私はかつてうっかりと伝説を作ってしまったことがある。
話せば長いのだが、かつて、
とある素晴らしいミュージシャンのCDのジャケット撮影ロケに、
何故か私が「スタイリストとして同行する」という、
前代未聞というか分不相応というか、
そんな不思議な面白い1日があったのだ。
もちろん当時すでに私はシンガーだったのにである。
撮影は新潟・南魚沼市の自然の中で行われ
当然自然光が大切であるから午前中から午後までが命。
しかし不埒な即席スタイリストであった私は昼時にはすでに
「このへんだと〜あの店とあの店(もちろん両方蕎麦屋)が近いんだけどなあ〜」
なーんてことも、考えていた(笑)。
そして撮影がやっと終わったのが15時過ぎ。
スタッフも皆様腹ペコだったので、
ようやくどこかに入って軽く打ち上げ、という話になり
この辺に適当なお店はないかと探し始めたのだ。
探すも何もこのお仕事の話をいただいた直後から
このあたりのお蕎麦屋さんを調べ上げていた私。
新潟のお蕎麦に詳しい愛すべき我が友にも連絡していろいろと聞き
その撮影場所から本当にすぐ近くに
大人数で行くのに良さそうな、手打ちの(ココ大事!!)、
へぎそば屋さんをチェックしてあった。
しかしその店にいざ行ってみると時間が時間だけに、ち〜〜〜ん。
やはりその時は中休みの時間で、やっていませんでした!
そうだよね。。。当たり前だよね・・・
と思いつつ、お蕎麦に関しての諦めがいまいち悪い私は
その新潟友に電話をしてみたのだ。
するとその友がそのまた友に電話してくれ、
その方はそのへぎそば屋さんの常連だったらしく
店に電話を入れ、なんとなんと、本当に申し訳ないことに
閉まっていたお店を開けてくれてしまったのだーーーーっっ!!
えええーーーーっっ!?!?
ごめんなさいーーー!!
まさかそんなことになるとはぁ〜〜〜(>人<;)!!
かくして私はその日初めて会った方ばかりの撮影スタッフの皆様方に
「閉まっている蕎麦屋を開けさせた女」
という強烈な印象、伝説を残すこととなった・・・(笑)
違うんです・・・そんなつもりじゃなかったんです・・・
閉まってるお蕎麦屋さん開けたことなんて一度しかありません・・・
(あるのかよ!(笑)
20年くらい前に渋谷で、店主が開店時間を15分過ぎても開け忘れて蕎麦打ちしていたので
3分の1くらいだけ開いていたシャッターから覗いて
入っていいですかあ〜?と自分で開けて入ったことがあります(笑))
さて、過去最高に前置きが長くなったが
今回やってきたのはそのCDジャケット撮影後にご好意で店を開けていただき
スタッフ一同で大喜びで美味しいへぎそばをいただいた
ご恩ある思い出の店である。

闇の中に輝く堂々たる美しい外観。
外観には特に手打ちと書いていませんが手打ちです!
蕎麦どころとして知られる新潟だが、
もともとツルツルのへぎそばを大量に食べる文化のある土地なので
有名一流店でも意外と機械打ちが多く、
手打ちのお店は貴重なのです♡
玄関が二重になっているところが
雪深い街らしい趣。

前回は大人数だったので大きな座敷を使わせていただきましたが
今回は個室風のお部屋で落ち着きます〜


カウンター席もあってさすが広いお店。

お目当てはもちろんこちら!

その他、種物メニューも多数充実。

全然見てなかったけどうどんもありました。
おつまみも郷土性があってすごくいい!迷う〜

別紙のメニューはいついかなる時も見逃せません♡


ぬぬぬ!!最後から3行目に釘付け!!
高遠の「ますや」や竜王の「山の実」を始め
蕎麦ピザを出すお店はいろいろあるが、
なにせ蕎麦切りのみならず「蕎麦生地を焼いたもの」にも
滅法弱い私、つい食べたくなるんですよね〜
一品目は、「煮肉愛好会(会員一名)」会長の私が
見たら必ず頼んじゃう大好物。
「牛すじ煮」

お肉もこんにゃくもたっぷり!
味噌の旨味が普通より濃厚だが甘くなくめちゃくちゃ美味しい。
ここの「牛すじ煮」最高ー!!
「八色しいたけの天ぷら」

これも見た瞬間に食べると決めたメニュー、
「厚いにもほどがある」のキャッチフレーズがある
南魚沼の特産である八色(やいろ)しいたけ。
見るからに大きくて綺麗で肉厚。
かじるとしいたけ汁がジューシーに溢れ出してたまりません〜♡
揚げ方もパリパリで、
うしろの石突きまで丁寧に衣がついていた。
時間経ってもパリパリで最高に美味しい天ぷら!
「蕎麦ピザ」

パッと惹かれてオーダーしたけれど
実は蕎麦ピザって当たり外れが大きいメニューだったりするので
ドキドキではありました。
でもここのは大当たり!
パリパリの薄皮の生地は、さすがお蕎麦で最高の香ばしさと風味♡
耳だけでもいくらでも食べたいくらい美味しい〜!

トッピングは何が載っているのかわからないけど
とにかくボリュームたっぷりで美味しい。
チーズ以外にたっぷり入ってるのはお味噌?でもチーズ味?
トマトの酸味も甘味もしっかりしていて
とにかく大変美味しい蕎麦ピザでした。
さていよいよ待ちに待ったこの方のご登場です (≧∇≦)
じゃーーーーーーん

やっぱりこの盛り付けは郷土性を感じて気分上がりますね〜
へぎそばとは、ふのりをつなぎとしたツルツルのお蕎麦ですが
「松よし」のへぎそばは山牛蒡もつなぎとして入っている二八のへぎそば。
しかも魚沼産の蕎麦を里山で雪室貯蔵、熟成させたという
「白袖そば」というこちらの名物蕎麦である。


ふのり入りだけどふのりの香りや食感は薄めなのが
お蕎麦の香りを嗅ぎたい一心の虫のような私には嬉しいところ!
黒い蕎麦らしいずっしりした外皮の香りが、
スキーッと爽やかに香り、時間がたっても変わらない。
食感はへぎそばらしいツルツルだがツルツルすぎないのもいい。
(本当にツルツル過ぎて食べながら滑って転びそうになるのもあります(笑))
いっやーーーここのへぎそばは本当においしい!
お蕎麦だけでいくらでも食べられちゃう (≧∇≦)
魚沼産の蕎麦粉に青森県尻屋産のふのり、
魚沼産山ごぼうを使用、手打ちの二八蕎麦。

蕎麦汁はかなり強烈な甘さ。
しかも鰹の風味がずっしり濃厚なので、鰹のふりかけみたい?
(口が悪くて誠に申し訳ございません(汗)m(_ _)m)
しかし、これがまた不思議なことに、
ここのお蕎麦をつけて食べてみると意外とそこまで甘くない。
しかも天ぷらそばにしたら激ウマ!! (≧∇≦)
永遠に食べられそうな美味しさなんですけどーー!
ナニコレなんの魔法?
個室のようなテーブル席だったので
店員さんは注文を取ったり運んだりが大変かと思ったが
それにしてもあまりにも無表情なので
ちょっとビビってしまいました(笑)
帰りがけ忙しそうな店主と少しだけお話しし、
元店主である父上は「松よし寺尾店」にいて
この本店は息子さんである彼が任されている話が聞けた。
忙しそうだったので私があの時ご迷惑をおかけして
素晴らしい時間を過ごさせていただいたことは話せなかったが
あの時の御恩は忘れないし、私には全てが繋がった大切な思い出だ。
この辺りには魅力的な低山も多くて
よく登りに来るので、またぜひお邪魔しますねー!
