「熱いリクエストにお応えして第二弾開催!」
身体中どこを切っても手打ち蕎麦への愛が溢れ流れるのではないかというほど
手打ち蕎麦を偏愛している私。
もはやお蕎麦の香りを求め続ける虫のようなものである。
長年にわたって全国の手打ち蕎麦屋のストーカー活動に勤しんでいるため
日常生活に不便も出てくる始末。
全国各地のご当地名物はほぼ食べたことがなく(蕎麦屋巡りで忙しい)
食べすぎによるアレルギーになるのが本気で恐ろしいため
自宅では乾麺蕎麦はもちろん、蕎麦茶も自主的に厳禁としてきた。
そのため乾麺のお蕎麦を食べる機会は長年ほぼなかったのだが、
一度、海外に住む友人に乾麺蕎麦のお土産を持って行ったことがある。
私が一番美味しいと思うものを持って行こうと、
事前に集められるだけの乾麺蕎麦を買い集めて試食し、
その時ついでに
「勝手に乾麺蕎麦ランキング」というのをブログで書いたのだ。
実はそのページが当ブログにおいて
一番アクセス数が多いページでして!
それだけ「たくさんありすぎてどれを買っていいかわからない!」という方が
多いのだなあと思います。
雑誌社などから乾麺蕎麦の記事を頼まれることも多いし
人からも「美味しい乾麺蕎麦を教えて〜」とよく聞かれます。
というわけで!
「勝手に乾麺蕎麦ランキング! vol.2」、
今回も勝手に開催いたしますよー! (≧∇≦)
「Vol.1」で見事グランプリを受賞した蕎麦や
高遠彩子特別賞(笑)を受賞した蕎麦も
今回改めて食べ比べています。
また「マツコの知らない世界」で無類の乾麺蕎麦好きとして紹介された、
DEENの池森秀一さんオススメの乾麺も最終レースで出場します。
私自身びっくりした、衝撃の奮戦をくりひろげておりますので、どうぞお楽しみに!
今回エントリーしたお蕎麦は12種類。
この写真では10種類ですが
あとから残りの2種が飛び入りしてきます (≧∇≦)
それでは、はじまりまぁーす!
エントリーNo.1
「本十割そば 国産」信州戸隠そば
原材料:そば粉(北海道産)
おほーっ 初っ端から大変レベルの高い美味しい十割です。
赤みを帯びた肌からムワァーと濃厚に香るたくましいかぐわしさ。
平打ちのためヒラヒラと繊細な感じも出ていて
噛みしめるとねっとりとした質感である。
やや粉っぽさはあるが大変美味しい。
そーっと茹でないとお鍋の中でぼきぼき切れちゃうので注意が必要。
また表面のぬめりが強いのですすぎはしっかり、
でもそーっとお願いしますね〜
エントリーNo.2
「本十割そば」(信州戸隠そば)
原材料:そば粉
「エントリーNo.1」と同じメーカー、同じ十割だが
No.1は国産蕎麦使用、No.2は外国産の蕎麦使用である。
No.1も赤かったがこちらはさらに赤い。
平打ちのヒラヒラした繊細な舌触りは似ているが
こちらは噛みしめるとややスカスカとスポンジ風な空気感がある。
風味もこちらはちょっとひねたような野性味を感じる。
こちらもお鍋の中でぼきぼき切れちゃうの注意が必要なのと、
表面のぬめりが強いのですすぎをしっかりしたほうがおいしいです。
エントリーNo.3
「滝沢更科 八割そば」(滝沢食品)
原材料:そば粉、小麦たん白、小麦粉
前回見事グランプリを受賞した「滝沢更科 十割そば」の二八版ということで
期待高まるこちら。
十割版にも通ずる甘くこうばしい黒い香りが素晴らしいが、
やはり小麦粉が入ってくると途端に「ザ・乾麺」という風味が強くなる。
食感は不思議なポッキポキ!
硬いというより食感がポキポキしている。
コシはほぼなく、噛むとふっつり切れる。
茹で時間4分半と書いてあるけれど長めに茹でてみてもいいかも?
エントリーNo.4
「十割そば本舗 国産の二八そば」(山本食品)
原材料:そば粉(国産)、小麦粉、食塩
純和風のデザインが多い乾麺蕎麦界において
なかなかスタイリッシュなパッケージのこちら。
箸先から寄せた香りは最初かなりおとなしいのだが
だんだん静かに、じわーっと深くこうばしい香りが漂ってくるのが嬉しい。
さすがは国産蕎麦粉!
平打ちゆえのしなやかさ繊細さ、コシも程よく、素晴らしい食感。
印象はおとなしいがこれはなかなか優等生な乾麺ですねえ〜
エントリーNo.5 「韃靼蕎麦」(古舘製麺所)
原材料:小麦粉(岩手県産)、そば粉(だったんそば60%)、食塩
血液をサラサラにしてくれるポリフェノール「ルチン」の含有量が
普通の蕎麦の100倍ということで有名な韃靼蕎麦。
蕎麦肌の黄色さと独特の苦味が特徴とされているが
こちらも例外ではなく、茹での段階から茹で汁の黄色さにビビります。
もちろん茹で上がった蕎麦もご覧の通りの黄色い肌。
どんなものすごい味がするんだろう!?と思わず身構えてしまうルックスだが
ただよう香りは拍子抜けするほどいわゆる普通〜の乾麺蕎麦〜〜!な香り。
味も、長く噛んでいると苦味も少し感じる?という程度で
韃靼らしい特徴を強く感じることはない。
まあ蕎麦より小麦粉の配合量の方が多いので、初心者向けの韃靼そばかな?
こちらは
「すべての原材料を国産で製造しております」
ということで、小麦粉も国産というところがすごいですね!
エントリーNo.6
「韃靼玄そば」(池田食品)
原材料:小麦粉、韃靼そば粉、食塩
No.5同様、茹で汁も肌もかなりの黄色さ。
しかしこちらはモワァーと濃厚な二八の香りに加え、
韃靼らしい野生を感じる香しさがあるのが嬉しい。
蕎麦より小麦粉の配合量の方が多いせいか
たいへん軽い質感だがこちらはほんのりコシがあるのがいい。
余談だが、ルチンの多くは茹で汁に流れ出てしまうので
韃靼そばこそ蕎麦湯をたっぷり飲みたいところなのだが
No.5 や No.6のように原材料に食塩が含まれていると
蕎麦湯が塩辛くて全然飲めないのが大変残念な問題であります!!
エントリーNo.7 「戸隠そば」(信州戸隠そば)
原材料:小麦粉、そば粉、食塩
「戸隠そば」が有名でどんなお蕎麦なのか聞かれることが多いので
買ってみたこちら。
しかしこれは作っている場所が戸隠であるというだけで
蕎麦粉も国産ではなさそうだし
見た目も実際戸隠で食べる蕎麦とは程遠い感じである。
更科そばですか?というくらい真っ白な美しい肌。
小麦粉の混じった乾麺そばらしい甘い香りが濃厚に漂っている。
蕎麦粉より小麦粉の配合量の方が多いため当然かもしれない。
こういうザ・乾麺な香りは私はあまり得意ではないが、
それでも何も香らないよりは美味しいと思う。
私は乾麺を茹でる時、洗いすすぎはしっかりするほうだが
(手打ちそばの場合はあまりすすいじゃダメ)
しっかし洗いすすいだ後でも、こちらはかなり塩分を感じた。
食感も、コシがほとんどなくそのままふっつり切れちゃう感じが
少しさみしかったかな〜
エントリーNo.8
「特選そば」特選そば 十割(山本食品)
原材料:そば粉(国内産)
スーパーで買える十割そばとしては一番よく出回っていて
買いやすいのではないかと思われるこちら。
この、柔道場の看板みたいな迫力のパッケージは
売り場でもなかなか目立っています(^^;;)
しかし意外なことに十割でありながら「ザ・乾麺」な香りが強い。
しかしそれに加えて、むわあああとたくましすぎるほどの
力強い甘皮の香りもガンガン香るのが嬉しい。
食感はエントリーNo.2に似たスカスカ感を感じ、粉っぽさも多少あり。
エントリーNo.9
「丸々ながの県産 十割そば」(山本食品)
原材料:そば粉(長野県産)
高級感を感じるパッケージに期待が高まる長野の十割蕎麦。
はい、これは目をつぶって食べても長野産とわかりますよ!
長野らしい、シャープで野生的な香りをふわ〜っとまとっている。
やや粉っぽさを感じる質感でコシはなくフツリと切れてしまう。
私はどの蕎一応パッケージに書いてある通りの時間で茹でているのだが
茹で時間等でこれは改善できるのかなあ?
エントリーNo.10「滝沢更科 十割そば」(滝沢食品)
原材料:そば粉
前回の「高遠彩子の勝手に乾麺蕎麦ランキング Vol.1」において
栄えある第1位を獲得したこちら (≧∇≦)
今回あらためて食べてみましたが、
う〜〜ん、嫌味のないこうばしい香りが濃厚で、やっぱり素晴らしいですねえ〜
甘みも深く、噛んでいると黒い甘皮の旨みが広がってくるのがまた嬉しい。
乾麺の十割そばにありがちな粉っぽさも比較的少なく、コシもありよい食感だ。
説明通りにゆでると硬すぎたので、1分くらい多く茹でてちょうどいいかも!
エントリーNo.11 「挽きぐるみそば」成城石井
原材料:そば粉(北海道産)、小麦粉(北海道産)、小麦蛋白、食塩
前回「意外な美味しさにビックリしたで賞」という
アホなネーミングの特別賞を受賞したこちら。
だって蕎麦粉がたった5割しか入っていないとは思えない美味しさに
本当に驚いたんです!
今回あらためて食べてみても香ばしいかぐわしさが素晴らしい。
なにより香りに乾麺特有の嫌味がないの嬉しい。
やや平打ちでしなやか、コシもあり、
かみしめると甘み旨みもじわじわ出てきておいしい。
よく洗えば塩分もあまり感じないので
頑張ってすすいてでくださいね〜
さて、いよいよ冒頭でお知らせしていた
スーパールーキーが登場いたします。
ある意味これは、事件ですよ・・・
エントリーNo.12 「小諸七兵衛」信州ほしの
原材料:小麦粉、そば粉(国内製造)、食塩
「マツコの知らない世界」で
乾麺好きのDEENの池森秀一さんがオススメしていたというこちら。
そう聞いていなかったら、
私自身はおそらく買うことはなかったであろう乾麺蕎麦である。
なぜなら蕎麦粉配合量が五割にも満たないから。
韃靼蕎麦など他の特徴を紹介するために小麦粉の方が多いものを買ったことはあるが
普段は原材料の最初に「そば粉」と記載されているかどうかが
私にとっての美味しさの判断基準となっている。
蕎麦の香りを偏愛する私は、やはりどうしても乾麺蕎麦にも一番に香りを求めたいからだ。
しかし今回この 「小諸七兵衛」そばを食べた私は、
まさに目から鱗の衝撃を受けた。
まず茹で上がって盛り付けた時の姿がいい。
平打ちのしなやかな輪郭線。濃いめの肌に浮かんださりげないホシ。
おおげさではなく、手打ち蕎麦ですと言われたら信じてしまいそうな
素朴で美味しそうな「風情ある姿」なのだ。
ホラ!ね?
ちょっと手打ちっぽい風情があるでしょう?
しかし驚きはこの後も続く。
箸先で香りを寄せると、蕎麦の香りはほとんどないのだ。
蕎麦の香りを求める蕎麦虫な私は、ここで少々がっかりした。
しかし口に含むと、これは何だ。
繊細な平打ちで、噛むとざらっと素朴な質感なのに、
舌触りそのものはぷるぷるつるつるとしている。
この食感が素晴らしい。美味しくてつるつるいくらでも食べられそう。
つるつるだけだったらうどんだっていいわけだが、ざらっと素朴な質感とつるつるが
共存しているところがすごい。
また香りや味わいは、最初は乏しいのだが、食べ進み時間が経ってくると
乾麺らしい小麦粉感のある甘い香りがしっかり感じられ
蕎麦の味わいもほんのりと感じられるようになる。
やはり私にはどうしても蕎麦の香りの物足りなさはあるが、
それを差し引いてすらこんなに美味しく感じる乾麺蕎麦があることに
私はほとんどショックを受けた。
参った!
蕎麦粉率がこんなに低くてもこんなに美味しい乾麺蕎麦があるとは。
あんまり香らなくてもこんなに美味しく感じる乾麺蕎麦があるとは。
このつるつるつるつるいくらでも食べたくなる「小諸七兵衛」と比べると、
前回私が第一位とした「滝沢更科 十割そば」はやはり食感の点で大きく劣る。
ギャフンと声に出して言いたい気分であった。
この「小諸七兵衛」の衝撃を受けてあらためて思ったことは、
美味しい乾麺蕎麦を作るのは本当に難しいのだなあということである。
風味や香りを求めれば蕎麦粉の配合率が高いものとなり、食感はどうしてもボソボソする。
食感の良さを求めれば小麦粉の配合率が高いものとなり、蕎麦の香りや味わいが乏しくなる
手打ち蕎麦ならいくらでも両者を同時に実現できるので
ああやっぱり手打ち蕎麦ってスゴイなあ♡♡♡♡♡
とまたすぐ自分の愛する人にうっとりしてしまうのですが (≧∇≦)
このように、全ての美味しさの条件を満たすのは不可能と言い切っていい乾麺界において
美味しさの順位付けするのは大変難しい。
しかし「ランキング」というからには
一応順位をつけなくてはならないので、いきますよ!
第1位
「滝沢更科 十割そば」滝沢十割
やはり数ある十割蕎麦のなかではこれは非常によくできた
美味しい十割なので、前回に引き続き1位に選びました!
ダントツの香りの良さ、味わいの素晴らしさは
今回改めてこれが一番だと感じましたし、
食感も十割蕎麦の中では粉っぽさが少なくコシもあって美味しいです。
また十割蕎麦は栄養豊富でGI値も低いので
美容や健康にもよいというところもポイント。
パスタやうどん、そうめん、を食べるより
血糖値が上がりにくく太りにくいのは断然十割蕎麦ですよ〜ん!
第2位
「小諸七兵衛」小諸
今回のギャフン蕎麦でございます。
香りや味わいは確かに物足りない。
しかしこの姿の風情、食感の良さは乾麺としては素晴らしすぎます!
つるつるつるつる、いくらでも食べたくなる乾麺蕎麦なんて初めてでした。
私のように蕎麦の香りばかりを求める蕎麦虫でなく、
ちゃんとした人間の皆様におすすめしているのだという
自覚と反省をこめて2位にランクインさせていただきました。
第3位
「挽きぐるみそば」成城石井
前回特別賞受賞のこちら、今回は3位にランクインしました!
蕎麦粉5割といううまいところをついて、
「香り&味」と「食感」両方のいいとこ取りを狙い大成功しております。
成城石井に行けば売っているので探しやすいのもポイント高いですよね。
また余談ですが十割蕎麦ってお値段的にも高いのです。
小麦粉の配合量が多いほど買いやすいお値段になってくるので
その点でもこちらはいいですね。
以上、ハアハアハア・・・
もう書く方も疲れましたがここまで読んでくださった方もお疲れかと思います!
一緒に走っていただきありがとうございます!
このブログがみなさんのお役に立てれば幸いです(^^)
次回のブログでは、
「家で乾麺蕎麦を美味しく食べる私なりのポイント」
をご紹介しますね〜
お楽しみに⭐︎