2025年11月21日

岐阜・白川郷「蕎麦庄やまこし」



はるばるこの地に辿り着いた時

その存在のあまりの美しさに呆然とした。


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驚くほど大きくて美しい家が、森の中に建っている。

そして今からこの中で、美味しい手打ち蕎麦が食べられる。


言葉では言い尽くせないほどの幸せだ。


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中に入ると、さらに息を呑む。

き、綺麗すぎん??
200年も前の家だなんて信じられないほど、ピカピカに美しいのだ。
大切になおされ手入れされながら、呼吸し続けてきた家。

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スペースはうんと広く、そこにどっしりとしたり家具や麻の暖簾などが実にセンスよく配されている。

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長年いろんな素敵なお蕎麦屋さんに出会って来たが、
大きさも含めて、この存在感の美しさはその中でも飛び抜けている。


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日本の家の美しさというものはこの100年くらいで迷走しまくってしまったが
私は、ここに帰りたい。 
ここに帰って来たいという美しさが、
完璧な形ですここにある。


なんとね、ここは「旅館」でもあるんです。
「料理旅館」ならぬ「蕎麦旅館」。
えーっ本当にここに帰ってこられるの?寝起きできるの?

それは是非一度体験してみたい!!


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メニューは少数精鋭ながら、山の恵みがいっぱい。
さっぱり食べたい人もガッツリいきたい人にも対応してくれそう(≧∇≦)


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選んだものは

「白川合掌とうふの冷奴」(300円)
「ざるそば」(1200円)
「温泉玉子そば」(1300円)

「ざるそば」(1200円)ってのはまあ観光地価格と言えばその通りなのだが、
今日に限って言えばこれでも安いくらいに感じた。
遅い時間に来たため広いスペースにはほとんど人がおらず
静寂そのもの。

窓の外は緑の光に溢れ、
200年前の家の中に美しい陰影を与えている。

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「白川合掌とうふの冷奴」
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見た目は島とうふみたいにがっちりしているが
食べてみるとそこまでではない。
昔ながらの感じの木綿豆腐。




「ざるそば」

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おお〜

黒い肌、やや平打ち。
ぬったりずっしり重たげに皿の中央にぎゅっと盛られている。

そしてこのお蕎麦。
なんとなんと「自家栽培」の白川郷在来種なんです!


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思い切り香ばしい黒い、だけど甘くない澄んだ香り。
これに似て、甘くてムワァーとむせぶような香りのものはいくらでもあるが、
この澄んだ美しさは稀有!!素晴らしい!!
しかもこの質感。
もったりと優しい、二八っぽい質感(正確には8.5割らしい)の中に、
チクチクするほど楽しい刺激が忍ばせてある。
味わいも滋味深く、しかもフレッシュに澄んでいて最高。

おいっっしーい!

こんな素敵な場所でこんなに美味しいお蕎麦が食べられて

しあわせすぎるーー!!



「温泉玉子そば」
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無類の卵好きのためどんなメニューか見たくて頼んでしまった。
冷かけの上に温玉。
そんなんお蕎麦がどんなお蕎麦でも美味しいに決まっとるわー!

「自家栽培」の白川郷在来種、手打ちの
こーーんなめっちゃくちゃ美味しいお蕎麦を
温玉で食べちゃうのは勿体無すぎて
一口一口ヒヤヒヤしてしまうが・・・(蕎麦貧乏性(^^;;))


これぞ、究極の贅沢。


果たしてここに泊まったらどんなご飯を食べられるのか?


気になりすぎる!!







この美しい家で、いつか眠りたい。




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2025年11月19日

岐阜・名鉄岐阜「そば くら富」


朝の静かな商店街で
毎日繰り広げられる熱い戦い。

事前情報で熾烈な闘いを予想した私は、
開店45分前の10:15に店前に辿り着いた。

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よかった、誰もいない。

しかしシャッターが閉まっていると、
本当にここが店なのか心配になるくらい店名を示す看板が小さい。
程なくして、若い女性がやって来て私の後ろについたので
「よかった、ここでいいんだ」と安心して待つ。

10:45には私の後ろに7人の行列が完成。
ところがその後は人数が増えないまま11時の開店を迎え、
シャッターが開き、店内に通された。
45分前から行列ができていたのに開店直前には意外と来ないって、
「気合い入ってる勢」の気合いが熱すぎるということなのか?
この時点で面白い!
(7人全員座れたので全員が11時に来ても同じだったってことだもんね〜。
 ってバッフバフで一番に来た私が言うのも何だが笑)

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店内は驚くほど広い。
都内の小さな蕎麦屋に慣れている私からしたら迷路みたいに広い。

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そして最終的に高級鉄板焼き店みたいな大きなカウンター席に辿り着き、
その1番奥に案内されて座った。


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蕎麦屋ではあるが、どうやらこの店では
「天ぷらざる蕎麦セット」がスペシャリティ?
とにかく大人気メニューらしい。
天ぷらはこの大きなカウンターを生かして揚げたてを一つずつ提供するスタイル。
お蕎麦が出るのはその後になる。

でも今日は平日なので、まずコレから行くもんねーー! (≧∇≦)/

「そばがき」(平日限定)



うわっっ
キターーーーーーーー

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汁入れが一体になったユニーク&洒落た器も目を惹くが
それについて言及する心の余裕は今全くない。
なんという肌!!なんという絶景!!
これは・・・ぜったい香るぞ・・・

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ギャーーーーーーーーー!!

この強烈なフレッシュさ、
素晴らしきかぐわしさよ!!

何と言うか、フレッシュの中でも水分を濃厚に感じるような、
私に出会うまでに一度粉になったとは思えないような、
青い蕎麦の実を今ひねりつぶしましたみたいな、
みずみずしい生命力に満ちた香りが最高すぎる!!
食感は、がっつり大きなザラつぶをはらんだ
ドロドロねちょ〜とした穀物の粘り。
お箸にはくっつきまくるがとにかく香りが最高!
味も最高!
朝イチ食べたものがこれって
罪悪感を感じるほどの贅沢なんですが〜・・・幸せすぎて倒れる。


しかもこのそばがきに添えられた味噌は
「蕎麦の実を三年半熟成」したものだそうで。。
この美味しさにまた私は腰抜かしました。
あちこちの蕎麦屋で出会う美味しい蕎麦味噌の3歩先を行く?3m奥を掘る?
とにかく香ばしさと旨みの質がすごい蕎麦味噌。
ひと舐めして「ウワ美味しい」
ふた舐めで「ナニコレ!?」
とビビるほどの美味しさ。
ひゃ〜〜 参りました!!


しかしこれで腰を抜かしていてはいけない。
この店の真骨頂はここからである。

「くら富」という天ぷら劇場。
その圧倒的な美味しさ。
もうもう、ほんとに、ひっくり返りました!!!

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蓮根、かぼちゃ、ブロッコリー、ナス、えび。
舞茸、椎茸、マッシュルーム、どんこ椎茸、花びら茸、松茸。

とにかく記憶の限りでこんなにフレッシュで「鮮やかな天ぷら」を食べたことがない。

限界の薄衣は脂っこさゼロ、でありながら上品で淡い印象のものではなく、
パーン!と弾けるようなド派手な美味しさ、豊かさに満ちている。

一つ一つの野菜の個性が最大限に、花火のように口の中で弾ける。


ナンダコレハ!?

こんな宇宙最上級の天ぷらが
蕎麦屋で出てくる意味のわからなさ(笑)!

とは言え、朝イチ並ぶ人の素早さがわかる要因もあり。
最後の方に揚げられてきたものは、最初とはかなり様変わりして、ずっしり脂感のある感じにはなった。
脂が良いのでそれでももちろん美味しいのだが!
早く来れば来るほど、フレッシュな脂で揚げられた天ぷらが食べられるって。。天ぷらの道は大変だあ〜 (≧∇≦)


  
天ぷらでベロンベロンに腰砕けだった私だったが
このあとついについに、会いたかったお蕎麦さんに会うのだから
心清めて、身を澄ませて待つ。



「ざるそば」
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「最初に、細挽きのお蕎麦です」と置かれて、まずその風情に見惚れる。

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細打ちの黒っぽい肌に無数に散る美しいホシ。
そしてこのツヤ感は、もしや熟成かな・・・?と香りを寄せると・・・

ぎゃーーーーーーー
ナンデスカこのとんっっでもなく美しい香りは!!

