2022年05月18日

東十条「一東菴」


告白します。

こちらは、数ある名店の中でも
私が「書きたくない店」、最上位に上がってくるお店であります。


だって・・・

素晴らし過ぎて、

好き過ぎて、

想いばかり爆発して、

もうどうしていいかわからないんですーーー(>_<) !!




大きな看板などはないけれど
名店は連日予約でいっぱいの大人気ぶり。


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店構えそのものはストイックな純和風のイメージなのだが、
この季節は色とりどりの花々に囲まれて
なんて幸せな眺めだろう。
お花畑の奥から小人さんがコロコロ駆け出してきそうだ。



店に入る瞬間、
もう小躍りしそうにワクワクしちゃって
顔はヘラヘラ笑っております〜 (≧∇≦)

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冒頭で書きたくない店と申しましたが、
ここはもうなんと言うか、
一言で言うと天国のような場所なのです。


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あたたかな雰囲気で居心地最高の、美しい店内。
とんでもなく美味しいものや、
ぶっ倒れるほどものすごいお蕎麦がドコドコ出てきて、
お酒も美味しく、店主夫妻の人柄も素晴らし過ぎて、
私などの筆ではもう書きようがなく、
ただただヤバイとか泣けるとか死んじゃうとか
極めて貧困な感嘆詞しか出てこないのであります。



なので本日はできるだけ冷静に、事務的に、
筆を進めて参る所存・・・(無理だな( ̄▽ ̄))


まずは、ウキウキランランとお酒を選びます〜

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「ふもと井」と「四季桜」。

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「ふもと井」は入り口から厚みがあって大人の味。
大好きな「四季桜」はすっきり上品だけど
後半膨らむコクがあってやっぱり美味しいなあ〜
このお通しも大好きー♡



さてさて肝心のメニューでありますが
ぱっと見は、割とシンプルなんです。

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ところが実際はシンプルとかそういう次元の話ではございません。

壁にもめちゃくちゃ美味しそうな
旬のメニューがいろいろありまして〜

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そして百聞は一見に如かず。
宇宙をブチ抜くような、三尺玉大花火のような世界が
この後一気に続きます。


行きますよ・・・


どぉーーーーん!!

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すっ

すっ

すてきすぎてっっ 嬉しすぎちゃってっっっ

胸がいっぱいでもう私は故障しました!!



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なんという、なんという、美味しそうさ・・・
とにかくひとつひとつのお料理が放つ、
なんというか・・・あたたかなオーラとでも申しましょうか、
センスと、腕と、手間暇と、美味しいと思ってもらいたいという真心が
バヒンバヒンに伝わってきて、
お箸を手に取るのも忘れてただただ感激して見入ってしまう。


いよいよ意を決して食べ始めると感激はさらに!!

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手前の蕗味噌にはやわらかな蕎麦の実。ハートを掴まれました。

かまぼこの上の海苔にはワサビが効かせてあってニクイ。

トマトの上には梅くらげと海苔。
意外ですが全部一緒に口に入れると魅惑のマリアージュにびっくり。




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ホタルイカは上品なやわらかさが最高。
その下には菜の花も潜んで、海山の春の喜びがこの小さな一皿に〜♡

そして私が悶絶したのはその奥の、湯葉豆腐。
濃厚とろとろのお豆腐の上に湯葉が載っているのですが
なんですかこのお豆腐の美味しさは!湯葉もすごすぎる。
これこの10倍くらい食べたい・・・ (≧∇≦)




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手前は昆布としらすと海苔の佃煮。佃煮は自家製とか!?
こんなの飲んじゃうからやめてー (≧∇≦)

その奥のポテサラがまた絶品。
ポテサラという食べ物にいまいち興味が薄い私ですが
これは海苔入りってところがニクすぎでして!
胡椒が効いて大人のポテサラでして!
めちゃめちゃおいしい〜!!

右奥はもずく。細かくて上質。
そこに黒酢かな?コクのある酸味がいい。




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気になる左手前の可愛いのは、苺の白和え♡
こういう意外そうなメニューが
しっかりバッチリ美味しいところに着地しているのがさすがすぎます。

その右、単品メニューでも頼める浸し豆は私の大好物!
おいしいよう〜これもこの10倍食べたい〜




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左手の玉子焼きは本当に上品なうす味、うす甘、
そしてひんやりつめた〜い。

右の蕎麦豆腐?は濃厚な質感ながら味わいは割とすっきり。
汁が美味しい〜

そしてなんてったって最奥の鴨ロース煮であります!!
ここの鴨ロース煮はその名前で呼んでいていいのか分からないほど
別次元の美味しさ。
フォアグラですか?もしくはテリーヌ??
とにかくグランメゾンで恭しく出されるどんな鴨料理よりも
こっちが美味しいに決まってるでしょ!!
と断言したくなる、完璧を超えた美味しさ。
完成度が高すぎますって一東菴さん!!




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そして、もったいなくて最後まで取っておいた煮穴子。
大根とろっとろ♡
穴子うまーー!!
私は穴子とか鰻の臭みにめやたら敏感な面倒臭い奴なのだが
こちらはもちろん臭みなど全くなく、
ちょっと煮凝りっぽくなっていて
もうもうもう、泣ける美味しさ〜(T_T)♡



ハァハァ・・・
最初の「酒肴おすすめ」の盛り合わせがあまりにも凄すぎて
お蕎麦が出てくる前に完全に消耗してしまいそうだ・・・
(冷静に事務的に書くって言ってたの誰だっけ)


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乾坤一。
澄み渡るすっきり感ながら、ジーッと下に支えがあって
おいっしい〜
すっきりが好きだけどひたすらすっきりは寂しい私。
こういうの、だーーいすき!!



「ホタテ、たけのこ、蕗の薹の天ぷら」

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好きなものだらけの天ぷら!♡
蕗の薹の香りにヤラレました〜



そして

なんの心の準備もできていない私に

もんんのすごい爆弾が届き、ハートが破裂しました。



ナンデスカこの見たことないくらい
キョーレツなミドリのそばがきはぁぁーーーーー!!!

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いやいやいや・・・

いやいやいやいや・・・

こんなものすごい緑っぷり、この粗挽きっぷりって!!


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見入るほどに目も心も奪われる、透き通るような美しい緑。
粗挽きの蕎麦粒子たちの鮮やかな彩り、表情。
とにかく見た目だけでもびっくりで、
早刈り前の蕎麦畑に頭を突っ込んだような感動がある。
瞬きができない。

一口食べたらもう笑いが止まらない。
アッハッハハハッハ〜〜〜美味しすぎますってーー!! (≧∇≦)
香りがなま!美しいなま!
最高の蕎麦畑の中の、
めちゃくちゃフレッシュで澄んだ美しい香りだけを集めたような、
かぐわしさのカタマリ!!
しかもこのどろねぱっとした質感の中で感じる
粒々が素敵すぎる・・・
恍惚あまってもう早くも上半身が傾いてます・・・
山形は鶴岡市、越沢(こえさわ)の幻の在来種、三角そば!♡



そばがきの興奮で打ち上がったまま
宇宙から帰ってこられない私でありますが
このあと間髪入れずに蕎麦切りの部に突入いたします。


ここは蕎麦猪口も汁入れも、
個性的で本当に可愛らしい。

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蕎麦猪口の底にはこんなかわいいひつじさんが!♡

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一枚目「千葉・成田」

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見た瞬間、またまた笑い出してしまいました。
またしてもものすごい緑!!ありえない緑!!
ここではこの色がスタンダードなんですか!? (≧∇≦)


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あまりの美しさに激写が止まりません。



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本当に、肉眼で見ているのに信じられないような美しい緑なのだ。
尊くて、大切すぎて、食べるのがもったいないけど
食べる前からガンガン飛んでくる香りが凄すぎます!!
蕎麦の香りの美しいところだけをふわっと軽やかに集めた、
天女の羽衣のような香り。
そしてこれまた、ひとくち食べて笑いが止まらなくなりました。
極細の繊細さが尋常ではない。
このコシ、舌触り、
何がどうしたらここまで繊細な美しさになりますか??
味わいもふわっと軽いのに口中全てを染める美しさ。(もう日本語が崩壊)
あああああああ
おいしすぎます大好きです・・・
成田・上野さんのお蕎麦。





二枚目「長野・南相木 南相木在来」

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打って変わってこの黒さ、粗挽きっぷり。
すごぉ〜〜〜い♡♡♡


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っはーーーーーー
なんという肌。なんという輪郭線。
透明感のある褐色の肌には無数のホシが浮かび、
こういう蕎麦はもっとたくましい印象の蕎麦がほとんどだと思うが
この蕎麦のなんともデリケートで繊細な表情に目を見張る。
箸先から香りを寄せると
黒く香ばしく、それでいてとんでもなく美しい香り!!
この美しい黒い香ばしさはすごい。
食感としては見た目の通りのジャキジャキなのだが
全体の質感、舌触りはハラハラと儚いまでに繊細。
共存し得ない相反する特徴のようだが
とにかく全体の印象はどこまでもやさしく繊細なのだ。
その繊細さをそっと噛み締めると、
黒く美しい香ばしさがホワッと膨らむ。
あああ〜〜おいしい〜おいしすぎる〜〜〜〜〜〜




三枚目「島根・美郷 さひめそば」
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写真では伝わりにくいかもしれないが
これも素晴らしい緑である。
こんな美しい色のお蕎麦には滅多に出会えるものではないのに
今日ここでそんな色のお蕎麦にしかあっていないという
驚愕の現実!!


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っはぁーーーーーーー!!
香りが、ふっくら!!♡♡♡
フレッシュな青さに加え、炊き立ての極上米のようなふっくら感が
たまらないかぐわしさ。
口に含むと、繊細な細切りながら
今までで一番太めでもっちりした印象。
これ以上無理なくらい美しく切り揃えられているのに
繊細な手作り感、手捻り感のある食感が奇跡のよう。
これまた写真では伝わりづらいかもしれないが
一般的な量よりかなり少ないので、
写真の印象よりずっと細く繊細なのだ。
コレも大好き、最高・・・(T_T)♡
何事も好みがはっきりしている私だが
今日のお蕎麦はぜんぶぜんぶ好きすぎて
もう何が何だかわかりません!!



四枚目「徳島・祖谷 祖谷在来」

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わー!この器もオッシャレだなあ〜
そしてまたまた!お蕎麦がっっっ

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これは・・・絶対にすごい香りのする肌だ!!

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キターーーーーーー
深く香ばしいナッツ感!!
しかしよくあるずっしり甘いナッツ感とは一線を画す
まさにこの一東菴らしい、清澄ナッティーちゃんである。
ナッツ感と共にい草のような渋くさわやかな野生もあり
とにかく食べなくても香りだけで永遠に泥酔していられそうである。
食感はざらつきありつつ繊細で、
噛み締めるとごくやさしいコシが迎えてくれる。
味わいは意外なほどすっきりなのだが
噛み締めるほどに後からジワーと滋味深さが響いてくるのが
さすがは祖谷在来らしい。
あー!やっぱりいいなあー祖谷は!!



五枚目「長崎・五島 五島在来」

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あああーーー

これも

うつくしい・・・

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もう・・・
愛しさとせつなさとで
やっぱり激写が止まりません


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もう先ほどから私のメモ書きは故障も甚だしいので
我ながら解読不可能です( ̄▽ ̄)

「水が澄んでる!!ような
濃厚なかおり、めちゃくちゃきれい!
美しい水の香り、透き通る神の水?
繊細な舌触り、コシがせつないほどやさしい
だいすきー」


六枚目「山形・鶴岡(越沢) 三角そば」
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先ほど食べた「そばがき」(と言ってもお蕎麦が凄すぎて昨日みたいに感じる)
と同じ山形・越沢の幻の在来種、三角そば!

こちらもすっごい粗挽きで、またまた超繊細!!

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蕎麦粉の挽き方、お蕎麦の打ち方でこうも変わってくるのかというほど
先の「そばがき」とは全く違う方向のかぐわしさ。
ストイックな黒い香ばしさがすばらしいーーーーーー!!
舌触りはチリッジャリッと刺激的なのにどこまでも繊細。
これまたやさしいコシを噛み締めると
澄んだ香ばしい味わいと甘みがふわーっっと広がる。
最後の最後まで完璧すぎて、最高すぎて
もう私は帰ってこられません・・・


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お蕎麦が超絶美味しすぎて蕎麦汁につけるなんてことは
もう前世の出来事のように忘れてしまっていた私。
(てかいつもでしょ (^^;) )

言わずもがなではありますが
ここは蕎麦汁がまたバッッッッカウマで!!
常々私は、自分の大変に我儘な表現として
「舐めてみて何も思わない蕎麦汁が理想」と申しております。
甘いとか辛いとか出汁が効いているとか何も感じない、
スッと自然に舌に乗ってくるような蕎麦汁。
ここの蕎麦汁は
私にとっての「何も思わない理想」形よりちょいストイックな印象。
そこがまたニクイ!!ニクすぎる!!
あとちょっとで届かない色男みたい!(故障しすぎ(笑))



あまりにも素晴らしいお料理から、
そばがき、そして怒涛の絶品蕎麦連打で
もう私は完全にグデングデンの泥酔状態。
(注・例によって酒量だけは小鳥です)


衝撃と感動の連続、
刹那の恋のようなひとときを駆け抜け、
ほっと一息、蕎麦湯をいただこう・・・と思ったら、

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そそそ蕎麦湯まで飛び上がるほど美味しいんですけどーーー!!
もうもうもう、どれだけ素敵なんですか・・・
どれだけ私を骨抜きにするんですか・・・

何から何まで素晴らし過ぎて、

好き過ぎて、

想いばかり爆発して、

もうどうしていいかわからないんですーーー(>_<) !!





(冒頭で冷静に、事務的に書きますと申しましたが
全くもって実現できなかったことをここに深くお詫び申し上げます(笑))



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2012年1月の「一東菴」

2016年8月の「一東菴」





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2016年08月01日

東十条「一東菴」


好き過ぎてブログに書きたくないお蕎麦屋さん・・・

もとい、「書きたくない」のではなく
あまりにも愛が溢れて文章化が困難すぎると
つい先延ばしや書かずじまいになってしまうのだ。

だいたい私は日々お蕎麦屋さんに行き過ぎなので書く方は全然追いつかず
実際書いているのは行った中のごく一部。
楽しい時間を思い出しながら落ち着いて書けるお店はいいが
感激極まって半トランス状態になった時のことを文章にするのは至難の業だし
やっと文章に出来たところで私がオーバーヒートで壊れ過ぎててみっともない。
その上「こんな名店誰だって大好きよね・・」
と思うと正面から愛を叫びまくるのが恥ずかしくなってきたりもし
それでも愛を叫びたい気持ちは止められず
蕎麦乙女心はいろいろ複雑なのだ。


そんな乙女の激愛爆発の「一東菴」。
今回は大好きな素敵なお仲間をお連れしたく、
夕方の開店時刻に予約してワクワク集合。
東十条の駅を降り、ルンルンルン〜♪と人通りのない小道を歩いていくと・・
店の前に黒山の人だかり!?

