また来ちゃったさー、
なかさ なかさ なかさ♪

東京からこんなに遠いのに、恐るべし「仲佐」の吸引力。
下呂の温泉には憧れつつも入ったこともなく
だいたいこの下呂の地で「仲佐」以外に行ったことのある場所は他にない。
毎回、この店に来るためだけに下呂に来て
そのまま帰るのは本当にもったいない話なのだが
東京への道のりを考えると仕方のないことなのだ。
前回はあまりの混みっぷりに驚いたが、
今日は「仲佐」らしい穏やかな時間が流れている。

端正な、くつろぎの空間。
ゆるやかな静謐さ。
「花盛蔵元直送大吟醸生原酒 しずく」

「仲佐」からそう遠くない、同じ岐阜県、八百津のお酒。
甘くてフルーティー。
「お通し」

乗鞍に大切な知り合いがいる私には。
稲核菜はふるさとの味。
今日は運良く「蕎麦掻」も頼めてラッキー!
うれしい〜♪
「蕎麦掻(限定十食限り)」

ああ・・・
いつもながら「仲佐」の蕎麦掻は本当に、いいなあ〜

ほのぼのとたちのぼる、凛としたかぐわしさ。
箸先ではふっくらむっちりとしていながら
口の中に入ると滋味深き味わいとともに、とろ〜ざら〜とやさしく溶けていく。
ウワーン おいしいよう〜
「胡麻豆腐」

つるん とろ〜とした独特の食感が上品な一品。
胡麻といわれればまさに胡麻の風味だが、
それよりも濃厚豆乳のような上品でクリーミーなコクをまず感じる。
甘い味噌ダレに山葵がよく合う。
「飛騨銘酒熟成古酒 天恩」

おおーっと これはさすがに大人のお酒であります。

なめこ入りの蕎麦粥。
少し甘めで鰹と柚子の効いた、まさにお酒のアテ向きの味。
「出し巻き(平日限定)」

曇り無き、黄金色の宝物。
どっしりフワンと重なりあう眺めの豊かなことと言ったら!

出汁の旨味と卵の旨みがぎゅーっと濃くておいしい「出し巻き」。
甘くないのが嬉しい〜♪
フワンフワンではなくしっかり密な食感。
これだけのボリューム感と濃さを持ちながら
非常に洗練された上品さがあるのはやはり出汁の良さだろう。
まさに「さすが」の一言である。
「手挽きざる」

き きた
私の大好きな大好きなひとが

はあー
なんと繊細な素朴さ、なんと貴いたたずまい・・

香りにふれてハッとする。
蕎麦の香りの澄んだところだけをふわりとすくい上げたような、
天女の羽衣のような、どこまでも美しい香り。
しかもそれが濃厚!
ちゅるヒラとした極細ながら、一本一本に凛とした存在感がある、
こんなに細いけれど、春風亭昇太師匠の「ときそば」のように
一本一本を「ちゅ〜〜〜パッ」と楽しむことすら出来そうだ。(^^)
(昇太師匠の「ときそば」の面白さは世界遺産級なのです、超おすすめ!)
ちゅるヒラの内側には無数の蕎麦のザラつぶをはらみ、
それを見つめるうち、天女が舌の上にはらりと横たわり、
そのまま味わいとなって溶けていくかのような。
もうダメです降参です・・・
どうにも 大好きすぎます・・・!!
「仲佐」は接客もまた素晴らしい。
今日は久々に奥さんの接客だったが、
なんともほのぼのとやわらかく、
庭の花壇にポンポンダリヤが並んで咲いたような気分になる。
店を出ると前回も見たこの張り紙が。

この張り紙もいかにも「仲佐」らしくていいんだなあー
帰りは産直で、山のお宝をいろいろ買い込みしあわせ!
大金持ちになった気分だ。

2011年8月の「手挽き手打ち蕎麦 仲佐」