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香ばしいとか甘いとか、香りの形容はいろいろあるが、
同じ形容の中にもやはり優劣はある。
この「澄んだ黒い香ばしさ」は、
この形容の中でも頂点と言っていい美しさだ。
長年蕎麦を食べ続けていると経験豊富過ぎちゃって(笑)
熟成恐怖症にもなったりするのだが、
これは本当に最高の形、熟成万歳としか言いようがない巧い熟成である。
口に含むと素朴なザラつきのある肌と
繊細な細打ちの舌触りがたまらなく心地よく、
食感はややクッキリでポキッと感があるのだが、
噛み締めると不思議としなやかで固さは全然気にならない。
噛み締めた内側から甘さのない硬派な滋味深さがほんのりと広がり、
う〜ま〜い〜〜
なんなのこれ最高すぎるんですけど〜〜!!!


「粗挽きざる」(伊吹在来)

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香りを寄せて思わず小さく叫んでしまった。
なにこれ!?
カール(お菓子)カレー味ですか!?!?
例えが悪いようだが、もっと細かく言えば
「カールカレー味から化学調味料を取り除いたような香り」。
(誤解を招く表現を何度も言う(笑))。
もちろんこの蕎麦に何かおかしな味付けしてあるとかではなく、
この伊吹産の蕎麦という穀物から店主がそこまでの香りを引き出しているのだ。
言うなれば
とうもろこしのような香ばしさ+クミンのようなスパイシーさ+穀物の濃厚な甘い香り、
なのかもしれない。
何十年も蕎麦を食べて来ている私は、
今までに「天ぷらの味がする蕎麦」とか「草餅の味がする蕎麦」とか
変わり種に出会ったことはあるが、今回もまた記憶に残るビックリな出会い!
これ、とんっっでもなく美味しいーーーーー!!
ってここまで書いてまだ一口も食べていないんですけどねこの人(笑)

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口に含むと感動はさらに!!
口いっぱいに、もういくらでもふんだんに溢れる
澄んだ香ばしさ、甘さ、滋味深さ。
こちらも細挽き同様やや表面にはポキ感があり、
しかも太めなので噛み応えがあるのだが、
これまた不思議なことに全体としてはしなやかで食べやすい。
とにかく香りを寄せては酔い、噛み締めては酔い、
もう食べているうちにグデングデンに泥酔してしまう!!

どちらの蕎麦もあまりにも美味しすぎて、
例によって蕎麦汁をつけることが一度もできないままお蕎麦を完食してしまったが、
ここは蕎麦汁の美味しさもまた頭抜けている。

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普段は全体にまろやかで「甘いとか辛いとか、何も思わない汁」が一番美味しい、
なんて思っている私だが、ここの汁はそれにしては酸味がめっちゃ華やか。
キュンッと一番に舌の上にそれが来るのだが、
その後に来る落ち着いた旨みや甘みが、
なんともバランス絶妙でひじょーーーうに小慣れた、
完成された美味しさになっているのだ。
こんなのズルイよ美味しすぎだよ!!
と、一度もつけずにお蕎麦を食べ終わっちゃったお行儀悪い負け犬の遠吠(笑)。
あああ〜これは是非つけて食べてみたかったなああー!
この美味しさの訳は、
目の前で掻き続けているフレッシュな鰹節によるところも大きいんだろうなあ〜

店主は物静かな雰囲気でてきぱきと天ぷらを揚げ、
蕎麦を出し続けている。
きちっとユニフォームを着た奥さんらしい女性が
それをサポートし、少しの暇にも鰹節をかいている。

BGMも何もない、しずかな空間。

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朝の誰もいない商店街に、開店45分前からできる謎の行列。


岐阜が誇る天ぷらと蕎麦の名店は実にひっそりと佇み、
どこにもない堂々たる世界を秘めている。




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2025年10月11日

岐阜・関「そばきり萬屋町助六」


天晴れと言うしかない美意識、その蕎麦、その世界。

今回は大変久しぶりになってしまったが、

ここで過ごした時間のきらめきと楽しさは、あらためて衝撃に近いものだった。


ととのった、美しい外観。

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正面だけでなく、脇には良く手入れされた朝顔が。


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今は本町というありふれた名前になってしまったが、

かつてここは萬屋町という土地だった。


店に入ると、これまた美意識を感じる凛と美しい空間。

以前奥にあった小上がりはなくなっていて、そこここに茶室を思わせる美しい花が生けられている。

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桔梗と、撫子。

額にあるのは店主の娘さんの五歳のときの傑作 !