なんと開店時間前に行列・・というか相当な人だかりが出来ていたのあった。
程なくして店が開き、その方々に続いてゾロゾロとお店に入る。
「予約しておいてヨカッタね〜」なんて言っていたら
入り口のところに小さく「本日は予約で満席です」の張り紙があった。
店の前にいたのは全員開店時間に予約をしていた方々だったんですね〜
イヤーン私の大好きな人がものすごい人気過ぎちゃってたいへーん(≧∇≦)♡


本日は開店時間にすでに満席につき
私の大好きな美しき「一東菴」店内の景色はあまり撮れず。
でもやっぱりこの唐箕はどうしても撮りたい。

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「日本の道具」の美しさに目を奪われるが
それが実際に店主の両親が使っていたものだと聞けばますます心も奪われる。
座敷部分に屋根を作り唐箕がまるで田舎家の軒先にあるかのように置かれた演出も
本当に素晴らしい。
(その他いろいろ見どころ盛り沢山の美しい店内については是非4年前初めて行った時のこちらを♡)




「こんな名店誰だって大好きだ」と書いたが
ここはとにかく全てがおいしすぎる。
おつまみがいっぱいあってどれもが美味しい、お酒がニクイ品揃えで美味しい、
そして蕎麦の美味しさと来たらもうもうもうもうピピピピピーー!!!(警報音)
ほらもう早くも壊れかけてますよね・・(* ̄∇ ̄*)


メニューはたくさんあってどれも美味しそうすぎて頭は煩悩でぐるぐる!
皆で決めるのは真剣な会議のようになってくる。
美味しそうなおつまみを厳選して、今あるお蕎麦は全部の種類を食べられるようにして、
けっこうそれだけでもスゴイ量になりそうなのだが
その上ここはこんな大問題がある・・・
超絶美味しい「そばがき」がなんと3種類もあるのだ!!

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あああ・・・
見ているだけでときめくこのページ、この文字・・・

「微碾そばがき」
「粗碾そばがき」
「焼畑 手碾そばがき」

このページに突っ伏して居眠りしたら相当いい夢が見られるに違いない。



本日のお仲間はみなさん揃ってお酒大好きにつきドンドコいきますよ〜♡

「鳳凰美田 純米吟醸」
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「伯楽星 純米吟醸」とお通し。
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「水茄子漬」
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見るとどうしても頼みたくなるこの季節の宝物。
しかも当たり前でないのはマスタードとわさび味噌が添えられているところ。
どちらもさすがのセンス!



「わさび二点盛」
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お酒好きはこういうメニューを見逃しません。
わさび漬けとわさび味噌♡
こんなの口に入れたらその瞬間にお酒を口に入れたくなりますよね?
キャーたいへーん(≧∇≦)



「豚肉と大根のプラム煮」
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運ばれてきた瞬間テーブルに「おお〜!!」と感嘆のため息が漏れたほどの
この圧倒的な美味しそうさ。
「煮肉愛好会(会員1名)」会長である私がここでは必ず頼みたい大好きメニューで
これが本当に美味しい。
見た目から「こういう味だろうな」と想像したのの何倍も奥深い、
でもガツンとキャッチーな美味しさなのだ。
お仲間もみなさん美味しい美味しいと大喜びで遠慮しつつも奪い合い(≧∇≦)。
本当はここの鴨ロース煮も犯罪的に美味しいんですよね〜♡
我が煩悩は尽きまじ。



「三点お造里とゆば」
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猫のようにお魚が好き過ぎて食べ過ぎてアニサキスアレルギー発症2年めの私。
ゆばと帆立以外は食べられないものばかりで残念(>_<)
でもお造りだけでなくゆばも盛り合わせてくるところが
「一東菴」らしくていいなあ〜♪



「穴子天ぷら」
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穴子だけではなく盛り合わせなのであります♡
こちらに向かってくるような迫力の大きさの穴子が嬉しい。



「おまかせ天ぷら盛合」
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この帆立のビジュアルには歓声が上がりました。
それまで写真を撮っていなかった人も思わずカメラを取り出す問答無用のこの魅力!
宝物の帆立は大事に割って平等に分けっこ。
ムニッと肉厚でおいしかった〜〜


さて、いよいよあの方の登場でございます。
全体会議で「ひとつでいいんじゃないか」と決定したのに
どーしても皆さんに食べ比べして欲しくて
(私が一番したくて?(* ̄∇ ̄*))
決定を覆し「微碾そばがき」「粗碾そばがき」、両方お願いしちゃった!!


「粗碾そばがき」(埼玉・三芳)
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ぶっ
ナンデスカこのぶっ飛んだ青さはーーー!!!

いやいや、あの〜・・・
このありえない青さは絶対に危険かと・・・
美味しそうすぎる!!


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ああああああ

ああああああああああぅ

もう
完全に打ち上がりました

大気圏脱出
全く帰ってこられません

なんという、最高の美しさ、青さかぐわしさ
このままずっと香りに浸っているだけでいくらでも時が経ってしまいそうなくらい
香りだけで痺れる・・二の腕がビリビリいっている・・・
その上、粗挽きの食感が豪快にゴッツンゴッツンで
それがたまらないふっくらもったり感の中にあり
舌に触れている全ての肌の中から濃厚な味わいがいくらでも溢れてくる。
うまみが舌に押し込まれてくる。
その濃厚さは出汁にも近いグルタミン系で穀物とは思えないほどの美味しさ!
何をどうしたらこんなそばがきができちゃうのでしょうね??
地球最高のそばがきを作っちゃった「一東菴」ばんざーい・・・

もう私は帰ってこられません・・
地球を俯瞰している自分が見える気すらするあぶないトランス状態
でもこの先まだまだあるのでかえってこなくちゃ・・
(大袈裟とお思いかもしれませんがこの時はテーブルの他の皆さんの唸り声も相当すごくて
録音して店主に聞かせたかったくらいなんですよ〜(≧∇≦))



「微碾そばがき」(栃木・益子)
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微粉のほうはとろとろ蕎麦湯に入ってくるタイプ。
それも大好き!


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微粉の方が香りが強いのではと思っていたのだが
蕎麦湯入浴タイプのせいか香りはほわんとやさしい感じ。
しかし淡くてつまらないのではなくもったりネトとろ〜っとした食感の奥から
ふっくらと滋味深いかぐわしさがこちらを引き寄せるように漂っている。
「近づきたい!あなたにもっと惹き込まれたい・・!」
私は完全に周囲が目に入らなくなりかなりヤバイ人なのだろうがもう何も構える状態ではなく
口中の奥深い世界を見つめればあとからずっしりと深い味わいが追いかけてきて
ああ 私ごと溶けてしまいたい・・・



もうそばがきだけでヘナヘナ状態なのですが
ここからがいよいよお蕎麦です。

き きた

「栃木・日光 夏そば」
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えええええええ
またまたありえない、見たことないくらい美しい青さでやってきてしまいました!
私のカメラがおかしいんではありません。
この店主の腕がおかしいくらいすごいんです
あれだけ素晴らしいおつまみも全部作ってお蕎麦もこれって、何? 魔術師!?

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(>_<)

(>_<)

(>_<)

たまらない、最高のその上のその上のかぐわしさ!!
この上なく青く美しくフレッシュな、最高のかぐわしさに
私まで透き通って天に登っていってしまう。
美しいだけではなく味わいにはズンと下を支えるようなたくましさがあり
ふっくらむっちりほんわりした食感がまた素晴らしい。
深い味わいや食感に酔う中でそのかぐわしさは透明に高くひろがりのぼっていくような感じで
ここで私がメモした走り書きは
「とうめいにのうこうにそらへと旅立つ 」。
もう完全に逝っている・・・(* ̄∇ ̄*)


「長崎・五島在来」
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打って変わってこちらは黒っぽい蕎麦。
いわゆる甘皮を挽き込んだ黒っぽい蕎麦とはちょっと違うような
独特のグレーっぽい肌でそこに赤、白、褐色、色とりどりのホシが散っている。
蕎麦肌も素晴らしいが器との合わせ方も素晴らしい。
「一東菴」の器は本当に楽しいものばかりなのだ。

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ぶあーーー!とあまりも濃厚に香る豊かなかぐわしさにビックリ。
なんというものすごい蕎麦の連続、これも素晴らしい〜〜〜・・・
芥子にも似た、フレッシュなオイルのような豊かな香ばしさ。
口にふくむとざっくりとした粗挽き感、でありながらゴツゴツの感じでなく
豊かな余裕を感じる流麗さにうっとりさせられる。
味わいも芥子とか胡麻のような厚みのある豊かなオイル感があり
それがどこまでもフレッシュで、口いっぱいにゴージャスにひろがる。
余韻として残るまったりとした甘みも美味しく
ウーン ウーン 一枚目の「日光在来」が宇宙最高だと思ったけど
これも美味しすぎてぜんぜん順位がつけられない・・・



「埼玉・三芳 手碾き」
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ウワー・・・
さすがは手碾き、圧巻の美肌!!
しかもこの梅のような睡蓮のような器もツボ過ぎる。だいすき。
「一東菴」さん・・・そうやって多方向から私をグニャグニャにしないでください・・・


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あああ
これは・・・

ずっしりとした香ばしさ。
とうもろこしにも似た軽やかで濃厚なこうばしさが
透明感を持って高くひろがっていくのが目に見えるよう。素晴らしすぎる。
いかにも手碾きらしいいびつな粗挽きの舌触りは見た目以上にはっきりとしていて
独特のしっかりとした歯ごたえがある。
しっかり噛むとお米のような澄んだ美しい甘みととうもろこしの香ばしさが絡まり
またまたこれもおいしすぎる、好きすぎる・・・
今日いままでに食べたのぜんぶすき過ぎてもうなにがなんだかわかんない・・・

わおぉーーーーん・・・・(蕎麦犬の遠吠え)



「北海道・新得 牡丹の手碾き」
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いよいよ、私の大好きな新得のお蕎麦♡
なのですが・・・なんだかもう自分が心配になるほどものすごそうなのが来てしまいました♡
この濃いめの肌、しっとりこんもり盛られた姿・・・
めちゃくちゃ美味しそう!!


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わ〜 これは新得の中でもまた出会ったことのない感じ!
ふっくらもったりした甘さの中にシャープな強い野生を感じる香り。
しかも食べるとなんとピスタチオ!
トウモロコシっぽい香ばしさを通り越してピスタチオ!
ざらざら、ぐったりやさしい食感から生まれ続けるものすごい旨み。
このピスタチオ感にはテーブルの全員が驚いていて
「こんなお蕎麦もあるの!?」
「これは旨いなー!!」
と皆さん口々に言いたいだけ吠えていました(≧∇≦)/
もともと新得大好きな私もますます新得の奥深さのファンに♡



広島「神石高原天空そば」
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いやーーん
これもまた恐ろしく美しい肌なんですけどーー!!
今日はもう本当にトランス状態で全く降りてこられない。
トランスの上にトランスがどんどん重なっていくのだから
まともに文章を書こうという方が無理だ。


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美しい・・・・・!
ランダムに光を跳ね返す素朴な肌、そこに浮かぶ色とりどりのホシ。
これだけ素朴な粗碾きの手碾きながら
全体は完璧に美しく端整で余裕の洗練を感じるところがすごすぎる。
手繰り上げるとふわりと軽く香るこうばしさ。
ピーナツとか胡麻のような深〜い香ばしさなのだが
熟成そばなどにある重いピーナツ感ではなく
あくまでフレッシュで軽い香りなのが本当に素晴らしい。
味わいはこれまた豊かでフレッシュなオイル感を感じる、芥子やごまにも似た味わい。

はあぁぁぁーーー
なんという美味しさの連続。なんというバリエーション。
どの蕎麦も個性がはっきりとばらばらで
しかもそれぞれの個性の中で最高のその上を突きまくっていて
違いがわかりやすい上に全部が美味しすぎるので
美味しくゆったり食べるというよりは
三尺玉大花火が連発されて脳も体も痺れて飲みこまれていくような時間。


実は全部食べた後「神石高原天空そば」について店主に質問したのだが
トランス頭が痺れていて全然アタマに入らず全然ここに書けません(≧∇≦)
私の反応がボケすぎてて店主もちょっとキョトンとしていたような?
せっかく訊いたのにすみません(≧∇≦)



「蕎麦湯」
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蕎麦湯の美味しさにも感嘆の声が。
素材の素晴らしさそのもの!
蕎麦粉がものすごくよいものであることがよくわかる贅沢な蕎麦湯。
お腹いっぱい過ぎてもう何も入らないはずなのに
美味しすぎていくらでも飲みたくなる・・・



こんな壊れた文章をこんなに長々書かずとも・・と我ながら思うが
全てが愛しすぎて割愛できない私にとって宝物のような時間。


この店を出る時はいつも必ず心もお腹もしあわせでいっぱい。
一同で美味しかった楽しかったを口々に輪唱のように言いまくりながら
電車に乗ってたくさん笑って


私は

この夜への感謝でいっぱいになるのだ。



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2012年1月の「一東菴」
2014年1月の「一東菴」



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2014年01月29日

東十条「一東菴」


誰かを喜ばせたいときについ一緒に行きたくなる、
大好きな大好きなお蕎麦屋さん。

その佇まいの美しさからして心が踊る。

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ものすごく寒いのに、しばらくここで眺めていたいような
入る前のわくわく感をしばし楽しんでいたいような気持ちになる。



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店内の趣も素晴らしい。
田舎家の庭先のような風情を表現しながら
どこまでも明るく、清々しく、清潔感溢れる空間。



お酒のメニューの紹介の仕方も
風景に溶け込んでいる。

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綺麗なディスプレイの中に拙著「蕎麦こい日記」も飾ってあるではないか・・・!
ウッ ウッ うれしい・・ありがたい・・・




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お通し
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紅芯大根にしらすかな?
綺麗だし、こういうすっきりとしたものでスタートできるのは理想的。



「生ゆば卵とじ」
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寒い季節は、こういう小鍋料理が嬉しい。
生ゆばをふわんと卵でとじたというアイディアメニュー。
ボリュームとさっぱりの真ん中、洗練と家庭的の真ん中、
なバランスがとてもいい!





「鴨ロース煮」
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ここの「鴨ロース煮」は美味しすぎる。
肉も素晴らしいのだろうが味つけが犯罪的に美味しい。
私と私の家族が長年崇拝(!)している「某手作りドイツハム屋さんのチャーシュー」
というのがあるのだが、何故かそれにとても似ている。
これは次回来ても絶対頼みたいのだが
ここは美味しそうなメニューが多すぎて毎回本当に困る。
「豚肉と大根のプラム煮」も「鶏ハツのオニオンソルト焼」も美味しいしなあ〜



「穴子・野菜天」
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バリッカリッではなくふんわり〜とやさしい天ぷら。



そして店内に輝く「本日あります」との張り紙を見てニッコニコで頼みました!

「焼畑手碾き限定そばがき」
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うわ〜
美しい器の底に、愛しい宇宙が!

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この香ばしさはまさに「焼畑」。
通常の「蕎麦のこうばしさ」というのとはまるで違う、
燻したような、土のような、まさに大地を焼いた香ばしさ。
甘みはあまりなく渋いストイックな味わいで
極粗碾きのざらつきとねっとりとした舌触り。
焼畑ということがこんなにはっきり味に出るんだなあ、面白いなあ〜



そしてこちらはこんなに楽しいおつまみメニューがいーっぱいあるというのに、
お蕎麦の種類もたくさんあるので本当にお腹が2つ以上欲しくなるお店!!

お蕎麦は十割だけでも二産地、二八もあり、
あまりの美味しさに毎回恍惚トランス。
結局今日は偶然の幸運も重なり5種類も!食べられちゃったのだが
何が何だか、私は夢を見ていたのだろうか?(*´∀`*)
(だいたい今回は、相変わらずちょっとだけとは言えお酒も飲んだのに
 その写真もない・・・相当ウカレてたようで)



常陸秋そば(二八)
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笊の上に踊るように盛られた、お手本のように美しい蕎麦。
うわー・・なんだか香ってくれそう・・・

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(>_<)

このムワァ〜とスモーキーな香り・・!!
ややぬめるような肌はかみしめるとふっくらと絶妙な歯ざわりで
じわあ〜と滋味深い味わいが濃厚。甘みも濃い。
おいしいーーー!! 初っ端からこんなに美味しくては困るのですが・・・



茨城・益子の蕎麦(十割)
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こちらは1枚目より粗挽き、やさしい感じの蕎麦に見えるのだが・・

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食べてみると意外にも密な質感で、
かみしめるとかすかにネチッとした粘度を感じる。
香りは淡く爽やかな野生味があり、
味も甘みもごくさっぱりとしたすっきり蕎麦だ。






北海道・新得の牡丹そば
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ウシシ・・北海道の中ではとても好きな産地です。
楽しみ〜〜

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ムッワァ〜〜 
なんというかぐわしさ!!
そしてこの味わいの濃さはなんでしょう・・・
舌の上に穀物の味わいが濃厚にひろがっていくのがたまらなすぎる。
ムッチリ、しっかりした舌触りながらコシそのものは大変程よく、
噛み締めた刹那のジャリ感がまたニクイ。
おいしい・・おいしすぎる・・・
しかもこのお蕎麦、食べ終わってもまだ食べてるみたいに
香りも味わいも口の中に残っている。
なんというたくましい穀物!



埼玉・三芳の在来種
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思わず目を細めずにいられない。
この軽やかな青さ!
シンプルな板に盛る洗練の演出が
その肌の美しさを際立たせている。

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ああああ やっぱり・・・姿も青いが、香りも青く美しい!
フレッシュでさわやかな蕎麦のかぐわしさがストレートに伝わり、
味わいもほんのりと澄んでいて、ただただ素晴らしい。
ああ〜おいしいよう〜・・しあわせだよう〜〜



今日たまたまあったそうで、
ラッキにーにももう一種類食べられてしまいました。

茨城・水府の在来種
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もうひとつの青さに、心奪われる。
先程の埼玉はこれに比べると青緑だったことに気付かされる。
こちらはひんやりと透けるような青さだ。

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ほんのりと淡くただよう、白いかぐわしさ。
味わいもほんのりとしてやさしい印象。
なにより粗碾きの肌のざらつきがすばらしく
口中をザラザラザラ〜と流れていくのを見つめ楽しむ。



はあー お腹いっぱい過ぎてどう考えても食べ過ぎなのだが
帰り道の心はしあわせでフワフワ。
そのまま夜空に駆け上がれそうだ。


店内の雰囲気が大好きなのでいつもテーブル席を選んでしまうが
次回は小上がり席も体験したいな!



2012年1月の「一東菴」






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2012年05月24日

東十条「蕎麦茶屋 和久」


東十条駅から程近い、マンションの1階。

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赤を基調としているせいか、なんだかパッと見は
ラーメン屋みたいである。
もやしソバ、とかが美味しそうである。


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店内の雰囲気もごくごく気楽である。
テレビの音、非常にオープンな印象の冷蔵庫やポット類、
「ありがとう〜ございまぁ〜〜す」
というおじちゃんの声。

やっぱりもやしソバを注文したくなってくる。


しかし壁のメニューを見れば
お、と姿勢が伸びる。

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「江戸流手打ちそば 十割そば」
「御膳そば」
「変わりそば切り」
「田舎せいろ 荒挽き太打ちです」

などのメニューの横に、堂々と、誇らしく
「福井 大野産 平成23年福井在来種」
とある。

ハハーーーッ

m(_ _)m

もやしソバとか言ってふざけて申し訳ありませんでしたっ。



では、姿勢正して心澄ませて注文を。

「田舎せいろ 荒挽き太打ち」と、
「江戸流手打ちそば 十割そば」と、
あと
「せいろそば(二八)」を辛味大根おろしつきの
「辛味そば」でください!


「田舎せいろ 荒挽き太打ち」
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おおー
太打ちと名乗ったからには、お主本気で太いな!

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こっこれが・・・
おいしい!! めちゃらくちゃらにおいしい!!
甘皮のたくましい濃厚な香りが、まったくいやらしくなく
それどころか非常に美しい白い香りのベールを纏って
最高の形でこちらにやって来る。
うーん、このたくましさにしてこの美しさは凄い。
食感はこの太さだけにモグモグ系だが固さはなく
モチッとしたコシを楽しめる。
とにかく味も香りもすんばらしい。おいしいー!


「江戸流手打ちそば 十割そば」
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宙を舞う剣先が描く残像が如き、流麗ライン。
お主・・さすがは江戸流・・・(意味なく侍)

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これが・・・またまた素晴らしい!!(>_<)
蕎麦という穀物の香りの素晴らしさを濃縮したようなものが
ムン、と強く押し出してくるかのようにこちらにやってくる。
すべらかで密な肌は見ての通り直線的なラインで口中をめぐり、
噛みしめるとしっかりしたコシで応えてくる。
そこからひろがる甘みと味わい・・
うわぁー これもおいしい!!


「辛味そば(二八)」
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二八のお蕎麦は二段重ねのせいろで。
そしてなんと、辛味大根おろしだけかと思ったら
その上に天ぷらもついていてびっくり。

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二八の「せいろ」はぐっとやわらか、ふにゃんとした食感。
香りも味も淡めだが、この蕎麦にはおろしや天ぷらなどが実によく絡む。
剣先ラインな江戸流十割そばではこうはいかないだろう。


店内には近所の人が入れ替わり立ち代り訪れ、
テレビはスポーツニュースの時間である。



今日は侍並みにカッコイイ人と食べたから、
余計美味しかったなぁ〜

ウキャ (≧∇≦)






posted by aya at 22:08 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>北区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月12日

東十条「一東菴」

東十条の駅を降りると正面に階段がある。

その階段を降りてすぐ。
数軒の飲食店の灯りの中に現れる、一際の趣。

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「石臼挽き自家製粉手打ち蕎麦 一東菴」。

昨年12月にオープンした新店、そしてすでに名店だ。


店内の美しさにも驚かされる。

それは「景色」と言っていい。

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唐箕の置かれた日本家屋の庭先のような眺めだが、
これ、店内なんですよ。

ほらね。

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この唐箕、素晴らしいインテリアだなと思っていたら
なんと店主の両親が実際に使用していたものだという。
古道具屋で見つけてきたというのとは訳が違う。

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側面には筆字で書かれた店主の苗字が読み取れ
この唐箕が使われていた日を遠く思い浮かべる。
しかもその古い農具が、真新しく美しい店内に
すんなり溶け込んでいるところがまた凄い。


その唐箕から振り返れば
客席側の壁はコンクリート打ち放しだったりする。
伝統と洗練の、やわらかなバランス。

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「四季桜 特別純米」
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大好きな四季桜。
すっきりとした入り口、まろやかな深み。
いくらでも飲めそう!と思うのだが
今日は本当に「一口で」真っ赤になってしまった。
「一東菴」が嬉しくて浮かれていたからかな?


「手作り豆富」
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十字型の皿に盛られた楽しい眺め。
濃厚クリーミー、なめらかな舌触りはまるでデザートのようだが
味わいには潔いほど甘みがなく
すっきりとした豆の味わいだけが舌にひろがる。


「豚肉と大根のプラム煮」
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甘い味付けが苦手な私なのでちょっと冒険かな?と思いつつ
オーダーしたのだが大当たり。
プラムと大根という取り合わせもいいし、
何と言っても豚が美味しい。
豚の大きさ(切り方?)がまたちょうどいいのかも。


「わさび味噌」
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「焼き玉子」
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卵焼きではなく「焼き玉子」。
これがまた大変に私のツボに入ってしまいました。
お皿の上でふるんふるんと揺れるほどやわらかいのだが
意外と味わいはしっかり。でも甘ったるくない。
これは一体なんなんでしょう。何だかやたらとおいしすぎます!!
普段玉子焼きをオーダーすることは少ない私だが
「一東菴」では毎回頼みたくなっちゃうなあ。


さていよいよ待ちに待った時間である。

「一東菴」には「もりそば」の他に
10食限定の「十割もりそば」というのがあるですよ。
それがラッキーなことに今日はまだあるというではないですかー!

しかも1枚ずつ頼まなくても「二種味くらべ」というのもある。
これはもうたまらなく嬉しい。
嬉しくて普通の顔をしているのが困難な程嬉しい。


「もりそば」
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美しく端正な、王道の蕎麦に見えて
さらに見入ればその肌にゆらめく無数の陰影にはっとさせられる。

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たぐり上げただけでふんだんに漂う、フレッシュな香り!
この澄んだかぐわしさ・・私にとってはまさに麻薬である。
もうこのまま食べなくても、香りだけで充分満足だ、
と思った時にはもう口に入っていた。
見た目以上にずっしりとした質感。
しかし噛みしめると硬さはなく、むしろ瑞々しいやわらかさがあり、
かといって噛み切らせはしない強靭なつながりがある。
その絶妙の食感が全部フレッシュなかぐわしさの中にあるのですよ。
こんなの美味しすぎます!!
多分相当おかしな顔になりながら(目が開かない)
夢中であっという間に食べてしまった。



「十割もりそば」
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美しき笊の上の、美しき穀物。

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こちらも先程の「もりそば」と同じく
たぐり上げただけでときめくようなかぐわしさ。
こちらには「もりそば」のフレッシュさに加え
渋い香ばしさも感じられるのが楽しい。
ずっしりした質感も似ているが
こちらの方がやはり十割らしい密な強靭さがある。
噛み締めてひろがる味わい、
脳を染め続けるかぐわしさ・・
もう何が何だか・・・おいしすぎますよ・・





「そば大納言」
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甘いもの苦手な私が言うのもなんですが
これ、おいしいです!!
蕎麦とあずきで出来ているらしい?のだが
葛が入っているような食感といい
蕎麦後にぴったりなデザートだ。




私が闘牛のように蕎麦に夢中になっているうちに
店内は満席となったのだが、入り口にはまた新規のお客さんが来てしまった。
あ、と思ったら、何と正面に見えていた建物のようなしつらい部分は
個室席だった。

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へええ どんな個室なんだろう
見たいな〜・・

と、あとで覗いてしまった。


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うわー、これはほっこり落ち着けます。
楽しそう!ここで新年会やりたい!


今日は四季桜一口で、蕎麦に酔い、店に酔い
もう大変にいい気持ち。
つい浮かれて唐箕のことなどを尋ねてしまったのだが
入り口にある石臼も、店主のご両親が使用していたと聞き驚いた。


こちらがお父さん方ので
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こちらがお母さん方の石臼。
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唐箕といい、石臼といい・・
もうもう、彩ばあさんはジーンときてしまいましたね。
「立派な店に置いてくれてありがとうね〜 ばあちゃんはうれしいよ〜〜」
と誰かが乗りうつったように泣きたい気持ちでした。(怖い)




<おまけ>
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かけそばもおいしいよ!




posted by aya at 02:23 | Comment(4) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>北区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする