2018年12月28日

国立「そば芳」


久しぶりの店に来ると、
その店に流れている時間と、
自分に流れている時間というものを思う。
その二つが確かに重なるのが、その店にいる時間なのだ。

前回私がこの「そば芳」の暖簾を出てから
この店にはいろんなことがあって、店は新しくなって
私にもいろいろなことがあった。

私はこの店の蕎麦に会いたくてまたここに戻ってきて
今日もほんの数十分だけ、二つの時間が重なるのだ。


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新しくなった店の外観にはなぜか店名がない。
外からは店の中の様子は伺えず
「営業中」と書いてあってもやっているのか不安になる。
ブランコ通りという小さな可愛らしい商店街にはクラシックピアノ曲がぽろぽろと流れ
夕暮れのこの時間はたまたまなのか人通りもない。


少し心細くなりそっと扉を開けてみると、こうなっていた。

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店は2階らしい。

2階に上がると小さなカウンターに先客がいた。
店主がいらっしゃいませとぽつりと言って迎えてくれ
すぐ厨房に消えた。

深いけれどすこしかすれたような店主の声。
師走のラジオの音。
年越し蕎麦の張り紙。


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ああこんな日はぬる燗に「天ぷら」とか、「かきあげ鍋焼き」とかいいよなあー、
と思いつつ、一人でお酒を飲むほどではない「酒量だけは小鳥」な私。
結局いつものオーダーをして(寝言でも言いそうな「せいろ一枚」)
この店の時間を眺める。


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客席は綺麗にととのえられていたが、私の席からは作業スペースが丸見えだった。
年の瀬でやたらに賑やかなラジオの音のせいもあり、店はなんとなく雑然とした印象ではあった。


しかし「せいろ」が運ばれてきて私はハッとした。



時流れて再び対峙した「そば芳」の蕎麦。

その盆の内側の、店主が守り抜いて来た美意識の完全さに
私は心打たれ、しばし見入った。


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茶の湯の道具の景色にも劣らぬ、盆の内側の世界。

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ストイックなまでにシンプルな木のせいろ。
楕円の盆。箸の置き方。
それぞれに個性的でありつつゆるぎない美を感じるところが
ますます茶の湯を連想させた。
賑やかなラジオの音、盆の外側の世界との対比が鮮やかだ。



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極太だった以前からすると拍子抜けするほど、
「やや太」くらいになった「そば芳」のせいろ。
輪郭線もやわらかく、やさしそうに重なっている。

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鼻腔を吹き抜ける、深い香ばしさ。
甘くない、男性的な印象の美しい香ばしさの海に引きずり込まれ、
ラジオの音が聞こえなくなる。埋め尽くされる。

噛み締めるとこれまたびっくり、やわらかジューシー!
ジューシーというと聞こえは悪いかもしれないが
ややネチッとした質感ながら重さが全くない、密度を感じない軽やかさで
その軽さがみずみずしさの中にあるため
噛みしめるたびにやわらかジューシーな印象を受けるのだ。

食感は軽いが香りも味わいもずっしり深い。
なんて香ばしい、なんて美味しい、と追いかけるうちに
あっという間に食べ終わってしまった。


蕎麦湯はあらかじめ盆の上にセットされた小さな湯桶に入っている。
蕎麦汁はこっくりと甘めの汁だ。



気がつくと蕎麦を食べる私を店主が面白そうに見ていた。
「お箸、自分のを持ってるんだー」。

話しかけられたついでに
「お蕎麦、細くなったんですね」と聞くと、笑いながら、
「歯が悪くなっちゃって」。

すこしかすれた、深い店主の声。


そうだったんだ・・・
自分の歯が悪くなってしまったから
この店の蕎麦の最大の特徴だった、あの極太をやめたんだなあ

でも、自分が素直を美味しいと思うものを作るっていいな。


店を出た私は
自分が美味しいと思うものをあの場所で作り続けている店主のことを思いながら
また次にここに来る時まで、私の時間を歩き始めた。










2017年01月15日

立川「あかつき」



尊敬する、大好きな方と「夜の打ち合わせ」。
えへへへーーーー♡

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楽しいセッションで歌い狂った後なので声も心も宇宙へ飛んで
酔ってもいないのにはしゃぎ気味。
でもここはリラックスできるお店だからよかった〜(^o^)


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飲みほーだいもありますよ〜
ここは料理も自慢なのでランチも良さそう♪

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黒板メニュー。

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おっもしろいメニューがいろいろ!
ここはお酒に合う楽しいメニューがいろいろあって、
お蕎麦メニューはもりそば一本、というスタイル。
しかも「メニューにないもの応相談」って、かっこい〜〜

「お通し」
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鶏団子のと大根のスープ。
今夜は寒〜いので嬉しいお通し。



「旬菜のお浸し(カリフラワー・春菊・方蓮草)」
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お浸しにカリフラワーを入れるところにセンスを感じる。
食感が出ていいですね〜
真似してみよう!


「だしオムレツ」
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これまたありそうでないアイディアメニュー。
だし巻き玉子のオムレツ版!
あんかけのようになっていて、普通のオムレツより軽くてさっぱり。


「大分名物 鶏天ぷら」
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これ九州で食べた時も美味しかった!
塩でカリカリ食べるのがいいですね〜


「本日の蕎麦」
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豊かにうず高く盛られた「あかつき山」♡


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世界を魅了するマジカルハンドがお蕎麦たぐってますよ〜!
キャ〜妬けるぅ〜(どっちに?←普段はお蕎麦と私の間に入るもの全て敵視)


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むわああ〜っと濃厚に香る野生のかぐわしさ。
草のような強めの野生の香りの下をずっしりした甘みが支えている。
口に含むとはっきりとした輪郭線、舌触りも固めの印象だが噛み締めると硬さはなく
程よいコシの中から粉の甘みがじんわり溢れる。
ここはその日によっていろんな産地の蕎麦を楽しませてくれるらしい。
本日は北海道・弟子屈産の蕎麦。



お蕎麦は食べ終わってしまったが
まだ楽しい時間が終わってほしくない時にぴったり。


「蕎麦湯」
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この店ののんびりとゆるーい感じもいいなあ〜




でも頭の中は次にやりたい曲でいっぱい。

帰ったら楽譜書かなくちゃー!

2013年05月29日

立川「手打ち蕎麦 なかさと」


来ちゃった来ちゃった〜
久しぶりの「なかさと」!

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夕闇迫る立川の飲食店街。
道の先に灯る「なかさと」の四角い明かりに心が踊る。

近づくと、こんなわくわくする看板も。

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うふふー「なかさと」には
「あらびき」「十割」「二八」と三種類もお蕎麦があるんですよ♪
だから絶対お腹を空かせて来なくちゃいけないのです。
当然本日はペコペコであります!




青森「豊盃」特別純米
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その時々でいろいろおいしいお酒が入っているので
通常メニュー以外にお酒だけのメニューがある「なかさと」。
今日は
「奈良萬 純米生酒 中垂れ無濾過」
「王祿超辛純米無濾過」
「醸し人九平次純米吟醸」
などからワクワク迷ってここに着陸。
さすがは青森のお酒、ガッツリぶっとい味してます〜
ホーハイ♪ ホーハイ♪


「自家製豆腐」
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ピンと角の立っためずらしいケーキ型の「自家製豆腐」。
つやつやとプリンのように輝き、食感はまるで「なめらかプリン」のよう。
(このケーキな見た目でプリンな食感の「謎」は後ほど解かれることに!?)
しかもこの豆腐、出汁でも入っているかのような不思議な味の濃さがある・・不思議〜
と思ったら塩がしのばせてありました。
甘さが引き立つんですね♪



「鴨焼き」
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「そばがき」
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ザクザクの粗挽き、むっちりネトッとした食感の「そばがき」。
はじめは香りがごく淡く、見た目の割に上品な印象だったのだが
時間が経つうちにムハーと濃厚な香りに満ちてきた。
蕎麦ではよく感じることだがそばがきでは珍しい。
ゆっくり食べてて得したぞ(^o^)!



もう最後まで待ちきれないので前述の「謎」についてバラしちゃおうかな〜

なんと今回はじめて知ったのですが
「なかさと」の店主の前職はパティシエなのです!
料理人とはまた別の、緻密な作業能力が命というパティシエという仕事。
「なかさと」では、道理で道理でと頷けることばかりで
この玉子焼きもとてもきれいでしょう?

「玉子焼き」
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実は私が甘い味付けは苦手と知っていた店主。
卵焼きを注文すると
「うちのは、出汁巻きではないのですが・・」
と控えめに言って厨房に戻ったので大変申し訳ない気持ちになってしまったが、
この玉子焼きが、おいしい!
甘さはむしろごくやさしく、
卵の味わいも「蕎麦屋でのご馳走」としてのボリュームもしっかりあるのだが
なんだかすっきり洗練されているのだ。このバランスはいいなあ〜



こちらは裏メニュー。
「とり南蛮つけそば」(だったかな?)の鶏がある時だったらオーダーできるそうです。

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裏メニューなのでお店にはご迷惑かもしれませんが、
これ滅法美味しかったので大変おすすめしちゃいます!
山形の地鶏蕎麦もそうですが、こういう鶏、好きなんです〜



蕎麦粉は北海道のものを中心にいろいろブレンドされている「なかさと」。
店内片隅には北海道の地図が貼られている。

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「あらびきそば」
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あらびきから来ちゃった〜、ドキドキ。
北海道摩周産と余市産のブレンド。
手びねりの陶器のような輪郭線が見るからに美味しそう!

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はらりとした空気感を持って重なる、いびつな輪郭線。
肌にうかぶ無数の陰影。
野性的な、やや青いようなかぐわしさが静かに漂い、
舌触りは見た目の通りのややゴツゴツと節のある感じが楽しめる。
食感はかすかにネチッとしてやや固めだが
噛みしめるとプツリとはかなく切れてくれるので食べにくさは全くない。
甘みもほのかで、粗挽きのゴツゴツ感と爽やかさがいいなあー



「十割そば」
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打って変わってこちらはなめらかに整った、均一な肌。
流れるような美しいラインを描きながら空気感を持ってふっくら重なる姿が美しい。
香りは穏やかにまるく上品な感じで、みっちりと密な肌はやや固め。
そのぶんよく噛みしめることになり、味わいがどんどんむわぁ〜と濃くなってくる。
これは温かいつけ汁に合いそう!

さっきの「あらびき」が北海道摩周産と余市産のブレンドで
こちらは北海道余市産の十割。
ということは同じ要素が半分は含まれているわけで、
それを見つめると面白い。遠い蕎麦畑が愛しく思えてくる。


「二八そば」
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うわー いいなあ〜!
「あらびき」「十割」「二八」、
3つの蕎麦が全く違う個性を持っているのが「なかさと」の素晴らしいところ。
しかも店のスタンダートとも言える「二八」が
こんなに黒くて細くてしかも平打ちなんてユニークではないか。

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この「二八そば」が実に個性的で美味しい!
まずたぐりあげただけで、外皮の甘い香りがずっしりむわぁ〜と濃厚。
口に含むとハラハラとした平打ちの輪郭線が口中で繊細に揺らめき
その1本1本の肌があまりにもなめらか、すべらかなことに目を見張る。
噛み締めたコシはやさしく1本1本はこんなに繊細なのに余裕で受けとめてくれる感じで
これはなかなかない個性だ。
ムワァーとして、ごく繊細ながら流麗で、なめらかな肌に余裕のコシがあって・・
おいしいなああ〜〜〜(>_<)



今回は「あらびき」「十割」「二八」の3枚を頼んだように見えたかと思いますが
実はこんな浮気をしておりました。

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壁のメニューがとても美味しそうだったもので・・
2枚はつけ汁を変更(^o^)!!



「鹿児島南州黒豚 黒豚そば」
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甘辛で少しとろみのあるボリュームつけ汁。
煮肉好きなのでつい頼みましたが
やっぱりお蕎麦はお蕎麦だけでウホウホ食べてしまったので
蕎麦後に単体で頂きましたぁ〜



「北海道天然ほたて貝柱 ほたて南蛮そば」
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ほたて南蛮なんてメニュー自体あまり見かけないが
このほたての肉厚感はすごい。
しかもゴロゴロいっぱい入ってうれしいーー!
1650円とこの店では大変高額なメニューだが、
こういう素材命のものは「安いけどしょぼい」より
「少々高くても大満足させてくれる」もののほうが断然いいですよねっ
うーん、これは飲む人だったら
これだけで延々飲んでられそうなつけ汁ですよ・・(^^)



前述の通り元パティシエの店主。
以前は「なかさと」でもデザート類を出していたが
今は予約のコースの時のみ出しているそう。

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とろトゥルなめらかなココナツ風味のデザートは
蕎麦後のデザートとして主張しすぎない優しい味。
小さくてもちゃんと美味しい存在感が、さすが!



もう動けないほどお腹いっぱい、ニコニコいっぱいで
暖簾を出ると賑やかな立川の街。

都心の賑やかさとはまた違うのびのびとした賑やかさで、
私は立川という街が好きだ。



楽しい夜だったなあー






2012年10月09日

西国分寺「潮」


毎度おなじみのこの景色。

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この外観をこの角度から撮る夕暮れ時は
私の胃の中はほぼ空っぽである。

そのくらい期待でいっぱいの、気合の空腹。
この「たまの贅沢」を最大限に愉しむために、もちろん昼食は食べていない。
(今日は昼間、すごーく楽しいところに行ったのに頑張って我慢した!)


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早めの集合であるから、私の胃の中と同じく店内はまだ誰もいない。
私の胃の中がしあわせに満ちてくる頃には
この店内もしあわせなお客さんでいっぱいになるのだ。



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梁の上には、空腹の6人をニコニコ遠くから見下ろしているような
店主手彫りの仏さまたち。

さあー こちらも負けないくらいニッコニコで、乾杯!

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(今日は一口飲んじゃってから撮ったのではなくあまりの空腹にセーブしました(^^;;))




先付
「秋茄子丸煮 隠元 茗荷」
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この、たったひとつの野菜の美しさ、美味しさに初っ端から驚かされる。

夜空のような濃紺の、絵のような茄子は
美しい出汁の風味とともに実に端整に口の中に現れ消えていく。
私が煮た田舎くさい代物とは別物で、姿も高貴なら食感も高貴。
ぐじゃっとしたところがまるでなく、繊細な輪郭を際立たせながら
その身の味わいを繊細に伝えてくる。
秘密は美しく刻まれた肌。
店主が後で「茶筅に包丁を入れる」という言葉を教えてくれた。

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さて次の前肴が毎回お楽しみなんだなあ〜

来たー!全長60cmほどの長皿に、3人分ずつ!

前肴
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この、宝のような眺め。
皆それこそキャッキャとはしゃぎながら自分の分を取皿に。

これあたひの分♪(≧∇≦)♪

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右からご紹介〜

「名残り鮎煮浸し 新鮭子」
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名残り鮎は子持ち。
こんがりと遠火で焼いて、黄金色になったところを番茶で下茹ですると渋みが抜けるそう。
山椒の香りが素敵〜

新鮭子は蕪とともに。


「穴子煮凝り 名月玉子」
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「うちは穴子の煮凝りは一本でやるんだけど、今は若い人の練習でバラのがあるから、それで」
という穴子の煮凝り。
穴子の煮凝り大好きの私には、
とろーんと「本物の」煮凝り感が大変にうれしい。
刻んで入っている牛蒡の香りが大変に良い組み合わせ。

名月玉子はものすごい出汁のような旨みだったが
聞けば「5分30秒から6分茹でて手のひらの上で切ってお正油を” ひとったらし ”」
それだけ!
魔法である。



「松茸昆布  鱧の卵、煮凝り」
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たまり醤油と砂糖で煮た松茸と昆布の美味しさに
日本酒好きチームはびっくり大感激!

鱧の煮凝りは汁を多めにしないとゴムみたいになってしまうほどの凄いゼラチンだそう。
卵も煮凝りも美味しい〜




椀盛り
「雲丹満月 すすき牛蒡 海老麺」
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すすきに見立てた牛蒡が楽しい秋景色。
これまたどうにもこうにもノックアウトの逸品である。
私は常々「椀物の汁を一口飲んだ瞬間が日本料理の一番の醍醐味」と思っているのだが
まずその感動が素晴らしかった。二の腕がしびれるような出汁の美味しさ。
その上この椀物の手の掛かっていること、その手間が辿りついた深い美味しさときたら!
アワビのスープで作り塩うにで味つけしたという、めちゃらくちゃらにおいひい玉子豆腐。
その中には生うにが入っちゃっている。
その贅沢なカタマリが全体に蒸されてほにょほにょとあたたかく極上の汁の中に浮かんでいる。
汁と、アワビスープな玉子豆腐とたっぷりのウニが、とろもにょぉ〜といっぺんに口に入ってくる。
もうどれだけ美味しくしたら気が済むのかという美味しすぎ祭。
そこに添えられた海老麺が、これまた手のかかりまくった一品。
卵の白身を加えて作ったという、人生始めての食感。
はああー 毎日これ食べてダメ人間になりたい・・・



向付け
「名残り鱧 あつ湯引き 梅正油 山葵」
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桔梗の見事な椀の中。
あつあつ、ふかふかの「名残り鱧 あつ湯引き」。
出来立てを、ということで3名分ずつ運ばれてくれるのがまたうれしい。
わからず屋の私は、今ひとつ鱧の湯引きというものに理解が持てないことが多いのだが
(まず梅肉つけるのがよく分からない、お醤油つけても今ひとつなことが多く、
 そのままだとやはり物足りない)
これは大変に美味しい!
ふっくらほこほこ、味が濃いのでそのままがものすごく美味しい。
あまりに美味しくてパクパク食べちゃったところで皆さんから
「梅肉と正油、両方つけると別世界に!」
という聞き捨てならない情報が。
えーやってみたかった! もう全部食べちゃったよー(>_<)


焼物
「紙やき かます 松茸 銀杏 すだち」
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テーブルに、秋のお山がそのままやってきたぁ〜♪
テーブルの周りのみならず、店中が豊かな秋の香りにつつまれる。
みんなして猿山の猿のようにドタドタ大喜びしてしまう。
葉っぱの影に、トトロのお土産みたいな紙包み・・・(^o^)



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紙包みをウキウキ紐解くと、わーっっ!
こんなに大きな、肉厚のかます!松茸!銀杏!



