2022年11月30日

名古屋・東枇杷島「七里庵」


名鉄名古屋駅からたった2駅だというのに
駅を降りたら静かな住宅街。


店の前の通りの風情が、また最高なのだ。
(名高き名店の目立たなさにもびっくり)

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この右手がお店。
この街並みと青空に旅情を煽られ
あまりにも気に入って向こう側に回り込みます。


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いい!


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いい!!
ちょっとー
この風情、最高すぎませんか!?




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この限界まで削ぎ落とした、ひなびた店構え。
素晴らしい!!




中に入ると手前がカウンターで奥に長いお店。
スタンダードジャズが響く中奥に進みます。

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メニューはシンプルながら少数精鋭。

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お蕎麦は全て十割。


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ミニマムに食べたい人、粋に食べたい人、ガッツリ食べたい人に
幅広く対応してくれる感じですね〜
煮込みがあるのがさすが名古屋。

人気店ゆえ店内は入れ替わり立ち替わりお客さんが訪れ
それに対し店主がなんと一人で全部対応している。
淡々とした接客だがその対応は実に無駄がなく迅速でお見事。
お客さんの方もそれに呼応するように
セルフサービスの飲み物をとってきて静かに蕎麦を待っている。


私はこれにしました。

「天ざる」

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おーっ かなり黒っぽい太打ち。
いかにも香ってくれそうな肌にワクワク。


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まずは天ぷらをパクリ。
ちょっと個性的な天ぷらで衣の感じが
スナックっぽいというか?フリットっぽい?質感で、
油感もしっかりある天ぷら。
こういうタイプのって天ぷらだけで食べるより
まさに「天ざる向き」と私は思うのです♡



そのくせお蕎麦はお蕎麦だけで食べたいので
言ってることとやってることが噛み合ってないのですが〜 (^^;)

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箸先から香りを寄せると、まずは黒い香ばしさが
ふわーっ。
その香りはだんだんと変化し、北海道の蕎麦らしい
鋭い青い野生を含んだ香りになっていった。
(私の中ではウリっぽいジャンル、いつもながら私にしか伝わらない表現 (≧∇≦))
かなり粗挽きに見える肌は「細かい荒さ」を感じるすべらかな舌触り。
そしてこれだけの太打ちながら全く硬さを感じさせないのもすばらしい。
もぐんもぐんと噛み締めた膨らむ味わいは
たくましい甘さなどはなく意外とスッキリしている。

このスッキリ感はここの蕎麦汁にも共通していて
甘味も酸味もガツンと濃いのに
後味はスッキリしている蕎麦汁だった。



この時点で13:30。
店主が今来たお客さんにお蕎麦売り切れで煮込みしかできないと
断っているのが聞こえた。
早いですねえ〜すごい人気!


先にも書いたがここの店主はニコニコしたりはしない。
しかしワンオぺでどんなに忙しくても非常に慣れていて
落ち着いた声で淡々と礼儀正しい。
断り方も感じがよかった。
普段からテンション高めで忙しくなるとすぐパニクる私は
ほえ〜っと感心して見ておりました(笑)




私のバイブル、Sarah VaughanのLullaby of birdland
を聴きつつ蕎麦湯。

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この蕎麦湯がまた、ちょっと葛湯っぽい雰囲気の中に
蕎麦粉の風味と質感がある。
名古屋の他のお店でも感じたことがある印象なので
地域性もあるのかな?
(蕎麦の地域性って本当に不思議で面白いのだ。
例えば東京だとなんの関係もないけど同じ沿線のお店の蕎麦が似ていたりする!)


店の外に出てから気づいたのだが
今日のお蕎麦は「北海道幌加内産」でありました。



ところで、煮込みというのはうどんしかないと思っていた東京モンの私ですが、
ここのはなんとお蕎麦らしいです!
しかも私が先程食べた十割蕎麦ではなく、
うどんに見える白っぽい太打ちのお蕎麦で、
それがまためちゃめちゃ美味しいらしいです!

お蕎麦を愛しすぎて全国各地の名物を食べ損ねる人生の私。
大阪の粉もんも札幌のラーメンも食べたことありません( ̄∇ ̄)

ここの味噌煮込み蕎麦、気になる〜〜♡












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posted by aya at 12:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東海の蕎麦>愛知 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月11日

名古屋・栄「玄水」


名高いクラブ街のど真ん中にある、
個性爆発の手打ち蕎麦屋。

この立地ゆえ、超高級価格であることは理解できるが
この場所にして、全国各地の蕎麦、在来種ばかり常時6種もの蕎麦を
手打ちで揃えているというのがおもしろすぎる!!



昼間のクラブ街は独特の明るい静けさ。

そこに立つミラー張りの建物の存在感に私は恐れ入った。

どーーん!

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無知な私がなんとなーく思い描く
クラブ街というもののイメージそのままのバブリーさ!
すごい〜


どの建物にも夜の店が密集しているのが小さな看板から伺える。
夜の時間帯のこの場所は、今とは全く違う雰囲気なんだろうなあー
(完全に遠足気分 (≧∇≦))

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お店はミラー張りのビルの一階にある。

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夜の街の蕎麦屋だが、
ものすごく夜遅くまでやっているわけでもなく
22時には閉まるらしい。



カウンターのみの店内は、蕎麦屋というより料理屋のような雰囲気。

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先客は常連らしい二人連れの女性客。
ランチコースを肴に、次々と楽しげにお酒を頼んでいる。
ランチコース(蕎麦三昧コース)は7700円なので
ちょっとしたフレンチレストラン並みだ。


ここは料理も美味しそうなので私もコースを考えたが
お蕎麦が6種あると聞いた以上、
どうしても全種類食べたい私!!
コースは潔く諦めました〜(価格とオナカ的に!(^^;))
なにせ6種ある在来種のうち、4種の「せいろそば」は一枚1200円、
残り2種の「希少種のせいろそば」は手挽きで一枚1500円なので
お蕎麦を6枚食べただけでもそれはそれは大変に贅沢なランチなのだ。



こちらがお蕎麦メニュー。

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今日ある在来種の説明もあってわくわく (≧∇≦)♡

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どれも親しみのある在来ばかりだが
強いて言えば伊吹が一番食べた経験が少ないかな?
今から日本全国の蕎麦畑を旅する気持ち。
たのしーーーー!! (≧∇≦)



アラカルトのおつまみメニュー。
興奮のあまり手ブレしました (^^;)

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というわけで、本日はお蕎麦6種+そばがきを
オーダーいたしました!!
めっちゃ贅沢!!アタシやっちゃうぜ!! (≧∇≦)




高台つきの器に弱い私、この湯呑は大変好み。

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こんな素敵な湯呑で美味しいお茶をまず出してくれるって
これも素晴らしい日本文化ですよね〜
(海外だとお水も有料だもんね)




お通し「湯葉豆腐と塩昆布」
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ちょっとしたものだがすごーく美味しい。
湯葉豆腐の質感と甘みがよく、
そこに塩昆布を合わせたところがありそうでないセンス。
最初に食べるものが美味しいと期待高まりますよね〜



「せいろそば一枚目・伊吹在来種(滋賀)」
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おおおお〜
立派な竹笊の中に輝く、
すこーし透明感のある美しい粗挽きの肌。
色はなかなか濃い目で、
うん、香ってくれそう、おいしそう!

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おや???
意外にも、全く、なんにも香りませんでした。。
口に含むと、みずみずしくむっちり硬めのコシに出会うが
決して硬い蕎麦ではない。
味わいもほんのり系で淡め。
香りは待ったら出るかな?と粘ってみたがあまり変化はなく
最後の方だけ、かすーかにこうばしさを含んだ香りが
感じられるようになってきた。




「せいろそば二枚目・丸岡在来種(福井)」
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うわああ
1枚目の伊吹よりさらにすごい粗挽き!
こちらも皮を含んだ濃いめの色で、
美しいザクザク感がたまりません〜

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こちらは見た目で予想した香りがそのまんま濃厚で嬉しい!
ムワーと香ばしい、ナッティーな黒い香り。
こちらもみずみずしくむっちり硬めの質感で
1枚目の伊吹より硬め。
ちょっとガチガチした感じの歯触りなのだが、
それを噛んだ味わいが濃い〜♡美味しいーー!!



そして3枚目の前のこのタイミングで
この方がカットインしてきました。

うわっ

これはおいしい!!絶対においしい!!
すごいのキタヨーーーーー!!!! (≧∇≦)♡


「そばがき(祖谷在来種)」

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もうこれは食べなくてもわかります。
もったりとろーり
なんという美しさ・・・

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ギャーーーーー

期待はしていたがそれを超える最っ高の美味しさであります!!
香りは意外と素朴、渋めの滋味深い香りで、
何が素晴らしいってこの食感である。
最高の最高!!
とろりとしつつフワーと軽く、
粗挽きのざらつきありつつ、モチモチとろ〜の極上エアリー!!
いやー、もうこれ以上はないと断言したい食感の素晴らしさだ。
そして食感とともに素晴らしいのが味わいの濃さ。
下にぎゅうぎゅうと押し込まれるような
グルタミン系の旨味の塊が口の中を染め続け
もうもうもう、私までとけそうなんです
このままずっとこの人と一緒にいたい・・・!!

あまりにも美味しすぎて薬味をつけるなんて絶対無理、
このそばがき3個くらい頼まないとできなさそう。

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でもこのついてきた薬味シリーズがまた尋常ではなく。
こんなシルキーなめらかな大根おろし、私は初めて食べました。
どうやっておろしたんだろう??
またこのきな粉にはお砂糖がまぶしてあって
そのまま食べても美味しいったらありゃしない (きなこ大好き(≧∇≦)♡)
最後まで取っておいてデザートにもふもふ美味しくいただきました〜




「せいろそば三枚目・奈川在来種(長野)」
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こちらも色濃いめの粗挽き。
直線的なラインで、これもしっかりめの食感かな?



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箸先から香りを寄せると、
これまた皮を含んだ香ばしい甘い香りが淡く漂っている。
1枚目の伊吹同様、むっちりと硬めのコシだが硬くはない。
その硬めのコシを噛み締めた味わいが素晴らしく、
なんとも濃厚な蕎麦粉そのままの旨みが溢れ出す感じ。
食べ進むほどに香りはぐんぐん深く濃くなり
味わいも限界の濃さに到達!!
うおおおお このグルタミン系の旨味爆発感、すごい〜!!
食感もだんだんやさしくなり、
三枚目にして初めて繊細優しい食感に出会った感じ。
香り、味わい、食感ともに、今までダントツ気に入りましたーー!!
コレ美味しいーー!大好き♡♡♡



「せいろそば四枚目・佐渡在来種(新潟)」
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こちらも色濃いめの粗挽き。
エッジ感のない輪郭線から、これは比較的柔らかめの質感かな?

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ええええ
箸先から香りを寄せただけでまずびっくり。
なんと個性的な香り!!
香りの強さとしては淡めなのだが
はっきりと、ヨモギのような野草のような香りがする。
(私が大好きな京都の麩饅頭みたいな!♡)
食べてみると味わいも最初は薄め。
ところがそれがゴンゴン濃くなり、
黒い皮の甘さとヨモギの入り混じった味わいがおいしいーー!
細かな粗挽き感を感じる舌触りだが
質感としては二枚目・丸岡に似たガチガチ感がある。
でもそれを噛み締めた味わいがなんとも個性的な美味しさで、
いっやーーおいしいなあーー!


「せいろそば五枚目・祖谷在来種(徳島)」
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私の大好きな祖谷在来は極太打ちでやってきた。
こちらも粗挽き、色濃いめ!

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ガッツリと太く、質感も今までで一番の硬さがあるため
とにかくモグンモグンと噛み締める蕎麦。
最初の香りはほんのりと淡く、しかし黒く香ばしく甘い、素晴らしい香り。
それが期待通り、時間が立つとどんどん濃厚になりうっとり〜
食感は時間が経っても変わらず硬めで、
それを噛みしめた味わいの甘さが大変印象的。
なんというか、和菓子のような?すあまのような?
とにかく上新粉系の上品な甘さがあるのだ。





「せいろそば六枚目・椎葉在来種(宮崎)」
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これまた、色濃いめの粗挽き!


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うわわ この香りは素晴らしいー!!
うっとりするようなナッティーな、
そして荒々しさを感じるまでのたくましい黒い香り。
こちらは見ての通り輪郭線は優しいのだが
芯を噛み切らせないようなむっちりとした硬さがある。
滋味深き味わいはどんどん濃くなり、
最後は舌に乗せただけで甘さが押し込まれてくる感じがするほど!
噛み締めるほどに味わいと甘さが口いっぱいに広がっていく。



蕎麦汁は今まで出会ったことのない
かなり個性的なお味。

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酸味も強めの濃厚で、一番感じるのは「お酒の味」!
いわゆるまろやかな汁ではなく、
口の中でいろんなものが弾け合う感じで
美味しいお酒そのものというか?おつまみ?みたいな個性的な汁。
ここの蕎麦つけると合うのかな?と、
ちょっとだけつけてみましたが、私のような「蕎麦汁初心者(笑)」には
やっぱりお蕎麦だけで食べた方が美味しく感じちゃいました。
(良い子はまねをしてはいけません(笑))



蕎麦湯はとろーりまっしろで、まるで葛湯みたい。

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店主によると、今日の蕎麦湯は更科粉。
蕎麦湯はその時によって全く変えていて
粗挽きの蕎麦粉で作ることもあれば
季節によっては桜を浮かべたりするらしい。

店のスタッフは若い人が多く、
皆さん素晴らしく丁寧でととのった接客態度。
店の雰囲気もだが、高級蕎麦屋らしいゆったりとした時間が流れている。

そんな中、しゃがれ声で髭面、
極めて人懐こい笑顔で話しかけてくる店主の存在は
余計に印象的であり、この店の魅力でもある気がした。
ずっと昔並木藪で働いていたこともあるということを
少し照れ臭そうに話してくれた。



「6種の在来種」+「そばがき」を食べてみての感想としては、
一番恋に落ちたのはやはり3枚目「奈川」と、「そばがき」でした!♡
次点で「丸岡」「佐渡」「椎葉」かなあ〜
「奈川」と「そばがき」は、
もうこれ以上はない最高の美味しさだったなあーー!


強いて言えば、どのお蕎麦も皮のたっぷり入った黒い香り、味わいだったので
せっかく在来種そのものの味わいを感じて比べようと思っても
わかりづらかったこと。
皮の味と香りって素晴らしいけど強烈なので
全体の7割くらい?を占めてしまい、
残りの3割で蕎麦そのものの違いを見つけ出す感じに、
(私の場合は)なっちゃうんですよね〜
このお店の黒くないお蕎麦も食べてみたいな〜♡

とは言え、実はこの店のあと名古屋でもう一軒、
大変評判の高いお蕎麦屋さんに行き、そこもすごーく美味しかったのだが
かなりこの「玄水」のお蕎麦と似たタイプだったんですよね。
(似たタイプのお蕎麦を7枚食べた昼( ̄∇ ̄)  )
今までの経験からも、名古屋は黒っぽい粗挽き蕎麦多いかも?

黒っぽい粗挽きは確かに美味しいし映え間違いなしだし、
西に来るとそういうお店が多い気がしますね〜
それが旅蕎麦の楽しいところ!


さて、この店のランチタイムは、
コースを頼んだ人以外は1時間の時間制限があるので
「そばがき」+「6種の在来種」を1時間きっかりで食べた私。
その頃には店内はすっかり満席で、
どの人も予約のうえ来ているらしいのがすごかった。
大人気で素晴らしい!


予約をしたけど早く来過ぎて外に並んでいる20台の女性二人連れなどもいたが
私が注目したのは私が4枚目を食べている頃に
私の隣に座った常連らしい30代くらいの男性。
やけに整った綺麗な顔で、なんかこの街の人らしい感じ??
元はお店に出ていて今は経営者とかかしらん??
とクラブ街遠足気分の私はわくわく想像してしまいました (≧∇≦)


そんな人が慣れた様子でスッと入ってきて
「祖谷。」
とだけ言ってせいろ蕎麦を頼み、
一枚手繰ってスッと出て行くんですよ!
容姿がそれっぽいだけに、すごいものを見た気がしてしまいました!


いっやーー
クラブ街のマニアック在来種手打ち蕎麦屋、
楽しい体験でした!!!

ここのコースもぜひ食べてみたいなあ〜











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posted by aya at 10:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東海の蕎麦>愛知 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月18日

名古屋・大曽根「手打そば 八千代」


地方に行っても蕎麦蕎麦蕎麦で大忙しで
その土地の名物というものを全く食べずに帰ってきてしまう私。
大阪の粉もんも博多のラーメンも京都のうどんも全く食べたことがないのだが
名古屋だけは別である。
東京の鰻よりも大好きな「ひつまぶし」があるから!!
いろいろ回った結果2店が大好きなのだが(バリッバリが好み♡)
もちろんお蕎麦屋さんにも必ず行く。

「味噌煮込みうどん」や「きしめん」など名物が華やかすぎて
お蕎麦屋さんの存在自体が目立たない名古屋だが
素晴らしく美味しい店や個性的で面白い店、いろいろあるんですよ〜〜♪

今回は駅近の親しみやすいお蕎麦屋さん「八千代」。

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「いらっしゃいませーえ!!」
と威勢よく元気に迎えてくれる店のおばちゃまスタッフといい、
明るく綺麗な店内といい、家族連れでもグループでも気軽にヒョイッと来られる雰囲気。

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店内BGMは琴演奏の「我は海の子」(^^)


メニューを見ると、
おお〜 さすがに味噌煮込みうどん様がいらっしゃいます!

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うどん類の充実もやはりさすが。

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で、ありながらお蕎麦はしっかり、
「せいろ」「太打ち田舎ざる」と2種類あるのもこの店の嬉しいところ。



「太打ち田舎ざる」
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ダイナミックな美しい流線型を描いて盛られた太打ち。
メニューの
「昔ながらの黒くて太いそばで香気と甘味が喜ばれます」
との言葉に食べる前から和んでしまう。
香気と甘味、ぜひ喜びますよ〜〜(^o^)

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赤黒い肌からは熟成を想像したがそうではなく、香りはフレッシュな甘皮の香り。
爽やかさすら感じるほどだ。
ねちっと密で固めの食感のためモグモグ噛みしめる蕎麦だが
平打ちなのでモグモグ+ヒラヒラ感もあり食べやすい。
噛みしめるうちにあま〜〜い味わいが深まっていく、まさに田舎らしい田舎蕎麦。



「せいろ」
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メニュー説明の
「そば通に好まれる一般向きのそばです」
との言葉には「そうか、そば通と呼ばれる人は一般なんだ」といろいろ考えてしまったが(^^)
とにかくこちらが細い方の蕎麦である。
かなり白め、これも平打ち。
極細な上に水分が多いので平たく固まったように重なっていて
口に含むとつるつるというよりちゅるちゅるという感じの食感。
香りも味わいもごく淡かったが、
だんだん白くやわらかい味わいも感じられてきたのが嬉しい。


このお店のありがたいのは土日祝日は通し営業してくれていること!
そう・・夕方お蕎麦を食べて夜ひつまぶし・・
なぁ〜んてこともできちゃうのだ!

うふふふふ〜〜

きゃー



(ひつまぶしと浮気中ショット(≧∇≦)!!)
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posted by aya at 21:29 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東海の蕎麦>愛知 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月24日

愛知・名古屋市名東区藤が丘「手打蕎麦切り 蕎野」


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モダンなエントランスと瓦屋根の、一風変わった外観。
店名は「蕎野(そーや)」と読む。


カウンターとテーブル席の小さな店にはビートルズが流れている。


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バイトらしい店員さんに「どうぞー」と案内され
カウンターに座る。
厨房との間にはお酒や焼酎が林立している。

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夏季限定の蕎麦メニュー
「冷かけそば」
「冷かけたぬき」
「冷かけ月見とろろ」
「そぼろと揚げなすの冷かけ」

うーん夏季限定だけでもいろいろあるなあ。

ランチセットの「丼セット」の充実も凄い。
蕎麦と組み合わせて、

「鶏つくね丼」「焼き鳥丼(鴨)」「かきあげ丼(たれ・しお)」
「地鶏そぼろ丼」「地鶏ユッケ丼(たれ・しお)」「とろろ御飯(卵黄入り)」
「地鶏ユッケ卵黄御飯」「そぼろ納豆御飯」・・・

これだけいろいろあって、しかも値段は840~1050円。

だんだん不安になってくる。

・・居酒屋さんぽいお店なのかな?

お蕎麦、おいしいかなあ・・・


「もりそば」
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んー・・・
なんとなく気持ちがアガらない風貌である。
どことなく、やる気の無さそうな印象・・?

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も、申し訳ございませんでした!!
えーっ ちょっとこれはびっくり、嬉しいびっくりですよ。
めちゃくちゃおいしいんですけどーーー!!

よくよく見ればさっきまでの私の目は節穴以下でございました。
不規則に揺れる素朴な輪郭線。
その肌に浮かぶ白き陰影、茶やオレンジのホシも
見つめれば見つめるほどまぶしい。

何より、淡く美しい香りをまとった蕎麦の、その食感が素晴らしすぎる。
絶妙のざらつき、ふんわりと軽くやさしいコシ。
これは東京・神田「眠庵」の極上やさしいコシを思わせる部分もあるが、
それよりはもう一歩しっかりしたコシ加減だ。
そのやさしさを噛みしめてひろがる、淡く美しい香りと味わい。
私はもう完全にノックアウトされた。
3分前には予想だにしなかった展開・・
はあああ 参りました。
おいしいよう〜


生卵+蕎麦に弱い私、
こちらもちょっと味見。

「冷かけ月見とろろ」
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とろろの中の揚げ玉カリカリ、生卵のとろ〜りゆたかな味わい、
そこにネギが効いてニクイ組み合わせ!
こんなんうみゃーに決まっとるがー
こりゃうみゃーでかんわー(^o^)!

ここの汁はちょっといりこ出汁のような濃さと甘さがあるのだが、
それがこの「冷かけ月見とろろ」にはよく合う。


BGMはずっとビートルズ。

昼時大繁盛の店内は少々せわしないが、
私の好きな"Here, There And Everywhere"が
蕎麦湯の湯気をゆっくりと空気に溶かしてくれる。




これも気になったぞ!
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posted by aya at 08:07 | Comment(4) | TrackBack(0) | 東海の蕎麦>愛知 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月23日

愛知・名古屋競馬場前「手挽きそば 一心」


限定蕎麦というのは実に悩ましい。

土日限定、というような曜日限定も悩ましいが
「一日限定10食」なんていう限定蕎麦がある時の悩ましさと言ったらない。
それがなかなか行かれない地方の店だったりするとなおさらだ。
居ても立ってもいられないほどの不安、と言ったら大袈裟だと言われそうだが
恥ずかしながら私は本当にそれくらい不安なのだ。
「別にいいんですよ〜なかったらなかったで、別のものを食べましょう」
と言える大人になる日は来るのだろうか。


そんなわけで、この「手挽きそば 一心」に来るのも
本当にドキドキ心配だった。

「一心」は蕎麦の種類が多いのだが、なんといっても気になる蕎麦がある。

「木曽十割ざる」(挽きぐるみ、黒っぽい細打ち、産地は木曽福島)
「江戸十割ざる」(皮を剥いた丸抜き、白っぽいやや太打ち、産地は福井)
「がんこそば」(手石臼挽きの丸抜き、超太打ち粗挽き、産地は木曽福島)
「田舎ざる」(二八の細打ちそば、産地は福井)

この手挽きの「がんこそば」というのが
一日限定なんと5食なのだ!
5食って・・そりゃまた難易度高そう・・・



名古屋競馬場前だけに、競走馬のごとく駆けつけたつもりだったが
着いてみると店の前には行列が出来ていた。

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(写真は退店時に撮ったもの)

アカン・・もうおしまいや
5食なんてすぐだもの、手挽きそばよさようなら・・
と灼熱に意識も体も溶けていきそうになる私。

「別にいいんですよ〜なかったらなかったで、別のものを食べましょう」
と言えるようになるためのイメトレをしながら、平静を装い順番を待つ。


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住宅街に突如現わる田舎家風の建物。
道に面した手前の部分は店舗ではなく蕎麦打ち場になっているらしい。


いよいよ店内に入れた。
おそるおそる店員さんに聞いてみる。

「あの〜・・お蕎麦、できたら全種類食べたいんですけど
 今日はもう『がんこそば』は終わっちゃっていますよね・・?」

「ありますよ」

( °o°)

( °o°)

☆(≧∇≦)☆ ♪\(≧∇≦)/♪ ☆(≧∇≦)☆ !!!!!

うわああああ
あるんですかぁー!!
じゃあそれを!
それと「木曽十割ざる」「江戸十割ざる」「田舎ざる」もください!


このあと食べ終わって店を出てから気づいたのだが、
私がこの時どれほど嬉しかったかを示す事実がある。

なんと私、限定5食の手挽き「がんこそば」があった嬉しさ余って
一枚目の蕎麦の写真を全く撮り忘れました・・・
こんなことは初めて、どんだけ舞い上がってたんだ!


というわけで写真のないまま一枚目、

「木曽十割ざる」

つるぬるっと輝く、褐色の肌。
箸先にたぐりあげると熟成の香りがむわぁ〜。
とは言えいやらしさは感じられない、香ばしく美味しい熟成ぶりだ。
食感は見た目の通り表面がつるぬるっとして
コシがしっかりしているので細打ちだが食べ応えがある。
そして何より味が濃い!
薬味がたくさんついてきて驚いたが、これだけ味わいが濃厚なら
多少の薬味と共に食べても負けないだろう。
なんだか写真がないまま説明するのも変な気分ですね〜すみません。


2枚目は早速、
本日の私の心をかき乱した限定5食の手挽き「がんこそば」の登場である。
これは美しすぎて写真3枚掲載!

「がんこそば」(手石臼挽き)
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定食のようにいろいろ小鉢がついてきます。


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ウワー・・・・
なんという、なんという超絶ふっくら美肌。
みずみずしさに浮かぶ、しろく透明なかげろうたち。
さながら真新しき萩焼の肌のような・・



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これだけの粗挽きだけに、たぐり上げた箸先での香りは淡め。
と思いきや、口に含んで生まれくる
素朴な白い香りと味わいがすんばらしすぎるんですけれども!!
はあぁ・・・なんでしょう この夢のように美しい、真っ白な味わいは・・
これだけの太さだけに重量感はあるが
口中をすべらかにするする流れ、食べにくさなどは全くない。
万歳!!おいしすぎる!!
あああ 大して行いもよくない私なのに
こんなにおいしい限定5食の手挽きそばが食べられるなんて
今日は一体どうしたことだ。




3枚目
「田舎ざる」(二八の細打ちそば)
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おろし付きでやってくる「田舎ざる」。

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これが・・・期待をはるか上回る、びっくりの美味しさ!
ものすごーーーく香ばしいのだが、
その香ばしさがちょっと珍しい、たまらなくいい香りなのだ。
強いて言えばゴマに近いがそれだけではない、何とも言えぬ深い濃い香ばしさ。
端正な細打ちは噛みしめると程よくしっかりしたコシがあり、
時折刺激してくるジャリ感がニクイ。
味わいは濃いのに甘さは意外なほどスッキリ、というところもまたニクイ。
えええ〜ちょっとこれは予想外の展開ですよ。
これまたおいしすぎる!!



4枚目
「江戸十割ざる」(皮を剥いた丸抜き)
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何やらひとひねりありそうな、いかにも味わい深そうな蕎麦が
のんびり〜と盛られてやってきた。
しかし手繰り上げるとアレレレ、
この前の「田舎ざる」があまりに強烈だったせいか
香りも味わいもほとんどないように感じられる。
ところが、やや重めの食感の蕎麦を食べすすむうちに
どうにも説明の難しい美味しさがジワジワそこに感じられてくるから不思議だ。
はっきりこう、と言える味わいでなく、
ジワーーーーーと通奏低音のごとく流れる素材の良さ、粉の良さとでも言うべきか。
それでなければ汁なしで全部食べてしまうことはないだろう。




蕎麦湯。

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濃厚蕎麦湯が入った素朴な器は店主の作。


湯のみも店主作なのだがこれはまた全然ちがう趣。
形といい、石臼と散らばった蕎麦の絵付けといい
大変気に入ってしまった。

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ここはお蕎麦の種類が多いばかりでなく、
ランチセットなどのメニューも実に豊富。
店前に行列ができるほどの人気もうなずける。

「お昼の天ざるセット1480円」
「二八ざる、気まぐれ天丼、茶碗蒸しの松ランチ980円」
「二八ざる、ミニ天丼、小鉢、茶碗蒸し、デザートの桜ランチ980円」
その他
「お得な御膳セット1380円」というのも3種類もある。


お昼ランチセットはそれぞれ限定10食や30食だったりするのだが
その限定には全く不安を感じないのだから不思議だ。

あっ 蕎麦原理主義ってこういうこと?(^^;;)





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2012年08月22日

愛知・名古屋市引山「志蕎庵 江月」

 
「大阪や名古屋は小麦粉文化だから
 美味しいお蕎麦屋さんなんてあまりないんでしょう?」
と言われることがある。

いえいえ、とんでもない。
たしかに土壌としては小麦粉文化、うどん文化であるから
お蕎麦屋さんの数自体は関東よりずっと少ない。
しかしそんな「タコ焼き県お好み焼き市うどん町」みたいなところで
敢えて蕎麦を打つお蕎麦屋さんと言うのは
やはり相当な「志」を持って「打って出ている」のである。


名古屋に来たら毎度外したくないこの名店。
その名も「志」がつく、「志蕎庵 江月」。

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外観はどうということのないシンプルさである。


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いつも大抵開店直後に来るので最初は誰もいない。
しかし人気店ゆえ、次から次へとお客さんが入ってきて
あっという間に満員になるのだ。



「粗挽きそばがき」

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粗挽きと言ったからには本当にザックザクの粗挽きである。
ひと粒ひと粒から香りがはじけだしてきそうな、まぶしいほどの蕎麦粒子たち。
もた〜とろ〜と半分湯に沈んだ姿に、私の方がとろけそうだ。

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もわぁ〜〜 とろどろ〜〜
食感は見た目以上にゆるめのとろーんそばがき。
今日はちょっと瓜にも似たような、ひねた穀物のような香りが
さわやかに華やかに、ふんだんに香っている。
とろとろの中のざらつぶ感が楽しい!
本日の蕎麦は茨城「常陸春そば」の新蕎麦。


「十割せいろ」
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おっなんだか今日は以前よりダイナミックな印象・・?

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のびのびと力強く流れるようなラインを描いて盛られた蕎麦。
ひんやりさわやかに漂うは、
先程のそばがきと同様、少し瓜に似たような、ややひねたような香り。
輪郭がパキパキはっきりしているのに、噛みしめるとふわっ・・と
意外なほど軽い、なんともすばらしいコシがある。
そしてその中に、かすかにかすかに感じる粗挽きのジャリ感がまたいい。
よく見なければ気づかない程度に「やや平打ち」のようだし
この食感は実に個性的だ。


この店の汁がまた醤油の強い、なかなか個性的なものであることは
私は毎回蕎麦湯の時まで忘れている。

気づけば店内は近所の会社の人などでまさに満員だ。
皆ランチ(丼とそばのセットなど)を慣れた調子でオーダーしている。


なかなか来られないけど、次回は是非土日に来て
久々にここの手挽き(土日限定)が食べたいなー!








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2012年08月19日

愛知・名古屋市鶴舞「春風荘」


目立たぬ場所のマンションの一階、という地味な立地だが
名古屋で蕎麦といえば必ず名が挙がる名店である。
ここで修行をして店を開いた人も多い。

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入り口のアンティークの薬箪笥。



昔は客席がソファーというユニークな蕎麦屋で
メニューも「せいろ 500円」「石挽手挽き1000円」などなかなか個性的だった。
手挽きとは言え見た目は似たようなもりそばなのに
値段が倍も違うというのは珍しい。だいたい「せいろ」が安過ぎた。
何度も食べ比べたが
私はなぜかいつも500円の「せいろ」のほうが好きなのが面白かった。

今はすっきりとした椅子席になり
メニューもかなり変わったが、やはり来るたび懐かしい気持ちになる。
ちょっとユニークなセンスもいろいろと健在だ。

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「十割そば 在来種全粒粉霧下そば(ひきぐるみ)」
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蕎麦だけが来るかと思いきや物凄い薬味祭りである。
1000円でも、これなら決して高くない。
生山葵、大根おろし、唐辛子、葱、天然塩、
そして・・・オリーブオイル&胡椒まで!

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うわぁ・・・
なんという趣に満ちた景色。
軽みをもって幾重にも重なりあうその肌にしばし見とれる。
ふんだんにちりばめられたホシ。
繊細に揺れる輪郭線。

箸先にたぐり上げると、お〜
この暑い夏に限界までしめていない。
まわりと同じ温度の空気が、
むわぁ〜と熟成感のあるピーナツのような香りに染まっている。

見た目の通り繊細な肌はふわっふわの軽さで食感も軽く、やわらかい。
味わいもぎゅうぅーと濃厚だ。
添えられたオリーブオイルが、フルーティーというより
花のような香り高さだったので楽しみに試してみたが
香りも味わいもこれだけずっしりした蕎麦だけに全然負けていなかった。




「せいろ」
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これまた限界までしめない、常温そば。
食感の軽さは先程の「十割そば(霧下そば)」と同じだが
こちらの「せいろ」には凛としたコシがある。
むわぁ〜、じわぁ〜と濃厚な香りと味わいがおいしい!
こちらは全く薬味を使うひまがないまま
気づいたら蕎麦だけで全部食べてしまった。
あらー やっぱりまた、
「春風荘」では基本の「せいろ」の方が好きなのですねえー私。



蕎麦湯。
ロイヤル・コペンハーゲンでというところが
ソファー席だった頃に通じる「春風荘」らしいセンスを感じる。

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ロイヤル・コペンハーゲンで蕎麦湯を出すお蕎麦屋さんは他にもあるのだが
(こことか)
青描絵なので和の空間にもよく馴染む。
ブルーフルーテッド・メガのシリーズは私も大好き!
持ってないけど・・
  

前から気になっている
「そばがき(青・赤・玄)」
までは今日もたどり着けず。
ここにはそれ以外にも
太さが全く違う蕎麦が混ぜて盛られている「荒挽き」など
ユニークなメニューがいろいろあるのだが・・


名古屋に来るといろいろ行きたいお蕎麦屋さんはあるし
だいたい「春風荘」が鰻の名店「うな富士」と同じ鶴舞にあるというのは
実に悩ましい問題だ!
(鰻はきれいな関東風よりバリバリの西のほうが断然好きなもので〜)



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2011年08月25日

名古屋「紗羅餐 ミッドランドスクエア店」


「紗羅餐」と漢字だけ見ると取っつきにくいが、
フランス語の「sarrasin(サラザン=蕎麦)」に漢字をあてた店名である。
ちなみに蕎麦粉はfarine de sarrasin(ファリン・ド・サラザン )と言うらしい。

私のおかしいところは「蕎麦」「手打ち蕎麦」という言葉を溺愛するように
farine de sarrasinという言葉も好きになってしまうところである。
ファリン・ド・サラザン!スペルも響きもなんかステキ!
今ちょっとそれふうに発音してみた!できない!


さてお蕎麦屋さんの「紗羅餐」であるが
名古屋では本星崎の本店「蕎麦工房 紗羅餐」をはじめ
支店も幾つかあり「紗羅餐グループ」として名高い。
また本店の蕎麦教室の出身者によるお蕎麦屋さんは全国に増えていて
今や大きな「流れ」である。

その「紗羅餐」の中でも、名古屋の一番の中心部にある
「紗羅餐 ミッドランドスクエア店」。
2007年にできた名古屋駅前47階建ての商業ビルの4階にある。

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入り口を一歩入ると蕎麦打ち場が見える。
それはよくある作りだが、ここはその演出がいい。
低めにつけられた正方形の窓から
職人の手つきだけが見えてとても美しいのだ。

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顔が見えないので気恥ずかしさなく見ていられるし
低い位置にあるせいか「手打ち実演しています!」という
押し付けがましい感じもない。



店内はイタリアンバールのような小洒落た雰囲気。

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ランチタイムは天ぷらや丼物などとのセットメニューや
小鉢やかき揚げ、お寿司までついた「サラザン膳」などが
人気のようだが、ここでも、こんな奴ですみません。

「二八蕎麦」
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白や黒のホシが陽炎の如くゆらめく、
たまらなく美味しそうな肌。
手繰り上げて感激、素晴らしい穀物の香り!
やさしげな見た目より輪郭線は口中ではっきりとして
その肌の凹凸が心地よい。
味わって食べようとするとすぐにぴたぴたとしてきて
なかなか足の早い蕎麦であるが、
そうなってきた時がまた一層、
味も香りも甘さも最高潮になってくるのだからたまらない。
ああああ おいしい〜 
おいしいよう〜
来てよかったよう〜



「十割蕎麦」
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「二八蕎麦」よりさらに細打ち。
ぐっと黒っぽく見るからに香り高そうな蕎麦。

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ウワー

これまた・・・ううう降参・・・

なんとも素晴らしく香ばしい、深い穀物の香りである。
口に含むとふんわりしっとり。
そして驚きはその味わいである。
私は田園調布「ベッカライ・シュタインメッツ」のブロートや
三軒茶屋「シニフィアン・シニフィエ」のパン・オ・ルヴァンような
味わいの濃いパンが大好きなのだが、
この蕎麦はその味わいに近い、すんばらしく美味しい味がするのだ!
熟成系の蕎麦でもないのに本当に不思議。
それらのパンは発酵系だが、発酵ぽさが似ているのではなく
強いて言えば極上の香ばしさと濃い味わいが似ているのだ。
この野性味あふれる香ばしさにこの味。
参りました。美味しすぎる!



駅前のビルにこんなお蕎麦屋さんがあるなんて・・・

そして鰻は絶対蒸さないなんて・・・
(やっぱ焼きでしょ!バリバリでしょ!ひつまぶし万歳!)


あー 名古屋の人たちが羨ましい。



posted by aya at 12:29 | Comment(6) | TrackBack(0) | 東海の蕎麦>愛知 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月24日

名古屋・浅間町「手打蕎麦 ふたば」


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不思議なムードのある店である。

24席あるのだから特に小さな店ではない、
しかし店の印象は実際以上に小さく薄暗いイメージで
どこか時代を超越したような枯れた情緒がある。


店構えはごくシンプル。
何を気取るわけでもなく、
白い首振り扇風機がのんびりと店内を見回している。


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しかもこの静かで薄暗い空間に、
開店時間前から行列ができたりするのだからまたのけぞる。

この蕎麦目当てに、車社会の名古屋中から、
続々車が集まってくるのだ。


「十割せいろ」

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繊細な細切り。
見た目の印象はしっとりやさしいが
たぐりあげると意外にもハリハリと固めの質感で
それが空気感をもってふんわりと重なっている。

この店のイメージにぴったりの、
干し草のような香りに「おいしい〜」。
噛みしめると穀物の甘みと、微かに熟成の味わいがひろがる。
長野県は八ヶ岳産の十割蕎麦である。



こちらは
「せいろ」

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何がすごいってまず値段がすごいんでございます。
先程の十割せいろが600円も安いですが
こちらのせいろは450円。
量が少なめとはいえ、どちらも手打ちでこの値段。
お代わりしやすくて嬉しい値段設定だ。

「十割せいろ」に比べると
白っぽく更にやさしい印象の「せいろ」。
味や香りはほとんどないが噛みしめるとのびるほどのコシがあり
汁につけて食べたらつるつるどんどん入ってしまいそうだ。

蕎麦前も充実しているので
早くも一杯やっている人。
家族連れで十割とせいろを適当に頼み分け合う人。
みな静かにこの店の時間を楽しんでいる。

「お子様そば」600円っていうのも見てみたいな〜


posted by aya at 23:35 | Comment(4) | TrackBack(0) | 東海の蕎麦>愛知 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月18日

名古屋・東山公園「蕎麦切り ふ〜助」


関西の大半は、いわゆる「小麦粉圏」。
蕎麦屋の数は東京の比ではないとはいえ
西の蕎麦屋に行くのは楽しい。
西には、西の風が吹いている。


西の蕎麦屋に行って感じることはいろいろあるが
そのひとつに「意外と混んでいる」というのがある。

蕎麦屋の数が少ないからなのか、
私が行った店がその日たまたまなのか、
目立たぬ駅の目立たぬ場所にある蕎麦屋にたどり着き
その盛況ぶりに驚いた経験は少なくない。
道路に行列が出来ていたり(!)
扉を開けると待合室があって
順番待ちの紙に名前が並んでいたりするのだ。


名古屋市を東西に走る東山線「東山公園駅」近く。
「蕎麦切り ふ〜助」という可愛らしい名前の蕎麦屋は
マンションの半地下に、半分隠れて静かに佇んでいる・・

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と思いきや!



満員だがや・・・
どえりゃ混んどるがね・・

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お蕎麦が褒められていたりお蕎麦屋さんが大人気なのを見ると
孫の運動会のように嬉しくなってしまう彩ばあさん。
空腹も忘れニコニコと順番をまちます。
でもうらやましそうに人のお蕎麦を凝視するのはやめましょう。


お蕎麦は2種類。
もうそのネーミングからして楽しくてたまらない。
「ざるそば」と「きしそば」。
「ざるそば」はいわゆる一般的な太さの蕎麦で
「きしそば」はご存知名物きしめんのような
平打ちの太い蕎麦だそうだ。

まず珍しい方から先に来ちゃった。
「きしそば」。
うわー
これは楽しい眺めだ!

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色の濃い肌から香る、「黒い香り」。
香ばしく深く味わい深い、大好きな香りを
強烈にではなく、実に心地よくたたえている。

口に含むと想像よりかなり柔らかいのだが
幅広い輪郭をつかまえて噛みしめると黒い味わいが深まり
本当に美味しい。
この「きしめん型蕎麦」、いいなぁー!
あっという間に食べてしまう。



こちらは「ざるそば」。


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切り方の違いだけで
打ち方は「きしそば」と同じのよう。
見ての通り、こちらも蕎麦圏東京人からすると「茹で過ぎ?」と思うほど
ほにょんほにょんのやわらかさなのだが
それを「やさしさ」としてとらえると実に品が良い。
なによりこの香ばしく深い香りがおいしい。



私がうっとり食べている間も
次々とお客さんが入れ替わり立ち代り入ってくる大人気店。





蕎麦湯の湯桶に「かきまぜ棒」が入ってくるのも
メニューに「にしんごはん」「とり丼」なんてのがあるのも
西を感じて楽しいなー

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posted by aya at 23:20 | Comment(7) | TrackBack(0) | 東海の蕎麦>愛知 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする