2017年08月02日

福井・ 越前東郷「そば玄」

 

ひょいと覗くと緑の中に大きな家があった。

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歌の上手なうぐいすの声が風景にこだましている。


青い空、深い緑。

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なんて素敵な蕎麦日和だろう!!
うれしーーーーい
やっと「そば玄」に来られたしあわせ!!



嬉しすぎて近づくのがもったいないほど。

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大きい・・・
古民家とは聞いていたがこんなに立派な家とは。


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つくばいだのタヌキだのお札だの〆縄だのいろいろごちゃごちゃあるのだが
全てがしっくりなじんで美しいのが伝統的なもののすごいところ。

あ、嬉しさ余って写真撮り過ぎですね、早く入れって?(^^)



え!

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えええええ

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すんごいんですけど〜〜〜〜!
なんと立派な空間、二条城ですかってくらい高い天井。
これは・・・相当な方のお家だったのでは?


家はものすごいが迎えてくれた奥さんの感じの良さは素朴そのもの。
いかにも誠実で飾らない、素朴な女性らしさに満ちた接客に
一気に心を解きほぐされ和んでしまった。


奥さんに案内されて奥に入る。
客席部分も広い。

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(ペーパースライディングドア(襖)で仕切られていて
 4つの部屋を1つの大広間にするのも自由自在な日本の建築ってつくづくすごいですよね〜)


田舎家らしく囲炉裏席もあります♡

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こんな素敵なお座敷も。

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せっかくなので本日は囲炉裏席を選びまして
メニューを見ましょう〜


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まず「とり唐おろし」という初耳メニューに目が釘付け!
「あったかそば」ってなんだろう、「かけそば」のことかなあ〜♡
この田舎家でそんなメニュー名、聞いただけで心が温まってしまいます。

そして福井県のお蕎麦屋さんで困るのは「おろしそば」が全力で私を誘惑してくることである。
何を隠そう私は「越前おろしそば」がだぁーーいすき!!
冷たい蕎麦の上に何かがのった「種もの」は大体が大好物なのだが
何せ「もりそば」への愛がほぼ病気なので東京や他の地方だと集中力が途切れることはなく
ひたすら「もりそば」のみを目指し、見つめ、たぐり、溺れる。
しかし福井県に来るとねえぇ・・
いわゆる普通の「おろしそば」と違い「大根おろしの絞り汁で食べる」というところが
素晴らしいのです!
せっかく来たので「ざるそば」と「おろしそば」両方行きまっす!


ご飯ものも充実しています。

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ここでまた目が吸い寄せられたのは「玉子丼」のあとの「自家」である。
自家玉子丼!?

なんとこの店では庭に名古屋コーチンを平飼いしているらしい。
え〜〜じゃあ「玉子丼」も食べたい!?
旅先だとつい欲張りたくなりますよね〜〜


「季節の天ぷら」は近隣の野菜使用らしいので訊くと
「今日はこのあたりの野菜があまりなくて・・」ということだったが
独活の葉、蓬の葉はあるという。
えー!そんなの食べるに決まってます! (≧∇≦)/
山の野菜大好き。うれしいな〜


「季節の天ぷら」
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囲炉裏で眺める山の恵み。
ああ〜贅沢な時間・・・

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独活の葉、蓬の葉、茄子、にんじん、かぼちゃ、シシトウ、海苔。
独活の香りの素晴らしいこと。
蓬の葉の苦味がたまらない〜♡
パリッパリでおいしい天ぷら。


「ざるそば」
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うわっ

うわ〜〜〜〜 思っていた以上の攻め攻め迫力肌にびっくり飛びのきました!!!

ここまでやるかの粗挽き肌!!

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問答無用に私を引きずり込む超絶美しき粗挽きの宇宙。
ややピンク味を帯びた肌には白い影、黒いホシ。
無数の蕎麦粒子たちが奇跡のように手を繋ぎ、
輪郭線はふるふると工芸品のようにゆらめき
もう私は見ているだけでへなへなであります。
あああああ
あなたは 美しすぎる


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無論美しいだけではない。
箸先から香りを寄せただけで私は笑い出してしまった。
なんという素晴らしい香り!!
香ばしいなんて表現では足りないほど
フランスのガレットや蕎麦パンの焦げたところのような
もう私の心を底からむんずと鷲掴みにして骨抜きにするような
破壊的なまでの素晴らしい香りである。
ムワ〜、ずっしりとした香りだけどフレッシュなところがすごすぎる。
自家蕎麦と福井・丸岡産の蕎麦のブレンドというが、
香りをよせただけで笑いが止まらないなんて食べたらどうなるんだ!!



たぐり上げると「短いです」と聞いていた通り1本1本は短めで、
ぼこぼこポコポコと節があたるものすごい粗挽き感である。
太くて短くて暴れるのでたぐるのは難しいが
私はたぐりたい欲がありんこくらいなのに対して香りに溺れたい欲が宇宙くらい大きいので
これはこれで楽しいおつまみ感覚である。
味わいは香りよりさっぱりすっきりとして
しかし噛みしめるほどに粉のしみじみとした旨みがひろがってくる。
こんな山の中のこんな田舎家で、こんな攻めっ攻めのものすごい粗挽き蕎麦が
のんびりそうに出て来ちゃう福井県ってやっぱりすごい!



蕎麦汁は鰹の香りがスパーンと豊かでなかなか個性的。
醤油に酸味があるのか?どこかガツンとした感じがあり
それでいて甘みは少なくすっきり。
ここの汁好き!おいしい〜



「おろしそば」
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もー、こんなのおいしいに決まってますよね〜
大根おろしの絞り汁ってなんでこんなに美味しいんでしょう。
汁があるため粗挽きのポコポコの節がさらさらポコポコ流麗に口中を流れる。
しかしこの状態では先ほどメロメロに感激した
破壊的なまでの蕎麦のかぐわしさは感じられずもったいないような
今はただこの幸せを見つめたいような・・・
ああ〜 おいしいものだらけで悩ましい。




そしてもうここではノンブレーキで暴走することに決めました。

「玉子丼(自家)」


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さすが自家平飼い名古屋コーチンだけあって黄色が濃い。
卵の香りと味も濃い♡
「玉子丼」経験の浅い私ではありますが意外にもあっさりと薄甘い味付けで
とにかく出汁がいいので大変おいしい。


奥の庭。

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この家の長い長い歴史の中で
私が滞在したのはほんの一瞬のこと。
しかしそこに身を委ね、(蕎麦に溺れ、)安らいだ時間は私の胸に長く残るだろう。


私には4分の1福井の血が流れているのだが
福井に来るとそれが嬉しく感じられることばかりなのだ。




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posted by aya at 13:24 | Comment(4) | 北陸の蕎麦>福井 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月22日

福井・永平寺「けんぞう蕎麦」


ルーツの4分の1が福井県のせいもあってなんとなく福井に親しみがある私。
武生という地名や永平寺のイメージにも憧れがあるので
福井に来るとありふれた景色もしみじみと目に映り旅情に浸ってしまう。


四月、のどかな住宅街。
静かな通りに春の陽が遊び、ああいいなあ・・・
と浸っていたら

ナンデスカあのお祭りみたいのは!?!?

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付近には店なんて一軒もない住宅街にこの人だかり。
遠目にはお祭りにしか見えなかったが
私が目指してやってきた「けんぞう蕎麦」の行列だった。
この店はおつまみの類はほとんどないので、
みんなひたすらこの店のお蕎麦が食べたくて並んでいると思うと
すごい人気のお蕎麦なんだなあー



早速私も中に分け入って名前を書き、しばらく付近をお散歩。
ようやく玄関のベンチに座れました(^^)

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玄関脇では「けんぞうプリン」と「けんぞうソフト」の販売があり
お腹の空いたお客さんたちの熱い視線を集めている。


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今日は暑いくらいなので
ついに玄関で立ったまま「けんぞうソフト」を食べるおばちゃまも出現。
甘いものには興味の薄い私だが
「お蕎麦の風味香る けんぞうソフト」
と書かれると俄然気になっちゃう〜
どんなかな?おいしいかな?(≧∇≦)♡


やっと名前を呼ばれて席に着く。
客席は靴を脱いで上がる畳の広間。
もちろん満席で、全て座卓なので椅子席の店より密度が高い印象。
でもそれがかえってここの町内の宴会にでもお邪魔した気分で楽しい。

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「五合蕎麦」「十合蕎麦」という大人数用の大盛りメニューがあるせいか
意外とグループ客も多く、ぎゅうぎゅう賑やかで楽しい雰囲気だ。



メニューはシンプル。

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さすがは越前、和紙どころ。
手漉き耳付きの和紙に墨痕鮮やかに書かれたメニューが清々しい。
「おろしそば」と「けんぞうそば」の違いは・・・と思ったらテーブルに説明がありました。



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「けんぞう蕎麦」はもりそばを辛味大根の絞り汁につけるスタイル。
よかったー、これを頼めばお蕎麦をお蕎麦だけでも味わえる(≧∇≦)♡
そして「おろし蕎麦」というのはいわゆるスタンダードな「越前おろし蕎麦」、
ぶっかけスタイルですね。
福井の「越前おろし蕎麦」の大ファンの私ではあるが、
やはりお蕎麦をお蕎麦だけで味わうことはどうしてもしたいので
「けんぞう蕎麦」で決まり (≧∇≦)/





「けんぞう蕎麦」
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おお〜 いかにも香ってくれそうな黒い肌。
ぐわっと潔い勢いを感じる盛り付けもなんだかこの店らしくかっこいい。




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うわ

えーーーーーー!!

町内のお祭気分でなんとなくのんびりと待っていたら
突然恍惚の大海原にダイブしてしまいびっくり。
なんという、期待を超えたすんばらしいかぐわしさ!!
濃厚に香る、黒くたくましい芳ばしさ、しかもそれが軽くてフレッシュ♡
食べずとも香っているだけでしあわせ〜〜
食感がまた個性的で面白い。
表面にこまかーーい気泡のような穴が開いたような、
ビスクドールのようなサラサラスルスルした肌。
噛みしめると角のないぶわんとしたような質感で、
ふっくら軽いようなずっしりふるんとしたような不思議な食感。
(群馬などで出会える肌の粗い手作りこんにゃくにも似たイメージ?)
味わいはみずみずしくすっきりしてるのにしっかり濃厚で、
何より黒いたくましさがムンムンではなくフレッシュに澄んでいるところが素晴らしい。
おーいーしーいーーーー!!
あれだけの行列ができる訳がわかりました。

でもね、でもですよ、これじゃあお蕎麦が美味し過ぎて
せっかくの紫大根絞り汁につける気が全くおきないんですけど・・・
(私は何が何でも蕎麦と二人きりになりたい大悪党なので
汁をつけないのはいつものことだが今日は意識してつけるつもりだったのに)

いやいや、でも!
福井のおろし蕎麦ファンとしては今日ばかりは、つけますよー!




「けんぞう蕎麦」の蕎麦汁
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うわー なんと鮮やかな紫。
紫大根の絞り汁なのでこんなにも美しい紫なんですね〜
この絞り汁の中にいわゆる蕎麦汁を入れてつけ汁にするわけだが
ここの蕎麦汁は単体で飲むと驚くほど塩辛く甘みもバッサリ断ち切ったかのようにない。
日頃甘い味付けが大の苦手の私がそう感じるのだからかなりの断ち切りっぷりだ。
しかしそれがこの紫大根絞り汁と出会うと、大根の辛味と旨味がすっきりと際立った
たいへん美味しいつけ汁になるのが見事としかいいようがない。
いやーん こんな美味しいつけ汁じゃあ
もう一枚食べたくなっちゃうじゃないですかー




「けんぞうプリン」
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蕎麦の風味と聞くとデザートにも手が出る私。
とろとろタイプのプリンはちゃんとお蕎麦の香ばしさが感じられましたー♡




行列は帰り際にも途切れることなく
玄関付近も外も人でいっぱい。


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駐車場の手前のお花が綺麗だったのでメルヘンチックに撮ってみました。
きのこみたいでかわいい〜(←きのこ大好き

「けんぞうソフト」
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お蕎麦の風味はプリンの方がしっかりめかな?

人気行列店だけに蕎麦ソフトクリームはナイスアイディア!
これから暑い季節はますますいいですね〜♪




posted by aya at 08:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 北陸の蕎麦>福井 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月01日

福井・越前町「だいこん舎」


思い出すたびに心がもう一度澄んでいく。
あの朝雪の中で出会った時間。


武生市、鯖江市から海の方へ車で30分ほど。
陶芸村というのは福井では有名な観光地らしいが
たどり着いてみると村はただ静かだった。
人影も、すれ違う車もほとんどない。
開店時間を狙って行ったたのでまだ早かったせいだろう。
それが素晴らしかった。



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静かすぎてここが店という気がしなかったが
看板と「営業中」という小さな表示に誘われて階段を上がる。



静寂。

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ここに立ってこの家を見た時、私は心から嬉しかった。
小雪がちらちら舞う中、あの大きな暖簾は何も言わずに
あたたかく私を迎えてくれているように見えた。
雪の音。


暖簾をくぐり店に入るとさらに嬉しい気持ちになった。
こんなに可愛らしい店とは!


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まだ誰もお客さんのいない店内は広々として
外と同じ澄んだ空気に満ちていた。
アイアンの暖炉に畳ベンチ、テーブルに飾られたお花。
キメキメすぎないインテリアが何とものんびりと実に居心地よく可愛らしく感じた。
ウクレレのように小さくつま弾くギターのBGMがよく似合う。

ああ本当に素晴らしい時間に来た。




実は私が「こんなに可愛らしいお店とは」と驚いたのには訳がある。
私が今回福井に来るにあたってこの店を選んだのは
他でもないあの「佐野蕎麦」の店主が修業した店と聞いたからだ。
23年間私が見てきた数あるお蕎麦屋さんの中でも
飛び抜けて「ヘンな名店」である「佐野蕎麦」(* ̄∇ ̄*) 。
(衝撃の「佐野蕎麦」体験はコチラ→http://ayakotakato.seesaa.net/article/436732840.html

佐野蕎麦店主が修業した頃は「だいこん舎」はまだ鯖江市内にあったらしいが
こうしてこの静かで可愛らしい「だいこん舎」に来てみると
そのつながりがまた愛おしく思える。
今日この店の厨房や店内で働いている若い人たちもみな素朴で感じのいい人ばかりだ。
私のルーツの四分の一は福井なので何となく福井好きな私は
ますます嬉しい気持ちになる。


メニューは福井らしく「越前おろしそば」を中心にシンプル。
しかしここはおろしそばだけでも5種類もある!

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その他あたたかいお蕎麦やそばがき、甘味もあり
この店が観光地の中の蕎麦屋として賑わう時間が想像される。



あっこれもいいな♡

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空気のいいところで食べる野菜はますます美味しそう。
「旬菜天盛」ぜひいきましょう (≧∇≦)/


「旬菜天盛」
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しいたけ、赤かぶ、蕗の薹、さつまいも。
ふんわりした衣がやさしい天ぷら。



そしてすっかりのんびりしていた私に衝撃の出会いがやってまいりました。
5種あるおろしそばの筆頭に「おろしそばの定番」と書いてあった「ぶっかけおろし」!

もともとぶっかけの「越前おろしそば」がだぁ〜〜〜〜い好きな私。
東京の人のイメージだと「おろしそば」というのは
「大根おろしが薬味としてのってるお蕎麦」だと思いますが
「越前おろしそば」は大根の絞り汁で食べるというところが素晴らしいところ。
普段はもりそば一辺倒の私も「越前おろしそば」は我慢できず
かならず「もりそば」と両方頼んでしまいます(≧∇≦)/
なのでよく知っているメニュー、なのですが、ここのは・・・


「ぶっかけおろし」
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えっ・・・?
なんですかこの、いまだかつて見た事のない美しいピンクは??

本格的な「越前おろしそば」を出す店ではお客さんに提供する寸前に本節を削っており
それが美味しさの秘訣でもあるわけだが
こんなピンク色のはいくら何でも見たことがないですよ・・
しかもこんなに薄くて幅広!
上手に削ってあるなあ〜

ワクワクとひとくち

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( °o°)

( °o°)

いやいや・・・・

いやいやいやいや・・・・

ちょっと衝撃すぎて言葉を失うほどの美味しさなのですが!!

食べた瞬間、あまりにも透き通ったさわやかさに全身が瞬間洗浄された思いがした。
そこまでは今までも感じたことがある感激。(でも今までで一番のさわやかさ、清澄さ!)
今回驚かされたのは私はその爽やかさの中に、ニンニクのようなたまらなくおいしいアクセントを
ごくごくかすかに感じたのだ。
んん?今のナニ!???
もう一口食べてみるとやはり全体はこの上もなく美しく澄んでいるのだが
今度はなんと、またまた超〜〜かすかに「ウインナー・・・?」。
要は本節があまりにもフレッシュで美味しいために発酵の要素を感じさせてくれるのだろう。
それがとびきり澄んだおろし汁のなかで、
さわやかなままほんのりフワリ感じられるこのニクさ。美味しさ。

ええ〜〜〜なんなんですかこの「ぶっかけおろし」は〜〜〜!
まさに衝撃の初体験。おいしすぎる・・・


「盛りそば」
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いつもは私にとって不動のアイドル、生涯の大スターである「もりそば」であるが
今日は「ぶっかけおろしそば」で骨抜きにしれてしまい
なんだか浮気後のような罪悪感を覚えつつの対面・・・(^^;;)

ところが、これがまた!!

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ふっわーーーーー!!
蕎麦のかぐわしさのあまりも強烈なフレッシュさにびっくり。
ただただフレッシュ。私ごと吹き飛んでしまいそうなさわやかさ。
吹き飛んだまま食べずに倒れていても本望と思えるほどの感激だがそれは口だけで
こんなふうにいつまでも香りだけに浸っていたくなるかぐわしさというのは
そうあるものではない。
ワクワク箸でたぐりあげると最初の印象以上に透明感のある肌で
その中に浮かぶ蕎麦粒子の美しさにも驚かされる。
太打ちで輪郭線は比較的しっかり硬いのだがかみしめると不思議と硬さは全くなく
なんとも言えない軽さと柔らかさ、コシがある。
見つめても見つめても見つめきれない、あまり出会ったのことない稀有な食感。
ことさらではないざらつき、素朴な輪郭線の舌触りも大変素晴らしい。
香りは食べている間に薄まって来るタイプで
全体にすっきりと軽やかな蕎麦・・・しかも十割でびっくり!


またしても最後まで一度も蕎麦汁をつけずに夢中で食べきってしまった大悪党だったが
蕎麦汁は蕎麦湯の時のお楽しみ。
ここの汁は独特のキュンッと尖った甘みの少ないもの。
ここは醤油からしてキュンとシャープで旨味、甘みが少ないようなので
それがあのスーパー爽やかなぶっかけの秘密なのかもしれない。


そして福井では「そばがき」を頼むと最後に出してくれるお店が多い気がするのですが
気のせいでしょうか (≧∇≦)


「そばがき」
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うわー、かっわいい!
ありそうであまり見たことないそばがきふた山盛り。
外と同じように澄んだ店の空気に立ち上る湯気が
愛おしさのボリュームをますます上げるばかり。


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あああああああ

もう 
なんなんでしょうこちらのお店は・・・

これまた最高すぎる「そばがき」でもう胸いっぱいの大感激!!
もは〜〜〜っと濃厚に漂う香りは
先の「盛りそば」の吹き飛ぶような鮮烈なさわやかさよりもう少し落ち着いた、
穀物の誠実でまろやかなかぐわしさ。
食感がまた恐ろしいほどすんばらしい。
このむっちりふっくら少しエアリーな夢!!


こんな静かな雪の中、誰もいない店内で
ここまで鮮やかな世界をのんびりそうに次々と見せてくれるなんて
私はもうどうしていいかわかりません

「だいこん舎」さん素敵すぎる



外には小雪が降っている。

私はストーブに暖められながら

今出会っためくるめく夢に身を溶かしながら

「だいこん舎」の音を聞いている。







(これ買えばよかったな〜!)
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posted by aya at 11:42 | Comment(6) | TrackBack(0) | 北陸の蕎麦>福井 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月18日

福井・福井駅前「あみだそば 遊歩庵」



(代々木公園にて開催中の「大江戸和宴2016」
に出店している福井の「あみだそば遊歩庵」の記事です♪
本日18日私のステージ出演は13時〜、16時〜です!
東京で遊歩庵のお蕎麦を食べられるチャンスですよ〜!)

*******

その時私は大変時間がなかったのだ。

あと数十分後の特急に乗らなければならない。
しかも時刻は15時をまわっていてどこも昼休みであろう時間。

そんな時にも大変ありがたい、通し営業、駅近商店街のお蕎麦屋さん♪

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「あみだそば 遊歩庵 (ゆうぶあん)」は
越前の郷土蕎麦である「おろしそば」の専門店。
十割というのが大変嬉しいところですが
蕎麦の上にはたっぷりのかつお節とネギがのっていて
それを大根のおろし汁につけて、もしくは蕎麦にぶっかけて食べるスタイル。
「もりそば」はありません。

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え、何が何でも蕎麦は蕎麦だけで食べたい蕎麦犬が、それでいいの???
との声が聞こえてきそうですが・・

はい、確かにその無念さはあります・・・。
でもねえ〜私「越前おろしそば」がだーいすきなんですよね〜〜〜(≧∇≦)/


東京の人がイメージする「大根おろし」が入っている「おろし蕎麦」とは違い
「大根のおろし汁」で食べるのが「越前おろしそば」。

きた〜〜 早っ!
急いでいるのでありがたい〜〜〜(≧∇≦)/

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うわー なんて可愛らしい小さな器。
写真ではわかりづらいが大きめのご飯茶碗くらいしかない器に
こんもりと盛られている。
「福井のおやつ」って感じで嬉しいなあ〜〜

実際15時過ぎだというのに店はたいへん流行っていて
途切れずにお客さんが入ってきてはさっと手繰って帰っていく。


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平打ち、ずっしり密で流麗な舌触りの蕎麦。
一応、まずは隅っこの何もついていなさそうなところをたぐって食べてみたが
やっぱり蕎麦の風味だけを味わうことはできず・・
でもここではそんなことはどうでもいいとして!
おろし汁がおいっしーーーーい!!(≧∇≦)
つゆは甘みもあるのだが澄んだ出汁とおろしの風味でさっぱりー!すっきりー!

ああ〜「越前おろし蕎麦」は本当に素晴らしい郷土蕎麦だなあ〜
おろし汁が美味しすぎて残念ながら蕎麦の風味は私には感じられないのだが
さっぱりすっきりつるつる、あっという間に食べてしまった。



さすが人気店、数が出ているだけあって
蕎麦湯はナチュラルなのに風味が濃い♡

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ハッ!

いけないいけない
つい蕎麦湯でのんびりしそうになったが
私は急いでいたんだった!

さー 福井駅まで早歩きだぁ〜!






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2016年04月25日

福井・鯖江「佐野蕎麦」

私が見てきたお蕎麦屋さんの中でも
いろんな意味で飛び抜けた店に出会ってしまった。


本人が「入りにくい店」と自覚しているくらいだから
その入りにくさと言ったら尋常ではない。


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入口ドアの横の大きな店主の顔写真。
「入りにくいかもしれませんがお気軽にお入りください」
って言われても・・・



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「入りたくない」

と私の全身が言っている・・・・

変すぎてコワイよう・・・・(>人<;)



ベニヤ板に無数にベタベタ張り付けられた宣伝写真や
雑誌に掲載された時の記事。


加えてなんと、テレビに出た時のことは
シーン別に、セリフ付きで、全コマ紹介されている!!( °o°)

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よほど嬉しかったんですねえ・・
テレビ局や雑誌社の人もこんなに喜んでもらえたら嬉しいだろう。
でも、それにしたってですよ、
こんなに店の外に貼りまくるって・・・やっぱり変!?


加えて、店の前の車道際にはナゾの「歓迎旗」が。

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え?


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ええええ???


どうやら小田和正さんがここに来たのではなく
「いつでも待っている」ということらしい。
どんだけ可愛らしいファン心なんだ!!
忠犬サノ公かっ!
小さく書かれた「2日とも行きます!」ってのは今度のコンサートか何かの話らしい。
可愛い・・・可愛らしいのだが・・・やっぱりすごく変!?


さあいよいよ、重力に換算したら何百キロもありそうな「入りにくさ」を
押して押して店内に入ります。

だってこのお店に来るために鯖江まで来たんだから
入らないわけにはいかないのだー!


こんにちは〜〜〜



えっ


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予想以上に広い店内。
席数も多く座敷席もあるのだが
広さ云々より簾のあたりの雰囲気がなんだかとってもヘンである。
簾だけに海辺の店のような感じでもあるだが
目隠しのような暖簾まであるし、何となくあやしい。気になる。


暖簾をくぐり入ってみると・・

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マンガ図書館!!

ここがお蕎麦屋さんの店内であることを余裕で忘れられるほどの
マンガ・マンガ・マンガ!

なるほど、常連らしいお客さんは席に着く前にサッとマンガを手にとって
奥の席に座り早くもくつろいでいる。

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面白すぎる・・・

独特すぎる「佐野蕎麦」・・・・



印象はこれだけヘンテコなお店でありながら
実際に迎えてくれた店主はごくごく穏やかな、優しそうな人物である。
何を訊いても柔らかな声で、真面目に親切に答えてくれ
押し付けがましい感じなどは一切ない。


↓この写真からはあまり信じてもらえそうにないが。

各テーブルに置かれた
「佐野蕎麦説明書」「テレビ雑誌等掲載記事」「店主のプロフィール本(?)」
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ちなみに店主のプロフィールはこうなっている。

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理系の大学卒業、電機メーカー勤務後脱サラというところに
激しく納得してしまった私!(* ̄∇ ̄*)



店主は相当なラーメン好きでもあるらしく
おすすめのラーメン屋さんが大量に、熱く紹介されています。

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某「京都のラーメン好き蕎麦屋さん」と話合うかも・・・ラーメンだけでなく(^^)


そして神様が4人いるらしいです。

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やっぱり小田さんが一番に来るんですね〜(^^)




さていよいよ何を食べるか、なのですが
メニュー本があまりにも分厚いのでひるんで
まずはラミネート加工されている別紙のものから見ます。

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「蕎麦だから」「産まれるから」
なんとなくオフコースの歌詞っぽい!?

まさに今店内には
「♪愛〜を〜!止めないで〜〜〜!♪」
が鳴り狂っている。
その歌詞のロマンティックさとこの店内の雰囲気とがものすごいマリアージュとなり
私はだんだんトランス状態になってくる。


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は、はい、そうですね!!
でもたぶん私は塩もつけませんが怒らないでくださいね〜



薬味の使い方についてもこの通り。

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「お好きなタイミングで入れていただければいいので
 どうしてもではありません、ひとつの提案です」
とした上で店主のアイディアについて熱く語っている。

外観の「熱さ」も強烈だったが
店内もまたどこをとっても(強いて言えば店主以外は)
熱さでみなぎっている。

「♪愛〜を〜!止めないで〜〜〜!!そこから〜〜逃げないで〜〜♪」




さて、いよいよメニュー本に入ります。

あまり自慢になりませんが私は普段
「お蕎麦屋さんのメニューの理解」が非常に早いです(^o^)
お店によってはお蕎麦の種類が数種類あったり土日限定だったり、
+100円で田舎そばに替えられる種物があったり
夜だけしか頼めないおつまみがあったりしますよね。
これだけお蕎麦屋さんに行っているわけですから
そのへんの理解は早い、つもり、なのですが・・


蕎麦を極めた「佐野蕎麦」は、メニューの難解さも極まっている!!


まず1ページ目。
一見わかりやすく書いてあるような気がしたが・・・

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1 ダシがぶっかかっていないモノ
2 ダシがぶっかかっているモノ

とあるが、1はお蕎麦が3種あるのに2はお蕎麦が1種しかない。
てことは、お蕎麦を3種類食べたい場合は自動的に1になる?んですよね??
2のお蕎麦は1の中にあるものなのかな?
とにかくあるお蕎麦は全部食べたい私としては何種類のお蕎麦があるのか知りたいので
「お蕎麦は結局全部で3種類、なのかなっ?」と
このページでとりあえず理解する。


ところが次に右のページに行くと
「佐野蕎麦の四種類の十割蕎麦」と書いてある?
だけど写真にあるお蕎麦は三種類??


ページをめくってその次に進むと混乱は更に極まります。


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んん?

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んんんん???

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え〜〜〜〜〜!!?

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だめだ・・ギブアップ!!
何をどう頼めばいいのか全然わかりません〜(>_<)

というわけで店主にヘルプを求めると
穏やかな笑顔と共にソフトな声で教えてくれ
以下のことが確認できました。

「お蕎麦は3種類」
「4種類目のお蕎麦というのは超濃厚蕎麦湯である蕎麦〜ジュのこと」
「蕎麦〜ジュは注文しなくてもお蕎麦を頼めばサービスでついてくる」

なるほどー!

3種盛りのお蕎麦は「小1200円、大1500円」というので
迷わず「大で!」と注文。(^o^)
お蕎麦にお塩はついてくるけどダシは別売りなので
一応「醤油味」「塩味」の両方をもらってみる。

あー難しかった・・・
メニューを理解するだけでひと仕事終えた気分だ。



しかし「佐野蕎麦」体験でハードだったのはここまで・・・♡

ここからはじまる佐野蕎麦ストーリー「本編」が凄すぎる!!



「運ばれてきた瞬間、目が点になりました。」



「三種盛り(大)」
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( °o°)

( °o°)

( °o°)

えええーーーーっっ!!

全体に淡緑のヴェールをまとったような
恐ろしく美しい肌の色のトーンもものすごいが、
とりあえず目を奪われ目が離せなくなるのは
一番荒い「大地蕎麦(玄挽き粉)」である。
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(*ロ*;)

いやいや・・・・

いやいやいやいや・・・・

私もいろんな粗挽き蕎麦見てきましたけどね・・・

ちょっとこれはありえないっていうか
見たことないっていうか・・・


そこまでやるか!?
っていうかできちゃうのか!???

もうもうもう、本当にどうなってるんでしょう「佐野蕎麦」・・・


とりあえずこの「大地蕎麦」は三番目のお楽しみとして
すんなりした方のお蕎麦から、いよいよ・・


「すっきり蕎麦(スムース・細挽き粉 )」
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ええええええええ

ウワーーーー!!!

なんというなんという、すんんんばらしいかぐわしさ・・・!!
フレッシュな美しい青い香りが白いヴェールに包まれたような・・・
その奇跡のように美しい淡緑がかった肌色を全く裏切らない
素晴らしいかぐわしさに目がかっぴらく。
最初極粗挽きの「大地蕎麦」に目を奪われていた自分が愚かに思えるほど
この「すっきり蕎麦」は凄い!!美味しすぎる!(まだ食べていません)
口に含むと甘みはなく味はすっきり澄んで、
でも淡くもの足りないのではなく最高の美しい味わいがある。すっばらしー!!絶賛!!
三種類の中では一番すっきり繊細とは言え、切り方そのものは太く
むっちりムチムチー!とした肌をもぐもぐ噛みしめる感じ。
そのねっちりした中から、
白いヴェールをまとった薄緑の美しい味わいが、
その溢れる感じが、
私の頭のネジの全部を完全にゆるんゆるんに・・・
ああああああ おいしすぎる・・・・・



「モーレツ田舎蕎麦(玄細ブレンド粉)」
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三種類の真ん中のお蕎麦とは言え、
普通ならこれで十分「超粗挽き」である。
しかも褐色や白やオレンジがかった大きな蕎麦粒子の間に
鮮やかな緑の影が淡く揺らめいているのがタダゴトではない。
どんなお蕎麦なのか,ドキドキしながら手繰り上げると・・





たまらないーーーーーー!!!!!

なんですかこれは!なんですかこれは!!!
超〜〜フレッシュな黒く香ばしいかぐわしさ。
この香りの素晴らしさは尋常ではない。素晴らしすぎる。
舌触りは見ての通りザラッザラだが全体の食べ心地としてはすべらかでなめらか。
なめらかなザラザラ感を楽しんでいると時々ジャキッ!と
痛いくらいの激しい蕎麦粒が小さく暴れるのが笑えるほど楽しい。
そしてこれは味わいが大変に濃厚でもある。今日の三種類の中で一番濃い。
噛みしめるほどにフレッシュな蕎麦らしい若緑の味わいと
極上の炊きたてご飯のような白く上品なうまみ甘みが深まる深まる・・・

おいしいいい〜〜〜
これ以上はないと言っていいくらいおいしい!だいすき!!


そしていよいよ、その強烈な極粗挽きっぷりで私の度肝を抜いた、

「大地蕎麦(玄挽き粉)」
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うはははは
もう・・笑っちゃって脱力しちゃうほどの粗さですよね・・・?
みじん切りの野菜が蕎麦型につなげてあるのかっていうくらいの粗さ!
「大地蕎麦」の名前の通り、
大地をみじん切りにしてつなげたような蕎麦に見える。
メニューには
「とにかく塩に合う とにかく短くてスミマセン(笑)」
と書いてあるがこれだけ乱暴なまでの粗さを繋げたにしては
短いどころかむしろ長いと思う!凄い!

たぐりあげるとこちらもまた、超フレッシュな黒い香ばしさがたまらない。
最初、一つ前の「モーレツ田舎蕎麦」と同じ香りかと思いきや
だんだんこちらの方が横に下にズンと広がる感じの香りになってきた。
お煎餅とか煎りたてのゴマとかの香ばしさにも似て、
何より全てがフレッシュな印象であるところが素晴らしい。

そして食感であるが、さすがにかつて食べたことのない強烈なことになっている。
極粗い粒達が、極粗い粒達だけで手をつないでいる。
これでよくつながれると思うほど粗い粒、だけ!!
噛むとボロッと割れる感じがある粗さなんて初めてだ。
そして噛みしめるうちにジャキッバキバキッ!と「モーレツ田舎蕎麦」以上の
痛いほどの刺激が感じられるのがこれまた物凄い。楽しい。
これだけ粗いせいか甘みも味わいはすっきりめ・・
と思っていたら最後の方でおっ!おっ!?と白く美しい味わいがあふれてきて
さらに深遠な美味しさへ・・・あああああ もうどのお蕎麦も素晴らしすぎて
全くもって甲乙つけられません〜〜
んん〜〜でも強いて言えば、一番味わいが濃かった
「モーレツ田舎蕎麦」が一番好きかなあ・・
僅差だが・・



3種のキョーレツ蕎麦に嵐のようにもみくちゃにされて
汁には関しては全く、チラッと見る暇すらなかった私、
今はじめて汁を見ました。(^^;;)

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左が「塩味」
右が「醤油味」。

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「醤油味」は潔く甘み少なく研ぎ澄まされた感じのシャープな汁。
「塩味」は透明でビックリ!そして塩味と言ったからにはかなり塩分強めです。
なんだかキョーレツお蕎麦で脳がふにゃふにゃで
いつもより更に汁に関して頭がゆるゆる・・・(* ̄∇ ̄*)

私にとっては蕎麦汁はメインディッシュのソースと言うより
デザート・・いや、食後のワインと共に楽しむチーズに近いかも(^^)



しかし「佐野蕎麦ビックリ」シリーズはまだ終わっていなかった。

蕎麦湯が大変な事になっております。

説明書きがついてくる蕎麦湯って見たことないですよね・・・?
ウンチクではなく「取説」に近い感じ。

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??

「フタをとって横から注いでください」??

それもそのはず。

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ぬっっぱぁ〜〜〜!!

ありえません。
前代未聞のこのぬぱぬぱ濃厚強烈蕎麦湯。
濃厚すぎて固形寸前、蕎麦湯というより
焼く前のホットケーキかお好み焼きのような世界であります。

う〜ん そりゃそうですよねえ〜
これじゃあ湯桶の注ぐ口から注げませんよね〜〜

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というわけで注ぎ口は使わずにお客さんは湯桶の蓋をとって
湯桶をひっくり返して横から注ぐシステムとなっております(^^;;)

どんろ〜〜〜と重く生の蕎麦粉感あふれるウルトラ濃厚蕎麦湯。


あっ
「塩で食べる蕎麦」が売りの「佐野蕎麦」なのに
一度もお塩使わなかったლ(ʘ▽ʘ)ლ

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左手前が「ノーマル塩」であとは「ワサビ塩」と「梅塩」。
ノーマルは結構辛めの塩で、「ワサビ塩」はフワンフワンの食感が楽しい。




BGMはまだまだどこまでも「オフコース」一色である。
店主は穏やかそうに静かに厨房で働いている。
傍らの簾の奥にはマンガ図書館。

店の外には店主の写真や宣伝の紙がベタベタと貼られ、
大きな赤い看板が静かな古い商店街で異様な存在感を放っている。


今自分が、
福井県鯖江市のこんな面白い超名店に入り込んでいることが
面白くて可笑しくてしあわせで、

にやにやしながらぬぱぬぱの蕎麦湯を飲む私。













posted by aya at 08:25 | Comment(9) | TrackBack(0) | 北陸の蕎麦>福井 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする