2022年01月19日

浅草「三代目 松月庵」


家の事情で小さい頃から浅草にどっぷりたっぷり
慣れ親しんできた私。


最近お気に入りのお店が増えましてね〜 (≧∇≦)

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その名も「三代目 松月庵」。
店名は劇画調だが店の佇まいはモダンで親しみやすい感じ。



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入り口左手の張り紙、
「茨城・神田山産の常陸秋そば使用」
「十割手打ち蕎麦」
の文字が眩しい〜〜〜 (≧∇≦)



まだ新しいだけに、明るく清潔感あふれる店内。
スクリーンをうまく使って
各テーブルが個室風になっているのがすごい。

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ここはとにかくメニューが盛り沢山で楽しい!

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町蕎麦屋だった松月庵を三代目が一昨年、十割手打ちの店として
スタートさせたというこちら。
お蕎麦は「常陸秋そば使用の十割手打ち」ながら
「初代のカレーライス」をはじめ
「かつ丼」「かつ重」「天重」「親子丼」
「二代目女将お手製 ぬか漬け」
など町蕎麦屋時代のお客さんを
大切にしているんだなあ〜と感じられるメニューも充実。
いいなあーこういうの!!


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それでいて
「からすみ蕎麦」や「湯葉とじせいろ」「彩り海鮮のアクアパッツァ」
なんていう、三代目のヤル気とセンスを感じる創作系メニューもあるのだからたまらない。


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もー、このからすみ蕎麦、
めっちゃ惹かれるんですけどー!! (≧∇≦)♡



お酒も充実しまくりなので目移りしたが
今夜は寒いので、熱燗でおすすめの「黒澤80」。

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ん〜〜〜っ!!いいですね〜っ
こういう野菜いっぱいの家庭的なお通し出してくれるところに
ワタクシめっぽう弱いです。
うれしいなあ〜


「牡蠣のオイル漬け」

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みっちりねっちりとした食感。
牡蠣の旨味が凝縮されて、お酒が進んじゃう〜



「ふわ出汁巻きたまご」

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名前に惹かれて注文したこちら。
ふっくら豊かで美しい〜♡
あれ?でも「出汁巻き」というには甘い、
東京の「玉子焼き」みたいな香りがしてる・・・?
と思ったらその通りしっかり甘くて「出汁巻き」というよりは
「玉子焼き」でした。(下町浅草ですから!(^^))
食感はジューシーで最高!!
私は断然「出汁巻き」派ではありますが
こういう甘い系の玉子焼きは
添えられたおろしにお醤油垂らして食べると
美味しいんですよね〜!おろしバンザイ (≧∇≦)
紫蘇もちぎって一緒に食べるとさらに美味♡


「桜海老のかき揚げ」
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うっひょー!美味しそう〜!!
お塩はすでにかかっているとのことなのでそのままぱくり。
うっまーーー!!
これ以上無理というくらい繊細なサクサク感。
お塩だけでなくお醤油で下味がついてるようなしっかりした味で
もうこのかき揚げだけでいくらでも飲めちゃいそう。
(注:酒量だけは小鳥です)
強いて言えば桜海老がちょっと少なく衣が多めなのだが
それでもこんなに美味しいって凄い!
これは次回も頼みたいなあ〜♡


そして、いよいよ・・・

私の胸を焦がすこの絶景をご覧ください。


「二種もり(せいろと田舎)」!!

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「せいろ」と「田舎」がある店はたくさんあるが
やっぱり二種もりにしてくれるとときめきが違うんですよねえ〜

どうです、この美しきコントラスト!!


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まずは「せいろ」から・・・

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目が覚める、濃厚なかぐわしさ!!
まず出会うのはムワワワ〜としたたくましさだが、
それが最後には豊かでバランスの良い、
まさに常陸秋そばらしい香りにおさまる感じ。
素晴らしいーー!おいしいーーー!!
(これだけ書いてまだ食べていないことにご注目(笑))
口に含むとしっかりはっきりした舌触り、やや硬めで強靭な食感。
しかしそれも食べ進むうちにだんだんと優しく食べやすくなった。
味わいも濃厚で、もうもうもうとにかく食べている間じゅう
しあわせ、恍惚!!



「田舎」
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箸先から寄せた香りは、黒くジワーッと低いイメージの香り。
華やかに香るこうばしさではないので
香りは「せいろ」より意外に地味な印象だ。
かなりの太打ちでネッチリしっかりした質感なので
もぐもぐ噛むお蕎麦なのだが
そこから溢れる味わいがとにかくすごい。
どこかで嗅いだことのあるめちゃくちゃ美味しい味わい・・・
と思ったら、なんとよもぎでした!!
よもぎっぽいお蕎麦は過去に食べた経験ありますが
この美味しさは凄いなあ〜


蕎麦汁は下町らしく?
がっつり甘い。
鰹の濃厚な旨味+甘味!!

特筆すべきはこの蕎麦湯。


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びっくりするほど濃厚なのだが、
濃厚なだけなじゃなく味が激うま!
上質なお蕎麦の味もするんですが、
なぜか樽酒のような香りがそれを包んでるんですよね〜
お櫃のごはんみたいな、日本の美しい香り♡


さー蕎麦湯も飲んでもうフィナーレ、かと思いきや、
このあと凄いデザート食べちゃうもんね〜


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ガマンできませんでした、「からすみ蕎麦」!
自家製のからすみが嬉しくて笑っちゃうほど贅沢にたっぷり。
添えられたオイルをかけて食べると・・・
こんなん美味しいに決まってるやろーーーーーー!! (≧∇≦)
もうなんというか、これはイタリアンですね。
でもボッタルガのパスタよりはすっきり粋な感じがあって
それはやはりこのお蕎麦の美味しさゆえだと思うんですよね〜
これだけ美味しいお蕎麦を種物で食べちゃうのはもったいない、
と心乱れつつ、でも今この逢瀬を精一杯楽しみたい、
と無我夢中で完食しました♡


この日はスクリーンを隔てた隣のテーブルの会話が面白すぎて
気分的にはかなりディープな浅草を体験したのですが笑笑
(某有名芸術系女子大学生二人がその日出会ったらしいアイドル好きのおじさんふたりに
キャバクラとガールズバーの違いを説明していました・・・)

私がこの店を好きな理由は、もちろんお蕎麦の美味しさもあるが、
家族が一丸となって、お客さんにとって居心地の良いお店を
一生懸命、謙虚に続けてきたのが伝わってくるから。

通いたくなっちゃうんだよなあー
こういうお店は・・・


冬のうちに、牡蠣蕎麦も食べに来なくっちゃー! (≧∇≦)





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2022年01月03日

新年に入って三軒目♡


新年に入って三軒目のお蕎麦。

お蕎麦屋さんは年末忙し過ぎて
新年はお休みのところが多い中、
やっているお店を狙っては愛を繋いでおります。 


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本日はマイ・ファースト蕎麦屋、尾張屋。

日本でただ一軒、私が「もりそば」でなく
「ざるそば」を頼む店です♡

http://ayakotakato.seesaa.net/article/148853108.html
posted by aya at 18:04 | Comment(0) | 東京の蕎麦>台東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月29日

上野「味喜庵」(二日続けて本陣坊系!)


「二日続けて本陣坊系!」
前回の続き〜

一人で神田「味喜庵」に行き、久々に感動、大興奮した翌日、
私は家族と茨城へ小旅行に出かけた。
父の希望で春風萬里荘を訪れ、日動美術館も楽しんで
素晴らしき師走の休日を過ごした。

しかし我が家の家族旅行で毎度困るのが食事。
何しろ父は私が「イタリア生まれの武士」と名付けた程、個性的かつ自由な人で、
食事の店を前々から予約するなんてとても無理。
もちろん予約自体は私がするのだが、直前までフリーダムでいたい父に
どんなものが食べたいかを何日も前に尋ねるとか
「今日は夜は◯◯時にここに行きます」とか予定を決めるのがまず無理なのだ。

というわけで夜食べるところが何も決まっていないままの茨城からの帰路、
車の中であらためて訊くと(直前なら訊いていいんです)
なんと母が「お蕎麦なんていいんじゃない?」と言うではないですか〜!
父もそれでいいと言うので、さあそれからが大変。
私は私の持てる限りのお蕎麦屋さん知識をフル回転させ数十分間、
今日のこのシチュエーションに合った店を洗い出し、選び出し!!
こう言うときの私の集中力と
何としても成し遂げたいという情熱は我ながら凄い。

やはり家族みんなでなので、
お蕎麦だけでなくおつまみが充実しているお店がいいし
できれば個室でゆったりしたい。
大衆的な感じもいいが、今日のこの感じだと
ちょっと雰囲気もいいお店がいい。

そこに閃いたのが、昨日行った神田の「味喜庵」( •̀ .̫ •́ )✧
しかしその日は土曜日で神田「味喜庵」はお休みなので
上野にある味喜庵に行くことに決定〜!


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外にあるメニューからして楽しそう〜!

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通されたのは広くはないが個室になっているテーブルで
居心地のいい席でよかったー!

お腹が空いている父はこの店の様子に大満足のようで
壁に貼ってある写真付きのキャッチーなメニューにさっそく引っ掛かり
「これ全部取ろう!」とか言い出します (≧∇≦)

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えっ全部!?ほんとに?と確認すると
「下仁田ネギ」と「出汁巻き卵焼き」は外せないらしいので
じゃあそれいきましょう!



「栃尾の油揚げ」もいいな〜

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お通しからして大変美味しい。

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「ぶり刺し」
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私の熱いリクエストで頼んだぶり刺し。
脂がガッツリ乗ってるのにとても美しい脂感でおいしい〜!!


「〆鯖」
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なにせ鯖が好きすぎて一生分を先取りで食べてしまい
7年ほど前にアニサキスアレルギーになった私です( ̄▽ ̄)
最近は勝手に解禁して食べちゃってます〜
ああ〜天国の味がする〜



「下仁田ネギ」
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父が一番に目をつけてオーダーしたので期待しちゃったのですが
意外とフツウでした〜
私、家でもよくこういったものを食べるもので(^^;)



「穴子天」
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これが美味しかった。
大きくはないが旨味濃厚、臭みゼロの素晴らしい穴子!!
衣はパリパリではなく優しい薄衣で上品な美味しさ。
これいいですねえ〜



「ゲソ焼き」
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これも父のリクエスト。
これが見た目以上に美味しかった!
歯応えある部分とやわらかでしっとりした部分があり、
焼きの香ばしさがたまらない。



「出汁巻き卵焼き」

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ふっくら美しい、いい眺め!


美しい出汁巻きはどうしても断面を撮りたくなる私。

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味としては出汁薄め、甘みしっかりめで
出汁巻きというよりは東京の卵焼きの感じ。
「出汁巻き卵焼き」っていう名前だからいいのかな? (≧∇≦)



「牡蠣フライ」

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家族みんなの大好物牡蠣フライ。
大粒でふっくら、衣もサクサクでみんな大喜び!
素晴らしくおいしい!!



そしてついにクライマックスへ。
みんな好きなお蕎麦をそれぞれに注文!


「九条葱おろしそば」

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とりあえず九条ネギしか見えない豪快な姿!
大根おろし、鰹節、九条葱、刻みどんこ、揚げ玉、揚げ餅、
のお蕎麦。


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覗き込んだらちょっとだけお蕎麦が見えました (≧∇≦)



「ぶっかけそば」

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山菜、おろし、三陸若布、かつお節、九条葱、揚げ玉。



そして私は「大海老天もり」にしちゃった!

「大海老天もり」

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海老はぷりぷりで美味しかったが
さっきの穴子天と比べるとちょっと衣が頼りない感じかな?



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本陣坊系らしい綺麗なお蕎麦。
もともと本陣坊系のお店のお蕎麦には
「香りはあまりないけれど色々食べ飲みした後に
喉越しよくツルッと食べられる粋な蕎麦」
という認識を持ってきた私。
しかし昨日、10年以上ぶりの本陣坊系として
神田「味喜庵」に行ってみて、その鮮烈な香りに感激させられたのだ。
この上野「味喜庵」でも期待の高まるところ、だったが・・・!?

あらー
なんだかこちらは全然香りませんでした。。
口に含むと驚くほど強靭なコシがあり、でも決して硬いわけではなく
噛み締めるたびに弾むよう。
味わいもスッキリで、やっぱりここのお蕎麦は飲み食いした後の
〆用のお蕎麦だなあ〜と実感。
天もりの野菜天と一緒に食べると
めちゃめちゃ美味しかったので無問題!!
(実は私天せいろが大好物なのに
お蕎麦をお蕎麦だけで食べたすぎて普段は全然オーダーできないもので〜 (^^;) )


「鴨せいろ」も一口もらいましたが、王道の美味しさでした♡

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まあ〜 とにかく楽しかったこと楽しかったこと!
家族全員大喜びで「こんなにいいお店を選んでくれてありがとう」と
ものすごく感謝されちゃいました。
ううっ うれしい、必死で選んだ甲斐あった!

そうなんですよねえ〜
私はついいつもお蕎麦命、お蕎麦の香り命過ぎて
そこに向かって突進する人生を歩んでいるけれど
人と行く時はそのシチュエーションによって
どんなお蕎麦屋さんがいいかが全然違ってくる。

今日みたいな日には本陣坊系のお蕎麦屋さんはやっぱりピッタリ。



他の本陣坊系のお店にもまたいろいろ行ってみよーっと!



posted by aya at 10:40 | Comment(0) | 東京の蕎麦>台東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月07日

浅草「めん公望」



生まれついて浅草とは深ーいご縁がある私。
住んだことはないし三社祭に参加したこともないが
小さい頃から慣れ親しみまくった街なのだ。

魅力的な飲食店が多くお蕎麦屋さんもいっぱいあって楽しい街だが
たまに来るとどこも混んでるし
お店がたくさんありすぎて困っちゃいませんか?

今日はお蕎麦がすごーく美味しい穴場の名店をご紹介しまーす♪




以前は河童橋の方にあったのだが、こちらに移って久しいこちらのお店。
お好み焼きで有名な「染太郎」もある菊水通りにある。


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一見、あんまりお蕎麦屋さんぽくない外観?
でもよく見ると和風の立派な看板も出ているんですよ〜

出ているのですが・・・


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パステルカラーの洗濯ピンチハンガーに干されたザルたち・・・ (≧∇≦) (≧∇≦) (≧∇≦)

せっかくの素敵な看板がもったいない、とつい思ってしまうが
そーんなことより、この飾らなさ、ユルさ、和みますよね〜

近づくと扉にはユニークな張り紙も。

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「母子家庭半額」
「飲食店の方15%引き」

別々の味わいを持って胸に響く張り紙。
いや〜、店主の人となりを早くも垣間見たようで
ますます和みます〜〜 (≧∇≦)


店に入ると泰然としたムードの、人柄の良さそうな店主が迎えてくれ、
お好きなお席にどうぞと言われる。


店内も飾らぬ簡素な雰囲気。

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全面ガラスなので明るい自然光が嬉しいが、
店内から見ても一番目立つのは
洗濯ピンチハンガーとザルかも・・・ (^^;)

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そしてそれまでお客さんがいなかったからか、
ここでBGMをかけてくれた。
なんとクラシック、しかも交響曲。
壮大な響きに身をまかせつつメニューを見る。


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私のお目当はもちろん「もり」と「田舎」の2種もり♡



壁のメニューの素朴な文字と絶妙な間?のある貼り方がまた、
なんとものどかな味わいがある。

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しかし木札のメニューの構成がわかりづらかったのでよーく見ると、
どうもこれは左から順に掲げてあるらしい。
店主に訊くと
「アレ〜ッ ほんとですねえ〜、へんですねえ〜、なんでこうなってるんだろう?」
とのどかなお返事で、またまたこちらものんびりした気分になる。
いいなあーここ!



本日は残念ながら「田舎そば」は打っていないということで
「二種もり」を楽しみにしていた私はものすごくがっかりしてしまったが
ないならないで、「もり」だけを心ゆくまで愛そうと思い直す。



「にしん棒煮」
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甘辛く、濃〜く煮込まれたにしん。
ふっくらというよりはちょっとパリッとした食感。



そして早々に愛する人との対面となり目も心も奪われる。
周りの景色を一瞬で洗い清める、この存在感。

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はあぁ〜〜〜〜っっ
やわらかい自然光の中で眺むこの美しさ!!
「もりそば」の眺めは世界遺産となるべき日本の景色であるといつも思う。


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近づくほどにあまりに美しく、思わず見入らずにいられない。
見た目からおいしさがバキンバキン伝わってくる蕎麦である。
繊細な美しい平打ちで、肌の色が均一でなく素朴なムラ感があり、
かすかなホシが無数に散りばめられている。



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箸先からふわぁーっと香るかぐわしさが私の脳を染める。
最高にフレッシュでさわやかな野生!!
長野かな?と思ったら秋田、山形、栃木のブレンドとのこと。
そして食感がまた凄い。
口に含むと、極上のふわっとした感触に迎えられ、
そこから風味がパーンと広がって感激!
こんなに細いのにやさしい素晴らしいコシがあり、とにかくお見事としか言いようがない。
このお蕎麦超おいし〜〜〜〜〜いぃぃぃ!!!




「かしわせいろ」
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お蕎麦だけであんっっっなに美味しいのに
こういうことをされては大変困るのだが
この「かしわせいろ」がまた激烈に美味しい。
唐揚げのようなまんまるの鶏肉がごろんごろん豪快に入っていて
つゆも完璧な美味しさ!!
がっつり感がありつつも上品なまとまりがあり、全体のバランスが完璧だ。
うーん・・・お蕎麦だけで食べたいのにやめてほしい・・・
これ美味しすぎますよ・・・


しかもアホな私は今日「田舎そば」がオーダーできなかった悲しみから
なぜか温玉トッピングをオーダーしてしまいまして (^^;)
「もりそば」用に (^^;)

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私は生卵とか温泉卵が大好物なのだが
彼らのスゴイところは、イマイチなお蕎麦でも、たとえ乾麺蕎麦でも
突然数段美味しいお蕎麦に変身させてくれるところなんですよねえ〜〜っ
しかしこの「めん公望」のように、お蕎麦だけで美味しすぎるお店では
全く不要なんですけど・・・


しかしこの温玉のおかげで意外な発見もあり。
ここの蕎麦つゆは比較的出汁感が少なく、
醤油がストレートに伝わるやや個性的な汁なのだが
そこに温玉が入るとばかうまに!! (≧∇≦)
このベストマッチっぷりは危険である。
「もりそば」は「もりそば」だけで食べたいのに、
もう、ほんとに、やめてほしい・・・
これまた食べたい・・・



食後はなぜか店主がテーブルの真横にドンと立ち、
結構長々と話をしてくれた。
泰然とした口調で話題が豊富で学校の先生みたいだが、
そう、この方は蕎麦教室の先生でもあるのだ。
この人の蕎麦教室は楽しいだろうなーと想像できるし
蕎麦屋の店主としても、人柄って本当に大切だなあと思わされる。


ちなみにこの店がある「菊水通り」は
かつて「菊水道場」というユニークな居酒屋があったためについた名前だそうで
しかもこの「めん公望」はその「菊水道場」があった場所なのだそう。
へえー知らなかった!


そして本日のお蕎麦の配合は「14対1」だったそうで・・・
あの超絶素晴らしいもりそばの思い出があるだけに
その数字が大変深いものに思えた。



次回は電話で確認して田舎があるときに来るんだぁーーー!!






posted by aya at 19:07 | Comment(0) | 東京の蕎麦>台東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月02日

浅草「寺方蕎麦 長浦」


どこへ行っても「もりそば」一本の私だが、
中には例外もある。

例えばこの店(下記URL)は、私が「もりそば」を注文しない全国でただのひとつの店だが、
それはごく幼い頃から家族と行っていて
その頃からのハズせないメニューがあるためであり、例外中の例外である。
(例→http://ayakotakato.seesaa.net/article/373042043.html

それ以外の店で種物が食べたい時は
「種物も食べるけどもりそばも絶対食べる」
という作戦?を取ることになる。
しかしこちらのお腹は一つなので話は大変悩ましい。


この店も、種物が美味しすぎて悩ましいお店の一つ。


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まあ〜もうなんだかおつきあいが長すぎて
私の彼氏か家族かって気がしてきてしまうような外観なのだが、
相変わらずこの佇まいにはシビレる。
並んだ看板のずっしりしたカッコよさ!!
「妙興寺そば」「そば雲水」
私にとっては歌舞伎の「まねき」みたいなもので
憧れのスターの名が此処に並んでいるのです(≧∇≦)


そしてこの暖簾。

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カーッ たまりゃん!!
こうこなくっちゃねえー(≧∇≦)




浅草は時節柄どこもガラーンとしているが
本日この長浦はなんと待ちが出ている人気ぶり。
ごく小さな店なので仕方がないのだが、
私も外で数分、中の席でも少し待って、
やっとテーブルにつくことができた。

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店内は渋さを極めているが
花番さんの花のような笑顔と明るい声が
いかにも甲斐甲斐しい。



さて問題のメニューを眺めますよ。

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冒頭に書いた通り、普段なら1行目の「もりそば」一択の私なのだが
此処は種物がいろいろと図抜けて美味しいので
そういうわけにはいかないのである。

ちょっと見かけないメニューも多いでしょう?
「油そば」
「妙興寺そば」
「雲水そば」
「葛引きそば」
など。



説明が遅くなったが、店の外の看板にもあった
「妙興寺そば」というのはこの「長浦」の一番の特徴である。
愛知県一宮市の妙興寺に江戸時代から伝わる「蕎麦覚書」を元に
先々代が店を始めたのだ。
故に「寺方蕎麦 長浦」と名乗っている。

私の記憶ではその「蕎麦覚書」には
蕎麦は打ってから一晩以上寝かせる、と書いてあったはずである。
そしてその蕎麦の食べ方、アレンジとしては
冷たい蕎麦の上に千切り大根を載せる、というのが代表的なもので
それがこの「長浦」の看板メニュー、「妙興寺そば」となっている。


今日は久々だし、是非その「妙興寺そば」を食べようと思っていた。
しかし・・・
私にはどおお〜しても大好きな人が他におりまして。。。


その人ね、本当に本当にスゴいんです♡
まず注文してしばらくしたら
厨房から「ゴ〜ゴゴ〜」と地鳴りのような
低い音が長い間響いてきます。
そしてやっとお会いできたその人の神々しいまでのお姿ときたら!!!!


「雲水そば」
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なんという美意識。

なんという世界。

あなたは枯山水ですか?



心打ち震えすぎて激写しまくり。

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みなさんこれ、とろろ蕎麦じゃあないんですよ〜(≧∇≦)
なんだと思いますか?


なんと、「大根おろし」なんです!
このなめらかな表面からは想像できないですよね?



たーっぷりの大根おろしの下に、お蕎麦さんがぎっしり控えています。

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しかもこの大根おろしがですね、
見てお分かりでしょうが
そんじょそこらの大根おろしとは別世界のおろし様でして!!

いったいどうやったらこんなふうにおろせるのかというほど
大変細かくおろしてあるのだ。
あのゴゴゴゴ〜という音に秘密があるのだと思うのだが、
すり鉢でもないし・・・
鮫皮の山葵おろしの大根版みたいなものがあるのかしらん?

とにかくこんななめらかでとろんとろんの大根おろしは
他の何処でも食べたことはない。
その美味しい大根おろしと絶品の手打ち蕎麦に
蕎麦汁ぶっかけて食べたら、美味しすぎて悶絶しますって!!
ああ好き・・・何度食べても大好き、雲水さま・・・


こ〜れ〜は〜ねぇ〜〜〜
是非みなさまにも一度体験していただきたい
超越した世界です。


本日あらためて、この「長浦」の悩ましさを再確認しました。
だって「もりそば」は絶対食べたいけれど
この「雲水そば」も次回も絶対食べたいじゃないですか!!(≧∇≦)



でも「長浦」の悩ましさは「雲水そば」だけではないのだ。
もちろん看板メニューである「妙興寺そば」も美味しいし
私もまだ食べたことのないものも含め魅力的な種物がいろいろ。
その中でも私のリピート率が高いのがこちら。


「納豆そば」
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この非凡さ。

写真で伝わるでしょうか?

「納豆そば」ってやっているお店は結構あると思うのですが
やはり納豆そのものの味が強烈であることや
そこに合わせる薬味も定番があるので(ネギ、大根おろし、生卵、海苔など)
割とどこで食べても結構似てる印象の種物になるんですよね。

ところが「長浦」の「納豆そば」はこれまたブチ抜けております。
こんな「納豆そば」、他の何処でも食べたことがありません。



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まずメンバーの顔ぶれが全然違う。
たけのこ、しいたけ煮、かまぼこ、大根おろし、ネギ、山菜、きゅうり、漬物。
面白い!!
密でなめらかさのある食感のメンバー達が
選ばれているのがわかる。

しかし何よりこの「納豆そば」を非凡なものにしているのは
その納豆そのもの、である。

写真で見てもわかると思うが、これまた「雲水そば」の大根おろし同様、
どうしたらこんなに細かく擦れるのかというくらい
ほぼペースト状になるまで、
なめらかあああああー!!!!
に、擦ってあるのだ。

この強烈になめらか美味しい納豆と、
密&なめらか食感で一般から選抜されたメンバー達と
絶品手打ち蕎麦に蕎麦汁ぶっかけて食べる・・・
何をどうしたらこんなすごい計算ができるのか!?
他の何処でも体験できない、超越した美味しさの
「納豆そば世界」がそこにあるのだ。
いやー これも本当に毎回食べたくなる美味しさ!!



この「納豆そば」は味も素晴らしいが見た目の美しさも非凡である。
この器、思い切り小さいのだ。

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小さな器にぎゅっと盛り込まれた、とびきりのメンバー達。
器は小さいけれど量は少なすぎることはなく
大満足の「納豆そば」だ。

 


最後に、これも毎回外せない「もりそば」。

「もりそば」
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この木のせいろが個性的で
ちょっとお寺っぽくていいですねえー


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明るめの肌に黒いホシが散らされた、都会の素朴な風情。

箸先から香りを寄せると、さすがは打ちたてではなく寝かせた蕎麦。
ものすごい熟成感が伝わってくる。
しかし嫌味のない美しい熟成感で、
ナッツやゴマのような甘い香ばしさがムンムン。
熟成は数時間で様変わりするので難しいが
「長浦」の熟成はいつも最高のタイミングで出されてくるのがさすがだ。

食感はすこーしだけパキッとする感じがあり
コシもあまりないのだが、舌触りがなんともなめらかで心地よい。

蕎麦汁は少し変わっている。
単体で味わうと出汁の旨味はあるが香りがなく、
醤油を強く感じる甘めの汁なのに
蕎麦をつけるとやたら美味しいのだ。
不思議!!


今日はご紹介できなかったが
ここは「おつまみ」もめちゃくちゃ美味しいので
それはまた次回夜行った時に〜

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(明るい声で甲斐甲斐しく働く花番さんが
忙しい中お客さんが入れ替わるごとに
テーブルの上も薬味の器やメニュー立てまで
全て除菌しているのに感心しました!!)

posted by aya at 17:10 | Comment(0) | 東京の蕎麦>台東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月19日

浅草「蕎亭 大黒屋」


もうどうなってもいいと思うほど愛している。

知る人ぞ知る名店ではあるが、万人受けする店ではないと思う。
気が向いた時にちょいと行って軽くたぐる、というのには向かない。
店主夫妻が高齢なこともあり近年は予約のみ。
それだけで蕎麦屋としてはハードルがかなり上がってしまう。

値段も安くはなく「せいろ 1300円」から始まる物語。
そうしょっちゅう来られるものではない。

そして何より、店内には不思議な「大黒屋時間」が流れている。
待たされる時は時空が止まったんじゃないかと思うほど待たされる。
私は最高で「お茶が出てくるまでに40分」
という記録を持っている。
(しかもお客さんは私以外に1組しか居なかった!)


それでも、私はもうどうなってもいいと思うほどこの店が好きだ。



観音裏の、この構え。
寒さのせいでなく胸が震える。


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外に向かって大きく主張することなく一歩控えた姿。
この緑の間をくぐっていく感じもいい。

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細長い店内は掘りごたつ式の座敷席がメインで、壁際には2人用のテーブル席もある。
私は一人で来る時は大体ここに座る。

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今夜は他に2組のグループ客。
どちらもここの冬の名物「鴨すきうどんなべ」をメインに楽しんでいる。
そりゃここの鴨鍋は最高においしいからね〜〜(大黒屋の鴨鍋ブログはコチラ)


しかし今日はやっぱりお蕎麦をメインに、
普段の大黒屋を思う存分楽しみたい。

いつ見ても惚れ惚れする、白扇に書かれたメニュー。

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「おせいろ 1300円」
「そばがき 1800円」
「そばやきみそ 700円」

他で見たらドン引きな価格設定。
しかし私は、この店を出る時に高いと思ったことは一度もない。
価格以上の感動、物凄い世界が、この後待っているのだ。



「天ぷらちらし」
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いかにもかろやかに、バランスよく盛り付けられた天ぷら。
見た目も美しいがその味の素晴らしさときたら!!

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一口かじりついただけで笑い出しちゃう天ぷらって凄すぎます。
海老の天ぷらにかじりついた瞬間、まだ口には全部入っていないのに
「同じ天ぷらでなんでこんなにも違うものか!!」
と眼が覚めるように感動し、
これからやってくるさらなる美味しさの予感に
キャハハハハー!と笑いだしてしまった私 (≧∇≦)

とにかく衣がおいしい。
揚げ方が別次元にうますぎる。
ふんわりさっくり、中の素材が100倍美味しく感じる天ぷら!!



「玉子やき」

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ふるんっふるんっと震えながらテーブルに到着した玉子やき。
東京らしい甘口で、ふっくら極上の食感!
そこにおろしと、ほんの少しだけお醤油をつけて食べるのが
たまらなく美味しいんですね〜〜
玉子やきの背後におろしとお醤油が見えると思うんですが、
そのお醤油の量にご注目。
カーーッ 粋だよねえ〜 (≧∇≦)




そしてメニューに戻らせていただきますが
毎度毎度私の胸を揺さぶり惑わす憎い憎いこのお二方をご覧ください。

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「普通そばがき」
「妙高あらびきそばがき(こそば使用)」

そんなもんどっちも食べたいにい決まってるでしょう!?!?
と叫びたいがお値段とお腹の都合上一つに決めなくてはなりません。

微粉の「普通そばがき」もそりゃあそりゃあ腰抜かすほど美味しいんですが、
本日は「映え」狙いもありましてこちらに♡


「妙高あらびきそばがき(こそば使用)」

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どどーん。
なにかの武器とか、前方後円墳とかではありません。
私はこの大胆な器も大好きです♡



見入れば、そこは宇宙。

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ウッ・・・

わかってはいたものの、そこに在るものの凄みに、私は固まる。
この粗挽きの粒たちと、もっちりした肌の調和。
モワーー!と強烈に香ってくる、最高のかぐわしさ。

えーんえーん
こんなに素晴らしいのものを、
私の口に入れちゃっていいんですかあ〜
入れちゃいますよ〜

エイ





ああああああああ

ああああああああああああああ


超越、としか言いようのない異次元の美味しさ・・・

なにをどうしたら、ここまでの世界に到達できるのか?

まずはこの、胸をかき乱されるほどのかぐわしさ。
こうばしさと、王道の蕎麦の穀物感に満ちた馥郁たる香り。
食感は、ねっとりとふっくらの絶妙なバランスで
そこに散りばめられた粗挽きの粒感がもうただただニクイ加減である。
荒いのだが、ことさらでない。
見た目よりはずっと優しい。
しかし一歩控えつつも口中全体に主張してくる粗挽き感が、
なんとも洗練された田舎の風情である。

そしてそれらだけに酔う間もなく、舌にぎゅうぎゅうと押し込まれてくる
このグルタミン酸を感じる強烈な、濃厚な旨みはなんなのでしょう!!
これが穀物だけから生まれる旨みって凄すぎる。
愛する愛するお蕎麦の旨みが、こんなに凝縮されて口の中で爆発されたら
私はもうもうもう、
うお〜ん うお〜んと吠えるか、むせび泣くしかないわけなのですが
それはさすがにおかしいので私は先ほどからそれを我慢して
ただただこの超越した世界と、壊れていく自分を見つめるしかないわけです・・・

壊れすぎて
「すべてのそばがきがこうあってほしい」
なんていう傲慢な?フレーズが脳に点滅してしまうほどの
飛び抜けた美味しさ。

これが1800円でよかったとおもいます・・・
じゃないと私猫みたいに毎日ここにきてしまいます・・・



本命の「おせいろ」が来る前にこんなに壊れてしまいましたが
ここではこれが通常運転。
なにしろ何を頼んでもケタ違いに美味しいのだから、
そりゃあ予約のみだろうが多少待たされようが
「だから何?」というくらい、私はこの店を愛しているのだ。




「おせいろ」

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気がつけば、私はあなたしか見えない。
両隣のテーブルの賑わいも、今日ここに来るまでにあったことも全て忘れ、
吸い込まれるようにその美しさに見入る。

日本が世界に誇るべき絶景が、ここに在る。



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暗めの肌に無数の粗挽きの粒をはらみつつも
どこまでも繊細で優しい風情の、極細の平打ち。
ここの「おせいろ」を愛してやまない私は
これから無限の宇宙に引きずり込まれる覚悟を決め、そこに飛び込む。

鼻腔から脳を染める、甘みのない深く渋い香ばしい香り。
ちょっと日本離れした、ヨーロッパの蕎麦粉などにあるような
外皮のしぶーいスモーキーな香りをうんと綺麗にした感じ、
のかぐわしさに新鮮にビックリする。ここまでやるかー!

口に含んでさらに驚く。
ピキーッと潔いまでに、ギンギンに冷たくしめられているのだ。
この冷たさにしてこんなにも香るとは、
もう奇跡とか魔法とかそういうレベルの話である。
噛み締めてさらにシビレる極細の繊細さ、密な平打ちの質感。
私の大好物の、中国の干し豆腐を思わせる密な肌だ。
しかし食感は干し豆腐とは無論別物で、ことさらな弾力やコシを感じないのに、
歯で簡単には噛み切らせない、でもやわらかい、小慣れたコシ。
その上、噛み締めずとも舌にのっただけでぎゅうぎゅう押し込まれてくるような
濃厚な味わいに見舞われ、完全にノックアウトされる。
先程のそばがき同様、グルタミン酸系強烈な旨味。
粗挽きゆえ、ぷつぷつとした刺激も感じるがそれもことさらではなく、
すべてが繊細さと優しさと超越した洗練の中にある。

これだけあらゆる方向から私に襲いかかり盲目にしてしまう麻薬的な魅力。
自分の中を駆け抜ける衝撃的と言っていい美味しさと、
またまたむせび泣きたいほどの感動の渦の中で
「私はあなたに全てを捧げたい。」
と澄んだ熱い思いを一心に捧げつつ、
その相手をあっという間に全部食べちゃったこの矛盾に満ちた愛の世界。


毎度毎度私を狂わせる、とんでもなく超越した美味しいものばかり出すこの店の壁には
こんな書き物が。


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「何でもないありふれた手打せいろそば」

いやいやいやいや・・・
いかにも一茶庵「友蕎子」片倉康雄さんの直弟子のお店らしいが・・・

かっこいいにもほどがあるでしょーーーー!!
(その下の靴べらコレクションもなんだか微笑ましい(^^)
ブーツスタンドもあるよ!)



ここのもうひとつの名物と言っていい
ひょうひょうとした個性の素敵なおかみさんが
少しお元気がないのが心配だったが・・・
店主はバッキバキにお元気!!
一言話しただけでその頭脳のキレっぷりが伝わる、
はっきりとしたエネルギッシュな物言いにホッとする。

この宝物のような店は、ずっとここにあってほしいのだ。



私が蕎麦屋について書き続ける理由はこんなところにある。

宝物のような店は、毎日毎日、何十年も宝物のような店であり続けるのに
それは人々の舌と記憶の中だけに、それぞれに残るばかりで、
記録としては何も残らない。
写真はあっても、その味や、雰囲気や、そこに流れていた時間は残しようがない。


私はなんとか、そのほんの少しのかけらでも残したくて。

稚拙な私の筆でも、何かをあらわし残すことができたらと
そこで私が感じた全てを、こうして書き続けているのだ。




posted by aya at 11:59 | Comment(2) | 東京の蕎麦>台東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月20日

浅草「なお太」


観音裏、という響き自体がすでにいい。
歴史とか伝統とかというものを、これっぽっちも飾らずに
気楽にひょいとひっかけているような趣がある。
浅草寺の真裏のそのエリアは実際に行ってみると
一見普通の住宅街にも見えるが
そこにぽつんぽつんと知る人ぞ知る名店が点在しているのだ。

浅草のどの辺りを真ん中とするかは時代によって判断が分かれるかと思うが
賑やかなあたりからそぞろ歩いて行くに観音裏はちょうどいい。

浅草でちょいと一杯やりながら一枚たぐりたい、
でも観光客でいっぱいなのも、粋過ぎちゃって気が張るような店も困る。
とことん気楽にタラララいい気分〜♪になりたい時にぴったりの、
観音裏のおいしいお蕎麦屋さん。

夏至も近い本日はまだ通りも明るい。

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「なお太」と堂々と、わざとのようにヘタくそに(失礼)書かれた提灯。
もうこのあたりから力が抜けてのほほーんと気楽〜〜な気持ちになる。

初っ端から失礼を申しましたが、だってこれはきっと
「気楽にくつろいでってよ!」っていう演出なんです。
近づいた黒板の文字は綺麗なんですから♪
「なーおーた!」ウハハハなんか笑っちゃうようななごむロゴだな〜

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店先のボードにはかなり詳しくメニューが掲げられていて早くも釘付け。
おつまみも楽しいんですが
お蕎麦の種ものの美味しそうさが大変なことになってます〜〜

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きゃ〜〜〜
私の運命はいつだってせいろ様に決まっているのに
こんなに美味しそうな種ものがいろいろあっちゃあ
お蕎麦何枚も食べなくちゃいけないかもしれなくて
命がいくつあっても足りないじゃないですかー!!(お腹の間違いでは)




店内はカウンターと、奥にテーブル席がいくつか。

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壁にかかったテレビの音がまず耳に入り、
カウンター席ではすでに男性二人組と、常連さんらしいお一方がくつろいでいる。
二人組の方の会話は終始釣りの話題であり、つまみはタコウインナーともやし炒めだ。
かー!たまりません。観音裏でこの雰囲気。もうこの時点で完璧だ!




もう飲む気満々の私(酒量だけは小鳥の私ですがやる気は鷹並み(≧∇≦))、
メニューを見るといの一番に見慣れぬお酒が。

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「浅草の粋」!?
ベタすぎて笑っちゃうようなネーミングだが
すでに滅法いい気分なのでノリノリでこれに決まり☆

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(タコウインナーちょこっと写ってるよ!(≧∇≦))

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このお酒がもんのすごーーーく美味しい。てか私好み!
普段私が好きな「入り口すーっとすっきりそのあと中で膨らむような」というのとは違うのだが
最初から最後までストレートに、澄んだ旨味がキューッと駆け抜ける感じ。
私のようなお酒小学生でも飲めるくらい軽やかなのだが味わいはしっかりしていて、
ゴダゴダ変化せずキューッと短く通り過ぎる。
「浅草の粋」たあこういうもんだと言われれば嬉しくなるような、
そんな美味しさだ。




ラベルを見ると、あら名前が違う?

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ご本名のほうがずっと粋じゃあないですか〜
日本酒に早朝のイメージの名前というのが斬新で
「始まる感じ」がかっこいー!




「もつ煮」
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自称煮肉愛好会会長の私、
このメニューを見て頼まなかったことがかつてあったでしょうか。
「なお太」のはさっぱりめでぱくぱくイケちゃいます〜




そして煮肉愛好会会長はいつだって愛に生き、
暴走をためらいません。

「肉豆腐」
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おっほー!お風呂かってくらい大きな器でやってきました。
遠近感もあるとはいえ「もつ煮」の器と比べてこの違い。
この「肉豆腐」がやたらめったらおいしい。
見た目は絹豆腐がつるんと綺麗で野菜もいっぱい入ってて上品ヘルシー系なんですが
美味しさはガッツリ♡ 味付けが素晴らしいです〜〜
こんなに美味しくちゃお酒がすすんで迷惑です〜〜
おいひー!



「そばさし」
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これまた見ると頼んじゃう大好きメニュー。
切り方が違うだけで要はお蕎麦と同じでしょ?と私も思うのだが
これがまた味の感じ方が全然違ったりするから面白い。



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薄手でなめらかとぅるんとした舌触り。
香りはほとんど感じなかったが噛み締めるとじんわり滋味深い蕎麦の味が
感じられてきて嬉しい。
お塩とかお醤油とかワサビとかいっぱいつけてくれたのに
一度も使わずすみません・・(^^;)



ここでいよいよ、入店前から困ったな〜〜と懸念していた
大問題に向き合います。
お蕎麦をどうするか。

どうするかって拉致したり求婚したりするのではありません。
どのお蕎麦を注文するかってことです(≧∇≦)

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ううう・・・・・
この「下町系絶対美味しい種もの」オンパレードに加え、
なんですかソレ絶対食べたい!とソソラレまくる創作種もの。

も〜店主さんセンスあり過ぎ〜〜
こんなことされたらほんとに困るんですけど〜〜

普段はブレずに「もりそば」一筋の私であるが
何せ蕎麦を食べ過ぎて25年(2歳から食べています♡うそ)、
お蕎麦屋さんにおいてどうしたら自分が幸せになれるかという勘だけは
磨かれまくっております。
この「なお太」では絶対に種ものを頼むべし!
しかしやっぱりお蕎麦はお蕎麦だけでも味わいたいので
「〇〇せいろ」みたいな、つけ汁で味わえる種物をひとつは頼んで、
あとは自分のおなかの大きさが許す限り欲望に生きるべし!(いくつ食べる気(^^;))



「トマト鴨せいろ」
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鴨汁にトマト!
興味と欲望のままに選んでみましたが
そんなことより私の心を鷲掴み目を釘付けにするのは
いつだってこのお方・・・


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極細のやや平打ち。
穀物感のある肌が美味しそう!
細さゆえかみっちり盛られた感じで
手繰り上げてもするするとは解けず束感がある。
かなり冷たくしめられているせいもあり香りはほぼしない・・と言うより
店内は今まさに、美味しそうな居酒屋系つまみがガンガン炒められていて
ホッピー通り級にいろんなおいしい香りのお祭り状態。
しかしそこは私も負けられない戦いである。
全神経を嗅覚のみに集中させ香りを寄せると・・・
おおおお、奥からかすかに、意外にもストイックな
香ばしい蕎麦の香りが伝わってきた。

口に含むと極細の輪郭線がクッキリハッキリと感じられ
質感はみっちり密で歯ざわりも固め。
極細なのに噛み締めても最後までは噛み切らせないが
噛み締めれば味わいが感じられるので幸せに噛み締める。




そしてお楽しみのトマト鴨汁。

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うっひょーーーーーー!!
ナニコレ最高すぎます、美味し過ぎます!!
高級鴨肉使ってるとかそういうのではなく、ズバリ味付けのセンスが素晴らしい。
がっつり庶民系、しかもバランスもいい最高に美味しい鴨汁に
トマトの酸味が素晴らしい!
やばいですぅ〜〜〜〜!!
こんなに美味しくちゃあ、お蕎麦が一瞬でなくなります〜〜




というわけでうはははは、お蕎麦お代わり♡
(念のため、本日2名で来ています)

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トマトが美味しくてトマトの部分先に食べちゃったけど
トマトなくてもおいしい〜〜
この「トマト鴨せいろ」は「なお太」で一番お高い1500円だが
それだって全然安い!おいし過ぎ!
「なお太」に来たら是非おすすめです(^^)



「冷し肉南」
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なんたってここは観音裏、あのヒヤニク様(角萬♡)からも近いエリアなので
頼まないわけにはいきません。っていうか大好物なもので(≧∇≦)
比べると「なお太」のヒヤニクははんなり繊細系。
蕎麦も極細ならお肉も薄切り、水菜がサラダ感覚で
同じヒヤニクでもこうも印象が違うかという感じ。

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これまたいい味つけで素晴らしく美味しい!!
でも肉豆腐のがっつりした美味しさにノックアウトされた私としては
あたたかい肉南も食べてみたかったな〜、

次回は「肉南」か「肉せいろ」のどっちかにしよう♡
「トマト鴨せいろ」は絶対ハズせないのでまた食べよう♡

「オリジナルのりそば」
「炒めねぎのりそば」
っていうのも気になるー(≧∇≦)!





posted by aya at 20:49 | Comment(1) | 東京の蕎麦>台東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月11日

浅草「蕎亭 大黒屋」


言わずと知れた名店中の超名店。

その存在は最早私にとっては蕎麦屋ではない。
完全に「蕎亭 大黒屋」というひとつの眩い星である。

決して誰にでも薦めたくなるステレオタイプの店ではない。
運が悪ければ待ち時間は気が遠くなるほど長く、値段も安くない。
(私は最長で、着席してからお茶が出されるまでに40分待ったことがある。
しかも店は混んでいなかった!?のでその昔話のような時間に身を任せた)
しかしここで出されるものはどれもこれも飛び抜けて美味しい。
派手さのない、しみじみとした本物のありがたい美味しさが
脳に染み付いて忘れられなくなる。
それらすべてをひっくるめて、この店は私にとって浮世離れした「星」なのだ。



浅草観音裏の闇にひっそりと浮かぶ灯。

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鬱蒼と建物に絡みつく草木、灯篭に浮かぶ粋な文字。
私の目には全てが完全に映る。
「蕎亭 大黒屋」として完璧だ、と思う。



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店内は細長く、掘りごたつ式の座敷席とテーブル席がある。

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メニューの体裁も浮世離れ。
白扇子に筆書きだ。

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本当にここで食べるものは蕎麦もおつまみも素晴らしく美味しいので目移り・・♡
しかし今日は好きなものを頼むわけにはいないのだ。

実は今日は私たっての希望で
長年の夢であった「大黒屋の名物鴨すきうどんなべ」を食べに来たのです〜〜
ばんざーい ばんざーい*\(^o^)/*
(もちろん最後にお蕎麦も食べます!)

やはり鍋ですから人数がいたほうが楽しい、ということで
なかなか実現しなかっただけに、もううれしくてたまらない。


まずこの店のanother大名物である女将さんが
鍋のセットをしてくれる。
(今夜は今まででも一番の剽軽ぶり&すっぴんの美肌ぶりがすごい)

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もう数十年も使っているという「陣笠鍋」。
墨のように黒く驚くほど重く、美術品のように美しい。
由緒ある製造のものなどではなく
「知り合いに銅板を叩いて作ってもらった」というところが
いかにも一茶庵「友蕎子」片倉康雄さんの直弟子の店らしいところと感じさせられる。
しかもこのコンロのカバーともいうべき木の箱は店主の手作りだ。
コンロがお客さんの手に触れて熱くないようにという実用品だが
片倉さんの教えは常に「実用」であり、
それが最高の美に至っていることには全く無意識であるところに
私はいつも驚かされ、畏敬する。
同じく直弟子で昨年惜しまれつつ閉店した秩父「こいけ」の店舗も
片倉康雄さんの教えによるこいけ店主の手作りで
私にとっては重要文化財に指定してほしいくらいの建物だった。
http://ayakotakato.seesaa.net/article/442114672.html


店の奥には片倉さんの書いた言葉が
店を見守るように掛けられている。

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今日はお酒通、美味しいもの通のみなさまとご一緒ゆえ
お酒の方でもこれでもかと「蕎亭 大黒屋」を堪能します!
と言いつつ「酒量だけは小鳥」の私、
本日は皆様のお酒通っぷりをほえーと眺める殻付きヒヨコに格落ち気味でしたが、
ここは酒器のコレクションがまたすごいので
それだけでも楽しめました〜♪

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注ぐ時にピロロロと小鳥のように鳴く徳利は見たことがあるが
なんとこれはお猪口も鳴く珍しいもの。
片口の注ぎ口のようになっている部分から飲むと
「ピロロロ・・・」
男性が小鳥のように鳴いているとなんとも可愛く
また飲むたびに「私飲んでまーす!」とテーブル中にアピールしてしまうという
話題と笑いの尽きない楽しい酒器。
五角に梅と垣根の絵付けも邪気のない美しさだ。




「焼き味噌」
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蕎麦屋の大定番だけにあちこちで出会うが
なんでここのはこんなに魔法のように美味しいのでしょうねえ・・・
ふんだんな蕎麦の実が思いっきりざっくざくなこと、
焦がした部分の素晴らしい香ばしさ、生姜などの薬味のことさらでない風味。
甘さは結構しっかりあるのだが要はバランスの妙ということなのだろう。
とにかく大変に美味しいのだ。



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底に富士山の写真(!)がある珍しいお猪口。
お隣の方のは北斎の赤富士でした。
「覗き富士」、おもしろい〜〜



いよいよメインの登場であります。
長年の憧れであった「大黒屋名物・鴨すきうどんなべ」。

どどーん!!

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大皿に山盛りの、畑の恵みの美しさ。
新鮮な鴨肉の明るい色味も大変美しいのだが
それが視覚的に後回しになる程この野菜は特別に美しかった。
なんというか立体的にハリがあって
いきいきとした生命力が感じられるような、
みずみずしさが弾けるような野菜ばかりなのだ。
そのひとつひとつに丁寧に面取りなどの仕事がしてあり
僭越ながら鍋奉行を仕った私は愛しく嬉しくそれらを箸で扱った。


鍋はこのお出汁で食べる。

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このお出汁がまた絶品である。
よくある鍋用の出汁ポン酢などとは別世界!
強いところ濃いところが全くない、しみじみとさりげない出汁。
そこにたっぷりのおろしが入っていて、どこかさわやかな軽やかさがある。
このさわやかな軽やかさはなんだろう?と思ったら柚子だったので
私はまたしても全く参ってしまった。

私は日頃柚子とか柚子胡椒とかポン酢の味つけのものをすすんで選ばないのだが
(遺伝性醤油中毒のせいもあってしゃぶしゃぶはお醤油で食べる♡)
それはそれらが嫌いなのでは決してなく
効かせすぎて素材の味が見えなくなっているものがほとんどなので
つい避けてしまうのだ。
蕎麦もそうだがなんでも素材の味を楽しみたい私としては
柚子ものはほんのり幽かに効かせてこそ全体の美味しさを引き立てると思っている。
この「蕎亭 大黒屋」の汁はまさにそんな効かせ方で主役はどこまでも野菜であり鴨肉。
出汁は存在を最小限に消して素材の味をそっと支えている感じで
見つめるほどに参りました・・・・
おーいーしーいーーー(≧∇≦)!



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九重堆朱のような漆塗りに
裏と表でおかめひょっとこになっている楽しい酒器。
今夜のお酒はどれも私にはかなりオトナがっつりなお酒が多かったので
お酒は器についてばかり書いていますが
中ではこの「至」が入り口が細くてまっすぐで美味しかった(≧∇≦)


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鴨肉もこの写真の見た目は華やかだが質感も味わいも実に上品。
ガツンとした派手さはまったくなく美しい野菜と鴨肉をしみじみと味わう鴨鍋。
食べ物のありがたさ美味しさがシンプルに私に染み渡っていく。



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山の絵が描かれたユニークな急須型の酒器と
逆さ富士のお猪口。
こういう形の酒器を見ると和装バッグに見えて
着物姿でこれにお酒入れて澄まして外歩いてたら
面白いなあと思ってしまうんですが(* ̄∇ ̄*)




野菜と肉をほぼ食べつくしてしまうと、
今夜は常に絶好調な感じの女将さんがカタカタカタ!と下駄の音かき鳴らして
うどんを持ってきてくれた。
このうどんももちろん手打ち、しかも小麦粉も自家栽培らしい!
金町にある蕎麦畑で小麦粉も育てているのだそう。
知らなかったーーー!



この迫力の色、姿。

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わたくし普段の悪い癖がつい出まして
お鍋に入れる前に1本そのまま食べてみちゃいました。
お、おおおいしいぃ〜〜〜〜なにこれー!
小麦粉の豊かなうまみと甘み、香り、ぷりぷりの食感。
本当に美味しい手打ち蕎麦屋さんの手打ちうどんというのは
美味しすぎて参ってしまう。
秩父「こいけ」の手打ちうどんも絶品だったなあ・・



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あまりのおいしさにうどんを追加注文したくなりましたが
みんなでぐっと堪えました。

なんたってこの後、あの方にお会いするんですもの・・・



「おせいろ」
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うわ

これは・・・

めくるめく鴨鍋ワールドに夢中になっていた私は
突然枯山水の眺めか何かに出会ったような気がした。
テーブルの隅に宇宙が生まれた。
店主が長年表現してきた蕎麦のあり方が、ズンと私に伝わってきた。

この、何でもなさそうな顔をした迫力・・・!


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静かに、ただそこにある宇宙。
繊細な極細、平打ちの黒い肌。
その上にまばらに浮かぶ無数のホシたち。


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ふーっと低く深く香るたくましいかぐわしさに誘われ口に含むと思いの外つるりすべらか。
さりげないざらつきはあるのだが質感が密なので舌触りはつるりとしている。
繊細な蕎麦束が口中を流麗にめぐり、そっとかみしめると
これをコシというべきなのか迷うほどの儚いさりげない弾力に支えられる。
箸先で寄せる香りはやや生々しさを感じるほどたくましいのだが
食べてみるととすっきり黒く香ばしいのが軽やかで嬉しい。

ああああ おいしい〜〜〜〜〜
おいしいよう〜〜〜

今日は今までこの店で出会った中では一番黒く一番極細だったし
印象も少し違うところがあったが
そこは蕎麦の香りや甘み、食感を引き出すべく11台もの石臼を使い分けて
その時の粉に合わせて自家製粉しているというこの店ならでは。
底に静かに流れるしみじみとありがたいような美味しさは
まさに「蕎亭 大黒屋」らしい蕎麦だった。



今年で開店40年となる「蕎亭 大黒屋」。
長年店主と奥さんとで忙しく切り盛りしてきたが
この数年は昼の営業はやめて夜の予約のみの営業となっている。

少し不便にはなったけれど
もともと便利な店ではないから全然いいのだ(≧∇≦)!


この浮世離れした「星」が
観音裏にいつまでも輝き続けていてくれますように。
そう願いつつ、皆で楽しくゲラゲラ笑いながら
浅草の路地を歩いて帰った。

月がすぐそこにあるかのように紺色の空に浮かんでいた。




「浅草寺屋根で飲んでる春の月」










posted by aya at 02:22 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>台東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月18日

浅草「翁そば」


私にとって浅草は、幼い頃から慣れ親しんだ第二のホームタウン。

しかしなんと、ここは来たことがなかったのだ。

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いいですねえ〜この風情、出そうと思って出せるものではございません。
「きそば専門店」(≧∇≦)♡
その店だけ風情爆発してる蕎麦屋は他にもありますが
ここは浅草の中でもディープなエリアにあるだけあって
付近一帯まるごと爆発しております(≧∇≦)


某師匠には修業時代の思い出深い店だそうで噂は聞いておりましたが
どんなかな〜?

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うはは これまたいいですねえ〜
写真はほんの一時の空いた瞬間を狙ったが
店にはひっきりなしにお客さんが訪れ始終にぎやか。
お客さんは私以外100%オジサマである。
作業服姿の方あり、スウェット上下にダウン羽織りの方あり、サラリーマンあり。

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品書きにアルコール類が一切見当たらないのだがビールはあるらしい。


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テレビの音、お客さん達がめくるスポーツ新聞。
甲斐甲斐しく働くお店の人の明るい声。

15:00〜16:30まで短い中休みがあるが
それ以外は11:45〜19:30まで、ずっとこんな時間が流れているのだろう。


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そして今日は寒いだけあって圧倒的にカレー南蛮が人気だ。
どの人もみんな入ってくるや否や迷いなく注文する。

しかし雪が降ろうがステーキが降ろうが私の運命はこの人に定められている。


「もり」
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うは♡
このなまめかしくも白っぽい、太〜い平打ち。
この店の方が薄く端正ではあるが
ここからも程近い「角萬」のお蕎麦とちょっと印象が似ているのが面白い。
http://ayakotakato.seesaa.net/article/156183187.html



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むっは〜〜と濃厚に香る、小麦粉とそば粉の入り混じった香り。
太い平打ち、もっちりした強靭なコシがあるが硬さは全くなくむしろ柔らかい。
柔らかいのに見事な深いコシがある。
その中からおいしい小麦の味わいと甘みが溢れ
じわ〜と口いっぱいにひろがる。
うわ〜なんかほっとする美味しさだなあ
そしてなんといっても450円!!感動の450円!(≧∇≦)♡
手打ちに見えたがどうやら機械ごね手切りの蕎麦らしい。


「冷やしたぬき」
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わわわ
青十草の器が引き立てるこのシンプルでまっすぐな眺め・・
「もりそば」の景色、その美しさを世界中に自慢したいと常々願っている私だが
「冷やしたぬきの美」にハッとさせられたのは初めてだ。
恐るべし下町の美意識!
そして実は私「冷やしたぬき」というものが大大大好物なのです(≧∇≦)
何時いかなる時も「もりそば」に身も心も捧げてしまうのでなかなか注文できませんが
今日は一口味見させていただきまして・・・
お〜 揚げがバリバリ香ばしくて、
もっちり太い平打ちに濃いめの味付け、おいしさも直球シンプル!
つくづく「冷やしたぬき」ってすごいメニューですよね〜
こんなの美味しいに決まってますよね〜


聞けばここの「カレー南蛮」は熱狂的なファンも多い
大変有名な「カレー南蛮」らしい。
どう違うんだろう?興味津々・・・と言いつつ
私は「じゃあぜひ次回はそれを!」とはならず、
やっぱりどーしても冷たいお蕎麦が好きでして・・
メニューには書いてないが実はあるらしい
「冷やしむじなそば」が食べてみたいっ(≧∇≦)

でもね、でもね、

多分またここに来て席に着いたら
「もりそば一枚!」
と言ってしまう、そんな私の人生なのです・・・ちーん



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2015年11月16日

浅草「じゅうろく」


浅草・観音裏に新しく出来たお蕎麦屋さん。

観音裏と言っても三ノ輪との真ん中くらい、
あの名高き蕎麦の名店の何ブロックか先である。
街の中心からはかなり歩くことになるが
何せ浅草というのは面白い街なので歩くに全く飽きない。


歩いた先に見えてくる「手打ちそば」の看板。

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好きな言葉は何ですか?と訊かれて大真面目に「手打ち蕎麦!」と答えてしまうほど
手打ち蕎麦という言葉が好きな私。
観音裏という愛すべきエリアにこんな看板が見えてきただけで小躍りしたくなってくる。
(実際は小躍りでなく小走りしました(^^;;))



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中の様子が伺えない構えはお蕎麦屋さんと言うよりは
お寿司屋さんとか、ちょっとした和食屋さんのような。



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おおお「せいろ」が1000円、「あらびき」が1200円。
かなり高級店な価格設定である。

そして「秋の天せいろ」の中の「対馬産穴子」という5文字、この吸引力!
ハイッ もう吸い込まれました。
これは食べたーーい!!(≧∇≦)




店内はカウンターあり座敷あり、
こざっぱりと落ち着いた雰囲気。

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カウンターには数組の先客がくつろいでいて、それがまた実に楽しそう。
観音裏のこんな蕎麦屋で、美味しそうな蕎麦前食べながら
今まさに次の日本酒を選んでるところだったりして
いいですねえ〜〜〜

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もうもうもう、私はここに座っただけでその雰囲気の素晴らしさに
ウカカカカカと笑い出したくなりましたね〜

うはははーもう今日は嬉しいから飲んじゃうことにしたー!


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うははははははは

で? で?
おつまみは何にしよう??

うわー いろいろ楽しそう。

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「栗の木の実の白和え」
「鴨ロース赤ワイン煮」
あたりが大変に気になる。
対馬産穴子も是非食べたいけど「天ぷら」か「含め煮」か迷うところだなあ〜


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「そばがき」には「なめらか 粗美季」と添えてある。
これは絶対に食べます! (≧∇≦)

ここはお蕎麦も「瀬色そば」「粗美季そば」だったりして漢字表記が独特だ。


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アレコレ迷っていたら白い割烹着姿の女将さんが
「あのー、もし良かったらいつもはお通し300円いただいているんですけど
今日は500円いただいてちょっといいのにするので
そちらをご覧になってからお決めになりますか?」
と声をかけてくれた。

この女将さんがまためちゃらくちゃらにかわいい。
店主が「女将!」と呼ぶので女将さんと書いたがその言葉が似合わぬ程若く(20代)
明るくほわ〜〜とした雰囲気になんとも癒される。
しかもこの店の蕎麦は何を隠そうこの女将さんが打っているのだからさらに驚きだ。

というわけで女将さんが運んできてくれた、
「お通し」
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わー なんと!
私がメニューを見て食べたいと思っていたものが3つとも入ってるではないか!

「栗の木の実の白和え」
「鴨ロース赤ワイン煮」
「対馬産穴子含め煮」

これはますます嬉しい、素晴らしい、もうこれは絶対にお酒だ、 
私は今夜どうなるのでしょう・・  

しかも3つとも思った通り美味しい!




せっかく観音裏の蕎麦屋にいるのだから
こんなの選んでみました〜 珍しい!

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「浅草の大桝が出しているお酒ですっきり系です」との説明だったので
どこで造っているお酒なのか訊いたら佐賀の天吹酒造だった。
これが大変美味しい。
たしかにすっきり澄んでいるのだがスッと瞬時に舌にひろがる旨みもあり
しかもそれがまたスッと消える。
うはは〜 もうだれか私を止めて〜〜
(とか書いていますが一晩でおちょこ2杯くらい(≧∇≦)・・入店15分で立派なヨッパライ(≧∇≦))


超ご機嫌で暴走する私に女将さんがこんなものを持ってきてくれた。

「切り込みです」

なになにー?
「ソリ込み?」それは暴走族(* ̄∇ ̄*)
「とり込み?」それは洗濯物(* ̄∇ ̄*)  

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あっこういうのを「切り込み」っていうんだ!
(生魚を包丁で切り刻んで発酵させた北海道・東北の郷土料理)
知らなかったー
これは「北海道のにしんの酒盗」。
魚好きの私はたまらない一品でものすごーーーく食べたいが
アニサキスアレルギー1年生につき指を加えてガマンガマン。




「そばがき」
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お時間がかかるかもしれません、といわれていた「そばがき」が
意外と早く登場。

あああああ 
ああああああああ

「やっぱりその日最初の蕎麦香浴が出来る瞬間はたまらない!!」

と私の全身の細胞が申しております・・・・



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色鮮やかに目に飛び込んでくる大粒の蕎麦粒子。
輪郭線はなめらかので微粉も多そうな、なめらかザクザク系かな?
と思ったらこれが、見た目からは想像できなかった珍しい食感。
見た目は丸く綺麗に成形され切った側面もスパッとしているのに
口に入れると意外な程見た目以上にドロとろ〜っと流れていき
微粉と粗挽きの割合のせいなのか不思議なみずみずしさを内含している。
爽やかで上品なかぐわしさがふわー!
味もまた個性的でじわーと舌に染み込むような、不思議な苦み、生々しい水のようなたくましさがある。
言葉で書くとよろしくないようだがそれがすごく美味しい。
長野の信濃一号。




お蕎麦は「秋の天せいろ」にしてここで天ぷらだけ先に持ってきてもらった。

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対馬産の穴子を真ん中に、鳴門金時、信州きのこ、蓮根。
秋はほんとに豊かな季節だな〜楽しいなあ〜
簀の上に飾る演出がますます秋の楽しさを盛り上げてくれる。


盛り上がったところで
熱燗「花巴」

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おおおっ これはかなり激しいというか
要は熱燗の魅力がわかるようになって年月が浅い私にはまだまだ豚に真珠のようです・・
ガッツンと太い旨み!




「地養鳥 そばやの焼鳥」
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飴色に焼かれた焼き鳥。
ネギだくが嬉しい〜♪



いよいよ時が満ち、私は心を澄ませてその瞬間を待つ。
このときめき・・初めてのお店のお蕎麦に出会えるこのワクワク感!

「瀬色そば」
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大きめのせいろの真ん中の方に
ぎゅっとぴったり重なって現れたみずみずしき姿。

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端正な細切り、つやつやと水分をたたえた肌。
さわやかな香りが淡く静かに漂い、美しく澄んだ味わいがそれに続く。
みずみずしくつるりぷるりとした舌触り、弾むような腰。
これは飲んだあとにすっきりつるつる食べたらたまらないだろうなー
信濃一号だというが信濃一号の野生がこんなに美しく染み渡ってくるとは。
もっと言うと二八なのにあまり二八っぽくなく
十割かな?と思わせる凛としたものを感じる蕎麦。

思われず「美味しーーい!」と声に出して言ってしまったら
エヘヘというように「美味しいですよね〜」と自分で言っちゃう女将さん。

「自分の作る蕎麦がだーいすきなんですよ!」
と歳の離れた奥さんをからかうように店主。

私は可笑しくて大笑い、カウンターのお客さんもみんな楽しそうで
ああ今夜は本当にしあわせだな〜(≧∇≦)




「粗美季そば」
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褐色がかった肌に散りばめられた無数のホシ。
素朴でありながら繊細さを感じるほど端正で、実に美しい姿だ。

箸先に手繰り上げると意外な香りがふわぁ〜
ほー!香りはまるで美味しいさらしなのようだ。
味わいも美しく澄み、さらしなに似た感じ。
舌触りもまた意外で、つるりとした中にこまかなこまかなジャリ感があり
かみしめた印象はしなやかでやさしい。
これだけの見た目ながら
全体としてはせいろよりやさしい印象すら受けてしまう粗挽きだ。


汁はやや個性的で下町のそれとはちょっと違う甘さとシャープさを感じるもの。
薬味にゴマがついてくるのも個性的で
おつまみとしてボリボリ美味しく食べちゃった(^o^)



蕎麦湯を飲みつつ、函館からやってきたという店主と少し話をしたり、
さっき入って来た老夫婦が楽しげにメニューを選ぶのを遠く眺めたり。



ああ 観音裏の夜は


たのしいなぁー










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2015年08月21日

鶯谷「公望荘」


私にとってこの店の景色は、東京の宝だ。

鶯谷駅南口駅前。
駅前の蕎麦屋というのは他にもあるだろうが
なんとこの南口の駅前には「この店しかない」!

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小さなロータリーに面している建物はこの店だけで
駅舎もなんだか小さくて可愛らしい。
後ろには寛永寺の緑が濃く控え、
これが山手線駅の駅前とはとても思えない。
昭和のまま、時間が止まっているようだ。

店内の雰囲気がまた素晴らしい。
普通と言えばごく普通なのだが、この普通さは、なかなかない。

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11~19時までの通し営業。
駅前ゆえ外には車が多いし一日中お客さんは絶えないので静かなわけはないのだが
私はここで、ここにしかない静けさ、安らぎを感じる。

外の車の音、厨房から聞こえる仕事の音、客の話し声、
全てが有機的な、あたたかい音に聞こえる。

東京の音に、耳を澄ます。

特に好きなのが厨房と客席をつなぐ木の配膳窓だ。
中の様子は伺えないが、
注文したものが出来上がると右手の木の配膳窓にコトリ、と置かれる。
それを店員さんがテーブルに運んできてくれるわけだが
その「コトリ」は一定の余韻をもって私の胸に響く。
小津映画に出てきてもきっと良いシーンになるであろうと思われるほど
私にはよい眺めであり、よい音なのだ。

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創業は昭和21年というが
この木の配膳窓はいつからあるのだろう。
昭和21年と言ったら終戦直後だ。
その当時のこの店は、どんな風だったのだろう。



外の看板には店名より大きく「天下御免そば」と書いてあるのだが
メニューにもまずそれが書いてある。
何が天下御免なのかよくわからないがとにかく何憚らない感じが潔くていい。
「御手打蕎麦いろいろ」というタイトルも
他では見かけない堂々とした感じが好きだ。

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(昔はラミネート加工でない、もっといい雰囲気の表紙だった記憶があるのだが
写真がなくて残念)



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メニューはザ・お蕎麦屋さんの定番、王道の品揃え。
天丼や玉子丼もある。
昔あった「別製ざる」も今はなくなってしまったんだなあ。


そしてさらに特筆すべきはここの仕事の美しさ。

この玉子焼き、見てください!


「玉子焼き」

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輝くばかりの鮮やかな黄色に、こんがりと美味しそうな焦げ目。
ふっくら肉厚の玉子焼き!

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ジュワァーッっとジューシー、甘辛濃いめの味が口いっぱいにひろがる。
これぞ正統派の、東京の玉子焼き。
私は甘辛の玉子焼きで育ってはいないのに何故か懐かしさを感じる、ほっとするような味わい。



「そばずし」もここのはお手本のように美しい。
老舗では見かけるメニューだが
「そば」とついているとなんでもつい頼みたくなってしまう私(^o^)

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ご飯のお寿司も綺麗に作るのは難しいが、
そばずしはご飯よりさらに難しいのではないかと思われる。
(かーなーり自由奔放な感じのに出会ったことも多いので(^^;;))

「公望荘」の「そばずし」は、この美しさだ。

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「公望荘」の「そばずし」は「玉子焼き」の後に食べると
その差に驚くほどスッキリシンプルな味付け。
甘さはほぼなく、きゅうりのさわやかさと海苔の香りが際立っている。
マイ・ファースト蕎麦屋・浅草「尾張屋」の甘ーいカンピョウの入ったそばずしや
かんだやぶのそばずしと比べると、ここのはかなり大人な味付けの「そばずし」だ。



そして圧巻は、個性的で美しい笊に盛られた蕎麦の眺めだ。


「せいろ」
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ああああ

なんと美しき東京の景色。

ここにしかないこのしあわせ。


この店のこの空間で、今日の東京の音を聞きながら、
この美しい景色に対峙する。
有り難さに、私はほとんど狼狽えそうになる。


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深さのある笊にみっしり盛られた感じがいかにも豊か。
そこから小麦と蕎麦の混じった白い香りがふーっと漂っている。
いわゆる二八ー!というむわぁとした香りより慎ましく上品な香りだ。
口に含むと一本一本の輪郭線がはっきり感じられるが硬さは全くなく
口中で一本一本がハラハラと美しくほどけるのが眼に見えるよう。
噛みしめると程よいコシのなかからほんのりした甘みがうまれ
全てがさりげなく、小気味良く整えられた感じがなんとも粋だ。



汁はいわゆる老舗の汁よりちょっとだけキリッとした濃い目。
私にとって蕎麦湯はお酒で,汁はおつまみ。
汁を舌にチロリ、蕎麦湯をゴクリ。

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私はこの店に行く時は必ず混雑を避けた中途半端な時間に行く。


東京の宝のような時間が、そこにあるからだ。





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2014年10月22日

浅草橋「御清水庵 宮川」


浅草橋駅から徒歩2分。
この夏リニューアルした「御清水庵 宮川」へ!

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おおお 確かに。
外観からして凛とした、静かな心意気を感じる佇まいになっている。
以前の明るい気安い雰囲気からは大変身だ。

今日は私の大切な大切な蕎麦犬仲間のWhitaker嬢が
しばらく本国へお帰りになってしまうので
後悔なきよう2匹で思いっきり美味しいお蕎麦をいっぱい食べましょー!と
やってきたのであります。

ひろびろ静かなカウンターがありがたい。

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「御清水庵 宮川」は蕎麦も美味しいけれど、おつまみが本当に美味しい。
福井出身福井弁の店主が、福井産の食材を中心にいろいろ用意しているのだが
軽い気持ちで頼んだものの非凡さにいつも驚かされる。
どれも沁みわたるように美味しいのだ。

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例えば、「つまみ・本日の三点盛り」って聞いたら
「蕎麦味噌、わさび漬け、煮物」とかかな?と思うじゃないですか。

それが「御清水庵 宮川」ではこうなってしまうのだ。

ドーン!

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左から
「焼き蒲鉾のカルパッチョ」
「大根の塩麹&ごま油漬け」
「梅酢玉ねぎ、三年子(すこ・ずいきの酢漬け)」
「エシャロットと花らっきょ」
「小松菜とネギのおひたし」

オイオイどこが三点なんだよという盛り沢山ぶりが
まるで福井の田舎の食堂でも来ちゃったようで嬉しい限り。
しかもどの一品にも工夫があり、郷土性もあり
素材のおいしさを最大限に生かしたセンスの良い味付け。
この「本日の三点盛り」と蕎麦だけで
野菜もバッチリ摂れるし栄養的にも完璧ではないか!
こういうお蕎麦屋さんは意外と少ないだけに、
うーん「御清水庵 宮川」・・やっぱりいいなあ〜〜〜



「あげ煮」
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シンプルに煮た厚揚げに切干大根を加えてしまったセンスがニク過ぎる・・
っていうか私好みど真ん中なんですけどーー!!これ大好きーー!!
この切干の香ばしい香り、素朴な食感。
なんてことない煮物に、一人しみじみと感動してしまった。



そして忘れてはならない、
ここに来たら私が必ず頼むもの・・「だしまき」!
「御清水庵 宮川」の「だしまき」はちょっと図抜けて、特別に美味しいのだ。
今日は以前はメニューに無かった「昇竜舞茸だしまき」というのがあったので
それにしてみる。

「昇竜舞茸だしまき」
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お〜 だしまきの上に福井の特産「昇竜舞茸」がのっている。
中にも入っているみたい。


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ここの「だしまき」がですね〜〜!!!
見た目は普通っぽいんですが、本当に弟子入りしたいくらい
ものすごぉーーーく美味しいのです。
余計な甘さやくどさが全くなく、ほわっと軽く、
それでいて卵の旨みはじわ〜〜〜と広がる。
Whitaker嬢と「美味しい〜」「こんなの他にないよね〜〜!」
と絶賛しつつあっという間にパクパク食べてしまう。
本当にこんなに美味しい「だしまき」はなかなかない。
大ファンなのでそこに何か加えるなんてホントは許したくないけど
舞茸は大好物なので許せちゃうなあ〜ていうか面白いアイディアだなあ・・・
しかも舞茸も福井県産とは・・・ニクイ!




そしてこれはちょっとずつ、私の分だけ取り分けたもの。

「牛肉の蕎麦蜜煮」「蕎麦味噌」「大根煮」
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牛肉は、「杉養蜂園」の蜂蜜でぎゅうううと煮詰めたお酒にぴったりの一品。
大根は甘み一切なく、スッキリまっすぐ、やや濃いめの味付けで煮込まれた、
これまたお酒が欲しくなる洗練の大根煮。
そこに、蕎麦の実そのままザックザクの蕎麦味噌!

・・これだけお酒にぴったりなおつまみを出されても
今日は一滴ものまない蕎麦犬2匹・・
なぜなら、つい18時間ばかり前も2匹でお蕎麦屋さんにいて
美味しい日本酒飲んじゃいまして(^^;;)
特に「酒量だけは小鳥」な私はおちょこ2杯も飲んだら
その翌日はもう無理でして・・
「御清水庵 宮川」には美味しい福井の地酒が揃っているというのになあ〜



蕎麦ももちろん福井県産。

一枚目は
「福井・夏蕎麦キタワセ(十割)」
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決然たる中太打ち、調った眺め。

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箸先から伝わる、キタワセらしい強い野生の香り。
ぬるつるっとした肌は噛みしめるとくにゅんと軽やかなコシがあり
十割と思えないムッチリふっくらした食感が美味しい。
太めの十割だが軽やかなのであっという間に食べてしまい
隣のWhitaker嬢が食べてるのを眺めている時間が長いこと長いこと、
もの欲しそうに、ジ〜〜〜(^^;;)
ほんとに、なんでいつも私のお蕎麦はすぐ無くなっちゃうんですかーー!?



「福井・武生盆地の在来種(外一)」
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今度はぐっと黒っぽい平打ち。

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わわわわわ これは・・・!!

がっつり、深くたくましく黒い香り。
この手の香りはちょっとえげつない感じにもなりやすいが
美しく澄んでいるところが特に素晴らしい。
ぬるりなめらかな肌とむっちりとやさしいコシからこぼれだす
在来種ならではのぎゅうううとした滋味がたまらない。
お、お、お、おいしいいいいいい〜
全身に染み渡るような香りと味わいに浸りながら、
私はこの店に初めて来た日の感動を思い出していた。
あの日もここの蕎麦の美味しさに本当に感激したのだ。
福井の蕎麦の豊かな旨味!!



そして忘れてはなりません、
「御清水庵 宮川」は東京では数少ない、
本場の「越前おろしそば」が食べられる店なのです。
本場の「越前おろしそば」と、と本場じゃないのの違いはいろいろあるが、
一番の違いは「大根おろしが搾りたて」ということ!


まずは「古代つけ汁」で食べる「古代おろし蕎麦」から。

「古代おろし蕎麦」
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この汁はなんと、「搾りたての大根おろし+醤油+味醂」というシンプルさ。
出汁は一切入っておらず、そこに薬味として鰹節とネギを入れるスタイル。
福井に伝わる伝統的なつけ汁らしい。

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お蕎麦は「福井・大野在来(二八)」。
ふっくらふわんと軽やかな食感。
そして「古代つけ汁」がおいっっひーーい!!
いやあ・・・これは本当に困る・・・
蕎麦は蕎麦だけで食べたい蕎麦犬ではあるが、
搾りたての大根おろし汁、美味しすぎる!!
なんと最後まで汁を飲み干してしまったほど。


「越前おろしそば」
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この「ぶっかけスタイル」がいわゆる「越前おろしそば」。
注文が入ってから大根をおろすという本場の作り方でやっている店は珍しい。

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・・・もう本当に、迷惑なほど美味しい・・・
お蕎麦だけで食べたいという蕎麦犬のひたむきな気持ちが千切られるようなこの美味しさ。
わはは、お隣のWhitaker犬はお皿に残った汁を全部舐め・・じゃなかった
全部飲み干しちゃった(^o^)!
搾りたての大根おろしは甘みも辛みもフレッシュで脳が澄み渡るよう。
素晴らしいー!!



デザートも、「御清水庵 宮川」らしくとても自然でヘルシー。

「富津金時(さつまいも)、福井の柿、蕎麦をパリッと焼いたもの」
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うーーーーーん
なんでこのお店はこうまで私向きなんでしょうねえ〜
砂糖の甘味が苦手で、食物が持つ自然の甘みが大好きな私には素晴らしいデザート。
「蕎麦を焼いたもの」はそれはそれは変わったものなのだが
蕎麦犬にはたまらぬ滋味深さ。
「杉養蜂園」の蜂蜜が添えられていたが
塩で食べる方がより蕎麦の美味しさが伝わり、Whitaker嬢と2匹で
犬用ジャーキーの如く大喜びでムシャムシャ!!
杉養蜂園の蜂蜜が添えられていたが
犬らには塩で食べる方がより蕎麦度が高い味わいで美味しかった〜



気がつけば信じられないほど長居をしてしまったが
今日はWhitaker嬢としばしのお別れ、最後のお蕎麦だったので
ゆっくり過ごせて本当によかった・・
楽しかったね、Whitaker! (≧∇≦)/


今月からお昼の営業も始めた「御清水庵 宮川」。
浅草橋駅西口すぐのこの看板が目印ですよ〜〜

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(お箸もすき↓)
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2013年04月の「御清水庵 宮川」利き蕎麦の会
2012年02月の「御清水庵 宮川」
2011年06月の「御清水庵 宮川」


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2014年10月09日

浅草「手打 恒(つね)」


浅草から吾妻橋を渡ってすぐ。
裏通りにある小さなお蕎麦屋さん。

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店そのものより賑やかな幟だの看板だの張り紙の方が目立っている。
入り口脇の製粉機には目玉がついている。
なんだか面白い外観のお蕎麦屋さんだなあ。


店の作りそのものは非常にシンプルなのだが
そこにメニューやら張り紙やらがたくさん貼ってある。

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立て看板のメニュー。

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各種「種ものそば」から「おつまみ」まで
豊富なメニューは居酒屋さんのように賑やかだ。


店に入るとこれまた意外な事態に遭遇。

なんとギャルソンエプロンをしたスラリと背の高い
繊細そうな男性が席に案内してくれたのだ。

え、お蕎麦屋さん・・ですよね?


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はい、どう見てもお蕎麦屋さんです。

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しかもかなり個性的な創作メニューが揃っている。
でありながら蕎麦は自家製粉手打ちである。
ますます不思議は深まっていく。

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「京都の水なす」
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「豆腐サラダ」
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軽い気持ちで頼んだらすごいボリュームサラダが来てビックリ。
揚げ蕎麦がのった上にゴマドレッシングがたーっぷり!
普段はあまりドレッシングの類は好きでない私だが
このサラダは家庭的なボリュームと懐かしいような味わいがおいしくてパクパク。


「恒(つね)」の蕎麦は2種類、「せいろ」と「田舎」。
しかもワーイ!両方が食べられる「二色もり」があるではないですか!
ありがたいなあ〜

「せいろ」
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本日の蕎麦は北海道弟子屈町の蕎麦、品種は摩周とのこと。
外観にも店内にも「手打 恒のこだわり 外一蕎麦」との張り紙があったので
(蕎麦10 : 小麦粉1の蕎麦のこと)
少なくとも「せいろ」は外一だろう。

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むわ〜〜とかなり濃厚な熟成の香り。
口中で感じるパキッとシャープな輪郭線。
しかし食感に硬さはなく弾むような強靭なコシがある。



「田舎」
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ええええ
予想を超える太さにビックリ!
これだけの太打ちを出す店は珍しい。
太さ余って暴れ龍の如く笊からはみ出しております。

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近づくほどにド迫力!
ここでこんな蕎麦に出会うとは思わなんだ。
つくづく面白いお店だなあ〜
濃厚な甘い香りを想像したが、黒く渋い香りが静かに香り意表を突かれる。
うわー、これはいい!
はじめの印象はごくストイックだが
かみしめるうちに甘みも出てきて実に美味しい「モグモグ蕎麦」。


実は今回は初めて来たお店だったうえ
最初の印象が「不思議なお蕎麦屋さん」だったこともあり
「二色もり」にこんなものをつけてもらっていた。


「鬼おろし」
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「鬼おろし器」でおろした「おろし蕎麦」が食べられるのは珍しい。
大根おろしが大好きなあまり自宅に数種類のおろし金を所有する私。
もちろん「鬼おろし」も持っています(^o^)
こちらを参照
ザックザクの粗挽きおろし、おいしいんですよね〜

普段はお蕎麦の香りを偏愛するあまり
最初から最後まで汁を全くつけずにお蕎麦だけをズルズルいってしまう
行儀の悪い蕎麦犬な私。
故にどこでも「もり」しか頼まないが
初めてのお店ではたま〜にこういう「つけそば」にするのだ。

今回は特に「せいろ」が、この「鬼おろし」で
さっぱりおいしく食べられました♪



いろいろ面白いメニューが多いし地酒の品揃えも豊富なので
夜は地元の人が集う居酒屋さんのようなお蕎麦屋さんなのかな?

「とろ牛つけそば」っていうのも見てみたかったなあ〜♪


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2014年04月18日

浅草橋「江戸蕎麦手打處 あさだ」


老舗の魅力。

一概には言えないが、
東京の「老舗の蕎麦屋」というと、ある一定のイメージがある。
いかにもそれらしい趣のある構えで、
接客のプロの花番さん達が甲斐甲斐しくサービスしてくれ、
蕎麦は手打ちでなく機械打ちとか手ごね機械切りの二八蕎麦、
一年365日いつでもビシッと安定した「店の味」が提供され、
中休みなしなのでのんびり昼酒が楽しめるとか
蕎麦も肴も器も酒も「定番の美しさ」が堪能できるとか
とにかく老舗でしか味わえない粋な時間がそこにある、
そんなイメージだ。

中には江戸時代から続く店もある。
100年余もの間伝統を守り抜くということは
時代も客もうつっていく中で並大抵のことではないだろう。


「江戸蕎麦手打處 あさだ」も東京が誇る老舗蕎麦屋の一軒。
創業安政元年。
実に160年の歴史を誇り、現店主は八代目という老舗である。
ところがこの「江戸蕎麦手打處 あさだ」は
老舗としての凄さだけではない、稀有な名店なのだ。

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雨の似合う美しい外観。
大通りのビル街にありながら、その風情はさながら浮世絵の如く。
鍵付きの傘立てには何十本もの傘が並び
扉の奥からは客席の賑わいが漏れ聞こえてくる。

看板には「江戸蕎麦手打處 あさだ」。
メニューには「自家製粉石臼挽き 十割蕎麦」とある。
江戸で老舗で、なのに二八じゃなくて十割・・?
この辺りからも是非ともワクワクしていただきたい店なのだ。


店に入るとさすがの大賑わい。
白割烹着を着た礼儀正しい店員さんがスッと現れ
「いらっしゃいませ」とホテルマンのようなサービスで迎えてくれる。
知らない人は、まさかこの人がここの八代目店主とは思わないだろう。
蕎麦を打っているのはもちろんこの店主だが、
最近は客席を担当することも多いらしい。


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私は冷蔵庫の前のこの席に座ることが多いのでついこの写真を撮ってしまうのだが
「江戸蕎麦手打處 あさだ」には美味しそうなお酒が沢山ある。
なんといっても八代目店主は利酒師。
この冷蔵庫に見えているものだけでなく
「菊正宗樽酒」「立山」「田酒」「磯自慢」「飛露喜」
「〆張鶴」「八海山」「獺祭」「黒龍」等々、
メニューには非常に危険な銘酒がたくさん!!
いやー、偉そうなことは何も言えない「酒量だけは小鳥」な私ですが
ここのセレクションは素晴らしいと思います!!


しかも更に危険なことにここはおつまみがまた大変にすんばらしい。

メニュー本にもぎっしりと定番メニューがある上に
その日その日で
「◯月◯日(曜日) 今夜のおすすめ料理」
というこんなすごいメニューがあるのだ!
どんだけ贅沢なんですか!!

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美味しそうなメニューがズラリ。
しかも全てのメニューに産地が書いてあるというのが凄い。
毎回とても気になっていたのでついに本日聞いてしまったのだが
この美しいメニューを毎日書いているのはなんと七代目なのだそうだ。
これには本当に驚いた。


せっかくですので「今夜のおすすめ料理」より。

「春野菜のお浸し」

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料理本の表紙にしたいような美しい景色。
見た目だけでなく、このおひたしの美味しさに私は感動してしまった。
うるい、菜の花、わらび、ふき、ホワイトアスパラ。
まず吹き抜ける山椒の香り。
その後やってくるそれぞれの野菜のベストな食感、くっきりとした冷たさ加減、
山菜ならではの山の香り、そしてそれを際だたせるようなすっきりとした出汁加減。
何もかもが素晴らしい。
この小さな一皿で春山を転げ落ちた気分になった!



「合鴨ロース赤ワイン煮」
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これまた見るからに美味しそうすぎる。
色っぽさを感じるほどにしっとりと柔らかな肉質。
これが美味しいーー!
私は東十条「一東菴」の鴨ロース煮の大ファンであるが
ここのはそれをしっとりひらりとさせた感じ。
見るからに美味しそうで、食べて美味しく、
噛んでいるうちに口の中で美味しさが高まり続けて
だんだん可笑しくなってきてしまうほど。(我ながらおめでたいのう)



「自家製粉 石臼挽き そばがき」
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お湯の中で身を寄せ合うかわいらしい姿。
この御方がまた、お外に飛び出すと迫力の粗挽きぼこぼこ肌!

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おお〜
しかし試しにひっくり返してみると

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アラッ 別人のような端正な姿。
おもしろい〜(^^)
ほんのり浮かぶ粗挽きの粒の風情が美しい。

香りは正統派の、慎ましく淡いかぐわしさ。
もにょほにょ〜としたやさしい微粉の肌の中に
荒い大きな柔らかい粒が散らしてあるような舌触り。
そこから深い味わいがひろがるのが嬉しい。


「せいろそば」
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老舗らしい黒塗りのせいろの中、くっきりはっきりとした輪郭線が美しい。
蕎麦粉は主に北海道と茨城だそう。

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これだけくっきりとした見た目、その上思いきり冷たくしめられているにもかかわらず
「江戸蕎麦手打處 あさだ」の蕎麦は驚くほどなめらか。
印象はどこまでもなめらかで柔らかいのだが
簡単に最後まで噛み切らせるような柔らかい蕎麦ではなく
噛み締めるとクニュッとやさしいコシがしっかり受け止めるのがニクイ。
十割とは思えないほどツルツルと滑らかなコシ。
これが現店主八代目が伝統を打ち破り独自に始めた「十割の江戸蕎麦」なのだ。

実は先程二階の宴会が終了し、その酔客の一人が
「蕎麦になんか入れてない?ふのりかなんか入れてない?」
と店主に何度も聞いていた。店主は控えめに
「入れてません・・いえ、入れてません」
と答えていたがその酔客の疑問も不思議ではないほど
ツルリッと食べられる江戸な十割蕎麦。
香りは、思い切り冷たくしめられていた最初は北海道らしい野性味を強く感じた。
しかしゆっくり食べすすむうちに香りがなんともいい具合に膨らみ
ふっくら豊かな幅のある、甘く香ばしいかぐわしさとなった。


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蕎麦湯が濃厚で、しかとてもいい粉を溶いてくれているらしく蕎麦粉味が美味しい。
こんなところも老舗らしからぬサービス。
そこにこっくりと濃厚、江戸らしい甘辛汁。
ああしあわせだなあ ヤラレちゃうなあ〜



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今回はメニュー書きや店内の張り紙が全て七代目の書と知って
その才能に驚かされたが、最後にもうひとつのビックリが!

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いつも綺麗だなあ〜と見ていたこの和紙のメニュー本は
なんと八代目の手作りだったのだ。
一冊一冊、細部まで細かく美しく出来ていて
普通に「手先が器用」というレベルではない、完璧な仕上がり。
江戸の昔から蕎麦打ちという細かな作業を極めてきた職人の家系ならではの器用さなのかと思うととても興味深い。
何でも業者に外注に出すことの多い昨今、
親子二代の手作りで店の中をこれだけ完璧に美しく整えていることに感動させられた。


東京の「老舗の蕎麦屋」という一定のイメージがある。

しかしその扉の中には、それぞれの世界がひろがっている。


東京が誇る名店「江戸蕎麦手打處 あさだ」である。


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2014年02月25日

浅草「尾張屋」

心境の変化というのはこういうことをいうのだろうか。
私としては大事件といってもいい感覚。

「今日は尾張屋に行こう。そしていつものざるそばを・・
 アレ?なんだか今日は温ものを食べたいかも」
と思ったのだ!

よちよち歩きの頃から連れられて行った「尾張屋」。
雪が降ろうが槍が降ろうが「ざるそば」一筋で来たこの私が
温ものを食べるのはおそらく初めて。

初めての温もの!と思うと、通い慣れた「尾張屋」が突然新鮮な存在に思え
やたら楽しい気分になってきた。


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席についてメニューを見たらまたまた驚きの事件が。
今まで見たことのない「写真つきおすすめメニュー」がメニュー本と重ねて置いてある。
しかもそこにはこの季節限定の温もの、「あられそば」があるではないですか!
もう今日はこれを食べる運命だったのだ。
流石はマイファースト蕎麦屋、ご先祖の代から通っていたことを思うと
私にとっては子宮のような尾張屋さん。
以心伝心だー!


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これまた今まで見たことのない「ゆば喜のそば豆腐」というのも一緒におすすめされている。
へえーっ これはますます大事件ですよ。
是非とも両方、お願いしまーす!


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これは珍しい、蕎麦が練りこんであるタイプの蕎麦豆腐ではなく
「蕎麦の実が散らしてある豆腐」。
豆の味の中で出逢う蕎麦の実の食感。
蕎麦の風味は感じにくいがさっぱりしてとても美味しい。
今後定番メニューになりそう!
いやー、私と尾張屋の長い歴史の中で、今夜は記念すべき夜だなあ。


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「あられそば」 来たー!

どうしよう、お蕎麦から湯気が出てる!(当たり前)


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海苔の香り

濃い出汁の香り

小柱の香り


湯気の中で、子宮の中で
あったかくておいしくて、
なんだか涙が出てきた。




2013年08月の浅草「尾張屋」 めずらしく本店♪
2012年06月の浅草「尾張屋」
2012年01月の浅草「尾張屋」
2012年01月の浅草「尾張屋」
2011年09月の浅草「尾張屋」& レミ・パノシャン・トリオ!!
2011年06月の浅草「尾張屋」(ここは蕎麦屋ではない )
2010年05月の浅草「尾張屋」







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2013年08月26日

浅草「尾張屋」めずらしく本店♪


昨日は、私の大好きな兄のような年若き父のようなZBさんが
学生時代の同級生の皆様10数名と突然尾張屋に集結されたとのことで
なぜか私も飛び入り参加させいただくことに(^o^)

いつもは「支店」が多いのですが今日は久々の「本店」♪

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尾張屋の玉子焼き、何(十)年ぶりだろう〜〜
なにせマイ・ファースト蕎麦屋ですので(^^;;)。
甘辛〜〜い、下町玉子焼き。


同級生の皆様は私の口車に乗せられて(?)
皆様お揃いで「天ぷらそば」にされたそうで・・
でも大変喜んでいただけてよかったです♪
尻尾が器からはみ出るほど大きなエビの「尾張屋」の「天ぷらそば」。
あの完全な、完成された世界は凄い。


なーんて言いながら私はいつものこれなんですが〜

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日本でただ一軒、私が「もりそば」ではなく
海苔のかかった「ざるそば」を頼む店!
なにせよちよちの頃から食べ慣れた味でして・・
ここでは「汁もつけずに蕎麦だけズルズル」なんて野暮な真似は致しません。
たぐり上げて香りを楽しむようなこともせず、
そのまま汁にたっぷりつけていただきまーす!♪
「尾張屋」はとにかく海苔が美しくて美味しい。
その海苔と、ウズラのコクと、甘辛い汁の調和がたまらない。


ZBさんは「ざるそば」も「天ぷらそば」もたいへん喜んでくれました。
ガンガン食べる男の人の姿ってカッコイイ(^^)


奥の小上がりを占拠した素敵な可笑しな同級生の皆様とのほんの数十分。
私より後から来る方も途中で抜ける方もいらっしゃいましたが
それでもお店の方はテキパキと当たり前のように対応し
他のお客さんも回転が早いので
当たり前のようにいつもの調和のまま店の時間が流れている。

「尾張屋」は中休みもないので一日中こんなふうに、
誰も彼もを受け止めてくれる居心地のいい時間が流れている。


嗚呼 お蕎麦屋さんって
ほんとに「日本の宝」のような場所だなあー(詠嘆)





2012年06月の浅草「尾張屋」
2012年01月の浅草「尾張屋」
2012年01月の浅草「尾張屋」
2011年09月の浅草「尾張屋」& レミ・パノシャン・トリオ!!
2011年06月の浅草「尾張屋」(ここは蕎麦屋ではない )
2010年05月の浅草「尾張屋」






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2013年07月12日

浅草「手打そば やぶ茂」


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最寄り駅はつくばエクスプレス「浅草」駅。

銀座線や都営の浅草駅からだと少々あるが
ちょうどビューホテルの裏手に当たるこのあたりは
ユニークな店が点在し散歩するにも楽しいエリアだ。



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店内も構えもいわゆる町蕎麦屋の雰囲気。
出前のバイクも大忙しの店であるが、特筆すべきはこの店が「手打ち蕎麦屋」であることである。

メニューは「カレー南蛮」から「玉子丼」「かつ丼」「カレーライス」まで何でもござれ。
厨房も店内スタッフもいわゆる下町情緒なおばちゃん風で
愛想はなくても仕事は完璧でとても親切だ。

その雰囲気からどうしても、
機械打ちの蕎麦がドカーンと山盛りでやってくる感じがしてならないのだが、
(さあハンカチのご用意を)このお店の「もりせいろ550円」は
この値段にして店主自慢の手打ちそばなのである。
下町の良心、泣かせるではないか。

「もりせいろ」
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せいろからあふれかえるてんこ盛り。
量だけはサービス精神満点の町蕎麦屋風だが、
その蕎麦は・・・

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このゆる〜い店内においては異質なものに感じてしまうほど繊細な手打ちの風情。
細く、ややはかなく、やさしいその姿。

いわゆる江戸前ツルツルッというのではなく
独特のスベスベ感、しなやかさがあり
スルスルぱっぱっと食べられる。そこが自然な江戸の感じだ。

香りはフレッシュな蕎麦の香り、というのとはちょっと違うが
ほっとするような甘い香りが濃厚でおいしく、汁はもちろん最後まで要らない。
(ちなみに汁はザ・下町!な甘く濃い汁)

あー おいしいなあ なごんじゃうなあー


ちなみにこちらのうどんは小麦粉のせいなのか
いかにも味の濃そうな色味の濃さなのだが、味わいは意外と淡白。
見ているとやはりこちらでは蕎麦の方が断然人気のようである。



奥のテーブル席では肉体労働のお昼休憩らしいお兄さん達が
むさぼるようにランチのセット物を食べている。
ピアスに超細眉のお兄さん達が、ニッカの脚をガバッとひろげ
「カレーライスセット」や「親子丼セット」を
物も言わずに実に美味しそうに食べている。
労働の美しさというものに、なんとなく見惚れてしまう。


さらに私が気に入ってしまったのはメニューの中に見つけたこれ。
「冷たいそば うどんの部」「ご飯物の部」「おつまみの部」などの最後に

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「当店独特品の部」ほろ酔いセット!


キャッ (≧∇≦)♪







.
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2013年05月28日

浅草「丹想庵 健次郎」(バースデー蕎麦♪)


浅草寺本堂裏のいい〜あたり。

大好きなお仲間たちが私の誕生日祝いをしてくださるとのことで
羽が生えたように浮かれてやってきましたー♪

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料亭のような佇まいの「丹想庵 健次郎」。


まずはビールでかんぱーい!!

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この、うーんとロングなグラスいいー!
ビールがますます美味しく飲めて、しょっぱなから全員大感激。
浅草ですからやっぱりアサヒ。
熟撰はおいしいなあ〜


「炒り松の実」
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たった今鉄板から上げたばかり、という感じのアッツアツの松の実。
香ばしくてビールに最高!
これまたみんなに大好評で、早くもビール2杯目飲み終わっちゃった人も!(^o^)


「豆腐の盛り合わせ」
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豆腐だけで4種類もあるなんて楽しいメニュー!
手前から時計まわりに
「ゆば」「アスパラ豆腐」「白ごま豆腐」「トウモロコシ豆腐」、全て自家製。
「自家製豆腐」というメニューも別にあるのだが、
それはこの中から一種類を選ぶ形になるらしい。
私はトウモロコシ豆腐が特にお気に入り♪
韓国のトウモロコシ茶も好きなので〜



鳥取「こなき 超辛口純米」
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店が多忙を極める中
「この、こなきジジイをひとりくださーい!」とか意味なくノリノリな私たちに
「ハイ、ジジイ2合で!」と真顔で受けてくれて走り去っていった店員さん・・懐深い!(^^)


「枝豆」
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見た目は青々綺麗だが中はかなり茶色い。茶豆だぁ!
さすがの美味しさ、味の濃さ。
うーん、茶豆大好き・・夏だなあ。



「山形牛タンやわらか煮」
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これまた大ヒットおいしいメニュー!!全員に大好評!
まず味付けがいい。
ふっくらやわらかい肉質とほどよいさっぱり感が素晴らしい。
一切れ一切れがどーんと大きいのもうれしい♪♪
煮肉好きな私ではありますがこれは特に私好みど真ん中〜




青森「豊盃」
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頼んだお酒が生憎売り切れだったので
メニューにない「豊盃」を、サービスでとっくりの口ギリギリまで注いでくれました(^o^)
この「豊盃」が大人気で、本日のベスト1に選んだ方も。
いやーこれ飲んだらどうしてもホーハイ節歌いたくなっちゃいますよね〜
エヘン、木津茂理さんに直接教えていただき
なんとステージでご一緒に歌わせていただいた私(^^)v。




「蔵王地鴨の炙り焼き」
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「エイヒレの天ぷら」
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あれー、このあと
山形「上喜元 純米」
群馬「水芭蕉 純米吟醸」
の2種類飲んだはずなんだけど、写真がひとつしかない・・
どうにも楽しすぎてへにゃへにゃだったもので(^^;;)

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「そばがき」
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うわー
そばがきも見るからに美味しそうだけど、器も素敵!
この器、高台が10cm程もあるのだ。

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うわ おいしいぃぃ!!
少し青いような新鮮さをまとった、滋味深きかぐわしさ。
くちびるに触れてくるポテッとした肌のきめ細さ。
食感はふんわりエアリーのなかにかすかなモチッと感があり
もうこれを食べている間は全員が口々にウマイオイシイ吠えながら
個別に恍惚状態だった気がします・・




「二種もり」
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ここに来たらやっぱりどうしてもこれでしょう!
「もり」と「田舎そば」の二種もり♪♪

「極旨丹想庵肉蕎麦」というのにも毎回惹かれるのですが・・
そしてここの「ぶっかけ」が美味しいこともわかっているのですが・・・
やっぱりどうしても「もり」と「田舎」、食べたいですよねー!!


「田舎そば」
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じわ〜、しっとり〜と重なる黒い肌。
いかにもムワムワの超濃厚な甘い香りを予想させるが
一歩控えた滋味深い、渋めの香りがまた素晴らしい。
ざらつきのある肌は噛みしめるとジャリ感も潜んでいて
いかにも田舎らしい。しかし甘ったるくなく渋いところがニクイ。
ウワーン おいしいよう〜



「もり」
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わわわ これまたフレッシュないい香り!
穏やかで落ち着きのある、ちょっとめずらしい青さを含んだ香りだ。
舌触りは見た目以上に端整で、
細切りの一本一本の輪郭線がは口中で尚はっきりと目に見えるよう。
固いわけではないのがどこかパキッとした食感で、
噛みしめるとやや伸びるようなコシが個性的だ。
うーん、どっちもおいしいけど私は今日は「もり」が好きかなあ〜
(ジャリ好きの友人は「田舎」にベタボレでした♪)




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濃厚蕎麦湯もおいしい・・



そして本来ならこのあと別の場所でケーキを食べるはずが、
お店が大人気大混雑だったこともあり時間がなくなってしまい、
わがままを言ってここでケーキを食べさせていただくことに。


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ウワーーーン!!
皆様ありがとうございます!!
私はなんて幸せ者なのでしょう〜  
る 涙腺が・・・ (。>_<。)

ちなみにケーキは私が東京で好きなケーキベスト2のうちのひとつ、
パティスリー・パリセヴェイユの「サントノーレ・キャラメル」。
去年のクリスマスもこれでした♪)
おいしかったー!(^o^)




夜の浅草寺。

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こんな夜は 羽が生えて 飛んで行けそうだ。







2010年09月の「丹想庵 健次郎」



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2013年04月17日

浅草橋「御清水庵 宮川」利き蕎麦の会

 
「利き蕎麦の会」なるものに初めて参加することになった。

数種類のお蕎麦をただ食べ比べるだけではなく、
いわゆる「聞き香」や「利き茶」のように「どのお蕎麦かを当てる」というもの。

浅草橋で福井の蕎麦や食文化を楽しませてくれる「御清水庵 宮川」さん、
おもしろいことやるなあ〜


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と言いつつ、ぼんやりな私は会場に行くまでは
「利き蕎麦の会というタイトルだけど、ただ何種類か食べるだけだよねっ楽しみ〜♪」
と大変のんきに構えていた。


ところが、席についたら早速、
19人の参加者全員にこんなものが配られてきたではないか!

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ひょえー ホントにやるんだ!
なんだか学生時代のテストを思い出してキンチョー!!


しかもこの会、「高遠彩子さんをお迎えして」
なんていうサブタイトルがついちゃってまして・・
別に絶対当てなくちゃいけないわけではないとは言え
若干プレッシャーではないですか・・


まぁ深く考えず♪
とりあえずいっちゃいましょー!

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かー ハートランドおいしいー! (≧∇≦)/
コップ半分でゆでダコ〜 ニヤニヤニヤ〜 
店員さんが
「あーっ高遠さん、写真撮りわすれちゃいました・・!」
と慌ててました。
飲んで3分以内に撮影不可能なほどゆでダコになれる私って・・



「日本の伝統料理と酒肴」というメニューより、

「蕎麦味噌 きゅーり付き」
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メニューに「在来種蕎麦の実がたっぷり」
とあるとおり、本当に蕎麦の実ザックザクの蕎麦味噌。
蕎麦の風味がしっかり感じられて嬉しい。



本日のおすすめが書かれた黒板メニューより

「蕎麦湯とうふ」
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蕎麦湯の中の湯豆腐さん。
写真では大きさがわかりづらいがちいさな湯のみのような器に
きゅっと「お一人様ぶん」やってくる。
この小ささが見た目にかわいくお酒のつまみにちょうどよく、
300円という気軽さといい、これはナイスアイディアメニューだな〜


見た目にかわいく、と書いたが「御清水庵 宮川」店主の前職はグラフィック・デザイナー。
店内インテリアからメニューそのものまで、
独特の美意識を感じさせられるものが多くて楽しい。
その美意識を持って、食だけではなく様々な福井文化に出会わせてくれるのだ。

店名ロゴ入りの箸は、福井・鯖江市河和田町の漆塗り。

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私のは店名部分の塗りが片方はげてしまっていたのだが
そこがまたカッコよくて気に入ってしまった。




「鴨ロースト ポン酢かけ」
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ふっくら肉厚、旨味凝縮の鴨ロースト。
添えられたポン酢におろしが入っているのが
「越前おろし蕎麦」を看板メニューとするこの店らしい。



さていよいよ始まります!

全て生粉打ち(十割)で打たれた
福井の蕎麦原種 4種の食べ比べ「利き蕎麦の会」。

A 福井種 ちょい完熟
B 大野在来種 完熟
C 丸岡在来種 早刈り蕎麦
D 永平寺在来種 完熟

全て福井県産、しかも原種のみというところが
「御清水庵 宮川」ならではの貴重な企画。

ちなみに原種というのは、どこかから種を持ってきて栽培された種類ではなく、
古くから品種改良等をせずその地で大切に栽培され続けてきた種類のこと。
また「完熟」とかいうのは刈られた時の蕎麦の実の状態のことである。


さて、どのお蕎麦が、どのお蕎麦でしょう・・・?

ジャジャーン!

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え あ

これは・・

この黒さは、相当ガッツリ外皮が入っておりますね・・
(蕎麦の実のいちばん外側にある黒い皮)

すっごくおいしそうだけど、外皮がこれだけ入っちゃうと
品種の違い、分かるかなあ、ますます自信ありません・・・



「1枚目」
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ムッハー♪!!
案の定外皮のかぐわしさ爆発、なんていい香り!
口に含むとくっきりはっきりの輪郭線が、ピンピン直線的に弾けるよう。
中はモッチリ、甘みと味わいが全方向から、特に下から攻めてくるように強烈に濃厚で
もうめちゃらくちゃらにおいしい。おいしすぎる。
う〜〜〜ん、配られた紙を見るとこれは一番強烈そうなDの
「永平寺在来種」じゃないのかなあ〜
でもこのあとどんなのが来るか分からないし 
どうしようどうしよう
紙を見ると余計アタマがぐちゃぐちゃになってくるから
ヨシ、もう紙を見るのはやめよう!ただおいしさに集中しよう!♪



・・と決心したここで、大事件発生。
いや、他の方にはまったく事件ではなく私だけの問題なのですが、
実は私、拙著「蕎麦こい日記」のまえがきにも書かせていただいたように
「蕎麦スイッチ」という機能がついていまして・・

お蕎麦が出てくると大好きなその香りを全部嗅ぎたいあまり突然嗅覚が普段の100倍位に、
それこそ「蕎麦犬」と呼ぶにふさわしいレベルになってしまい
それまで全く感じなかった周り中の香りを吸い込んでしまうのだ。

それが、このタイミングで何か「香り高きおつまみ」のオーダーが入ったようでして・・

今、私の嗅覚はおそらく
「越前カレイ焼き」「鯖 焼きへしこ」「イカ 焼きへしこ」
という福井名物のどれかの香りを100%キャッチし続けてしまい、
仕舞いには鼻腔全部が海産物に染められたかのようになってしまいましたっ (◎_◎;)
しかし周りのどなたに聞いても「全く気にならないけど、ちょっと感じるかな?」位のことなので
これは単に蕎麦犬だけの問題です、蕎麦犬がおかしいんです、
ガンバレ蕎麦犬!



「2枚目」
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先程よりやや黒く、そしてやや細め。
そして香りは1枚目同様、濃厚な外皮のかぐわしさが素晴らしい!
しかし口に含んでみると1枚目より輪郭線はなめらかにまるく
やわらかめのコシから生まれる香ばしさが大変においしい。
甘みはあまりなく、それがかえって黒く渋い墨のような香ばしさを
すっきりと際立たせている。
見た目でも感じたが食感でも「細かな粗さ」を感じ、かすかなチクチク感がおいしい。
うう〜 これまたなんておいしいんだろう・・



「3枚目」
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おっ 本日初めての平打ちです。
そして今日一番のつつましい渋い香りがたまらなくいい。
甘さやたくましさのない、穏やかな渋さ。
噛みしめるとふるんとした軽さとやさしいモッチリ感が共存していて
味わいは上品だがだんだん濃厚に、そして甘みもじわーと出てきた。
うーん和む・・おいしいなあ〜
蕎麦犬頑張ってます。いまだ攻め来る焼きカレイをかき分けかき分け、うっとり恍惚・・




「4枚目」
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おおお〜 これまた濃厚に甘くたくましい、外皮のかぐわしさ。
つるつるずっしり噛みごたえがあり、味わいは意外とスッキリ。
しかし甘さは強烈に濃厚で、口の中が甘さでいっぱいになってくる。
穀物の甘みだけなのに、お蕎麦って本当にすごい。



〆の「越前おろし蕎麦」。

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お蕎麦さんにはできるだけそのままの姿(もりそば)で出会いたい私ですが
越前の郷土蕎麦である「おろし蕎麦」、
悩ましいほど大好きなのです・・!

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たっぷりのかつおぶしとネギ、そしておろし汁。
こんなの美味しいに決まってますよねー!
そしてこの蕎麦の甘みがまたすごい。
大根の甘みが引き出すのか、それともこの蕎麦だけは二八だからなのか、
おろしのさっぱり感の中で感じる、超濃厚な蕎麦の甘み・・
ああなんと悩ましき「越前おろし蕎麦」。

「御清水庵 宮川」は来る度に
「もりそばも食べたいけど看板メニューの越前おろし蕎麦も食べたい」、
本当に悩ましい店なのだ。


いよいよ最後の採点タイム。

用紙に書かれた説明と、自分が感じたこととを
照合するのが相当難しかったですが・・

なんとビックリなことに全問正解できてしまいましたー!
偶然19人中1人ということでさらにビックリ。
ほんまですか!?


「お蕎麦タダ券」という素晴らしい賞品もいただいてしまい
うわわわ うれしいなあー


タダ券使いに、また近々♪




*「御清水庵 宮川」では蕎麦会の他様々な企画が開催されています。
  webサイトや店内張り紙で告知されていますので
  興味のある方は是非〜


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(タダ券を手に、店主の宮川さんと)



2012年2月の「御清水庵 宮川」
2011年6月の「御清水庵 宮川」


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2013年01月23日

家族揃って「並木藪蕎麦」!


大変珍しいことに、家族5人揃って並木藪〜

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家族でお蕎麦屋さんに来ることなんてないので
何だか照れるなあ〜



父はここに来たら「天ぷらそば」と決まっている。
姉@姉Aも喜んでそれに続く。

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透明感を残した濃い汁のなかに
コッチリととのったかき揚げ。
「もりそば」の景色も素晴らしいが、これもまた並木藪の景色だ。



しかしB型チーム母と私はどこまでも我が道を参ります。

母は「おかめそば」。(←全くこだわりなし。「何となく決めた」)。

私はもちろん、愛しい、愛しい、この方!!

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父はここに来るといつもそうするのか
天ぷらそばを前にすると姿勢を正し
茶の湯の作法のように垂直に箸を立て
椀の内周をなぞるようにスイスイスイーと蕎麦を混ぜた。

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なにせ生まれた時からご近所さんの父であるから
私には分からない深い歴史があるのだろう。(^^)



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ああー おいしい〜〜〜
おいしい〜〜〜
どうにもこうにも並木藪味。
目をつぶって食べても100の蕎麦の中から見つけられる気がする。
私の肌に同化していくようなおいしさだ。





「お前はもう一枚食べるんだろ!」



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お父様、御心遣いありがとうございます(^^)





浅草「並木藪蕎麦」(初めての、並木藪)
2011年11月の「並木藪蕎麦」(date♡)
2011年10月の「並木藪蕎麦」(完成!)
2011年2月の「並木藪蕎麦」(改装前最後の・・)


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2012年05月29日

浅草「蕎麦 阿娑嚩(あさば)」


浅草裏通り「ふれあい通り」の、威風堂々あたらしき顔。

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新しいと言っても観音裏にあった「妙喜庵」の店主の新店であるから
すでに小慣れた貫禄をたたえている。


店内はこぢんまりとしているが
カウンターは広々、居心地がよい。

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照明の落とされたシックな空間は
いかにも落ち着いた大人のための店、といった雰囲気だ。


ここに来たら天ぷらを食べなくっちゃ、と思いつつ
やはり好きな人と二人きりになることばかり考えてしまう私。

うはは

「せいろ」
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みっちり密な肌に、まばらに飾るように散りばめられた
黒いキリリとしたホシ。
甘くたくましい蕎麦の香りは熟成ではないが、
それに近いくらいの力強さをもって
ムンと押し出してくるように香っている。
しなやかで密な舌触り、弾むようなコシ。

浅草中心部の喧騒を離れ、
静かに蕎麦とふたりきり。
ほんの数十分前とは、切り離された時間である。


蕎麦と二人きりと申しましたが、
実は今日はもう一人おりまして、大変珍しいことに姉@と一緒です。
そしてこの方はさすが我が姉と言うべきか
私が蕎麦が好きというのと同じくらいのアホレベルで生卵が大好きです。
生卵食べ過ぎて重度のアレルギーになり(深刻)、
10年近くかかってそれを克服したら
また元通り食べまくり始めたという見上げた根性の持ち主。
私が蕎麦を家に持ち込まないとか、食べすぎないように気を付けているのも
この姉@を見てきたからのことなのだが・・

その姉@が迷わず選んだ、
「花そば」
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これ、ありそうでないアイディアメニュー。
蕎麦の上に生卵と鰹節とおろしが乗っているだけなのだが
こりゃーおいしいに決まってます!
生卵かけごはんが永久不滅に美味しいように、
生卵そばは永久不滅に美味しいのだ。
(アンシュは、聞いただけで背中向けて逃げちゃいそうだが(^_^;))

そのわりに、生卵のシンプル蕎麦って
お店であまり見かけないんですよね。
生卵+美味しい海苔いっぱい、みたいなぶっかけも
簡単で最高だと思うんだけどな!
どうも、「尾張屋」育ちなもので。


隣のお客さんが「天せいろ」を注文したために
店主が天ぷらを挙げ始めた。

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手際よく揚げられていく美しい天ぷらを見ていたら
あららこれは、今度はもっとゆっくり来なくっちゃね!


今度は妙喜庵時代からの「グラタン」や、
「地鶏モモ焼き」「天ぷら盛り合わせ」などなどと、
私も「花そば」食べたいなぁー




<おまけ>
私に百個くらい輪をかけて「目が二つついたもの(ぬいぐるみ等)」に弱い姉@が
「蕎麦 阿娑嚩」への道すがら中央通りの佃煮屋さんで早速恋に落ちた。
お蕎麦を食べている間じゅう
「帰りもあの店の前通ろうね!」
「あの子たちは毎日あそこにいるのかな?」
「あの段ボールに毎日乗ったりするのかな?」
とこの2匹の話しかしない。

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佃煮屋の店先に「招き猫」ならわかるが、
何故にぬいぐるみ・・?

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しかも左の子が何故か大事そうに(?)
段ボールに乗せられている・・・


冷え性なのかもしれない。








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2012年03月20日

浅草「寺方蕎麦 長浦」


今日は、私にしてはたいへん珍しく
種物のご紹介〜

いつもながらシビレます。
通りの名前は「食通街」。

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「寺方蕎麦長浦」は向島が本店で
銀座や赤坂にもお店があるけれど、私はこの浅草店の雰囲気が一番好き。

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お隣は、某名店でご一緒したこともある方のお店なのだけど
残念ながらまだ行ったことはありません・・


ここはおつまみが本当に美味しい。
「くず切じゅんさいの酢の物」
「鳥のわさび和え」
「山芋の酢の物」
など、「こういうのが来るかな」と期待した以上の
大変おいしいものが出てくるのだ。

そして浅草店ならではおすすめ、「納豆そば」。


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写真ではわかりづらいかもしれないが
かなり小さめの鉢でやってくる。
この演出がとてもいいのだ。(他の店舗は違う器)

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小さな鉢にぎゅーっとうつくしく盛り付けられた具材。
納豆は粒でなく、ひきわりでもなく、
すり鉢ですったようにどろどろのソース状で上にかかっている。

小さな鉢だけにとても慎ましいような、
でもおいしくて体にいいものが全部入ってとても贅沢なような、
粋な種物。


お値段もちょいと贅沢だが、私がつい頼んでしまう
数少ない種物のひとつだ。


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2012年02月20日

浅草橋「御清水庵 宮川」


浅草橋駅からすぐの角にこんな看板がある。

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「熱い蕎麦あります!」

思わず
「相わかった!」
と駆け出したくなる勢いのあるロゴ。
さすがはグラフィックデザインの仕事をしていた店主。
可っ笑しいなぁー
私には「熱い蕎麦屋あります!」に見える。


ここにきたらやはりどうにもこうにも「越前おろしそば」だが
今日は寒い上に相当お腹がすいている。
店内の黒板メニューを眺めると「きのこ汁」というのがあったので
蕎麦の前にまずそれを頼むことに。
湯気を立てた田舎風の椀を想像していたら、
蓋付きの黒椀が運ばれてきた。


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凛とした、盆の中の小さな世界。
店内は気楽なムードだが、ちょっとした演出一つで
食べる者の気持ちは全く違ってくるものだ。

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蓋をあけるとふわぁ〜と柚子の香り。具沢山が嬉しいきのこ汁。
汁物の塩気が非常に気になる私だが
これは出汁がしっかり、塩加減は控えめで実に美味しい汁だ。
ああ あったまる・・ありがたや・・・
こんなふうに、野菜類がたっぷり摂れて体があたたまる汁物が
いろんなお蕎麦屋さんにあったらいいのになぁー
私は冷たい蕎麦しか食べないのでいつもは蕎麦湯頼りなのだ。



そしていよいよこの店での大問題に直面する。


ここは蕎麦が美味しい。

私は美味しい蕎麦には二人きりで会いたい。
(汁さんとか薬味さんとかとは後ほど親睦を深めるスケジューリング)

しかし私は「越前おろしそば」というものが大好きときている。

うう・・この深遠な問題・・・


そこで突如ひらめいた名案。
「そうだ!大盛りを頼めばいいんだ!」
(名案なのか・・?)


「越前おろしそば」
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ウハッ さすがに標高が高いぞー

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空気感を持って重なり合う蕎麦の軽やかさ。
輪郭線は太めながら、たぐりあげた感触、口に含んだ食感は
ホワンホワンの軽やかさだ。
ほんのりと香るかぐわしさ。
今日の香りは比較的やさしいので、
その分早い段階で「おろしそばタイム」に切り替えることができた。
いわゆる「おろしそば」とは違う、おろし汁たっぷりの「越前おろしそば」。
塩辛さもないのでつい全部飲み干してしまう。
またこの鰹節がいいんだなぁ〜



蕎麦湯を楽しむ私の耳に、
厨房から聞こえてくる福井弁。


ああ あったまるなあー


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2011年6月の「御清水庵 宮川」




.
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2012年01月17日

浅草「尾張屋」(二夜連続)


都合により、2日続けて「尾張屋」。

立地の便利さ。
中休みがないこと。
並木藪などより遅くまでやっていること。
などの理由もあるが
やはり何と言っても私には「食べ慣れたマイ・ファースト蕎麦屋」。


ご飯ものやうどんもおいしいので
特に蕎麦好きではない人と行く場合は迷わずここになる。

お蕎麦は大盛りにすると量もたーっぷりなので
お腹が空きまくっている時も迷わずここになる。

なんだかんだでしょっちゅう行ってしまうのだ。


昨日は「貝柱おろし合え」だったので
今日は「山芋の千切り」を取ってみた。

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そしてこれは高遠家定番人気メニュー。
「中天丼」
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ご飯に海老が2本ドーン!
この単純な眺め。
正式名称は「中えび天丼」。
「中」というのが微妙でちょっと可笑しい。
私は中学生の位の頃「中くらいだから」という理由で
父に「おい、中天丼!」と呼ばれていた時代もある・・・
「中えび天丼」は1200円、「天丼」は1400円、
「上天丼」2000円だと車海老の天ぷらになるらしい。
ちなみに今日「中天丼」を食べたのは母上様です。



「鍋焼うどん」
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これは姉のオーダー。
ね、こうしてみると私の家って全然蕎麦っぽくないでしょう。
私は突然変異らしい。



そして二夜連続の私が頼んだものは

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一秒の迷いもなく、「大ざる」!(^o^)


ものすごーく疲れてたので
染み渡ったぁーー!







2012年01月の浅草「尾張屋」
2011年09月の浅草「尾張屋」& レミ・パノシャン・トリオ!!
2011年06月の浅草「尾張屋」(ここは蕎麦屋ではない )
2010年05月の浅草「尾張屋」





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2012年01月16日

浅草「尾張屋」


日本でただ一軒、
私が「もり」でなく「ざる」を注文する店。

もっと言うと、必ず「大ざる」を注文してしまう店。



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常々思っているのだが、浅草には浅草っぽい人が歩いている。
この店に実によく似合う。



今日は珍しくおつまみも頼んでみた。

「貝柱おろし合え」
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「大ざる」
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蕎麦も汁も生まれる前から食べていたような気がする味。
そしてここで欠かせないのは、
このピカピカの海苔と鶉の卵なんですね〜
「もり」を注文している場合ではない。

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いつ来てもホッとする同じ味。

と思っているのだが、今日は大変珍しく「薄味」な蕎麦だった。
汁でなく「蕎麦の尾張屋味」が薄い。


でも私はそういうのも大好きなんですね。

水と穀物だけで作っているのだから、
穀物の質次第で変わって当たり前。
なんて素朴で素敵な食べ物なんだろう!
とうっとりしてしまう蕎麦偏愛馬鹿。


今夜もしあわせー

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2011年09月の浅草「尾張屋」& レミ・パノシャン・トリオ!!
2011年06月の浅草「尾張屋」(ここは蕎麦屋ではない )
2010年05月の浅草「尾張屋」


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2011年11月29日

浅草「並木藪蕎麦」(初めての、並木藪)


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先週行ったばかりなのにまた藪に行く。

今日は大志を抱いてやってきた。
並木藪において生まれて初めて
「ざるそば」以外のものを頼んでみようという
私にとっては大冒険企画!


何にしようか迷った挙句「花巻そば」に決めたのだが
可笑しいことに、私なぜか「緊張」しているではないですか・・
「すみませ〜ん、ざる一枚!」なら寝てても言えるが
この私があったかい蕎麦ですよ・・初めてですよ・・


さあ元気よく頼もう。

「すみませ〜ん!」

ここまでは良かった。



「はまなき蕎麦ください」

( ̄∇ ̄;)!!



はっきりと大きな声で言ってしまった瞬間から
すでに私の頭には沖縄の「浜」で「泣き」ながら歌う爺のやせた姿が浮かんでいた。
泣きながら歌う浜唄のようなイメージ。
「浜泣き蕎麦」って・・・しょっぱそうだ・・・


その、
「花巻そば」
RIMG4865.jpg

花巻そばには蓋がついていること(常識)すら知らなかった私。
どんだけ偏った蕎麦人生を送っているのでしょう。

この蓋を開けた時にひろがる海苔の香りこそが
花巻の醍醐味なんだそうで
注文時に引き続きまたまた緊張するではないか。

ほいっ

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ほわぁ〜〜〜〜〜〜ん


なるほど!!
こりゃ確かにすばらしいですよ!
オイシイに決まってますよ!
特に海苔好きの私にはたまりません。

並木藪でざる以外のものを一口分けてもらったことは何度もあるが
全部食べるのは初めてである。
東京らしい黒い濃い汁に浸ったあたかかい蕎麦。
温蕎麦ゆえ甘くふっくらと感じられる蕎麦が美味しいが、
やはりいつも汁をつけずに「ざるそば」を食べている私には塩辛い。
今まではそういう印象しかなかった。
ところが食べ進むうちにこの汁の「スッキリさ」に驚かされてくる。
出汁が非常に品良くスッキリと美しいので、塩分はしっかりなのだが
最後までスルスルッと軽く食べられてしまう。
へええ こんなふうに美味しいものなんだ!



でもでも、やっぱりどうしても
好きな人に会わずに帰ることが忍びなくなってきた私。

うふ。


「ざるそば」
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あああ 会いたかった・・・

美味しいねえ どうしてこんなに美味しいかねえ

むんとした香りも、かろやかスルスル長い姿も、じわーっとくる味わいも
大好きだー!!



・・・というわけで
次回はまた「ざるそば」を頼んでしまうと思いますので
記念に「花巻そば」の蓋の裏も撮影してまいりました。


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2011年11月の「並木藪蕎麦date♡」
2011年10月の「完成!新・並木藪蕎麦」
2011年2月の「改装前最後の、並木藪蕎麦」



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2011年11月22日

浅草「並木藪蕎麦」


今夜は 

楽しみに楽しみに 

していた夜


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あたらしい藪の美しさに感激




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楽しい夜 嬉しい夜




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おいしくてめがまわるもの




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私の愛する藪点前





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ハッッ


夢見心地の中、ここで一瞬頭が澄み渡る。

藪の蕎麦、あらためて、美味しすぎる。
食べ慣れすぎて「並木藪味」としかいいようがないが
敢えて言えば、むんと潔く深い香り。
箸にたぐりあげた様のスルスルーッと
惚れ惚れする程の軽やかさ。
口に含むとこれまた、
江戸っ子の口ん中がモゴつかないような軽やかなコシ。
そこから味わいがパァーッとひろがり、
参った!
私は、並木藪にあらためて惚れ直した。


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イメージも間取りも元のまま

この店を愛する全ての人が傷つかないような
出来る限りのリニューアルをしてくれた並木藪に感謝


この夜をこんなにも素敵にしてくれて感謝


そしてね 

夢がもう少し覚めぬよう

うひひ ハシゴなのだ!

(つづくっ)




2011年10月の「並木藪蕎麦」
2011年2月 改装前最後の「並木藪蕎麦」




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2011年10月30日

完成!(並木藪蕎麦)


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生まれ変わって、真っ白な並木藪。

ようやく建物が完成し再開店ももうすぐ。


楽しみですねー!






2011年2月 改装前最後の「並木藪蕎麦」



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2011年10月26日

浅草「手打蕎麦 おざわ」


最寄り駅はつくばエクスプレス「浅草」駅。
銀座線だと「浅草」駅でなく「田原町」駅の方が近いというのがややこしいが
歩くに楽しい街なのでどちらからでも遠く感じない。

国際通りを挟んでROXはす向かいの裏通り。
観光地的な浅草でなく、浅草の中でもディープなエリアに、
「おざわ」のやわらかな灯り。
「新そば」の小さな幟が清々しい。

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「おざわ」には蕎麦が3種類もある。
メニューの表紙には
「つるつる 細打ち」
「もちもち 生粉打ち」
「もぐもぐ 太打ち」
とある。

しかし私は大抵遅い時間に来るので
「細打ち」が売り切れのことが多いのがちょっと、
いや大変に悲しい。
(ここのところ3回続けてなのだ(>_<))

しかしそんな痛恨の悲しみを一瞬で忘れられるほど
今日の「生粉打ち」はすごかった!!


「生粉打ち」
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白い影ゆらめくみっちりと密な肌、
太めの素朴な輪郭線もそれは素晴らしいのだが、
何に驚いたといってその香りである。
たぐりあげ顔を近づけて驚いた。
ちょっと近年感じたことのない、フレッシュな香ばしさ!!
目が丸くなったまま固まりしばらく食べ始められなかったほどだ。

味わいもまたすごい。
その香りを美しく支えるような、軽く、フレッシュな味わい。
甘みが少ないのもかえって素晴らしい。
とにかく「おいしい」としか言いようがない。
「もちもち 生粉打ち」とメニューにあるように
食感がしっかりもちもちと非常に個性的なだけに
この素晴らしい香りと味わいをゆっくりと堪能出来るのがまたいい。
あああ〜おいしい〜〜 すばらしい〜 だいすき〜〜



「太打ち」
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初めて見た人は驚くだろう。
「おざわ」の太打ちは容赦なく太い。
ざるの上には数本しかない、と言っても過言ではないが
満足感はものすごい!

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いわゆる「固い蕎麦」というのとは全く違うのだが、
とにかくぎっしりと密な質感、それが太いので
モグンモグンと一生懸命咀嚼することになる。
「蕎麦肉」とでも呼びたいような肉厚の断面から生まれる味わいは滋味深いが、
先程の「生粉打ち」と比べてしまうとちょっと淡く素朴すぎる印象も。
ところが、これがを「おざわ」の汁につけると異様に美味しいのだ!

「おざわ」の汁は、すっきり洗練系でもなく、
私が理想とする
「甘いとか甘くないとか出汁がどうとか、余計なことを何も感じさせない中庸・上質の汁」
でもない。
濃厚で甘みもしっかりあるのだが、なんだかものすごく美味しい。
そこにこのゴン太蕎麦がめちゃくちゃ合う。
いつもの私にはありえないことだがネギも合いまくりおいしすぎる。
(もっと欲しかったくらい)

濃厚旨汁に、みっちりモグンモグン蕎麦。
この合い方はそばがきに似ているのかもしれないな、
と食べ終り頃気がつく。

食後の蕎麦湯がまたおいしい。
ここは魔法瓶ごと「どうぞ〜」と置いていってくれるので
(奥さんの接客がまた素敵)
一人客の私もたっぷり蕎麦湯がもらえてしまう。
ほうじ茶のような独特の香ばしさが濃縮された釜湯の味わい。
おいしくて魔法瓶ごと全部飲みたいのだが、
気がつけばお客は私一人になってしまった。
ラストオーダーにはまだ小一時間あったが
蕎麦はとっくに食べ終わっているので何だか申し訳ない。


更けゆく、西浅草の裏通りの夜。
「長居しちゃあ店に迷惑だ、次の一杯でやめなくちゃ、ああやめられないもう一杯」
ってどんな蕎麦酔っぱらいでしょう。


あ ぜんぶ飲んじゃったぁー






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ところで、帰り道に見かけたコヤツ・・

新仲見世の新イメージキャラクター「新にゃか」!
キャラ自体は私のタイプからはちょとズレるんだけど
「にゃかよくしてね!」なんて言われると弱いのですよ・・
耳のような、風呂敷の結び目のような頭頂部もなにやら味わい深く・・・
いや、でもこの手のキャラならやっぱりJRの「アルクマ」がすきー!(>_<)



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2011年09月06日

浅草「尾張屋」& レミ・パノシャン・トリオ!!


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ひやっほーーー!!

楽しすぎて首の骨が折れるぅぅ!!
(振り過ぎてほんとうにグキッていった)


日仏学院内ラ・ブラスリーで行われた
レミ・パノシャン・トリオ&ティグランのコンサート。

スゴイスゴイと聞いてはいたが
こんなにスゴイた知らなんだ!!


ティグランも物凄い才能だけど
特に私はレミ・パノシャン・トリオで骨折寸前!

おとなしいお客さんの中に動物が一匹!!


昼間はベーシストのマックスを案内してこんなところに。

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トーキョー初めての無垢なフランス人にまで
自分の好みを押し付けるなって?

いやいや私は
「浅草行きたいなら天ぷらでもうなぎでも何でもあるよ!」
って言ったんですよ〜

でも
「ayaと行くならsoba shopに決まってるでしょ!」

ん?マックスはん、なんでそんなこと知ってはるのん?


それにしてもさすがは私の愛する尾張屋
二階に案内され上がってみると
店内埋め尽くすじいちゃんたちの印半纏ときたもんだ!
カッコイイぞ!

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マックスも面白げに時々チラ見していたけど
じいちゃんたちもこっちのテーブルが気になって仕方ないらしく
至近距離でのチラ見合い(?)、超可笑しかった。


おいしかったなぁー
海苔いっぱい&鶉の卵入り汁で食べる
「尾張屋のざるそば」(^o^)!!



*Rémi Panossian Trio LIVEは
 9月 7日(水)サラヴァ東京@渋谷でもあります。おすすめです!




2011年06月の浅草「尾張屋」(ここは蕎麦屋ではない )
2010年05月の浅草「尾張屋」

posted by aya at 23:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>台東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月27日

浅草橋「御清水庵・宮川」


浅草橋西口から徒歩1分。

こんな便利なところにこんないいお店ができて、嬉しいなあ!


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入り口にそっとひかえる越前和紙の看板。
「御清水庵」の屋号から分かる通り、
こちらは福井名物「越前おろし蕎麦」のお店である。

おろし蕎麦だけでなく、福井の名酒やおつまみ、店主の福井弁も取り揃えてございますので
もうここは浅草橋というよりは福井の飛び地なのであります。


まだ新しい、明るくきれいな店内で
あっらーこんな珍しいお酒が早速。
「越前 叔羅川(しくらがわ)」。
しかも酒米違いで味くらべ!
私は五百万石のほうが好き♪

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お通しは意外と欧米、フジッリのサラダ。

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「厚揚げ」

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味も美味しいが見せ方がまた実に上手い。
たっぷり豊かな鰹節とおろし、そして円形の盛り付け。
出された瞬間ウワァーと嬉しくなる。

厚揚げにたっぷりのおろしを載せ、お醤油をかけると・・
なんでこんなに美味しいのだ!!
何を隠そう私は自宅で3種類の大根おろし器を
使い分けるほどのおろし好き。
うーんここの大根、おいしいですねえ〜
さすがは越前おろし蕎麦の店。


そしてこちらは福井上庄の名産の里芋。
これもまた、見せ方が上手すぎる!
グラフィックの仕事に携わっていたという店主のセンスは
里芋の煮ころがしにトリュフの存在感を持たせてしまうのだ。

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お酒が美味しいところに持ってきて
この味付け濃いめの美味しさは危険。
こんな展開になってきてしまうではないか。

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「大吟醸 九頭の龍川」。
私はこちらも味見だけになってしまったが
これは先程の「叔羅川」よりさらにしっかりめ。
なるほど里芋にぴったりだ。


周り見回せば入れ替わり立ち代り訪れる
近所のサラリーマンの方々や奥様グループのテーブルに
なにやら不思議な、もさもさと可愛いぬいぐるみのようなものが。
あのトトロみたいな子は誰?




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あらー
ランチセットについてくる「とろろおにぎり」さん、
なんだかすんごいかわいいんですけど!
自宅じゃなかなか作らないおにぎりだし、
こんなフワフワ感はじめて。
このとろろおにぎり+越前おろしそばで870円のランチ。
これはみなさん揃って頼むに決まってますね。


そしていよいよ「越前おろしそば」の登場である。
メニューには「ザルそば」もあるのだが
値段が750円と変わらないし、しかもメニューの下のほうに書いてある。
ということはお店は
「是非、越前おろしそばを食べてくれ」
と言っているわけです。
そういう心意気、おすすめには大変素直に従う高遠。
しかしこちらの「越前おろしそば」が
蕎麦の上にあらかじめおろしが乗った「ぶっかけスタイル」でなく
「せいろ+おろし汁」がばらばらにやってくることを確認済みというところが
本当に素直なのか疑問符がつくあたりです。
だってどうしても、蕎麦だけでも味わいたいではないですかあ〜


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うわっ

これは・・・

驚きの食感、そして驚きの香り高さである。

よーく見つめると写真からだけでも伝わるのではないかと思うのだが
この蕎麦、びっくりするほど軽い蕎麦なのだ。
この、蕎麦と蕎麦の間にふわりと抱き込まれた空気感。
うどんのようにフワンフワンとした軽さにはたまに出会うが
こちらの軽さは何とも蕎麦らしい落ち着きをたたえた軽さである。

そしてなにより嬉しいのはこの香り高さ!
いつまでも吸い込んでいたい、
蕎麦という穀物の甘い香り。
それがたぐるほどにどんどん深まっていくのだ。

あのーすみません、

全然おろし汁が使えないんですけど・・
あ、もう半分食べちゃった・・
あと一口になっちゃった・・

アレー全部つけないで食べちゃった!!

・・という展開には今回は意地でもせず、
おろし好きのプライドを賭けて最後の一口はつけましたとも!
(威張ることなのか)

実は「越前おろしそば」を名乗る店は
「もりそば」や「せいろそば」を頼むより
やはり素直におろしそばを頼むべきだった・・というお店も多いのだが
(要は蕎麦を蕎麦だけで食べるよりおろしをつけた方が断然美味しいお店)
この「御清水庵宮川」のような店は実に悩ましい。

蕎麦だけで食べたい、しかしおろし汁もつけたい。



悩ましい、東京都台東区福井である。




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2011年06月12日

浅草「尾張屋」(ここは蕎麦屋ではない )


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携帯より実況中継〜

今夜はマイ・ファースト蕎麦屋である浅草「尾張屋」にて
定番の「大ざる」。

日本でただ一軒、私が「もり」でなく「ざる」を食べる店。
ここにきたら、このつややかな海苔とうずらの卵を
拝まずには帰れない。

この店は私にとっては他のどの蕎麦屋とも比べられない、
「尾張屋」という特別な店だ。
子供の頃から変わらないこの味、この雰囲気。

どうも私は、この店を蕎麦屋と思っていないということに
最近気がついた。
ほかのどんな蕎麦屋とも比べたくない。比べられない。
その意味で私にとっては
蕎麦屋を超越した「尾張屋」という存在である。


今夜は、私を産んでくれたありがた〜いお方と
まさに「ちょいとひとたぐり」。

滞在時間10分?
江戸っ子は気がみじけんでい!


2010年05月の浅草「尾張屋」


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2011年03月18日

浅草「会津手打そば やかた」(東北を食べよう!その1)

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浅草の中心部からすぐ、隅田川の畔に位置する
「ホテル ニュー魚眠荘」。
まずこのホテル名からしてたまらない。

このホテルは何が面白いと言って
やはり1階のメインダイニングである。
写真左方の白い看板、「お食事処 やかた」と見えるのがそれであるが
近づけば「会津手打そば やかた」とある。

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ホテルのメインダイニングが手打ち蕎麦(居酒)屋!
なんとものんびり、そして私には泣かせる話である。

浅草は、東北への窓口である上野からもすぐ。
東北の人にとっても東京の人にとっても
ここで東北の香りに触れられることは何となく嬉しいものだ。


数年前改装されるまでは、
それこそホテルの常連(住人?)たちのリビングといった風情だったこの店。
それぞれのテーブルにはボックスティッシュや魔法瓶などが置かれ
外部の人間である私などは「お邪魔します〜」と言いたくなるようなお茶の間度。
年配の男性客が店員の女性に
「ただいま〜饅頭買ってきたよー」とおみやげを買ってきていたり
東京にはなかなかないような、何とも家庭的で楽しい蕎麦屋だった。


数年前改装されてからはすっかり小洒落た内装になったが
何となくのんびりした居心地はそのまま。

メニューはおさしみや天ぷらなど王道メニューに混じって
「莫久来(ばくらい)」や、私の大好物の「燻りがっこ」など
東北らしいメニューもチラホラ。

お酒も
「浦霞純米辛口」(宮城)
「高清水純米」(秋田)
「花泉 本醸造」(福島)
「飛露喜 純米」(福島)
などなど、名酒がズラリ並んでいる。



蕎麦は「会津手打そば」。

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おっ?
これは、ここではかつて見たことのない姿である。
透明感を帯びた肌。かすかに縮れたような、コシの強そうな輪郭線。

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たぐりあげて、なるほど。
熟成感あふれる蕎麦である。
むわぁーーっと濃厚な、ピーナッツのような香り。
ここでこういう蕎麦に出会えるとは、意表をつかれ面白い。


かつて私は東北蕎麦めぐり数日の旅をし
行きたかった名店や秘境の蕎麦をたずねるという幸せに恵まれた。
素朴であたたかな人々、美しい蕎麦。
しかし東京へ帰った次の日、まだ東北から離れたくなくてやって来たこの店で
旅で食べた蕎麦に負けず劣らず、イヤイヤそれより美味しいかも・・・
という絶品会津蕎麦に出会い、仰天したことがある。


すんなりとした清らかさの中に素朴な味わいがしっかり感じられる、
「やかた」の蕎麦。

いつもの印象とは違い、今日のような熟成系濃厚蕎麦は意外であったが
食べている間じゅう私の心はあの旅の中に帰った。



私以外には1組しかいない、静かな店内。

今日の浅草は日中から、雷門前ですらひと気なく、
街じゅう悲しい夢の中のように静かだ。



うずくまっていては何もかもが飲み込まれていくばかりだから、
私は自分のできる精一杯の自家発電をしたい。



さあっ
「蕎麦力」つけて、今日も元気!


ライブの準備もすすんでいますよ〜


みなさんに楽しいライブで会えますように(^o^)!!


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(ところで「和田の姉妹店」ってなんだべさーと長年思いつつ聞いたことのない私・・
 わからないながらも何だか味わいのある謎のフレーズ(^_^;))






*高遠彩子3月〜5月のライブ出演予定*
posted by aya at 09:24 | Comment(6) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>台東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月10日

浅草橋「手打ち 更里」


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あらっ 

足が! 勝手に!!


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2軒目、さらり。

「生粉打ちそば」「更科そば」の2色せいろを
「もりそば」と「生粉打ちそば」で頼んでみました♪

お〜、もりは、熟成感を帯びていますの。
わー!生粉打ちは、ムンッムンッの熟成ですね!

濃い〜




静かな夜。


離れた席の酔客の話し声をBGMに。



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posted by aya at 21:13 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>台東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

浅草橋「江戸蕎麦手打処 あさだ」


久々に,携帯にて実況写真〜


今夜はここで・・・


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大賑わいの「あさだ」さん♪

自家製粉の十割蕎麦。

ひんやり、淡い香りが予感させた
香ばしいような味わいが口の中で静かにひろがる

つるつる潔い、粋なのどごし。
「十割江戸蕎麦」という言葉、頷いちゃうなあー
まさに!



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2011年02月28日

浅草「並木藪蕎麦」(雨の午後、いつもの藪。)




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2月も末の28日、小雨しとど降る寒い午後。

幼い頃から馴染みの深いこの店の暖簾をくぐる。


「いらっしゃいませえー」

何もかもが、いつもと同じ。

それがかえって胸に迫る。


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座敷に座れば
新聞いかがですか、と朝日新聞をポンと机に置いて行ってくれる。
「ざる一枚」。
天声人語を読んでざるを待つ。




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ほっとする、いつもの味。

たぐりあげればおっとっと、
そこいらの蕎麦屋よりずっと蕎麦が長いから気をつけなくっちゃいけねえ。
昔の蕎麦はみんなこうして長かったんだ。
箸にはちょいと、3本も引っ掛けりゃ
口にへえる頃にゃちょうど一口ってもんだ。


そう、ここは季節を通してだいたいいつも同じ味だ。
真ん中を太く貫くようなしっかりとした風味。
噛み締めた歯と歯の間でのびるような、しなやかなコシ。
「並木藪蕎麦味」の蕎麦としか言いようがない。



休日の昼間などは行列もできているが、
時間を狙えばのんびりできる。

今日などは、
狙っても混んでいるかと思いきやこの通りだ。

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何が終わるわけでもない。
11月になれば、またこの蕎麦には会える。
この黒電話もそのまま残してくれるらしい(と今日聞いた)が、
でももうこの帳場にはもう会えない。

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この柱も、壁も格子戸も。

たくさんの人の想いの詰まったこの建物が壊される音は聞きたくない。


ただ、新しい「並木藪蕎麦」に会える秋を
のんびり楽しみにするとしよう。



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*高遠彩子3月〜5月のライブ出演予定*



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2011年01月19日

合羽橋「そば清」


1週間もブログ放置して、
死んでいるんじゃないかと御心配いただいたりもしましたが
高遠、生きております。
(最近はブログで生存が確認できるんですね)

ライブがあったり風邪と相撲とったり
忙しくしておりましたぁ〜

ジュリエッタマシーンのライブは
大好きなジュリエッタの音にほんわかと包まれて最高でした!!
来てくださった方、ありがとうございました☆


さてっ
忙しくともたぐるものはたぐらないと
それこそ生命にかかわりますから(^o^)
今日はこんなところでやっとりましたよん。

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落語の「そば清」と同名店ということで、
蕎麦好きよりも落語好きの人のほうが
知っていたりするこの店。



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合羽橋商店街に面したマンションの2階。
付近の店は殆ど閉まっているような閑散としたフロアーで
この店の存在は明らかに唐突だ。
しかし店に入ると意外にもしっとりとした和の趣が演出されていて
外の世界を忘れる。




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自家製粉の十割蕎麦、本日は茨城産。

むうっと力強い香りと、やさしい歯ざわりの平打ち蕎麦。

汁がうどんのつゆのように薄いのも特徴だ。




明日は、吉祥寺だぁー

嬉しいなあー!






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2010年09月04日

浅草「丹想庵 健次郎」


昨日は、平山みき姫にお誘い頂き、
以前仕事でご一緒したこともある
「だるま食堂」のライブへ♪

なんたって会場が面白い。
ライブタイトルが面白い。

会場: 浅草見番
だるま食堂「浅草の女」


だるま食堂さんは相変わらず唯一無二の可笑しさ楽しさだったし
(畳の会場につき網タイツ&靴なしのボインボインは必見だったかも!)
見番という場所にも初めて足を踏み入れ面白かった〜


そして終演後はすぐ近所のこちらで

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浅草裏、「丹想庵 健次郎」。

店構えは料亭のようでちょっと構えてしまうが
奥に長い町家のような造りの店内は
品の良い居酒屋風。
堅苦しくない和の情緒で実によい雰囲気。

ああ日本って素敵な国だなあ。


お蕎麦は10食限定の「田舎」がまだあったので
「もり」と「田舎」の2種もりに♪
ウワァーーーーイ!!


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本日の「もり」は北海道。
意図的なのかたまたまなのか
「田舎」は普通に小山盛りなのに対し「もり」はへぎ蕎麦のように
束ねたような形のまま盛られている。

箸先にたぐると寄せずとも伝わる、
「熟成だ!」。
力強い香りにつつまれて口に含めば
パッキパキに尖ったような鋭い輪郭に新鮮に驚かされる。
1本1本の端正な角が口中を流れるように撫で、
噛みしめれば熟成らしい濃厚な味わいが舌の上に広がる。


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「もり」に比べるとやや赤みを帯びた「田舎」は新潟の蕎麦。
見た目からするとこちらの方が熟成に見える気もするのだが
こちらは熟成ではないようだ。
クッキリハッキリ輪郭線の「もり」と比べると
じわっと優しい歯ざわり。
とは言えやや太めでコシもしっかりあるので
噛みしめる楽しみが味わえる。
香りは淡くとも噛みしめると味わいが出てくる蕎麦は、いい。


2枚を並べて比べると、この通り。
色や、肌の質感の違いが歴然だ。

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遙か北海道と新潟という離れた地で、
全く違う人に育てられた蕎麦が
今宵こうしてひとつ皿になかよくギュッと並べられ
わたしの一つ胃の中に収まっていく。

遥かな大地を見やるように遠い目で皿の中をじっと見つめ
そのことにジーンと感動する私・・って変なのでしょうか。
はい、変なんですね。



お隣のみき姫は「ぶっかけ」を。
ゴマたっぷり、薬味たっぷりの豪華版!

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親切で気さくな歌姫、
「おいしいから一口食べてみて!」とのことで頂きましたが
うーん、ゴマ&紫蘇の組み合わせに弱い私には
かなり悩殺なぶっかけ。

あーあ、お腹がふたつあったらなあ。



あー楽しかった♪
ごちそうさまでしたー!




さーんきゅう、さーんきゅう
ってだるまさんたちの声が聞こえる〜(^o^)


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2010年07月12日

竜泉「スターと角萬」

(昨日の更新失敗していたことに今日気づきました〜
 失礼致しました!m(_ _)m  )



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ちょっと前になりますが、
またまた角萬に行ったのです。

角萬に行くと言えば、
私にとってはハレの日、ウキウキの日♪

津軽三味線のスーパースター、澤田勝秋師匠と
日本が誇る民謡歌手、木津茂理さんにお誘いいただき、
もうウッヒャウッヒャと浮かれながら行くのだ。


相変わらず、角萬の蕎麦はいい。


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こういうお蕎麦、
東京ではなかなか出会えないんだなあー
このブワンとしたした太さ、鼻腔を抜ける小麦の甘い香り。
蕎麦の香りは淡くとも、
じわーと美味しく、そして懐かしい蕎麦。

私はこの店の冷やニクの大ファンなので
同伴者が冷やニクを注文した場合は
その人はとても可哀想な目に遭うのだが
我らが大スターは
なんとこの店に通ってウン十年の「超・角萬通」。
「オラはもりだけ!大盛り2ツにビールだべや!」
という粋な方なので、
テーブルはご覧の通り、もりそば祭り〜(^o^)
(写真じゃ違いがわかりにくいですが私は普通盛りなんですよ!)

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カレー通の木津さんはカレー南蛮。

最後は大盛りをみんなで分けあいながら
浴びるようにお蕎麦食べて、
楽しかったなあ・・・


ちなみに今回は食べませんでしたが
ここの冷やニクは、某・超名蕎麦店の店主が
「オレが外で蕎麦食べんのは角萬の冷やニクだけ!」
と公言するほどの名品なのでありますよ。

という話をしたら師匠、俄然興味を示されまして
「次回はそれも行くべや!」
という計画に♪




ドカンと置いていってくれた湯桶は貫禄のやかん。
これもいい眺めだ。


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これだけ大きいと、蕎麦湯飲みの私は
「蕎麦湯温泉」に首まで入ったような豊かな気持になれてしあわせ。

しかし
「蕎麦湯はあるだけ飲む」
という習慣が身に染み付いているので
つい飲みすぎてしまうのが大変に危険(^^;;)



澤田師匠、木津さま、
遅ればせながらありがとうございましたー!


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高遠彩子


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2010年05月05日

浅草「尾張屋」



このブログ初の事態となっております。


蕎麦の上に海苔が・・・




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しかも今回だけでなく、ここでは私は必ず、
「もり」でなく「ざる」を注文するという
間違いなく、全国でただ一軒の店である。




理由は他でもない。
この店は、相当小さい頃から来ているはずの
マイ・ファースト蕎麦屋なのだ。

私の両親は特に蕎麦好きではないので
何故私一人がこうなってしまったのかは全く謎。
私が蕎麦好きになったこととこの店とは
特に関係がない(と本人は思っている)のだが・・

ここでは、小さい頃からざると決まっているので
それはもうどうにもこうにもざるに決まっているのだ。



とにかくこの店の売りは、
天ぷらそばであり天丼であり、
丼からはみ出す大きな海老天であり、
蕎麦はやや白めの機械切りである。


朝から晩まで通し営業、
観光客も常連も相席でにぎやかにひしめき合う、
永井荷風も通った下町の老舗なのである。






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尾張屋の「もり」と「ざる」の違いは海苔だけでなく
「ざる」には鶉の卵がついてくる。

「生卵と海苔」という組み合わせは私の大・大好物。
いや考えてみればこの店によって
私の大好物と決定した可能性も高い。


この店の甘い辛い汁と、海苔と、鶉と、
小麦の香りの美味しいお蕎麦が、
全部一緒になって口の中に入ってくると、
私はそれはそれはほっとするのである。




尾張屋の「ざる」は、
「たった今焼いて手でちぎりました」
と言わんばかりのピカピカの大きめの海苔がぱっぱっぱっと美しく散っているのも
大いに気に入っているところ。

と言っても他店の「ざる」はほとんど見たことがないので
単なる身内(?)贔屓なのかも知れないが・・


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どの季節、どんな時間に行っても
ここには「尾張屋」の時間がほぼ同じように流れていて、
ほぼ同じこの味に会える安心感。


毎回迷うことなくざるを注文し、
ピカピカの海苔を愛で鶉の卵を汁に落とし、
もちろん蕎麦は汁にドボンとつけるのだ!


やはり私にとっては、全国にただ一軒の店である。





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2010年05月04日

浅草「寺方蕎麦 長浦」(食通街)


「長浦」は向島や銀座にもあるが
好きなのは浅草の店である。


なんたって店がある通りの名前がいい。


「食通街」。


浅草の裏通りにふさわしいベタなネーミング。
毎夜毎夜、自称なのか他称なのか知らないがとにかく「ツウ」が
ここに集まっては酔っぱらってるのかと想像するだけで
何だか可笑しくてならない。


確かに食べ物屋だらけで、
何ともいい感じに力の抜けた粋な風情の通り。
名前も可笑しいが、私はこの裏通りの眺めがとても好きなのだ。



長浦は店舗によって雰囲気が違うので、
蕎麦の器も様々なのだが、
浅草の店は今は木枠にせいろがはめこまれたこのスタイル。
個性的ながらシンプルで質素、
いかにも禅寺のそれらしくとてもいい。


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蕎麦も昔はもっと素朴な雰囲気だったのだが
最近は以前よりつるりと上品な印象。
丸みのある品の良い香りがほんわかとして美味しい。




そして特筆すべきはここのおつまみ類の美味しさ。
なんたってここでは私、
姉とおつまみの奪い合いをしたこともあるほどだ。
鶏わさや山芋の酢のものなど
ちょっとしたものがあまりにも美味しくて
「ちょっと今のひと口大き過ぎない?」
などとあさましい戦いを繰り広げつつ
二人して美味しい美味しい言い合いながら大喜びで食べたものだ。


盛りつけが美しい「納豆蕎麦」もお勧めだし、
「酒で蕎麦を洗い、酒仕立ての汁で食べる」
という「蕎麦般若」などはここならではのメニューだろう。
まあ私はいつでもせいろで、種物は人のを奪っただけなのだが・・(^_^;)


店を出るとすぐの角には新店にしてもうお気に入り店、
珈琲の「なにわや」が。



食通街。
私にとっては
「美味しい食べものが大量に食道を通過してしまう道」
のようにも感じてしまうのだ。











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2010年03月18日

合羽橋「めん公望」(19hours〜ハシゴ蕎麦)



昨日は朝家を出てから帰るまで19時間。

盛り沢山な一日だったな〜



朝は5時起きでちょっとした撮影があり、

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(これは終了後なので私服〜60P600559_DCE.gif



午前中やけに早くに終わってしまったため
朝ごはんはなぜか合羽橋で!
(外苑前にいたのにねぇ(^_^;))

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朝から蕎麦、は体のよろこびかたが違いますよやっぱり。
キターーーッと目に電球が急速点滅してしまう感じ (≧∇≦)/

せいろも田舎も小麦粉と蕎麦の混じったやさしい香りと甘さ。
テキパキと感じのいい店員さんは眺めているだけで気持ちよく、
まだ空いてる店内で血中蕎麦粉度上げて、
ああなんとよい午前中だったことよ・・・




そして午後は代田橋の「まるやま」さんへ。

私は、「まるやま」のお蕎麦のファンであり、
まるやまさんご夫婦の大・大・大ファン!
「まるやま行こう」と思っただけで顔がニヤニヤしてしまうくらい。




しかも、ドッカーン。この蕎麦である。


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もう、もう、

長谷川等泊の「萩芒図屏風」さながらこのまま一対の屏風にしたい。
(凄いアートだ)


この美しい景色・・・

眺めているだけで胸の中に沸き上がる興奮が止められず、
どうにも挙動不審にならざるを得ない。



留まることを知らず、
ものすごい勢いで進化を続ける「まるやま」の蕎麦。

出会う度に違う驚きがあり、
新鮮な感動を持って無我夢中でたぐるのだ。


お二人の笑顔にも会え、美味しいものに満たされて
いつもながら「まるやま」の時間はしあわせのかたまり!





ああ〜もう当分蕎麦食べなくても生きていけるくらい満喫!

のはずが・・






夕方は新宿で用事があり、
その後の流れで夕食は新大久保「角萬」に。


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本当は2種盛りはやっていないのだが、
空いている時間帯だったこともあり特別に2種盛りにしていただき
なんと有り難かったことか(>_<)

せいろはちょっと熟成感があり、
姿とは裏腹に穀物の力強さを感じる。
田舎はうんと幅広の平打ちで、表面はつるつる。
風味はそれほど強くないが、感じのいい店主が勧めてくれた、
この田舎で食べる「三元豚の肉南蕎麦」は確かに美味しそうだ。
この蕎麦はそういうものに、よく合う。

三ノ輪の角萬の「ひやニク」ファンだけに、
うーん、次回はそれにしたいかも・・・
(一人だったらきっとまたせいろか田舎にしてしまうので複数で行かねばっ)




で。

この「角萬」が最後の蕎麦になるはずだったのだが(^_^;)




昨日のメインはその後、新宿のピットインでの
梅津和時さん、田中泯さん(お久しぶりにお会いでき感激)、
そして我らが山下庵アンシュ洋輔さん、という
すんごい顔ぶれのライブでして。


そのパフォーマンスの濃さ深さにすっかりヤラれた後は
興奮冷めやらぬまま、
アンシュと紋屋三田様とで「楽庵」へ!
ひゃっほーい!


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昨日の「楽庵」の蕎麦は生々しい熟成感を持ち、
見た目の白さに反し力強い味わい。


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アンシュおすすめの「焼き納豆」、
初体験であったが面白い。美味しい!
その他色々つまみつつ、なんと楽しき二丁目の夜よ。




そして今日は今日でまたハシゴだったのだが・・・


おやすみなさ〜い(^_^;)











posted by aya at 23:28 | Comment(3) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>台東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月28日

花、ちる、もん


散りますと言って散る花はない。



今週、ひとつの名花が人知れず散った。


その花を愛でた人々に散り際を知らせることなく、
かといって隠すこともなく、


だからこそ、ただの通りすがりと言ってよい私などが、
その花びらが落ちる音を聞いた。





その蕎麦に、私は混乱すら覚えたのだ。

他と比べることなどする気も起きなかった。
蕎麦でない「何か」のほうを強く感じすぎた。




香り、味わい、歯触り、喉ごし。
淡いとか濃いとかやわらかいとか硬いとか、
そんな物質的な形容詞を冠することに意味を感じぬ超越したものが、
その皿の真ん中にあった。


私はいきなり禅問答をつきつけられた小僧のように固まった。
これは一体何だ。




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例えるなら、儚く繊細にその形を留める古い紗の着物、なのか。

薄闇の中にもその陰影を静かに浮かび上がらせる墨絵の軸、なのか。



否、多分物ではないのだ。





その皿の中にあったものは敢えて言うなれば「美意識」だろう。

そこにあるものの底なき深さを感じ取り、
私は身がすくむ思いがしたのだ。





夜に咲き、そこを通った人にだけ愛され、
ひっそりと散るユウスゲのような。



何でもない風に、ごく当たり前のように散っていった花は、

また別の地でその種をふくらませるのだろう。







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posted by aya at 02:13 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>台東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする