海外の人が日本の文化に刺激され真似したいと思ってくれることは
とても嬉しいことだ。
日本の美しい文化を評価されているようで誇らしい気持ちになる。
以前アントワープに行った時、せっかく本拠地に来たのだから
日本ではなかなか覗かないDRIES VAN NOTENなんて
お洒落なデザイナーズショップも覗いてみようではないか!
と入ってみたことがある。
するとほとんどが鹿の子や青海波などの和柄でびっくり。
きっとその年たまたまデザイナーがジャポニズムに傾倒していたのだと思うが、
唐草柄のストールなんて私が巻いたら
コントの泥棒になるだけで下はモンペを履くしかない(^^;;)。
でも和の伝統柄の美しさ、海外の有名ファッションデザイナーを
今更ながらこれだけ揺さぶってしまう力に感動もした。
食においても、ヨーロッパでは回転寿司ばかりでなく、
その国の料理の中に日本風のものを取り入れるのが
もうずいぶん前から流行っているらしい。
美しい料理の中に椎茸の佃煮、豆腐、海苔の佃煮などを
発見することもしばしば。
メニューの中にShi-takeとかseaweed何とかとか書いてあることもあるが、
書いていないでお皿の中で唐突に出会った時は
「!?これは!?永谷園か桃屋か!?」とかなり衝撃を受ける。
洒落たお店のシェフほどそういう感覚を持っているので驚きはなおさらだ。
特に多いのが「謎の海苔巻き風のもの」で、
毎回短期旅行者の私ですら今までに数回出会ったことがある。
そしてその場合大抵海苔が厚ぼったくてカチコチに固く、
中に入ってるものは謎の中の謎である・・。
この写真は今回ハンブルクの人気フレンチレストランで出会った
Adler fisch(スズキに似た魚)のお料理。

私が日本人と思ってかこのお皿だけはシェフ自身が持ってきてくれ、
この付け合せの海苔巻きみたいのを
「これはスシを真似て作ってみたんだけどスシじゃないんだ・・中はライスじゃないんだ」
と一生懸命説明してくれた。
このシェフは他のお料理を見ても
その盛り付けの美しさが際立っている人だったので、
きっと海苔巻きの「見た目」に刺激されて
どうしても表現してみたくなっただろう。
そう思うと非常に光栄な気持ちになる。
コロコロ海苔巻き、メルヘンの中の小人さんのように可愛らしかった!
でもこのシェフには一度来日いただき、
日本の美味しい海苔巻きやお鮨を食べて欲しいな(^o^)
(このシェフの前菜の可愛らしさにもビックリ感動しました!!)