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(お皿に盛りつけてみました)

このかますがまた美味しすぎる。
通常かますは1匹150~160gほどらしいのだがこれは300という極上もの。
だけあって、肉厚で味が濃くその味がやたらにおいしい。
焼き目部分も、中のふっくらした肉質も人生最高と言っていいかます体験。
松茸は「酒で洗って塩振って焼く」。日本料理の人の言葉はかっこいいなあ。



さて、メインともいうべき、本日の鍋!


鍋 「軍鶏 木の子」
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この鍋に投入された木の子たちの贅沢さがまたスゴイ。
花びら茸、ショウゲンジ茸、ハナイグチ茸、花弁茸、平茸、アワビ茸、舞茸!!
店主が全国から集めてきた秋のお宝だ。

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山椒の効いた汁の、バチーーッと強烈な旨み。
軍鶏まるごととこれだけの木の子から出た出汁であるからその旨みは凄いほど。
軍鶏は全部の部位が入っているのでかけらごとに形も味もぜんぜん違う。
焼き目がまた美味しい!

そして木の子は食べるのも採るのも大好きな私は「鍋の中のキノコ狩り」に夢中!
全部は解明できなかったが

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左上のひらひらしたのが花びら茸。
中央上の形も食感もあわびに似たのがアワビ茸。
その右のサンリオのシュガーバニーちゃんみたいなお耳のがハナイグチ。
(乗鞍でたくさん採ったイグチとは味も姿もぜんぜん違う)
左下のまっ黄色のが花弁茸。

ひとつひとつ香りも食感も全然違って、シャクシャクしたりつるつる密だったり
木の子は本当に素晴らしい、妖精のような山の恵みだ。


こちらはおまけで突然握ってくれた、

鰹 握り鮨
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脂は乗っていないけど色が大変に鮮やかで美しい鰹。
店主が脂の乗っていない鰹を選んだのもその理由からと聞いて納得だ。




もう、もう、これだけの贅沢、これだけの御馳走を食べたらですよ。

お蕎麦への思いがちょっとくらいオロソカになったっていいものだと思うのだが。


全っ然ならない!

これっぽっちもならない!!

一番好きな人に会えると思うと、私の心は
もうここにはあまり具体的に書きたくないほどドラマチックにときめいてしまう。


あああ 来たぁー・・
しかも今日はまた一段とうつくしい・・ なんておいしそうなのだろう


止「そば」
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北海道・雨竜町のキタワセ。

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これがまたブッチギリに美味しい・・・!!
今まで食べたもの全部美味しいがやっぱりこれが一番美味しい!!

・・・もう、私は壊れました。
この素敵な香り。
とてつもなく美しい畳。かぐわしき墨。
きっちりと密で自在なコシが、ひんやり奥へと導いていくストイックな味わい。
もう何言ってんだかさっぱり分からないと思いますが
壊れた世界の中では完全な表現となっております。
大変に美味しいということさえお伝えできたらそれでマルでございます。


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(もんのすごいお腹いっぱいなのに、食べきれない方からまたまた奪ってしまった私。
 それを怖そうに?眺める同席の皆様。どうして蕎麦なら入っちゃうんでしょうね〜(^^;;))




食後のデザートは、一同が最初からどんなものかと
楽しみにしていた注目のケーキ。

甘味
「山葵のレアチーズ」
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甘いもの通の方もこの美味しさにはびっくり。
意外な組み合わせのようだが
山葵の爽やかな香りがチーズと大変よく合っている。
辛味はかすかで、ワインにもお酒にもぴったりだろう。
同じケーキを作っている京都有名料理屋のものより「潮」の方が美味しいと言った人がいる、
と聞いたがそれはそうだろう。これはバランスが大変難しそうなケーキである。



もうひとつ、おまけの甘味
「和栗のモンブラン」
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「潮」の「和栗のモンブラン」は熱心なファンの多い大人気ケーキ。
栗の味の濃い、濃厚なマロンクリーム。
「こんなに栗の味が濃いのは他にはない!」と皆で唸りながら食べる。
中のメレンゲのような白い生地も無論店主の手づくり。
これはふたりでひとつのおまけのデザートであったから
みんなで仲良く奪いあってニッコニコ。


今夜もまた、店主作や店主コレクションの美しい器にいろいろ見惚れたが
この湯呑には、まいっちゃったなあー
素晴らしい・・

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2012年5月の「潮」
2012年2月の「潮」


2012年09月05日

青梅街道「手打ち蕎麦と酒 佳蕎庵」


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「青梅街道」の真上にある「青梅街道駅」。
改札を出て左に歩けば店はすぐ「青梅街道沿い」に見えてくる。
どうにもこうにも青梅街道、
外観からはわかりにくいがここはすごい店なのだ。

店に入ってみよう。

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普通だ。
非常に気楽でのんびりとした、
居酒屋のような食堂のような雰囲気である。


ところがメニューを見てびっくり、食べてびっくり佳蕎庵、
なのである。

とにかくメニューが多くて、どれも美味しそう。

まずは、

そばメニュー、
「天付きもり」「上天付きもり」「野菜天もり」「小海老おろしぶっかけ」「かき揚げもり」
「辛味おろし」「冷やし山かけ」「鴨もり」「鴨こま切汁もり」

うどんメニュー、
「もりうどん」「肉野菜汁うどん」「肉汁うどん」「肉葱汁うどん」「鴨もりうどん」
「鴨こま切汁うどん」「つけ玉うどん」

季節のそばうどんメニュー、
「揚げ茄子ぶっかけ」「納豆ぶっかけ」「ひやかけ」「南高梅おろしひやかけ」
「きのこおろしぶっかけorひやかけ」「ねばとろぶっかけorひやかけ」「すだちひやかけ」

御飯物メニュー、(ハアハア・・・タイプするだけでも大変)
「江戸前にぎわい天丼」「海老野菜天丼」「かき揚げ丼」「小海老ちらし天丼」「とろろ丼」


その上「本日のおすすめ」らしきおつまみメニューがすごい。

「一本釣り物!関自家製〆鯖」「小笠原尾長鯛刺身」「真蛸ぶつ」「黒鯥兜煮」
「天然真鯛兜煮」「えぼ鯛煮付」「愛知浅利純米酒蒸し」「氷下魚炙りマヨネーズ」
「真蛸とアボカドタルタルソース」「小平産茹でたて枝豆」「新じゃがフライドポテト」
「ニラ玉」

そば・うどんメニューがあれだけ揃った上に
もうこれは「料理自慢の居酒屋さん」ではないですか!

なるほど日本酒メニュー、焼酎メニューの充実も凄い。
なにやら珍しいお酒もあるらしく、
カウンターのところに置いてあるお酒の瓶の写真を撮りに立っていく人もいる。

しかも蕎麦も魚も産地を厳選し、
野菜などはできるだけ地元である小平産のものを使用ということで
食材への思い入れも伝わってくる。


そんな店ながら、ですよ。
(ああ ここまでが長かった)

そのお蕎麦の本気っぷりがすごいのだ。


基本的にお蕎麦は3種類。
「生粉打ち」
「粗挽き」
「もりそば(並そば)」


うふ♡ もう頼んじゃった。

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あーんなに美味しそうなメニューを全部すっ飛ばし
最初からお蕎麦にツッコむ私・・・こりゃ蕎麦原理主義とか言われても仕方ない。


「もりそば(並そば)」
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本日は岩手の蕎麦、品種は「階上早生」。

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つるりなめらかな極細切り。
箸先に手繰り上げると・・おほー! これは濃い。
ひんやりしゃっきりしめられているにも関わらず
ムワァーと濃厚な香りが伝わってくる。
極細の蕎麦は口中でこまかな束パラ感を感じさせ
ちょっと津軽そばにも似た、つるつるムニーとした歯ざわりだ。
すこし瓜のようなイメージの爽やかな香りと、野性的な味わい。
とにかく香りも味も濃いので
つるつるの細切りだが食べ応えがあってうれしい。




「生粉打ち」
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本日は長野の「信濃一号」の新蕎麦。

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おおー こちら打って変わって ほぼしめていない常温である。
蕎麦粉は違うのにこちらにも先程の「もりそば」に似た
瓜を思わせるさわやかさがあるのが面白い。
パラッとほどけるような、ハラハラとした食感の中からこぼれる
草のようなたくましい味わい。
おいしい〜




「粗挽き」
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本日は福井の蕎麦、「大野在来種」。

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きゃーー これはおいしそう すごくおいしそう もう食べる前から大好き!
こちらもしめていないほぼ常温そばで、
粗挽きだけにたぐり上げた箸先からはことさら強烈な香りは感じられなかった。
しかし来た来た来た来た・・・
ジワジワと、迫るように私を染めるようにやってくる
その香りの素晴らしさときたらなんでしょう。
まるく、しろく、きよらかに甘い香りがホワ〜〜〜ッ
口中をめぐるざらつきもやさしく、
ひゃー これはおいしい おいしすぎる!




そしてここはうどんももちろん手打ち。
これだけ蕎麦が美味しいのだからうどんも美味しいに違いない・・・

「もりうどん」
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「佳蕎庵」のうどんはなんと小平産の小麦と、各産地の小麦のブレンド。
本日は小平と香川と愛知。

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やっぱりこれまた味が濃い!
おいしい国産の小麦で美味しく作ると、うどんも本当に美味しいんだなあー
細切りちゅるちゅる、やわらかいのにしっかり弾む食感もいい。

これだけのお蕎麦、うどんを出す店が
あんなにたくさんのメニューを全部カバーしているなんてすごいなあー



昼時には「ランチサービス」というセットがあり本日は「天ぷらセット」。
この内容がまたお蕎麦屋さんとは思えないワクワクするもの。

ランチの天ぷらが
「海老or穴子」+「本日の魚(イサキorタコ)」+「野菜天」
と選べるなんて楽しいではないか。
あれだけ美味しい蕎麦とのセットではもったいないようなサービスだ。
「私ねー、穴子とイサキ!」とつい選びたくなるではないか。


でもやっぱり私は次回もお蕎麦三種類に暴走したくなっちゃうんだろうなー

佳蕎庵ランチは遠し!




2012年05月16日

西国分寺「潮」


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本格的な美味しい日本料理と蕎麦が楽しめる、
西国分寺の名店「潮」。
その突出した実力と個性には驚かされっぱなしだ。


前回「くちこ汁」に「滋賀の鴨鍋」、「ぐじの造り」など
超絶美味づくしコースを堪能したのが2月。

今回はどんな展開になるのやら
楽しみすぎて朝から頭の中の8割は「潮」!
もちろんお昼ごはんもごく控えめで
ドタバタ動いて限界までお腹すかせて、
さあぁ 一発目!!


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ウハッ これはヤバイ(^^;;)
すんっごく飲みたいけど、このスーパー飢餓状態で一口でも飲んだら
ワタクシ赤色軟体動物になってしまいます。
まずはビール我慢で最初の一皿をウキウキお待ちましょう!


「先付」千枚蛸、アスパラ、トマト、小夏、オリーブ油
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お皿が置かれた瞬間の
テーブルいっぱいの柑橘の爽やかな香り。
もっと近づくとオリーブオイルの芳醇な香りも加わり
「先付」の前の「香りの先付」が素晴らしい。
蛸の吸盤のちゅるぷるコリ感、アスパラも最高に美味しい。



浦霞 本醸造
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本日は常温で。
余分なものを限界までそぎ落としたような、
この究極シンプルで静かな旨味はすごい。このお酒好き!
食べ物とぶつからない、まざらない。別世界にいるのに引き立てる。
以上、お酒1年生の感想。


ここで運ばれてきた
「ながーいステージに並んだスター達」
に一同から歓声が!

「前菜」
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あんっっまりにも美味しそうで
自分の取り皿に盛り合わせる気分は
宝の山からお宝もらうような,
お花畑からお花を摘むようなワクワク感!

こんなお花束になったぁー

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上から時計回りに
「蕨 胡桃和え」
「黒つめ蟹 雲丹やき」
「蛤ゼリー」
「ふぐ 煮凝り」
「蕗 近江牛焼き」

ではいよいよ、いっただきまーす!

「蕨 胡桃和え」
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蕨の野生の香り、味わいが素晴らしい。
粉状にした胡桃の濃厚さ、ローストしてそのままの胡桃の食感。


「黒つめ蟹 雲丹やき」
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黒つめ蟹とは青森の「毛が少ない毛蟹」だそう。
ざっくりみっちりした食感。
蟹と雲丹なんて贅沢だなぁー


「蛤ゼリー」
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貝殻いっぱいにふっくら盛り上がった蛤の姿に
テーブル一同悶絶!!
ほぼ全員が最後まで取っておきました。わたしもっ


「ふぐ 煮凝り」
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この煮凝り、最高すぎです!!
煮凝りの「ほんもの」の素晴らしさのなかでも
これは感動レベルが高すぎます。
濃霧のようにひろがり、夢のようにすぅーっと溶けて消えてゆきました・・
ふぐの出汁がまた、嗚呼・・・・



「蕗 近江牛焼き」
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蕗の野趣と近江牛の贅沢さが
補い合い、引き立てあって素晴らしい調和。
お肉だけより何倍も美味しい。



しかもまだもうひとつ前菜が御座います。

「じゅん才 吸酢」
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ちゅるんとしたじゅん才に、酢と胡瓜の爽やかな風味。
硝子の器が涼しげで夏の到来を幸せに感じる。



「蒸し物」さざえつぼ蒸し 雲丹 竹の子
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これまた一同から歓声。
そしていざ食べ始めたら
皆さんお酒が進んじゃって進んじゃって大変なことに(^o^)
つぼのなかには刻んだ肝、身の部分、竹の子が。
ほろにがいスープが宝物のように美味しく、
「お尻を叩くと全部出ます」との店主の言葉に
民族楽器楽団の如く皆揃ってお尻をたたきまくる。
手が痛いけど食べ尽くしたい気持ちが勝ります。イタタッ



「造り」初鰹たたき、からし
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初鰹のお造りの上に
大根おろし、からし、紫蘇、新たまねぎ、にんにくチップが。
もともと江戸っ子は初鰹を酢とからしで食べたんだそうで、
こちらにも酢があしらわれています。



「焼物」賀茂茄子、海老、胡麻みそ
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豆板醤の効いたピリ辛濃厚の賀茂茄子の焼き物。
1キロの味噌に卵の黄身を10個も入れてつくるという
濃厚胡麻みそ。
万願寺の風味と海老のぷりっと感がいい。




さあぁー やっとやっと
メインと言うべきあの方の登場です。

私、その方にお会いするの初めてなんです・・・
「花山椒さん」!!


まずは比内鶏の鶏ガラからとったスープに
極上比内鶏の手羽、もも、内蔵や卵などに加えて
五三竹も飛び込みます。

「鍋物」比内鶏、五三竹、笹がき蕗、花山椒
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次に、茹でて皮を向いて笹がきにした蕗が。
すきとおる緑が綺麗!
鶏の脂で鍋が黄色く染まってますね〜♪

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そしてこちらが本日のメインともいうべき

「花山椒」
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この器も潮さん作。縁飾りが素敵だ。



入ります!

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わぁー 出来たぁー!

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お、おいしい・・・・・・・・・・・。

くだらぬことを言うようですが、花山椒って花なんですね!
山椒というものは、まさに「スパイス」。
ツーンというかピーンというか
とにかく香りが尖って立って強力ですよね。
花山椒というものはそっくり同じ香りながら
それが「はなやかに」「ほわぁ〜んと」
なんともうっとりと香るのだ。
そして比内鶏の美味しさは言わずもがな。
肉がちょっとあぶってあるのがニクイ。
そしてかぶりつくとぷりっ、ふっくらとやわらかく、
なにより脂のすごいほどの甘み・・
五三竹の食感も素晴らしい。
噛むとパリッと、新鮮に割れるように砕ける。
そこから春の香りがふわぁ〜
濃厚な鶏の旨みが花山椒と五三竹という野の香りでくるまれて
なんとも趣深い鍋だ。


一同の熱いリクエストにより
この鍋にはご飯を入れて雑炊を作ってもらうことに(^o^)♪


そのお楽しみを待つ間・・


湯葉、蕗、竹の子、グリーンピース
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この器も潮さん作。
最近は「桶型」に凝っているそうなのだが
器として実に楽しい。

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やや甘めの味付け、すべてがピタリちょうどいい食感。
このグリーンピース、大粒で美味しいなあ


雑炊できたぁー!

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比内鶏の出汁にふんわり卵〜
うー お腹いっぱいだけどおいしい・・


そしてこちらが大人気でした、

水茄子のぬか漬け
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茄子の色彩と、うつくしいムラが表現された器の彩色がぴったり。
こちらは手で割いていただきます。

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昔あった糠漬けの味。
澄み渡る発酵の味が体を清めてくれる気がする。
おいしいおいしいと皆に売れる売れる!
日本人は本能的にこの味を求めているのかもしれない。



そしてここでいきなり、
スタート前の競馬馬のように目がランランとしてきちゃった人が・・

お蕎麦!!
こんなにお腹いっぱいでも、君はどうしてこうも魅力的なのだ!
今夜は絢爛美食づくしでしばらく離れていた気がするだけに
その名を聞いただけで嬉しさが下から下から浮かび上がってくるようだ。
ああー わくわくする・・・



きたっ

「止そば」
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あああ 素敵ですねえ
お蕎麦の眺めは美しいですねえ
私は「笊の上の蕎麦」という眺めを世界遺産に登録申請したい。

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端整な肌、かろやかな重なり。
たぐりあげ、淡く漂うような甘い香ばしさにしばしうっとりとする。
あー うー 私ほんとうにお蕎麦さんが大好きです・・・
口に含むとかろやかな姿の通り、
くにゃんくにゃんとごくやわらかい蕎麦だが
単なる茹で過ぎ蕎麦とは全く違い、そこには絶妙の食感がある。
噛みしめるごとにフワンと受け止めてくれるやさしいコシ。
また舌に広がる味わいがいい。
常陸秋そばらしい正統派の蕎麦の旨みが
舌の上にギュッと小さくひろがる感じ。
群馬・赤城町の常陸秋そば。
蕎麦が出てきて食べる速度と勢いがいきなり倍増した私に
ギョッとする同席の方あり・・・そりゃそーですよね(^^;;)


「止そば」のあとはいよいよフィナーレ。

「甘味」よっぱらい大納言
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見事な、江戸切子。
透けた小豆がいかにも涼しげだ。

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ひんやり小豆に白玉。
なにがよっぱらいなのかな?と皆で推測していたのだが
答えは香り付けに使われたブランデーだった。
使い方の妙なのか、誰もブランデーとは分からず
「このお酒のよい香りは何だろう??」
と侃侃諤諤、最後は店主に教えてもらったのでした(^o^)



「胡桃のタルト」
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店主初挑戦という胡桃のタルト。
初挑戦にしてこれですか!
なんでケーキまで作れちゃうんですか!
ローストした胡桃をあたり鉢で丁寧にあたったという
ゆたかな森のごちそうデザート。


おいしいものにウキウキニコニコ、喜びっぱなしの私達を
店内の高いところに無数に点在するお地蔵様達が
静かに見下ろしている。


すべて店主の手による仏像たちをまだ見てない方は
是非是非前回の写真をご覧下さいね。
「潮美術館」なんです!


2012年2月の「潮」





2012年7月のライブのお知らせ

2012年02月07日

西国分寺「潮」


「西国分寺に潮あり」。

いや、

「我が日本に潮あり」、である。

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世界に誇るべき名店は、
国分寺市の街道沿いに、ポツンと灯りをともらせている。




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店内には店主の作である大小の仏像が
無数に、静かに「居る」。
この店と、訪れる人とを見守っているかのようだ。


今夜は楽しい仲間が6名集まり楽しい宴。
しかもお誕生日祝いも兼ねている。
皆楽しみ過ぎて昼ごはん抜きの向きも一人に限らず、
もう意味もなくニヤニヤニコニコ。
嬉しいな楽しいな、とりあえず、かんぱーーい!

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座付「浜防風 胡麻びたし」
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割山椒の小鉢に盛られた座付の一品。
浜防風の香りがなんとも素朴なさわやかさ。
胡麻あえではなく胡麻と出汁の胡麻浸しなので全体にすっきり。
その出汁加減と香ばしさのバランスが素晴らしい。
あまりに美味しくて汁を飲み干したく、
しかしそれには割山椒の形が難しかったが
皆真剣に工夫を凝らし、
しっかり全部飲み干していたのが可笑しかった。
この割山椒も店主の作というから驚きである。



ここでお酒を。
「男山」「あさ開」を冷で頼み
江戸切子の猪口が運ばれてくる。
きれいー

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「男山」
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仏師であり陶芸家でもある店主。
この店のほとんどの器は店主の作である。
どっしり素朴な注器。



「あさ開」
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わたしコッチのほうが好きです。
おいひ〜




次の一品。
この黄瀬戸も店主作。
織部の緑が楽しい。

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蓋を開けて一同からため息!
ワーーーー!(←私だけ雄叫び?)

温物「蕪菁むし」
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ぐじ、白子、海老、穴子、銀杏、百合根、きくらげ、山葵、
なんと贅沢な蕪菁むし。
最初はただただ出汁のおいしさが体中に染み渡り、
とろ〜〜〜んと何が口に入っているのやらわからなかったが
卵の白身でつなげた蕪のやさしいとろとろ感が夢のような美味しさだ。
そのとろとろの中に発見して出会うものが全て驚くほど美味しい。
銀杏などはとても大きく、よくあるのとは違ってふっくらなめらか。
銀杏ってこんなにおいしいものだったの?
そして何と言ってもこの穴子の焼き加減、香り、味わいは・・・
人生最高と言ってしまいたいほど最高。悶絶。




美味しいものはお酒のペースを早めますのぉ〜
「浦霞」燗。
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燗酒がおいしく感じる自分が嬉しいので
ちょっとアダルト?ユニーク?なお猪口を選んでみた。
うう・・染み渡る・・アダルトだ。



ここでやっと「前菜」である。

「前菜」
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右上から時計回りに
「鰯辛煮」「雲丹磯辺揚げ」「あん肝味噌漬」「牡丹百合根」
「蕗のとう当座煮」「ばい貝旨煮」「のれそれ黄味明太(中央グラス)」

まず、私が泣いたのは
「蕗のとう当座煮」。
テーブルに置かれただけでふわぁーっと舞った春の香り。
はんなりじんわりといった煮物ではなく、味わいはスキーッとクリア。
蕗の薹の香りだけが鮮やかに際立ち、
塩気もしっかりあってお酒にぴったりだ。タマラヌ!!

「雲丹磯辺揚げ」
こんな味かな、と予想したのよりずっとやさしい味に驚く。
もっとメリハリの効いた味を予想したが、
グラデーションのような恍惚のマリアージュ。
なんと心憎い。おいしすぎる。

「ばい貝旨煮」
これも限界の薄味。薄甘さの中にばい貝の味わいがはっきり。最高の調理!

「あん肝味噌漬」
大事すぎて最期までとっておいた、北海道産あん肝の味噌漬け。
(おいしいものはとっておくタイプ)
おいしいだろうなーという期待を超えた、
濃厚な旨味、ネトフワ〜ととろける夢!この何倍でも食べたい。

「鰯辛煮」
これにも一同悶絶。
ギュッとさっぱり、パンチの効いた美味しさ。
酢だけで煮てから醤油で煮られてそうで、
骨が柔らかーい。骨がおいしーい。


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ここでやっと前菜が終わったとは信じられない、
怒涛の美食づくし。
しかも最後にお蕎麦に会えるなんて、
今は胸が一杯で頭が追いつかない。


小吸物「くちこ汁」
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生のくちこのお吸い物。
見るのも食べるのもはじめてだ。

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不思議な形。くちこさんはじめまして。
しかしそのくちこを食べぬうち、まず出汁だけで驚愕する。
この最高の出汁!おいしすぎます。たまりません。
そしていよいよくちこを一口・・・・
私は、目をかっぴらいたまま口がきけなくなった。
シュクシュクとした不思議なさっぱり目の食感。
その中から、ずっしり濃厚な旨味が見た目の通りの繊細さで小さく、
そしてそれが束になって全体では大量に溢れ出してくる迫力。

こ、こ、こんなにおいしいものが世の中にあるんですかい!
「生でもクチコの味がするんだ!」と驚く声。
私はバチコも知らないので、バチコも是非食べたくなった。




向附「ぐじ引き作り 山葵」
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店主の自信作・楓の器にぐじの皮の質感が映える。
「醤油だけでなく昆布でもおいしいですよ」
と刻んだ昆布が添えられている。

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私如きの筆では何をあらわすのも物足りないが
ねっとり、濃厚、悶絶の美味しさ!
ぐじの味わい、甘みが最高濃度でダイレクトに味わえ
皮の部分がまたたまらなく美味しい。
確かに昆布はとてもよく合い贅沢な味になるが
慎重に試した結果、私はやっぱりぐじの味があざやかにわかる醤油が好き。
(しゃぶしゃぶ屋さんでは頑なにポン酢ゴマだれ拒否、
醤油だけで肉を食べる「ショユラー」につき、かなり異端派意見だと思うが)

でもこの昆布がまた何だかえらく美味しい。
皆「これだけで美味しい!」と大切にチビチビ食べている。

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焼肴「まな鰹 味噌漬 赤蕪」
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「刺身にできるまな鰹の中でも一番いい、
 銀皮がビチーッとついてるのを焼いたんです」と店主。
銀皮に合わせて銀の器で。

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肉質がきめ細かくねっとり濃厚。
私西京焼きに弱いもので、これまた・・
この10倍でも食べたい!



さていよいよ本日のメイン。

鍋「真鴨なべ」
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下仁田葱、しろ菜(京野菜)、椎茸、豆腐

最高級のこの真鴨はなんと・・・!?

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琵琶湖産、と聞いて驚いたが(禁漁なので)
琵琶湖湖畔より300m以内は全面禁漁でも、狩猟を許可された場所があるらしい。
さすがは、圧巻の美しさである。

肉は最後に食べるので、まずはこちらから。

鴨つみれ、入りまぁーす♪
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野菜、入りまぁーす♪
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鴨鍋第一章「鴨つみれと野菜の鍋」。
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野菜も美味しいがこの鴨つみれには一同騒然。
ジャッキジャキに骨が入っている。
「かみそり骨」以外の骨は全部叩いて入っているということで
超ワイルドな食感。
しかし味わいよくある下卑たところが全くなく驚くほど品が良い。
脂もギンギンのっているがじわーとやさしい旨味で、
パクパク食べてしまうではないか!


ここで、肉、入りまぁーす♪
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鴨鍋第二章「滋賀県産真鴨肉、レバー、ハツ入り」
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私、今日生まれて初めて鴨鍋を食べた気がする・・
と思うほど、今まで食べた物とは別物である。
鴨鍋ってこんなに美味しいんですか!
この鴨・・見た目はさほど厚切りでもないのに
見た目以上に肉厚、ふっくらとしている。
それを噛み締めた時の美味しさ、幸せ感と言ったらない。
もう胃が痛いくらいお腹いっぱいなのに2杯いきました・・・



しかも、この鴨鍋に「平そば」が飛び込みます。
贅沢〜

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斜めお向かいのお誕生日ガールは湯気の中で
「おいしい〜っおいしい〜っ♪」と幸せいっぱいの笑顔。


「そばサラダ」
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ドッカーン。
写真では大きさがつかみにくいと思うがこの器、直径35cmくらいあった。
量にもびっくりだがその美味しさにも歓声が上がる」。

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玉ねぎと人参とお酢のドレッシングに
胡麻と揚げ湯葉の香味がすばらしい。
「ポテトチップだっていいんですよ〜」と店主はおどけるが
湯葉だから出る、品の良い、絶妙のアクセント。
そして何より、これだけのはっきりした味付けの中に
蕎麦のかぐわしさ、味わいが出ているのに私は参った。
実は胃弱の私、先刻から本当に胃が痛くなり
失礼ながら休憩までしていたのだ。
しかしここでいきなりモリモリ元気になり
お替りまでした私に、一同も私自身もビックリ。
やはり、おかしい。




最後に出された「海老芋・東西」。

「海老芋(関西風)」
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「海老芋(関東風)」
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関西風はあっさりと出汁で煮たもの。
関東風は甘辛の煮転がし。



この頃にはお腹ぱんぱんを通り越して
食べ過ぎて胃が痛いのをずーっとこらえていたのだが。


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ハッッッ


あなたは・・・

ときめく、「潮」の蕎麦。


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きめ細かな肌の、かすかな青み。
緑でなく、ブルーのような青さにまず心を奪われる。
香り立つ、正統派、王道のかぐわしさ。
優しい歯ざわりの肌は、やわらかな印象だが、
噛みしめるとひょいっと受け止めてくれるコシがある。
何よりも口中を染め続ける洗練のかぐわしさが素晴らしい。
さっきそばサラダの中に見つけた香りと味わいはまさにこれ。
これは、今までに食べた潮の蕎麦の中で最高の美味しさだ。
ああ大好き・・・
ここでもまた、食べきれなかった人の分を引き受けた私。
みなさん・・そんなバケモノを見るような目で・・・見ますよねそりゃ。




さて食後のデザートタイム。

これだけの料理人で仏師で陶芸家でもある店主、
パティシエでもあるからもう驚く気力も残っていない。


今日はお誕生日の方がいるということで
ホールのバースデイケーキ!

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おめでとうございます〜♪
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しっとりとキメの細かいスポンジが見事。
スポンジの甘さはしっかりめで、生クリームは甘すぎず、
お酒の効いた「大人のイチゴケーキ」(^o^)


これで素直に終わらないのが「潮」。
大トリは和のデザートで。

「翁松」
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最後まで楽しく驚かせ続けてくれる潮さん。
この和菓子・・・
ニッキの風味と松の実が美味しく、
なによりこの真中の白餡が異様に美味しい。
何とこの私が、この超満腹状態で完食したのだ。
甘いもの全般苦手、和菓子や白餡はもっと苦手なはずなのに・・
あまりに不思議で、「この白餡は・・?」と聞いたら
なんと生クリームが仕込んであった。
さらに腰を抜かした。
生クリームはもっと苦手なはずなのに
「潮バランス」で魔法をかけられたのだ。



夢の余韻。

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毎日毎日、まばゆい料理を生み、
休むことなく物を作り続ける。

日本が世界に誇る「潮」店主の両手である。






2011年11月24日

国分寺「きぬたや」


国分寺の駅で降りるともう空気が違う。

駅からの道を気分良く歩き、
あたりの景色が「きぬたやチック」になってくると
チラホラ現れるのが野菜の直売所。

道端で突然お店を展開してるおじさんもいれば
民家の入口の無人直売所も多い。

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無人直売所は、本棚のようなものの下に滑車がついた「店」である。
この棚、なんと呼ぶのか知らないが実に素朴で可愛らしいものだ。




さて青空もまぶしき、本日の「きぬたや」。

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開店直後ゆえまだ空いた店内で
今日は前回来た時に話題に上った、とっときの名酒を!

「磯自慢 純米大吟醸 山田錦 ブルーボトル 西戸」
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古家、常田、に続き最後に発売された西戸の畑のブルーボトル。
「1年寝かせると全然違うんです」と店主が言うとおり、
すっきりしていながらふくらむコクがおいしい〜
今日は何だか私飲めます!(当社比)
ちょっと強くなったみたい?



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この右の猪口、彩子絶賛。
形といい、高台のメタルな彩色といい、縄目のような模様といい
大変気に入りました。




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ちょっと食べちゃったお豆腐、
一生懸命向こうに向けてみたけどバレてますな。


「野菜天ぷら」

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揚がったものから運んできてくれる「野菜天ぷら」。
こんなに豊かな畑の恵みが全部で500円。
山梨の農家からの直送野菜である。
特にさつまいもがビックリするほど美味しかった!


本日のお蕎麦、なんと5種類もあるそうです。
すごーい! うれしい!!


1枚目「北海道・キタワセ」
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相変わらずここの蕎麦は本当に美しい。
しっとりとした肌、その粉の粒子に目を見張る。
見た目のラインはやわらかそうだが、
口に含むと弾むような強靭なコシがあり
その中からほんのりとした蕎麦の味わいが生まれてくる。


2枚目「北海道・牡丹」
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こちらは淡い緑色。
震える素朴な輪郭線、淡い色味の無数のホシが
どうにもたまらない眺めである。
爽やかな蕎麦の香りとまたまた弾むコシ。
おいしい・・・


3枚目「北海道・牡丹(手挽き)」
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わー 豊かなおいしい香り!
なんだっけ、この香りなんだっけ・・と思ったら
不思議と炊きたての美味しい白米の香りに似ている。
やさしいざらつき、ふっくらした味わい。



4枚目「福井・在来種」
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おお、本日初めての褐色肌。
ふんだんにホシが散りばめられた肌は、石のような素朴な風情。
箸先にたぐると・・これは珍しい香り!
醤油でもない、海藻でもない、錆・・でもない。
(例えが悪くて申し訳ないがあくまで「いい香り」なのですよ!)
いかにも味の濃そうな、凝縮したような香りが伝わってきたのだ。
口に含むとじっわ〜
滋味溢れる蕎麦の味わいがあふれてきた。


5枚目「北海道・牡丹(太打ち)」
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ひー

この見た目には本当にヤラレました。
しばらく見入って、見入って見入って吸い込まれるかと思いました。
この肌はなんですか。
このうつくしきラインはなんですか。
最高のルックスをもつものは食べても最高で
3枚目の手挽き牡丹でも感じた、
極上の白米のような豊かな甘い香りと味わいである。




長居したようでも楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう。

店を出てまた、空気の美味しさに驚く。
美肌のばあちゃんの八百屋でトマトを買う。

そしてそのあと、何故か盛大に迷子になったのだが・・


それも楽しい「きぬたや日和」。





2010年8月の「きぬたや」



2011年09月08日

立川「手打ち蕎麦 ふたつ庵」


山下アンシュと立川キチ◯イ連合による
多摩蕎麦ツアー第2弾!

第1弾から実に1年半以上も経ってしまったが
おかしなメンバーが集まれば早速ゆる〜い空気が流れ
なんとな〜くニヤニヤ〜としながら出発!

前日にアンシュから
「リーダーT棟梁の都合で2時から1軒め」との伝達があったとき
鬼な誰かが
「えっ何ですかそれ??お蕎麦屋さんは11時半からやってますよ!」
というスパルタンな発言をしたため(私だが)
集合可能なメンバーのみで午前中スタートということに。


皆の衆を叩き起しておいて満面ニッカニカの私、
やってきましたのは立川のピカピカの新店
「手打ち蕎麦 ふたつ庵」。

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以前ここにあった「そば菜」がなくなってしまったのは
ほんとーうに残念だが(>_<)!!
新生「ふたつ庵」。
名前もかわいらしいし、同じ場所ながら
ぐっと明るくて綺麗なお店になったなあー

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なにはなくともとりあえず、
アンシュと「朝ビー」。

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アンシュのオーダーで、
「味噌焼き」

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見た目ではわかりにくいが
食べてみると肉厚でふっくら!
ザクザクの食感といい、これ、おいしい〜



こちらのお蕎麦は1枚150gとたっぷり。
しかもメニューにはっきりグラム数が明記されているのが
わかりやすくていい。


「ふたつ庵せいろ」

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150gあるだけにたっぷりゆたかに笊の上にひろがってやってきた。
たぐりあげた香りはさっぱりと淡い穀物の香り。
と思いきや程よいコシを楽しむうちに
非常にフレッシュなかぐわしさがふくらんできた。
北海道士別産の蕎麦である。


「田舎そば」
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ダイナミックな流麗ラインが印象的。

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近づけば、赤みを帯びた均一な肌。
見た目の通りの甘い田舎らしい濃厚な香りと
非常になめらかな歯ざわり。
甘さは噛みしめるごとに更に濃厚になっていく。


ニコニコ笑顔の店主夫妻も本当に感じがよく、
明るく綺麗な、カフェのようなお蕎麦屋さん。

次回は「精進煮かけ」、
たべてみたいなぁ〜




2010年12月31日

小平市小川町「手打ちそば そうま」


大晦日の今日、
東京の片隅で小さな暖簾がそっと下ろされる。


東京都小平市。
青梅街道沿いに掲げられた幟に誘われ路地に入ると
なんとも微笑ましい、「自宅改造」というより「自宅そのまんま」の
お蕎麦屋さんが現れる。


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陶芸家である店主が自宅で営んできた「手打ちそば そうま」。



ぼっち盛りの「ざあるそば」は
ほのぼのとした名称がよく似合う
柔らかめのやさしい食感だ。
やや熟成感を含んだ風味がひろがる。

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天ざるそばの天ぷらは
ドーンと家庭的な豊かさ!

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店内には近所の人らしい老夫婦が
まるで自宅にいるかのようにくつろいでいる。
お蕎麦はもう食べ終わったのに、ここが好きなようで
ぽつぽつと話をしている。

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玄関には「ごめんくださーい。おじゃましまーす」の明るい声。
「はぁーい!」と店の人のこれまた明るい声。
こんな風に、近所の人に愛されてきた店。
嬉しげに席に着くお客さん。


店内は陶芸の作品や
「そば」と書かれた小学生の書道が飾られ(シビれた!!)
心温まる楽しい雰囲気。

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大切な空間が、ここにあったのだ。




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2010年12月22日

小平「手打そば 吟」


「吟」の蕎麦。


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私などには届かぬもののような気すらする存在。

迂闊な形容詞を冠したくはない。

それよりも心を込めて、大切に言いたい。

「おいしかった!」





今回は番外編だったので、
また近々、本編をご紹介しますね〜



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(美しすぎて食べられない、と言いながら食べた薬味!)

2010年08月20日

立川「無庵」(同じ釜の蕎)


「山下洋輔 檜原村フジの森 JAZZ CONCERT」

いよいよ、明日でございます!

いやー、楽しみです。

屋根のないところ、できれば森があるところで
歌うのが一番好きなわたしには
これ以上ないくらい楽しみなステージです。


昨日はリハの後、
我らがアンシュのお心遣い&名采配で
皆で立川「無庵」へ・・・

こんなに素敵なメンバー、
こんな楽しいシチュエイションでの無庵は新鮮で感激もひとしお。


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無庵らしい洗練の演出に酔わされつつ・・・




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リハで歌いまくって血中蕎麦粉度砂漠レベルだった私。
最初の蕎麦粉である「そばがき」を舌に載せた瞬間
「これは絶対におかしい!」
と確信。
麻薬とか中毒とかとしかいいようのない、
口に含んだ刹那目が開かなくなるほどの恍惚の芳しさ、
二の腕がシビレるような体への染み渡り方・・・
もちろんおかしいのは蕎麦でなく私なのだが。




そしてそして待ちに待ったお蕎麦・・・!



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黒っぽい肌に大きめのホシをふんだんにはらんだ、
本日の「挽きぐるみ」。
不規則に揺れる輪郭線に見入りたどれば
思わず息をこらさずにはいられない。
大切に育まれ作られたものだけが持つ、素朴な気品。

白い陽炎のようなホシをうっすらと浮かべる
この肌の透明感、ツヤは熟成かな?と思ったらまさに。
ムワァ〜と重低音な熟成の香りである。

口に含むと、大小無数のホシの夢。
ざらついた肌は心地よく口内を撫で、
噛みしめると儚く途切れ消えてしまう。
さながら、素朴で壊れやすい素焼きの名碗のような。


コースのお蕎麦は1種類だったのだが
私の慕情?気迫?が伝わってしまったのか
もう1枚、生粉打ちに出会えたー!

これまたなんと気高い眺めだろう。
繊細な輪郭線、軽みを持ったその重なり。
蕎麦と蕎麦の間に繊細にはらむ空気にすらときめいてしまう。


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しかし美しいのは姿ばかりではなかった。

その芳しい、クリーミーとでも言ってしまいほどまろやかな
蕎麦という穀物の新鮮な香り。
何よりその歯ざわりが、にくい。
舌触りはどこまでも控えめなやさしさを持ちながら
噛みしめる最後の最後で ふっ、 と噛み切らせないコシに驚かされる。
柔和な顔の武術の達人に出会ったかのような
しかし凄みよりもその柔和さに和まされる心憎さ。



皆で「同じ釜の蕎麦を食い」まして、
楽しい時間、美味しいもので明日のコンサートへの栄養注入完了ー!


実はこの後はこんな面白い展開にもなったのだが・・
(笑った笑った!)

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@めし おさけ くぼかた(^o^)♪



ではでは、明日、檜原村でお会いしましょう!








2010年08月09日

国分寺「きぬたや」(お蕎麦の写真)


「どうしてお蕎麦の写真を撮るの?」

隣席に偶然隣り合わせたTNKさんが私に聞いた。
土曜の夜のことである。
いい加減酔っ払っているようで、目をシバシバさせている。


適当に流すのが下手な私は大真面目に考える。

このブログのため?
否それだけではない。
ブログに載せているお店、使っている写真はごく一部だ。

ブログに載せもしないのに撮る、
その一番の理由は
「その時私がドキドキしているから」だろう。

会えて嬉しい、見入ればドキドキ。
その美しさに出会えた喜びを、
その内なるときめきを、
何か形に残したいと思うのは実に自然な感情ではないか。



と私も段々熱くなりかけて隣を見れば
酔っ払ったTNさんは自分でふった話のくせに既に全く聞いちゃいない。
目が泳いでいるところを見ると
どうやら「自身の今後の生き方」について真剣に考えている。
お酒とおつまみの配分だ。
そして
「ここの玉子焼き、うまいですよ」
とか言ってくる。

あのー!
聞かれたから、
私一生懸命考えて答えてたんですけどー!




そんなわけで、今日は国分寺「きぬたや」の蕎麦写真。


開店一番に入店し、
まず出されたのが板状の蕎麦刺。
今日は4種のうち、最初の2種が食感を大切に、
あとの2種が風味を大切に打ったそうである。

お湯に沈められた最初の2種のうち、
白っぽい方のじわっとした風味がとてもいい。

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と思ったらあとの2種は湯から揚げられた状態でやってきた。
確かに、最初の2種よりこの2種の方が
風味も甘みも豊かで素晴らしい。
右にある方がより粗挽きで、味わいもより濃厚だ。
うんうん、血中蕎麦粉度、上がってきましたよ!
盛り上がってまいりましたよ!

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そしてお待ちかねの蕎麦である。
実に1年ぶりの「きぬたや」の蕎麦。
相変わらず、吸い込まれそうに美しい。

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店主の狙い通り、最初の2種は実際香りや味わいは淡い。
しかし、その食感はまさに「きぬたや」ここにありといった繊細さ。

壊れやすいものを扱う時の緊張感を覚えるような、
はかなく高貴な印象の輪郭線ながら
その肌は意外なほどの強靭さをもち、
無数の夢が口内を細かく撫でてゆく。
目を閉じれば私は、
小学校の教科書で見た「スイミー」の絵の中、海の底。





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そして後半の2種である。
どちらも素晴らしいのだが、
特にこの最後の1枚の美しさは何なのだ!
あなたは神か。(蕎麦だ。)
出会った瞬間、持っていたものを全てバサバサバサーッと落とす、
古き良き少女漫画の「一目惚れ」のレベルである。
椅子に座り、何も手に持っていない私はどうやってこの一目惚れを表現できようか。
とりあえず椅子から落ちてみるか。
否食べて椅子から落ちそうになったことは何度もあるが
食べないうちから落ちたら食べられない。
食べなくちゃ。食べるぞ。と頭では信号を送っているのだが
何せ少女漫画の一目惚れであるから実行に移らない。

目に星とハートをキラキラ浮かべて
ぼーーーーーーーーーーっと阿呆のように見入る宇宙。
ああ何もできない。どうしていいかわからない。
これを恋と呼ぶのなら私はやはり人間じゃないのかも。
なんでもいいや、もう食べよう。エイ。



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っはーーーーーーーー。


美しい・・・・



その香りは、その芸術品のように美しい肌の内側に、
無数にゆらめく蕎麦の粒子の奥に
静かに、そっと眠っていたかのようにひそめられていた。

箸先にたぐりあげ、香りを寄せようとも、
こちらに漂ってくるのは清らかな冷気のみ。

しかし口に含み、その肌を、歯ざわりを確かめるうちに
あまりにも「蕎麦そのまま」のフレッシュな香りが
体を吹き抜け、目が覚めるような思いがする。

蕎麦の一番よい香りは
蕎麦打ちの時に打つ人だけが楽しめるものと言われ、
私も初めて嗅がせてもらった時は
「えー知らなかった!!一人でこんないい思いしてたんだ!ズルイじゃないか!」
とお蕎麦屋さん不信に陥ったものだが
まさにあの香りがする。
あの、最初の一番貴い香りが、
この吸い込まれそうな宇宙の奥に
そっと閉じ込められている。




ね〜〜〜TNKさん、
今度は聞いてました?










2010年04月22日

立川市・泉体育館「手打ちそば 田堀」(アンシュとダンス)



いや実際に踊ったわけではないのだが。


アンシュと私が・・・!
そんな恐れ多すぎな展開があっていいものかと
あまりの事態に逆に準備も緊張もできず
私はほとんどクラッシュ状態。
いつもに増して頭パーなまま
ぼんやりニヤニヤ〜とスタジオ入りしてしまったが。


私の実感としては、限界まで剥き出しプリミティブな私が
川で水浴びをするライオンのように
アンシュの流れと好きなだけダンスを踊ったような。


とんでもなく楽しかったことだけを、
私以前の私が覚えているような。


頭でなく、体が覚えている楽しさ気持ちよさというのは
何とも言葉に出来ない嬉しい記憶である。


しかも終わった後は、アンシュから
もったいなくも素っ晴らしいお申し出をいただき…
ライオン、嬉しくて月に向かって吠えて走り出してしまいそうであった!


スタジオの後は、
かねてよりツアー予定に組み込まれていた
アンシュおすすめの「田堀」へ。
歌った後のお蕎麦は美味しいぞ〜
うっうっ 嬉しいよう・・・




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地元のタクシーの運転手さんも気づかぬくらい
ひょいと奥まったところに、静かな情緒の佇まい。
「本場信州 石臼挽き 手打ち蕎麦 田堀」。



紋屋三田さまも「明るいうちから、いいのかなあ〜」なんて言いながら
早速みんなでお疲れさま、かんぱーい。
お腹が空いていたせいもあり、
楽しすぎたせいもあり、
何を食べても美味しい。
うははははー



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お〜、これは初めての食感である。
「田堀」のそばがきは、
見た目から想像される「フワ感」は意外と少なく
とろぉ〜り、液体っぽさすら感じるほど限界までクリーミー。
香りは淡いが雑味のない研ぎ澄まされたものが
そのやわらかい肌の内側にひそめられている。


限界までのやわらかさ故、箸では非常にとりにくく
一口で口いっぱい頬張りたい食い意地の張った人(私だが)には
切なさもなきにしもあらずだが
時間が経つと「液体感」は「モチ感」となりその頃もまた楽しめるそばがきだ。




こちらは「揚げそばがき」。

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そのクリーミーそばがきを高温で揚げてしまうのだから
そのアチアチのトロットロさたるや!
香ばしく美味しい薄皮を破って、
熱い液体状そばがきが熔岩のごとく口内に流れ込んでくるという
初めての体験をしてしまった。
これはかなりの人気メニューのようですよ〜


奥さんの笑顔もキラキラとても素敵で
またこちらのテーブル席は
ついたてのあるボックス席になっているため
実に気楽で居心地の良い空間。

テーブルにはジョッキやとっくりが林立し
私もスタートダッシュのビールがしっかり効いて(コップ1杯以下だが(^_^;))
そう言えば「竹に入ったお酒」というのも味見したりもして
(私の好みど真ん中の美味しいお酒。飲めるならもっと飲みたかった(>_<))
もうどうにもしあわせのへにゃへにゃ、
わあ〜天ぷら盛り合わせ豪華だな〜
大好物のふきのとうの天ぷらも美味しいな〜

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と浮かれていたら!







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突如私の脳内は洗い清められたように澄みわたった。

実に美しい蕎麦ではないか。



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つやつやと密度濃く、奇を衒わぬ正統の美しい姿。
好きですねえ、この真面目さ、真っ直ぐさ。


たぐり上げると、ふわり、とは香りが飛んで来ないところがまた憎い。
香りは奥に潜めるように、
精緻なレンズのピントを合わせたその焦点中央にピタ、と置いてきたように、
狙ったようにそこに控えているのだ。
蕎麦もまた、そばがき同様雑味のない、磨かれた香り。

それまでウハウハのへにゃへにゃだった私であるが
突然目がかっ開いてしゃっきり、うっとり。
その姿を味を香りを見つめつつ夢中でたぐり
蕎麦湯は湯桶に2杯一人で飲んでしまった・・(コラー)



そして「田堀」後は、待ってました!

立川一ディープなこの地に流れ着き・・・


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@「めし おさけ くぼかた」





武蔵砂川の夜はあんなにも楽しく更けていったのであるが。




私以前の私は、ずっとあの川でダンスを踊り続けていた。







2010年02月22日

立川「手打そば むらやま」 (和なリハ+)


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昨日は、3/5のライブのリハでしたemoj_btw_00638.gif

ドラムセットとお琴と太鼓と三味線とコンピューターが混在するスタジオ。

メンバーはみなさん素晴らしい音楽家ばかりで
木津さんの歌声の、大地のようなゆるぎなきパワーに導かれ
すごーく楽しいリハでした!

私は和だかエチオピアだかニューギニアだか??
かなり謎な雰囲気でリハに参加させていただきましたが
民謡界の星として輝きながら全く既成概念にとらわれない木津さんには
ニコニコ柔軟に受け入れていただきうれしかったです〜60P600559_DCE.gif

本番がますます楽しみemoj_btw_00687.gif





今週美味しかったお蕎麦は
立川駅より多摩モノレールで6分、
泉体育館駅から徒歩10分の「むらやま」。



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都心からはちょっと遠く感じるかも知れないが
二八と田舎とさらしなの3種の蕎麦を用意して
ニコニコと笑顔が実に感じのいい店主夫妻が迎えてくれる。



こちらが二八。


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続いてさらしな、田舎。

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「むらやま」のお蕎麦はどれもがとにかく
ぱきぱきハッキリ、繊細な舌触り。

「もにょーん」とか「フワ」とか「にちゃ」とか
「しっとり、しなーん」とかは全くなし。
どこまでも!潔く!ぱきぱきシャキーンと清冽で端正な姿のまま
舌をくすぐり歯に触れてその感触を楽しませてくれる。


二八らしい優しさ。
さらしならしい清澄な香り。
田舎らしいざらつきと、やや熟成感を感じる香ばしい香り。

それぞれの特性も十分に楽しませてくれるのだが
すべては「むらやま」という強烈な個性の内側でのこと。

こういう強烈な個性、私は大好きである。


相当冷水で締められているので
どうしても蕎麦の香りを楽しみたい私は
できるだけゆっくりと食べて時間を稼ぎ、
温度が少しでも上がって味と香りが出てくるのを待つのが
ちょっと大変だった。
美味しい蕎麦ほど、ゆっくり食べるのは難しい。


昼の営業は11時から15時までと比較的長めなので
13時半に新宿にいても間に合っちゃいますよー!