下段はメニュウ名なのよ (≧∇≦)

心温まる洗練。



美濃和紙の趣もあってここにしかないメニュー本になっている。


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研ぎ澄まされているけど、あたたかい。

いいなあ〜〜 (≧∇≦)




「そばがき」

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ギャーーーーーーー!!

キタァァァーーーーーーー!!!


これは、ぜっっったいに、美味しい!!

全宇宙に私が公約宣言!!

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爆発しそうな胸を押さえつけて香りを寄せると・・・

おおお〜

王道のふくよかさ、滋味深さであります。

しかし!!口に含んでそれはそれはビックリしました。

この甘さは一体・・・!?

こんなに甘みがある蕎麦は初めてかも、というとんでもない甘さ。

しかしよくよく見つめるとそれは甘みだけでなく、強い旨みが下に重なっていることがわかる。


飛騨宮川の蕎麦から店主が引き出した、飛び抜けた味わい。

クリーミーと言ってもいいコクと甘み。

ふっくらモチモチどろペタ〜とした質感の中に感じる大きめの粒感の新鮮な刺激。

この稀有な美味しさ、本当に驚き!!

いっや〜〜 ビックリしましたあー!!

最高!!




「卵焼き」

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「だし巻き」でなく「卵焼き」。

てことは甘いのかな?

東京だと「だし巻き」と書いてあっても甘かったりするのだが・・・

助六のは、全てを削ぎ落とした超薄味!!


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もちろんお砂糖などの甘味は加えず、塩分も限界まで控えてあり、卵の味わいのみが閉じ込めてある。

もう・・・参った。さすがとしか言いようがない。



「天ぷら盛り合わせ」

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うわあ・・・美しいーーーー!!

絵のような美しさとはこのこと。

本物なの?と思ってしまうほど、薄衣から透ける綺麗な野菜の色がカラフルでころころしていて、可愛らしさのある美しさ。


口に運ぶ瞬間、素晴らしく美味しい天ぷらから感じられる揚げたての衣のいい〜香りが・・・

アレ?しない。

シーンと、静寂。

ところが口に入れてみると、ウワーッなんという軽さ!

脂っこくないどころか、羽が生えて飛んでいってしまいそうなほどかろやかで美しい天ぷらなのだ。

衣の香りや味わいはほぼ感じさせず、新鮮な野菜の香りや味わいだけが極薄衣の中に閉じ込めてある。 

ゴーヤ、茗荷、トマト、飛騨高山のすくなかぼちゃなど。

こんなに野菜の味だけが鮮やかに美味しい天ぷらって初めて食べたかもー!


そしてこの「助六」の、そばきり以外のスペシャリティはなんといっても

「そばがきの天ぷら」!!

「そばがきの天ぷら」!!

感極まって2回叫んでおります。

これについては、世界一美味しい天ぷらと言っちゃっいます(※日本一の蕎麦浮気者です)。

口に入れちゃったので単体の写真がなくて誠にすみません(笑)。

薄衣の中から、ほにょんっほにょんとろとろとろ〜ととろけるそばがきのなめらかさ、香り高さ、滋味深さ・・・

もーまっすぐ座ってるのは無理です。。。

これはさー、やっぱり「そばがきの天ぷら」1200円

を単品オーダーすることを

全人類に激しくお勧めいたします!!



「ざる」(栃木鹿沼、夏新、十割)

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ぎゃーーーーーーーーー!!!


もう もう もう

胸が張り裂けそうです


美しすぎて!!嬉しすぎて!!



「萬屋町そばきり助六」の、ざる。

蕎麦そのものの美しさもさることながら、

この高台つきの笊とくり抜きの盆が、唯一無二の佇まいを決定づけている。


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素朴に震える輪郭線、ホシを湛えた肌は、手作りの風情に満ち、蕎麦を育てた人打った人の愛情まで湛えたようなやさしいやさしい姿。

どんな香りかな?とワクワクしまくって香りを寄せると・・・

おっほー!!これはこれは、予想もしないユニークなかぐわしさ。

新蕎麦という印象よりずんと落ち着いた穀物の香りと味わいを淡くふわっとまとっている。

そして何より、やさしさと素朴さのバランスがたまらない肌の質感と豊かなコシが最高!!

あああああああ

しあわせだあ〜〜〜〜



「田舎」(島根・三瓶山)

打って変わってこの迫力。  


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黒々、ずっしりとした田舎蕎麦の姿だが、荒々しさというものは全く感じられない。

全てが計算され尽くされたようにととのった佇まいは、まるで何百年もそこにいる日本庭園の庭石か何かのような静かな迫力がある。

かなりの粗挽きだが本日はこれでも「狙いより細かく挽いた」らしい。 


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香りを寄せると

うおおおおおおおおおお

すっごいたくましさ、力強さ!

大地というより海を思わせるような豊かな有機感を感じる香りだが、咽ぶようなたくましさではなく澄んだ美しさも合わせ持つところが素晴らしいー!

もう食べなくても最高すぎぃーーー!

口に含むとジャッキジャキの殻の刺激とぬったりしたやわらかさのバランスがニクイ。

そしてそこから溢れる黒い味わいの美味しいことってったらアナタ!!

  

あああああああああーーー


助六さんだいすき。。。。。


「円空なた切り」

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キタキタキター!♡

助六ならではのこの楽しい姿!! 


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美濃国生まれの円空和尚がもしお蕎麦を作ったらこんなんじゃないかな、

という楽しい空想から生まれたお蕎麦。  

もうー、助六さんのアーティストっぷりには参っちゃうよぅ〜ニクいなー!(≧∇≦)


粉は先ほどの「田舎」と同じなので同じ味のはずなのに、「エッ本当に同じ?」と確認してしまったほど違って感じる。

こちらもジャキジャキではあるがこちらのほうがやや微粉に感じ、手作りの草餅くらいの(そんな形容詞わかんないだろ笑)ジャキジャキさ。

極太の平打ちなので舌とお蕎麦が出逢える場所が広く、深く抱きしめているような抱きしめられているような満ち足りた幸せ。

軽やかに美しい黒い味わいがたまりゃにゃい〜〜〜〜〜!!♡♡♡


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例によってそばきりに興奮しすぎて結局全然つけられなかった大悪党だが、

ここは蕎麦汁も超絶に美味しい。

おいっしいねぇえぇぇえ〜〜〜〜!!

と爺さんのように唸り続けてしまう、すっきりしつつも深い、それでいてひょいと全てを超えたような美味しさ。

できることならこの美味しい汁にお蕎麦をつけまくって食べまくりたかったが、

それは胃があと2個くらいないとできなさそう。

お蕎麦が美味しすぎるのがいけない!!(笑)



もうもうもう、なにもかもが素晴らしすぎて美味しすぎて

グデングデンの私(※この日は飲んでません笑)に、トドメのコヤツ。


「わらび餅」

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ちょっ


待って何コレ


美味しすぎるんですけど!?


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私が人生で食べたわらび餅の中でもブチ抜けた美味しさ。

しかもなんとこれ、全て手作りなんです!!

あれだけのお料理と数種の蕎麦を打ち分けながら、どこにそんな時間が!?


助六さん、やっぱりフツウの人じゃない。。。


この日はお昼に行きましたが、私夜寝るまでに「楽しかった」「美味しかった」って何回言ったかな?

壊れたおもちゃみたいに言い続けてました(笑)



美濃国萬屋町に助六あり!



ああ

距離を忘れて

またすぐ行きたくなっちゃうんだなぁー・・・









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posted by aya at 17:31 | Comment(0) | 東海の蕎麦>岐阜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月01日

岐阜・下呂「手挽き手打ち蕎麦 仲佐」


また来ちゃったさー、
なかさ なかさ なかさ♪

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東京からこんなに遠いのに、恐るべし「仲佐」の吸引力。

下呂の温泉には憧れつつも入ったこともなく
だいたいこの下呂の地で「仲佐」以外に行ったことのある場所は他にない。

毎回、この店に来るためだけに下呂に来て
そのまま帰るのは本当にもったいない話なのだが
東京への道のりを考えると仕方のないことなのだ。


前回はあまりの混みっぷりに驚いたが、
今日は「仲佐」らしい穏やかな時間が流れている。

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端正な、くつろぎの空間。
ゆるやかな静謐さ。


「花盛蔵元直送大吟醸生原酒 しずく」
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「仲佐」からそう遠くない、同じ岐阜県、八百津のお酒。
甘くてフルーティー。



「お通し」
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乗鞍に大切な知り合いがいる私には。
稲核菜はふるさとの味。


今日は運良く「蕎麦掻」も頼めてラッキー!
うれしい〜♪

「蕎麦掻(限定十食限り)」
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ああ・・・
いつもながら「仲佐」の蕎麦掻は本当に、いいなあ〜

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ほのぼのとたちのぼる、凛としたかぐわしさ。
箸先ではふっくらむっちりとしていながら
口の中に入ると滋味深き味わいとともに、とろ〜ざら〜とやさしく溶けていく。
ウワーン おいしいよう〜




「胡麻豆腐」
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つるん とろ〜とした独特の食感が上品な一品。
胡麻といわれればまさに胡麻の風味だが、
それよりも濃厚豆乳のような上品でクリーミーなコクをまず感じる。
甘い味噌ダレに山葵がよく合う。



「飛騨銘酒熟成古酒 天恩」
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おおーっと これはさすがに大人のお酒であります。



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なめこ入りの蕎麦粥。
少し甘めで鰹と柚子の効いた、まさにお酒のアテ向きの味。



「出し巻き(平日限定)」
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曇り無き、黄金色の宝物。
どっしりフワンと重なりあう眺めの豊かなことと言ったら!

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出汁の旨味と卵の旨みがぎゅーっと濃くておいしい「出し巻き」。
甘くないのが嬉しい〜♪
フワンフワンではなくしっかり密な食感。
これだけのボリューム感と濃さを持ちながら
非常に洗練された上品さがあるのはやはり出汁の良さだろう。
まさに「さすが」の一言である。




「手挽きざる」
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き きた
私の大好きな大好きなひとが


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はあー
なんと繊細な素朴さ、なんと貴いたたずまい・・

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香りにふれてハッとする。
蕎麦の香りの澄んだところだけをふわりとすくい上げたような、
天女の羽衣のような、どこまでも美しい香り。
しかもそれが濃厚!
ちゅるヒラとした極細ながら、一本一本に凛とした存在感がある、
こんなに細いけれど、春風亭昇太師匠の「ときそば」のように
一本一本を「ちゅ〜〜〜パッ」と楽しむことすら出来そうだ。(^^)
(昇太師匠の「ときそば」の面白さは世界遺産級なのです、超おすすめ!)

ちゅるヒラの内側には無数の蕎麦のザラつぶをはらみ、
それを見つめるうち、天女が舌の上にはらりと横たわり、
そのまま味わいとなって溶けていくかのような。

もうダメです降参です・・・
どうにも 大好きすぎます・・・!!



「仲佐」は接客もまた素晴らしい。
今日は久々に奥さんの接客だったが、
なんともほのぼのとやわらかく、
庭の花壇にポンポンダリヤが並んで咲いたような気分になる。



店を出ると前回も見たこの張り紙が。

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この張り紙もいかにも「仲佐」らしくていいんだなあー



帰りは産直で、山のお宝をいろいろ買い込みしあわせ!
大金持ちになった気分だ。

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2011年8月の「手挽き手打ち蕎麦 仲佐」


posted by aya at 11:13 | Comment(7) | TrackBack(0) | 東海の蕎麦>岐阜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月01日

岐阜「胡蝶庵 仙波」


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名店は住宅街の角地に突然現わる。

料亭のような日本家屋は
当に威風辺りを払うといった体である。



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店内に入るとぐっと暗い。
しかし「照明が落とされている」というよりは
これが古来自然な明るさと思える。

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待合も兼ねた三和土の空間。

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この店の名高さは格調高き佇まいからだけではない。




「そばがき」
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無駄も隙も一切ない洗練の空間で出会った、荒々しきうねり。
汁と塩、両方が添えられている。

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ふわーっ

とゆたかに香る、ふっくらしたいい香り!
ふっくらしつつも、やや枯れた趣を含んだ香りであるところが
この空間に合っている。
フワフワと軽いタイプでなく、
ざっくりモチッと食べ応えのあるそばがきである。





そして何より、蕎麦だ。


「ざる蕎麦」
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これだけの粗挽きながら、はかないまでの繊細さ。
口に含むとこわれてしまうのではないかと思うほどだ。
しかしその肌はやさしく美しくつながったまま、
無数の凹凸が口中をめぐる。魅了する。
大切に噛みしめれば、ハラリこわれそうな絶妙のコシ。
それらが全て、フレッシュなピーナツのような、
最高の香りと味わいの中にあるというこの物語!!(興奮しすぎ)

「おいっしいーーーーーーー!」
と叫びたいのをこらえるのが苦しく
小さく「おいしいーっ おいしいーっ」とうなされたように
言い続けながら食べる。
余計怪しいが悪いのは私ではない。この蕎麦だ。


「手碾き蕎麦」
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・・・もうダメ。



たしかにさっき
最高と言いましたがね

これまたあんまりにも
さいこうなのです


このっ

石のような墨のような
渋〜〜〜〜い、
しかもおいし〜〜〜い香りはなんでしょう。

噛みしめてジワジワ深まる
この麻薬のようにおいしい滋味はなんでしょう。

「ざる蕎麦」よりぐっと太くしっかりした肌は
噛みしめるとジャリ感がたのしく、

でもそんなことより
意識を保つのが困難なほど、
ああああ おいしい・・・



蕎麦の余韻を全身に響かせつつ、
蕎麦湯。

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この店の座布団は広々ふかふか座り心地が素晴らしい。
何だか私は恍惚としたままこの座布団に乗って
孫悟空のように岐阜の空へ飛んで行ってしまいそうである。




これだけの空間でこれだけの蕎麦が1枚945円。
2枚食べれば1575円。
手碾きでも値段は変わらない。
一食の食事からあれだけの感動をもらった私には
むしろ安いと感じられる。

多い安いの庶民的な蕎麦屋でないことは店構えでわかるし
こういう店に来て怒る人の気持ちが私にはわからない。
(もちろん、こういう展開は非常に珍しくて楽しいが!)


日本中が格調高き蕎麦屋だらけでは困るが
こんな店にたまに行くのは心から楽しい。
楽しみにする時間がまた楽しい。


また次に行く日まで、
私は今日のしあわせを味わい続けるのだ。





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posted by aya at 11:45 | Comment(5) | TrackBack(0) | 東海の蕎麦>岐阜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月30日

岐阜・郡上八幡「蕎麦正 まつい」


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のどかな美しい観光地、郡上八幡。


一般に「観光地」という言葉には
賑やかで楽しい、本来のイメージと共に
物価が高い、演出過多で風情に欠けると言った
マイナスイメージの響きもある。

しかしここ郡上八幡は、行政の力を借りず
街の人の力だけで街づくりを行ってきたということで
自然な、美しい観光地である。

街外れにもなると眺めは一層のどかになるが
しかしその中にも手作りの雑貨の店や飲食店などが
ぽつりぽつりと点在している。

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その中に一際の存在感を放つ外観。

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街全体の情緒を深める、美しい佇まいだ。




家紋のデザイン美に滅法弱い私にとって、
こんな眺めは蕎麦を食べる前から恍惚である。

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実は郡上八幡には行列ができる老舗有名蕎麦屋があるのだが
このルーキー「蕎麦正 まつい」の人気も相当なもの。
休日はこちらも大行列である。
どうも、この郡上八幡のような和の景観が美しい街に来ると
人はお蕎麦を食べたくなるのではないでしょうか。
それは実にいいことだ!



こちら、メニューはぐっと絞られておりまして、
なんと蕎麦メニューは「ざるそば」と「おろしそば」のみ。

壁の張り紙に
「絶品 大人の味 おろしそば」
と書いてあるのが微笑ましい。
ここの辛味大根はかなりしっかり辛いので
その意味もあるのだろう。

隣席の4人家族連れのお父さん、家族を仕切って大張り切りで
大声で注文を始めたがお父さんが一番混乱していて可笑しい。
彼らが頼んだ「ざるそばの大盛り」が
物凄い山盛りに見えたのでびっくりしたが
普通盛りもやや多めかな?




「ざるそば」
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奥に長い店内は、京都の町家のように客席の奥に中庭があり
その庭を越えたまた奥も客席になっている。



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しっとりと重なる肌に
黒い小さな、はっきりとしたホシがまぶしく浮かんでいる。

手繰り上げるとふわぁーと枯れた情緒の、藁のような香り。
しっとりぴたぴたとした食感と心地よいコシを楽しむうちに、
その香りが口中を隙間なく染めてゆく。
あーおいしい・・と、汁無しであっという間に食べてしまう。
私は好きな人と一緒にいられる時間が
どうしてこうも短いのでしょう。


汁は結構甘めだが、越前おろしそばに代表されるように
こういう汁は辛味大根と食べると非常によく合うのだ。



欲を言えは「ざるそば(900円)」
もうちょっと安いと嬉しいんだけどな〜
郡上八幡だからこそ!





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posted by aya at 12:56 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東海の蕎麦>岐阜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月23日

岐阜・下呂「手挽き手打ち蕎麦 仲佐」


どんなに遠くても行きたい、大好きな店である。

ゆったりとした風情の中、
季節の料理と美味しいお蕎麦を楽しむ
静かなひととき・・・


のはずが!


開店時刻に、この有様である。


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ハレー


他に店らしい店もない、のどかな下呂の裏通りにこの大異変。

私は開店時刻より少し早く到着していたので
ここまで並ばずに済んだが、それにしたってすごい。
桜や紅葉の季節に来たこともあるが
こんな行列は初めてである。



さぞかし店内はテンヤワンヤ・・
と思いきや。


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なんとなんと、
中は満員でありながら騒々しさは一切ない。
皆、ただただここのお蕎麦が食べたくて、
ひっそりとそれを楽しんで帰っていくのだ。


やっと席に通されメニューを。

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今日は誠に残念ながら蕎麦三昧は売り切れ。
ではせっかくだからと「手挽きざる」と
もう一枚、「冷やしかけそば」を注文することにする。


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店内は次々とお客さんが入れ替わっているだけに
さすがに接客の女性たちは忙しそうだ。
しかし実に感じがよく気配りの細かい人ばかりで
こちらはゆったりとした気持ちでいられる。



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窓際の席。
丹精した庭が、曇り空が反射する白い光を浴びている。

私の蕎麦が運ばれてきた。




「手挽きざる」

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茶の湯の置きあわせを思わせる程の
揺ぎ無き佇まい。



見つめれば、宇宙。

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みずみずしい艶。
透明感のある黒っぽい肌に浮かぶ、
粕入りの和紙のような美しいホシ。
何ともやわらかいラインを描いて落ちる、
控えめな姿。

私は吸い込まれるように見入る。

貴さに、目を細める。


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口に含みびっくり。
予想以上のちゅるつる、表面はぬるりとすべるようだ。
そして今日の蕎麦はいつもよりぐっと品の良い香り。
まるい、澄んだ、美しい香りを羽衣のようにまとっている。

やわらかくやさしい、ひんやりちゅるぬる、天女の夢。

香り爆発でも味わい濃厚でもないのに
何だかどうにも美味しくて無我夢中にさせられてしまうのは、
「魅力」としか言いようがない。


しかも「冷やしかけそば」がまた美味しい!

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私は常々、柚子の香りの使い方は難しいと訴えて(?)いるものだが
この「冷やしかけそば」の柚子のニュアンスは絶品。
主役の邪魔をしないどころか、
主役の美しさを際立たせるさわやかさ。
これまた、ひんやりちゅるぬる、恍惚のひととき。
(美味しすぎて本当に一瞬に思えた!)


また会える日を思いながら暖簾を出る。


どんなに遠くても行きたい、大好きな店なのだ。




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posted by aya at 21:26 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東海の蕎麦>岐阜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする