそばが来て腰抜かしました!!
登山後でお腹が空いていたので、ほぼ何も考えずに
「もりそば大盛り!」と頼んだのですが・・・
まずはこちらの名物である、「なごり雪」という、
ぶっかけスタイルの創作蕎麦を眺め
世の中の普通サイズというものを認識していただきたい。
美味しそうでしょうー? (≧∇≦)
この器は特に小さいサイズではなく、
おそらく平均より大きめなんですが、
普通にお盆の中に収まっていますよね?
対する「もりそば大盛り」の巨大さであります。
さあみなさんご一緒にびっくりしましょう!!
もう笑うしかないくらいのレベルで
お盆からはみ出しすぎ事件!!
機械打ちならいざ知らず、手打ちでこの量って有り得ますか??
この笊、本当に特大フライパンくらいあるんです。
「名残り雪」のお盆と並べるとさらにわかりやすいこの差!
これは・・・いくら私でも食べられるのかちょっと心配なレベル・・・ (^^;)
やや明るめで、かすかに透明感を感じる肌は、
上品でまろやかな香りを想像させる佇まい。
ところが実際箸先から寄せた香りは大衆的とも言えるなごみ系で
小麦粉の甘い香りと、蕎麦のややたくましい香りが混じり合った香りを
しっかりとまとっている。
口に含むとこれがまた、びっくりするほど軽い食感。
手打ちなのかな?と思ってしまうほどのゲキ軽い食感なのだが
正真正銘手打ちで、長野と北海道のブレンドの二八蕎麦である。
ふわっとして、噛み締めた感じもあっけないほどやわらかい。
というわけでもう空気のようにスルスル入っちゃう!
(アナタがお腹空き過ぎなだけでは?笑)
瞬く間に半分がなくなり、気がついたら完食していた。
ええええ〜??
眼下に、あんなに広大に広がっていたのに・・・
我ながら信じられない・・・ ( ̄▽ ̄)
ここは蕎麦汁がまた独特。
まず驚かされるのが予想された長野的な強烈な甘さがないこと。
そして鰹の風味がなんとも枯れたイメージというか
ややスモーキーさも感じるズシッとした渋さである。
酸味もがっつり濃く、それがこの鰹の渋い風味と相まって
低くがっつり濃い香りと味わいの汁だ。
それがここの、あの超軽いふわっと蕎麦と滅法合う!!
全く違うイメージの蕎麦と汁だけに、もはや魔法と言っていいレベルの合いっぷりだ。
今になってメニューをよく見て気づいたが、この「一休庵」では
温かい蕎麦は大盛り260円増しであるのに対し、
冷たい蕎麦は大盛り430円増しなのであった。
いろいろと変わっている!!
でも面白い!!
「名残り雪」
大根の千切り、わさびの茎漬け、揚げ玉、きのこを散りばめたお蕎麦。
聞いただけで、こんなの美味しいに決まってますよねー!
ありそうでないこの組み合わせ、アイディアが素晴らしい。
わさびの茎の香りが思った以上に華やかで、揚げ玉や大根の風味の美味しさは言わずもがな。
山菜なのかな?支那竹のようかコリコリした食感のものもあり、
大変に美味しいぶっかけ蕎麦。
これまたスルスルスルスル入っちゃいますー!
穂高駅前から近い目立つ場所にあるため長い間気にはなっていたが、
行列がすごかったり営業時間前に閉まっていたりで
入ったことはなかった。
今日は15時ということもあり行列が短く見えたので入ってみたが
それでも5組待ちだった。
すごい人気!
趣のある立派な店舗。
個人的にはこの箸袋がツボでしたー!
昨日から2泊3日で燕岳〜槍ヶ岳縦走の予定でしたが
台風の影響で急遽本日、常念岳の手前で下山したばかりの私。
こんな雰囲気のいい、色々楽しいお蕎麦屋さんにて
さっきまで居た山に想いを馳せるひととき。
ああ やっぱり長野はいいなあ〜〜
(17:00までの営業ですが人気すぎて16:00前には店仕舞い〜)
<s7n9>
お盆の中にお箸を載せようと試みましたがこの有様・・・
この笊、本当に特大フライパンくらいあるんです。
「名残り雪」のお盆と並べるとさらにわかりやすいこの差!
これは・・・いくら私でも食べられるのかちょっと心配なレベル・・・ (^^;)
やや明るめで、かすかに透明感を感じる肌は、
上品でまろやかな香りを想像させる佇まい。
ところが実際箸先から寄せた香りは大衆的とも言えるなごみ系で
小麦粉の甘い香りと、蕎麦のややたくましい香りが混じり合った香りを
しっかりとまとっている。
口に含むとこれがまた、びっくりするほど軽い食感。
手打ちなのかな?と思ってしまうほどのゲキ軽い食感なのだが
正真正銘手打ちで、長野と北海道のブレンドの二八蕎麦である。
ふわっとして、噛み締めた感じもあっけないほどやわらかい。
というわけでもう空気のようにスルスル入っちゃう!
(アナタがお腹空き過ぎなだけでは?笑)
瞬く間に半分がなくなり、気がついたら完食していた。
ええええ〜??
眼下に、あんなに広大に広がっていたのに・・・
我ながら信じられない・・・ ( ̄▽ ̄)
ここは蕎麦汁がまた独特。
まず驚かされるのが予想された長野的な強烈な甘さがないこと。
そして鰹の風味がなんとも枯れたイメージというか
ややスモーキーさも感じるズシッとした渋さである。
酸味もがっつり濃く、それがこの鰹の渋い風味と相まって
低くがっつり濃い香りと味わいの汁だ。
それがここの、あの超軽いふわっと蕎麦と滅法合う!!
全く違うイメージの蕎麦と汁だけに、もはや魔法と言っていいレベルの合いっぷりだ。
今になってメニューをよく見て気づいたが、この「一休庵」では
温かい蕎麦は大盛り260円増しであるのに対し、
冷たい蕎麦は大盛り430円増しなのであった。
いろいろと変わっている!!
でも面白い!!
「名残り雪」
大根の千切り、わさびの茎漬け、揚げ玉、きのこを散りばめたお蕎麦。
聞いただけで、こんなの美味しいに決まってますよねー!
ありそうでないこの組み合わせ、アイディアが素晴らしい。
わさびの茎の香りが思った以上に華やかで、揚げ玉や大根の風味の美味しさは言わずもがな。
山菜なのかな?支那竹のようかコリコリした食感のものもあり、
大変に美味しいぶっかけ蕎麦。
これまたスルスルスルスル入っちゃいますー!
穂高駅前から近い目立つ場所にあるため長い間気にはなっていたが、
行列がすごかったり営業時間前に閉まっていたりで
入ったことはなかった。
今日は15時ということもあり行列が短く見えたので入ってみたが
それでも5組待ちだった。
すごい人気!
趣のある立派な店舗。
個人的にはこの箸袋がツボでしたー!
昨日から2泊3日で燕岳〜槍ヶ岳縦走の予定でしたが
台風の影響で急遽本日、常念岳の手前で下山したばかりの私。
こんな雰囲気のいい、色々楽しいお蕎麦屋さんにて
さっきまで居た山に想いを馳せるひととき。
ああ やっぱり長野はいいなあ〜〜
(17:00までの営業ですが人気すぎて16:00前には店仕舞い〜)
<s7n9>
2022年08月01日
長野・下島「木鶏」
蕎麦という運命の食べ物に出会い、
蕎麦だけを食べ過ぎるようになってウン10年。
長年、数え切れないほどの蕎麦屋に出会ってきたが
愛される蕎麦屋としての条件というものがあるなら
ここはそれを全て兼ね備えたような店だ、と思う。
佇まいは美しく、
かと言って気取った感じでもなく、
あたたかな風情がある。
店内は天井が高く広々としているのだが
靴を脱いで入るせいか
家庭に招かれたような、ほっこりした雰囲気の客席スペース。
店内にはゆったりとした音楽が流れ(Nora Jones etc.)
天井がうんと高く、テーブルも広々していて贅沢な空間。
でありながら、足元にはほにょほにょ気持ちのいい
アクリル毛布のようなものが敷かれていて
食べ終わったらそのままここで眠りたくなるような
なんというか「安心感」みたいなものが満ちているのだ。
また注文を取りに来てくれる奥さんの
優しく明るい声と笑顔の素晴らしいこと。
癒されます〜(>_<) ♡
そしてそして、
何よりこのメニューが美味しそうすぎてヤバイ!!
ぎゃーーー
ややややばいですよね!?
ひーーー!!
どうすんのコレ!?
(訪問は4月)
いつもはお蕎麦屋さんでごはんものなんて目にも入らない私ですが
(むしろごはんに蕎麦の分の胃の容量を奪われると思い敵視(笑))
これはガン見!!
もう欲望のままに食べたいものを全部頼んでしまいたい衝動に駆られるが、
そうするとひとりで6人分とかになっちゃう (≧∇≦)
一応大人なので欲望にブレーキをかけますが、
ううっ ブレーキが重い店だなあ・・・ああ苦しい、ツライ!!
ビールと一緒にお通しとして出てきたのは
ひたし豆。
むかーし昔、武蔵小金井の「みやざわ」さんにて恋に落ちたひたし豆。
ここのも超絶に美味しい!
この豆そのものが美味しいしシンプルな味付けもよくて
汁まで全部飲んじゃいました(笑)
「とりわさ」
見るからに新鮮で美味しそう。
そして見た目以上になめらかで繊細な質感が素晴らしい。
わさびなどの薬味や「再仕込み醤油」もついてきたが
再仕込み醤油は濃厚だし、わさびも強く感じてしまうほど
この鶏肉は繊細な美味しさ。
塩で食べたいとりわさなんて初めて!
またさりげなく盛られた薬味の野菜が全部美味しい。
玉ねぎの甘さがすごい〜♡
「だし巻卵」
これがもう・・・
ただただ絶賛しかない「だし巻卵」なのであります。
見るからに、図抜けた美味しさを想像させられ
思わずアハハハハハと笑い出してしまいましたが
実際食べたらほとんど飛び上がりました。
理想の美味しさと言っていい「だし巻卵」!!
あまりに完璧だと形容するのも難しくなるのだが
ふっくらしつつ、密な肌。
何より、汁がジュワーじゃなくて
やわらかい卵の肌の中に汁が閉じ込められている感じが凄い。
なんですかこの食感!?
味も強くないのに全く足りない感じがない。
何もつけずに食べて完璧すぎる。
参った!
「地物 山菜の天ぷら」(訪問は4月)
うわあああああ
運ばれてきただけでシビれる見た目!
山菜の天ぷらは大好物なので見かけたら必ず頼むが
ここのは段違いな美味しそうさだ。
こしあぶら、やまうど、たらのめ。
一口食べてやっぱり目がかっ開きました。
なんというサクサク感、軽やかさ。
脂っこさが全くなく、油の良さと腕前の良さに
ただただ「ギャフン」としか言いようがない。
時間が経ってもサクサクで、
中からパーンと弾ける山菜の香りが幸せすぎる。
山の恵みに手を合わせたくなる。
「手羽塩焼き」
お蕎麦屋さんで手羽って意外と出会いません。
おすすめと書いてあったので頼んでみましたが
皮パリジューシーでこれも最高の美味しさ!
野菜もドレッシングも美味しい。
もう〜なんなの〜!?
どれもこれも最高に美味しすぎて絶賛ばかりで
文章にメリハリがつかなくて困るんですけど〜 (≧∇≦)
そして、待ちに待ったこの時間でございます。
「2種盛り(もりそば+玄挽き田舎そば)」
おっほーーーー
めちゃめちゃいい眺め!!
嗚呼 ときめき過ぎて心臓がどうにかなる・・・!!
「もりそば」
箸先から寄せた香りにまず感激。
めちゃめちゃフレッシュで青い綺麗な香り〜!
口に含むとパッキリとした輪郭線とシャープなエッジが感じられるが
不思議と硬さはなくしなやか。
最初鮮烈だった香りは食べ進むうちに弱まってきてしまったが
まろやかで上品な香りと味わいが楽しめる。
ここと同じ長野の、野辺山のキタワセと聞いて意外!
こんな香りの長野のキタワセもあるんだなあ〜
「玄挽き田舎そば」
無数に散りばめられた褐色系のホシ、
微かに震える素朴な輪郭線。
見るからに香りまくってくれそうな
たまらない美肌に吸い込まれそう・・・
と、思ったのだが、最初は意外にも香りがほぼなく、
口に含むとすかに黒いスモーキーな味わいがある感じ。
が、食べ進むうちにそれがだんだん変わってきて
ヨモギとか青畳のような
爽やかな野生の香りがフワーッと感じられるようになり
ついにはいわゆる黒くスモーキーで甘い香りに!
香りととも味わいも濃くなったが
全く嫌味なくどこまでも美しいのが素晴らしい。
そして「もりそば」同様、
こちらもパッキリくっきりな輪郭線を感じる舌触りなのに、
噛み締めると硬いわけではないのが面白い。
細かい粗挽き感、とでも言いたくなる、
優しいヤスリのような粗挽きの舌触りもなんとも心地いい。
うーん、先ほどの「もりそば」と甲乙つけ難いけど
やっぱりこの「玄挽き田舎そば」の方が好きかなあー
ここから近い乗鞍の、乗鞍在来種。
そしていつもならここで、お蕎麦との逢瀬の感激、余韻に浸りつつ終わるところが、
今日はここのメニューの凄さにあまりにも目移りした結果、
なんとデザート?にこんなものを・・・(笑)
その名も「木鶏丼」!
頼んだのは「ミニ木鶏丼」の方なので
小さめの丼か、お茶碗に盛られてくるのを想像していたら
こんな素敵な根来の蓋つき椀でやってきました♡
「ミニ木鶏丼」
蓋を開けて感激はさらに。
お、おいしそうすぎる・・・
メニュー写真でも美味しそうだと思ったけど
本物の方がさらに強烈な魅力を持って私に迫ってくる。
オーダーしてから店主に「鶏肉炙りますか?」と訊かれ
即答でお願いした私。
(全ての味の要素の中で「香ばしさ」と「苦味」を偏愛するもので)
炙りたての香ばしい香りがたまりません〜!
そして「だし巻卵」に続いて、ここでも卵の美味しさにびっくり。
甘くないけど旨みとコクがしっかり。もうただただ最高!!
お肉もふっくらして、噛み締めた味が濃い。
あああああ 美味しいーーーー・・・
お蕎麦の後にこんなに恍惚とするなんて
なんか浮気してる気分・・・(笑)
ふと周りを見回すと
常連らしい家族連れが店主と実に楽しそうに話していたり
向こうの大きなテーブルではお祝い事らしい女性二人が
ゆっくりと、何やらものすごく美味しそうなものを
次々と食べている。予約限定のコース料理らしい。
(実は私はずっと羨ましくて(笑)時々チラ見しておりました)
そう、ここはコースが素晴らしそうなんです!
いつもの私ならお蕎麦が4種も食べられるという
「そば三昧コース」一択なのですが
今日超絶に美味しいおつまみの連続攻撃に遭ったあとだと
料理が6、7品もつく「味わい御膳」にめちゃめちゃ惹かれる・・・!
お蕎麦が小盛りという問題は追加注文で解決しよう〜♡
と、まだ店にいるうちから次回食べるものを決める私 (^^;)
でもコースは2日前、コースによっては1週間前までの予約なので
いつも弾丸突撃行動が多い私にはかなり難易度高め・・・
でも絶対食べたいからなんとか予約したい〜〜!!♡
<s85c9>
その名も「木鶏丼」!
頼んだのは「ミニ木鶏丼」の方なので
小さめの丼か、お茶碗に盛られてくるのを想像していたら
こんな素敵な根来の蓋つき椀でやってきました♡
「ミニ木鶏丼」
蓋を開けて感激はさらに。
お、おいしそうすぎる・・・
メニュー写真でも美味しそうだと思ったけど
本物の方がさらに強烈な魅力を持って私に迫ってくる。
オーダーしてから店主に「鶏肉炙りますか?」と訊かれ
即答でお願いした私。
(全ての味の要素の中で「香ばしさ」と「苦味」を偏愛するもので)
炙りたての香ばしい香りがたまりません〜!
そして「だし巻卵」に続いて、ここでも卵の美味しさにびっくり。
甘くないけど旨みとコクがしっかり。もうただただ最高!!
お肉もふっくらして、噛み締めた味が濃い。
あああああ 美味しいーーーー・・・
お蕎麦の後にこんなに恍惚とするなんて
なんか浮気してる気分・・・(笑)
ふと周りを見回すと
常連らしい家族連れが店主と実に楽しそうに話していたり
向こうの大きなテーブルではお祝い事らしい女性二人が
ゆっくりと、何やらものすごく美味しそうなものを
次々と食べている。予約限定のコース料理らしい。
(実は私はずっと羨ましくて(笑)時々チラ見しておりました)
そう、ここはコースが素晴らしそうなんです!
いつもの私ならお蕎麦が4種も食べられるという
「そば三昧コース」一択なのですが
今日超絶に美味しいおつまみの連続攻撃に遭ったあとだと
料理が6、7品もつく「味わい御膳」にめちゃめちゃ惹かれる・・・!
お蕎麦が小盛りという問題は追加注文で解決しよう〜♡
と、まだ店にいるうちから次回食べるものを決める私 (^^;)
でもコースは2日前、コースによっては1週間前までの予約なので
いつも弾丸突撃行動が多い私にはかなり難易度高め・・・
でも絶対食べたいからなんとか予約したい〜〜!!♡
<s85c9>
2022年07月20日
長野・姨捨SA (上り)「田毎庵」
何かのついでにここを通りかかり
立ち寄ったと思ってもらっては困る。
朝5時起きでわざわざこの蕎麦を食べるためにここまで来たという、
私の筋金入りのアホさにご注目!!(≧∇≦)
だってだって、高速道路のサービスエリアで
朝7時から22時まで手打ち蕎麦が食べられるって、
すご過ぎますよね〜え!
いつもいつも、山奥にひっそりあるような手打ち蕎麦屋さんのアクセスの困難さ、
昼間3時間のみとかの営業時間の短さに泣いている私からしたら、
この便利さありがたさは、まさに「神」、である。
とは言えこの姨捨は、登山やスキーなどで一年を通して信州に頻繁に行く私も
なかなか通らないエリアにある。
(長野自動車道の長野〜松本の間を繋ぐルート)
これはわざわざ行くしかないな!と
今回早起きしてやってきたわけであります。
姨捨サービスエリア、新しいみたいですごく綺麗でおしゃれな雰囲気!
なんかハワイみたい〜ってのは言い過ぎ?(≧∇≦)
こちらがレストランエリア。
朝早いのでガラーーン!としていますが・・・
あそこに蕎麦打ち部屋が〜〜♡
お蕎麦、食べられそうです!
(帰り際に蕎麦打ちライブもキャッチ!
白衣に白帽、木の台木の棒。日本文化の美しさにうっとり!)
一番乗りで誰もいませんがまずは席を確保。
ここの眺めもいいなあ〜
気になるメニューはこちら。
もうとにかく「おばすてせいろ」一択な訳ですが、
せっかく長野まで来たのだし、
朝なので蕎麦以外のタンパク質なども摂ろうではないかと
「豚肉ときのこのつけそば」、
そしてトッピングの「生卵」もつけてみました〜
券売機で券を買うと自動的に注文が厨房に送られるシステム。
番号を呼ばれたら取りに行きます。
おおー!
朝イチでお腹空いてるので大盛りにしようかと迷ったが
しなくて正解。
かなりの盛りっぷりです。
どーーーん!
素朴な肌に浮かぶごく細かなホシ。
小麦粉配合料は低くはなさそうだがすんごく美味しそう!
箸先から香りを寄せると・・・
突き抜ける、フレッシュな香りーーー!!
ちょっとちょっと、期待を遥か超える素晴らしさなんですけど!!
まさに長野らしい野生プラス、
ちょっとムワッとしたたくましさがある香りだが、
全体にとてもさわやかで美しいのが素晴らしい。
食感は比較的しっかりめだが硬さは全くなくしなやか。
噛み締めるたびに膨らむ粉の味わいと甘さが美味しく、
まさに「小麦粉が連れてきた蕎麦粉の香り、味わい」という感じ。
蕎麦汁は予想通り、長野らしいかなりの甘口。
しかしトッピングでつけた「生卵」でお蕎麦を食べる場合は、
こういう甘めが合うんだな〜 (≧∇≦)
でもこのお蕎麦期待以上に美味し過ぎちゃって
卵とか汁には全っ然つけられないんだけど、どうすんの?(笑)
「豚肉ときのこのつけそば」
(なんかこっちの方がさらにお蕎麦が多い気がするのは気のせいでしょうか!? (≧∇≦))
こちらのつけ汁も甘めの味付けだが、山椒がしっかり効いて
大きめのきのこもゴロゴロ入っていて美味しい。
お肉はヒラヒラした小さいのが入っているのだが、
これがまた自然にお蕎麦に絡んで、
お蕎麦と一緒に食べられる感じがいいですね〜
おまけ話としては、あまりにもお蕎麦の美味しさに感激した私、
まだ朝で他にお客さんもおらず忙しくなさそうだったので
帰り際厨房の方に聞いちゃいました!
まさに長野らしい野生の香り、
と思ってましたが、北海道でした!( ̄▽ ̄)
実は時々、長野と北海道間違えるんですよね〜 (^^;)
お蕎麦担当の方はその時まさに蕎麦打ち中だったので詳細不明ではありますが、
配合は二八か七割?とのことでした。
なんにせよ美味しかった!!
とにかく高速SAで朝7時から22時まで
手打ち蕎麦を出してくれるという神的ありがたさに
やはり長野は蕎麦の国、すごすぎる!!
という畏敬の念を新たにしました (≧∇≦)
ここ絶対また来たーい!
〈us9〉
2022年07月19日
長野「某高速SAの手打ち蕎麦!」
高速のサービスエリアで、
朝7時から手打ち蕎麦が食べられるって信じられます?
しかもこんっっなに美味しいなんて、そりゃこんな顔にもなりますわ!
以前ココのパーキングエリアの手打ち蕎麦をご紹介しましたが、
http://ayakotakato.seesaa.net/article/468626953.html
今回は同じ長野の、さらに北の方にあるサービスエリア。
しかも何かのついでに通りがかって立ち寄ったのではなく、
5時起きで「わざわざ」そこまで行ったという
私の筋金入りのアホさにご注目! (≧∇≦)
追って詳しくご紹介しますね〜
2022年06月27日
「峠の茶屋 風聲庵」
これから登山という朝8時。
信濃路の奥、杖突峠あたりを通りかかったら、
とある建物の前にいくつものカラフルな幟がはためいていた。
その最後の幟を、どうしても見捨ておけなかった私!
「峠の名物チーズパン」
「絶景を添えて コーヒー」
ここまでは平和です。
最後に「手打ち 杖突そば」って!
コーヒーとチーズパンと杖突そば。
その組み合わせなんなの!?(笑)
その後、山に登っている間じゅう
そのお蕎麦屋さんが気になってたまらず〜
本日は行程の短いコースだったこともあり
山頂でお昼は食べずに、お蕎麦めがけてスピード下山!
いざ杖突そば〜〜 (≧∇≦)
建物に対峙すると、やっぱりちょっと不思議な雰囲気ですね〜
右側は洋風で、左の部分は和風?
どうやら右側が「峠の茶屋」という喫茶店で、
そこで名物チーズパンを売っていて、
左側が「風聲庵(ふうせいあん)」という手打ち蕎麦屋さんらしい。
入る前に一応インターネットで情報を調べてみると、なんと!
「抜きのあらびき十割 1300円」
「丸抜き蕎麦(十割)1200円」
と、かなり気合の入ったお蕎麦屋さんではないですかー!!
(価格も高い〜!)
やはり今朝私がガバッと反応しただけのことはあった・・・自己満足(笑)
ところが、店の入り口にあるメニューを見ると
あららららら?
なんか情報とだいぶ違いますね?
違うお店かと思ったくらいだが、やはりここで合っている。
それでも見た感じ良さそうなお蕎麦屋さんに見えたので
もちろん入りますよ〜!
店内に入るとまず目に入るのが
大きな窓一面に望む絶景!
なるほど表に「絶景そば処」と書いてあるわけだ。
今日は薄曇りだが、霞の中に雄大に広がる
諏訪の街並みや新緑の山々が美しい〜!
飾られているお花もチェリーセージやラベンダーなど
ちょっと珍しい可愛いお花ばかりで
山の自然の中にいる喜びをますます盛り上げてくれる。
さてさて、景色やお花を愛でたあと、
なによりも大事な(笑)メニューを見ますと・・・
ふんふん、表のメニューで見た通り、
やっぱり冷たいお蕎麦は
「ざるそば」
「杖突そば(数量限定)」
「とろろそば」
の3種類の模様!
で、「杖突そば」ってなんですの?
と思っていると
おおーーーっ!
「信州産 田舎そば」「上州産 深山そば」
の2種もりなんですね〜〜っ♡
素晴らしい!嬉しい!これにします!!
しかも腹ペコなので大盛りでお願いします!(笑)
「杖突そば」は先程のメニュー写真によると
小さい四角いせいろ二段重ねでくるらしいが
私は大盛りにしたので(ニヤリ)
まずは「信州産 田舎そば」がやってきました〜♡
「信州産 田舎そば」
絶景とお蕎麦!
ああ〜 幸せすぎる〜〜
蕎麦猪口や徳利も趣あるセットで
これまた素晴らしい景色。
(しかしこのお箸はにおいが苦手なタイプなのでマイ箸登場〜 (^^;) )
平打ちでのんびりと、おおらかな印象の輪郭線。
箸先から寄せた香りは最初ザ・長野という感じの
野生ー!!に感じたのだが(群馬のお蕎麦です(^^;) )
それがあっという間に変化して、
実に不思議な香ばしさと甘さのある香りになった。
強いて言えば芥子の実系?天ぷら系?
(↑この天ぷらというのは悪い意味ではなく、私はかつて何度か
天ぷらに似た良い香りのする珍しい品種に出会ったことがある。)
食感もなかなかユニークで、少しハラハラと独立した、
際立った輪郭線。
それでいて噛み締めるとネチッとしている。
細いけれど割としっかり噛み締めるタイプの蕎麦で、
そこからうまみと甘みがあふれる。
「上州産 深山そば」
おおーーっ
こちらは黒いお蕎麦でした!
2枚の対比が鮮やかなのはやっぱり楽しいなあ〜♡
ちょっと透明感のある黒い肌に浮かんだ無数の細かいホシ。
こちらは長野らしい鋭い野生に加え、
黒い香りが濃厚に漂っている。
口に含むと見た目の通りの質感で、ぷるっとして軽い。
味わいも透明な感じ。
どちらもいいけど、好みは先ほどの「信州産 田舎そば」かなー♡
蕎麦汁は、長野らしくかなりの甘さ。
ちなみに二枚目の「上州産 深山そば」の単品はないので
このお蕎麦は二種盛りである「杖突そば」を頼んだ人だけが食べられる
なかなかレアなお蕎麦となります(^^)
お蕎麦に夢中になりすぎてつい後回しになってしまいましたが
こちらも頼んでいたのでした!
「季節の天ぷら」
かぼちゃ、みょうが、さつまいも、なす、ズッキーニ、桑の葉。
この天ぷらが、なんともさりげなく大変美味しい。
殊更でないパリッと感で、脂っこさゼロ。
野菜もどれも美味しくて大満足だった。
帰り際ふと見ると、打ち場からの景色もこの素晴らしさ。
水も空気も景色も綺麗なこんなところで、
朝、蕎麦打ちの音が響くのを想像しただけでもキュンとなる。
(変人ですみません笑)
そこへ迷い込んできたような、
おじいちゃんとおばあちゃんの二人連れ。
「すみませぇーん チーズパンありますかー?
表に書いてあったんだけど・・・」
すぐに隣の喫茶店を案内されていましたが
とっても和みました(≧∇≦)
おいしいチーズパン買えるといいな!
s7c7
その後、山に登っている間じゅう
そのお蕎麦屋さんが気になってたまらず〜
本日は行程の短いコースだったこともあり
山頂でお昼は食べずに、お蕎麦めがけてスピード下山!
いざ杖突そば〜〜 (≧∇≦)
建物に対峙すると、やっぱりちょっと不思議な雰囲気ですね〜
右側は洋風で、左の部分は和風?
どうやら右側が「峠の茶屋」という喫茶店で、
そこで名物チーズパンを売っていて、
左側が「風聲庵(ふうせいあん)」という手打ち蕎麦屋さんらしい。
入る前に一応インターネットで情報を調べてみると、なんと!
「抜きのあらびき十割 1300円」
「丸抜き蕎麦(十割)1200円」
と、かなり気合の入ったお蕎麦屋さんではないですかー!!
(価格も高い〜!)
やはり今朝私がガバッと反応しただけのことはあった・・・自己満足(笑)
ところが、店の入り口にあるメニューを見ると
あららららら?
なんか情報とだいぶ違いますね?
違うお店かと思ったくらいだが、やはりここで合っている。
それでも見た感じ良さそうなお蕎麦屋さんに見えたので
もちろん入りますよ〜!
店内に入るとまず目に入るのが
大きな窓一面に望む絶景!
なるほど表に「絶景そば処」と書いてあるわけだ。
今日は薄曇りだが、霞の中に雄大に広がる
諏訪の街並みや新緑の山々が美しい〜!
飾られているお花もチェリーセージやラベンダーなど
ちょっと珍しい可愛いお花ばかりで
山の自然の中にいる喜びをますます盛り上げてくれる。
さてさて、景色やお花を愛でたあと、
なによりも大事な(笑)メニューを見ますと・・・
ふんふん、表のメニューで見た通り、
やっぱり冷たいお蕎麦は
「ざるそば」
「杖突そば(数量限定)」
「とろろそば」
の3種類の模様!
で、「杖突そば」ってなんですの?
と思っていると
おおーーーっ!
「信州産 田舎そば」「上州産 深山そば」
の2種もりなんですね〜〜っ♡
素晴らしい!嬉しい!これにします!!
しかも腹ペコなので大盛りでお願いします!(笑)
「杖突そば」は先程のメニュー写真によると
小さい四角いせいろ二段重ねでくるらしいが
私は大盛りにしたので(ニヤリ)
まずは「信州産 田舎そば」がやってきました〜♡
「信州産 田舎そば」
絶景とお蕎麦!
ああ〜 幸せすぎる〜〜
蕎麦猪口や徳利も趣あるセットで
これまた素晴らしい景色。
(しかしこのお箸はにおいが苦手なタイプなのでマイ箸登場〜 (^^;) )
平打ちでのんびりと、おおらかな印象の輪郭線。
箸先から寄せた香りは最初ザ・長野という感じの
野生ー!!に感じたのだが(群馬のお蕎麦です(^^;) )
それがあっという間に変化して、
実に不思議な香ばしさと甘さのある香りになった。
強いて言えば芥子の実系?天ぷら系?
(↑この天ぷらというのは悪い意味ではなく、私はかつて何度か
天ぷらに似た良い香りのする珍しい品種に出会ったことがある。)
食感もなかなかユニークで、少しハラハラと独立した、
際立った輪郭線。
それでいて噛み締めるとネチッとしている。
細いけれど割としっかり噛み締めるタイプの蕎麦で、
そこからうまみと甘みがあふれる。
「上州産 深山そば」
おおーーっ
こちらは黒いお蕎麦でした!
2枚の対比が鮮やかなのはやっぱり楽しいなあ〜♡
ちょっと透明感のある黒い肌に浮かんだ無数の細かいホシ。
こちらは長野らしい鋭い野生に加え、
黒い香りが濃厚に漂っている。
口に含むと見た目の通りの質感で、ぷるっとして軽い。
味わいも透明な感じ。
どちらもいいけど、好みは先ほどの「信州産 田舎そば」かなー♡
蕎麦汁は、長野らしくかなりの甘さ。
ちなみに二枚目の「上州産 深山そば」の単品はないので
このお蕎麦は二種盛りである「杖突そば」を頼んだ人だけが食べられる
なかなかレアなお蕎麦となります(^^)
お蕎麦に夢中になりすぎてつい後回しになってしまいましたが
こちらも頼んでいたのでした!
「季節の天ぷら」
かぼちゃ、みょうが、さつまいも、なす、ズッキーニ、桑の葉。
この天ぷらが、なんともさりげなく大変美味しい。
殊更でないパリッと感で、脂っこさゼロ。
野菜もどれも美味しくて大満足だった。
帰り際ふと見ると、打ち場からの景色もこの素晴らしさ。
水も空気も景色も綺麗なこんなところで、
朝、蕎麦打ちの音が響くのを想像しただけでもキュンとなる。
(変人ですみません笑)
そこへ迷い込んできたような、
おじいちゃんとおばあちゃんの二人連れ。
「すみませぇーん チーズパンありますかー?
表に書いてあったんだけど・・・」
すぐに隣の喫茶店を案内されていましたが
とっても和みました(≧∇≦)
おいしいチーズパン買えるといいな!
s7c7
2022年05月21日
(思い出)松本「そば屋五兵衛」
本日は大好きだった人の思い出話を・・・
松本の五兵衛さん!!
昼のみ営業+大人気店ゆえ
なかなかハードルが高いお店ではありましたが
昔から大好きで何度も行った思い出の超名店。
ついに引退ということで惜しまれつつも閉店され、
大好きだった人の写真を切なく眺める私でございます・・・
こちらはつい昨年2021年5月、
「五兵衛」を目指して上高地のテントを朝出発し、
ギリギリ入れた時の写真です。
店主の体調不良や、コロナということもあり
昔あった「粗挽き生粉打ち蕎麦」や
「五兵衛」の名を冠したぶっかけ蕎麦などはなくなって
メニューはぐっと絞られていました。
クラシック交響曲の流れる店内は
男性のお一人様客が多く、ごく静かな雰囲気。
店の奥さんとスタッフの女性が実に細々とよく働いているのが
目に清々しい。
空いている席もありますがこれは空いているのではなく
12:20にしてもう売り切れ仕舞いとなったからです!( °o°)
「粗挽き生粉打ち蕎麦」がなくなってしまったのは悲しいけれど、
愛しい愛しい五兵衛の「せいろ」を食べられて
嬉しかったーーーーー!!
「せいろ」
っはーーーーー!!
すっっばらしい香りであります!!
たくましさ、香ばしさ、なまなましさ、野生味も全部ある。
これぞ蕎麦という穀物の尊さ!!と叫びたくなるような
土着的な香りだ。
口に含むとかなりみずみずしくちゅるちゅる。
そして香りも濃いが味も濃い〜
ぐわあっっと広がる滋味深さ、香ばしさがたまらん!!
今日はかなり太さにばらつきがあり、
極細からゴンぶとくんまで混在していたが
常々「喉越しってなに?」とか言ってる
かなりおかしな蕎麦好きの私には
それがかえって得した気分 (≧∇≦)
極細のちゅるり感もゴンぶとのもぐもぐ感も
両方楽しめました〜
大好きだったお蕎麦屋さんが閉店してしまう寂しさは
もう何度も何度も経験しているが
私にとってそれは失恋と同じ。
片想いってわかっていたけど・・・
今でも大好きです。
五兵衛さん。
(5月なのに寒い寒い雨の日でした)
2022年04月20日
長野・駒ヶ根「丸富」
全国にその名を轟かせる超名店。
森の中にひっそりと隠れるように佇んでいるのに
人気者は放っておいてはもらえない。
ここのお蕎麦に会いたくて、
もう何度来たかわからないほど来ているのに
その度感情のコップが溢れてしまい
なんと一度も文章に書いたことがなかった私。
(ということに最近気づきました。
まあそういうお店はいっぱいあるんですけど〜 (^^;)
春の雨の中に佇む赤い屋根の建物。
外から見ているだけで、
私の心のコップはまた溢れそうになる。
この空間がとても好きだ。
厨房の音、外の緑、雨の気配。
店前の桜はもう葉が出始めていたが、まだまだ気温は早春の長野。
薪ストーブの温もりが嬉しい。
時節柄カードケース入りとなったメニュー。
この店の困ったところは、お蕎麦が3種類もあること!
「十割蕎麦(枚数限定)1100円」
「粗挽きそば(二八蕎麦)1000円」
「しらびそそば(土日のみ枚数限定、平日ご予約)1200円」
何が困るって、種類が多いのは大変嬉しいことなのだが
とにかく人気過ぎて売り切れてしまうことが多いのが大問題。
「今あるお蕎麦は全部食べたい」という欲が恥ずかしいほど強い私(^^;) は
どれかが売り切れてしまっていないか
毎度心配でたまらないのだ。
本日は確実に3種類食べるために
土曜日の開店時間を狙ってやってきましたので
3種類ありましたーーー!よかった!!
(でも実は本日2軒目のお蕎麦屋さんなんだな〜ლ(ʘ▽ʘ)ლ)
せいろ蕎麦が一枚1000〜1200円というのは
ここが都会だとしてもかなりの高価格なのだが、
愛は盲目。
私も含め、皆さんここの空間、ここのお蕎麦に会いたくて
遠方から集まってくるのだ。
「季節の地野菜の盛り合わせ」
菜の花は、胡麻あえ。
ウコギは、きゅっきゅっとした食感。
とうぶきは、見た目よりやわらか。
やまうどは、胡麻あえ。
たけのこの豊かな香り。
わらびは、ちょっとピリ辛の味付け。
かぼちゃのみずみずしさ。
なすは、ごま油でボリューム感あり。
ひとつひとつの春の恵みに、違った色の手間をかけ、
この店らしい世界をこの一皿の中に作っている。
「蕎麦掻き(1400円)」
ここのそばがきが好きすぎる私は
もう蓋を開けるのもドキドキ!!
ああ いよいよ会える〜〜♡
一口食べて目がかっ開く。
なんっっっというなめらかさ!!
私の大好物の京都の生麩のような?搗き立てのお餅のような?
とにかく珍しいほどのモッチモチさ、ふっくらさ、なめらかさ。
もっちりしているのにお箸でぱつんと綺麗に切れるというのがすごい。
香りはおとなしめだが静かに香るふっくらふくよか系。
味わいも濃厚ではないがじんわりと滋味深さが伝わってくる。
この比類なきモチモチふっくらなめらかな食感に泥酔しつつ
穏やかな香りと味わいを追いかけるひととき・・・
そしていよいよ、
会いたかった御三方に会える時が来た。
今回は残念なことに自然光の当たらない暗めの席になってしまったので
(開店時間に来たというのに本当にすごい人気)
写真が難しく、その肌の美しさを捕らえたい私は
かなり苦戦したが・・・
「十割蕎麦(枚数限定)1100円」
順番はお任せしたのだが
まず「十割蕎麦」からやってきましたー!
宝物のように極細な、美しき極細。
そっと手繰り上げ箸先から香りを寄せると、ふわっと香ばしく、
ふっくらとしたまろやかさもある香りが迎えてくれた。
食感はなめらかちゅるゅるで、
極細ながら密な肌はしっかりしているのだが
硬さはまったくなく、ふんわりとやわらかなコシが素晴らしい。
味わいとしてはたくましくなまなましい系なのだが
それが濃厚ではなくおだやかに淡いので印象は美しいまま。
いろいろと、十割とは思えない魅力、美味しさだ。
そしていよいよ、南信州・下栗産の在来種使用のこちら。
「しらびそそば(土日のみ枚数限定、平日は予約)1200円」
うわああ なんという美しさ!
こちらはさらに繊細、さらに極細。
このままただずっと眺めていたくなる宇宙。
写真では伝わりにくいが、肉眼で見た時は
その肌があまりになめらかに輝いているので
少し硬そうな蕎麦に見えたのだ。
しかし、口に含むとその滑らかな肌は硬いどころか
とても柔らかくちゅるちゅるの質感、やさしいコシ。
香りは青畳を思わせるような爽やかで軽い野生の香り。
味わいは最初ほとんど感じられなかったのだが
次第に先の十割にも似た、生々しいようなたくましい味わいが
ひそやかに後からやってきた。
「粗挽きそば(二八蕎麦)1000円」
こちらはガラッと印象が変わります。
太めの粗挽き。
その肌に陽炎のように浮かぶ、白い陰影、褐色のホシ。
箸先から香りを寄せると、小麦っぽいあまーい香りに目が覚める。
口に含むと見た目以上に太打ちに感じられ、
フワンと軽い食感がユニーク。
粗挽き感はあまりなくむしろなめらかで、
めちゃめちゃ香ばしく甘い香りが美味しい。
この独特のむぎ香ばしさと味わい、
私が大好きな「蕎楽亭もがみ」のお蕎麦を思い出させるなあ〜
蕎麦汁はかなり濃いめ。
(今回もついに一度もお蕎麦をつけることができなかった大悪党だが)
強い旨みと甘みがあるがこっくりとまろやか、
実によく合わさっている。
夢のように駆け抜けた時間はあっという間で、
食べ終わったのは12:20。
この時点で「しらびそ蕎麦」は売り切れ!
すごいなあ〜 流石の人気である。
山の中の、素朴な洗練。
店を出る時、前回ここに来てから今日までの時間と、
今日から次にここに帰ってくるまでの時間を、
ふっと思う。
帰りに見た水仙の群生が綺麗だったなあー
今回は残念なことに自然光の当たらない暗めの席になってしまったので
(開店時間に来たというのに本当にすごい人気)
写真が難しく、その肌の美しさを捕らえたい私は
かなり苦戦したが・・・
「十割蕎麦(枚数限定)1100円」
順番はお任せしたのだが
まず「十割蕎麦」からやってきましたー!
宝物のように極細な、美しき極細。
そっと手繰り上げ箸先から香りを寄せると、ふわっと香ばしく、
ふっくらとしたまろやかさもある香りが迎えてくれた。
食感はなめらかちゅるゅるで、
極細ながら密な肌はしっかりしているのだが
硬さはまったくなく、ふんわりとやわらかなコシが素晴らしい。
味わいとしてはたくましくなまなましい系なのだが
それが濃厚ではなくおだやかに淡いので印象は美しいまま。
いろいろと、十割とは思えない魅力、美味しさだ。
そしていよいよ、南信州・下栗産の在来種使用のこちら。
「しらびそそば(土日のみ枚数限定、平日は予約)1200円」
うわああ なんという美しさ!
こちらはさらに繊細、さらに極細。
このままただずっと眺めていたくなる宇宙。
写真では伝わりにくいが、肉眼で見た時は
その肌があまりになめらかに輝いているので
少し硬そうな蕎麦に見えたのだ。
しかし、口に含むとその滑らかな肌は硬いどころか
とても柔らかくちゅるちゅるの質感、やさしいコシ。
香りは青畳を思わせるような爽やかで軽い野生の香り。
味わいは最初ほとんど感じられなかったのだが
次第に先の十割にも似た、生々しいようなたくましい味わいが
ひそやかに後からやってきた。
「粗挽きそば(二八蕎麦)1000円」
こちらはガラッと印象が変わります。
太めの粗挽き。
その肌に陽炎のように浮かぶ、白い陰影、褐色のホシ。
箸先から香りを寄せると、小麦っぽいあまーい香りに目が覚める。
口に含むと見た目以上に太打ちに感じられ、
フワンと軽い食感がユニーク。
粗挽き感はあまりなくむしろなめらかで、
めちゃめちゃ香ばしく甘い香りが美味しい。
この独特のむぎ香ばしさと味わい、
私が大好きな「蕎楽亭もがみ」のお蕎麦を思い出させるなあ〜
蕎麦汁はかなり濃いめ。
(今回もついに一度もお蕎麦をつけることができなかった大悪党だが)
強い旨みと甘みがあるがこっくりとまろやか、
実によく合わさっている。
夢のように駆け抜けた時間はあっという間で、
食べ終わったのは12:20。
この時点で「しらびそ蕎麦」は売り切れ!
すごいなあ〜 流石の人気である。
山の中の、素朴な洗練。
店を出る時、前回ここに来てから今日までの時間と、
今日から次にここに帰ってくるまでの時間を、
ふっと思う。
帰りに見た水仙の群生が綺麗だったなあー
2022年03月17日
長野・松本「蔵のむこう」(知らずに入った系列店♡)
前回に続きまして・・・
「営業時間が極端に短い名店が多い信州において
夜遅くまで美味しい手打ち蕎麦が食べられる神なお店」
シリーズです!
松本駅から徒歩2分という凄いロケーションに、
こんな凄い店構えがドーン。
かっこいい!!あがるぅー!
でも「馬刺し」の幟だけが目立って
お蕎麦の文字がないのが私を不安にさせます (^^;)
いや、でもここは手打ちのお蕎麦が食べられるお店のはず・・・
近づいてメニューを見ても、お蕎麦ないですね〜?
馬肉料理が得意なお店らしい。
あっ、でも入り口の黒板に書いてありました、
蕎麦居酒屋〜♪
入ってみるとジャズが流れる店内はカウンターありテーブル席あり、
2階もあってかなり大きなお店だった。
2階の座敷席は畳ではなくピンクのカーペット敷で
外観に反してほっこりした雰囲気。
2階の座敷席に案内されてメニューを見ると
ありましたありました、これを食べに来たんです♡
安曇野産地粉♡♡♡
そして二種盛り最高ー!!
メニュー本の蕎麦のページはこんな感じ。
下の段が決意表明みたいな箇条書きがすごい (≧∇≦)
安曇野の、有明産なんですね〜
そしてこの時点になってやっと私気づきました(遅!!)。
この綺麗で立派なメニュー、数ヶ月前に行った
ここから近い「山里」さんと同じですよね!?
前回のブログ
尋ねてみるとやはり系列店とのこと。
そうそう、馬肉料理が名物で
すごいバリエーションだったんでしたね〜
信州ならではのメニューにも惹かれる。
お酒も信州の地酒がいろいろ♡
懐かしい思い出のお酒もあって嬉しい。
オトウチャーン(T_T)
とりあえず、アウトドア後はこれっしょ!
お通しも、野菜がいっぱいで家庭的な感じ。
こういうの大好き。
前回「山里」に行った時、
「この店はメニュー豊富でいろいろ目移りしちゃうけど
限界まで蕎麦屋定番っぽいメニューを厳選するのが吉!!」
と結論を出した私。
でもまあまあアホなのでまたメニュー名の美味しそうさに踊らされて
こんなのオーダーしちゃいました〜
「馬肉ネギチャーシュー」
一応、アウトドア後は動物性タンパク質を摂りましょうって
狙いもあって選びました( •̀ .̫ •́ )✧
運ばれてきた瞬間はイメージしていたものと違って
ハズしたか!?とヒヤッとしたが、これがなかなかに美味しい。
馬肉はなぜか黒く乾いた干し肉みたいなパリパリした食感で
名古屋の味噌煮込みっぽい真っ黒いタレに
お肉もキャベツもレタスも浸りまくっている。
私はこういう甘い和風の味付けが苦手なのだが
なぜだかこれは美味しくて、
初っ端から不思議な魅力の一皿に出会ってしまった。
お次は手堅く、
お蕎麦屋さんの定番メニューにありそうな一品。
「雑きのこおろし」
信州に来てきのこおろしをメニューに見つけて
頼まなかったことはないほどの大好物。
大きなきのこがゴロゴロ!
保存のためなのかお酢の味がするのが少し残念だが
食感がほとんどお肉みたいのもあります〜♡
こちらのお店は馬肉料理が名物のようなので
煮肉愛好会会長としては是非煮込みが食べたいと思いました。
が、メニューをいくら見てもない・・・
こんなにたくさん馬肉メニューがあるのに
そんなわけはないと思ってスタッフに聞いてみると
「ありますよ〜こちらです!」
と教えていただいたのがこちら下段左からふたつめのメニュー。
「おたぐり」・・・?
たぐるって普通はお蕎麦かと思ってしまうのは
脳が蕎麦色に染まった人間の妄想でしょうか。
「おたぐり」が煮込みなの??
おもしろーい、是非それください!とオーダーしたこちら。
「おたぐり(馬もつ煮込み)」
馬もつ煮込みって初めてかも?
でもそんなに特別な感じはなく
煮肉愛好会会長としてはスタンダードな美味しい煮込みでした。
味付けも、先程の「馬肉ネギチャーシュー」は
名古屋っぽい黒いお味噌だったがこれは普通の素直なお味噌味。
ゴボウなどの野菜の香りも良く大変美味しい。
「信州そば食べ比べ」
まず思っていたよりずっと量が多いことにびっくり。
(これで900円!?)
そして何よりも、
どちらもとんでもなく美味しそうなんですけどーー!!!
「粗挽ブレンド細そば」
・・・もう、私などが多くを語らずとも
写真を見れば伝わりますよね・・・?
この素朴で優しい風情。
これは絶対においしい!!!
箸先から香りを寄せた瞬間、感激が全身を駆け巡る。
なんというかぐわしさ・・・
むわぁーとする逞しいのにさわやかというところが最高。
しかも、これでもかとキンッキンに冷たくシメてあるのに
こんなに香るって凄い。
口に含むと極細ちゅるちゅるの舌触りで、コシは弱めだがちゃんとある。
そして何より味が濃い!
これが穀物の味!?と驚くような、濃厚なアミノ酸的旨みが
舌に押し込まれるようにガンガン溢れてくる。
なんというおいしさ・・・!
そしてこんな遅い時間に
こんな素晴らしい手打ち蕎麦が食べられるありがたさ・・・
「このありがたさ、わかってますか!?」
と各テーブルを廻りたい(やめろ)。
この「粗挽ブレンド細そば」は「山里」の細い方のお蕎麦と
甲乙付け難い感激でありました。
「田舎挽 黒太そば」
「山里」の「黒太そば」は名前のわりに細打ちだったが
この「蔵の向こう」の「黒太そば」はしっかり太打ち。
黒く低く渋く逞しい香りがふわぁ〜
こちらもこれでもかとキンッキンにシメられているのに
ちゃんと香っているのがすごい。
(ここまでキンキンじゃなければもっと香ってくれるかもな〜)
ずっしり重量がある蕎麦でつるんっつるんなのでたぐりにくいが
噛み締めるとしっかりとした歯応え、もぐもぐ食べるお蕎麦。
ちょっとねちっとした質感で噛み締めた味がこれまた濃い!!たまりゃん!!♡
黒く甘い味わいでありつつ、どこまでもすっきり綺麗なところが素晴らしい。
うーーん おいしい〜〜!
でも香りの豊かさという点で
「山里」の「黒太そば」の方が僅差で好きかなー (≧∇≦)
強いて言えばですね・・・
蕎麦汁が、かなり強烈な甘口の、
鰹ぉぉーー!!という味でございました。。
伝統的に信州の蕎麦汁は甘いことが多く
でもそれは蕎麦国信州の郷土性として尊重したい気持ちもあるのですが
とにかく私が「和の甘い味付け」が苦手なこともありまして・・・
とは言えこちらのお蕎麦が美味しすぎて
私はまたしても一度も、お蕎麦を蕎麦汁につけず
お蕎麦だけムハムハうっとり完食してしまいました。
つけて食べてもいない奴の意見は聞くことはありません( ̄▽ ̄)
そして安曇野有明産の蕎麦粉が素晴らしいことを証明するかのように
蕎麦湯も美味しかったー!
なんとトイレに、こんな張り紙があって
写真撮っちゃいました。すごい♡
私は信州が大好き。
山あり温泉あり美味しいお蕎麦あり!!
帰りに通ったこんな眺めも好きだなあ〜
2022年03月10日
長野・松本「山里」(2軒続けて、系列店!)
私は信州が大好き。
蕎麦あり山あり温泉ありで、登山もスキーもする私は
気が付くと一年中ストーカーのように通い詰めているエリアである。
想像に難くないと思うが
わざわざお蕎麦のためだけに出かけたことも長年数えきれないほど。
蕎麦旅では1日4軒廻るという強行軍になったりする。
登山やスキーでしょっちゅう長野に行っているのに
なぜわざわざ蕎麦旅にも出かけるかというと、
それは「名店ほど営業時間が極端に短い」から!
山の中にひっそりとあって極上の手打ちそば出していますなんていうお店は
「昼営業のみ、11時〜14時まで」なんてお店もザラ。
(最近、店名を見ただけで営業時間を当てられるという自分の特技に気づきましたv)。
そういう難易度の高い名店たちは
アウトドア活動のついでに行くのは当然不可能。(T_T)
お蕎麦を食べるためだけに出かけていかない限り
私は永遠に食べられないのだ。
そんな長野県において、
夜遅くまで手打ち蕎麦が食べられるお店というのは
アウトドア後の蕎麦に飢えた私には本当に神様のような存在。
そういうお店はだいたい居酒屋のような立ち位置で都市部に存在し、
しかも駅近だったりすることが多い。
こちらのお店もまさに。
松本駅から徒歩2分。
しかもラストオーダー23:30って!
もうありがたすぎて行く前から咽び泣きたくなる。
(血中蕎麦粉度下がってると情緒不安定( ̄▽ ̄) )
ビルの2階に入っている居酒屋さんですが
入り口の風情、センスが素晴らしいです。
今回はいつもとはちょっと違ってですね、
食べたメニュー全てをご紹介するのではなく
「お蕎麦好きな方は、このお店をこのように使うといいですよ〜」
という趣旨のもと書くつもりでございます。
つまり
「居酒屋さんとして人気のお店だけど、
遅くまでやってる手打ち蕎麦屋さんとして使うとサイコーだよ!」
ってことなんです (≧∇≦)
ここのメニューはデザインが凝っていて
ファミレスメニューのように綺麗で立派。
馬肉を得意とする居酒屋さんだけあって
馬肉メニューはまだまだあります。
あまりにもたくさんあってほんとに手打ち蕎麦があるのか不安になりますが
この通り、ちゃんとあります!
居酒屋さんなのに
「手打ちそばと黒太そば」の食べ比べができるなんて
サイコーですよねーー!
実は密かに気になっていた「黒太そばも手打ちなのか?」問題については
この時スタッフに確認し、
どちらも手打ちとお返事いただきましたイェイ(≧∇≦)
季節のメニューもいろいろ揃っててワクワク〜
山菜の天ぷら大好きなのでこれは絶対いこう!!
豊富なメニューに魅せられて
結局いろいろ欲張ってしまいました( ̄▽ ̄)
「どさんこ馬刺し三品盛り」
「信州新町名物ジンギスカン炒め」
「信州サーモンとトマトのサラダ」
おしゃれ居酒屋さんらしい見栄えのするメニューが多いが、
やっぱりこれは大勢でつつくのが楽しい居酒屋さんの味かなあ〜という印象。
手打ち蕎麦屋さん愛し過ぎの変人高遠彩子の意見ですが
このお店は「限界まで蕎麦屋風に使う!」。
それでこそ真価の光る稀有なお店と感じました( •̀ .̫ •́ )✧
だってね、だってね、この天ぷらですよ!?
「新春の山菜天ぷら」
こしあぶら、こごみ、たらのめ、やまうど、ふきのとう。
パリッパリで軽い衣が素晴らしい。
そしてその衣に包まれ、噛み締めた瞬間溢れる
春の香りの豊かさと来たら!!
どこをどうとっても、「居酒屋の天ぷら」なんてレベルではない。
こんな時間に駅前でお手軽に、
これほど美味しい天ぷらが食べられるなんてすごすぎるんですけどー!!
そしてそして何よりも、お蕎麦でございます・・・
実は今回私はこのお店初めてだったため
保険をかけてしまいました。
要は2種類のお蕎麦どちらも味、香りがそんなにしないという
超絶不幸な事態に備え、「種物をひとつオーダーしておく」ってヤツです。
もちろんお蕎麦そのままの味を味わうために、つけ蕎麦スタイルの種物。
というわけで、美味しそうだったこちらにしました♡
煮肉愛好会会長なもので、
こういうメニューにはすぐ堕ちます (^^;)
「馬肉そば(黒太そば)」
運ばれてきた瞬間、「失敗した」と後悔しました・・・
だってこのお蕎麦、どう見てもめちゃめちゃ美味しそう!!!
えええ〜 これだったらわざわざ種物にする必要全然なかった・・・
そしてもう一枚の「手打ちそば」に対峙しこれまたびっくり。
「手打ちそば」
うっひょーーー!!
これもヤバイ!これは絶対美味しいです!!
嗚呼ときめき過ぎて動悸がする!!
極細平打ちの輪郭線、野趣溢れる肌にまず釘付け。
箸先から香りを寄せると、
長野の蕎麦らしい野生がふわあーと漂ってきた。
ちょっとパキパキした食感でコシは控え目なのだが
極細の一本一本がハラハラと美しくほどける感じが実に心地よい。
これはおいしい!!!
こんなお蕎麦がこんな遅くに食べられるなんて、
もうありがたすぎて厨房に泣きに行きたい(迷惑)。
「手打ちそば」にも感激しましたが
「馬肉そば」としてオーダーした「黒太そば」はさらに。
「黒太そば」
これがまた素晴らしい香りでして!!
ガッツリ黒く香ばしいのだが、一切甘さがなくむわっとしない、
スッキリとしたガッツリ感。
黒太という名前だがそんなに太くなく、平打ちなので舌触りはしなやか。
噛み締めると澄んだ甘さと香ばしさ、穀物感もあふれ、
ムチッとしたコシもある。
いやいやいや、これ美味しすぎませんか!?!?
こんなにすごいお蕎麦なのに、
こんな時間に駅前でお手軽に、
これほど美味しい天ぷらが食べられるなんてすごすぎるんですけどー!!
そしてそして何よりも、お蕎麦でございます・・・
実は今回私はこのお店初めてだったため
保険をかけてしまいました。
要は2種類のお蕎麦どちらも味、香りがそんなにしないという
超絶不幸な事態に備え、「種物をひとつオーダーしておく」ってヤツです。
もちろんお蕎麦そのままの味を味わうために、つけ蕎麦スタイルの種物。
というわけで、美味しそうだったこちらにしました♡
煮肉愛好会会長なもので、
こういうメニューにはすぐ堕ちます (^^;)
「馬肉そば(黒太そば)」
運ばれてきた瞬間、「失敗した」と後悔しました・・・
だってこのお蕎麦、どう見てもめちゃめちゃ美味しそう!!!
えええ〜 これだったらわざわざ種物にする必要全然なかった・・・
そしてもう一枚の「手打ちそば」に対峙しこれまたびっくり。
「手打ちそば」
うっひょーーー!!
これもヤバイ!これは絶対美味しいです!!
嗚呼ときめき過ぎて動悸がする!!
極細平打ちの輪郭線、野趣溢れる肌にまず釘付け。
箸先から香りを寄せると、
長野の蕎麦らしい野生がふわあーと漂ってきた。
ちょっとパキパキした食感でコシは控え目なのだが
極細の一本一本がハラハラと美しくほどける感じが実に心地よい。
これはおいしい!!!
こんなお蕎麦がこんな遅くに食べられるなんて、
もうありがたすぎて厨房に泣きに行きたい(迷惑)。
「手打ちそば」にも感激しましたが
「馬肉そば」としてオーダーした「黒太そば」はさらに。
「黒太そば」
これがまた素晴らしい香りでして!!
ガッツリ黒く香ばしいのだが、一切甘さがなくむわっとしない、
スッキリとしたガッツリ感。
黒太という名前だがそんなに太くなく、平打ちなので舌触りはしなやか。
噛み締めると澄んだ甘さと香ばしさ、穀物感もあふれ、
ムチッとしたコシもある。
いやいやいや、これ美味しすぎませんか!?!?
こんなにすごいお蕎麦なのに、
メニューの中での存在感小さすぎない??
「手打ちそば」もすごく美味しかったけど僅差で
「黒太そば」の方が好きかなあ!♡
美味しすぎて馬肉のつけ汁全然つけたくない困った事態・・・ ( ̄▽ ̄)
「馬肉そばのつけ汁」
すみません、お蕎麦が美味しすぎて
結局一度もつけられず汁だけあとでいただきました。
しかしこれがまた美味しかった!
和の甘い味付けが苦手な私にはちょい甘過ぎではあったが
とにかく馬肉そのものが美味しい。
肉の旨みが全体を支配してガッツリガツンとした旨さ!
お肉2切れとつくねが2つ♡
もうめちゃめちゃお腹いっぱいなのに宝物のように食べました〜
居酒屋さんなのだから居酒屋として使う人がほとんどだと思うし
これだけメニューが豊富だとつい目移りもしてしまう。
しかし私としては、このお店は天ぷらとかお蕎麦とか、
「手打ち蕎麦屋の超定番」みたいなメニューのみ厳選してこそ
その凄さが光るお店と思いました!
うっうれしい・・・
これで登山やスキーやその後の温泉でどんなに遅くなっても
私の血中蕎麦粉度は守られる・・・
山里さんを心の灯火として、
安心してお山を下ってまいります〜 (≧∇≦)
「手打ちそば」もすごく美味しかったけど僅差で
「黒太そば」の方が好きかなあ!♡
美味しすぎて馬肉のつけ汁全然つけたくない困った事態・・・ ( ̄▽ ̄)
「馬肉そばのつけ汁」
すみません、お蕎麦が美味しすぎて
結局一度もつけられず汁だけあとでいただきました。
しかしこれがまた美味しかった!
和の甘い味付けが苦手な私にはちょい甘過ぎではあったが
とにかく馬肉そのものが美味しい。
肉の旨みが全体を支配してガッツリガツンとした旨さ!
お肉2切れとつくねが2つ♡
もうめちゃめちゃお腹いっぱいなのに宝物のように食べました〜
居酒屋さんなのだから居酒屋として使う人がほとんどだと思うし
これだけメニューが豊富だとつい目移りもしてしまう。
しかし私としては、このお店は天ぷらとかお蕎麦とか、
「手打ち蕎麦屋の超定番」みたいなメニューのみ厳選してこそ
その凄さが光るお店と思いました!
うっうれしい・・・
これで登山やスキーやその後の温泉でどんなに遅くなっても
私の血中蕎麦粉度は守られる・・・
山里さんを心の灯火として、
安心してお山を下ってまいります〜 (≧∇≦)
(次回はすぐご近所の系列店さんをご紹介しまーす!)
2021年12月14日
長野・南豊科「一葉」
めちゃくちゃおもしろいお蕎麦屋さんに行ったなあー!!
行く前に勝手に想像していた印象と違いすぎた (≧∇≦)!
事前に私が得ていた情報、ということで
まずはこちら「一葉」のお蕎麦メニューをご紹介。
こんなお蕎麦があるんです〜
信州に多い、「胴搗蕎麦(どうづきそば)」というお蕎麦ですね。
どうづきというのは、石臼を使った製粉をしない珍しい製法。
蕎麦の実を甘皮がついた状態で2日間冷水にさらし、
発芽しようとしているところを杵と臼でついて生地にするのだ。
(さらさらした所謂蕎麦粉にはならない)
そもそも私はただただ蕎麦の香りに恋焦がれている虫のようなもので、
詳しい製法や蘊蓄などはなるべく知りたくないタイプ。(誰も信じてくれない)
なのでどうづきという製法がどれだけ大変なものかはよくわかっていないのだが
とにかくこのどうづき蕎麦というのを出す蕎麦屋はどこも価格が高いので
きっとよほど手間がかかる製法なんだろう、という想像をしている。
せいろ一枚1700円とか当たり前!
常識で考えたら、ハァ!?という価格なのだが
どうづきをしているお店はどこも高めなので
そういうものなのか、と思うしかない。
当然、お蕎麦の価格が高いだけではバランスが取れないので
どうづき蕎麦を出す店は自然と店舗も高級オシャレ系、
蕎麦以外のメニューも高級店モードであるところが多い。
私は普通の石臼挽きのお蕎麦が大好きだし
お蕎麦の値段はできれば安い方がいいと思っているが、
お蕎麦に対して強い愛情を持って一生懸命な人に滅法弱いと言う性質がある。
普通に製粉すればもっと簡単なものを
わざわざその手間がかかって割高になる胴搗という製法をする根性、
そのお店が貫いているものに敬意を払いたくなるのだ。
前置きが長くなりましたが、以上の通り、
私は今回の「一葉」さんに対して
「高級オシャレ系」「お蕎麦に対してものすごい情熱ありまくり系」
というイメージを持ってお店に行ったわけであります。
たどり着いてみると、長閑に旗めく「そば処」の幟。
なんかもうこの辺から拍子抜け?
手打ち!とか本格ナントカ!みたいな気合いバリバリの幟ではなく、「そば処」。
この謙虚なフツウっぷり!!
いいなあ〜〜〜早くも大好きになりそう (≧∇≦)♡
お店の外観はこんな感じ。
美しい瓦屋根に見事な松の木。
この外観を見た時は、想像通りの高級系雰囲気に見えたんです。
店内に一歩入って、迎えてくれた人にギョッ( °o°)
今流行りのアノ方ですね?
びっくりした〜
店内は意外にも、ごくごくスタンダードで居心地の良い雰囲気。
そして気になるお値段です!
えっ普通・・・
っていうか激安!?
ちなみに最初のメニュー写真でご紹介した
どうづきの「粗挽きそば」「細挽きそば」は
「もりそば」か「ざるそば」を選択してからどちらかを指定、
なのでどちらも750円なんです!
お蕎麦だけでなく一品料理なども驚きの安さ。
高級系のお店のスタッフはギャルソンエプロンをした
お姉さんなどが多いイメージがあるが
ここで注文を取りに来てくれたのは
控えめな印象で年配の、このお店の奥さんである。
そして何よりもここが一番このお店の面白いところ!!
客席にはBGMなどもなく無音。
山の麓の町の静かな蕎麦屋、のはずなのだが・・・
厨房から漏れ聞こえる、というには大きすぎる、
これ以上ないくらい元気なお祭りのような音楽が
大音量で聞こえてくるのだ!!
音頭?民謡?歌謡曲?祭囃子?
ジャンルが難しいが、チャンチャッカチャチャチャチャン!
以下が私が必死で書き取ったメモ(≧∇≦)
ドドンパッ
チャカラカ スチャラカ
ハア〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!
つっきがぁぁーでったでーたー
ソーラン節
きれいなオナゴが好きななんとかぉー
・・・ここの店主はこういった、
これ以上ないくらいエネルギッシュな音楽からパワーをもらって
毎日厨房で頑張っているんだなあ〜
そう思うと微笑ましいやら可笑しいやらで
こちらも滅法楽しい気分になってしまう。
「馬もつ」
煮肉愛好会会長(会員募集中)の私であるので
煮込みを見たら必ず頼みます!
しかも馬肉ってところが長野らしくていいですよね〜♡
濃厚だけれどくどさのない、大変美味しい馬もつ煮!!
そして早くもやってきてしまいました。
ドキドキの、「粗挽きそば」!!
おおーーーっ
輪郭線がキテます!
まさにどうづき!!
美しい粗挽き肌も素晴らしいがそれよりどうしても目が行くのが
このどうづき特有の輪郭線と、ぷつりぷつりとした断面である。
期待いっぱいで箸先から香りを寄せると・・・最初はほぼ香らない。
ところがしばらくすると、
やわらかくふくよかな香りが淡く漂ってきた〜♡
食感はちょっとぽきぽきして短め、まさにどうづきなカンジ!
味わいはすっきりと澄んでいる。
天ぷらも食べたかったので「細挽きそば」は
「天ざるそば」として頼んでみました。
海苔がかかってきて驚いたけど、
そうそう、天「ざるそば」だもんね〜
おお〜!!
どうづき蕎麦としての個性はこちらの方が弱く見えるとは言え
なんかこっちの方が美味しそうかも! (≧∇≦)
と思った通り、こちらは初っ端から青くフレッシュな香りがフワ〜!
淡いけど実に素晴らしい香りだ。
細いのにかなりしっかりした食感で
しかも一本一本がまっすぐでないので口中で暴れる感じすらある。
こちらも味わいはすっきり。
蕎麦汁は長野らしくかなりの甘口。
天つゆのほうが甘くない店も多いがこちらは天つゆも甘口だった。
天ぷらは、エビ、キス、かぼちゃ、春菊、えのき、
そしていちばん手前にあるのは・・・
なんとりんご!!
おもしろーい、長野だあ〜〜〜 (≧∇≦)♡
パリ感もあるけどフワフワのやさしい天ぷら、
美味しくいただきました。
どうづき蕎麦、びっくり価格、鳴り狂う音頭。
全部ひっくるめて実に楽しい思い出、心温まる時間だった。
以前はもっとメニューも多かったようだが
最近はメニューを絞って音頭で元気つけて営業しているらしい。
こういうお店は、長く続けて欲しいと願わずにいられない。
またこのあたりに来たら是非寄らせてもらいまーす!! (≧∇≦)
2021年10月06日
長野・高山村「文の蔵」
高山温泉郷の手前にあると聞いて
やっと辿り着いたその店の付近は、
緑に囲まれごく静かだった。
まるきり山の中の雰囲気。
ところがなんということでしょう、駐車場がほぼいっぱい??
夜の営業時間ぴったりに到着したというのに
扉を開けるとほぼ満席でびっくり。
すごい人気だなあ〜
(写真は退店時に撮影)
こういう丁寧なメニューの挨拶だいすき。
蕎麦への愛情と熱意を感じます〜♡
ここで有名なのはこの「ゴロロ」!
ゴロロとは、要はトロロのことなんですが、
擦るのではなく「叩いて」作るので
ゴロゴロした食感になるだそう。
せっかくなのでこれは是非頼みましょう〜
お茶と共にきゅうりのお漬物が出てくるのが
長野らしくてうれしいなあ〜
メニューは蕎麦と丼メニューのみ。おつまみ類はないので
「天ザルそば」の天ぷらだけ先に持ってきていただきました。
愛するお蕎麦と揚げたて天ぷらが同時にやってくると
わたくし心千々に乱れすぎて張り裂けてしまうもので!!( ̄▽ ̄)
うわ、おいしそう〜
そして黄色っぽい天ぷらです。
パリッパリでおいしい!
大好物の舞茸の香り高さも素晴らしいが
エビがとにかくめちゃめちゃ美味しい!!
太くてぷりぷり、旨味も濃くて最高。
しかもこのエビ天、単品でも頼めて200円なんですけど!?
ありえません。
なんと天つゆに入っているおろしも
「擦る」のではなく「叩いて」いるのかな?
極粗の鬼おろし入りでやってきました〜
でもこれだけ荒いとつけても天大根が天ぷらに絡んでくれないので
大根の香りを楽しむ感じ?
私は大根好きなので後から拾って全部食べましたが! (≧∇≦)
そしてやってきた「ゴロロ」とお蕎麦!!
そのお蕎麦を見た瞬間、
私はゴロロをお蕎麦と一緒に食べることを全て諦めました。
だって、このお蕎麦ですよ!?!?
(>_<)
(>_<)
(>_<)
このときめきをっっ
どうしたらっっっ!!!!!
もう
もう
このまま食べなくも
あなたにいつまでも見惚れているだけでいい、
と本気で思うがやはり食べ時は逃せない。
食べます。食べます!
おっほーーー!
箸先から寄せた香りの黒さ渋さにまず射抜かれる。
香ばしいというほど華やかではない、
ストイックに渋く黒い香り。
皮を多く含んだ蕎麦らしい、
ちょっとナッツのような深い香り高さもある。
熟成のお蕎麦と共通する香りだがこれはあくまで美しい香り!
食べると意外ともっちりふっくら食べやすい食感でビックリ。
こんなにゴツゴツつぶつぶなのにこんなに優しい印象なんて〜
コシもあり、とてもよい食感。
味わいは意外とすっきり淡いが
優しさのなかで黒く渋い香りを追いかけるひととき。
ああしあわせ・・・
そしてこのお店の名物「ゴロロ」!!
すごい、ほんとにゴロゴロ〜 (≧∇≦)
これがなかなか食べにくいのだが
わしわし食べるとすっごく美味しい。
これお蕎麦と一緒に食べたらどうなるのかなあ?
これだけ粒が大きいとお蕎麦には絡んでこなさそうだけど、
お蕎麦があまりにも魅力的すぎて
ついぞ一度も一緒に食べられず・・・ (^^;)
蕎麦汁は長野らしく甘さ強めだが
べったり甘い感じではなくスッキリ感もあり
ゴロロにはとてもよく合っていて美味しかった!
(こちらも一度もお蕎麦にはつけられず・・・)
私の居た時間はとても忙しい時間で
店の奥さんはそれこそ飛び回って接客していたが
その感じの良さにも見惚れてしまった。
これだけ忙しい中、一人一人のお客さんに対して
やわらかな優しさを感じる接客をしていた。
厨房の店主も勿論始終忙しそうだったが、
最後は威勢のいい挨拶で元気に送ってくれて気持ちいい!
メニューにおつまみは出ていなかったが
予約だと宴会メニューもできるらしい!
(奥の座敷のお客さんはきっとそれだったんだな〜いいないいな (≧∇≦))
でも次回来るときも
今日食べた同じメニューで大満足かも♡
(毎回同じもの頼んじゃうんですよね〜)
2021年08月20日
長野・駒ヶ根「手打ちそば ももも」
個性的な店名と外観だが
ものすごくかわいくて面白くて、
そしてすんごいお店なのだ。
外観も個性的だが店内もユニーク。
客席が一段高くなった不思議な段差と、
お蕎麦屋さんにおいては見たことないくらい
大きくて立派な「社長椅子!」みたいな椅子。
段差を目立たせるためのテープもなかなかの存在感である。
お客さんの座り心地がよいようにこの椅子!
段差で転ばないようにこのテープ!
という思いやりがばんばん感じられる空間だ。
訪れたのは4月でしたがまだストーブが出ていますね〜
広々と立派なテーブルにつくと
こんなおもてなしが(^^)
お一人様いっこのお菓子 ♡
かわい〜〜〜!
こんなお蕎麦屋さん初めて。
客席は一段低くなったところと
奥にはカウンター席もあり
とにかくちょっと不思議なイメージのインテリアである。
厨房の方からうっすらとラジオ番組の音がして、
のんびり、気楽〜な雰囲気(^^)
こちらも見逃せません。
「コーヒー無料 挽き立てのデロンギマシンでセルフサービス」!
これもお蕎麦屋さんで初めて見た〜〜 (≧∇≦)
さらに私をシビレさせたのは
このメニュー本の1ページ目。
まず、
八ヶ岳産の玄蕎麦を自家製粉し、挽き方、ふるい方、配合、水、練り方、打ち方
それぞれに技と誇りが込められていることが伝わってきます。
その下!
「もももの店名の由来」
お爺さんもお婆さんもお父さんもお母さんも
お兄さんもお姉さんも子供もあなたもわたしも・・・
という、「ももも」なのだそうです。
やっぱり個性的(≧∇≦)。そしてかわいい〜〜
お蕎麦はご覧の通り、すごいことになっています。
もちろん丸抜きも田舎も両方いきますよ〜
楽しみーー!
種物もいろいろ面白そう。
「トマトスープそば」「豆乳スープそば」
気になる〜
メニューにも書いてありますが
なんとここのお蕎麦は普通盛りが200g!!
かなりの爆量であります。
「小盛り150g」でも多めなくらい?
しかし、蕎麦への愛が有り余っている私は
胃の容量という現実的な問題を無視して
自動的に普通盛りを選択してしまいました (≧∇≦)
「丸抜きそば(ミニ野菜天ぷら付きセット)」
どどーんと山盛りのお蕎麦がすごいー!
さすが200g、という標高である。
天ぷら付きのセットは卵焼きとデザートまでついて
これで1000円、すごすぎる!!
本当にサービス精神の塊のようなお店だな〜
間髪入れず「田舎そば」も到着!
この「丸抜きそば」との色の対比の美しさよ。。
こういう眺め、本当に大好き!!
まずは「丸抜きそば」から・・・
「丸抜きそば」
自在に踊る、端正で美しい輪郭線。
最初に箸先から寄せた香りはごく淡かったが
だんだんとちょっと瓜っぽい爽やかな野生の香りがふくらんできた。
口に含むと思い切りギンギンに冷たく締められていて硬めの舌触りだが
噛みしめると全く硬くなく、程よいコシがある。
食べ進むほどに質感も優しくなってきて
かすかな粗挽き感も楽しめるようになってきた。
さわやかな優しい味わいが美味しいお蕎麦!
「田舎そば」
黒っぽい肌に浮かんだ無数のホシ。
素朴な風情がたまらない「田舎そば」。
箸先から寄せた香りはこちらもかなりおとなしめ。
しかしこちらも思い切りギンギンに冷たく締められているため
その温度が落ち着いてくると共に
黒く香ばしい、少しむわっとした香りがふくらんできたー!
食感も、最初は「丸抜きそば」よりさらに硬めだったが
食べ進むうちに馴染んできて、豊かな粗挽き感を楽しめるように。
こんなに美味しいお蕎麦がこんなにたっぷり、200gで800円て、
ありえないんですけど!?
どんだけのサービス精神なんですか!?
さあ、やっと天ぷらが食べられます!
クリアな舌でお蕎麦を食べたくて
いつもこうなってしまう私(^^;)
「ミニ野菜天ぷら」
なす、かぽちゃ、さつまいも、玉ねぎ。
コシアブラみたいな山菜も入っていて
美味しかったのであとでお店の人になんだったか聞いたのですが
「アー!今日何入れたか忘れちゃった!」
というおちゃめなお返事 (≧∇≦)
ちなみにここの蕎麦汁は長野らしくかなり甘いのだが
天ぷらと一緒に食べるとそれが不思議と合いまくり!
お蕎麦がたーーっぷりあるので
今日は「お蕎麦はお蕎麦だけで完食」ではなく
天せいろも楽しめて「普通の幸せ」を味わえて嬉しかったデス。
(本当は天せいろ大好物なんですが、
蕎麦を蕎麦だけ食べたすぎて滅多に食べられないもので (≧∇≦))
デザート
えーー!甘い物全般苦手の私ですが、これ美味しい!!
全然甘くない水羊羹?蕎麦豆腐?にほんのり甘いあずきと蕎麦の実。
最後の最後まで、心づくしのサービスに大満足 (≧∇≦)
店内には近所の人らしいオシャレおばあちゃまが二人、
マスクをしてそばランチ後のおしゃべりを楽しんでいる。
こんなが近所にお店あるって羨ましい。
丸抜きそば「も」田舎そば「も」天ぷら「も」デザート「も」
美味しくて、とっても楽しいお店でした〜〜
2021年06月30日
長野・信州新町「そば信」
道の駅というものは、
「そのエリアに用があった場合に立ち寄ると便利な場所」
だと思うので、道の駅に行くためだけに
東京から3時間かけて出かける人は珍しいのかもしれない。
まあ私はもう何十年もこんな調子なのですが! (≧∇≦)
本日は「道の駅 信州新町」内にある
「そば信」さんにやって来ましたぁ〜
ここにつながる道路が盛大に工事中だったため
遠回りしまくってやっと辿り着きました!
私が大好きな「手打そば」の幟がたくさんあって
気分がアガるぅ〜♡
まだ朝9時前なので空いているみたい。
お蕎麦屋さんはここですね!
中はこんな感じ。
隅には打ち場もあって今まさに
打っているところみたい。
奥の方は産直売り場になっているようなので
それは食後のお楽しみ♪
まずは手前の券売機で食券を買いましょう〜
おおお〜さすがは長野、「おしぼりそば」がありますね!
(大根の絞り汁に信州味噌を溶かしてつけ汁にする郷土そば)
惹かれる・・・!!食べたい!!
でも多分ここは恐ろしくお蕎麦が美味しいはずなので
せっかくのおしぼりの汁に、多分全然つけられないことになりそう・・・
やっぱり「ざるそば」にしとくか・・・!?
本日は「道の駅 信州新町」内にある
「そば信」さんにやって来ましたぁ〜
ここにつながる道路が盛大に工事中だったため
遠回りしまくってやっと辿り着きました!
私が大好きな「手打そば」の幟がたくさんあって
気分がアガるぅ〜♡
まだ朝9時前なので空いているみたい。
お蕎麦屋さんはここですね!
中はこんな感じ。
隅には打ち場もあって今まさに
打っているところみたい。
奥の方は産直売り場になっているようなので
それは食後のお楽しみ♪
まずは手前の券売機で食券を買いましょう〜
おおお〜さすがは長野、「おしぼりそば」がありますね!
(大根の絞り汁に信州味噌を溶かしてつけ汁にする郷土そば)
惹かれる・・・!!食べたい!!
でも多分ここは恐ろしくお蕎麦が美味しいはずなので
せっかくのおしぼりの汁に、多分全然つけられないことになりそう・・・
やっぱり「ざるそば」にしとくか・・・!?
ウーーンウーーン
と心千々に乱れて悩んでいたら
キラキラと甲斐甲斐しい印象の店員のおばちゃんが
飛んできてくれた。
そこで密かに狙っていた「ふきのとうの天ぷら」が
今日はできないことを知り軽くショックを受けたが、
いいんです!私のお目当てはお蕎麦なので!♡
それでもお蕎麦屋さんに関してのみやたらに目敏い私は
あの左の方にいいものハッケーーーン!
「こごみの天ぷら」♡
それはできるらしいので、是非それもお願いしましょう〜!
「ざるそば」
きた〜〜・・・!!!
あなたに会うために、私は今朝5時起きではるばるここまで
やってまいりました・・・
ああ うれしい・・・
見入れば、その素朴でおおらかな魅力に
いつまでも見惚れていたくなる。
箸先から香りを寄せてさらに感激。
ふわーっと素晴らしい香りがふんだんに漂ってきた!!
このバランスの取れたかぐわしさ・・・
たくましさもふくよかさも香ばしさもフレッシュさもあって
素晴らしすぎる。
持ち上げるとぬったり重く箸からすべるような質感。
でも食べると太めながら軽やかさもある食感で
なにより、香りも素晴らしいが味も素晴らしいー!
蕎麦の味わいがばんばんガンガン濃厚に口いっぱいに広がって
とにかく問答無用においしいとしか言いようがない。
と心千々に乱れて悩んでいたら
キラキラと甲斐甲斐しい印象の店員のおばちゃんが
飛んできてくれた。
そこで密かに狙っていた「ふきのとうの天ぷら」が
今日はできないことを知り軽くショックを受けたが、
いいんです!私のお目当てはお蕎麦なので!♡
それでもお蕎麦屋さんに関してのみやたらに目敏い私は
あの左の方にいいものハッケーーーン!
「こごみの天ぷら」♡
それはできるらしいので、是非それもお願いしましょう〜!
「ざるそば」
きた〜〜・・・!!!
あなたに会うために、私は今朝5時起きではるばるここまで
やってまいりました・・・
ああ うれしい・・・
見入れば、その素朴でおおらかな魅力に
いつまでも見惚れていたくなる。
箸先から香りを寄せてさらに感激。
ふわーっと素晴らしい香りがふんだんに漂ってきた!!
このバランスの取れたかぐわしさ・・・
たくましさもふくよかさも香ばしさもフレッシュさもあって
素晴らしすぎる。
持ち上げるとぬったり重く箸からすべるような質感。
でも食べると太めながら軽やかさもある食感で
なにより、香りも素晴らしいが味も素晴らしいー!
蕎麦の味わいがばんばんガンガン濃厚に口いっぱいに広がって
とにかく問答無用においしいとしか言いようがない。
長野を中心とした国産の蕎麦粉使用で、
二八そばなので小麦らしさももちろん感じるが
「小麦が連れてきた蕎麦の香りの最高版」。
細かなざらつきを感じる素朴な肌も、
ぬったり重くぬめるようにすべる舌触りと
それでいて軽い食感も素晴らしい。
二八そばなので小麦らしさももちろん感じるが
「小麦が連れてきた蕎麦の香りの最高版」。
細かなざらつきを感じる素朴な肌も、
ぬったり重くぬめるようにすべる舌触りと
それでいて軽い食感も素晴らしい。
もうもうもう最高すぎて、今日は本当に、
はるばる来た甲斐がありました・・
これで「もりそば」530円て意味わかりません・・・(T_T)♡
お蕎麦だけで完璧に美味しくて汁なしで完食必至だが
やはりどうしてもこちらも味わいたくて
頼んでしまいました。
「こごみの天ぷら」も、ここ↑に載せてくれました〜
肝心の汁はこんな感じ。
まず蓋を開けると信州味噌と薬味が出て来ます。
さらにその下を開けると、大根の絞り汁が。
この絞り汁にお味噌と薬味を投入して食べるわけですが・・・
これが、バカ旨すぎて迷惑なほど美味しい!!!
大根の絞り汁だけだと甘辛い感じなのだが
そこに味噌や薬味を入れるとコクが出て最高!!
汁なしでお蕎麦だけで完食したいのに
おしぼりもこんなに美味しいなんて本当に迷惑です!(笑)
福井の「越前おろしそば」も大大大好きだけど
信州の「おしぼりそば」も素晴らしいなあ〜
ちなみに「ざるそば」のつけ汁のほうは
かなりべったりと強い甘さ。
長野のお蕎麦屋さんは甘いつけ汁が多いので覚悟はしていたが
やはりこちらのお店では「おしぼりそば」を
強くお勧めします〜
(理想はおしぼりそばの大盛りを頼んで
前半はお蕎麦だけ、後半はおしぼり汁につけて食べたいなー (≧∇≦))
「こごみの天ぷら」
お蕎麦だけでもう天国でダンスを踊っている気分だったのに
この天ぷらを食べてさらにびっくり。
パリッパリで、こごみの香りがブワーーッと鮮烈!!
お、おいしい・・・これで350円ってありえない・・・
長野県、凄すぎる・・・!!!
あまりに美味しい美味しいと吠えながら食べていたせいか
さっきのキラキラ甲斐甲斐しい店員のおばちゃんが
これを持って来て、どうぞとくれました!
うっわぁ〜い!ありがとうございます〜
(大事に持って帰って蕎麦サラダにして美味しくいただきました〜)
食後はお楽しみの産直コーナーへ。
野菜を買うのが大好きな私はいくつもカゴに入れてニッコニコ。
(長野なので特にきのこ類!)
お蕎麦コーナーもありました。
今食べた「そば信」の蕎麦粉もあって
ものすごーく買いたかったけれど(蕎麦パンケーキ用!)
今ちょうど家に蕎麦粉のストックがありすぎで断念。
右上の乾麺蕎麦は見たことなかったので
「本十割そば」と「七割そば」買いましたよ〜
はあ〜〜〜
あまりにも美味しすぎて楽しすぎて胸いっぱい!
ここはまた、こっちの方に用はなくても
わざわざ来たいなあ〜〜〜!!
はるばる来た甲斐がありました・・
これで「もりそば」530円て意味わかりません・・・(T_T)♡
お蕎麦だけで完璧に美味しくて汁なしで完食必至だが
やはりどうしてもこちらも味わいたくて
頼んでしまいました。
「おしぼりそば」
「こごみの天ぷら」も、ここ↑に載せてくれました〜
肝心の汁はこんな感じ。
まず蓋を開けると信州味噌と薬味が出て来ます。
さらにその下を開けると、大根の絞り汁が。
この絞り汁にお味噌と薬味を投入して食べるわけですが・・・
これが、バカ旨すぎて迷惑なほど美味しい!!!
大根の絞り汁だけだと甘辛い感じなのだが
そこに味噌や薬味を入れるとコクが出て最高!!
汁なしでお蕎麦だけで完食したいのに
おしぼりもこんなに美味しいなんて本当に迷惑です!(笑)
福井の「越前おろしそば」も大大大好きだけど
信州の「おしぼりそば」も素晴らしいなあ〜
ちなみに「ざるそば」のつけ汁のほうは
かなりべったりと強い甘さ。
長野のお蕎麦屋さんは甘いつけ汁が多いので覚悟はしていたが
やはりこちらのお店では「おしぼりそば」を
強くお勧めします〜
(理想はおしぼりそばの大盛りを頼んで
前半はお蕎麦だけ、後半はおしぼり汁につけて食べたいなー (≧∇≦))
「こごみの天ぷら」
お蕎麦だけでもう天国でダンスを踊っている気分だったのに
この天ぷらを食べてさらにびっくり。
パリッパリで、こごみの香りがブワーーッと鮮烈!!
お、おいしい・・・これで350円ってありえない・・・
長野県、凄すぎる・・・!!!
あまりに美味しい美味しいと吠えながら食べていたせいか
さっきのキラキラ甲斐甲斐しい店員のおばちゃんが
これを持って来て、どうぞとくれました!
うっわぁ〜い!ありがとうございます〜
(大事に持って帰って蕎麦サラダにして美味しくいただきました〜)
食後はお楽しみの産直コーナーへ。
野菜を買うのが大好きな私はいくつもカゴに入れてニッコニコ。
(長野なので特にきのこ類!)
お蕎麦コーナーもありました。
今食べた「そば信」の蕎麦粉もあって
ものすごーく買いたかったけれど(蕎麦パンケーキ用!)
今ちょうど家に蕎麦粉のストックがありすぎで断念。
右上の乾麺蕎麦は見たことなかったので
「本十割そば」と「七割そば」買いましたよ〜
はあ〜〜〜
あまりにも美味しすぎて楽しすぎて胸いっぱい!
ここはまた、こっちの方に用はなくても
わざわざ来たいなあ〜〜〜!!
2020年10月13日
長野・権堂「二本松」
長野駅から長野線で2駅の「権堂」駅。
周辺は長野一の繁華街で「長野の歌舞伎町」と言われているらしい。
私は長年、蕎麦だのスキーだの登山だので長野には行きまくっているが
用事があるのはいつも山の方なので (^^;) 権堂に来るのは初めて。
えー歌舞伎町なんて、騒々しいところなのかな〜〜と思って来たのだが、
私が行った辺りはケバケバしさのない、ネオンの彩り鮮やかな
情緒たっぷりの繁華街だった。
雨の風情も手伝って、いい雰囲気でしょう〜?
その繁華街と屋根付きの商店街が交わる角にある
手打ち蕎麦と郷土料理のお店「二本松」。
この地で30年以上地元の人に愛されて来た大人気店だ。
なまこ壁風のしつらいもあってムードたっぷりの外観。
私が店内に入るとまだ18時だというのに店内はほぼ満席。
隣のテーブルは予約席で、空いていたカウンターもすぐ埋まる人気ぶり。
予約して来てよかったあ〜〜
もちろん手打ち蕎麦が一番楽しみだけれど
郷土料理も楽しみ!
壁の黒板にも今日のおすすめらしいメニューがいろいろある。
うわ〜楽しい〜
どれもこれも頼みたくなってくる!!
お蕎麦のメニュー。
いついかなる時も私は「ざるそば」一択なのであるが、下の写真の
「冷やしたぬき」のルックスにかなり吸い込まれた。
なんかカレーライスみたいな器に入って面白くないですか〜?
すっごーく気になる!美味しそう! (≧∇≦)
「きのこおろし」
長野にきたらとにかくきのこを食べるべし。
どこで食べても東京で食べるきのことはレベルがちがう。
この「きのこおろし」は大きいの小さいの、いっぱい入ってて
それぞれに食感が違って楽しい〜美味しい〜
「岩魚塩焼き」
まさに今泳いでいるかのような姿でやって来た岩魚さん。
姿を見ただけで腕の良さはわかったが、食べて感激。
ウワ〜この岩魚すばらしい〜〜〜!
ふっくらやわらかく肉厚で最高の美味しさ、もちろん臭みゼロ。
素材も腕も良くなくてはこの美味しさはない。
すごいなあー、違うもんだなあー
「舞茸天ぷら」
舞茸天が大好物すぎて、見ると絶対にスルーできない私。
こちらのはパリッパリを通り越してかなりガッチリした衣!
やや脂っぽいのでこれは単体で食べるより
あとでせいろと一緒に天せいろにして食べたほうが絶対美味しいな・・・
とテーブルの隅での温存を企む。(大正解でした!)
「馬刺し」
メニューの一番最初に書いてあったので自信あるんだろうな、
とは思っていたが、食べてひっくり返りましたああああー!!
こんな美味しい馬刺し初めて。
口に入れるととんでもなく肉厚なめらかで
ものすごく柔らかいのに噛みしめるともにょんもにょんと
素晴らしい弾力がある。
ナンデスカこの吸い付くような柔らかい弾力は??
おいしい〜〜おいしすぎます〜〜〜これ毎日食べたいぃぃ〜〜〜〜
「ざるそば」
お蕎麦の束がぐるりと並べられた、長野らしい「ぼっち盛り」。
なんでも「ぼっち盛り」の由来は戸隠の神様へのお供えだそうですよ〜
色はやや濃いめでなんとも素朴な肌。
そこからふあーっとたまらなくいい香りが漂ってくる。
ふっくら芳醇な蕎麦の香りがメインで、その中にチラリと覗く黒い香ばしさ。
実は事前にここのお蕎麦はかなり硬めという地元の人の情報を得ていたのだが
食べてみるとなんにも硬くない。
平打ちなのでしなやか。ややねっちりと密な質感。
コシはほぼないのだが、そのねっちりが優しく受け止めてくれる感じ。
噛みしめるほどに香ばしさがふくらんで
ウワ〜〜美味しくて止まらない〜
このままお蕎麦だけで食べたくて
さっき残しておいた舞茸天と食べるのがイヤになったほどだったが
舞茸天と食べてみたらオオッとさらに感激。
ここの蕎麦汁、天ぷらとの相性が抜群です!!
「二本松」の蕎麦汁は少し変わっていて
ちょっと関西風?とも思える薄い色の汁。
出汁が深くて椎茸の香りがほんのりして、やや甘めなのに
なんだかやたらと美味しいのだ。
店内はすっかり満席でますます大にぎわい。
入り口すぐ横の個室では家族連れが家にいるようにくつろいでいたし
向かいのテーブルでは常連らしいちょっと鯔背な男性3人組が
ものすごく楽しそうにガンガン食べては飲んでいた。
とにかく地元の人に愛されていることがよく伝わってくる店だった。
難を言えば、店主が一人で作っているらしく(ホールスタッフがお手伝いもしていたが)
注文したものが来るのがかなりのんびりしていたこと。
その日のうちに東京に戻らなくてはならなかった私は少し焦りもしたが、
そのおかげで、この地元の人ばかりの賑わいをたっぷりと楽しむことができた。
外に出ると雨は止んでいて。
東京よりだいぶ肌寒い雨上がりの湿った空気の中、
権堂のネオンが瞬いていた。
2020年02月24日
長野・長和町「ブランシュたかやまスキー場のゲレンデ蕎麦」
長野県、こわすぎます。
今日のゲレンデは風速7メートル。
凍えてしまい、お昼はあったかいお蕎麦にしました。
普段スキーに来ると突然体育会系モードとなり、
「麺ものじゃなくてお米!しかもガッツリお肉がのった丼物!!」となる私。
なのでゲレンデのレストハウスであったかいお蕎麦なんてはじめて。
もともと「手打ち蕎麦」を偏愛、応援しているので、
機械打ちのお蕎麦には比較的興味が薄いというのも理由のひとつです。
昼時のゲレ食なんて混んでて当たり前ですが
ここは特に大混雑でしばらく席が見つかりませんでした!
「ソースカツ定食」
「五目うどん」
「十勝風ぶた丼」
などといった、いわゆるなんでもアリの食堂メニューから
天ぷらの入ったあったかいお蕎麦を選ぶと、
うはははは・・・なんだかおもしろい天ぷらがのってます。
どうやって作るとこうなるのかわかりませんが、
型で形成したかのようなカチンカチンの大きなエビ天!
まるで食品サンプルみたいです (≧∇≦)
かき揚げはまあ普通の見た目ですがこれもカチンカチン系の
大きくて立派なかき揚げ。
食べてみるとこの天ぷら、大変おいしい。
いわゆるチェーン店などで出てくるバリンバリンの天ぷらより脂っこくなく、
お〜〜、これはなかなかいいではないですか〜と思いつつ、
ぼんやりとお蕎麦をすすると
はあっ!?
目がかっぴらき、仰天しました・・・
このお蕎麦、なんだかめちゃめちゃ めちゃめちゃ おいしいんですけど!?
よく見たらこれ、手打ちじゃあないですか!!!!
天ぷら入りのあったかい汁に浸っていてなお香る蕎麦と甘皮のかぐわしさ、
滋味深い味わい。
手打ち風の蕎麦が出せる例の押し出し製麺機の蕎麦、
ということも考えられなくはないですが
逆にそこまでしないと思うし、これはおそらく手打ち・・・
とにかくものすごく美味しい!!
短時間で数を売らなければいけないゲレンデの、
なんでも食堂みたいなお店で、こーんな手打ち蕎麦が普通に出てくるとは・・・
長野県、こわすぎます。
(ブランシュたかやまスキー場、レストランハウス「バウム」にて!)
2019年08月13日
長野・富士見町「おっこと亭」
ちょっと変わった店名ですが地名なんです。
八ケ岳南麓、富士見町乙事区。
この付近では昔から名の知れた大きなお蕎麦屋さんだ。
あれ〜
なにあれ、もしや朝顔!?
わーこんなにたくさん、かっわいい〜〜
この季節はこんなことになっているんですね。
お客さんの目を楽しませてくれる最高のサービス。
美しい日本の夏の趣に思わず一句・・ 読まないんだなこれが!
私の句作はいつも最終締め切り過ぎてからが勝負(* ̄∇ ̄*) ←句会一の大悪党。
かわいくて嬉しくてつい激写・・・したのは退店間際、でしてね。
着いたときはこの混雑、満員御礼。
大きな店内は人でいっぱいで大賑わい。
ここの名物である「きりだめ蕎麦」(大きな木の器に人数分一緒盛りになったもりそば)を
家族みんなでつついている姿がなんとも微笑ましい。
家族三代でつついているテーブルもある♡
「きりだめ蕎麦」
しばらく待つことになったが、時間がのんびり流れている場所なので
そこにただ身を委ねる。
15時も過ぎるというのにすごい人気ぶりだ。
こころあたたまる「無料きゅうり」セルフサービス!
もちろん喜んでいただきました。
パリパリみずみずしくて、お代わりしたいくらい美味しかった〜
あとは何を頼むか、メニューを前にした私はいつも真剣である。
まずは、長野に来たら絶対頼みたいきのこメニュー。
「味付きのこ」
なんたってきのこ好きの私。
「味付」ってネーミングもまさに味わい深い (≧∇≦)
大きなきのこがいっぱいでうれし〜〜おいしい〜〜
そして山あいできのこを食べると、私のたくさんのきのこ師匠たちのお顔がどうしても目に浮かび
ジーンとしてしまうのです。
壁を見ると、本日のメニューもあるではないか。
真ん中にあるアレもいきましょう〜!
「なすの揚げ浸し」
「天ぷら(野菜三点盛り)」の野菜は日替わり。
今日はかぼちゃ、かき揚げ、ウドの葉かな?
いかにも里山らしいほのぼの風情、バリバリスナック感覚で美味しい。
大好きな長野でいただく山の恵みのありがたさ、うれしさは格別だ。
そしてお蕎麦、
せっかく「おっこと亭」に来たんですから
名物「きりだめ蕎麦」にしましたあー!ワーイワーイ!!
ここの店員さんは地元のお母さんたちらしい人が多いのですが
ネイビーのボーダーシャツ×カフェエプロン×三角巾でなかなかオシャレ。
そして皆さん実にテキパキ、
大きくて重い器に入ったきりだめ蕎麦もバンバン運んで来てくれます。
どどーーーーん!
ウッハー♡
なんと幸せな蕎麦の大海原。
大きな器に広がった姿にうっとり。
この真ん中あたりダイブしたい、頭から蕎麦にまみれたい。
いかにも田舎の風情のお蕎麦屋さんだけに
意外と思われるかもしれないが蕎麦は極細の平打ち。
箸先で香りを寄せるとフワーッ!
長野の蕎麦独特の爽やかな野生味プラス、甘皮の黒い香りが私の脳を染める。
口に含むと、ビニール的なツルツル肌、角がパッキリ立った極細の輪郭線が口中を撫でる。
歯ざわりはツルンムニュンとして、コシもまああるがやさしくフッと切れる。
きめこまかな粘土のような質感で、噛んだ後もちょっとムッチャリしているのが
極細ながら田舎の趣だ。
「あやちゃん、蕎麦が出てくると突然おしゃべりが止まって集中しだす」
と老若男女から苦情?をいただく私、
ふと我に帰ると店内はこの有様。
あんなに大賑わいだったお客さんがみんな帰って、
広々誰もいなぁーい!!
と、思いきや柱の陰にめっちゃめっちゃたくさんお蕎麦を食べる男性がおひとり。
なんだか頼もしい素敵な眺めでしたあ〜
ああ
こんな広々とした田舎家で
蕎麦まみれ蕎麦浸りの午後。
遠くで蕎麦をすする音。
しあわせだあああああ〜〜〜
(ほんとはちょっとここで寝たかった)
さてこのあとは
これまた大好きな、温泉♪温泉♪
いってきまーす!
八ケ岳南麓、富士見町乙事区。
この付近では昔から名の知れた大きなお蕎麦屋さんだ。
あれ〜
なにあれ、もしや朝顔!?
わーこんなにたくさん、かっわいい〜〜
この季節はこんなことになっているんですね。
お客さんの目を楽しませてくれる最高のサービス。
美しい日本の夏の趣に思わず一句・・ 読まないんだなこれが!
私の句作はいつも最終締め切り過ぎてからが勝負(* ̄∇ ̄*) ←句会一の大悪党。
かわいくて嬉しくてつい激写・・・したのは退店間際、でしてね。
着いたときはこの混雑、満員御礼。
大きな店内は人でいっぱいで大賑わい。
ここの名物である「きりだめ蕎麦」(大きな木の器に人数分一緒盛りになったもりそば)を
家族みんなでつついている姿がなんとも微笑ましい。
家族三代でつついているテーブルもある♡
「きりだめ蕎麦」
しばらく待つことになったが、時間がのんびり流れている場所なので
そこにただ身を委ねる。
15時も過ぎるというのにすごい人気ぶりだ。
こころあたたまる「無料きゅうり」セルフサービス!
もちろん喜んでいただきました。
パリパリみずみずしくて、お代わりしたいくらい美味しかった〜
あとは何を頼むか、メニューを前にした私はいつも真剣である。
まずは、長野に来たら絶対頼みたいきのこメニュー。
「味付きのこ」
なんたってきのこ好きの私。
「味付」ってネーミングもまさに味わい深い (≧∇≦)
大きなきのこがいっぱいでうれし〜〜おいしい〜〜
そして山あいできのこを食べると、私のたくさんのきのこ師匠たちのお顔がどうしても目に浮かび
ジーンとしてしまうのです。
壁を見ると、本日のメニューもあるではないか。
真ん中にあるアレもいきましょう〜!
「なすの揚げ浸し」
「天ぷら(野菜三点盛り)」の野菜は日替わり。
今日はかぼちゃ、かき揚げ、ウドの葉かな?
いかにも里山らしいほのぼの風情、バリバリスナック感覚で美味しい。
大好きな長野でいただく山の恵みのありがたさ、うれしさは格別だ。
そしてお蕎麦、
せっかく「おっこと亭」に来たんですから
名物「きりだめ蕎麦」にしましたあー!ワーイワーイ!!
ここの店員さんは地元のお母さんたちらしい人が多いのですが
ネイビーのボーダーシャツ×カフェエプロン×三角巾でなかなかオシャレ。
そして皆さん実にテキパキ、
大きくて重い器に入ったきりだめ蕎麦もバンバン運んで来てくれます。
どどーーーーん!
ウッハー♡
なんと幸せな蕎麦の大海原。
大きな器に広がった姿にうっとり。
この真ん中あたりダイブしたい、頭から蕎麦にまみれたい。
いかにも田舎の風情のお蕎麦屋さんだけに
意外と思われるかもしれないが蕎麦は極細の平打ち。
箸先で香りを寄せるとフワーッ!
長野の蕎麦独特の爽やかな野生味プラス、甘皮の黒い香りが私の脳を染める。
口に含むと、ビニール的なツルツル肌、角がパッキリ立った極細の輪郭線が口中を撫でる。
歯ざわりはツルンムニュンとして、コシもまああるがやさしくフッと切れる。
きめこまかな粘土のような質感で、噛んだ後もちょっとムッチャリしているのが
極細ながら田舎の趣だ。
「あやちゃん、蕎麦が出てくると突然おしゃべりが止まって集中しだす」
と老若男女から苦情?をいただく私、
ふと我に帰ると店内はこの有様。
あんなに大賑わいだったお客さんがみんな帰って、
広々誰もいなぁーい!!
と、思いきや柱の陰にめっちゃめっちゃたくさんお蕎麦を食べる男性がおひとり。
なんだか頼もしい素敵な眺めでしたあ〜
ああ
こんな広々とした田舎家で
蕎麦まみれ蕎麦浸りの午後。
遠くで蕎麦をすする音。
しあわせだあああああ〜〜〜
(ほんとはちょっとここで寝たかった)
さてこのあとは
これまた大好きな、温泉♪温泉♪
いってきまーす!
2017年03月28日
長野・塩尻「◯泉(まるいずみ)」
竹林を吹き抜ける春の風。
その葉擦れの音は私の時計を数十年分巻き戻し
サーー、ザーーーーー、と私を埋め尽くしていく。
私が生まれた家は竹林に囲まれていたので
あの家に帰ったような気がするのだ。
知らぬ人はここが蕎麦屋だと言われてもピンとこないだろう。
まして知る人ぞ知る古くからの名店だとは。
人の気配を感じない古い家。
竹林は絶え間なく風の音を奏でている。
近づいてもなお「今日やってるのかな?」と不安になるほどひっそりとした正午。
ガラガラと扉を開ける。
奥まで長く土間になった昔のままの田舎の家。
「こんにちはぁ〜」
静寂の向こうから「はーい」と声がして
奥さんが案内してくれる。
先代から息子さんに引き継がれて久しいが
この家にはずっと同じ色の時間が流れている。
ドロボー、じゃなかった唐草模様の座布団がいい味出してますね〜(^^)
もちろんお目当ては「もりそば」と「十割そば」だが
ここは長野らしく鳥料理が名物だ。
今日は大好きなお仲間と三人で張り切ってやって来たので
「丸泉を丸ごと」堪能すべく端から端までみんないっちゃおうぜということに!
うわーい! (≧∇≦)/
注文を取りに来た真面目そうな働き者そうな奥さんも
やる気満々ノリノリの三人組に思わずニコニコ♪
長野ですからとにもかくにもまずはお漬物。
「きのこのおろし和え」
うわ〜〜
もともときのこ好きの私ではありますがこれは大変においしい。
「こむそう」というきのこで「食感がシャクシャクしますよ」と奥さんが教えてくれたが
シャクシャクだけでは言い切れないなんとも豊かな森の噛みごこち。
そして何よりきのこそのものの味が濃い!
量がすごく多いわけではないのだが食感と味わいの豊かさで
ものすごくたっぷり楽しめてしまった一皿。
これが500円なんてすばらしすぎるー!
「やきとり」
ウッ これは・・・
見るからに私好みな渋い見た目、おいしそーー!!
ガツンと野性味のある味わい、ギッシリとした歯ごたえ。
私は何でもしっかり噛み応えがあって素材そのものみたいなものが好きなのだが
これはまさに私の理想の焼き鳥だ。
放し飼いの鳥だというが素材の良さだけではないだろう。
香ばしい焼き加減も最高!
「つくね(煮込み)」
あらーーーっ
これまたギッチリかためでしっかりした食感。
私はつくねというものが甘くて苦手なことが多いのだが
これが全く余ったるくなく鳥の旨みが激おいしい!!
煮汁がまたおいしい なんだこりゃ!!なんなんですか!
「モツの味噌いため」
甘辛の味噌味、フワフワ柔らかい食感。
これは甘さも味も濃いからキャベツがいいですね〜
「十割そば」
おお〜〜
黒っぽい肌、やや平打ちの極細切り。
個性的かつ独特の迫力を感じる姿にワクワク!
ムワーーー!
濃厚に漂う独特の野生の香り。
表現が難しいがネパールのディド(そばがき)にも似たような
蕎麦畑をそのまま蕎麦にしたような荒々しい野生の香りだ。
質感がまた大変個性的で、表面にだけ膜があるように不思議な硬さがある。
ネッチリ密でコシはなく、しかし極細なのでその食感もまた楽しめ
極細の隙間からいくらでも香りが溢れ出てくる感じ。
面白い〜〜おいしい〜〜〜!
こんなお蕎麦出会ったことない。これぞ旅蕎麦の楽しみ♡
「もりそば」
十割同様極細切り。
こちらの方がすこし肌が明るく水分でつやつやと輝いている。
以前は外一だったが今は外二らしい。
おお〜
香りは先ほどの「十割そば」と同じ個性的な野生でそれがやや優しくなった感じ。
わかりやすいですね〜(^^)
こちらも十割同様独特の硬めの肌。
質感そのものは硬さはないのだが十割よりさらに膜のような肌質のせいで
舌触りはパリパリしていると言ってもいい。
これまた出会ったことのない不思議な美味しさの蕎麦。
楽しいなあーーー!来てよかったなあ〜〜
蕎麦も個性的だが汁も個性的だ。
ご覧のように透き通るほど薄いのだが
これが摩訶不思議な美味しさ。
なんですかこのすっきり澄み渡るべらぼうな旨みは!!
甘さは非常に控えめだが気取った感じがない、シャープすぎない、物足りなくない。
なんと個性的で見事な蕎麦汁・・・
感激したので帰り際店主に聞くと
「煮干し四割と鰹と昆布の出汁」
とのことだった。
煮干しをいれたほうが薬味を入れた時に味が変わらない、
かといって煮干しだけだととっつきにくい味になるのでブレンドしている、と。
へぇー、そうなのですか!
その出汁もすごいがこの「シャープすぎない、物足りなくない」絶妙の感じは
醤油の美味しさもあるのでは?と感じさせられた。
(店は客席以外は暖房がないので大変寒いのだが店主が裸足であることにも驚いた。凄い!)
そしてまだまだびっくりは止まらない。
三人で行ったので
「雉の焼肉とつくねが入った温かい汁」の「きじそば」
も頼んでみたのだが・・
「きじそば」
これがまたのけぞるほどの美味しさ!
先程から繰り返し感激させられている汁の見事さはもちろん、
なによりこの「キジのつくね」を食べた瞬間あまりの美味しさに
「ン−−−−!!!」と口を閉じたまま叫びました。
おつまみで食べた鳥のつくねも激ウマと言っていい美味しさだったが
これはさらにその上を行っている。
小さくてギッチリミッチリ骨っぽい食感、旨味が濃いのがたまらない!
ちょっとちょっと、美味しすぎますって〜〜〜!!
あまりに美味しく楽しいひと時を過ごした私たちだったが
店は昼時だというのにひっそりと静かである。
お客さんが向こうの席にも来たが
ひとりなので座敷には私たちの声しかしない。
静かな春の気配に満ちた午後。
今は全国どこに行くのも便利だし、
東京に居ながらも全国各地の珍しいものが食べられる時代だが、
今日私がここで出会ったものは間違いなくここでしか出会えない味だった。
旅蕎麦の喜びをこんなにも感じたのは久しぶりだ。
距離も時間も、日常とはかけ離れた世界。
竹林の葉擦れの音が、また私の時計にいたずらをしている。
「あの家はどこにあったのだろう」
そう思いたくなるような、お伽話のような午後だった。
先程からつくねの煮汁などがやたらに美味しいわけもわかった気がした。
感激したので帰り際店主に聞くと
「煮干し四割と鰹と昆布の出汁」
とのことだった。
煮干しをいれたほうが薬味を入れた時に味が変わらない、
かといって煮干しだけだととっつきにくい味になるのでブレンドしている、と。
へぇー、そうなのですか!
その出汁もすごいがこの「シャープすぎない、物足りなくない」絶妙の感じは
醤油の美味しさもあるのでは?と感じさせられた。
(店は客席以外は暖房がないので大変寒いのだが店主が裸足であることにも驚いた。凄い!)
そしてまだまだびっくりは止まらない。
三人で行ったので
「雉の焼肉とつくねが入った温かい汁」の「きじそば」
も頼んでみたのだが・・
「きじそば」
これがまたのけぞるほどの美味しさ!
先程から繰り返し感激させられている汁の見事さはもちろん、
なによりこの「キジのつくね」を食べた瞬間あまりの美味しさに
「ン−−−−!!!」と口を閉じたまま叫びました。
おつまみで食べた鳥のつくねも激ウマと言っていい美味しさだったが
これはさらにその上を行っている。
小さくてギッチリミッチリ骨っぽい食感、旨味が濃いのがたまらない!
ちょっとちょっと、美味しすぎますって〜〜〜!!
あまりに美味しく楽しいひと時を過ごした私たちだったが
店は昼時だというのにひっそりと静かである。
お客さんが向こうの席にも来たが
ひとりなので座敷には私たちの声しかしない。
静かな春の気配に満ちた午後。
今は全国どこに行くのも便利だし、
東京に居ながらも全国各地の珍しいものが食べられる時代だが、
今日私がここで出会ったものは間違いなくここでしか出会えない味だった。
旅蕎麦の喜びをこんなにも感じたのは久しぶりだ。
距離も時間も、日常とはかけ離れた世界。
竹林の葉擦れの音が、また私の時計にいたずらをしている。
「あの家はどこにあったのだろう」
そう思いたくなるような、お伽話のような午後だった。
2017年03月22日
長野・塩尻「蕎麦屋しみず」
大好きな長野も春の気配。
広い空、静かに香る春の土。
ここをもう少し行くと日本三大遺跡のひとつである
「平出遺跡公園」がある。
その平出遺跡からすぐの「蕎麦屋しみず」は
自宅を改装して営業しているお蕎麦屋さん。
・・でありながらこの圧巻の風格、すごすぎるー!
江戸時代から蕎麦屋です、と言われても信じてしまいそうな店構え。
東京だったらこんな自宅改造のお蕎麦屋さんはまずありえないので
ますます長野への憧れを持って見惚れてしまう。
瓦屋根と松が大好きな私にはたまらない景色だ。
扉をガラガラ開けると
あらっ いきなりオウチっぽいですねー(^o^)
「お客様へ」という案内も家庭的でほのぼの。
今日は大好きなお仲間と三人張り切って開店時間にやってきたので
お客さんはまだ誰もいないようだ。
明るい笑顔とバシッとはっきりした口調が頼もしい店主が迎えてくれ
奥に案内される。
張り切って開店時間にやってきたのには訳がある。
ここはお蕎麦が4種類もあって、しかも一種類は限定なのだ。
昼時は行列ができるほどの人気店につき
のんびりやってきてどれか一種類でも売り切れていて泣いたり倒れたりしたら
いろいろご迷惑おかけしますのでね〜(* ̄∇ ̄*)
ね〜ほら、すごいでしょう?うふ ♡
「更科」「挽きぐるみ」「田舎」
「更科」「挽きぐるみ」「田舎」を3種盛りにしてくれる
「高ボッチ」というありがたいメニューもあるので一人で来ても安心(≧∇≦)/
そしてドキドキセレブ価格の手挽き十割、「玄蕃之丞」!
ああ これらを全部食べられるなんて贅沢すぎる・・嬉しすぎる・・・
長野らしく「まずはお漬物」。
手前はお通しの切り干し大根&ちくわの煮物。
ああ本当に長野っていいなあ〜
「夜明け前 純米吟醸」
これがすんばらしくおいしくてびっくり大感激!!
入り口からすーっと澄んでいるのにうまみが厚みを持ってふくらむ。
私の理想といっていいおいしさ♡
開店1番ってことはまだ11時なんですがね・・・おほほ(* ̄∇ ̄*)
「海老野菜天ぷら」
わー なんと豪華な楽しい盛り合わせ!
何種類あるのやらワクワク。
ふんわりと海老、アスパラガス、えんどう豆、ヤングコーン、とうもろこし
人参、エリンギ、じゃがいも、れんこん、
そして中央にあったのはズッキーニとプチトマトが楊枝にさしてある可愛らしいもの。
サクサクというよろふんわりと家庭的な感じの衣なのだがこれが滅法美味しい。
海老も大きくてプリプリで美味しかったし
ズッキーニ&プチトマトも真似したくなる美味しさで
大満足の盛り合わせ。
そして「その時」は突然に、いっぺんにやってきました。
眼下を埋め尽くすこの絶景・・・!!
あああああ
おおおお〜〜ん・・・(遠吠え)
立派な大きなせいろにそれはそれはたまらないお蕎麦がたっぷり3種類。
これだけでテーブルがいっぱいになる見渡す限りの蕎麦だらけ、
この胸苦しいまでのときめきをどうしろと!!
しかもこれだけときめきつつも、
「茹でたてを1秒でも早くお客様へ!」
と小走りにやってきて並べてくれた奥さんの感じの良さにもシビれ、
この3種類をバシーッ同時に出してきてくれた
店主のプロフェッショナル技にも思いを馳せ、
遠吠えでお店の迷惑にならないよう自分を抑え
食べる前から私の心は忙しすぎる。
「更科」
見入るほどに美しい、端正で繊細な極細切り。
極細な上に質感が軽いので手繰り上げた感じもこれ以上ないほど軽やか。
更科らしく味や香りはごく淡いが
ちゅるちゅるとみずみずしく軽い極細の食感が心地よい。
「挽きぐるみ」
見入るほどにたまらなく美味しそうな粗挽きの極細。
なんという美味しそうさ・・・・!
そして、うわあーーーー
なんでしょうこのかぐわしさは!
表現がなかなか難しい、じわーと濃いたくましい香りだ。
さわやかさはなくじわーと低くたくましいのだが
どこか洗練された清澄さがある。
こちらも「更科」同様超繊細な極細なのだが
柔らかくふんわりとした素晴らしいコシがある。
さわやかさはなくじわーと低くたくましいのだが
どこか洗練された清澄さがある。
こちらも「更科」同様超繊細な極細なのだが
柔らかくふんわりとした素晴らしいコシがある。
挽きぐるみという名前だけれど色は美しく緑がかっていて
さすがにムワァ〜と黒い甘皮の香り。
香ばしいというより黒く甘い感じなのだがフレッシュで美しい感じがたまらなく嬉しい。
食感はネチッとして私が大好きな中国の干豆腐にも似た密な感じ。
しかしこれだけ端正な極細ゆえ黒さもネチさも全て洗練の中にある印象。
いやーーん どれも美味しくてこまっちゃうー
そしていよいよ・・・
その名も妖しい、限定の手挽き「玄蕃之丞」!
わわ
わわわわわ
こりゃ確かにものすごい
これだけの粗挽きで十割でこの細打ちってすごすぎる。
迫力の粗挽き細打ち十割!
ザラザラザラ〜と口中をめぐる大変にみずみずしい粗挽き肌。
香りは先の「挽きぐるみ」にも似た低く静かなたくましさで
あまりにもみずみずしいためその全てが水の向こう側にあるイメージ。
味も香りも濃厚ではないのだがじわーとした滋味が舌にひろがり
あああ〜 なんという贅沢、なんというしあわせ・・・
八ヶ岳産信濃1号の十割。
ここは蕎麦汁も大変美味しい。
鰹が華やかに香り甘さもしっかりしているのだが
全体のバランスが素晴らしくまろやかで美味しい。
蕎麦湯もそのまま飲むのが好きな私にとって
「蕎麦湯はお酒で蕎麦汁は最高のおつまみ」。
蕎麦湯をそのままゴクリ、蕎麦汁チロリが蕎麦後の至福のひとときなのだが
「この蕎麦汁は!」と思った時だけ蕎麦汁を蕎麦湯で割ることにしている。
本当に素晴らしい汁は割った時、それこそ「玄蕃之丞」の如く大化けするのだ。
「蕎麦屋しみず」の蕎麦汁も然り。
あたたかな蕎麦湯のなかで美しい鰹の香りとバランスの良い旨味がやわらかにひろがり
うわー これはかけそばもおいしそうだな〜
帰り際お手洗いを借りるとそこはますます民家そのもの。
それこそ「SOBA ISBA いさと」さん級の!
http://ayakotakato.seesaa.net/article/298826571.html
間違えてお風呂にも入っていっちゃいそうでした(* ̄∇ ̄*)
2017年02月14日
長野・佐久平「磊庵はぎわら」
国道からひょいと入った田園風景の中に身を潜める日本家屋。
暮れゆく佐久平の空の下、
大きな屋根のシルエットが昔話に出てきそうなこの店は
知る人ぞ知る「ものすごい」店!
昼時は大混雑の人気店だが今夜はシンと静か。
木目が美しい、落ち着いた空間。
でもまだ別に「ものすごい」という感じではないですよね?
長野らしくまずはお漬物でもてなされる。
これも「ものすごい」わけではないですね?
とってもおいしいです♪
ではメニューを見てみましょう。
おお?
おおおおお!?
お蕎麦が・・・
発芽寸前の萌え萌え状態となっております・・!
その「水萌えそば」以外に
「手碾そば」
「せいろそば(細)」
もあるんです・・・
はい、まさに「ものすごい」ことになっております!!
茅野「そばのさと」でも出会った発芽、熟成の「どうづきそば」
http://ayakotakato.seesaa.net/article/390467255.html
をここでは「水萌えそば」と呼んでいるらしい。
美味しそうなお蕎麦が3種類も・・
きゃ〜〜〜〜〜〜!!(≧∇≦)♡♡♡
いやいや、シーンと静かな店内に座る私ですから
いくら嬉しくても騒いではいけません。
でもね、でもね、
こんなものすごいものが出て来ちゃったら
思わず歓喜の声が漏れてしまっても仕方がないですよね!?
「そばがき」
うわああああ〜〜
ナンデスカあなたは!
なんなんですかそのものすごい緑色は!
息を飲む超絶美、この絶景。
お餅のようにもったりとした肌に浮かぶ無数の蕎麦粒子に
思わず話しかけそうになる。(やめましょう)
トップの香りがとんでもなく素晴らしい。
石のような落ち着いたイメージの、フレッシュなかぐわしさ。
注文の時お店の人が「柔らかいです」と案内してくれたが
かなり粘度が高くもっちりモッチモチー!
あああ これは大変な、ものすごいものをまず食べてしまいました・・・
おいしすぎるー
「天ぷら」
季節の野菜や山菜など旬のものを揚げてくれるそうで
今日は「ふきのとう」「しみ豆腐」「えのき」「かぼちゃ」。
パリパリの薄衣にくるまれた春の香り。
しみ豆腐の天ぷらというのもいいですね〜
「手碾そば」
す、すごい
予想をはるか超えた迫力の太打ち。
むっちりと黒っぽい肌に浮かぶ無数の蕎麦粒子。
これだけの極太故たぐりあげるのもよいしょだが
そこからあまり感じたことのない、素晴らしいかぐわしさが漂ってくる。
うわあ、なにこれ・・
低く、深く、たくましい。なのに軽くて、甘くないかぐわしさ。
噛みしめるモチモチネチャネチャといってもいいほどの極太の質感の中に
粘土のようなごく細かいざらつきがあり
そこに時々やや強めにジャリッ!とくるのが楽しい。
角がなく丸い輪郭線なので舌触りはごく優しい印象。
モグモグかみしめる蕎麦だがこういう蕎麦によく感じる、
じわじわ膨らむ味わいや甘みはあまりなく
深くたくましくい香りが突き抜ける爽やかな極太蕎麦。
うぅーん おいしい・・・
長野・奈川の蕎麦。
「水萌えそば」
うわー・・・
覚悟はしていたがまたまたものすごい姿!!
蕎麦の器としては珍しい、クールな印象の器が
その生々しい迫力を一層際立たせている。
これは・・・なんとものすごい、迫力、圧巻の肌!
鮮やかな緑、オレンジ、陽炎のようにゆらめく白の蕎麦粒子たち。
その宇宙に見入り吸い込まれる。
大きな粒たちが手をつなぎ描くポコポコと震える輪郭線が美しい。
「水萌え」させているためなのか熟成のそばのような艶がある。
手繰り上げてさらに驚く。
まずこういう香りの蕎麦にはほとんど出会ったことがない。
この上もなくやわらかくやさしい、何と表現したものか・・
「野生的でない草」、いや「ふっくらやさしい草のような」とでも言おうか。
見ての通りの輪郭線ゆえ、舌触りもポコポコと粒を感じる。
手繰りあげた感じはずっしりとして先ほどの「手碾そば」と似ているが
食感は全く違いハラハラと一本一本が独立したような感じ。
こちらも甘さや強い味わいはなく、フレッシュな爽やかさがずっと続き
うわ〜〜これも美味しいなあ〜、甲乙つけがたい。
「千本杵搗き製法」という大変珍しい製法で作られている蕎麦。
「せいろそば」
はじめて、いわゆるスタンダードなイメージの
細打ちのお蕎麦が出て来ました。
ほわっと漂う優しい穀物の香り。
粉の甘みもあり上品な二八っぽい印象。
先の二つがあまりにもすごいので個性としては負けているが
端正な極細で程良い腰があり食感も素晴らしい。
長野・浅間高原の蕎麦。
ここの蕎麦汁は意外にもかなり甘めで
ガツンとたくましく鰹が効いたやや大衆的な印象の汁。
ところが水萌え蕎麦にのみ「マグロ出汁の蕎麦汁」というものがついてきた。
これが大変軽やかで、上品な甘みがありおいしい。
空いていたせいもあって帰り際、店主が色々と蕎麦の話をしてくれた。
「水萌えそば」「手碾そば」の製法など。
信州大学の井上教授(蕎麦研究で有名な宇治原教授の後継者と言われている)と
スロベニア蕎麦の旅などにも行ったらしい。
いいなあ〜スロベニア行きたーい!!
ユリアンアルプス〜〜〜♡
ジガンツィ〜〜〜♡
2016年09月13日
長野・茅野「傍」
9月、長野の爽やかな空気。
今日は大好きなマイアイドル、めっちゃくっちゃ可愛い「たみちゃん」と
ドライブデートなんです♪
うほほほほ いいでしょ〜〜〜(≧∇≦)/
緑の中を気持ちよくドライブして「お店はどこですか〜」
と探していたら、まず「どらむかん」に出会いました。
かわいい〜♡
そしてお店はあれですね。
一昨年9月にオープンした
お蕎麦が食べられる農家食堂「傍」。
近づいてみると、あ、野菜売ってる!
うわー大変、めちゃくちゃ綺麗な野菜ばかり。
おいしそうすぎる!
これは帰りに買うのが楽しみだなぁー
向こうに絵のように緑が見える素敵なエントランス。
店内に案内されると
まず目を惹くのはいかにも気持ちの良さそうなテラス席。
すぐ下は車が通る道路なのだが、草木のおかげで気にならない。
何と言ってもこの大きな木が素敵。
向こうのお山と青空が最高〜〜♡
店内席もいい雰囲気。
程よくランダムな感じがウマイ!
実は「傍」は私がブログに書くお店にしては大変珍しく手打ちではないお蕎麦屋さん。
でもそれをおいても書きたくなるのはやはりこれだけの雰囲気で
おいしい野菜が沢山食べられて、
しかもお蕎麦が「白そば」「黒そば」2種類あるところ♡
それも手打ちでないことを忘れさせる素朴な美しいお蕎麦なのだ。
しかもその2種類のお蕎麦をこんな楽しいセットにできちゃうんです〜〜(≧∇≦)/
マイ・アイドルたみちゃんはお料理も上手で
美味しいものにはいつも興味津々なのでとっても楽しい♪
ふたりで頭をひねりいろいろ組み合わせて
全部のメニューを食べてみようというよくばり計画を打ち立てました(^^)
こちらがセットについてくる
「本日のやさい小鉢」。
そして「本日のやさい小鉢」は
プラス300円でこちらに変更できます。
「傍のやさいプレート」。
すべて農薬・化学肥料を使わない農法の野菜ばかり。
花オクラやまんまるの見かけないナスの煮浸しなど
おいっしいー!すばらしー!(≧∇≦)
ちょっとクミンが効いていたりして真似したくなる味♡
お蕎麦来たぁー!
自然光の中の美しい景色。
明るい色のトレイ、笊、そしてモダンな和の器の取り合わせが実に上手い。
いつもいつも数限りないお蕎麦の景色にしびれているけれど
カフェ蕎麦のおしゃれな演出に新鮮に感激。
「白そば」
思わず見入る素朴な肌の風情、粗挽き感。
長野らしいさわやかな野生がほんのりふわりと香る。
見た目からも感じたが舌触りや食感はかなりしっかりめ。
ハラハラ素朴にいびつに揺れるような固めの輪郭線が口中でやや暴れる感じがある。
味わいはすっきりさっぱりとしているが
食べ進むうちに二八らしい甘みもひろがってきて
食感もしなやかに食べやすくなってくる。
カフェだけに、このお蕎麦はのんびりゆっくり食べるのがいいな♪
「黒そば」
むわ〜とした甘皮の香りがさわやか!
見た目からちょっと熟成感を感じただけに
さわやかフレッシュなかぐわしさに感激。
こちらも「白そば」同様、舌触りはかなり固めでいびつで素朴な輪郭線がクッキリハッキリ。
ところどころに節というか、ポキポキしたような感覚もある。
味わいも甘みもしっかりとして
今日はこちらの「黒」のほうが好きかも(≧∇≦)/
どちらも二八のお蕎麦。
ちなみにお蕎麦のセットには普通の「かえしつゆ」ともう一種類
「選べるつけ汁」がついてきます。
「トマトの汁」か「柑橘の汁」。
「トマトの汁」
さっぱりとした中にフルーティーなトマトの風味。
すこし甘めだけどさわやか。
「柑橘の汁」
こちらはさらに甘めで私にはジュースのような感じ?
でもすごくおもしろいアイディア!
そして普通の「かえしつゆ」がとてもいい。
うまみがまろやかに調和し、しかも甘すぎない美味しいつゆ。
これは誰にでも愛されそうだし、おいしいなあ〜
「天ぷらとおそば」のセットも美しい。
カリカリに揚げられた天ぷら。
野菜はさすがの美味しさ!
下から海老さんも出てきたぁ(≧∇≦)
セットでもサイドメニューでも食べられる
「ローストビーフ小どんぶり」
うっわー またまた素敵なルックス!
この器かわいいなあ〜 高台つき、ライオンさんの顔つき。
ぎゅっと盛り込まれたローストビーフとごはんの間に
フライドオニオン?が仕込んであるのが素晴らしいアクセント。
ごはんは白米に雑穀が散らしてある。
うん♡うん♡いろいろとうれしい♡
食後は入り口の野菜売り場でワンサカと野菜を買いまくり、
ものすごーくゆたかな気持になって
近くにあるハーブのお店「ハーバルノート」へ☆
ここ大好きなんです。
はあ〜〜〜〜〜山の香り♡
フィトンチッドだけはお蕎麦の香りより(たぶん)好き!
お世話になっている方にフレッシュな作りたてハーブティーを買い・・・
マイ・アイドルたみちゃん、
またプチ蕎麦旅しようね〜〜〜(≧∇≦)♡
2016年09月10日
長野・南松本「深志荘」
お蕎麦を食べようとあらかじめ電話をしたら
「民芸旅館 深志荘でございます」
と言ったので驚いた。
到着すると、おお〜なるほど・・・
いかにも旅館らしい立派な外観。
看板には「ご宿泊 ランチタイム・手打ちそば 懐石お重」と書いてある。
すぐ脇には水路が流れ、その手前は田んぼ。
リーン、リリーンと涼しげに鳴く夏の虫たち。
素晴らしい環境、日本の夜の風景にうっとりさせられる。
玄関脇には明かりに浮かぶ立派な松!
(松好きなもので・・♡)
電話するまでてっきりお蕎麦屋さんだと思っていた私は
予想外の展開にわくわくしながら中に入る。
入ったらすぐに銀座がありました。
「アルプス銀座」。
宿泊の方の朝食会場でしょうか。
山賊焼応援団って幟の迫力がまた・・・(≧∇≦)
ここは喫茶&休憩スペース?
松本民芸家具がどっしりといい雰囲気。
ここで私はなんだかすごい方とすれ違いました。
その存在感は昭和の元祖セレブタレントを思い出すような、
とにかく声も姿もめちゃくちゃ華やかー!
どうやらここの女将さんらしい。
その女将さんの教育が素晴らしいのか
この「深志荘」はスタッフが全員ありえないほど完璧な接客態度である。
どの人も一歩控えた、しかしぴたっと寄り添う思いやりを感じる接客態度。
これは何だか物凄いところにきちゃったぞ・・・
通されたのは二階のお部屋。
赤じゅうたんの立派なお部屋。
向こうの席では熟年男性グループの賑やかな宴が催されているが
広いので全然気にならない。
しかしここで悲報が!(>人<;)
なんと〜〜〜
土日はそばメニューのみで、おつまみ類は一切ないらしい。
えーん、向こうのおじさんたちは
なんかいろいろ美味しそうなもの食べてるんだけどなあ〜(コラ)
きっと前々からの予約コースとかなんだろうなあ〜(;o;)
宿なので土日は忙しく仕方ないのだろう。
というわけで迷いなく「ざるそば」を。
税抜760円の「ざるそば(小盛り)」でも地物のほうれん草と
漬物がつくのが長野らしくて嬉しい。
「ざるそば(小盛り)」
え、高遠彩子が小盛り??と驚くなかれ。
なんと小盛りでも120gもあるんですよ〜
山葵をすってお待ちくださいということだったが
その横にはなんとお砂糖が( °o°)
「ねばりが出て香りが立って辛味が出るんです」
とのこと。
汁も相当甘めだし、なんだか子供の頃両親がよく連れてきてくれた頃の長野を思い出した。
東京の蕎麦しか知らなかった私は汁の甘さにとても驚いたのだ。
ムワ〜〜
これがまた期待以上にかぐわしくて感激!
むっとたくましく力強く、でもフレッシュな感じが素晴らしい。
食感はちょっと不思議でみずみずしく軽くふるっとした感じがある。
この「ふるっと感」はここから近い唐沢地区の「山法師」の蕎麦をも思わせ面白い。
県によってエリアによって(都市部だと沿線によって)
近いエリアにあるお蕎麦屋さんには不思議な相似性があったりするのだ。
食感はこんなに軽いのに舌の上に旨味がジワーと広がるのがすごい。
うわあ〜おいしいなあ〜
地元・塩尻市片丘の蕎麦とのこと。
土日だけに宿泊客も多いらしく
お手洗いに立つと廊下はいかにも宿の夜らしいムード。
洗面所を使う人あり、嬉しげに廊下を行き来する子供あり。
私まで宿泊するような楽しい気分に。
外に出るとひんやり涼しい夏の夜。
もう信州には秋が来ている。
黒い田んぼを渡る虫達の声に誘われ
私も闇の奥に吸い込まれていく気がした。
2016年07月29日
長野・上田「くろつぼ」
移転してからは初めての「くろつぼ」。
以前は上田市内の「黒坪」と呼ばれる場所にあった
素敵な古民家蕎麦屋さんだったのだが新しい住所はその名も「常盤城」。
「真田丸」でも話題だがさすがは歴史の深い上田だけのことはある。
(某師匠の専門分野ですが上田市内は城跡だらけみたい。百城ちかく!?)
張り切りすぎて開店時間より大分前に着いてしまったので
車を降りて歩いてみる。
なんて静かで、素敵なところなのだろう。
立派な古民家やお蔵がそこここにある風情ある街並み。
上田城からも近いだけに歴史の中を歩いているような気持ちになる。
可愛らしい小川も流れ、橋の名前は「高橋」!(^o^)
そして、肝心のお店はあれなんです!
今度も素敵な古民家。
しかもあまりお店らしくしていないところがいいじゃあないですか〜〜♪
外観でも十分に風情たっぷりだが中はもっとスゴイ、
あたらしき「くろつぼ」。
そっと扉を開け中に入ると
なんと、待合室だけでお店ができるくらい大きい!
店内の様子はここからでは伺えず、大きな建物なんだなあ〜
店員さんに案内されて奥に入ると
わあ・・
ひろい〜〜
すてき〜〜
店内も広いがその上広いお庭もある!
それにしてもこの縁側の幅広さはすごすぎる・・・
どんなお金持ちのお家だったんでしょう・・
庭を望む縁側席もいい。
この上カウンター席のみの別の部屋まであるのだから驚くばかり。
細工の細かい障子戸や工芸品のような欄間など、見どころだらけの美しい古民家。
こんなところでお蕎麦が食べられるなんてうれしすぎる。
メニューはシンプルに絞り込まれているようでいろいろと見逃せない。
まず「馬刺し」が2種類「上赤身」と「ふたえご」とあるのがすごい。うれしい。
さっすが我が愛する長野♡
そしてお蕎麦は「もり蕎麦」と「粗挽き田舎そば」は両方ぜったいいくんですが
その上「あつもり」もあるじゃあないですか・・
これは・・3種類いっちゃう? いっちゃえ!(≧∇≦)
こんな魅力的なお申し出もいただいてしまいました。
予約でこんなのも食べられるらしい。
へえ〜鴨肉の脂肪って、そうだったんですか!
牛や豚の脂身はあまり得意でない私なんですが
鴨肉は脂も美味しいと感じることが多いのが長年不思議だったんですが・・
なんか得した気分〜♪
個人的にシビレたのはこの景色。
割り箸と普通のお箸、両方がセットされてるんです♪♪
大きな声では言えませんが私「お蕎麦屋さん限定で」割り箸が苦手で・・・(^^;;)
お蕎麦が出てくるとお蕎麦の香りを嗅ぎたいあまり
突然嗅覚がそれまでの何倍もになってしまう不思議な現象を毎日体感している私。
(それを簡単に蕎麦犬現象と呼んでおります)
割り箸を使うとどうにもこうにもお蕎麦が割り箸味にしか感じられないのだ。
その理由でいついかなる時もマイ箸を持ち歩いているだけに
このお箸サービスは嬉しい〜
(お蕎麦がたぐりやすいという理由では割り箸もいいですものね)
「地物野菜の天ぷら」
思い切りバリッバリに揚げられた天ぷら。
エリンギ、トマト、パプリカ、にんじん、えのき、なす、ブロッコリ、ズッキーニ。
地物だけにどの野菜もほんとうにおいしい。
特に葉付きにんじんとブロッコリー♡
「馬刺し(ふたえご)」
メニューに
「あばら部分の三層肉でコリコリした食感で脂身さっぱりが人気の理由」
と書いてあって惹かれた「ふたえご」。
確かにすごい噛みごたえ、噛めなくて美味しーい!
(って変な表現ですが私は硬い食べ物が大好きなんです)
そして旨みが大変に濃い。
お醤油をチョンとつけて、これはおいしいなあ〜!
「もり蕎麦」
古民家に差し込む光に浮かび上がる、蕎麦肌の陰影。
すーっと香る長野らしい野生の香り。
ちょっとウリにも似たような爽やかな野生だ。
繊細細切りの蕎麦はふわっとやわらかく
食べ進むほどにその野生の風味がどんどん深まっていく。
甘みもじんわり。
はあ〜
上田のこんな静かな古民家で、
午前中から、うれしいなあ〜
「あつもり」
知らない方のために念のため申しますと「あつもり」というのは
冷水でしめていないあったかいもりそばのこと。
見た目からして全然違うでしょう〜
蕎麦全体がなんとなくくっついいて、蕎麦肌につやもない。
でもこの眺めこの肌こそいかにも香りそうな感じで私はワクワク〜〜(≧∇≦)♡♡♡
「もり蕎麦」と同じ蕎麦なのだからもちろん香りは同じ方向なのだが
こちらはぐっと甘く炊きたてごはんのようなふくよかさのある香りが前面に出ている。
食感はさらにやさしくもたっとして、
急がないとくっつき始めるので大喜びでさっさと食べちゃいました。
「粗挽田舎そば」
「粗挽田舎」はどっしりとした陶器の器で。
こんもりと美しい蕎麦のお山、上田のお山。
おおお
こちらは先程の「もり蕎麦」と共通する爽やかな野生に加え
ごま油のような芥子のような厚みのある、ゴージャスで個性的な香ばしさがある。
意外にもくっきりした輪郭線のしっかりした舌触りなのだが
繊細な細切りのため食感はやさしい。
味わいや甘みはすっきりで厚みある香ばしさが際立っている。
蕎麦汁は甘めでバシッと濃い感じ。
帰り際、玄関のところでおや?と気になる張り紙が。
「2Fは丸山階(まるやまフロア)です
ご自由にお上りください」
階にフロアと読み仮名がついているのが面白い。
デパートのアナウンスの「5階、紳士服フロアでございまぁす♪」とかみたい(≧∇≦)
なんだかわからないけど登ってみましょう〜〜
えっ
ええ?
武士道でサムライな父に育てられた私には
かなり親しみある感じの異空間が突然現れビックリ。
何だかいきなり父の怖い声がした気がしたようなしないような?(* ̄∇ ̄*)
ここは一体・・と思ったら
ということらしい。なるほど!
古民家でこんな展示を見られるなんて
めちゃくちゃ素晴らしいではないですか〜!
しかもそれがお蕎麦屋さんの二階とは。
展示室とは別にある座敷もいい。
店の奥、駐車場側には立派な門もある家。
家は使わなければ朽ちていくけれど
人が住み大切に手入れすればこんなふうに
世界中に自慢したいような美しい宝物になる。
特に店舗などでの利用は沢山の人が楽しむことができるので
本当に素晴らしいと私は思う。
私も含め今の時代の人は日本の古い家の素晴らしさを知る機会が少ないせいで
日本の家に対する親しみも知識も誇りもない。
日本を訪れた外国人も日本の古い家を体験できる機会はなかなかないが
お蕎麦屋さんなら気軽に美しい時間を体験できるではないか!
というわけで、私は古民家のお蕎麦屋さんが大好き(≧∇≦)/
京都の町家造りのお店も大好き。
古い家に育ったわけでもないのに「懐かしい」と感じる家。
日本人であることが嬉しくなる、新しき「くろつぼ」でのひととき。
楽しかったね〜〜っ♪
2016年07月02日
長野・上田「十割そば処 福田」
田んぼとお山の夏景色。
そのまんなかに、「そば処」の幟が小さく元気よくはためいている。
水車のまわるお蕎麦屋さん、「十割そば処 福田」。
くるくる回る水車の眺めと絶え間ない水の音。
このまま店に入らずしばらくここに居たくなる・・・
しかしそうはいかない事情がある。
初めて来た時も驚いたが、道から外れたこんな田んぼの奥にあるというのに
この店は驚くほど混んでいるのだ。
なんとなく気忙しく店に入ると今日もほぼ満員!
すごいなあ〜、美味しいものを作れば
どんな辺鄙なところでもお客さんはこんなに集まるものなんだなあ〜
お茶はセルフサービスで飲めるようになっている。
こちらのお店には不思議なルール?があり
メニュー写真だけは撮影禁止。
なぜメニューだけ?と不思議になるが
体裁も内容も特に変わったところはない普通のメニューだ。
「もりそば、天ぷら付もり、あたたかい天ぷらそば、かけそば、きつねそば、
天丼、ドライカレー、冷奴、焼き油揚、焼き厚揚」
などなどがわかりやすく一枚の紙に書かれて各テーブルにある。
でもこちらは持ち帰り用の小さなカードなので撮ってもいいですよね?
すごいでしょう、青木村産タチアカネの十割!
こういう郷土性はうれしいなあ〜
「焼き油揚」
「焼き厚揚」と迷ったが「焼き油揚」にしてみた。
カラリ軽くてとても美味しい。
「もり」
キュウリの甘いわさび漬けと、薬味はネギと大根おろし。
野菜と蕎麦の眺めが長野らしい。
「もりそば」
ふわ〜〜〜!!と高く軽やかに香るさわやかな野生。
そこまでいわゆる信州の品種らしい感じがしたが
食べるといきなり透明な穀物感に満ちている。
味はみずみずしく透明でまろやか。
タチアカネというあまり出会えない品種だけに新鮮な気持ちで味わう。
食感も個性的でプツンと切れる感じでやや短めのお蕎麦が多い。
地産地消、すぐ近所で育てられた穀物を田んぼの真ん中のお店で食べる贅沢。
ああ〜 うれしいなあ〜
ここは汁も個性的。
ちょっとなめてみるとなんとも枯れた風情のやや変わった印象の汁なのだが
試しに(試しにって(^^;;))蕎麦につけてみると何の違和感もなく
すんなりまろやかに美味しいので驚かされる。
コンビネーションの妙技!
店内奥には製粉コーナー&アンティーク販売?コーナーも。
店を出るとむわっと夏の濃い緑の香り。
今この瞬間にもはじけ花開きそうな桔梗のお姫様にも出会った。
今日出会えたのは偶然じゃない。
景色も、花もお蕎麦も。
毎日違う姿だからこそ貴いと、私は思うのだ。
2016年06月15日
長野・山形村唐沢地区「山法師」
蕎麦の秘境として知られる山形村の「唐沢集落」。
のどかな田園風景の中に10軒ほどの蕎麦屋が点在する
夢の世界の入り口にはこんなゲートがある。
観光向けに作られたゲートは立派だが付近はどこまでも静か。
霧のような小雨の中、緑の香りが私の胸の中まで満ちるようだ。
「山法師」は集落を奥に進んだところにある。
ここの蕎麦屋はどこも看板こそあれどまるきり普通の民家のような店が多い。
「山法師」も暖簾がなければ店には全く見えない。
いや暖簾があってもあんまり店には見えない。
「自家栽培・自家製粉」なんていう物凄い店にはもっと見えない。
玄関に入るとすぐ階段があり
たいへん感じの良い奥さんが「どうぞ、いらっしゃいませ」と迎えてくれる。
お店なのはわかっているのだが
「お邪魔します〜・・」と言いたくなってしまうほどまるっきり普通の日本の家だ。
広々と、静かな座敷。
家も庭も、隅々まで手入れが行き届いていてとてもきれい。
こんな空間を独り占めとはなんて贅沢な午後だろう。
長野らしいもてなしが嬉しい。
お庭の素晴らしいこと!
鳥の声に耳を澄ませていると
雨上がりの気配まで聞こえてくる静寂。
メニューはシンプルだが唐沢集落らしい嬉しいものばかり。
(「お客さん撮影」ってところに人柄が出ていて可愛らしい(^o^))
下にある「そばうすやき」っていうのはなかなか見ないですねえ、
これも是非いきましょう!
「馬刺し」
長野に来たらやっぱりコレ。
ちいさめ一口サイズ。
「わらび」
えええええ
250円でこの量にビックリ。
しかもパリッパリの素晴らしい食感にさらに大喜び!
わらびは茹でると柔らかくなってしまいがちなだけに
この絶妙な食感はさすが〜おいしい〜〜
「そばうすやき」
きゃーー!!
ここでいきなり大興奮。
さすが蕎麦だけに尋常じゃない香ばしい香り!!
(いつも思うがその日一番の蕎麦成分の体へ浸透、感動は格別!!)
あああああ
なぜ私は蕎麦粉が入っているだけでこんなにも強い反応を示してしまうのでしょう。
薄焼きピザのようなものなのに、この香ばしさは麻薬!!
特に焦げてるところが最高!!(≧∇≦)
蕎麦の香ばしさ、滋味深さに加えバタークッキー?みたいな芳醇な香りと味わいもあり
とても美味しい薄焼きだ。
って蕎麦部分に夢中すぎて真ん中に塗ってある蕗味噌について
全然書いてなくてすみません(* ̄∇ ̄*)
甘めの蕗味噌と蕎麦の素朴な風味、これぞ長野なアイディアメニューだ。
「蕎麦(並みもり)」
今気づいてびっくりしたのだが
なんとあろうことかこの私が蕎麦のアップの写真を撮っていなーい!
その時感じた熱情を閉じ込めるためにも蕎麦肌を撮り忘れたことなどないのに。
静かな座敷でよほど気持ちよくのんびりして
頭のネジが緩むどころか取れてしまっていたのだろう。
箸先から漂う、石のような静謐な香り。
口に含むとひじょーうに独特なふるんふるんとした食感にハッとさせられる。
ふるんふるんフカフカと不思議な柔らかさだ。
食感も軽いが味わいも透き通るように軽くさっぱりとした蕎麦。
汁もこれまた独特なのだがなんだか大変美味しい。
甘さもあるがストイックな渋さを感じる出汁の風味。
あまりの居心地の良さについ長居してしまい
自然と店主夫妻とお話することになったのだが
あまりの感じの良さにさらに長居してしまう。
こんな、ふらりと入ってきた得体の知れない蕎麦野良犬にも
こんなに感じよくニコニコ親切にしてくれるなんて
心温まりすぎて心中遠吠えするしかない。
おおーん おおおおーーーん・・・
店主によると以前は全て自家栽培だったがイノシシにやられて以来
ひと月ぶんくらいしか作らずにあとは地元の信濃一号を入手しているそう。
「山法師」の店名を尋ねると穏やかな笑顔で
「家の前にたくさん咲いている山法師からとったんです」
とのこと。
えっ山法師が咲いてた?
蕎麦蕎麦蕎麦で全然気付かなかった・・・(* ̄∇ ̄*)
「お送りしがてらお見せします」と店主。
外に出ると雨上がりの山形村の景色。
なるほど山法師が今を盛りと咲いている。
私は素晴らしい季節にここに来たのだ。
見入ると吸い込まれそうな花の宇宙。
「ハナミズキより品があると僕は思ってるんです」
静かな言葉が胸に響いた。
<おまけ>
玄関にあった呼び鈴の置き場所がおちゃめすぎるんですけど・・
ミニチュアの石臼の上に置いちゃった(≧∇≦)♡
2016年04月30日
長野・白馬「蕎麦処 りき」
白馬の青空、白馬の風。
「手打ち蕎麦」の幟がまぶしくはためいている。
緑の美しい山の麓の道路沿い。
店などはポツンポツンと点在する程度なのに
どうしたことかここには二軒並んで手打ち蕎麦屋さんがある。
「蕎麦処 りき」の左隣は「蕎麦酒房 膳」。
偶然なのだろうが、私にはなんとも落ち着かない眺めだ。
以前埼玉県鴻巣市でも起こっていた現象だが
(あちらは静かな住宅街に突然お蕎麦屋さんが2軒並んでいた)、
こんなにくっついていたら便利だけどお腹の都合上
ハシゴ出来ないじゃないですかっ(≧∇≦)
テーブル席と小上がりがある明るい店内。
一品料理もいろいろ。
こっ 、この右側真ん中はなんだ!!
「そば」の文字はどうしてこんなに私の胸に、
恋のように突き刺さるのでしょう・・・
甘いものは得意でないのにジーッと見てしまう・・・(* ̄∇ ̄*)
あ、あの壁のホワイトボードにあるあれ、是非食べたい!
左から二番目のですよ〜〜〜
あれはゼッタイですね!
そして「蕎麦処 りき」はなんといっても
量を選んでお蕎麦を食べられるところが面白い。
しかも蕎麦粉は全て白馬産だ。
八方 150g
杓子 200g
鑓 300g
五竜 400g
白馬 500g
「蕎麦好きが沢山食べられる価格設定にしておりますので一人一品お願いいたします。」
と書いてある通り、大人数用に盛られた蕎麦をみんなでつつくのではなく
一人ひとりがお腹いっぱいお蕎麦を食べてほしいというサービスらしい。
ここで毎日いーっぱい白馬のお蕎麦を白馬の水で
手打ちしていると思うとじーんとしてしまう私。
非常に豊かなおおらかな気持ちになるが
豊かなのはお蕎麦ばかりではない。
天ぷら盛り合わせ(810円)というのを頼んでみたら・・・
ドーーン!!
続いてやってきた「ふきのとう天ぷら」も・・・
ドーーン!!
ものすごいボリューム!!
どちらも、ボリューム小さめに慣れてしまってる東京モンがイメージする量の
ゆうに倍はある。
二つを見下ろすと天ぷらの大海原を見渡しているかのよう・・・壮観。
サクサクパリッと揚げられた天ぷら。
私はやっぱり蕗の薹とまいたけとえびが好き♡
「ざる蕎麦」
私は基本量の「八方」で。
それでも150gありますからたっぷりめ!
さわやかな野生と二八らしい甘い香りがふわ〜。
端正な細切り、ふわりと軽いコシがあり味はすっきり。
これは確かに量を食べられちゃうお蕎麦ですね〜
テーブルにはこんなシートがあった。
楽しい〜 こういうの大好き♡
一つ一つジーッと読んじゃいました。
誰かが私にお腹を貸してくれたら回りたいんですけどね〜
あーん せつない(≧∇≦)♡
2016年04月12日
長野・栂池高原「手打そば ふるさと」
この角を曲がれば、そこは「ふるさと」。
小谷村の空に映える「手打そば」の文字。
この白馬・栂池高原エリアが大好き、お蕎麦が大好きの私には実に嬉しい眺めだ。
しかし店に近づくと看板には「手打そば」より大きく「ジンギスカン」!?
「手打そば」の幟がなかったら遠目にはジンギスカン屋さんに見えるに違いない。
そして外観は私が大好きななまこ壁♡
「ふるさと」というほのぼのした店名も好きだしジンギスカンも大好きだし
入る前からいろいろと素晴らしいお店ではないですか〜(≧∇≦)
入り口前のメニューでもジンギスカンはイチオシされております。
近年豪州からの観光客激増の白馬村だけに
英語表記もバッチリ!
「冬期限定おじや」なんかは英語の説明を見た方が内容がわかりやすくなっております。
おいしそう(^o^)
そして御覧下さい、この店内のいい〜雰囲気。
店名を裏切らない、この「ふるさと」な風情(≧∇≦)!!
素晴らしい!!
席についたらまずお茶とお漬物を持ってきてくれるのが長野♡
子供の頃から長野が大好きな私は長野らしさがいちいちうれしい。
ワラビには鰹節とマヨ。
ほっこり〜(^o^)
白馬には何故かジンギスカンとお蕎麦が食べられるお店が多いのだが
「ふるさと」のジンギスカンは大変に美味しい!
このお肉、すごいでしょう?(≧∇≦)
「ジンギスカン(単品)」
野性的なラムらしさを楽しみたい私としては
ここのジンギスカンは最高!!
「甘めのタレに漬け込んで臭みを消したやわらかいラム」とかよりも
ガッツリガッチリそのまんまが嬉しい♡
歯ごたえも旨みもしっかり。
でも固いのではなく弾力がある感じで素晴らしく美味しいジンギスカン。
きゃ〜 たまらない〜♡
「ざるそば」
おーっと、デフォルトで海苔がかかってまいりました。
「ざるそば」だもんね!(≧∇≦)
やわらかく重たげに重なりあう素朴な肌。
いかにも二八らしいむわ〜とした香りを想像したが
これがなんだか独特な、ふっくらとした穀物感に満ちた素晴らしい香りをまとっている。
繊細な細切りの平打ち、ふんわりやさしい食感。
汁はかなりの甘さで
昔ながらの長野らしいといえばそうかも(^^)?
子供の頃両親に連れてきてもらった長野で入ったお蕎麦屋さんでは
蕎麦よりも汁の甘さが印象的だった記憶がある。
今思えばあれはどこだったのかなあ・・・
気がつくと店内では小さな店員さんが甲斐甲斐しく働いていた。
小学生らしい、ここのお家の男の子だろう。
さっき裏口からお父さんらしい人とスキーから帰ってきたばかりだが
もうエプロンをしてしっかり働いている。
スキー遊びををしたんだからくたびれているだろうにエライなあ〜
黒く澄んだ目がとても可愛らしい。
窓の向こうには白く美しく輝く白馬のお山。
ああ 私はほんとに 長野が好き。
2016年04月10日
長野・白馬村「蕎麦酒房 膳」
山間の村の夜は真っ暗。
その暗闇の向こうに楽しげな灯りが輝いている。
白馬産十割手打ち蕎麦の店「蕎麦酒房 膳」。
夜は予約なしでは入れないことも多い白馬村の大人気店は
今夜も平日なのに満員御礼。
お座敷もカウンターも大賑わいで楽しい雰囲気だなあ〜
特に近年豪州からのお客さんが激増している白馬村だけに
外国人のグループが何組もお座敷で足を伸ばしてくつろいでいるのが印象的だ。
もし私が外国人で山の麓のこんな店で賑やかな夜を過ごしたら
さぞ楽しい思い出になるだろう。
料理メニューもこんなにたくさんあって宴会でも家族連れでもなんでもこい。
人気なのも頷ける。
テーブル席はグループのお客さんで埋め尽くされていたが
カウンターでは常連らしい1人客が3人、じっとこの夜を楽しんでいた。
いろんな層に愛されている店なんだなあ。
アルコールは
「大信州」「佐久の花」「信濃鶴」「夜明け前」「白馬錦」などの長野の日本酒をはじめ
ビール、カクテル、ワイン、焼酎などが揃っている。
白馬産十割蕎麦をうたう「膳」だけに
なんといってもお蕎麦が楽しみ!
安曇野産二八もあるのでもちろん両方いきますよー♡
ところが・・・
十割はお昼だけなんだってー!ガーーーーン!!! (TOT) (TOT) (TOT)
超ショックだけど安曇野産二八をたのしく頂きましょう〜
おっあれは?
「プレミアム信州牛のたたき」
いいですね〜
お魚好きが祟ってアニサキスアレルギーを発症して以来
お肉に反応するようになった自分が我ながら新鮮(^^)
ヨシ、あれで十割失恋の傷を癒しましょう♪
「きのこおろし」
長野に来たらまずこれでしょう!
ここのはまたやたらめったら美味しい。
塩漬けしてあるのでお醤油要らず。
乗鞍でいつも自分で採ったきのこを食べさせてくれた亡き人を思いながら、
懐かしくしみじみと味わう。
「豆乳豆腐」
「豆乳につけた冷たいお豆腐をゆず醤油とゆず胡椒で」
とメニューに書いてある通り、柚子の風味が華やか。
お豆腐は何も付けないで食べたい私としては
ゆず風味は別添えにしてもらえば良かったな〜なんて小さく後悔してしまったが
心眼で柚子胡椒を取り除き見つめた豆腐は
ざっくり濃厚、素朴な味わいと質感で美味しかった(^o^)♪
「信州サーモン」
海魚全面禁止令が出ている私ですが信州サーモンは川魚さんなので嬉しい限り。
味わいが濃く甘みがあって美味しい。
実はこれ、本当は「信州サーモンとまぐろの刺身」というメニューだったのを
お願いして信州サーモンのみにしてもらったのでした。
アレルギーとは無縁だった自分ですがなってみて初めてお店の方の大変さがわかりました。
こうして対応してもらう度に申し訳ないやらありがたいやら、本当に感謝です。
「プレミアム信州牛のたたき」
見るからに美味しそうないいお肉♡
そしてこちらもゆず胡椒+ちょっと甘さを加えた味がついております。
とってもおいしいお肉だけに私は塩かお醤油で食べたかったけど
それは私の偏ったワガママでして・・どこに行ってもそうなんです〜(* ̄∇ ̄*)
「もりそば」
やわらかそうに波打つ、やさしい印象の細切り平打ち蕎麦。
甘く濃厚な二八らしい香りがムワァ〜とただよい、
口に含むと繊細だがふっくらとしたコシがある。
食べるほどに二八の個性が深まってくるだけに
これは十割も食べたかったなあ〜!
今度は是非お昼に来なくちゃ。
しかも十食限定らしいので早めに来なくちゃ。
私がいる間にも何組のお客さんが来ては断られ、
電話もガンガンかかってきては断られ、
その度にお店の人はとっても申し訳なさそう。
大人気なのも大変だ。
各国混合の店内の賑わいは冷めることなく
白馬村の夜が更けていく。
外の暗闇と残雪を思うとこの賑わいがますます楽しく思える。
賑わいを聞きながら、
濃厚な蕎麦湯を飲みながら、
天井を見上げている旅人の私。
2016年04月07日
長野・乗鞍高原「手打ちそば 御池」
3月末、まだまだ残雪まぶしい乗鞍。
乗鞍は私にとってとても大切な場所なのだが
今日はお世話になった「おかあちゃん」と連れ立ってお蕎麦屋さんへ!
「手打ちそば 御池」はこのあたりでは有名なお蕎麦屋さんだ。
店に入るとまずはお漬物。
「おかあちゃん」とおんなじおもてなし。
これをつまみながらお茶を飲みながら延々とおしゃべり、が長野なのだ。
向こうの席のカップルはこのあたりの郷土名物「とうじそば」を食べている。
野菜やきのこなどが入ったあつあつのお鍋の中に
冷たいお蕎麦を「投じ」、ざるですくって食べる蕎麦。
「とうじそば」の田舎らしい風情といい、
お店のおばちゃんのほっかむりといい、
いい眺めだなあ〜〜
風情を愛でておきながら「とうじそば」は一度も食べたことのない私。
だって・・
私はこの人のものなんだもの・・・♡
「もりそば」
ずっしり大きな陶器のお皿に
ひろびろと豊かに広がってやってきた「もりそば」。
雰囲気はのんびり田舎風だが価格は900円とちょっと都会的?
でも量はたっぷり(^^)
乗鞍の清冽な水でキンッと思い切りしめられた瑞々しく流麗な蕎麦。
やや固めのコシ、しっかりした弾力があるが平打ちなので食べやすい。
香りはごく淡いがしっかり噛んでいると二八らしいやさしい味わいが深まっていく。
つゆはガッチリ甘辛の濃いめ。
蕎麦の器が凄いと思っていたら店の隅には陶芸コーナーが。
その横には「そば打ち道場ギャラリー」。
躙り口風の入口が特別な雰囲気を醸している。
(蕎麦打ち場は私にとって鶴の恩返しのような秘密の魔法の小部屋(^^))
青い空、広がる峰。
乗鞍は私の大切な場所。
2016年04月05日
長野・白馬村「こいや」
パッと見て一番目立つのは木彫りの「うなぎ」の看板である。
しかし店名は「こいや」。
「川魚料理」の文字も見えるので鯉も自慢の店なのだろう。
しかし風向きが変わって幟がたはためくと・・
「手打そば」ーーーーっ!!
ハイハイ入りますよ入りますよ!
なんだか面白いから磁石のように吸い込まれてしまいました。
店に入るとやはり。
うなぎと鯉料理と手打ち蕎麦とジンギスカンまで入り乱れて
たいへんなことに・・・いや、それがごく当たり前のようになっております(^o^)
近年オーストラリアからの観光客激増の白馬村ゆえ
メニューもインターナショナル仕立て。
日本語と英語と中国で書かれ写真も付いて、大変親切です。
魚好きが過ぎて1年半前にアニサキスアレルギーというものを発症した私。
(このアレルギーの人のほとんどはお魚の食べ過ぎが原因で
お魚大好きの人や漁業関係者がなることで有名なアレルギーです)
というわけでこの一年半お魚全面禁止なんですが
でも川魚にはアニサキスがいないので鯉はオッケーなんです♡
うわーい
「鯉こく」
お蕎麦屋さんで「鯉こく」となると
どうしても愛する愛する「宮野屋」の絶品鯉こくを思って期待が高まってしまうが・・・
うっはー!!!
「こいや」も素晴らしい〜〜〜ばんざーーーい!!
なにコレ、もんんのすごく美味しくて困るんですけど!!
臭みゼロで脂の乗った鯉がたーっぷり。
期待以上の美味しさにパクパクあっという間に食べてしまった。
ああ〜私は本当にお魚が好きなんだなあ〜
ひさびさのお魚だけに泣けるような美味しさ。
「もりそば」
細切り、やさしい印象の明るい色の蕎麦。
微かなホシが一面に散りばめられ、食感はすんなりつるつる。
香りも味わいもごく淡いが
うなぎや鯉やジンギスカンなど濃いものの後に
つるっと食べるのにはぴったりなんだろうなあ〜
つゆは意外と甘くなくストイックな印象。
次回は是非夜に来て
うなぎ→鯉料理→ジンギスカン→お蕎麦、
と全部やるだけやってこの店を体感したいもの。
ちょっとそれは私も未体験の世界ですよ・・・うふふ(≧∇≦)
2016年03月27日
長野・白馬村「そば工房 林檎舎」
白馬村にも春が来た。
お山にはまだまだ雪が輝いているが下界はすっかりぽかぽか。
「林檎舎」さんの赤い目印も春の陽に輝いている。
店に入ると店員さんが「今お蕎麦打っておりますので〜」
と案内してくれて、なんだかとても嬉しい気持ち。
たしかに店の奥でゴトリ、ゴトリと蕎麦包丁を使う音がしている。
とにもかくにもまずはお漬物、なところが長野。
子供の頃から長野、特に白馬が大好きだった私にはうれしいおもてなし。
出されたお茶は「苦そば茶」。
セルフサービスでお代わり出来るようになっている。
くるみだれのお蕎麦があるのも長野ですね〜♪
い、いなごがあるもの長野ですね〜(かなりヘッピリ腰(* ̄∇ ̄*))
「いなごのつくだ煮」
虫もヘビもあんまり怖くない(フリができる)男気な私ではありますが
いなごちゃんを食べるのはやっぱり無理でした・・・
地元の方によりますと「林檎舎」の「いなごのつくだ煮」は
「たいへん上手に炊けている」そうであります!
「そばがき」
お〜
ざっくり荒々しい北斎の神奈川沖浪裏風そばがき!
モッチリざっくり素朴な質感。
ちょっと椀がきっぽい生々しい蕎麦の味わいが私には非常に懐かしい。
「そば三昧」
長野を感じたくて「くるみだれ」を味わえる「そば三昧」にしてみました。
「醤油つゆ、おしぼり汁(辛味大根の絞り汁)、くるみだれ、
信州の味が一度に食べられるおすすめのセット」
だそうです(^o^)
パキーン!!
爽やかな野生が吹き抜けるようにかぐわしく、
パッキパキのシャープな輪郭線が口中を流麗にめぐる。
思い切りキンキンに冷たくしめられているのにこれだけ香ってくれるのはすごい!
二八だそうだがあまり二八っぽくない、十割のような印象のお蕎麦だ。
食感は固めだが繊細な平打ちなので食べにくさはなく
深呼吸したくなるようなフレッシュな爽やかな野生に浸るひととき。
長野らしい野生だなあ〜と嬉しく長野に浸っていたら
本日は北海道の蕎麦でした、アハ(≧∇≦)
時々長野と北海道の個性で間違えるのがあるんですよね〜
あれっ
あーっ! せっかく「そば三昧」をとったのに
一回も汁につけずに全部食べちゃった!やっぱりやっちゃった!
美味しいお蕎麦はどうしてもお蕎麦だけで食べたい私は、
2枚食べないと汁につけるのは無理そう・・・(* ̄∇ ̄*)
後から慌ててスープのように汁を味わう。
醤油つゆは鰹がバンと効いてほわんとした甘みがあり老若男女に愛されそうな美味しさ。
くるみだれはかなり甘めなのだが
単体でチビリとなめると素晴らしい蕎麦湯のお供に♡
おしぼり汁はと味噌とネギを入れるようになっていて大変おいしい。
春の日差しが斜めに入る店内。
向こうの席では地元のおじいちゃんおばあちゃんグループが食後のおしゃべりをしている。
よーく観察すると夫婦ではなくバラバラにおじいちゃん二人おばあちゃん二人らしい。
あらーいいですねえ〜♪
話し声は静かだが楽しげで
白馬村の小さな春の風景を見た気がした。
さあ〜てと、午後は大好きなあの温泉に行くんだ〜♪
2015年02月23日
長野・松本 美ヶ原温泉街「米十」
山は暮れ、家は眠る。
美しい、日本の家。
古民家のお蕎麦屋さんに来るたびに思う。
この家が建てられた頃のこと。
この家に帰ってくる人達がいたこと。
この家が見てきたもの。
御免ください。
土間の部分がひろびろとした玄関になっている。
都会ならこの玄関スペースと同じ広さのお店はいくらでもあるだろうなあ。
囲炉裏のある座敷。
他に誰もいないのでストーブを焚いてもらうのが申し訳ないような気持ちになる。
昼は観光客も多いので座敷担当の人がいるが
夜は蕎麦を打っている人がひとりきりでやっているとのこと。
したがって夜は要予約だ。
ちょっとこの眺めは実家を思い出してしまった。
縁側の幅の広さが素晴らしい。
あ、外に建物が・・
なんと庭には築150年超というお蔵があった。
なまこ壁が美しく、かなり大きい。
ああ なまこ壁ってなんてファッショナブルでカッコいいんだろう!!
最近、日本のお蔵の貯蔵能力の凄さについて聞いたばかりなので
なおさら憧れを持って見入ってしまう。
普通の家に長年放置したらホコリやカビまみれになるものが
蔵の中からはピカピカで出てくるらしい。
何はなくともまず「お茶とおつけもの」。
大好きな長野にいるよろこび。
「米十」にはビールやお酒のメニューはあるがおつまみの類は一切ない。
あるのは
せいろそば、かけそば、鴨や天ぷらなどの種物そばなど
蕎麦メニューのみ。
メニューにはないのでお通しなのか「季節の小鉢」というのが出てきた。
「せいろそば」
わ〜 せいろにきのこおろしが添えられている。
長野のきのこ大好き!これはうれしい。
ふわっと軽やかに重なる二八らしい肌。
墨のような香ばしさと北海道らしい強い野性を感じる香りをまとい
たぐりあげると一本一本がほろり軽くほどける。
程よいコシのすべすべした蕎麦だ。
普段は地元産の粉だけを使っているということだが
この時は製粉所の都合で北海道と長野のブレンドだった。
きのこは長野ならではの大きなものですごく美味しい〜
汁は利尻昆布と鰹を使用とのことで
鰹は淡めのスッキリ美味しい汁。
「鴨せいろ」の汁はこんな感じ。
この汁がとてもいい。
極上の肉厚鴨!とかではないのだが、鴨を焼いた香りが香ばしく
しかも汁は脂の浮いていないすっきりしたもの。
うん、おつまみなくても「鴨せいろ」とって
まず鴨汁だけもらって日本酒とチビチビ・・っていうテもありますね〜
(ってまたこういう発言をするからすごーく飲める人だと思われる・・(^^;;))
ストーブはあるが家の中は寒い。
天井が抜いてある古民家はよくあるが
ここの天井はこれまたすごいことになっている。
完全にまっくろくろすけのお家だ。
私はまたこの家の永い時間を思う。
この家が建てられた頃のこと。
この家に帰ってくる人達がいたこと。
この家が見てきたもの。
時は流れこの家は東京の古民家を愛する人の手に渡り
東京から蕎麦打ち職人がやってきて蕎麦屋として経営されている。
芸能事務所の経営というのはこの家のイメージからはおよそかけ離れている。
しかし継ぐ人がいなければ、お金をかけて修復してくれる人がいなければ
古いものは壊れ消えていってしまう。
私が今夜この美しい家に出逢えたのもありがたい運命だ。
そして、
今こうして全く関係のないよそ者の私がここに座っているのも、
この家はじっと見ているのだろう。
2014年05月14日
長野・長野市「手挽きそば 蔵之内」
長野駅から2kmほど。
山深いところに名店が多い長野県において
車がなくても行かれる市街地のお蕎麦屋さんというのは貴重である。
新幹線をちょっと遅らせれば美味しいお蕎麦がたぐれるのだ!
山の蕎麦屋は「お昼でおしまい」なお店も多いので
営業時間が20時半までというのもありがたい。
「手挽きそば 蔵之内」は今宵も大人気、大盛況!
家族連れやグループ客など、ひっきりなしに車がバンバン訪れる人気店。
「手挽き」と店名に冠しているだけあって
入り口に入るとすぐに石臼に出会えた。
いつも思うが、こんなに重そうな石臼を毎日ゴリゴリ手で回して粉を挽く、
その労力にはただただ頭が下がる。
以前秋田にあった「石碾屋」さんで挽かせてもらった時
恥ずかしながら10センチくらいしか動かせなかった私でありました・・( ̄▽ ̄;)
ここはメニュー に創意工夫がありとても楽しい。
蕎麦のメニューも「本日の素材そのもの料理」 というおすす料理メニューも
読み応えがあってついついじっくり見てしまう。
「 信州サーモンの軽い燻製グリーンサラダ」
モダンな三角の器が楽しい演出。
信州サーモンは肉厚でとろっとして、燻製の香りが最高!
やや甘めのドレッシングがさりげなくあしらわれている。
そしてここの「そばがき」がまた面白い。
「名物 そばがき餅風(上伊那箕輪地粉)」
そばがき餅、風?
そばがき、餅風??
どっちでも同じだろうが面白そうだ。
頼んでみよう!
わー ほんとに面白いのが来た〜〜(^^)
デザインの面白さに思わず激写しまくってしまいました(^^;;)
餅風、ってこういうことだったんですね〜〜
墨のような、干し草のような野性味ある香り。
モチッ ホワッとした食感が素晴らしい。
甘みが少ないのが野生の香りをストイックに際立たせ、いかにも地粉という趣。
あああ いいなあ おいしいなあ
いよいよお蕎麦・・・の前に、
隣のテーブルの男性陣がガンガン食べているお蕎麦をご覧ください。
すごい大盛りでしょう〜?
しかもこれが「大盛り」ではなく「中盛り」という名称であることに驚かされる。
「 手挽き 蔵之内」において「中盛り」は「普通盛り」の2倍もあるのだ。
それがなんと、たったの50円増し!!
すごいっっ
でも私は「量」より「種類」が食べたい方なので
「中盛り」にはせず「普通盛り」で「二色蕎麦」を(^o^)♪
「いしうす蕎麦 地粉自家製粉(上伊那産)」
「田舎蕎麦 あらびき粉 色は黒め 毎十五食」
の2種類のお蕎麦だ。
「二色蕎麦」
「いしうす蕎麦 地粉自家製粉(上伊那産)」
生々しいほどにたくましい香り。
ビスクドールのような「細かく均一なきめの荒さ」のある肌で
のどかな風情がとてもいい。
舌触りはやわらかくやさしいのだが
中に空気を含んだような独特の軽さがあり
噛み締めるとジューシーなイメージもある。
そこから淡い味わいがこぼれてくる。
「田舎蕎麦 あらびき粉 色は黒め 毎十五食」
こちらも「いしうす蕎麦」同様に生々しいほどのたくましい香り。
それに加えこちらには甘皮のくろい香ばしさ、甘さがガツンとあるのが嬉しい。
ズシッとしっかりした食感で、噛みしめる度に甘みが口の中にひろがる。
2種類が一緒に盛られているお蕎麦だとつい
「2つの宇宙の間」
を撮りたくなってしまう私。
その頭の中に
「クロ〜とシ〜ロと〜の間〜にはぁ〜〜っ」
という替え歌が響いていることは誰も知らない・・ (* ̄∇ ̄*)
汁は鯖節?のような強い味わいで
甘さも強めだが全体のバランスのいい汁。
さきほどまであれだけ混んで、あきらめて帰るお客さんも多かったのに
今はラストオーダー後の静かな時間。
手挽きの蕎麦粉がどのお蕎麦に使われているのか結局わからなかったのだが
「毎十五食」限定という「田舎蕎麦」だったのかな?
今度行った時もし空いていたら訊いてみようっと(^o^)
(ついでに、幻らしい「大盛り」の実態も!)
2014年03月16日
長野・軽井沢「ささくら」
石畳の道に面した、昼も夜も大人気のお蕎麦屋さん。
追分宿の旧道にあるので昼間は観光客が圧倒的に多いが
夜は地元の人率がかなり高そうである。
21時までやっていてくれるのは本当にありがたい。
入り口ののれんには
「あなたのそばに ささくら」
と書いてある。
古民家を改造した店内は今夜も大賑わい。
家族連れやら地元の人らしきグループやらで
活気があって楽しい雰囲気だ。
カウンター内の壁にはお酒の瓶がずらりと並べてあり、
おつまみも豊富なので皆で集まって飲むのにもぴったりなのだろう。
「お刺身盛り合わせ」
つい先日聞いた
「長野の寿司屋は海が遠いので命懸けで仕入れてくるから美味しい」
という話が面白かったのでとってみた。
真鯛の昆布締め加減が美味しく、
バチマグロも酸味なくたしかに新鮮(^o^)
「スジと豆腐の煮込み」
を頼んだら残念なら今日はもうなかったのでこちらに。
どーーんと大きなお鍋でやってきました。
「豚もつ煮」
もつが大ぶりで嬉しい♪
味噌煮ながら甘すぎない濃すぎない味付けがとてもおいしく、
お鍋が大きいだけにボリュームもあって大満足。
「ささくら」はお酒に合いそうなメニューが沢山あるので
次のメニューは
「サバの一夜干し焼」にするか
「カレイの一夜干し焼」にするか
「ハーブ鶏の塩こうじ焼」にするか
あれこれ迷った挙句ここに着地!
「スモークサーモンハラス焼」
どっひゃー 思った以上のすごい脂、ジューシーさ!
これは・・私が酒豪ならこれだけでどれほど飲めちゃうだろう(^^;;)
ただのサーモンハラス焼ではなく「スモーク」であるところが
燻製好きの私には魔法のように美味しい。
ああ燻製万歳・・・
「ざるそば」
大きな陶皿の上に
ひろびろ豊かに気持ちよさそうにひろがってやって来た。
ぱっと見は、割と普通?に見えたのだ。
しかし・・よく見るとありそうでないかすかな透明感と、
ほんの少しだけ褐色を帯びているところに静かな魅力を感じる肌。
いかにも二八らしい、甘くやさしい香りを濃厚にまとい
舌触りはムッチリしっかり。
しかし食感は軽く味わいもあっさりなのでするするっと食べられて
これは飲んだあとにもぴったりだろう。
「ささくら」の蕎麦は自家製粉。
今年は軽井沢産と南相木産のものを使用しているそうだが
これはどちらかな?ブレンドかな?
蕎麦湯の時になってはじめてつけ汁と仲良くしはじめる私。
「ささくら」の汁はカツオがよく効いた薄口で
個性的ながら美味しい汁だ。
店内では、先程までカウンターで一人飲んでいた男性が
もうすっかりこっち向いちゃって
真ん中のグループ客とお友達になっている。
地元の人同士知っている人が重なっているらしく
誰かの名前を出しては大笑いして実に楽しそうだ。
向こうのグループはいよいよ蕎麦タイムとなったらしく
一人が全員に何の蕎麦にするか決めろと呼びかけている。
結局みんな同じになっているところが酔っぱらいらしくて可笑しい。
この店の夜は、いつもこんなふうに更けていくのだろう。
私は、隅っこのヨソモノながら
この古民家で今のんびり蕎麦湯を飲んでいる時間を
とても幸せに思った。
こういうのだいすき
2014年03月05日
長野・上田「いちや」(いちや×る庵)
上田菅平インターからすぐの住宅街にある「いちや」。
住宅街の奥の普通〜!の民家がお店なのだが
「生活感あふれる自宅を改造してお店にしました」
という感じはない。
店主は店としてその家を選び、
ひろびろと、穏やかに営業している。
私は以前上田が誇る超有名パン屋さん「ルヴァン上田店」併設のレストランで
ライブをさせて頂いたことをきっかけに「いちや」さんと知りあったのだが
お蕎麦もお料理も、どこまでも自然なまま洗練された店主のセンスに驚いた。
出会いというもののありがたさ、深さを思う。
そして今夜は、その「いちや」さんが
「ルヴァン代々木八幡店」奥の秘密のスペース「る庵」にて
三日間限定で「出張いちや」を開店しているということで
張り切って予約してやってきました〜
もう「ルヴァン代々木八幡店」は閉店している時間。
こっそりおじゃました気分の「る庵」。
ひえー、「ルヴァン」の奥に、こんな楽しい場所が隠れてたんだ!!
炬燵に柱時計に和箪笥・・・ 泣けます。
エンケンさんに見せたいなあ〜(>_<)♪♪
本日のメニュー。
「いちや×る庵」と題されている。
和紙に印刷されたこのメニュー表をつくったのは「る庵」さん。
かすかな桃色のラインが効いている。
さすがのセンス、素敵!
まずはこんなふうに始まりまして
付きだし
「独活のきんぴら」
「アボカドおろし和え」
どちらもシンプルだが隅々まで行き届いた美味しさ!
あらためて、今日ここで「いちや」の料理に出会えたことに感激する。
アボカドのおろし和えは緑大根という地元の大根のおろしだそう。
「五人娘 生酛仕込み 純米」
「ルヴァン」店主の甲田さんもおすすめのお酒。
私にはなかなかオトナな味わいだが
お料理が美味しいのでつい舐めてしまう。今日は危険ですよ〜(^^;;)
添えられた「芹」がまた美味しい。
すばらしい自然の香りが口の中にやって来た。
朱塗りの椀に胸がときめく。
中に何が控えているのかなあ〜とわくわくする。
日本の器は素晴らしい。
椀盛
「自前ねぎの粕汁 春菊のせ」
蓋をあけると、こんなご馳走が控えていました。
「いちや」店主が近所の畑で育てたネギ、とろっとおいしい〜
刺身
「信州産鹿肉たたき 自家製味噌」
信州で最近知り合った猟師さんから直接仕入れているという鹿肉。
これがものすごーーーーーくおいしくてビックリ!!
ねっとりと密な舌触り。
そしてこのじわぁ〜〜んとした味わい深さ、ほんのりした甘さはなんでしょう・・・
鹿肉はもともと好きだけどこんなにこんなにおいしかったっけ・・?
盛り付けも素敵でただ恍惚。
煮物
「新玉ねぎ蒸し煮 そばの実 菜の花飾り」
今回の器は「いちや」のものではなく「る庵」のものだが
それぞれの料理に合わせた趣向が楽しい。
新たまねぎの甘さに菜の花の香りがさわやかさを添えている。
「ルヴァン」店主の甲田さんが
ソースを付けて食べる用にパンを持ってきてくれちゃいました!
でもルヴァンのパンは美味しすぎるので結局パンだけで食べてしまった私・・・
お蕎麦もパンも、どうしてこうなっちゃうのでしょう(^^;;)
こうばしさとかすかな酸味、噛むほどに味わい深く
「ルヴァン」のパンはやっぱり特別!大好き!
「かきオイル煮、わさび菜」
「いちや」の料理は素材の味がそのままなのが本当に素晴らしい。
簡単なことのようで、なかなか出会えないものなのだ。
牡蠣もわさび菜も大好物ゆえ、嬉しく大切にあじわう。
「のりれんこん」
生のりと和えるとこんなふうに赤くなるそう。おもしろーい!
こういう料理にも余計な甘みが一切ないのが「いちや」の素晴らしいところ。
和食において「甘み」というのは本当に難しいものだと思っているので
「いちや」のバランスにはいつも唸らせられる。
「豆腐の塩麹漬け」
これまた驚きのアイディアメニュー!
濃厚で深〜い味わいと、チーズなどとは違う後味の軽さがたまらない。
こんな絶品のアテがあったらお酒なんていくらでも飲めちゃいますよ!(口だけです(^^;;))。
上に散らしてあるのはエゴマ。
箸洗い
「つけもの」
日本は美しい国だなあ、とずっと眺めていたくなるような盛り付け。
しかも牛蒡と蕪と鶉って・・素材のチョイスが素晴らしい!
そば
きゃー きちゃった!
いよいよついに、数年ぶりの「いちや」のお蕎麦!
明るい肌、端整な細切り。
たぐりあげるとふっとさわやかに墨のような渋い香りがただよう。
口中で感じる輪郭線は角張らず何処か丸みを感じる上品さで、
女性的な印象すらある。
すべすべした肌を噛みしめると程よいコシが迎えてくれ
さっぱりした味わいがスッとひろがる。
以前は長野の蕎麦だったが今日は北海道の蕎麦だそう。
ああ 東京で「いちや」のお蕎麦に出会えるなんて・・・
「いちや」さん「る庵」さん、本当にありがとう(;_;)
菓子
「そば豆腐」
蕎麦豆腐の上に生姜の蜜煮と黒糖。
すごい、冬でも温まりそうな最強のヘルシーデザートだ!
茶道もたしなむ「いちや」店主らしく、最後は薄茶で〆。
懐かしくて 嬉しくて 楽しくて
夢のようなひとときはあっという間に終わる。
でもこの夢の夜には、後日談がありまして。
うひゅひゅひゅ・・・
訳あって「いちや」のお蕎麦は今後さらにもっと進化しちゃうんです! (≧∇≦)/
ああ早くまた上田に行きたいー!
今夜の「る庵」のほっこりレトロな雰囲気も最高だったが
上田の「いちや」の雰囲気にも想いを寄せる。
山の空気。
縁側と大広間。
懐かしいような民家で出会う「いちや」の美しい料理の数々・・
「上田菅平インター」と聞いたらピクッとお耳を立ててくださいね♪
降りたら「いちや」がありますよ〜(^o^)
(お薄♪)
2014年03月04日
長野・茅野「そばのさと」
諏訪インターからすぐの、152号線沿い。
国道に面している上に店も大きくて立派なので
ぱっと見た感じでは手打ちのお蕎麦屋さんには見えない。
チェーンの和食屋か何かのような印象で
そこでお蕎麦も出しているのかな?くらいに思われてしまいそうである。
ところがどっこいこの「そばのさと」、
攻めに攻めている物凄い手打ち蕎麦屋さんなのだ。
まず入り口にあるこの蕎麦メニューの攻めっぷりをご覧頂きたい。
特に圧倒されるのは「どうづきそば」の写真で
目が覚めるような物凄い粗碾き、ザックザクのツブツブ肌のアップの写真に
「今までの常識を破ったまったく新しい製法のそば切り」
と書いてある。
その他
「粗きりそば」(限定品)
「玄挽きそば」(日替り限定品)
「変わり更科」(日替り限定品)
日替わり限定品もあるにせよ、これ以外に二八の「ざるそば」もあるので
今日は何種類のお蕎麦が食べられるかな〜?(^o^)
広々と綺麗な店内。
メニューを開くとドカーン!
えっ さっきの物凄いザクザクツブツブ蕎麦、十割だったんですか!
あんな物凄い粗碾きを十割でつなげるってどんなんだ!!
しかも、せ、せんろっぴゃくえんって・・ ホントに?
お店の人に聞いてみると今あるお蕎麦は
「どうづきそば」
「粗きりそば」(限定品)
「ざるそば(二八)」
らしい。
(もちろんその他、種ものや丼ものはありますよ!)
今あるお蕎麦は全部いきます!全部ください(^o^)!
「どうづきそば」
うおー、写真通りのすんごいザクザクツブツブ肌!
しかもアレレ、天ぷらがついていますよ?
1600円にはびっくりしたけど「どうづきそば」は自動的に天ぷら付きなのでした。
見れば見るほどものすごい肌!!
粗碾きの大きな粒がポコポコと、ネコヤナギの芽のように輪郭線から飛び出している。
たぐりあげると甘〜い、極上の米のような香り。
ザラザラを通り越して大きな粒を口中でも感じる初めての舌触り。
これが全部蕎麦粉でできているなんて凄すぎる、面白すぎる。
1本1本はかなり短く切れているのだが、それよりも
これだけの大きな粒がよくつながっているなあーと感心してしまう。
食感は固めだが口の中で暴れる感じはなく、かみしめるとじんわりそのまま切れる感じ。
そこからほんのり甘い上品な味わいがこぼれ続ける。
すごいなあ、ものすごい攻めっぷりだなあーー!
国道沿いの外観からは想像できない世界だ。
「粗きりそば」(限定品)
「どうづきそば」ほどではないが
これも十分にすごい粗挽き!
明るい肌に浮かぶ白い陽炎のような蕎麦の粒子。
いびつに揺れる輪郭線。
ビックリ尽くしの「どうづきそば」よりこの「粗きりそば」のほうが
落ち着いてその美しさにうっとりできる気がする(^^)。
こちらは「どうづきそば」より野性味のある、青い葉のような、お茶のような?
爽やかな香りをふわぁ〜・・とまとっている。
食感はしっかりめだが「どうづきそば」よりはやややさしくしなやかさもあり
その中に粗碾きのツブツブ感が感じられるのがとても美味しい。
しなやかで長さもしっかり長いので
一般的には「どうづきそば」よりこちらの方が人気がありそうだが
なにより私は、「どうづきそば」へのあのストイックな挑戦が凄いと思う。
店の営業のことを考えれば普通の二八のお蕎麦でもっとたくさんの種物を作ったり
セット物とかをやったりするほうが絶対にいいはずなのに
店主は「蕎麦への挑戦を続ける人」なのだ。
1600円出してあの一風変わったお蕎麦を食べようという人は多くはないと思うし
天ぷら付きですよとメニューに全然書いていないところにも
不器用さのようなものを感じてしまい、つい応援したくなってしまうではないか。
「ざるそば(二八)」
今までの2つの蕎麦にはなかった、ムワァ〜と甘くたくましい蕎麦の香り。
見るからにこれが今までで一番しなやか、やわらかそうかな?
と思ったら大間違いで、はっきりとした固めの食感。
口の中で1本1本が暴れる感じすらあるしっかりした蕎麦だ。
蕎麦だけでそのまま食べると固めでコシがなくぷっつり噛み切れる感じの食感だが、
汁に付けてみるとアラ不思議、突然しなやかな印象になるのが面白い。
また「そばのさと」の蕎麦にはどれも「水そば」がついてくるのが特徴だ。
融通の効かない私はどうしても蕎麦は蕎麦だけで食べたく、
水すらも「蕎麦と私の二人の世界に入り込んでくる人」とつい疎んでしまうのだが
もちろんついているものはありがたく頂きました。
3種類とも、水につけると香りが消え、ギュッと締まってさらに固めの食感になり
汁につけた時との食感の違いにビックリ!
こんなに違うものなのかあ〜 面白いなあ〜
八ヶ岳山麓産、地の蕎麦だけを使い
こんなに凄い挑戦を続ける素晴らしいお蕎麦屋さんが
諏訪インターからすぐの国道沿いにあり、茅野駅からも近く、
しかもしかも、しかもですよ・・・!
「中休みなしで20時過ぎまで営業!!」
インターから数時間の山深いところにあったり、
「お昼で終わり」や「売切仕舞」というお店も多い長野において
この便利さ、ありがたさは筆舌に尽くし難い。
次回は「玄挽きそば」も是非食べたいなぁ〜〜〜
2014年01月31日
長野・小布施町「せきざわ」
雪の中に佇む名高き名店。
今夜は偶然のタイミングとは言え、なんと「せきざわ」を独り占め出来てしまった。
混雑時は数十人待ちもザラな店だけに、なんという贅沢!
玄関を入ってすぐの待合のような空間から店内を見る。
そう、待合スペースが必要なほどの店なのだ。
静かな雪の夜。
「せきざわ」の蕎麦は、
自家栽培(信州栄村)や契約栽培の蕎麦を手狩り、完熟、天日乾燥させ
それを低温貯蔵し、自家製粉したもの。
書くは易いが気の遠くなるような手間のかけられた蕎麦なのだ。
まずは、「せきざわ」では必ず頼みたい「手挽きそばがき」から。
あの愛しいそばがきに対峙できる今宵のありがたさ、嬉しさときたら・・・
「手挽きそばがき」
身を寄せ合う姿がなんとも可愛らしい。
でもさらに見入ってください、見つめてください。
「せきざわ」の「手挽きそばがき」の超絶肌!!
どろ〜り、ギリギリで形を保っているような極粗挽き肌。
網ですくって器に取り分けただけで、テーブルに香りがふわぁー!
フレッシュな、青い、しかし野性味というほど暴れていない、
出会ったことがないほど上品なフレッシュさ。
こんっな素晴らしい香りがこんっなにふんだんに香ってくれるなんて・・
口に含むと姿の通りのどろどろ〜
極粗挽きゆえつぶつぶ感も大変楽しく
つぶつぶどろどろ〜としているのにほわっとエアリーな感じもしっかりあり
エアリー過ぎてシュワシュワした感じすらある。
この食感はすばらしすぎる。恍惚過ぎる。
つけて食べるように「自家製味噌」や「つゆ」も添えられてくるのだが
それは一生絶対につけられないほどそばがきが美味しい!!!
お味噌はあとでそれだけで美味しくいただきました(^o^)
「おまかせ」
「鴨ロース」「出汁巻き卵」「蓮根まんじゅう」
「二十日大根」「田んぼで採れたセリ」「にしん」
出汁巻きは上品な薄味ながら甘みはしっかりあるタイプ。
蓮根まんじゅうが揚げたてで香ばしくて美味しい!
田んぼで採れたセリのおいしさにも感激。大地の香り。
いよいよ、心澄ませて、蕎麦。
「生粉打ち」
ひろびろと美しい木の空間と蕎麦の景色。
静けさが際立つ瞬間。
わーっこれは!!
そばがきとまっったく同じすんばらしい香りである。
繊細な極細、1本1本がちゅるちゅるちゅるりと超みずみずしいが
こういうみずみずしいタイプの蕎麦にはありえないほど香りが濃厚である。
ちゅるちゅるだが、1本1本が非常に繊細で大切な印象。
みずみずしいせいか味わいはごくさっぱりと感じられるが、
とにかくひんやりと清澄で、しかも香りが濃くて、最高の美味しさ!!
「磯切り」
さすがは磯切り、鮮やかな緑。
これまた極細ゆえ重なりが密なのか、
なんだが全体が小さくギュッとくっついたような印象の小山盛り。
新海苔がはいっているというので
青海苔のようなはっきりした香りがプンプンの蕎麦を想像したが、意外や意外。
さきほどの生粉打ちの上澄みだけのような清澄な香りに
磯のヴェールをふわりとかけた程度。なんというニクい美味しさ!!
「磯切り」というより「磯の風切り」とでも呼びたいような。
この蕎麦は、噛めないほどの強靭な食感だったのがまた面白い。
一本一本断面が丸いイメージの輪郭を持ち、ちゅるんっちゅるんでものすごい強靭さ。
すっきり薄口の汁につけるとこれがまたドンピシャリ合っていて美味しい〜。
「あら挽き」
またまた全く同じ、美しいフレッシュな香りに感激!
「同じ蕎麦なら同じ香りで当然なのでは」と思われるかもしれないが
同じお店の同じ品種の蕎麦でも、
挽き方や打ち方で香りの方向性が違って感じられるのはよくあること。
しかし「せきざわ」ではすべて「この香り」という、同じかぐわしさをピタリ突いてくる。
同じとは書いたがこの「あら挽き」は
先出の「そばがき」や「生粉打ち」よりさらに白い粉の夢のようなすべすべしたイメージ。
(いつもながら私の感覚、表現って・・(^^;;))
粗挽きのざらつきはあるがみずみずしいので全体としてはすべらかで、
なによりもちっとした食感が美味しい。
しろく美しい味わいがしろいもちもちのなかでひろがる恍惚・・・
お馴染みのオリジナル湯桶。
蕎麦湯はナチュラルだが、底に濃いところがあって嬉しい。
今は誰もいないが、それまでは混んでいたことを伺わせる味わいの濃さである。
雅やかなネーミングのデザートも、おいしそう♪
2013年07月10日
長野・山形村 唐沢地区「石碾き蕎麦 水舎」
上高地の玄関口とも言われる場所に
「唐沢地区」という蕎麦集落がある。
乗鞍に家族のような知人がいる私には
乗鞍から松本に戻る途中ひょいと寄り道するエリア。
田んぼの奥、畑の奥をどんどん入っていくと、
突然目まぐるしいほど蕎麦屋の看板や幟だらけの蕎麦街道に突き当たる。
江戸の昔から唐沢川の水を利用した水車がここにあり
祭り時には蕎麦粉を碾き蕎麦を振舞う習慣があったという歴史ある蕎麦集落なのだが
うーーーん あまりにもお蕎麦屋さんが密集していて決められない!!
って実は今日はもう決まってるんですが(^^)
大好きなフィトンチッドの中に
ゆったりと佇む「石碾き蕎麦 水舎」。
自家製粉石臼碾きの手打ちで
「粗びき蕎麦」「十割蕎麦」「八割蕎麦」「吟上蕎麦」
と4種類も蕎麦があり、
繁忙期は25台の駐車場もいっぱいになる人気店。
なんとこの山の村に行列までできてしまうのだ。
とは言え今日はぬかりなく(?)曜日も時間も外しに外して来ましたので
静かな「水舎」を独り占め!
(「水舎」は珍しく10:30から20:00まで通し営業なのが泣けるほど有り難いお店なのです)
独り占めにつき今日は奥の大広間ではなく入ってすぐのテーブル席に案内されました。
まずはお漬物がないとどうにもなんにも始まらないのが長野です(^o^)
「天ぷら」
海老、茄子、エリンギ、紫蘇、かぼちゃ、
そしてこのモチーとした野沢菜味のものは何かな?と思ったら、
「野沢菜おやき」の天ぷらだった!
衣の中にこっそり隠れた郷土性、楽しいなあ。
「トロ馬刺し」
あまり肉の脂が強いものは苦手な私だがこれは適度なトロぶりがとても美味しい。
肉質はぽってりやわらかいが噛み応えがあり
噛むほどに贅沢な甘みと味わいがぎゅううとひろがる。
小さい一片をいつまでも噛んでいたくなる。
おいしい〜 こういう馬刺し大好き〜
あっ 「根曲がり竹」のメニューもあったんだ
気付かなかった・・(>_<)
3月に秋田・仙北市の「そば食べくらべの会・タベクラーベ」で食べて美味しかったから
今日も食べたかったなあ〜
でも今日は早く東京に帰らなくてはいけないのでガマンガマン。
早く東京に帰らなくてはならない身ではありますが
4種類あるお蕎麦はもちろん全部食べます(^O^)
きゃほ〜〜〜〜〜♪
「粗びき蕎麦」「十割蕎麦」「八割蕎麦」「吟上蕎麦」
を運ばれてきた順に、いきますよ!
まずは「八割蕎麦」から。
「八割蕎麦」
挽きぐるみ石臼挽き蕎麦粉八割の田舎蕎麦(メニューより)
やや透明感のあるつややかな肌に黒い小さなホシ。
見た目からして熟成かな?と思ったがそうではなく
ちょっと北海道の蕎麦を思わせるような野性的な香りを濃厚にまとっている。
食感はごく軽く柔らかく、ふにゅんふにゅんとしたコシが印象的だ。
なんだかペロッと食べられちゃいますねえ〜
(蕎麦ならみんなペロッと食べちゃうくせに何の寝言か)
「十割蕎麦」
挽きぐるみ石臼挽き蕎麦粉十割の生粉打ち蕎麦(メニューより)
十割だけに先程の八割よりも密度濃く、
直線的な輪郭線が大胆な印象の蕎麦。
野性的な強い香りは在来種のたくましさを思わせる。
この香ばしさいいなあー!
十割と思えないようなしなやか食感で、噛みしめるとなめらかなコシがあり、
そのたびに味わいがずんずん深まる。濃く、口の中にひろがる。
おいしい・・ しあわせ・・・
「吟上蕎麦」
蕎麦の実の中心部分を多く使った、特にコシがあり透明感のある白っぽい蕎麦(メニューより)
更科としてはかなり色が濃い、黄色味を帯びた蕎麦。
むわあ〜と熟成の香りに満ちているが
つるり繊細、束感ここちよくしなやかなコシがあり
つゆとの相性もいい蕎麦だ。
店員さん、なんだか次々お蕎麦を運ばせてしまいすみません〜(>_<)
この建物は旅館のように大きく、しかもこの部屋は厨房から離れているため
長い廊下を運んでくるのは実際かなり大変。
しかし若い男性の店員さん達のキビキビ素早い対応は
さすが繁忙期に押し寄せるお客さん達をもてなしているプロだ。
「粗びき蕎麦」
北アルプス山麓の高地で栽培された玄蕎麦を用い星の多く残った超粗挽き八割蕎麦(メニューより)
透明感のある柔らかそうな肌。
姿からしてこれも熟成かな?と思ったらやはりであった。
むわぁとした熟成の香りと強い野性味ある香りが濃厚に入り交じっている。
粗びきと言っても口の中では粗碾き感はさほど感じず、
やわらかくやさしい印象のほうが強い。
ピンと強い味わいがこれまた濃厚である。
今回は特にお客さんの少ない時期だったが
トップシーズンはもっと全然違う印象なんだろうな〜
まあいつもの「中くらいの」季節に、
また来ますね〜!
2013年04月19日
長野・姫木平「利休庵」
3月某日。雪解けの白樺湖付近。
湖畔からも近い152号線沿いにある、
なんとも可愛らしい茅葺き屋根のお蕎麦屋さん。
「利休庵」は、あるメニューで有名な人気店だ。
どんなメニューかはあとでのお楽しみにして、
まずは入ってみましょうか〜
囲炉裏調のテーブルに石油ストーブ、パッチワークの椅子カバー。
ほっこりあたたまる雰囲気の店内。
片隅には漫画コーナーもある。
そしてなんといっても、
「本日のサービス品」というセルフサービスのおかずコーナーが素晴らしい。
「手作りえのき」
「野沢菜漬け」
「紅心大根と白かぶの甘酢漬け」
「利休庵」で食べられる野菜のほとんどは、自家栽培の有機野菜。
広大な自家農園(約4000坪!)において
農薬はもちろん化学肥料も一切使用しない、自然農法で栽培されているのだ。
そんな自家栽培野菜を「セルフサービスでどうぞ」なんて・・
ううっ そんなの、心温まっちゃいますよ・・・
その上お蕎麦は3種類もある。
「もり」
「十割そば」
「ダッタンそば」
この店で特筆すべきは「ダッタンそば」。
通常「ダッタンそば」と言えば中国産がほとんどなのだが
「利休庵」の「ダッタンそば」はなんと地元・長和町の地蕎麦。
農家の方々が町の名産品にしようと栽培を始めたという
「信濃霧山ダッタンそば」なのだ。
これは絶対にハズせないではないか。
でも三種類全部だとさすがに多いので
「十割そば」を一枚と、
「もり」「ダッタンそば」は「二色もり」にしてもらおう。
そして「十割そば」はかき揚げつきの「かき揚げ天ざる」にしてもらおう!
ちょっとちょっと、
なんで「量が多い」と言いつつ「かき揚げ」をつけるのかって・・?
それはこのかき揚げこそが、冒頭で紹介した
「利休庵の名物」だからです!
さあみんなでびっくりしましょう、
ドッカーーーン!!
やっちゃいましたね店主さん・・・!
どういう経緯でこの標高に至ったのかは知らないが、
ここまでやるか、の天突く高さである。
その高さ、およそ14cm!
海老、かぼちゃ、ごぼう、玉ねぎ、春菊。
がっつり食べ応えある「宝のタワー」、楽しすぎるー!!
「十割そば」
この私ですらつい「かき揚げ」の方に目がいってしまう眺め・・
浅間山と八ヶ岳の蕎麦粉のブレンドという「十割そば」。
香りや味わいは淡くさっぱりとして、
キンッと清冽に冷水でしめられた肌はムチッと密な固めの歯ごたえ。
これがまたかき揚げと一緒に汁につけて食べると
歯ざわりがやさしくなりこのすっきりした味がよく合って
ひじょ〜〜〜においしい。これはベストコンビネーションです!
「二色もり」
「もり」
見た目は十割よりやわらかそう、繊細そうでだいぶ違うのだが
不思議なことに食べた印象は酷似している。
すっきりさっぱりの味わい、固めの歯ごたえ。
しかしこちらは食べ進むうちに
いかにも二八らしい粉の甘い香りと味わいが濃厚になってくる。
面白いなあ〜
「ダッタンそば」
ダッタンそばは色が濃いものだが
これはまた驚くほど鮮やかな黄色である。
今までの2種とは違ってやさしく、どこかはかないようなコシ。
そして何より、ダッタンそば特有の苦みが少なく
滋味深い素朴な味わいがとてもおいしい。
ダッタンそばは苦いとか美味しくないというイメージを持っている人でも
このダッタンそばなら美味しいと思うんじゃないかな?
これは是非、農家の方々には頑張っていただいて
長和町の名産にしてほしいものだ。
中国産ではなく「信濃霧山ダッタンそば」なんて素晴らしいではないか!
血液サラサラの味方、ルチン80倍だしねっ(^o^)
ふと窓の外を見あげれば
日本の春の景色、「干し大根」が。
ああ いいなあ
和むなあ
と視線を下ろしてきたら、
ん?
この私の目の前の、もふーとしたものはなに?
わわわわ
全然気がつかなかった!そんなところにいたの〜〜♪?
た たまらない・・・
いっしょに眠ってしまいたい・・・
すっかりほにゃほにゃのところに、仕上げの蕎麦湯。
通常のものと、ダッタンのものと2種類出してきてくれた。
色の違いが凄い!
ダッタンの底にたまったところはまるっきり卵の黄身のように
濃い黄色のドロドロでびっくりしました〜
ああたのしかったー、とお店を出たら
さらなる出会いが待っていた。
一歩、二歩、三歩あるいて
ふと右を見ると
わーーーっっ
キミ さっきからそこにいた!?
キミはちょっと子犬さんだね!?
甲信越地方だけに甲斐犬の血も入っているんじゃないかい???
かかかかわいいっ・・・・(>_<)
日本犬好きの私にはたまらなすぎるかわいさ!!
「好きな犬を見ても騒がないこと」という家訓?を忘れ、つい騒いでしまい
「この人間・・なんじゃらほい?」
と首をかしげられてしまいました・・(^^;;)
奥の窓辺にはさっきのにゃん太郎もいて、
春風が きもちいいねー
2013年03月18日
長野・松本「蕎麦倶楽部 佐々木」
久々に、目が覚めるような思いをした。
人気の店にはワケがある。
面白いなあー!
観光地だけあって、松本には実に蕎麦屋が多い。
すぐに名前が挙がる有名店だけでも相当あるし
行く度に「えっこんなお店もあったんだ!」と
私は嬉しい悲鳴で大忙しである。
「蕎麦倶楽部 佐々木」は
有名老舗「手打ちそば こばやし本店」の数軒隣というすごい立地。
周囲は飲み屋や飲食店が点在するいい雰囲気のエリアで
石畳で整えられた裏路地は、ほろ酔いそぞろ歩きにもってこいだ。
なまこ壁がアクセントの外観。
純和風でありながら洗練された「新しさ」を感じさせるセンスの良さ。
いい外観だなあー、この外観だけでも入ってみたくなっちゃうよなあー
としばし見惚れる。
本日のそばの実 「麻績日向」。
聞いた事ないけれど、
松本の北に位置する麻績村(おみむら)のあたりで採れたお蕎麦かな?
楽しみ〜♪
夜の部は18時からの「蕎麦倶楽部 佐々木」。
私は18時の開店と同時に入ったのだが、
驚くべきことに私が席について5分もせぬ間に
お客さんが入ってくるわ入ってくるわ、
あっという間に店内はほぼ満席となってしまった。
それもカウンター狙いの常連さんが多いらしく
皆さん慣れた様子で「いつもの」を注文している。
人気のカウンター内を観察すると、確かに面白い。
シングルモルト好きという店主だけあって
グレンリベットやマッカラン、ボウモアなどスコッチのボトルが勢揃い。
その他バーボン、コニャック、ワイン、泡盛などの他
日本酒は木曽・湯川酒造の「十五代九郎右衛門」が専門店並に揃っているのが
長野らしくていい。
そして黒板にはいかにもお酒に合いそうな本日のおつまみが
ぎっしり書かれている。
よーし、せっかくですからテーブル席の私も、
伸び上がって目を凝らして黒板メニューの中からおつまみを頼んでみよう!
一番上に書かれていた、
「豚肩のソテー」
こ〜れ〜が〜!
見た目も嬉しいが食べてビックリのブタカタソテーなのですよ。
写真からもお分かりかと思うが、柔らかジューシー!みたいな
ごはんのおかず的なソテーではなく
ギッチリコッチリ旨みが凝縮、かめばかむほど味が出る、
どうにもこうにもお酒のおつまみなブタカタソテーなのだ。
お店の奥さんに訊いてみると「焼く前にちょっと燻煙をかけてるんです。簡単ですよ〜」
と親切に教えてくれた。
添えられたサラダにはこれまたお酒に合いそうなチーズのドレッシングがかかり
焼きネギの自然な甘みがまたいい。
ちょっとちょっと、これは呑兵衛にはたまらなすぎるおつまみでしょ!
そしてこれは定番メニューより
「そばがき」
珍しいほどの超濃厚ポタージュ蕎麦湯の中に浮かんだ姿にもまず驚いたが
さらなる驚きはこのあとにやってくる。
これだけ、いかにも香りそうなそばがきだけに
「さぞや素敵な蕎麦の香りがするだろうなあ・・!!」
とワクワク顔を寄せたのだが・・
あれ?今厨房でジャーッと調理してるものの香りがここまで強く漂っているのかな?
出汁の香りしかしない・・さっき注文が入った「サンマの唐揚げ」かな?
一口、口に含んでビックリ。
なんと蕎麦ポタージュ部分にはあらかじめ蕎麦汁が入っているのだ。
それだけで単なる「そばがき」を超えて東欧の豆のスープか何かのような
存在感を持ってくるから不思議である。
おそらく蕎麦汁しか入っていないと思うのだが、あまりの濃厚さに
バターか何かが入っているような贅沢な錯覚を覚えるほど。
蕎麦の香りや味わいはほとんど感じられないのは
私のような蕎麦蕎麦蕎麦虫にはやや物足りなかったが
これまたお酒のおつまみとしてはすんばらしい「そばがき」である。
面白いなあー!
そしていよいよ、お蕎麦〜♪(^o^)
「蕎麦倶楽部 佐々木」のそばメニューはもりそば1000円からなので
かなり高級イメージ。
本日は「そば粉九割二分で打ちました」とのことである。
「もりそば」
おお〜
ホシいっぱいの黒っぽい肌、いかにも香ってくれそう!
極細、ザックザクの粗挽き肌。
食感はややネチッと粘性があるが繊細な極細のため気にならず
かえってその食感がジャッキジャキの粗い粒感を程よく優しくしてくれている感じがある。
見た目は柔らかそうだが舌触りはしっかりはっきりとしていて
いびつで粗い輪郭線は手びねりの陶器のようだ。
香りにも味わいにも甘みがないのが硬派な印象。
墨のような渋い香りがじわーと低く漂っている。
ちなみに「蕎麦倶楽部 佐々木」は蕎麦汁も甘み少なく硬派な印象なのだが
それがやたらと美味しい。
最初はちょっと個性的な汁に感じたのだが、私は大いに気に入ってしまった。
あの出汁には何か魔法があるぞ!(^^)
そしてこの店では欠かせないメニューではないだろうか、
「鴨つけそば」
この出汁がまた何だかやたらと美味しい。
本鴨だという鴨が大きくゴロゴロ入っていて嬉しい。
ネギ好きとしてはネギいっぱいなのも嬉しい。
そしてこの鴨汁につけるとここのお蕎麦の食感は一段と良くなる。
これは美味しいメニューですよ〜〜〜
もりそば1000円とつけ鴨そば1500円だったら
断然こちらがお得な感じがしちゃうなー!おすすめです。
店内の壁にはオペラのステージ写真が絵画のようにたくさん飾られていて
訊けばサイトウ・キネン・オーケストラ演奏のものだった。
そうだ、ここは松本、サイトウ・キネン・フェスティバルの地だった。
音楽好きらしい店主夫妻、
奥には真空管アンプもあったので素敵なBGMも楽しめそうだ。
くだけすぎず気取り過ぎず、
美味しいお酒を主役に「ちょっと上質な時間」を過ごす蕎麦屋。
開店と共にいっぱいになってしまう、
松本の人気店の「ワケ」をちょっとだけ垣間見た気がした。
面白い夜だったなあー
<おまけ>
近所には、こんな路地も・・これまた魅惑的でしょう?
2012年11月29日
長野・木曽町「時香忘」
山はもう冬支度。
紅葉した木々は背伸びするようにして、
その最後の色を日差しに輝かせている。
今日は大好きな方々と、大笑い大はしゃぎのピクニック気分♪
森のトンネルに入っていくかのような、「時香忘」の入り口。
一見簡素だが贅沢な建物だ。
木曽らしく、「中乗りさん」とお通し。
蕎麦以外のおつまみメニューは
「そばがき」「焼きそばがき」「自家製スモークベーコン」のみ。
しかも今日は残念ながら「自家製スモークベーコン」は売り切れなので
「蕎麦がき」「焼き蕎麦がき」「蕎麦」と、
もう私が蕎麦になってしまいそうな蕎麦づくし!
(いつものことでは・・・?)
「蕎麦がき」
ギチッ ボソッ と極めて素朴で密な食感。
ふわとろエアリー、なんていうのとは対局にある蕎麦がきだ。
予想に反して蕎麦らしい香りと味は殆ど感じられず
「原始の食べ物」という言葉が浮かぶようなつつましさ。
「焼き蕎麦がき」
香ばしく焼かれた「焼き蕎麦がき」。
こちらも蕎麦の香りはあまりないが、
焼かれた分、穀物の滋味深い味わいが感じられる。
甘みのない質素なイメージは「蕎麦がき」そのままで
ギチッ ボソッ とした個性はさらに強い。
この器 すき。
「極粗挽き おやまぼくち もり蕎麦」
来ましたー、「時香忘」のまんまる盛り(^o^)
わ、わ、今日はまた大変に素晴らしい香り!
「国内で一番荒い蕎麦粉」とメニュー説明にあるザックザクの超粗挽き肌から
ふわ〜〜〜とただようかぐわしさ。
フレッシュで、野性的で、
それでいて美しく全てをまとめるようなまろやかな香りにしばし恍惚。
粗挽きの肌はザラザラながらぬるぬるでつるつるのため
流麗な食感を楽しむうち口中がひんやり鮮やかに洗われるよう。
噛みしめるとこれまたまろやかな穀物の味わいがあふれ、
香りはだんだんヨモギめいてきた。
下に敷かれている葉っぱのせいかと何度も確かめたがどうも違う。
あとから追いかけてきた山の香り。
うーん、今日は今まで4回程来た「時香忘」の蕎麦の中でも一番の感激!
大好きな方々と、木々に囲まれたこんなに場所でこんなに美味しいお蕎麦が食べられて、
もう心も顔もゆるみっぱなし。
しあわせだなあー
たくさん笑ってたくさんしゃべるとお腹も空きまして、
こんなのも頼んでみました。
「極粗挽き おやまぼくち いかすみ蕎麦」
圧巻のまっくろそばすけ。
いか墨が練りこまれた蕎麦ではなく、
先程の「もり蕎麦」をいか墨で和えた蕎麦である。
色が色だけにアップにするとものすごい迫力だが
味はさっぱりしたイカスミパスタのよう。
甘めの味付けにワサビがよく合い、これはお酒のおつまみにもぴったりな蕎麦だ。
「時香忘」でゆっくりお酒を飲みたい方は、
最初に「いかすみ蕎麦」をとっておつまみにする作戦、おすすめですよ〜
入り口のギャラリースペースにあったライトにひとめぼれ。
かわいい・・(>_<)
2011年9月の「時香忘」
2012年05月23日
長野・須坂市「手打ちそば処 小杉 須坂店」
蕎麦が好きな人の間では有名な店なのに、
意外と近所の人が名店と知らない蕎麦屋は多い。
住宅街の自宅改造店や都会の裏通りに隠れている店が気づかれないのは、
もともと目立たぬ立地であるからまだ理解もできる。
しかし、この店は、大きーい・・!!
須坂インターを降りて数百メートル。
トラックがガンガン通る58号線沿いの、ファミレス並みに大きな店である。
だからこそ、名店と気づかれにくいのは理解できる。
私だってもし何も知らずに通りかかったら
「うーん、手打ちって書いてあるけど、どうかな・・?」
と訝しむかもしれない。
54席のひろびろとした店内。
ここにお客さんが満員となったらさぞ壮観だろうが
その時店主は厨房で「千手観音」みたいになっているのではないか。
なにしろこの店主は、あとで紹介するような非常に繊細で美味しい蕎麦を
一日に何百食も一人で打ち続けてきたという
驚異の蕎麦打ち職人なのだ。
しかも蕎麦打ちはすべて独学。
というよりこの店主はなんでもかんでも「独学」で
常人の域を遥か超えた世界を作り出してしまう、
とても一回のブログでは書き尽くせぬ「超人」なのだが・・・
とりあえずお腹すいたので蕎麦、食べたいですよね(^o^)
食べよう食べよう!
ここのお蕎麦は3種類。
「霧そば」(十割・長野産の蕎麦粉100%)1200円
「雪そば」(御膳更科十割)800円
「並ざる」(十割そば)700円
3種類もあると嬉しい半面、「そばがき」も食べたい私は
「片腹痛い」じゃなくて「二腹あっても足りない」。
そんな時の強い味方が「あわせもり」!
今日は「霧そば」を堪能したいので「霧そば」を一枚。
それに「雪そば」と「並ざる」を合わせた「雪あわせ」を頼むことに。
「雪あわせ」(「雪そば」+「並ざる」)
うわー「雪そば」、ほんとに雪のよう。
「並ざる」
やや平打ちの、端整な姿。
穀物らしい王道の蕎麦のかぐわしさが
口に含んで「味わい」として舌に広がる。
最初空気のように香りのように感じられていた甘さや香ばしさが、
繊細なやさしいコシを楽しむうちに、
ジワーッとした「味」になって口に広がっていくのだ
「雪そば」
目にまぶしいほどの白さ、肌の繊細さ。
更科というのはツマラナイものは大変ツマラナイのだが
これは全然ツマラナクナイことが見てわかる。
あなた、おいしいでしょう・・!!
空をとびましたぁー
極上の、おいしい更科は「天女の羽衣」のような香りがする、
と私は出会う度に思う。
「蕎麦の香りの、強さやたくましさや香ばしさや野性味をすべて取り除き、
清澄な雪解け水で洗ってその上澄みだけをそっと空気にして空に放ちました」
みたいな。
(どんだけ頭が蕎麦に犯されているのか)
まあ私の頭のおかしいのは置いておいて、
おいしい更科はとにかく美しい香りがする。
つるんつるんの喉越しだけを楽しむそうめんみたいな更科とは別物である。
「小杉」の更科の天女の香り、
その「つるんつるん」ではなく「すべすべしとっ」した舌触り・・・
はああ おいしい・・・
そして待ってました!
楽しみにしていた、
「霧そば」
遠目にわかる、美しい青緑。
その青々しい姿にも感激したが
それよりもさらに、驚くべきかぐわしさ!
箸先にたぐりあげて香りをこちらに寄せずとも、
ふわあぁ〜〜〜と何とも爽やかな野生の香りが
周り中の空気を染めているが伝わってくる。
青い夏の草のような、たくましさとさわやかさを併せ持った香りが、
私を山の野原へ連れていってしまう。
コシは並そばよりもしっかりとして
噛みしめるうちに味わいと甘さがぎゅうう〜と濃くなっていく。
なんというか、味の中の、下を支えるたくましい部分が
どんどん濃縮されてくる感じだ。
あああ これは確かに、どこにもない蕎麦だ・・・
ちょっと順序が後先になってしまったが
「そばがき」
ムハーッ (≧∇≦)☆
あたたかな香気・・・なんというかぐわしさ!
どちらかと言えば「並そば」に近い、
野性味というよりは王道のかぐわしさだ。
ぽてふわモチッとした食感もたまらないー
時分時は繁忙を極める店だというのに
昼下がりともなれば
こんな独り占めもできてしまう。
この不思議、この贅沢。
さっきまでカウンターで酔っ払っていた男性は
相当この店を溺愛している常連さんのようで
近所の人かと思ったら東京の人だった。
面白いなあ。
食後は、才気あふれる店主の作品の数々を眺め
今食べた蕎麦の余韻に浸る・・・
と書きたいところだが、この店主の作品の数々は
今食べたあれだけ素晴らしい蕎麦たちを一瞬忘れそうになるほどの
ものすごい力を持っている。
店主が自分で作ってしまった店内の設いもすごいが、
なにより、自然を題材とした写真作品の数々。
店内にも幾つか掲げてあるが、
感動をわかりやすくパッと鮮やかに捕えた、
今すぐ写真集にしてもらって買って帰りたいような写真ばかりなのだ。
(特に鳥の作品が凄い!)
蕎麦打ちでも写真でも何でも独学で、
とんでもない高いところまで登りつめて
独自の世界を作り上げてしまう店主。
こんな名店が、58線沿いにファミレスのような顔をして
ドーンと建っている。
その意味で私はこの店を「目立たない店」だと思うのだ。
「手打ちそば処 小杉」長野店
.
2012年05月12日
長野・戸隠「戸隠手打ちそば処 二葉屋」
蕎麦どころとしてあまりにも名高い戸隠。
戸隠高原に近づいていくともうそれこそ「そば」の看板だらけ。
なんと50軒近くもの「お蕎麦屋さん」や「蕎麦を出す宿」があるのだから
その悩ましさもどかしさと言ったらない。
なにしろこちらのお腹はひとつなのだ。
何度か来ているうちにお気に入りの店などもあるが
やはりいろんなお店に行ってみたいということで
今回は中社近くの、初めて行くお店である。
標高1200mの清澄な空気と、
「戸隠手打ちそば処 二葉屋」。
店主は夜はショットバーを経営していると聞いていたので
古典的で立派な外観はやや意外だった。
しかも私はこちら側から行ったのでこの写真になったのだが、
実はこの写真は店の裏側で、正面玄関は反対側になっている。
裏側にもきちんと立派な玄関があるのだ。
5月に入っても戸隠の朝は寒い。
お店の人は、ストーブで部屋を暖めて、
お客さんを迎える準備をしている。
長野のおもてなし、お漬物。
二葉屋さんには嬉しいことにお蕎麦屋が2種類ある。
「ザ・戸隠そば」な「ざるそば」と「十割そば」だ。
「ざるそば」
来ました来ました、しと〜と横たわる「ぼっち盛り」。
ふわぁ〜と淡く漂う香り。
口に含むと蕎麦粉とつなぎの小麦粉の織りなす甘さが
じわぁーとひろがる。
「二葉屋」ではつなぎの小麦も長野産を使用しているのだ。
戸隠そばというのは「水切りをしない」という特徴があるのだが
ここの蕎麦もまるで水と一緒に食べているような水分量である。
そして、よーく見ると写真からでも伝わるかと思いますが、
この蕎麦ものすごい角の立ち方をしています!
みずみずしくやわらかな刀のような。
限定10食(休日は20食)の
「生粉打ちざるそば」
ぼっち盛りの「ざるそば」とは打って変わって、
ひらひらと細かく舞うような盛り。
姿からはふわっと軽い蕎麦を想像したが
口に含むとこれまたくっきりはっきり、
すごい角の立ち方をした蕎麦である。意外!
さわやかに浅くひろがっていくような、淡い香り。
ほんのりとした味わい。
パラパラと口中でほどけていくような食感が心地よい。
隅から隅まで綺麗に調えられた広い店内を眺めつつ、蕎麦湯。
すっきりと甘さを抑えた汁が澄んだ空気に合う。
店も、私のお腹もあたたまってきた。
2012年05月10日
長野・小布施「手打そば処 鼎(かなえ)」
小布施町の静かな住宅街。
自宅改造のお蕎麦屋さんらしいが
もともとの造りが純和風だったのか
とてもいい構えである。
2階の瓦屋根が描く曲線と
黒い縦格子が効いている。
早い時間なので店は空いていた。
地元の人らしい年配の男性が二人、
ゆっくりとした口調で話している。
「特製そばがき」
メニューの説明に
「十割同様の粗挽き粉を口あたりなめらかに。
蓋を開ければあつあつもっちもち。」
とあるそばがき。
削り節、辛味おろし、山葵などの薬味とともにやってきた。
ほわわわ〜
たちのぼる、かぐわしき湯気。
凝縮された穀物の香りがギッチリ香っている。
洗練とろフワ、というようなイマドキな食感とは正反対。
モチッズシッと食べ応えのある
いかにも「田舎のおやつ」といった風の素朴なそばがきだ。
「もりそば」(二八そば)
白木の横長せいろの上の、小高きたっぷり盛り。
ここで何故か突然
「ああお蕎麦ってなんてシンプルで、美しくて、面白い姿なんだろう」
と初恋のように惚れ直す。
木の箱の上にパスタやラーメンなどの炭水化物がのっていたら
ちょっとびっくりするではないか。
外国人から見たらとてもユニークな眺めに違いない。
ふわり、淡くただよう
炊きたてのお米のような甘い香り。
肌に独特のざらつきがあり、どこかスポンジのような
空気や水分を粗く内側に含んでいるような感じが面白い。
しかし食感はしっかりとしていて、噛みしめるとムチッとした二八のコシ。
味わいもまた淡いのだが、ほんのりとした感じが美味しい。
「十割そば」
わー 楽しい
「十割そば」は三つ山盛りだ!
メニューには
「厳選した玄蕎麦を、甘皮をふんだんに挽き込んだ黒っぽい十割そば。
豊かな香りと甘味あるそばをお楽しみください」
とある。
あああ
なんと奥深くたくましい、野生の香り。
口に含むと二八よりぐっと密な食感で、それを噛みしめると
う〜〜わ〜〜
噛みしめる度に、たまらぬおいしい香りと味わいが
生まれてくる。口の中いっぱいを染めまくる!
ひゃあああ おいしいよう・・・
ふと見ると、十割そばには
長野らしくお漬物がついてきている。
自家製の辛子なすがおいしい。
どっしり濃い、ポタージュ蕎麦湯にもよく合う。
例によって蕎麦汁も蕎麦湯タイムになってはじめて味わった。
しっかり濃いめで甘みを抑えた汁。
ところでこちらのメニューにもある「おしぼりそば」ってネイミング、
私、何度見てもちょっとびっくりしてしまうんですが・・
どうしても、浅草尾張屋の「天ぷらそば」のデカ天ぷらが布おしぼりになったようなのが
脳裏にチラついちゃうんですよね〜(^^;;)
(おしぼりそば=大根おろしのしぼり汁で食べる長野北部の郷土蕎麦)
2012年7月のライブ出演のお知らせ
2012年05月09日
長野・黒姫「手打ちそば工房 若月」
ハイシーズンには車の行列ができるほどの人気店だが
本来はごくのんびりとした、住宅街の奥の蕎麦屋である。
「手打ちそば工房 若月」。
暖簾には店名よりも大きくバシッと「名代 霧下蕎麦」と書いてある。
霧下蕎麦というのは、はっきりと分類できるものでもないのだが、
要は畑に霧が立ち込めるような環境で育った蕎麦、ということである。
蕎麦の栽培には「昼夜の温度差が激しい寒冷地」、
しかも「水はけのよい高地」が一番適しているとされている。
そういった土地には朝のうちに霧が立ち込めるため、
霧の下で育つ蕎麦、霧下蕎麦と呼ばれるようになったのだ。
長野の開田高原、戸隠高原、妙高高原、そしてここ黒姫高原などの蕎麦が
その名で名高い。
よってここの「名代 霧下蕎麦」というのは
何か特別な打ち方をしているとか、
規定にしたがったブランド蕎麦とかいうことではなく
この黒姫あたりのおいしいお蕎麦ですよという、
非常にのどかな話なのだ。
私が到着した時、入れ替わりに近所の人らしいお客さんが店を出た。
割烹着の店のおばちゃんは、尽きぬ話を店の外でも続けては見送っている。
店内には誰もいない。
広々と、静かな午後。
まずは漬物でもてなしてくれるのがやはり長野だ。
壁のお品書きの横には
蕎麦打ち姿のおばちゃんの写真が
額に入れて飾ってある。
おばちゃん、綺麗に写っていて
とてもいい写真だ。
「ざるそば」
ざるいっぱいにひろびろ豊かに盛られた、
心和む田舎風景。
赤みを帯びた、軽そうな肌。
赤い蕎麦というのはどうも警戒しがちだが
箸先にたぐれば杞憂とわかる。
ひんやりさわやか、それでいてたくましいかぐわしさがふわぁー
ビシッとしっかりしめてあるのだが
食感はふるふると軽やか。
これはなかなかありそうでない蕎麦だ。
これが、黒姫の霧下蕎麦なのだ。
この店がここでずっとこうして愛されてきたのだから、
黒姫の霧下蕎麦とはこういうものなのだ、と思う。
やや不揃いな感じもあるが、
それは私にとっては全く欠点ではないので
(いろいろあって楽しいではないか)
ただただ堪能、ああ おいしいなあー
厨房では、先程から揉め事でもあるのか
ちょっとした喧嘩のようなものが聞こえる。
聞くとはなしにしばらく聞いていると
それは体の何処だかが痛いおばちゃんを気遣って、
働くな、体を使うな、とたしなめる人の声だとわかる。
おばちゃんが言う事を聞かずに働くので
つい声を荒らげている。
働き者が癖になっているおばちゃんと
心配する家族。
おばちゃん、お蕎麦美味しかった。
お漬物も美味しかった。
また、来るからねー
2012年7月のライブ出演のお知らせ
2012年03月31日
長野・安曇稲核「手打そば わたなべ」
「はい お待ちどう〜」
ドカーン!
鍋ごとである。
これがかの有名な「わたなべのナベそばがき」。
しかも有名と思っているのは
圧倒的に県外の人が多いだろう。
事実、ここに近い乗鞍に住む親しい知人は
何十年も、週に何度もこの店の前を通りながら
ノーチェックだったそうだ。
無理もない。
こののどかな外観。
道から少し高くなったところにあるので
余計目立たない。
それにしても、このシンプル極まりない木の看板。
紺地に白抜きの暖簾。
赤いポスト。
「普通でいる」ということは素晴らしいですねえ〜
狙ったら絶対にできない、たまらぬ風情。
これでは、ここが魔法使いの店だとは誰も気づかない。
お品書きはこんな具合である。
よく見ると
「ラーメン」「野菜炒め」
なんてのもあるのだが、そばメニューは
「もり」「かけ」「やまかけ」「月見そば」「そばがき」
と実にシンプル。
私はいつも変な時間に行くので
店のおばちゃんは大抵奥の茶の間でくつろいでいる。
愛想はないが、この人が魔法使いワタナベさんなので
そんなことはどうでもいいことだ。
蕎麦とそばがきを注文をすると、
魔法使いワタナベさんは娘さんと思しき人と共に
手際よく動き出す。
すぐに蕎麦が出てくる。
ちゅるり、ふわぁ〜 いい香り!
慎ましいイメージの、正統派の蕎麦のかぐわしさが
濃厚に楽しめる蕎麦だ。
そして「そばがき」なのだが、
その前にまた魔法使いワタナベさんがやってくる。
「食べて、待ってる間。今、来るから」
とドコドコお皿を置いていく。
(よく考えると今日は「蕎麦→サービスのお惣菜→そばがき」と
順番がメチャクチャなのだががこれはいつもではない)
大根とちくわの煮たの。
白菜。稲こき菜と稲こき菜のかぶ。
ああステキ・・・
和む〜・・
眠くなるほど和んでしまうではないか。
しかし眠くなっている場合ではない。
今まさに、台所(と呼びたい雰囲気)からは
ガタゴトッガタゴトッと魔法をかける素朴な音がしているのだ。
魔法、キターッ
ほわ〜〜
たちのぼる、超絶のかぐわしさ。
蕎麦という穀物の香りのいいところを
全てあつめて結集させたようなたくましい香り。
もうもうもう、このままこの湯気と共に
溶けていってしまいたいくらい
どうにもこうにも恍惚のかぐわしさである。
ああ とけるー
脳が染まるー
そして食感がまた素晴らしすぎる。
「ふわふわとろとろ」とかいうのとは違い、
箸先に取り口に入れた瞬間は、
見ての通りのしっかりした感触。
それがほっくりと口に入れると
ほこほこ、ほわわぁ〜
なんともゆっくりとエアリーに溶けるのだ!
そしてその「エアー」がむちゃくちゃかぐわしいのだ!
もう私は安曇の空にぶっ飛んでいってしまいそうだ。
添えられてくるネギダレがまた
よくぞというほど美味しくできているのだが
そばがきが美味しすぎて案の定つけられない。
でもやっぱりネギダレもすごくおいしいのでつけたい。
でもそばがきはそばがきだけで味わいたい。でも、でも・・
こんなにも私の心をかき乱す、なんて罪な「わたなべのナベそばがき」。
もう大分前のことだが、はじめてこの店のそばがきを食べた時
私は本当に本当に驚いた。
そしてきっとこのそばがきは、なにか特別な蕎麦粉を使っているに違いないと思った。
いや、蕎麦も美味しいのだが、それ以上にこのそばがきは
「おかしいくらい」美味しかったので、蕎麦粉が違うのだと思ったのだ。
意を決して聞いてみると、果たして返事は・・
「同じです」。
一回では頭に入ってこないほど理解できなかった私は
ええっ、と聞き返してしまったのだが
「同じです」。
恐るべし魔法使いワタナベさん。
聞くところによると
ラーメン(醤油)も相当美味しいらしいですよ〜
2012年03月28日
長野・飯山「江戸前手打蕎麦 しおいり」
春の雪降る午前中。
開店と当時に「しおいり」に行ったら
あまりにたくさん人がいて驚いた。
住宅街にポツンとある蕎麦屋だというのに何かと思ったら
今日は座敷に団体の予約が入ったらしい。
親戚なのか町内の集まりなのか、子どもたちを含めてお互いによく知った顔らしい人々が
かなりたくさん、嬉しげに座敷に入っていく。
「雪御膳」というセットを頼んであるようだ。
メニューを見ると「しおいり」の「雪御膳」は1500円。
この値段で蕎麦に天ぷら、プラス三皿ついている。
ちょっとしたした集まりにはぴったり。
なんて贅沢で、お得なセットなのだろう。
しかもですよ、「しおいり」は蕎麦だけだってこんなに美味しいのだ!
長野の、しかも「オヤマボクチ(ヤマゴボウ)つなぎ」の蕎麦が多いエリアにあって
「江戸前蕎麦」を掲げる店。
しっとりと重なりあう、たまらぬ美肌。
控えめに散りばめられたホシとゆらめく影の美しさにしばし見入る。
さらに箸先にたぐりあげ、目が覚める。
なんてフレッシュな香り!
新鮮な蕎麦だけが持つ華やかなかぐわしさに脳がシビレそうになる。
しかもこの味の濃さは何だ。
噛みしめてどうこうというより、舌に載せただけで
なんとも香ばしい甘い味わいがジワー!
ごくかすかな粘りのある肌は見た目ほどのざらつきはなく
節のようなでこぼこ感を感じる舌触りがとてもいい。
本日の蕎麦は北海道。
ウワー これは美味しすぎますよ・・・・
店内の窓際には人形作家高橋まゆみさんの作品が飾られている。
小豆?を抱えたばあちゃんの背景には雪景色が描かれているのだが
この人形ケースの後ろは本当の雪景色である。
団体客のいる座敷からは、
じいちゃんばあちゃんと孫達を含めた賑わいの声。
店の人は今日は大忙しだが、どの人も皆明るく親切で
かえってのんびりした気持ちになる。
この人形はこの店で眺めてこそ、いい。
ふと人形ケースの上を見やるとこんな張り紙が。
「宮内庁御指定農場より直送」の鴨肉っスか!
て言うか皇族の方々はそんな日常的に鴨食べているんデスカ!
面白いので頼んでみることにする。
「かも せいろ」のつけ汁。
これが・・・
それほど過度の期待をせずに食べたのだが
あまりの美味しさに本当にびっくらこいた。
汁が麻薬のように美味しい。
鴨肉がまた異様に美味しい。
肉の味がこれでもかと濃く、肉肉しい食感がたまらない。
「こんなに美味しい鴨汁は初めて!!」
と叫んでしまいたいほどの美味しさ。
しかもこの超絶美味「鴨せいろ」が1000円ですよ。
店内中全員が鴨せいろを食べていて当然なのではないかと思えるほどだが
あのテーブルのお客さんはみなさん天ぷら付きの何かを食べているなあ。
鴨せいろ好きの方は是非是非是非。
もうすぐ雪も溶けてきますよ〜
2012年02月18日
長野・松本市安曇 「グリンデル」
乗鞍高原に大切な場所がある私には「必ず通る場所」。
とは言えなかなか時間が合わずチャンスを逃してばかりなので
今日は、うれしいぞぉー!!
青い空、白い雪、赤い屋根。
絵のように楽しい眺めだ。
ここは蕎麦屋ではない。
外観には「レストラン」とあるがただのレストランではない。
フレンチと蕎麦が食べられる「オーベルジュ」だ。
雪の林に囲まれた店内。
ピアノもあるのでライブもできそう♪
「信州馬刺し」
私が今まで食べた中でも
相当ゴージャスな信州馬刺し。
たっぷりのった脂が甘くて
長野の馬刺しのイメージを超えている。
おいしいー!
「粗挽きそばがき」
まぶしい、ザックザクの粗挽き。
箸先にとらずとも
置かれているだけで、ホワンホワンの香りが
テーブル中の空気を染めている。
ジュワー、どろぉー と実にゆるやかな舌触り。
その中からたくましく力強い在来種の味わいが
濃厚に溢れ出して来る。
ああああ これはもう、うっっとりです・・
舌触りは見た目のようなザックザクのツブツブというより
もっと繊細さを感じる粗挽き。
ジュワーとやさしい粗挽き感、
脳を埋め尽くす渋いかぐわしさ・・
もうもう、しあわせすぎる。 鳥が鳴いている。ここはどこの天国だっけ・・
「粗挽きざる蕎麦」
店主自ら育てた自家栽培の蕎麦と、
近郊の手刈り天日干しの蕎麦。
今日はこんなふうに自家製粉され
こんな姿で、私の眼前に現れた。
透明感に満ちた褐色の肌。
そこにゆらめく白いかげろう。
はらはらと雪のように舞い散る無数のホシは
ひとつひとつすべて違う表情をしている。
見つめているだけで時が過ぎてしまいそうな眺めだが
箸先にたぐるとまた意外な出会いが。
儚く、ごく淡く香る、野の花のような素朴な甘い香り。
口に含むと、何というみずみずしさ。
ふるんっと軽やか、ちゅるぷるのみずみずしさの中に
やさしい粗挽きのジャリ感がたまらない。
ほんのりと上品な初めて出会う香りと、じわーと広がる甘み。
いやー、これは稀有な蕎麦だ。おいしい!!
しかもここはお蕎麦だけでないのだからスゴイ。
カレーだけで5種類。
「ビーフカレー」
「揚げナスとビーフのカレー」
「安曇野放牧豚舞豚のヒレカツカレー」
「究極の辛さインド風カレー」
「インド風カレーのカツカレー」
その他「ピザ」2種、「和牛のハンバーグステーキ」「黒毛和牛サーロインステーキ」
「安曇野放牧豚舞豚のしょうが焼き定食」などの和定食各種など・・
そうそう、ここの辛味大根の美味しさにはビックリしました。
冬だから甘くて、本当に味が濃かった。
店主も「今一番お蕎麦が美味しい時期なんですよ」と言っていたし
大好きな長野の冬は、美味しいなあ〜
.
2011年11月21日
駒ヶ根「そば切り てる坊」
てる坊〜 てる坊はどこじゃ〜
大阪・北浜から移転した「そば切り てる坊」を目指して
中央道をひた走り。
駒ヶ根インターを降り、もう目標の住所に相当近づいているはずなのだが
どこにも看板が見えない。付近は一帯住宅街。
うーん・・何か間違えているのかなあ・・
今もう店の住所の場所ピンポイントのはずなんだけど、
こんなような普通〜の、のどかな住宅ばかり・・
んっっ?
えっ この家なんだ!
これだったぁ!
近づけば、おお懐かしや懐かしや、
北浜にあった赤いメニュー板が。
「やっています ホッとしてってください」。
どこまでもどこまでも普通〜〜〜の民家の玄関に
ランランラン〜 来ちゃったよん〜♪ と近づいていく。
店内もまた、本当に普通の住宅のまま。
手前の部屋は座卓を置いた座敷席。
奥の席は大きなテーブルをドンとひとつ置いた椅子席になっている。
座敷席から眺める、駒ヶ根の住宅街。
青空と家庭菜園とお隣の洗濯物。
大都会大阪のど真ん中、北浜とは対照的な立地である。
店内はすでに満席で忙しいながらも
お蕎麦の種類だけは店主が出てきて丁寧に説明してくれる。
もうすぐ「てる坊」の蕎麦に会えると思ったら・・思ったら・・・
ああ 会う前から胸がいっぱいだ。
「どうぞ・・」と控えめに、サービスらしい小鉢が運ばれてくるのが
田舎らしい家庭的なもてなし。
「そば豆腐」
「大根とひき肉の煮物」
お蕎麦はお目当ての「丸抜き」「玄挽き」に加えて
店主の説明で美味しそうだったので
今日は「ごま切り」にも挑戦。
「ごま切り」
へえええ、想像と違って真っ白い肌。
胡麻が練り込まれた全体に黒い肌のごま切りではなく
さらしなの肌にすり胡麻が散っているようだ。
そして汁にもごまだれがとろりと混ぜられ、
トッピング用の煎り胡麻が添えてある。
美しい・・
透き通るような白い肌。
鮮やかに散る胡麻の影。
手繰り上げると、いわゆる胡麻の力強い香ばしさとは違う、
実に爽やかな、軽やかな胡麻の香りがふわぁー。
見た目の通り更科蕎麦のような、密なすべすべの肌である。
どろどろ過ぎないすっきりしたごま汁に
煎り胡麻のプチプチの食感がまた美味しい。
真っ黒い「ごま切りそば」でもどろどろの「ごまだれそば」でもない、
非常に軽やかな「ごま切り」である。
さて、心の準備をしなくては・・
「てる坊」の、「玄挽き」!
感極まって3枚も写真を載せてしまう私。
だって好きすぎてこれ以上選べない。全部眺めたい。
「玄挽き」
ああ 何という眺めなのだ・・・
その肌の色も粗さも、素朴な輪郭線が描く流麗なラインも
素晴らしすぎる。
手繰り上げると、渋く枯れた趣の香ばしい香りがふわりと漂い
粗挽きの舌触りが心地よい。
噛みしめるとときどき感じるプチプチと楽しい刺激。
よく考えると甘みはほぼなく、
それが枯れた趣の香りと味わいをすっきりと際立たせている
そしてそして、どうしましょう。
次は「丸抜き」ですよね。
来ちゃいますよね。
ああ もう 来ました。
こっっ
言葉になりまへん・・・・
なんちゅう肌。
なんちゅう輪郭線。
あなたは、なんて、うつくしいのですか!!!
ふっくらとしろい粗挽き肌。
箸先からこぼれるフレッシュでふくよかな香り。
ざらざらとした粗挽きの舌触り
ほわあん ほわあんとやわらかな歯触りの中から
美しい蕎麦の味わいが溢れ出す。
美味しさと、やっと再会できた喜びが
体に染み渡る。
北浜のあの小さな店、ロケーションも忘れ難いが
駒ヶ根の新店を訪れ、店主の
「ホッとしてってください」
という思いが、より強くうれしく伝わってきた。
北浜の「てる坊」は思い出の中に。
駒ヶ根の「てる坊」は陽だまりの中にある。
<おまけ>
「てる坊」の爪楊枝入れ。
アンシュにお見せしたい・・・
バンザイして楊枝を「ハイ」ってくれるんですよぉ〜!
2011年10月02日
長野・高遠町「高遠そば ますや」
どうも、高遠です。
横浜生まれ横浜育ちの江戸っ子ですが
高遠、仁科の血をひいていたりします。
やはり血が騒ぐのか?
学生時代から何だか無性に高遠町が好きなのです。
桜を見に来たり
お蕎麦を食べに来たり何度となく訪れておりますが
今回は新しくできたバイパス沿いの「ますや」。
高遠の中でも広々見渡せるロケーションが素晴らしい。
天井が高く気持ちの良い店内。
おっ 、なんだかお蕎麦屋さんらしからぬ
ものすごく美味しそうな香りがしているが・・
とりあえずはやはりどうしても食べたいものから。
「手碾き そばがき」
なんとフレッシュな蕎麦のかぐわしさよ。
ホワーンとした香気に脳が侵されてゆく。(また人聞きの悪いことを・・)
恍惚とろふわの夢。
メニュー写真と違って汁に浸っていたのはちょっと不思議だったが、
なんでかな?
さて、「ますや」には二種類のお蕎麦がある。
「玄」
高遠産玄そばを鬼殻付きのまま碾いた黒っぽい蕎麦。
「抜き」
殻を剥いた八ヶ岳産そばを、手碾き石臼超粗碾きにした白っぽい十割そば。
こちらは黒っぽいほう。
「玄」
透明感のあるみずみずしい肌に
はっきりと細かなホシ。
ひんやり伝わる淡い香りは、見つめるほどに美しい。
淡い香りの中に、蕎麦畑の豊穣のよろこびが見えてくる。
はぁー きれいだぁー
そしてこちらが白っぽいほう。
「抜き」
ウワー
あなたすき。
たぶんすき とてもすき。(歌か)
だって、見るからに美味しいでしょうこれは!
粗挽き、なんとも美しすぎる肌・・・
透明の陰影、ほの白い無数の粒たち。
チリチリとごく細かく揺れる輪郭線を見つめていると
うっかり時が過ぎてしまいそうだ。
たぐりあげると、淡くほんのりと甘い香り。
ざらざらとやさしく粗い肌。
しっかり噛みしめるとじんわりとした甘みが染み渡る。
そうそう、蕎麦に夢中になりすぎて
「高遠そば」について申し遅れました。
今回「玄」は伝統の高遠そばスタイルで食べたのだ。
高遠スタイルったって、何も私のように
恍惚陶酔酩酊状態で毎度ぶっ倒れながら食べることではない。
写真のように「大根おろし+焼き味噌+ねぎ」
のつけ汁で食べる、この地ゆかりの蕎麦のことだ。
「ますや」はしゃもじの上の焼き味噌、おろし、ネギ等をすり鉢に入れ
自分で汁と合わせて作る本格的なスタイル。
メニューに手順も丁寧に書いてあるので
それを見ながら混ぜるのはなかなか楽しい。
高遠そばは元々この高遠の地で起こったものだが
江戸初期に高遠藩主保科正之公が高遠から会津に移ったため、
その時「高遠そば」ごと会津に移ってしまった。
実はここ高遠で「高遠そば」が町おこしとして
復活したのはつい最近のことなのだ。
(と、10年以上前に町の青年団某氏に聞いた(^^;;))
しかし美味しさが話題を呼び、今ではすっかり
この本来の地の大切な文化としてなじんでいる。
シテその高遠そばのつけ汁とは
これはもう文句なく美味しい。
単に大根おろしと味噌というのではなく、焼き味噌だから香ばしい。
そこにネギが入りその合い方と来たらない。
しかしですね、実は特筆すべき
この店のスペシャリテがまだあったりするのだ。
「そばピザ」!
そば甘皮で作った生地に、ねぎ味噌、きのこ、鰹節、鴨薫製。
ピザとしてはユニークすぎる和な具も大変美味しいのだが
蕎麦馬鹿高遠にはこの生地がとにかくたまらない。
ハアー
ずっと鼻を近づけていたいような香ばしさ。
噛んだ味わいの豊かさ。
潔いバリバリ感!
そばピザなるものは今までに何度か食べたことがあるが
もともとピザという食べ物への愛情が「普通」な私は
やっぱりお蕎麦屋さんではお蕎麦がいいなぁーという感想が多かった。
しかし「ますや」さんのピザにはビックリ!
冒頭で書いた、店に入ってすぐ感じた美味しそうな香りとは
この生地の香りだったのだ。
店を出ると広い空。
ぽかぽか陽気の高遠町。
ああ やっぱり高遠町、大好きだぁー
10月の出演のお知らせ
2011年09月30日
長野・木曽町「時香忘」
何年か振りなのに
こうして来てみれば前回がつい昨日のよう。
車を降りてまず一番に迎えてくれる山の空気!
川沿いにある「時香忘」は一日中
山の空気と川の音に洗われているかのようだ。
店のエントランスから建物まではだいぶあります
だいぶあります
だいぶあります
とうちゃく〜
来る度に、一体どんな土地の形なのか把握しようと思うのだが
いつものことながら行きはソワソワ、帰りは蕎麦酔いふにゃふにゃで
結局どうなってるのか今もわかりません。
よくわからないままの方が楽しいのかもしれない。
吹き抜けの、気持ちの良い店内。
人気の店だけに午前中から続々とお客さんが集まってくる。
まずは、
「蕎麦がき」
ほわぁ〜と濃厚に漂う、野趣あふれる香り。
極粗挽きの肌がいかにもおいしそう!
噛みしめるとぎっちりと密な食感、モッチリとした歯ごたえ。
ひとつひとつはコロンとコンパクトながら食べ応えのある、
山の地らしい蕎麦がきだ。
そして本日は張り切って予約までしておりまして
3種類のお蕎麦を食べるんだぁー!
うれしいなー!
まずはこちらが前日までに要予約の
「野点そば」
こ、この肌・・・!!
小枝のような輪郭線、ネコヤナギの穂のような白い陰影。
見た目も物凄いだけあってこのお蕎麦、
ただのお蕎麦ではありません。
「蕎麦の実を粉にせず実のまま打ち上げる」というびっくり蕎麦。
蕎麦ウンチクはなるべく知らないままでいようと心がけている私には
さっぱりわからないが何だかものすごいらしい。
つなぎは0.18%だけ「山菜から取り出した葉脈」を使っているそうだ。
「通常の10倍以上の時間をかけてこねあげる
モチモチの食感をお楽しみください」
と説明にある通り、モッチモチの独特の食感。
無数の凹凸が口中を流れ、
ほんのりと野性味のある香りを見つめるひととき。
「夜明け蕎麦」
見たことのない方は必ず驚くであろうこのルックス。
「昼夜蕎麦」という名で呼ばれたりもする、
田舎蕎麦と更級蕎麦を重ねて仕上げた二色蕎麦である。
技術的にとても難しいとされるこの蕎麦を
こちらでは湯捏ねせず小麦粉も入れず
0.12%の葉脈をつなぎとして加え、水だけで打っているそう。
田舎蕎麦のねっとりざらざらした食感と
つるりと流れるような更科の食感が同時に感じられて
何とも珍しい感覚。
田舎らしい力強い香りなどは見た目ほど感じられず
上質の更科蕎麦が持つ上品な美しい味わいが印象的だ。
「極粗挽きおやまぼくち もり蕎麦」
せっかく来たのだから
この店のスタンダードといえる蕎麦もやっぱり食べたい。
極粗挽きの蕎麦粉に0.12%のオヤマボクチを
つなぎとして加え1時間かけこねあげている蕎麦だ。
オヤマボクチとはヤマゴボウとも呼ばれる植物で、
昔から長野の飯山辺りでは
このオヤマボクチをつなぎにした蕎麦が打たれてきた。
今日は「時香忘」の蕎麦としてはどの蕎麦もあっさりめの印象だが
この強いコシとややぬめるような表面のつるり感は
まさにこの店らしい。
噛み締めるごとに淡く浮かぶ香りを追いかけて
じっくり、じわじわ、味わい楽しむ。
素敵な仲間と楽しい蕎麦。
山の中。川の音。
ああ、しあわせなお昼だ。
10月の出演のお知らせ
2010年11月25日
長野・白樺湖「手打蕎麦処 朝日ヶ丘」
しずかなちいさな観光地、白樺湖。
その畔の丘に立つ「朝日ヶ丘」は
100%自家栽培の蕎麦屋であり、宿である。
引き戸を開けるとそこは蕎麦屋ではなく
宿としての入り口。
といっても普通の家の広々した玄関のようだ。
石油ストーブの匂いが懐かしさをかき立てる。
玄関右手の襖をあけると畳敷きの広間になっていて
そこが蕎麦屋であり、この宿のダイニングルームである。
先客は地元の人らしき年配のグループ。
静かな部屋にぽつぽつと響く土地の言葉。
ほんの数時間前までビルだらけの東京にいた事が信じられない。
ホワイトボードには
「きのこあったかそば(しば茸)」
「我が家のじゃがバター」
「野菜の天プラ」
などの家庭的なメニューほか
「じいさんばあさんの作ったはぜかけ米5kg入」
なんてのもある。
そばを食べる前から
すっかりこの店が大好きになった私に
「はい、お待たせしました 〜」
と運ばれてきた「田舎そば」。
この土地で育った力強い蕎麦の香り。
干し草を思わせるような、
穀物の生命力を感じる香りに目を閉じる。
口に含むと細切りの輪郭線は思いの外くっきりと繊細で、
口の中に流麗にほどけるのが心地よい。
色こそやや黒めだが、
田舎そばというよりは洗練の印象さえ受ける食感である。
ああー おいしい。 本当に来てよかった。
気がつくと、厨房から店主らしい男性がこちらをみている。
私がつゆもつけずに食べいてるのが見つかったかとギクッとしたが
(私はいつもそのことにビクビクしている)
そんなことではないらしい。
「新蕎麦だでね」。
大きな声でいい、ニコッと笑う。
そうか、おじちゃんがつい最近刈り取ったばかり蕎麦なのだ。
そう聞くとなんとありがたく嬉しいのだろう、おいしいのも当然だ。
聞けば、おじちゃんだけでなく「一家総出で」、
店から8km下った畑で、畑仕事をしているそうだ。
宿もやりながらの話であるからそれぞれの仕事の繁忙期は
さぞ忙しいことだろう。
「すみませんねぇ今日はいつもより早じまいで。
今日はちょっと”まつりごと”があるでね。」
と今度は奥さんが話しかけてくれる。
”まつりごと”ってどんな?と聞くと、
諏訪湖の御柱祭が有名なこの地域、
さらに各集落、各地域にもそれぞれの小さなお祭りがあり、
小さな御柱を立てたりするのだそうだ。
今日やるお祭りはこのあたりでも時期的に最後のお祭りだそうで
どのくらい小さな祭事かというと、
「うちと本家と2軒だけ」。
その小さなお祭りを毎年守り、大切にしてきているのだ。
今日はそのために早仕舞いの準備をしつつ、
最後にやってきた客にも
実に親切で、にこやかで、あったかい。
心があたたまるというのは、
こういうことである。
お店のHP(ブログもあります!)
2010年10月27日
長野・千曲市「蕎麦処 ひぐち」
総木作りの美しい家は、のどかな日差しに向かって
胸を張るように潔く建っていた。
家の前は、山を背にした黄金の畑。
家の後ろは住宅街だが、ここは小さな美しき田園である。
静かな店内。
1枚目は「生粉打ち」。
たぐりあげるとふわり、蕎麦のかぐわしい香り。
強烈ではない「美しい香り」にすっかり嬉しくなる。
口に含むと、これまた。
じわぁーーと、清らかな蕎麦の味わいが口中に広がっていくのが
目に見えるかのようだ。
極細の蕎麦は手作りの趣を感じる震えるラインを描き、
コシはあまりなくフッと途切れるのがはかない印象である。
2枚目は「二八」。
「生粉打ち」同様極細打ちだが、こちらは見るからにつるつるとした肌。
窓からの自然光に優しい輝きをかえしている。
香りは二八らしい甘い粉の香り。
そして口に含むと「生粉打ち」とは打って変わって強靭なコシで応えてきた。
玄関の細長い窓硝子。
黄金色の午後は、まだ待っていてくれた。
2010年10月23日
長野・東御市「そば家 叶」
森の奥の緑の陰に見つけた小屋。
ギターロックが流れる店内は
まるで木の中にいるかのような安らぎのある空間だ。
蕎麦は3種類。
さらしなそば
風雨雪(ふうせつ)そば
手前そば
全て信州産の地粉十割手打ち蕎麦である。
つるつるではなく、きめ細かな陶器のような質感の肌と
しっかりハードな食感を持ったさらしなそば。
しっかりと密な肌と、強靭なコシを持った風雨雪そば。
そして目にも嬉しい粗挽きの白いホシを浮かべた極太ハードな手前そば。
ガッチリした輪郭を噛みしめると、「生」感の強い蕎麦粉のかぐわしさが口中を染める。
椀がきのそばがきのような素朴な風味だ。
静かな夜。
森の奥のこんなあたたかい空間で、
蕎麦を愛でられる幸せ。
あたたかいのもそりゃ当然。
先刻から私の膝の上には湯たんぽよりもあたたかくて笑っちゃうものが眠っている。
「自分はここで眠る権利がある」とばかりに
当たり前のようによじ登ってきて、
安心しきった顔でぐうぐう眠り全然起きないキジトラくん。
私にとっても至福の一時だったが、こちらも待つ者おらねど帰る場所のある身。
揺さぶり起こしてイスの上に載せると
まだ眠いのに起こされてちょっと憮然としている。
どっ
どうしよう本気で好きになりそう(>_<)
森の奥で過ごした時間。
帰り道もまだ膝の上が温かいような寂しさだった。
2010年10月22日
長野市「手打ちそば処 小杉」
お昼時とは言え、店は聞きしに勝る大繁盛の大混雑。
さすがは人気で名高い「手打ちそば処 小杉 須坂インター店」の息子さんの店である。
駐車場は無論満車。
駐車場に入れようと待つうちに蕎麦が売り切れてしまい残念そうに帰るお客さんに
店の人が大わらわの中丁寧に謝っている。
厨房からは戦場のごとき忙しげな雰囲気が伝わってくる。
大変そうだなあ、と私の席のすぐ横にある打ち場を見やれば
忙しない店内とはまさに切り離された静の世界。
白い木と白い粉がまぶしい、清らかな眺めである。
のし棒などの道具掛けまでも天然木をそのまま生かした形なのがユニークで美しい。
「小杉」の蕎麦は2種類。
ともに十割なのだが
粉の産地によって著しく値段が違う。
「北海道産十割ざるそば」が700円なのに対し
「信州産十割の霧そば」は1200円なのだ。
「県産ならではの風味と甘味 当店自慢の一品」と銘打ってあるあたり
地元への愛情と誇りが感じられるではないか。
まずは、信州産十割の霧そば。
手繰りあげて香りを寄せ軽く驚く。
これは・・・かいだことのない不思議な香りだ。
強いて言えば笹の葉のような、薬草に近いような、
野性味あふれる香り。
舌触りは見た目よりしっかりとしていて、程よいコシが楽しめる。
地元のやんちゃ坊主と竹馬遊びでもした気分である。
北海道産十割ざるそば。
うーん、これまた面白い!
見た目からの予想を裏切る非常に珍しい香りなのだ。
韃靼蕎麦にも似た、苦味を予想させるような野生の香り。
しかし口に含んでみれば苦味など全くなく、
味わいとしてはやさしい蕎麦である。
気がつけば蕎麦が売り切れた店内は
すっかり広々、最後の客になってしまった。
営業時間は16時までなのだが、
本日は売切御免、14時半には「本日終了」の看板。
地元の人気者の昼は、かくも忙しいのだ。
2010年10月21日
長野・佐久市春日「職人館」
一日の中で、私が一番好きな時間。
花も大地も空気も青く染まり、
山が黒々とその威を際立たせ始める黄昏時。
予約した時間に店に到着してみると
当の主が居なかった。
「それが・・さっき山に入ったきり・・」
と店の人が済まなさそうに言う。
いかにも、「職人館」の店主らしい。
愉快愉快、流石は佐久が、いや日本が誇る「職人館」である。
ますます楽しい気持ちで店内で待っていると、
嗚呼佐久が暮れていく。
窓からの眺めはそこに名画がかかっているのかのような美しさ。
ミレーがあらわしたかったのはこんな静けさではなかったか。
「おいー、すっかり遅くなっちまって」
入り口の方で声がしたと思ったら
店主が大きな笊かご一杯に山のお宝をどっさり抱えて帰ってきた。
父親が帰ってきて喜ぶ子らのように玄関に駆け出す私たち。
「わあぁーっ」という歓声。
この山のお宝、きのこの山!
トキイロラッパタケ 、サクラシメジ、カラスタケ、
そして本日一番のお宝は「ウシビタイ」とも呼ばれる「クロカワタケ」!
これは東京のフレンチやイタリアンの有名シェフ達の垂涎の的という名きのこ。
松茸だのポルチーニだの、どころではないらしい。
実際この素朴極まりない店主の口から
次々と有名料理人たちとの交流話が出てくると
この静かな田舎家に似合わぬ世界の話ゆえ最初はちょっと驚くかもしれない。
しかし大地と生きる店主の信念と才気に触れれば
ブランドシェフたちが憧れるのも無理がないことに誰しも納得するであろう。
とにかくこの採り立てきのこをこの店主の料理で食べられるのだから
もう私たちの胃は最初から「別腹」ならぬ「倍腹」状態!
店主さえ帰ってくれば厨房は一気に、急発進で動き出す。
山の恵みそのままに、オリジナルの彩り豊かなドレッシングを添えて。
紫ピンク色は「ビーツとブルーチーズのドレッシング」。
薄緑色は「バジルのドレッシング」。
黄色は「卵のドレッシング」。
これだけ色が美しいと「ドレッシング」という言葉そのものが美しく聞こえてくる。
私は蕎麦でも野菜でも「裸の方が好き」なのだが、
このドレッシングは楽しさに誘われて美味しく食べた。
特にトマトが絶品!
甘いだけでなく味わいが濃く酸味もちゃんとあり、
新鮮な程よいハリを持った皮とジューシーな果肉がたまらない。
「職人館」の野菜は全て付近でとれた有機栽培もの。
野菜好き、素材好きの私には、これ以上贅沢な食事はない。
採り立てきのこをおろしでシンプルに。
ああきのこって素晴らしい。
はなやかな香りも派手な味わいもなく、
静かに「伝わってくるような」ような美味しさ。
乗鞍のきのこ名人とイグチ採りした時の思い出も過ぎる。
お父ちゃんどうしているかなあ、会いたいなあ。
「キャッサバ芋で育ったポークと紅玉りんご、無農薬野菜のサラダ」
サラダに紅玉りんごというのが最初は意外だったが
紅玉が加わることでの酸味と甘さ、彩りのバランスの良さに
「真似したい!」と一同絶賛。
またこのポークの美味しいこと。
普段あまり肉を食べない私も動物のように喜んで食べた。
私見だが、店主の北沢さんは「赤と紫」という彩りを大切にする人である。
鮮やかで、ちょっとドキッとするような艶めかしさのある色合いが
自然界の、しかも食べ物にある感動。
紅玉りんごの赤と紫キャベツの紫に「北沢ヴィヴィッド」を見出した。
「さくらしめじとトキイロラッパタケのスクランブルエッグ」。
うう・・
うううう・・・・。
あのー、普段私、スクランブルエッグというものには興味が薄いはずなんですがね。
これは、何ゆえに、こんなに美味しいのでしょう?
美味しいー、なんで?なんで?と言いながら大量に食べた私を
同席の皆様お許しください。
きのこの魔法なのか店主の魔法なのか。
間違いなく店主は言うのだ。
「俺は何もしてねえ。全ての料理人は何も出来ねえ。
感謝するべきは、畑だ。その畑を作っている人だ。」
スクランブルエッグにはフォカッチャが添えられてきた。
このフォカッチャも地粉という贅沢。
おいもときのこ、2種のフォカッチャと側にあるのはオリーブオイルではない。
これまた地元産の「菜種油」というのが「職人館」流。
ひええー、この辺りには菜種の畑もあるのですか!
国産、しかも地元産菜種油なんて本当に凄い。
「クロカワタケのバターソテー」。
これについては・・私の筆で表現するには限界があるほどの美味しさである。
花びらの「北沢パープル」があしらわれていなければただただ地味な見た目の一皿だが、
とにかく一口食べた瞬間のテーブルに花火が上がったような一同の反応がすごかった。
私に至っては、あまりの美味しさにパンチをくらって珍しく押し黙り
しばらく口がきけなかったほど。
松茸がなんだ。ポルチーニがなんだトリュフがなんだ。
ぎゅうぅとこれでもかと濃厚で贅沢なきのこの風味。
ゴルゴンゾーラかパルミジャーノ・レッジアーノかというような、
コクのある乳製品が醗酵したようなしつこいほど芳醇な香りである。
これはおかしい。絶対に何かおかしい。
美味しすぎる。
確かにこのクロカワタケは相当凄いものらしく、店員の男性も
「ちょっとこれだけのは今年はじめてです。ラッキーですね」
と教えてくれたが、それにしてもおかしい。
「土や山がすでに料理してくれてあるものを、
俺は何も作れないから、皿に貼り付けているだけだ」
という世紀の名言のある店主は
「ただバターソテーしただけだ」」
と言うが、私がバターソテーしても絶対にこの味にならない自信がある。
すると食事が全て終わった後、何でもなさそうに
「ちょっと、蕎麦のはちみつを隠し味に足してみたんだ」と。
はあああ
蕎麦の。
はちみつ。
恐れ入ったとしか言いようがない。
この皿に残った汁はテーブルの「家宝」として「下げないでぇぇ」と死守し、
おまけに「先程のフォカッチャにつけて食べたい、もう一回欲しい」なんて我が儘を言い
皆で最後の一滴まで貪欲に堪能したのであった。
果たして恋人はあまりにもさり気なく、ひょいとテーブルに割って入ってきた。
華やかな山の彩りのあとに、この渋い風情。
ああやっぱり私が好きなのはこの人だ。
地粉十割、「職人館」の蕎麦。
黒めの肌は見るからにねっとりとたくましそうである。
空気を伝って感じられる力強い香りに誘われ口に含めば
見た目通りのしっかりとした歯ざわり。
ぬめるような感覚の肌を噛みしめるごとに
この地で生まれた蕎麦の香りが奥からあふれてくる。
すべての男性を「大将」と呼び、
畑への尊敬と信念に満ちた会話はどこまでも軽快で興味深く
そのまま全て録音したくなるような店主。
「おい!」でリズムを取る口調はやけにいなせでカッコイイ。
「土や山がすでに料理してくれてあるものを、
俺は何も作れないから、皿に貼り付けているだけだ」
日本が誇る、職人の館である。
2010年10月20日
長野・北志賀「石臼挽き蕎麦香房 山の実」
山がすき。
スキーがだいすきな私には、
きっと夢のような場所なのだろうと思っていた。
たどり着いてみれば聞いていた通り、
店は竜王スキーパーク入口に位置する
「北志賀ホリデーインホテル」内にあった。
スキー場にあるホテルのメインレストランが、
自家製粉、手挽きまでする超・名店蕎麦屋。
聞いていたとはいえ、その事実を目の当たりにすると
胸がいっぱいになりすぎてほとんど「混乱」に近い状態。
行きたかったお蕎麦屋さんがスキー場のホテルにあるなんて、
そんなのアリなんだろうか、私が頭の中で作っちゃったんじゃないだろうか、
眼の前にある現実が受け止められない・・・
絨毯敷の店内は、広々と優雅な山のホテル風と、
和風の暖簾や飾りがあちこちにある家庭的な蕎麦屋風が混在している。
爽やかなクラシック音楽が高原の空気に響き、山々は青空に輝き
厨房からは蕎麦の水切りの音。
一体私は何処にいるのか。
店内にはこの店の目玉のひとつである「そばピッツァ」の石窯が。
開店直後というのに注文は既に殺到しているらしく
次々とピッツァが焼き上がっているようだ。
まずは運ばれてきたのは「蕎麦の実粥」。
赤い椀の中の可愛らしい粒たち。
米よりもつるりとした表面を持つ粒たちが
口の中をツブツブさらさらと過ぎてゆくのをつかまえ、そっと噛みしめる。
蕎麦の実の素朴さを損なうことのないシンプルな味つけに
これから先への期待は高まるばかりである。
本当に楽しみにしていた「手挽きそばがき」。
高原の窓辺で出会った、その姿。
これは・・・
見たこともないような、「生」感のある極粗挽きである。
生タマネギがざくざく入った焼く前のハンバーグのような、
すべて穀物というのが信じ難い姿。
表面がごく軽くあぶってあるのがまた憎い。
透明感のある美しい緑、
象牙のようにすべらかな白、
それらをつなぐ瑞々しい生成色・・
目をこらせば無数の蕎麦粒達がまだ生きたままそこにいるかのようだ。
箸先にぽってりと取り上げてさらに感激。
高地の野原のような爽やかな香り!
食感も通常のそばがきとはだいぶ違ったものである。
ふっくらでも、モチモチでも、ふわふわでもなく、
先程の蕎麦の実粥に似たツブサラ感のあるそばがき。
そのツブサラの間をつなげるモッチリと細かい粉。
噛みしめると内側から奥から、なんともまろやかな、
ミルクブレッドのような白いイメージの香りが生まれてくる。
実際に目に見える「緑と白と生成り色」が
口の中でもあまりにもはっきりと「見える」ことに驚く。
そして「生粉打ち蕎麦」。
私は、あなたに会いたかった。
もう、泣いてもいいですか。
この店に着いて以来我慢していたものが溢れそうで我慢できない。
私は山にいるのだ。
空気が綺麗で、向こうのお山が同じ高さに見えて、
おまけにここはスキー場なのだ。
その上何故あなたはそんなに美しく緑色にひろがっているのですか。
ひんやりした空気の中、しっかりしめられこんなにひんやりしているのに
なぜこんなにも美しく香ってくれるのですか。
柔和な表情に見えたその蕎麦は
口に含むと意外にも1本1本がはっきりとした輪郭をもっている。
さらしなのようにするするとした極細ゆえ、
噛みしめる刹那蕎麦と蕎麦がすべるような、
微かにシャクッとするような食感が感じられる。
気づくと、甘みや味わいはほとんどない。
それが物足りなさには全くなっておらず、「よく考えると」ほとんどない。
ただただ、この上もなく爽やかなかぐわしい香りが
この窓からあの大空にまではみ出すかのように満ちている。
口内上部、頭の中までかぐわしさで満たされ、
もうこの際私が大空にはみ出してもいい。
甘みや味わいといった味覚の底辺を支えるものが淡いぶん、
香りという「軽み」の部分だけが際限なく広がって感じられるのかもしれない。
ということはこれは新蕎麦でしょうか。
本当はそういうことはそんなに、どうでもいいのでございます。
もう只々、しあわせなのでございます。
またこの笊が、意外と深さがあるので見た目より量がたっぷりあるのが
ありがたいじゃあないですか、
うれしいじゃあないですか・・・
「生粉打ち蕎麦」でほとんど泣いている私の前に現れた、
この店の大人気メニュー「石窯焼きそばピッツァ」。
4種類の中から、一番スタンダートと思われる
「須賀川そばピッツァ」を選んだ。
「生地に自家製粉したそば粉をふんだんに使い
厳選の信州白味噌とチーズ、ねぎ・えのき・
そばの実をのせて石窯でカリッと焼き上げます」
と説明してあるものである。
この、話題の人気メニューに対峙したというのに
先程までと打って変わって温度の低い私を許して欲しい。
好き嫌いがはっきりしているというよりは
「好きなものが好き過ぎる」私、
ピッツァというものは嫌いではないが「愛情が希薄」である。
しかしここのピッツァは大変評判が高いので
きっと素晴らしいものなのだろう。
私が興味があるのはピッツァの表面ではなくその「裏側」である。
(ひっくりかえしてみた)
うおぉ〜〜〜〜
何ですかこのおいしそうさは美しさは!!
穀物の穀物らしい姿に滅法弱い私。
粗挽きの無数のつぶつぶがぎゅっと板状になり、
素朴な焦げ目のついたたまらぬ姿。
いびつな輪郭線を縁取る茶色のクラスト部分の
香ばしそうなことと言ったらない。
愛しい蕎麦粒さんたちに、こんなところでこんな姿で会うことが出来てまたまた感激。
ピッツァを食べるより裏側にしびれまくるあたり、
やっぱり私はちょっとばかり人と感覚がズレているのだろう。
できれば私は、具のない状態でこの生地だけ食べてみたい。
フルーティーなオリーブオイルなどつけて食べたらさぞ美味しいだろう。
山の香り、山の恵み、山の眺め。
「山の実」に、帰りたい。