京都のお蕎麦屋さんは結構廻っているつもりでも
まだまだこんな出会いがあるのだから嬉しくなってしまう。
こんな美味しいお店があったとは!!
観光の中心部からは離れているが
だからこその、この雰囲気。

ぽつんと小さな入り口と白い暖簾、
提灯にきっぱりと浮かぶ「手打十割蕎麦 生粉打」の文字。
雅が似合う京都ではなかなか出会わない粋な趣だ。
店に入るとなんとまだ誰もいない。
時間が早いせいもあるだろう。
いかにも職人らしい店主がお好きなところにどうぞと案内してくれる。

外観からも感じたがお酒も美味しそうなお店ですね〜〜♪

ほらほら、王道の蕎麦前セレクション。

かーっ いいですねえ〜
しかーし、実は訳あって私は今日の昼間京都市内を44km歩いたので
泥のように疲れている。(わかる人にはわかっちゃう(^^))
今お酒を飲んだりしたらおちょこ一杯で椅子から流れ落ちてしまうに違いない。
というわけで空腹に任せておいしいもの、食べましょう〜!

「せいろそば」と「あらびき」は絶対いくでしょ、
あっありがたや「二品盛り せいろとあらびき」がある♡
そして店主はもともと京都の人だが福井で修行しただけあって
「越前そば ぶっかけ(辛味大根)」があるのも大変気になる(大好物 (≧∇≦))。
でもお腹空いてるのでその前にがっつりこちらを。
「天ぷら盛り合わせ」

なんとゴージャスな山盛りの天ぷら。
上の写真の角度が正面かと思いますがいまいちボリューム感が伝わらないので
「天ぷらの裏に廻る」(尾崎放哉風)

積み上げられた海山の幸の豊かなこと。
こんなふうに重ねられるだけあって
カッキンカッキンのバッキンバッキン の衣なのだが
それがスナックみたいでこれまた美味しい。
カマンベールチーズもあって天ぷらというよりまさに贅沢フリット!
うーん、飲まないと決めたのにこれは飲みたくなっちゃう味ですねえ〜(≧∇≦)
「二品盛り せいろとあらびき」

えええ
ちょっとちょっと
なんですかこのものすごい緑は!!
なんという、なんというおいしそうさ・・・
なんだか疲れてへにゃってたけど突然頭も目も一発で冴え渡りました・・・
どちらも十割、福井丸岡産の蕎麦。

右が「せいろ」で左が「あらびき」。
あまりの美味しそうさにいつもまでも見比べ見惚れていたいくらい。
うっ うっ うれしいよう・・・(食べる前から泣かないように)
「せいろ」

ふわーっと漂う、なんとも素晴らしいかぐわしさ。
これは・・なんと表現するべきか・・
最初に出会う香りは穏やかながら蕎麦の香りの素晴らしいところだけを
ふわりとすくい上げたようなさりげないかぐわしさ。・・なのだが
そう感じた瞬間にもう一歩奥深い香ばしさ、ふくよかさに踏み込みハッとする。魅了させられる。
極細の蕎麦は口に含むと見た目以上に密で繊細、なめらかな食感。
噛み締めると歯の間でかすかに伸びるようなやさしい素晴らしいコシがあり、
もうもうもう、とにかく香りも味わいも食感も素晴らしすぎる。
食べている間中たまらなくいい香りにほわ〜と包まれ
ぐっと見つめるともう一歩奥深く香ばしさに何度でも出会いその度に感激してしまう。
おいしい・・・美味しすぎる・・・
こんな美味しいお店があったとは!!
「あらびき」

「せいろ」よりさらに美しい緑でさらに極細の「あらびき」。
香りや味わいはせいろとほぼそっくりの素晴らしさだが
こちらは超繊細な極細の粗挽きというところがさらにすごい。
十割でこれだけの粗挽きで、こんな儚いまでの繊細さなのに
噛み締めるとやさしいコシがしっかりと受け止めてくれ
ええええ、なんなの?魔法使いなの!??と思う程、見事としか言いようがない。
店主によると粗挽きの方が圧倒的に人気とのことだが
私は全くどちらも選べないほど大感激!!
「せいろ」も「あらびき」も食べている間中完全に私を占領し夢中にさせ続け
もうなにがなんだかわかりまへん・・・
疲れすぎてて意外と量が食べられずたどり着けませんでしたが
こちらも美味しそうでした〜
「越前そば ぶっかけ(辛味大根)」


次回はぜったいこれもいきます!!( •̀ .̫ •́ )✧
蕎麦後の蕎麦湯。
例によってお蕎麦が美味しすぎて汁は一度もつけられませんでしたが
汁は蕎麦湯の時の大事なおつまみ♡
私にとっては蕎麦湯がお酒で蕎麦汁がおつまみ。
蕎麦湯をそのままゴクリ、蕎麦汁チロリのエンドレス極楽浄土〜

この汁がまた全然京都っぽくなく
おもいっきり濃くて甘さも控えめでキュン!としている。
いかにもこの店らしい個性だ。
私は関西の関西らしいお蕎麦屋さんの個性がとても好きだし、
京都の京都らしいお蕎麦屋さんも大好き。
しかしこの店は私から見ると京都らしさが感じられないところが潔く楽しい。
何と言ってもおいしい!
京都らしくないとは言ったが店名の「みとしろ」は
ここから近い上賀茂神社の「御戸代能」からとったそうである。
(御戸代−神にささげる稲を作る田。神田(しんでん))
京都らしくないのではなく、
故郷を愛する京都人の、本当に京都らしいお店なのかもなあ・・
そう思いつつ、白い暖簾をくぐって出る。
今日歩きに歩いたこの脚でまだ歩けることに感謝しつつ
こんなに美味しいものを食べることができたことに感謝しつつ
また無心に歩きたいと思うのだ。