2016年08月26日

久米川「手繰りや玄治」


魔法使いが経営しているとしか思えない名店。

西武新宿線「久米川」駅より徒歩3分。
静かで小綺麗な商店街にある店は
藤沢周平的渋い店名からすると拍子抜けするほど明るくこぢんまりとして
知る人ぞ知る名店としての迫力は全く感じない。

IMG_8622.jpg



今日は久々に来たけれど
相変わらずほのぼのした雰囲気の店内。

IMG_8545.jpg


入り口の石臼スペース。
機械&手挽き〜♡

IMG_8546.jpg


何より目を惹くのは賑やかに貼り付けられたメニューだ。

IMG_8549.jpg

楽しい〜 可愛い〜♪
カラフルな色紙に絵のように書かれた文字。
店内にこれを書きそうな方は見当たらないだけに森の魔法使いの仕業にも思えるような
超可愛らしいメニューディスプレイだ。
その上メニューそのものがすごすぎて美味しそう過ぎて頭ぐるぐるー!!
だちょうカツ!? いのカツ!?  鯨ジャーキー!?
調理も魔法使いがしているに違いない。



テーブルにあるメニューも魅力的過ぎる。

IMG_8554.jpg

壁のメニューもだが
本当に読みやすくて可愛らしいメニューだなあー
何が何でも「せいろ」「手挽き」は行くもんね!
「二色せいろ」があるのがありがたい♡



「二色せいろ」ですでに私のお腹はご予約満席なのだが
こんなに可愛いメニューだとどれもこれも
めちゃくちゃ誘惑されるんですけどー!
冷しレタス蕎麦〜 (≧∇≦)  すだち蕎麦〜 (≧∇≦)/

IMG_8551.jpg



「琵琶のさざ浪(夏純米)」
IMG_8563.jpg




「無花果とクレソンの胡麻だれサラダ」
IMG_8572.jpg

私の大好物なものしか入っていないの迷わずオーダー。
新鮮でほどよい熟し加減のいちじく、香り高いクレソン、
クリーミーな胡麻ドレの三者マリアージュ、おいしい〜♡
欲をいえばサラダは
ドレッシングかかかってるところとかかってないところがあるのが好きなんですが
それはそれは少数派ですねきっと(^^;;)


「じゅんさいとろろ」
IMG_8569.jpg

ねぱーじゃなくザラザラトロトロ〜とさわやかな長芋とろろ。
そこにじゅんさいがぷるんぷるんと優しい食感で割り込んできて
出汁がまたたいへん美味しくてこれは素晴らしい夏メニュー!
かんげき〜♪



「鹿肉の塩麹ハーブ焼き」
IMG_8581.jpg

もおー!!ちょっとこのメニュー犯罪なんですけどーー!!
まずアイディアそのものが素晴らしい。メニュー名のインパクトが悩殺。
そして食べて美味しすぎる!
塩麹だけに塩味ガツンと濃いが旨味も深くローズマリーの香りも爆発、
全てがぎゅううぅと濃い。
さりげなさゼロの素晴らしいお酒のおつまみだ。
脂身までパクパクいってしまう(≧∇≦)




「二色せいろ(せいろ)」
IMG_8586.jpg

ちょっとちょっと「二色せいろ」の一枚分でこの量ってすごくないですか?
どーんと気前のいいたっぷり盛り、普通の一人前と変わらなく見える??
と思ってメニューを見たら「二色せいろ」は「せいろと手挽きの二枚重ね」で
量は普通に二枚分あるらしい!
なのに、「せいろ」700円「手挽き」800円で
「二色せいろ」900円ってどんだけ良心的なんですかー!!
そもそも「手挽き」800円というのが心配になるほど安すぎるんですけど
大丈夫なんでしょうか・・・
魔法使いには手が千本あるのかなあ・・・?



IMG_8595.jpg

お得なだけではございません。圧巻のこの美しさ!
お蕎麦のお手本のように端正かつ完璧な輪郭線、なめらかな肌。
そして手繰り上げて目がかっ開く。

( °o°)

( °o°)

このすっばらしい香りはナンデスカー!!
静謐な、石のような墨のような、渋いのにフレッシュで素晴らしい香り。
この香り大好きーー!!
口に含むと食感がまた素晴らしく、ふっくら豊かな食感、コシにうっとり。
香りの素晴らしさがますます弾ける感じで口中がかぐわしさでいっぱいになる。
うーん美味しい・・・この魔法美味しすぎる・・・
しかもこんなに美味しいお蕎麦がこんなにいっぱいある・・・
しあわせだあー!




「「二色せいろ(手挽き)」
IMG_8599.jpg

うほほ〜〜
これまたたっぷり、いいのかしら〜〜

IMG_8606.jpg

褐色がかった粗挽き肌に華やかに散りばめられたホシ。
しかし手挽きらしい素朴さよりもバシッと端正な輪郭線が印象的な美しい蕎麦だ。
ドキドキと箸先に手繰り上げると黒い甘皮の香ばしさがふわ〜。
せいろよりくっきりはっきりとした舌ざわり&ムッチリ密な食感だが
硬さはなく、ほどよいコシ加減が素晴らしい。
甘みや味わいはすっきりとして
密な質感を楽しみながら黒い香ばしさに染まるひととき。



2種類ともこんっっなにすごいお蕎麦がこんっっなにたっぷりで
きゅ、900円って・・・・
魔法使いだからあんまり損得とか考えてないんでしょうか・・

その他「焼き玉ねぎのまるごとポン酢」とか
「だちょう肉甘辛煮」とか
「馬すじのチンゲン菜炒め」とか
「苦瓜と胡桃の生湯葉和え」とか
「水菜の梅はちみつ和え」とか
未知なる魔法がいっぱい!!


こんな魔法はかからにゃソンソン!!

間をあけず通いつめて魔法から覚めたくない、ものすごい名店なのだ。



2013年07月24日

田無「「手打ちそば ほしの」


この店を店と思っていいのか私には分からない。

まず値段が安すぎる。
一人で切り盛りしているおかみさんが良い人過ぎる。

心のこもったおいしい料理の数々、そして手打ち蕎麦を
全く商売になっていないとしか思えない値段で食べさせてくれるので
どうにもお店と思えない。

こちらも親戚の家にでも行くようなつもりで、予約をしてはるばる出かける。


はるばると書いたが、私の家からは電車で一時間の駅である。

そこから歩く。

R0021647.jpg



歩く。

R0021654.jpg


歩きまくること25分。

付近にのどかな畑などがチラホラ現れた頃に、着いたぁ〜!
(歩くの苦手な方には便利なバスもあります!)


久々の「手打ちそば ほしの」。

R0021488.jpg

今は予約のみだけあって、静かな外観。

おかみさんのかわいらしい笑顔も変わらず、元気そうでよかった。
蕎麦の名店として大変に名高かった「手打ちそば ほしの」の旦那さんが亡くなって10数年。
普通ならそのまま閉店してしまう店が多い中、
ファンの期待に応えんと大決心をしてそこから蕎麦打ちを学び、
予約のみなら一人でもやれると店を再開させ、以来頑張り続けてきたおかみさんなのだ。


今日はお酒好き、美味しいもの好きの皆さんと、楽しみにやってきましたよー!

まずはハートランドで、かんぱーい!!


R0021491.jpg


R0021499.jpg



「酒肴盛り合わせ」
R0021505.jpg

「かまぼことわさび漬け」「数の子」「いんげん煮」「うざく」「梅干」

いんげん煮は山菜としか思えず皆で「これ何の山菜?」と散々言い合った後だったので
いんげんと知ってビックリ。
「煮過ぎちゃったの〜!」とおかみさんは茶目っ気たっぷりに言うが
上手な人が煮過ぎると山菜みたいな美味しさになるんだな(^^)



「天吹」
R0021517.jpg

実は私、夏の暑さゆえか駅からのエッホエッホ歩きが効いたのか
最初のハートランド3口で愉快なメリーゴーランドに乗車致しまして・・
もう本日は全くもってぐるんぐるんのヨワヨワで舐めることもできない有様です・・
いいんです、お酒なしでもお蕎麦さえあればしあわせなんです!


他の大人のみなさまはウッキウキのニヤニヤで大変なペースです(^o^)

「栗林酒造 特別純米」
R0021523.jpg

R0021520.jpg




「湯葉、黒大豆の湯葉、長芋」
R0021526.jpg

食感も色も、食材の取り合わせがとてもいい。
器の雰囲気もよく合っていて、涼し気な一品。



「鶏肉とズッキーニ」
R0021535.jpg

野菜いっぱいが嬉しい「ほしの」。
青い方のズッキーニはまんまるズッキーニだったそうで
味もちょっと普通のズッキーニとは違って楽しい。



「羽根屋 特別純米酒」
R0021541.jpg


「野菜のプレート」
R0021547.jpg

夏らしくて、フレッシュできれいだなぁ〜
「茄子ときゅうりのぬか漬け」「いぶりがっこ」「夏野菜のピクルス」
「豚レバー」「プチトマトのお浸し」「枝豆」「エゴマの葉っぱ」。

「なんだかお酒のつまみみたいのばっかりになっちゃった〜」とおかみさん。
「えー、それが最高なんですよー!」
とますますニヤニヤ飲みまくる皆様(^^)



「満寿泉 生純米吟醸」
R0021556.jpg



「銀だら」
R0021559.jpg

何が好きって一瞬蕎麦のことを忘れそうな程「脂の乗ったお魚」に目がない私。
銀だら焼なんてもう大好きに決まっています!
これまたおいっしい銀だら〜〜〜(>_<)♪
金山寺味噌のようなものが添えられ、おつまみにもぴったり。



「玉子焼き」
R0021577.jpg

「ほしの」の玉子焼きは大変においしいのですよ〜
しっかりした旨味と甘味があるけど甘すぎず(私にはコレ大事)、
なんともほんわか和むおいしさ。

どんなにおいしいかは、断面をお見せすれば伝わる、でしょうか〜

R0021568.jpg

ウヒャ(≧∇≦)


「旭鳳 純にして醇」
R0021580.jpg


「牛肉の煮もの」
R0021589.jpg

すき焼きみたいでほっとする、素直に美味しい味。



「新政 No.6 純米吟醸無濾過原酒」
R0021593.jpg

こんなおっしゃれーなデザインのお酒があるんですね〜
上のラベルもAir Forceの 階級章みたいでかっこいい。
(もはやお酒は「眺めるもの」になっちゃっている本日・・(^^;;))




「鮎」
R0021599.jpg

なんとなんと、ここでドーンと鮎が出てきました。
いいなあ〜 贅沢な夏だなあ〜
焼きびたしにしてあるのかな?
頭から尻尾までぺろり、おいしかった〜




「志太泉酒造 出品酒」
R0021607.jpg




ここで厨房から「カラカラピチピチ・・」と華やかな揚げ物の音が聞こえてきた。
いよいよ来ますよ、
「ほしの」名物「大えび天ぷら」!

ドドーン!!

R0021610.jpg

私の写真が下手過ぎて全く迫力がお伝えできず無念の極みだが、
この海老、ゆうに30cmはあるのだ!(二人で1匹をはんぶんこでした♪)
おかみさんは
「今日はいつもより一回り小さいのしか入らなくて・・」
と頻りに申し訳なさそうに言っていて
確かにいつもよりは小さいのだが、それでも十分に巨大。
しかも大きいだけではなく、この天ぷらものすご〜〜〜く美味しいんです!!
カリッと固い衣が美味しい。ほこほこふっくらした海老が美味しい。


お蕎麦の前に「お口直しに・・」とプリンスメロン。

R0021619.jpg



そして・・・いよいよ。


R0021623.jpg

お、おいしそうすぎる・・・
今日は茨城のお蕎麦だそう。
ああ ときめく・・ときめきが止まらない・・・

R0021628.jpg

もわわぁ〜とやさしい、なまあたたかな香気。
もったりふっくらした穀物の甘い香ばしさが、
氷水でしめないモッチリした肌に満ちている。
夏は外が暑いのでやはりキュッと冷たいお蕎麦がおいしいものだが、
「ほしの」くらい時間がゆっくりと流れていて体もすっかり涼んだ頃だと、
このなまあたたかな香気は特別な贅沢に感じる。
ザラザラした粗碾きの舌触りが心地よく、
噛み締めたコシから生まれる味わいがまた美味しい。
「ほしの」のお蕎麦はいつも美味しいが、今日はまた違う美味しさに出会った感じ!!


R0021634.jpg

美味しい蕎麦湯。
そして私はここの猪口がとても好き。
旦那さんが元気だった頃からずっと使われている猪口。
手描きの、趣深いものだ。


デザートは手作りの「いちごアイス」。

R0021637.jpg

甘いものは苦手の私。
おかみさんの「甘くしすぎちゃった〜」という予告?のせいもあり
かなりへっぴり腰でひとくち・・ワッおいしい。
ぱくぱくぱく・・・一気に全部食べちゃった!(^o^)
そうなんです・・私甘いものは滅法苦手ながら、ごくごく一部、
魔法のようにおいしく感じちゃうものがあるんですね〜
このアイスはいちごの甘酸っぱさがとてもフレッシュに感じられる
おかみさんの魔法でした☆



はじめてここに来たのはもう10年ほども前。
お昼に2000円のコースを電話予約しようとしたら
「1500円で十分だと思いますよ〜」
と言われ2000円のを予約させてもらえず(^^;;)商売気のないお店だなあ〜とびっくり。
実際訪れ食べてみて値段に全く合わないそのボリュームと美味しさに
さらに驚いたものだ。
実際1500円のコースでも大・大満足の内容なのだ。


今日は頼み込んでお昼から3000円のコース(お酒別)にしてもらったけど
次回はまた1500円で、びっくり喜びに来ようかな〜(^o^)♪



(予約の電話は店舗にかけても出られないことが多いので
 おかみさんの携帯電話がよいようです。080-3026-6588)





2012年12月06日

一橋学園「手打蕎麦 醍醐」


おいしい店、おしゃれな店、使い易い店、いろいろあるが、
「理屈抜きに大好きな店」というのがある。


この店は行く前に電話をした時点でもう大好きになってしまった。

「営業時間は何時からですか?」と電話すると
なんとも朗らかな、しかも自然な調子で

「11時からやってまーす、おまちしていま〜す」。

その声を聞いただけで私はすっかりリラックスしてしまった。

いいなあ、どんなお店かなぁ
ワクワクしながら訪ねる。


RIMG2460.jpg

臙脂に白字を染めぬいた暖簾。
「好きな言葉は手打ち蕎麦」と言って憚らない私は
その堂々たる「手打蕎麦」の文字にシビれしばし見惚れる。
(本当に文字だけで心からときめいてしまうのだから我ながらどうかと思う)。
植木や小さな待合椅子の備えられた外観は
なかなか落ち着いた雰囲気だ。




RIMG2408.jpg

ところが、壁に目立つように掲げられたメニューを見てビックリする。

けんちんせいろそば うどん ¥600
おろしぶっかけ車海老天ぷらそば うどん¥700
肉せいろそば うどん  ¥800

えーっ手打ちでこの値段、この安さは一体!?

メニューを見ると「せいろ¥750」「鴨せいろ¥1150」と
通常メニューの値段はごく一般的なので、全然割にあっていない。

せいろが¥750で、けんちんせいろが¥600ってどういうこと??


のーんびりと店主。

「大サービス品なんです〜」

「景気もなかなか回復しませんからねえ、
 お客様に来ていただかないことにはどうしようもないですよね〜」

まるで他人事のような物言いに思わずクスッと笑いたくなったが、
いやいや サービスったって、この値段は・・ねえ?

「そーおなんですよ!全然つじつまがあわないんですよ!」

と、驚いた表情ですっとぼけたように言うので、ついに笑い出してしまった。
マイッタ。好きになっちゃったぞ!!

ではその大サービス品を、いただこうではありませんか!


「けんちんせいろ」
RIMG2425.jpg

けんちん汁をつけた方が150円も安いのですから
いくら私でも「「けんちんせいろ」に致しますよ〜
贅沢気分!

RIMG2439.jpg

ふっくらフワンとした白い肌にくっきり黒いホシ。
ありそうでない個性的な姿に意表を突かれる。
さらに噛みしめてみて驚いたのはコシの強さ。
小麦と蕎麦の香りが混じった甘い香りと味わいで
蕎麦の香りもしっかりしているのだが、よくある二八そばの美味しさというよりは
「うどんみたいで美味しい」のが不思議だ。
あとでうどんを食べてうどんがとても美味しいのでなるほどと思わされた。

けんちん汁は具沢山とはいかないが(なにせマイナス150円の偉い汁様だ)
胡麻油の香りが豊かでおいしい〜
蕎麦をつけるとコシが程よく柔らかくなりまたおいしい〜



「おろしぶっかけ車海老天ぷらうどん」
RIMG2451.jpg


大きな天ぷらにギュ〜と美味しい汁。
そしてうどんがすごくおいしい。
つるつるの肌と弾むコシ、何より小麦の味わいが濃い。


この店はそばうどんメニューがとても充実していて

「納豆」「おろし」「とろろせいろ」「天せいろ各種」
「たぬき」「きつね」「月見」「玉子とじ」「若どり南ばん」「カレー南ばん」
「にしん」「かけとろろ」「鍋焼うどん」「味噌なべうどん」

などなどなどの他に
創意工夫に溢れるメニューが面白い。

「力カレーうどん そば」
「鴨カレーうどん そば」
「海老カレーうどん そば」
「わさび」


うーん、「手打蕎麦 醍醐」
まだまだ相当奥が深そうだ!



2011年09月17日

保谷「手打そば 一喜」


夏の思い出。

 
たくさん歩いた。


RIMG4100.jpg



とても暑い日。

RIMG4145.jpg




午前中の静かな店内。
ひんやり涼しくて嬉しかったなあ。

RIMG4133.jpg




「二八せいろ」
RIMG4109.jpg

端正な笊にビシッと盛られた姿の美しさ。


RIMG4115.jpg

手繰り上げるとシャキーンとつめたい香気。
店内がとても涼しいのにそれでもシャキンと感じるほどの冷たさ。
それがこんなにも香ってくれることに驚く。
枯れた印象の渋いかぐわしさに染まった蕎麦。
しっかりとコシを持ち、噛み締めた味わいがまたたまらなくおいしい。
見た目より繊細な蕎麦らしく香りが逃げるのが早い気がしたが
美味しすぎてそれより早く食べちゃったから大丈夫!




「十割あら挽きせいろ」
RIMG4116.jpg

これまたビシッとととのった姿が美しい。
褐色の肌にワクワク。


RIMG4130_.jpg

見た目も黒いが香りも黒い。
香ばしくておいしいーー!(まだ食べていない)
口に含むとパキパキとした輪郭線。
かなり固めの蕎麦だが、それを噛みしめてふかまる
香ばしい味わいが美味しすぎる。
甘みも愛しすぎる。
ああ・・美味しい・・・





写真を眺めているとあの日に帰る。


また行きたい。でも今日は行かれない。

そんな時のために、私は写真を撮るのかもしれない。






2010年03月16日

東村山「土家」




もしもあなたが、ゆっくりと流れる時間、が嫌いでなかったら。




もしもあなたが、都会にはない美しい洗練、が嫌いでなかったら。


もしもあなたが、美味しいものが嫌いでなかったら。


もしもあなたが、素朴で真面目な職人、が嫌いでなかったら。






RIMG2038.jpg



RIMG2043.jpg



RIMG2105.jpg







RIMG2056.jpg




RIMG2068.jpg





RIMG2122.jpg





「土家」の時間を、味わってみてください。

胸に残る時間です。








蕎麦は手挽き。
黒々と、そしてハードな粗挽きのジャリ感。
そして香りは淡いのに内に潜めたような野趣があり、
噛みしめた味わいは驚くほど品がいい。
さながら上質の和生菓子のような。




RIMG2091.jpg





店主は素朴で謙虚な人柄ながら、
全ての分野においての卓越したセンスには毎回驚かされ通しである。
彼の生み出した器を見れば、
その美意識がいかに深いか窺い知れるというものだ。




味以上の感動。

空間以上の感動。

もてなし以上の感動。


そんな言い方をすれば誤解も受けるかも知れないが、
彼のセンスというふるいにかかった「土家」という総合的な魅力に
私は数時間酔わされるのだ。
否、今も酔っている。



この「甘い物我が儘」の私(好きな物の範囲が針の穴程狭い)を
大喜びさせた「苺アイスと小豆のデザート」ときたらどうだ。
デザートに名前がないのもいかにもこの店の店主らしい。
「苺と、アイスと、小豆と・・のデザートです」と。
器がまたいい。


RIMG2100.jpg





東村山は実際遠いが
西武新宿線「快速急行」という魔法の電車に乗れば
なんと高田馬場から22分、290円!

あっけない程気軽である。


駅を降りて3分も歩けば。





「土家」の時間が、流れている。




RIMG2111.jpg






RIMG2076.jpg







土家
042-392-9457
東京都東村山市野口町4-18-1
11:30〜14:00  17:30〜20:30 
水曜定休
(予約のコースが断然おすすめです!)