2023年08月09日

茨城・常陸津田「だぼう」



まず予約の電話の時点で驚いたのだ。

私はちょっと遠方のお蕎麦屋さんに出かける時は
万が一臨時休業などということがあっては困るので
あらかじめ営業確認の電話をすることにしている。

このお店にも、前もって「今度の○日は営業していらっしゃいますか?」
と 電話で尋ねてみた。
すると、かなりの早口、はっきりとした滑舌による
次の言葉が私の耳を駆け抜けたのだ。

「ハイッ事故事件社会の変動、コロナによる制限がない限り営業いたします!!!!!」

その言葉は少しの澱みもない早口で、イメージとしては
昭和初期の高めの声の男性アナウンサーのような声。
(参考例・前畑ガンバレ(笑))
私は落語に出てくるボンヤリさんのように

「・・・?  いま、なにが聞こえたの・・・?」

と、ぽかーんとしてしまったが、
耳に残った響きを解析してやっと理解した。
それにしても、面白すぎる人が電話に出たぞ!?
女性・・・だったのかな?声の高い男性かな・・・??

何にせよタダモノではないことは
その1分にも満たない電話でも伝わってきた。
そんな人がいるお店、どんなお店なんだろう?
とワクワクしながら当日の夜お店に行った。


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緑に囲まれた静かな佇まいは素晴らしいムード。
壁に自由に大胆に書かれた店名が、何となくあの電話で聞いた声と
リンクするような気もしてくる。

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この中にどんな世界があるのだろう?
とちょっと立ち止まって深呼吸したくなるような
少し緊張感のある扉。

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ところが店内は打って変わって楽しい温かいムード!
店内はすでにお客さんでいっぱいで、どのテーブルも楽しそう。


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メニューは美味しそうなものがたくさんあってもう大変。
とりあえずおそばは細打ちと太打ち2種あるので、
宇宙の真理のように当然両方を食べます!!

定番の蕎麦メニュー、おつまみメニューだけでも迷っちゃうのに
別紙の本日のメニューがまたヤバすぎる。

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ぎゃあああああ
どうすんの!?
(この日一軒目のお蕎麦屋さんならいいのですが、
実はこの日もうすでに○軒目・・・笑)




とりあえず野菜不足になりがちな
蕎麦旅dayなので野菜を食べたくてこちらを。



「海老と豆腐とトマトのサラダ」
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このたっぷりかけられているのはマヨネーズではなく
自家製なのかな、マスタードマヨネーズ?
なかなかユニークな美味しさ。


そして今日は私にしては珍しいものを選んでみました。
日頃、私は、天ぷらは天ぷらだけ、
お蕎麦さんとはお蕎麦さんと二人きりで会いたいので、
普段は天ざるはあまり頼まないのだが
(それどころか天ざるを頼んで天ぷらを先に持ってきて欲しいとかわがまま言ったりする・・・ごめんなさい笑)
今日は、この天ざるのメンバーがあまりに魅力的でつい天ざる を選んでしまった。
柳カレイ、海老一尾、かぼちゃ、舞茸
って、 そそられますよねー!


「日替わり天ざる」
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エビが大ぶりで美味しい〜
そして舞茸のバリバリッぷりは多分私人生一くらい!?
バリバリすぎて舞茸に到達できる気がしないのは初めて(笑)。


お楽しみの柳ガレイは後から揚げたてがやってきました〜

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こ〜れ〜が〜ねーー!!
もう何と言うか、
このメニューを選んだ自分の目の付け所にうっとりしちゃう位の激ウマで!!
(なぜ自分の手柄にする)
でも本当に、 たくさんの本日のメニューの中から
この柳ガレイが一番に目に飛び込んできたんですよねえ〜♡
脂がのって柳ガレイの豊かな旨みが濃厚で最高!!
柳カレイと海老とかぼちゃと舞茸って、
組み合わせが最高すぎませんか?
いや〜〜まいった!ヤラレました!!



そして皆様、先程の天ざるの写真で、お蕎麦見ましたか?
えっ見てないの!?
話を混乱させないようにここまでお蕎麦に ついては、言及せずに書いてきましたが、
私は見た瞬間、ハートを射抜かれて息が止まりそうになりました・・・


だって、これですよ!?

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ぎゃーーーーーーー


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ギャオ〜ン うぎゃ〜〜〜〜〜〜〜!!(壊れた)


これはね、絶対美味しいです。
やばいです。
どうしよう、期待してたけどそれを遥か超えるものがやってきてしまい
心が大津波状態!!
これってねえ〜茨城蕎麦屋あるあるなんですよねえ〜茨城って本当にすごいところだわ〜


箸先から香りを寄せた瞬間、
全身を突き抜ける感動が電流のように走った。
なんと素晴らしい、黒く香ばしい香り!!
甘さも少しあるが重たさも嫌味も全くない、
男性的でたまらなくいい香りだ。
そしてこれだけゴッツゴツの見た目だが
舌触りは意外と優しさを感じるほど。
ザラザラだけどつぶつぶではない、粗挽きの心地よい舌触り。
このバランスがニクすぎる。
惚れた!!
美味しすぎる!!
最高のお蕎麦だあああああーーー!!



ちなみに、太打ちはこちら。

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細打ちとは全く同じおそばで、切り方が違うだけなので
さすがに香りは同じです。
思い切り太くてムッチムチ、モグモグ噛んで食べるお蕎麦。
不思議とこちらの方が粗挽き感を感じない。
どちらかを選べと言われたら、やっぱり細打ちかなぁ〜
でも、どちらも、 味も香りも最高の最高!!


ああ〜 本当に来てよかったあ〜〜〜〜〜




さて、冒頭で書いた謎の電話の声の主であるが・・・

やはり店主の女性の方でした!
帽子を被った姿はちょっと個性的で
溌剌とエネルギーに満ちた話し方もまさにあの時の電話のイメージ。

この方が本当に面白くて、 お客さんは常連の人が多いらしく
後半は各テーブルを回って陽気におしゃべりをしていました。
小耳に挟んだだけでもクスッと笑っちゃった(* ̄∇ ̄*)

常連さんのテーブルだけかと思ったら、私のところにもやってきて
(私が食べた エビの入った天せいろは提供が遅かったらしい)

「エビすみませんねえー
海に捕りにいってたんもんでー!」

と一発私を笑わせて去って行きました(笑)
会計時も笑わせてくれました(笑)





先程、茨城あるあると書きましたが
茨城って本当に名店だらけで困っちゃうんですよね〜〜
命、もといお腹がいくつあっても足りやしない!!(笑)


夢は、1日に一見だけ茨城の蕎麦屋さんに行って
食べたいもの全部食べる♡ことですが
そんな日はおそらく一生来なさそうです・・・

















<h10f10>
posted by aya at 21:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>茨城 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月25日

茨城・つくば「那由他」

 
茨城というところは恐ろしいところだというのは
私が今まで度々書いてきた通りである。

とんっっでもなく美味しいお蕎麦屋さんが
当たり前のようにゴロゴロしているのだから
お腹がいくつあっても足りやしない。
私などは毎回本気で悲鳴をあげている。
あそこもここも、全部行きたいーー!!
(思えば19年前、初めて私が雑誌の蕎麦記事を書くことになった時
 取材先に選んだテーマも”茨城蕎麦旅”でした♡)


そんな超のつく名店だらけの中でも
この店の蕎麦は、やはり図抜けている。

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ずいぶん久しぶりになってしまったが
変わらぬ佇まいにホッとする。


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入り口入ってすぐのクセの強い張り紙。

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仙台・秋保にかつてあった伝説の名店、
「たまき庵」から引っ越してきた張り紙なので
あの方のお顔がチラチラして可笑しくて・・・(笑)



今回私はかなり忙しい時間帯に行ってしまったが
これは帰り際に撮った写真。

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メニューはシンプル、少数精鋭。
それだけに、凄みを感じてしまうほど。

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食事の前にサービスで出されるお豆腐。

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一見、なんの変哲もない一般的な豆腐に見える。
しかし食べてみると、これが実に那由他らしい。
見た目よりずっとやわらかくて、うんとみずみずしく、
それでいて旨味が濃い!
よくある今時の「なめらか系豆腐」のように
やけに甘い感じではないのがまた素晴らしい。
みずみずしく、スッキリと濃いのだ。
体が澄みわたるようなおいしさ!!




そして、蕎麦。

その美しさに、私はほとんど固まってしまった。

東京よりずっと澄んだ空気の中に居るせいもあるだろう。
少し曇った午後のやわらかな窓辺の光のせいもあるだろう。

それにしても、この美しさは全てを超越した世界にある。

「せいろ」

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見入るほどに心ごと吸い込まれ、瞬きを忘れる。

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輪郭線がどうとか、粗挽きとかホシとか、
世の中にある美味しいお蕎麦のいろんな個性を全部吹っ飛ばして、
私にはただただこの蕎麦がとんでもなく素晴らしいということだけが
ズンと伝わってくる。



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箸先から香りを寄せると
案の定ブワーーーッとものすごい濃厚な香りが飛んできた!
フレッシュな青い野生のかぐわしさが素晴らしい。
その野生の中にはちょっひねたウリ系の感じもあるのだが
全てがどこまでも澄んだ青さの中にある。
そして口に含むとさらに感動。
これを完璧と言わずして何を完璧と言うか!!
王道の、最高の食感。
口中で感じる極細の美しい輪郭線・・・それが美しくほどける様がたまらない。
噛み締めるとふんわりしたコシがやさしく受け止めてくれ、
そこから溢れる味も濃い。野生がふくらむ感じ。
もうもうもう、完璧すぎて降参するしかない!!


蕎麦も凄いが蕎麦汁もまた凄い。
がっつりした旨味があるのにとんでもなくスッキリしているところが
ニクすぎる。
お蕎麦の香りを偏愛するあまりお蕎麦はお蕎麦だけで食べたく、
たまに蕎麦汁につけて食べると9割方は後悔でいっぱいになる私だが
(お蕎麦が美味しいほど後悔する)
那由他は、蕎麦と蕎麦汁の調和が素晴らしく、
うわ、これは美味しい!!と納得させられてしまう美味しさであった。


「つけ鴨そば」のつけ汁はこんな感じ。

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これがまたね〜〜!流石としか言いようのない美味しさ。
お肉ごろんごろんでガッツリ濃い旨味!
でありながら単なるガッツリ系ではなく
柚子の効かせ方が絶妙に巧かったり
上質なまとまりがあるところにギャフンである。


経験上、蕎麦と蕎麦湯の美味しさは比例しないことも多いのだが
ここはそば湯も素晴らしい。

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後から蕎麦粉を足したりはしていない、
サラリとした釜湯そのままの蕎麦湯。
でありながら味が濃い!おおおおおいしいぃ〜!!
素晴らしい蕎麦粉を使っているのがわかる最高の釜湯。




食後はサービスでカステラを出してくれた(^o^)。

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いいなあー

和むなあー




今日は久方ぶりのこの店に、楽しみにやって来たのだが
実は私が行った時は運悪く?
スタッフの一人に爆発的にご機嫌の悪い人がいて??
食べたいものが食べられなかったりと、
まあ〜それはそれはかなり稀有な体験をしてしまった。
しかし敢えてその詳細は省き、私は私のこの店への愛を中心に書いた。



その窓辺には、本当に美しい蕎麦があり
私はその蕎麦と美しい時間を過ごした。

心に残る素晴らしく美味しい蕎麦を食べた、
午後の思い出。

やはりここの蕎麦は、茨城の数ある超名店の蕎麦の中でも
私を魅了してやまない蕎麦なのだ。



次回も楽しみに、また来ますねー!







posted by aya at 17:02 | Comment(0) | 関東の蕎麦>茨城 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月01日

茨城・石岡「猪口才」


茨城って恐ろしいところなんです。

蕎麦好きの間では常識とはいえ、
一般的にはそこまで知られていない気がするんですが、
とにかく美味しいお蕎麦屋さんだらけ!
さすがは「常陸秋蕎麦」という
一大ブランド蕎麦を産出する蕎麦どころ。
衝撃的に美味しいお蕎麦を出す店がワンサカあるのだ。


これは私としてはありがたいようで非常に困る話で、
とにかくこちらのお腹はひとつしかないので
どのお店に行こうか迷い選ぶ時の苦しさと言ったらない。

しかも美味しいお店は当たり前だが大人気だし、
時間的にもなかなかシビアなのだ。


こちらのお店も、開店時間に行ったら店前の駐車場は満車!


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まず店名が面白いですよねー
しかもその店名をこれだけ大きく潔く掲げるあたり
店主の個性と才気が早くも垣間見える外観である。


店内にはすでに何組も先客があり
サラリーマンの方や仕事仲間でグループで来ている人もいたが
運良くまだ席はあって案内してもらえた。


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奥の座敷席は、
洒落た衝立もあって落ち着ける空間。



でも実は、もう空間とかなんとかどーでもいいくらいに、
とにかくここのお蕎麦はめちゃらくちゃらに美味しいんです!!


メニューの1ページ目にはこんな胸躍る案内が。

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ああーーーワクワクするぅ〜〜〜〜!! (≧∇≦)



お蕎麦のメニューはこんな感じ。

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「もりそば」のあとには
「単純素朴が最良です」と書いてありますねえ


そしてそして、本日はこんなお蕎麦があるのです!
なんたってこのために、
土日の開店時間に狙いを定めてやって参りました。

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十食限定の「粗挽き十割蕎麦」。
先客もガンガン注文していたようなので超ハラハラ!!
恐る恐る尋ねてみると・・・まだありましたぁ〜!
エーンよかったよう〜〜〜




とりあえずこの興奮のままお蕎麦様に突っ込むのも勿体無いので
まずは何かおつまみを食べつつお蕎麦様をお待ちしたい。
というわけで天ぷらが食べたかったのだが、
ここの天ぷらは量がかなり大サービスなボリュームと聞いていたので自粛。
(しょぼん・・・でもお蕎麦2枚食べたいので仕方ないんですぅ)

もうひとつ狙っていた「そばがき」は夜のみのメニュー。

というわけで、このお店で美味しいと大評判のこちらを選んだら
これまたなんと良心的なボリューム!!

「合鴨ロース」
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まず、680円でこの量が出てくるというところが凄い。
食べてみると最初は、アレ意外と普通?と思ったのだが
食べていくうちスモーキーで濃厚な旨味が口いっぱいにひろがり
おお〜たしかにこれは美味しい!と思い始めた。
クリーミーな脂がたっぷりなのにスッキリしているところも
一切れが薄くて小さいところもいい。
薬味たっぷりも嬉しい♡




そして早くも愛しい愛しい、
会いたくてたまらなかった方の登場となります。

ああ胸が高鳴る!!!!!


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えっ


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えええーーーーーー

これは・・・

なんという肌!

なんという輪郭線!!

見入れば見入るほど、蕎麦粒子の宇宙に吸い込まれそうになる。

食べる前からひれ伏したい。

あなたは美味しい!
絶対に美味しい!!


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すすす凄すぎるーーーー!!!!

もうこれ以上ないくらい期待しまくっていたが、
それを軽々超える爆発的な香り。
ナッツや胡麻を思わせるような、熟成蕎麦が持つ香りがふんだんに漂っているが
全く嫌味のない美しいかぐわしさ。
そして見ての通りのこの粗挽き感。
(これは「粗挽き蕎麦」でなく「せいろ」なのにこの粗挽きっぷり!!)
口に含むと、最初はとてもしっかりくっきりした舌触りで
そのツブツブ硬めの輪郭線からかなりの粗挽き感を感じたが、
噛み締めるとコシがあり食感としての硬さはなかった。
それが食べ進むうちにどんどんやさしいやわらかい舌触りになっていき
同時に甘みの膨らみ方もものすごいことに。
食べ進むうちにどんどん濃くなり、
甘味も香りも爆発的といっていいレベル!

ああ〜もう溶けそう・・・

最高です、ただただ最高・・・




「粗挽き十割蕎麦」(土日のみ、10食限定)

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うわあ〜〜

「せいろ」より、粗挽きっぷりが確かにパワーアップしております!!

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箸先から香りを寄せると
予想通り香りはこちらの方が弱い。
(というかさっきのが凄すぎた!!そして粗挽きの方が香りが出にくいのはあるあるなのです)
しかしその香りの質がとんでもなく素晴らしい。
静かな香ばしさと、微かに爽やかさもまとった野生感。
しかも口に含み噛み締めると、穏やかな香りが突然爆発、
なんとも言えない香ばしさがぶあああああと溢れ出して目が覚めるよう!!
粗挽きらしいザラザラした肌で、こちらも最初はかなりしっかり目の輪郭線だったが、
噛み締めるとコシあり硬さはなく、これもどんどん優しい食感になっていった。

はああああ・・・

猪口才さんヤバすぎます・・・

私、今日ここまでどうやってきたか忘れそうなほど
頭が蕎麦色に染まりすぎてこのまま溶けそうです・・・



さらに凄いことに、ここでは大発見がありました。

常日頃からお蕎麦を愛しすぎて
お蕎麦と向き合う時は最初から最後まで完全に二人きりになりたくて
蕎麦汁を一度もつけられない私。
たまーに試しにつけてみることもありますが
やっぱりお蕎麦だけで食べるより香りも味もかなり感じられなくなるので
大抵「やっぱり二人きりがよかった・・・」
と後悔しちゃうんですよね。


でも今日は、ここのお蕎麦の爆発的な香りにビックリした上に
途中で舐めてみた蕎麦汁がまたやたらと美味しくてですね〜
これはもしや・・・?と、蕎麦汁につけてみたのです。

海の出汁がゴンとたっぷり入っていて、
濃厚な旨味と甘味、辛味がそれをバランスよく支えている感じの美味しい汁。

お蕎麦をつけてみてさらに仰け反りました。
こんなに旨味濃厚な汁だというのに
それを余裕で乗り越えてバンバン香ってくるお蕎麦のかぐわしさ!
ええ〜〜ここのお蕎麦と蕎麦汁ならつけて食べてもいいかも!?
とびっくりしたのでありました。
(でも次回もほぼ全部お蕎麦だけで食べたくなっちゃうと思いますが・・・)



もうメロメロ腰砕けの私に追い討ちをかけるように
蕎麦湯まで常軌を逸したとんでもない美味しさ。

底の方に溜まった蕎麦粒子のものすごさをご覧ください。

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いやもう、これとんでもない美味しさなんです。
蕎麦粉の素晴らしさ、挽き方の巧さがバレバレでございます。
底にドロドロ沈んだ粗挽き粒子達の美しさよ!!
先程食べた「粗挽き蕎麦」がそのまんまここにあるみたいな蕎麦粒子達だ。
つい「こんなのタダでいただいては申し訳ない」という気持ちになり
珍しく、寝言でも叫べそうなほど言い慣れた
「蕎麦湯お代わりいただけますか〜」
という台詞は飲み込んできました(^^;)



ジャズが流れる店内。
昼時につき相変わらず忙しいが
奥さんは甲斐甲斐しく動き回りつつ
一人一人にとても感じ良く接客している。

聞いているとどうも
「納豆おろし」と「天もり蕎麦」が人気らしい。

絶対美味しいんだろうな〜 気になるーーーー!!
ああ近所の人が羨ましい。





茨城の人は、幸せだなあぁ〜〜〜










posted by aya at 14:01 | Comment(0) | 関東の蕎麦>茨城 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月06日

茨城・河内町「長竿亭」


「茨城のどこにあるの?」と訊かれても
うまく答えられた試しがありません。

こう言ってはなんですがどの駅からも遠く、
「とにかくなんにもないところ」なんです。


だからこその、贅沢な時間。

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店もない、駅もない、本当〜〜〜に何もない田んぼと畑と住宅街の奥に現れる立派な門構え。

「長竿亭」はかつて長竿村と呼ばれたこの地区の
「旧・長竿家」の建物で営まれている蕎麦屋さんなのだ。



店の前では「手打そば」「江丹別そば」の幟が
のんびり風に吹かれている。

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本日はとある「打ち合わせ」でここに来た私。
すでに360度濃厚な茨城弁に包囲されております。
方言好きの私はもうメロメロでございます。
しかも男性ばかり!
この辺りのことならなんでもプロフェッショナル!な
河内メンズ(じいちゃん達)のご案内で中に入ります。


門に掛けられた鮮やかな暖簾は
開店日にもお祝いに訪れたという白鵬関からの贈り物。
それも凄いしじいちゃん達の案内が素敵すぎるしで
思わずニコニコニヤニヤしながら門をくぐると

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わあ・・・美しい・・!!
門構えでも驚いたがさらに素晴らしい眺めに見惚れるばかり。
「いやぁぁ〜ヒャクショウだもの〜、
オレラが小さい頃はここらの家はみんなこんな、
おんなじ形だったんだよぅ〜〜」
と濃厚茨城弁で解説いただきましたが
東京モンからみるとものすごい建物、屋根、庭なのであります。

こんな立派なお蕎麦屋さん、どんななんだろう!?
高級系なのかな?
・・と思いつつ店内に入ると、
中は近所の常連らしいお客さんや家族連れで大にぎわい。

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(帰り際に撮影)

ここがメインとなる入り口入ってすぐの客席ですね。


奥には囲炉裏席の個室もある。

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本日の打ち合わせはこの部屋で行われるのだが
それはそれはご親切で楽しい河内メンズたちに手厚くご案内いただくうちに
「打ち合わせ」という言葉は私の中でだんだん消えていき
「村の寄り合い」というワードに変換されて来た。


そのさらに奥にはビックリ広〜〜い三間続きの大広間も。

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大広間からのお庭の眺め。
さっきくぐって来た門が見える。

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このほかにもテーブルがたくさんある洋室の客席もあり
空間が広いのでどのお客さんものんびりと楽しげな時間を過ごしている。


こんな素敵なお店がですよ・・
さあみなさんメニューを見て一緒にびっくりしてください。
高級系どころか!

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手打ちの「もり」が500円って!
「海老天300円」「季節の野菜かき揚げ天200円」って!!
しかも「卵かけご飯 200円」ってのもたまりませんよね〜(大好物♡)
うはははは〜
河内町、ほんといいトコだねえ〜〜〜



しかもここはお蕎麦だけではないのだ。

「長竿亭」は土日ともなればとんでもなくたくさんのお客さんが詰めかける
知る人ぞ知る地元の大人気店なのだが、
それだけ忙しい店でありながらなんと店主は二足の草鞋なスーパーマン。
お豆腐と湯葉でこれまた有名な「豆庄」の経営者でもあるのだ。
いつ寝てるんだろう??

この「豆庄」がまたすごい店でしてね・・

澄んだ豆の味わいを楽しめる「豆腐」。

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「おぼろ豆腐」
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なにより私のオススメはこの「湯葉」!

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味の濃厚さととろとろ過ぎないとろとろ感、ミルフィーユな皮膜感、
全てのバランスが最高!
こんな美味しい湯葉は近年食べたことないくらい美味しい・・・!!

これらはメニューにはのっていないが
お土産コーナーに売っているので頼めばお店でも出してくれるのだ。
その他「豆庄」では「丸ゆば」というヒット商品があり
それはモッツァレラチーズのような使い方もできる名品である。



そして気になる
「海老天300円」「季節の野菜かき揚げ天200円」
であるが、本日は囲炉裏席でのグループにつき
こんなものすごい盛り合わせでやってきた。

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東京ではまずありえないものすごい量だがこれでもおそらく1400円である。
(海老天2、かき揚げ2、舞茸2)
こんな大皿のごちそうが囲炉裏席にドカンドカンといくつも置かれた様子はまさに田舎の醍醐味。
人数に対して明らかに多すぎると思うのだが
バリンバリンで美味しいのでついぱくぱく食べてしまう(≧∇≦)
この天ぷらがまた時間が経ってもバリンバリンなので「村の寄り合い」が長引いても
いつまでも美味しくスナックのように食べられる。


そしてここの店主はよほど手が早い人らしく
天ぷらでもなんでもあっという間に出てくるのだからすごい。
お蕎麦もうキターーー!!


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うわあ〜美味しそう〜〜
そして天ぷら同様お蕎麦もかなりの量である。


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ふわ〜っと濃厚に香る野生の香りにまずときめく。
外の幟に「江丹別そば」とあった通りいかにも北海道らしい野生だ。
それに加えなんだか男性的な香ばしさがあるのが素晴らしい。
二八の甘ったるい感じがなく、食感もガッチリしっかり固め。
噛みしめると深い美味しい味がする。
たまたまかもしれないがこの蕎麦は時間が経った方が美味しいかも?
時間が経ってものびた感じはなく
もともとがかなりガッチリ系なのでそのくらいがちょうどいい。
その頃には甘みも深まってくる(この蕎麦は甘くなくてもおいしいが)。



またここの蕎麦汁には「おおおっ?」と反応してしまった。
こっくりと思い切り濃く甘さもしっかりなのに、重くなくすっきり感すらある美味しい汁。
こ〜れ〜は〜〜(ニヤリ)。
かつて「こんな不思議な大阪の名店」などでも出会った
「アレ」が合っちゃう汁では???

うううーーん!
ここはどうしても「アレ」と合わせて食べてみたい・・
でもここのお蕎麦は1枚500円でありながらかなりのたっぷり盛りなので
1枚食べただけですでにお腹いっぱい。

でも・・でも・・
やっぱりどうしても「アレ」が気になる!!


じゃーーーん

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うははははは やってしまいました。
「もり」の「生卵トッピング」!
この卵がまたぷっくりと高さのあるいい〜卵。
そしてやっぱり思った通りこの汁と生卵はめちゃくちゃ合う!
おいっしーーーー!!
生卵かけご飯好きと蕎麦好きの見事なコラボレーション、
ってもう美味し過ぎて言ってることがめちゃくちゃです。
この私が珍しく蕎麦猪口を使って汁をつけてお蕎麦をすすっております。
うう・・・おいしい・・・ものすごくお腹いっぱいだけど止まらない・・・・



こんなに美しい田舎屋で、1日濃厚な茨城弁にまみれながら笑いっぱなしで、
日帰りとは思えないほど田舎を満喫している私。



11月が、ますます楽しみ〜〜〜っ(≧∇≦)/
(くわしくは次回ブログにて!)






posted by aya at 13:55 | Comment(1) | 関東の蕎麦>茨城 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月16日

茨城・牛久「季より」


面白い店だろうなと思ってはいたが本当に面白い店だった!


はるばる電車に乗ってやってまいりました牛久駅、
そこからさらに歩くこと1kmあまり。
しかしこのあっという間さはなんでしょう。
私にとって会いたいお蕎麦に会うまでの時間は喜びでいっぱい、
距離感などは無に等しい。


庭木も立派な、大きな店構え。

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この中にどんな蕎麦世界があるのか・・・
うう〜〜ワクワクぅぅぅ〜〜〜(≧∇≦)



アプローチに一歩入ると早速なんとなく不思議さが漂う。

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玄関はまだ見えないが奥に橋のような?ものが見える。



その手前の庭には季節のお花が植えられていたり
タヌキなどの置物があったり。

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植木屋さんが整えたキメキメの庭ではなく
手作りの趣の可愛らしい庭だ。



著莪。

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橋のように見えたもの。

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この先に入り口があるらしいのだが・・・


えっ?

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これ??
勝手口か、使ってない扉にすら見えるんですが
ここを開けてもいいんですか?

さすがは「竹やぶ」出身の店主の店である。
玄関を入るまでに一度は「注文の多い料理店」がチラと脳裏をよぎるこの感じ!(≧∇≦)


おっかなびっくり古い木の引き戸を開けると
これまた予測不能の摩訶不思議空間が現れた。

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幅のある大きなサッシ扉。
赤絨毯にペルシャ風玄関マット。
入り口を入ったところは
待合スペースとなっているらしい。
お蕎麦屋さんとしてどこにもない、なんとユニークな玄関!




客席スペースも独特の雰囲気。

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畳に重厚なテーブルセット。
椅子はこれまた赤いベルベットが張られたもの。



つい最近完成したという玄関脇のカウンター席も赤絨毯だ。
うーん独特!

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ところが奥を覗くといきなりひっそりとした古民家の趣である。

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わ〜どんなお部屋があるのかな?



完全な洋間のお部屋もあった。
素敵な個室!

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案内されたのはさらに奥、
アンティークでこれまたちょっと不思議なムードのお部屋。

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畳に黒革張りのソファ。
押入れだったらしい部分には本棚やライトが設えられ
よーく眺めるとどこをとっても当たり前でないのが面白い。


簾のかかった窓の外からは
東京ではまだ聞かない虫の歌声が涼やかに聞こえてくる。

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素敵なゆうがた。




夜の「季より」はコースのみ。
お酒メニューは壁に張り出されている。

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今日は夏のように暑いので、
まずはハートランドでかんぱーい!

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いよいよコースのはじまり、楽しみ〜
と、のんびり構えていたら
これまたびっくりなトップバッターがやってきてしまいました。


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なんと「そばがき」でスタートとは!!
まず最初にお蕎麦さんと会えちゃうなんて
ああ〜〜なんだか嬉しいやらもったいないやら・・(≧∇≦)

わあーい!

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うわあああ
なんという・・・

もはーーっとふんだんに香る、たまらないかぐわしさ。
これ以上ないと思えるほど青くフレッシュで美しい最高の香りが
私の全身を駆けめぐり脳を射抜く。
食感がまた素晴らしく、そっと唇に触れると
触れたか触れていないか一瞬わからないほどの柔らかさ軽さで
微粉のとぅるんと軽くエアリーな恍惚宇宙にうっとりと引きずり込まれる。
うう・・しょっぱなからこんなに素敵な方に会ってしまい
なんの心構えもできていなかったはいきなり耽溺泥酔へなへなである。
最初の一皿でここまで私を溶かしてしまうとはなんというお店・・・

これはもしやというか絶対、常陸秋そばなのでは??と思ったらやはり。
真壁の常陸秋そば、素晴らしいですね〜〜!



そして一皿目でこれだけへなへなに溶かされてしまったところに
容赦無くこんなものすごいものがやってきてしまいます。
もう私は無抵抗です。
だってだって、こんなのって・・・・

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嬉しすぎてどうしていいかわかりませんっっっ!!!
どこか山の上に駆け上がってヤッホォォー!!と絶叫したいくらいのこの美味しそうさ。
ひとつひとつを見入るほど
あまりの美味しそうさに顔のニヤニヤが止まらない。
こんな素敵な前菜見たら誰だって嬉しくてそうなりますよね!!??

焼き芋冷製スープ
竹富島のもずく酢の物
蕨のおひたし
菊芋はりはり漬け
切り干し白和え
黒千石大豆
スナップえんどう
新玉ねぎピクルス
なめこ
こごみ胡麻和え
筍煮
丸大豆のたまり醤油おひたし
菜の花おひたし
ミニトマト生姜マリネ

お〜い〜し〜い〜〜〜〜〜!
どれもこれも、研ぎ澄まされたシンプルな調理法で素材の味わいが生かされ
しみじみと体に染み渡るように美味しい。
素材の味が一番好きな私がまさに大好きな世界!

嬉しさ余って違う角度からもう一枚(≧∇≦)

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竹富島のもずくの食感、味わいの素晴らしいこと!
菊芋の食感はまるで生姜のようにたくましく噛みしめるほどに美味しい。
切り干し大根の白和えは私もよく作るのだが
さすがはプロの味、クリーミーで贅沢な美味しさ。

何と言っても驚かされたのは真ん中の「焼き芋冷製スープ」。
お菓子のように甘くカスタードクリームのような味がするので
よく考えたらバニラが効いていた。
ところが店主に尋ねてみるとバニラもクリームも一切使っていないという。
材料は紅天使という薩摩芋と、牛乳と藻塩と胡椒だけ。
え〜〜〜!?騙したつもりはないでしょうがすっかり騙されました。
この香り高さ、贅沢な厚みがそんなシンプルな食材から生まれたとは信じがたい。
それだけ食材も腕も素晴らしいということだろう。



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壁には「しぼりたて生原酒季節限定」としか書かれていないが
訊けばもちろん今出しているお酒の名前も教えてくれる。
で、聞いたんですが、聞いたんですが・・・
前菜の興奮がすごすぎて忘れちゃいました! (* ̄∇ ̄*)
私にはちょっとオトナながつんと深い味わいのお酒。


「浅利と蕎麦の実のおじや」
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蕎麦は蕎麦粉にせず実のまま煮たり炊いたりすると
香りが感じられず私にとっては蕎麦度が低い食べ物になるのだが
このぽこぽことした形の可愛さ、素朴な風味はやはり愛しい。

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磯の香りがふわーっと香り、塩気は浅利だけというナチュラルおいしいおじや。



蓋つきの雅な器がやってきた。

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なんだろう??


「車海老の出汁の茶碗蒸し」
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えーっ
車海老さんはどこにもいません。
すくってもすくってもどこもにいません。
なのにこの香り高さと旨味はニク過ぎる。
もう私ごと車海老に抱きしめられているかのような(怖い)
濃厚な旨味と香りの海!!!
ふるふる〜〜とやわらかくあたたかく、
これは素晴らしくおいしい〜〜〜


「千葉のジャージー牛の時雨煮」
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見た瞬間もうほとんど頭にきて?ゲラゲラ笑いながら店主に言いました。
「ちょっとぉーーー!!」
こんなの美味しそうすぎて反則すぎます!
千葉のジャージー牛ってのもすごそうだし、
そこに事もあろうに温泉卵をつけてくるとは。
そんなの美味しいに決まってるじゃないですか・・・
えーんえーん


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ウッ
やっぱりおいしい・・・おいしすぎる・・・
これ、この10倍くらい食べたい!!
ほんの一瞬でもこの私にこの後の蕎麦のことを忘れさせそうになる温玉威力、すごすぎる。



「自家製おぼろ豆腐」
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一見普通なおぼろ豆腐。
でもこれまた当たり前でないのが、「季より」。




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硬さを感じるほどずっしりネトーーーッ、超濃厚な質感。
見た目からは想像できなかったが
この感じはまるきりクリームチーズだ。
沖縄のにがり使用のせいか味わいも独特で、
出汁が入っているんじゃないかと思うほど味が濃い。



「沖縄の車海老の天抜き」
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個室と厨房が離れているせいか
走り込むように店主が運んできてくれた天抜き。
一目見て、その見事な衣に驚き呆れる。
まだ食べてませんがこの天抜きは美味しすぎます!!
この店主すごすぎ!
ところが私の興奮以上に店主が熱くなっていて、添えられた汁を今すぐにかけてくださいという。
なるほど、慌てて運んで来てくれた訳がわかった。
でもこれだけ見事な衣はまずはそのままサクッとパリッと食べたいな・・・
と惜しいような気持ちも拭えなかったが
もともとこれは「天ぷら」ではなく「天抜き」である。
作った人の熱い思いと意図はそのままいただきましょうと
素直にハイッと返事をしてエイヤと汁をかけました。

ジュッワ〜〜〜!



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もう、言葉はございません。
美味しいにもほどがあります。
これ以上の天抜きがこの世にあるとは思えません。
沖縄の車海老の見事な大きさ、プリプリの食感、香り高さ。
それを包む衣は見た目の通りの素晴らしい美味しさで、
もうもうもう、お蕎麦の前にこんなグデグデにされては、私・・・


お蕎麦に会う時は心澄ませて、捧げるように会いたいのに。

き、きちゃった!

すごいっっ

「手挽き石臼もり」
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つい今まで色とりどりの美しい前菜やら天抜きやらで賑やかだった盆の中が
一瞬にして澄んで静まり返る。
それは、一年のうちで私が最もテレビに注目する一瞬、
「紅白歌合戦」から「ゆく年くる年」に切り替わる瞬間にも似ている。


私の心を奪い離さないこの圧倒的な眺め。

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まず目を奪う無数の粗挽きの粒達。
超がつくほど繊細な極細でありながらこれだけの粒感、
その震える輪郭線がたまらなすぎる。
この粒ひとつぶひとつぶが手で挽かれたと思うと
全ての粒を目にしたいと思うほど愛しい。
ふーっと漂うフレッシュな香ばしさ。
口に含むとしっとりザラザラさらさらほろほろぷるぷる〜
極細平打ちの食感はどこか寒天にも似た独立感があって
はかないまでの繊細さながらほろほろくっきり。
そっと噛みしめると優しいコシが迎えてくれるのがまた素晴らしい。
味わいは白く上品で甘さはなくすっきりと澄んでいる。
おおおおおいしい・・・・すばらしすぎる!!
北海道キタワセなど4種類をブレンドした蕎麦。



「水腰蕎麦」
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わわ、今度はそそり立つような小山盛り!
水腰蕎麦は高さを出して盛ることが多いけど
この球体に近い盛りもいいなあ〜

ちなみに「水腰蕎麦」とは「仁べえ」の石井さんが生み出した
加水率がめちゃくちゃ多いお蕎麦のことである。
なぜこの「季より」で水腰蕎麦?と思ったら
「食べて美味しかったので絶対僕も打ちたくなって、教えてもらったんです!」
と目を輝かせる店主。
美味しいものに対してただひたむきにまっすぐな姿勢。
それこそがこの素晴らしき「季より」ワールドを作っているのが
よくわかります〜〜(≧∇≦)/


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シャープに香るさわやかな野生の香り。
こちらも驚くほどの極細だが、さすがは水腰蕎麦だけあって
しなやかでなめらか、見事なつながりだ。
味わいは・・と恍惚と見つめようとしたところに事件?発生。
なんだかジーーッと視線が・・・
アッ汁つけて食べてないの、店主に見つかっちゃった!(* ̄∇ ̄*)

「汁つけて食べてくださいよ〜」
は、ハイ!そうですよね、そうですよね!
私はどこでもお行儀悪くお蕎麦には汁を全くつけず最後まで食べてしまうのだが
それはお寿司屋さんに行ってネタだけ剥がして食べているようなもの。
良い子は真似してはいけません、私も見つかったからには汁つけて食べます!
(でも内心は、ええ〜〜つけるのぉ〜〜〜そのまま食べたいな〜〜〜と思いつつ)

汁をつけてひとくち。

( °o°)



( °o°)

( °o°)

ナンデスカこの汁のおいしさはっっ!?!?

ありえません。
こんな美味しい汁にはひっさびさに出会いました。

私は蕎麦を溺愛するあまり蕎麦と私の間に入るものは水すら空気すら敵視するようなところがあり
先述の通りいつも汁はつけずに蕎麦だけをそのまま食べ、
たまには汁つけてみよっかな!とつけて食べるとやはり
蕎麦と私の愛の世界を邪魔されたような気持ちだけが残って終わることがほとんどである。

しかしここの汁はなんでしょう?
澄んだ出汁とこっくりとストレートな旨み、
それが素直にまろやかにすとんとおさまっていて
どこがどう他と違うのかわからないのだが
私にとっては蕎麦と私の世界の邪魔をしないどころか
より一層の厚みと深みを持った別の世界に連れて行ってくれるような
もう何言ってんだか全然わからないでしょうが
とにかく素晴らしくおいしかったのです!!



「醤油が美味しいんですよ〜」

と店主は楽しそうに笑う。
聞けば福岡のおいしい醤油に出会ったのが運命だったらしい。
この醤油、確かにものすごーーーく美味しくて私にとっても運命の出会いだった。
腕も素晴らしいのだろうが素材を見極める力も本当に大切だし
素材の味わい好きの私としては素材万歳!である。




そしてまたここで事件発生。
今度は嬉し泣きの事件です。


「ハッピーバースデ〜〜♪」

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えええーーーー!
当日はお誕生日ではなかったため全く、これっぽっちも予想して居なかったので
もうもうもう、涙出そうに嬉しいサプライズ
ありがとうございます〜〜(T_T)
「季より」特製、ジェラート盛り合わせ♪
(はちみつのジェラートが特に店主のオススメです〜)


嬉しさ余って飾りのもみじを
黒革ソファに「バースデーツリー」として植樹する私。

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(≧∇≦)/ (≧∇≦)/ (≧∇≦)/



食後は、お抹茶・・ではなく
抹茶碗で飲むコーヒーというのがまた「季より」らしい遊び心。


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入り口に入るまでに「注文の多い料理店」がよぎった数時間前。
そこからめくるめく楽しい世界に連れて行かれて
その全てが私のお腹に入っちゃったと思うと幸せ過ぎて可笑しい。


東京からはちょっと距離があるが
こんな時間に出会えるのなら・・・・


私にとって会いたいお蕎麦に会うまでの時間は喜びでいっぱい、
距離感などは無に等しいのだ。





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2017年04月20日

茨城・境町「蕎楽」


日本一の蕎麦浮気者でありたいと思っている私は
方々のお店で恋に落ちてはレンズ越しに愛の言葉をつぶやき
恍惚耽溺泥酔の危険な日々を送っている。

しかし私がこのお店をどれだけ好きかと言ったら・・・
筆舌に尽くし難いとはこのことだろう。

とにかくここの店主はまったくもってフツウの人ではないので
そのお蕎麦の美味しさは宇宙一級のとんでもないことになってしまっている。
でありながら店の雰囲気は泣けるほどほのぼのとしているのだから
私は行くたびにその魅力にあらためて驚かされヘナヘナのメロメロ、
もういったいこの愛をどうしてよいやら・・・

ここの店主がどんなにフツウでないかはこちらを参照いただくとしまして
http://ayakotakato.seesaa.net/article/179722349.html

春風に乗ってやってまいりました、
大好きな大好きな「蕎楽」!!

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春風に乗ってと簡単そうに書きましたが
私の家からこの店までの道のりはかなりすごいことになっている。
何せ最寄駅がないと言ってもいいくらいの場所にある「蕎楽」ですから
決して便利なところとは言えません。
しかしそんなことはどうでもいいと断言できるほど
すんんばらしい世界がこの扉の中にはあるのですよ〜〜〜


まず入り口に入ると「本日のおすすめ」の看板。
「ゆり根のかき揚げ天もりそば」美味しそう〜〜♡
ん?その隣の72万円って??

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なんと入り口で石臼の販売が行われております(* ̄∇ ̄*)
「蕎楽」はお蕎麦屋さんだけでなく「石臼研究所」として
石臼の製作でも全国に知られた存在なのだ。
http://www.kyouraku.jp/ishiusu/index.html
石臼研究所の奥にお蕎麦屋さんがあるみたいで面白い〜


広々とほのぼのと、居心地がいい店内。

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今日は楽しいでこぼこ三人組でやってきましたので
珍しくお座敷にしてみました♡

「季節のおすすめ」メニュー
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うーん入り口でも見た
「ゆり根のかき揚げ天もりそば」
に惹かれる〜(って毎回惹かれてるんですが)
でも天もりそばにすると天ぷらとお蕎麦がいっぺんにきてしまい
心が千々に乱れてしまうのでやっぱり単品で「ゆり根のかき揚げ」にしよう。


だってねだってね、
私は「蕎楽」のお蕎麦が本当に本当に大好きなんです。
ああああ メニュー見てるだけで涙出そう・・

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初めての方はパッと見てもなかなか把握しづらいかもわかりませんが
素晴らしいお蕎麦が3種類もあります♡
「彩美そば(九割)」
「全粒そば(九割)」
「十割そば」

もちろん今日も全種類いきます!!

その前に・・・♡

「ゆり根の天ぷら」
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気がつけば来るたびにオーダーしているこちら。
「蕎楽」の天ぷらはハリンハリンでかる〜い!
うーん、これはお蕎麦と一緒に食べたらさぞ美味しいだろうなと思わせる
まさに「天もり」向けの天ぷら。



「鴨のロース焼き」
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脂も上品でしっとりとやさしい鴨肉。
意外とこれはここで頼むの初めてかも♡


「舞茸天ぷら」
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舞茸の天ぷら大好物につきこちらも必ず頼んでしまうメニュー。
これもかる〜く衣が飛び散るようにハリンハリンのパリッパリ!
しかも時間が経ってもずーっとパリパリのまま質感が変わらないのがスゴイ。



「そばがき」
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湯気の向こうに、もったりまるく柔和な表樹。


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湯気にのって静かに漂う、王道の誠実な蕎麦の香り。
ふっくらもちぽてっとした舌触り、重くも軽くもない中庸の食感で
ほんわかと穀物の旨みが広がる。
見た目の通りのやさしいそばがきだなあ〜〜



そして・・・・ついに!


「彩美そば(九割)」
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うわああ なんという美しき緑、美しき肌。
あなたに、会いたかった・・・・



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静かで力強い穀物の香り。
香りの濃さとしては思ったよりは濃厚ではないのだが
なまなましさも感じるほどのたくましさなのでかえってすっきりとしたたくましさでいい。
ところが口に含んでびっくり。
ぶわっーーーっとあふれ出すように味が濃い!!
穀物の旨みというものがジワジワと目に見えるように舌全体に押し込まれてくる。
おーもーしーろーいー!!
食感がまた素晴らしい。
ざらざらとした粗挽きの肌は密度が薄いような独特の軽さがあり
噛みしめるとハッとするほど素晴らしい「やわらかなコシ」がある。
「コシってこういうものでした!」と思い出させてくれるような王道の最高のコシ。
いっや〜〜  なんでしょう、この全体の強烈な魅力!

もう〜ほんとに「蕎楽」はすごい、すばらしい、だいすき・・



「全粒そば(九割)」
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こちらは殻をむいた蕎麦の実全てを石臼で挽いた蕎麦。
ぐっと黒く太いが、よくある挽きぐるみの蕎麦とは一線を画す雰囲気が漂っている。
だってこんなに太くたくましいのになんだか軽やかそうな・・・


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箸先から香りを寄せて目がかっぴらく。
ダシ!?塩分??とすら思える超濃厚なかぐわしさ!!
ナンデスカこの香りは!?!?
もう〜〜香りだけで「蕎楽」のフツウじゃない素晴らしさが嬉しくて
笑い出したくなるほど。
食感は見た目から感じた通り独特の軽さがあり、
かなりの太打ちだがむっちむっちというにはやさしい、
むっちんむっちんぽわんぽわんと軽く弾むようなコシ。
しかもこれだけ軽い食感だと全体に薄いイメージになりそうなのに
香りと味は超濃厚という驚きのバランス。
こんなお蕎麦食べたことない!
店主によると今日のお蕎麦は3種類とも常陸秋蕎麦だが
このお蕎麦だけちょっと違う畑の蕎麦らしい。



「十割そば」
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うわあ・・・・
これは大変なことになっております
なんという肌!!なんという輪郭線、表情!!
これはもう絶対にとんでもなく美味しい。
どうしよう。

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あああああ

ああああああああ

そのルーブル美術館展示級の美しさもさることながら

なんという、なんという、素晴らしいかぐわしさ!!
天国のように美しいフレッシュな青緑の香りに一発目から脳が侵される。
これ以上はない、これ以上はない、と
食べる前から首をブンブン振って念仏のように唱えてしまったが
この蕎麦の有り余る魅力が私の全身を駆け巡って
座ったままぴょんぴょん飛び跳ねそうなくらい挙動不審が止まらない。
(まだ食べてません)
香りだけで一人の人間をこんなにおかしくする、その破壊的なかぐわしさに身を委ねたまま
口に含んでさらにシビれる。
極細切りの極粗挽き。しっとりみずみずしく柔らかい、のびるようなコシ。
(十割でこの質感ってありえない!!)
それらすべてが宇宙最高の香りの中にあり
私は完全に恍惚宇宙から帰ってこられなくなった。
この蕎麦の香りと粒子たちが私の全身を星のように駆け巡り
もうなにがなんだかわかりません
多分美味しいって30回以上言っちゃった

ちきゅうのみなさんさようなら

おおおおーーーーん・・・・・





これだけ私を無意味な液体のようにしてしまった「十割そば」であるが
実は食べたのは三分の一枚である(3人で分けたので)。
たった三分の一枚で一人の人間をここまで破壊できるパワーもすごいが
私たちとしてはもうちょっと食べたい思いもあり
これに目をつけました!


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私は天ぷらが乗った冷やしぶっかけが大好物!
しかも「蕎楽」の天ぷらはサックサクで本当にお蕎麦に合うので
これは食べたいですよね〜〜〜

下にあるようにお蕎麦を「彩美」「全粒」「十割」を選べるのだが
これも迷った。
「彩美」の強烈な味わいと粗挽き感で食べるのもいいし
「全粒」のあのものすごい香りとむっちんむっちんの食感と絡めて食べたい気もするし
「十割」・・ああ私をあそこまで破壊した「十割」・・・
ええ〜〜そんな贅沢しちゃうんですか〜〜・
あんな宇宙最高峰のお蕎麦をぶっかけで食べちゃうなんて勿体無い気もするが・・


えい!
今日は楽しいでこぼこ三人組で笑いっぱなしの楽しい日だから
行ってしまえ〜〜

「桜ちらしそば(十割)」
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すごい!!
たっぷりの海老で美しい「十割そば」が見えない。
この、肌が見えないもどかしさと美味しそうさ・・
またまた食べる前からたまらない〜〜


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これまたとんでもなくおいしいーーーー!!!
桜海老の香りが超軽やかにふわあーーーー。
食感も超軽やかにサックサク。
それがしっとりとした粗挽きの十割そばと絡んだら
美味しくないわけがありません。
お腹は結構いっぱいだったのに三人揃っておいしいおいしい言いまくりながら
瞬く間に奪い合うように完食してしまいました(≧∇≦)



全身全霊を捧げ愛に生きた時間の余韻を、蕎麦湯で溶かす。

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この時初めて蕎麦汁を味わったが
「蕎楽」の汁は鰹がしっかりと効きつつ
どこか枯れた小慣れた印象にまとまっていて大変に美味しい。



デザートは
「そばアイスクリーム」
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あまりにも美味しいものの連続、感激の連続で書くのが最後になったが
ここはお店の方々の人柄も、その美味しさに負けないくらい素晴らしい。
私はこの店に来るたびにその全てに骨抜きになってしまい
この愛をどうしていいかわからなくてただただ遠吠えするしかない蕎麦犬である。

こんなにも、こんなにも素晴らしき名店が、
茨城県境町というのどかなところでこんなにのどかにほのぼのと営業していることが
私には奇跡のようにすら思える。


美味しいお蕎麦を食べたい方!
ぜひぜひ、一度「蕎楽」さんに行ってみてくださ〜〜い

恍惚宇宙のブラックホールに落ちないように、ご注意(≧∇≦)/



(帰りにこんな素敵なところに連れて行ってもらいました♡)
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2011年1月の「蕎楽」






posted by aya at 07:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>茨城 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月06日

茨城・久慈郡大子町「月待の滝 もみじ苑」


茨城県久慈郡大子町にある「袋田の滝」。
日本三名瀑のひとつに数えられているだけあって、
その高さ120m・幅73m!

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(゜O゜) すごい。




その「袋田の滝」からも車ですぐの、久慈川と八溝川の合流するあたりに
「見落し八景」と呼ばれる奇岩、絶壁、淵などがある。
中では最も「見落とされにくい」のが「月待の滝」だ。
「もみじ苑」はその「月待の滝」に隣接した蕎麦屋である。


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道路から建物は見えないので見落としてしまいそうだが
赤い毛氈の腰掛が目印。


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目鋭い方は「日本一やさしい裏見の滝」ってなんじゃい、
と思われたことでしょう。

「月待の滝」は滝の裏に回って見ることができる「裏見の滝」。
裏見の滝は国内に数あれど、
「アクセスの良さ」「「駐車場からの近さ」「滝付近の足場の安全さ」
などを考えると、ここは日本一「やさしい」滝なのだそうだ。

確かに、道路から少し下るとすぐに店が見えてくる。

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店舗は2階建てになっていて
それ以外にも茶屋のような離れの建物が。

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こんな観光地らしい雰囲気の店となると、
まあ普通はあんみつとかソフトクリームとかがあって、
蕎麦屋とはいってもメニューに焼きそばとか冷やし中華まであったりするものだ。

そのとおり、この「もみじ苑」のメニューを見てみると、
そばメニューの他に
「フルーツパフェ」「あんみつ」「滝見だんご」「コーヒー」「クリームソーダ」「流しそうめん」
などなど、観光地らしさムンムンである。



しかしここの蕎麦を見くびってはいけない。

何しろ店主はこんな熱い男である。

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蕎麦メニューも

「もりそば」(そばの基本で当店が一番力を入れているそば)
「太切そば」(甘皮が多めに入った太切のもりそば)
「十割そば」(石挽そば粉と地下水だけで打つ少し黒目のそば)

の他に
「石挽そばがき」「ちぎりそば」「おろしそば」「八溝三昧そば」。

また、これは予約のみだが「カラー選別・緑のそば」なんてのもあり、
メニュー説明には
「当店自作のカラー選別機でそばの実を色分けし緑の実だけを集めて作る全国初の選別そば」
とある。



山小屋のような店内。

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でも何といっても、やっぱり滝を望む席に座りたい!
というわけでテラス席に。

どぉーです、この出来すぎた夢のような眺め!

「もりそば」
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ロケーションだけでも素晴らしすぎるのに、
この「もりそば」ときたら・・・

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ウワー!
何ですか このとんでもなくフレッシュな香りは!!

山のような、フィトンチッドのような、
高山植物のような、野草のような・・・(文章はイメージです)

とにかく目をギュッと閉じて上半身斜めになる他は堪能しようのない、
素晴らしすぎる香りである。
この大子町で採れたものを中心とした常陸秋そばだというが、
地のものというのはこんなにもフレッシュに、
ぴちぴち飛び跳ねるように香ってくれるものなのか。

嗚呼もう私は「万歳」と諸手を挙げ閉眼しこのまま固まってもいい。
(それじゃ食べられないのでは)

しかもこの、繊細な、フワッと軽いコシ感。
甘く濃くひろがる味わい。

え〜〜〜、ちょっとこれ、おいしすぎますよ・・
こんな場所でこんな絶品蕎麦が食べられるとは。



全身全霊しあわせまみれの中ふと見上げると、
これまた時を止めたくなるような眺めが。

テラス席の屋根を伝って落ちる、水の輝き。


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「このまま何もせずずっと眺めていたい・・」


と言ったそばから次の蕎麦に喰らいつくのはどうかと思うが、

「十割そば」
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「もりそば」よりやや黒目の肌に
クッキリとした褐色のホシが散りばめられている。

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これまた、先程の「もりそば」に似た最高のかぐわしさ!
しかもこの「十割そば」にはさらにもうひとつ、
ズシッと支えるややひねたような穀物の香りがある。
見た目では差を感じなかったが
口に含むと「もりそば」よりこちらの方が細く、
繊細にぱらぱらとほどける感じが非常に心地よい。
甘みも味わいもジワーッと濃く、
これもどうにもこうにもおいしい〜 おいしいよう〜




「太切そば」
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太切と名乗るからには確かに太いが
角のないやさしい輪郭線からすると結構やわらかそう・・?

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おお〜
これは先の2種とは全く違う、蕎麦の甘皮のぎゅうううと濃厚な、たくましい香り。
しかしそういう蕎麦にありがちな生々しさの全くない、
極めてフレッシュなかぐわしさである。すばらしい!!
見た目の通り角のない輪郭線はふるつるっっと口に入ってくるが
噛むと思いのほかしっかりした歯応え。
モグンモグンと噛みしめて食べる蕎麦である。

蕎麦汁は鰹が濃く凝縮されたような甘めのもの。

お腹いっぱい過ぎて「フルーツパフェ」「あんみつ」などのデザート類には
とても辿り着けないが、
汁と蕎麦湯と、滝の音。


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食後、いよいよ滝を見に行く。
確かに、暗く長いトンネルを抜けた先にある「袋田の滝」に比べれば
ここはすぐそこに滝があるので気軽に簡単に滝に近づくことができる。

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墓でなく「滝の裏へ廻る」。

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水の壁、水の音、水の休日。




夏休み、都心から遠くない天国への脱出をお考えの方は是非〜(^o^)




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posted by aya at 20:57 | Comment(5) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>茨城 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月03日

茨城・日立市水木町「花みずき」


地図で見ると水木海岸からすぐなのだが
海側から到達するのは最初は難しい。

国道245号線沿いのGS・キグナスの前の幟が目印。
海側に小道を下ると、畑に囲まれた「花みずき」に会える。

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天然木と石の装飾がユニークな外観。

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店内に入ると、こんな張り紙が。

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いいですね〜
茨城に来た嬉しさに浸りますね〜
突然軍鶏りたくなってきました。

しかもすごいです、こんな看板も。

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「樫村ファーム」の有機野菜。
おいしそうだなあー!!



店内は広く、こんな部屋とか、

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こんな空間とか

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どこに座ろうかな?と迷ったが
バイトらしい若い店員さんが一番奥の部屋の案内してくれたので
そこに座る。

メニューを見ると

「期間限定のランチセット」
(つけ豚そば、そばとうふ、そばサラダ、豆乳アイス)

「日立三品そば」
(ゆば、こんにゃく、そばとうふ)


などのアイディアメニューが楽しそうだったが
やっぱりわたしはこうなっちゃうのだ。

「ざる」
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ふんわりのんびり、見るからに優しい印象の蕎麦。

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見た目も優しいが香りも優しい。
甘くフレッシュな穀物の香りがふわぁ〜
表面はつるつるしているわけではないのだが
噛み締めた食感がプルッとしているのが印象的。


そしてやっぱりいっちゃいました。
入り口のポスターで茨城に来た喜びに浸らせてくれた
「奥久慈しゃも」!


「つけ軍鶏ざる」
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軍鶏らしい、しっかり固めの歯ごたえ。
ふにゃふにゃやわらかいものより、
こういう噛みしめて味わいが出る食べ物、大好き!
焼いた焦げ目がまた香ばしくておいしい。




隣席には近所の人らしい親娘。
年配の父親と50代くらいの娘さんが
たまに一緒に御飯を食べるらしい。
ジャージ姿のお父さんは首から診察券?を下げている。

「お父さん払うぞ」
「私あるよ」
「こないだお前が払った」

どちらが払うか譲り合っている。
食べている間も言葉少なく始終無表情だったが、
お互いを思いやっている関係が伝わってくる親娘。

静かな店内。
窓からはのんびりとした畑の眺め。

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土日限定で十割そばもあるので、次回は是非!








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2012年07月18日

茨城・常陸太田市「慈久庵鯨荘 塩町館」


茨城県常陸太田市に「鯨ヶ丘」と呼ばれる場所がある。

「鯨の背のように盛り上がった台地」というところから来た地名で
かつては太田城という城があり、佐竹氏の城下町として栄えたところだ。

今はすっかり静かな町並みとなったが、
どこもかしこも情緒ある景色ばかり。


その鯨の背の上、高台の街並みの中に
ひときわの威風を誇る「慈久庵鯨荘 塩町館」。

まず、その見事な佇まいに圧倒される。

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1887年築の、堂々たる構え。
かなり手が入れられパリッとした雰囲気だが
全くの新築ではこの雰囲気は出せないだろう。
この店だけでなく街全体がレトロなムードであるのも大きい。


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店に入りさらに驚く。

大きーい・・・




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古さと新しさが混在する、広々とした空間。

吹き抜けの二階も客席スペースになっているようだ。

あまりに素敵な店内なので
どこに座ろうかウキウキ迷う。

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あの窓際の席もいいなあ

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この店はもともと、同じく常陸太田市の「慈久庵」が出したうどん店。
蕎麦が出されるようになったのは少しあとからだ。
そう思うとうどんも食べたいところだが・・迷う〜
とりあえず、血中蕎麦粉上げていいですか?(^o^)

「そばがき」
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おおっなんだかものすごい「とろザクそばがき」みたいですよ

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ふわ〜 ふわドロ〜〜〜
これはすごいそばがきだ。
何とも爆発的な滋味なる香り。
穀物というより植物、いや野菜と言いたくなるような
生々しいほどフレッシュで青い香りだ。
こういう要素の芳しさを持ったそばがきには出あうが
それがパーンと誇張された感じ。

ジャリザリ〜〜〜ふわドロ〜〜
おいしいよう〜〜
 



うふ。

「せいろそば」
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きゃ〜〜
うれしなつかし、慈久庵なそのルックス。



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見入れば見入るほどに、慈久庵。
しと〜〜〜 しっとり。
みずみずしく繊細に重なりあう、極荒挽きの肌。
大小とりどり、色とりどりのホシ。
透明感のある肌にゆらめく陰影にしばし目を奪われる。

先程の「そばがき」の香りを
私は「植物のような、野菜のような」と形容したが
この「せいろそば」の香りはもはや花にも近い。
香りがないとされる花に顔を寄せた時のような
まろやかで、ちいさく華やかなかぐわしさ。

限界までやわらかい蕎麦は
口に含むと節のようなコブのような、大きなゴツゴツのざっくり感があり
ジャリッと、たまに強い刺激を感じるほどの粗挽き感が楽しい。
食感はややぐったりとしてコシらしいコシも感じないのだが
いやいやいやいや・・・
噛んだ刹那ハッとさせられる。
こんなにもやわらかいのに、
容易にすぱと噛み切らせることなく
その手前でスッ・・と最小限の力で受け止めてくるのだ。
うう この食感・・・ 参りました。




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蕎麦湯と共に楽しんだ汁は、独特のすっきり感。
最初はちょっとあっけない気すらするのだが
これまた後から、パンチのある旨みが膨らんでくるような汁だ。





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ひろびろと、あまりにムードある店内に
ゆったりくつろぐどころか
逆にワクワク落ち着かなくなってしまう子供のような人・・
が、私以外にもう一人いた。

向こうの席の一人客のお兄さん、
それはそれは楽しそうに店内をワクワクウロウロ。
ほら「お蕎麦お持ちしました」ってお店の人が言ってるよ〜
早く戻ってこないと私が食べちゃうよ〜

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帰り際、さっき寄ろうと思った場所に行ってみる。

鯨ヶ丘から下の街を見下ろす風情ある階段。

あの場所で風に吹かれてみたいと思ったのだ。


が、先客がいた。

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肉体労働者風の出で立ちの若者。
足を開き腕を組み、風に吹かれてもう長いこと身じろぎもしない。

彼には今あの場所が必要なのだ。


私は次回来た時の楽しみとして
今日は譲るとしよう。

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2012年06月16日

茨城・新鉾田「村屋東亭」


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「日本中にその名を轟かせる名店」、
なんて書くと大袈裟と思われるかもしれないが
蕎麦が好きな人にとっては全く大袈裟ではない。

毎回目の覚めるような、
蕎麦脳がリセットされてしまうような蕎麦が
なんでもなさそうにぽんと出てくる超名店。
5年ほど前、雑誌リンカラン(ソニー・マガジンズ刊)で
茨城蕎麦特集を組んだ時も、迷いなく取材に訪れた店である。

茨城は名店だらけの蕎麦パラダイスなので
つい浮気ばかりして今回は久しぶり・・・



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ああー うれしいなあ 来て良かったなあ!
店の前に立っただけで嬉しさに満ちあふれてしまう。
初夏の紅葉が色鮮やかな暖簾とよく合う。


午前中の店内。

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「もりそば」
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午前中の光のなかで
「村屋東亭」の蕎麦と二人きりになれるしあわせ。

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あああああ

なんという・・・

「常陸秋そばの最高の香りがここにある!!」 

フレッシュな、しかし凛として落ち着いた、
どうしようもなく美しい香り。
そうなのです そうなのです。
「常陸秋ってこういうものでしたね!!」
ということを教科書のように思い知らされる。

香ばしさもある。甘さもある。
すーっと導かれるような深さも、ちょっとした青さも、
なにもかもが素晴らしい。
王道過ぎて完璧すぎて、何を書くのも野暮に思えるほどである。

コシだの食感だのを見つめようとしても、ただただ
「おいしい!完璧!」
としか思えなくなってくる。
よく見るとちょっと不揃いな感じもするのだが
口中では微塵も感じない。

ああー もう ただただ 

最高

うれしいよう おいしいよう





そしてここにくると毎回どうしても食べたい、

「みぞれそば」
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自家製豆腐と紫大根、ブロッコリー、アスパラなどの野菜が
飾るように盛られた蕎麦。
色合いがきれい。こんな服が着たい。(また理解されづらいことを・・)

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この自家製豆腐が「あたたかい」というところがまず大ヒット。
ほんのりあたたかい、おいしい〜お豆腐と、
ひんやりしゃっきりしたおろしの辛味、最高の蕎麦が絡み
もうこれはオイシイに決まってます!
ずるいメニュー!!だいすき!!



ここの汁がまた見事としかいいようがない。
潔いまでに甘味を抑えたシャープな汁だが
キュッとキレがある旨みが「余裕の洗練」を感じさせる。

私は蕎麦湯に汁を入れることをあまりしない無粋の者だが
さすがにここでは入れたくなる。



ふわっ

憎いほど粋に香る、昆布の香り。



汁ってこういうものでしたか・・・



私の日常に頻出して過ぎている蕎麦というもの、汁というものへの認識が
ピシッとリセットされた午前中。



さあー リセットされたから
いっぱい食べなきゃね!!(?)


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2011年01月07日

茨城・境町「蕎楽」


まだお正月の晴れやかさの残る青空。

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「蕎楽」の前のバス停に降り立った私の心は
それより更に晴れ渡っている。
大好きな「蕎楽」!
しあわせに満ち足りると余計なことは何も考えられなくなるものだ。

今日は超のつく蕎麦好きのまゆきちと一緒なので
どんなに挙動不審でも大丈夫!(もっとまずいのでは)
ふたりして歓喜の奇声をあげつつ「こんにちはぁ〜」。

ああうれしや久々の「蕎楽」。
のんびり広々とした店内だが
ここの蕎麦打ち場をよく見ればこの店主が普通の人でないことはバレてしまう。


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手短に説明するのは大変難しいが
「蕎楽」の店主は開拓者であり発明家でありいたずら坊主!
そのアイディアと行動力はとどまるところを知らず
もと電気屋という技術もあって思いついた機械を自分でどんどん作ってしまう。
現在は「蕎麦屋」であると同時に「石臼屋」でもあり
この店主の目立て(どんな蕎麦が挽けるかを決める石の刻み)による
石臼は数々の名店でも使われているのだ。
私の下手な説明よりも、蕎楽のHPの「石臼研究所」のページ
ほ〜ら、スゴイことになっちゃってるでしょう?


その店主が目をキラキラさせて「今おすすめだよー」というからには
大喜びで注文しました、「ゆり根のかき揚げ」。

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日常すすんで天ぷらを注文しない私だが
(実はあまり胃が丈夫でない)
「蕎楽」の天ぷらは本当に美味しいので、いつも必ず。
サックサクで美味しい!
ゆり根、いいなぁ〜


そして「蕎楽」ではこの
「舞茸天ぷら」を食べずしては帰れない。


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「蕎楽」は舞茸には力を入れていて、その美味しさには毎回驚かされる。
これは「蕎楽」が惚れ込んだ、群馬の山奥で栽培されている舞茸。
勉強熱心な家族経営農家のものだけあって
大資本ものとは香りが違う、大きさ、食べ応えが違う!
舞茸好きにはたまらない絶品天ぷら。


しかしこんな美味しい天ぷらを前にしつつ、
私の心はもう先程から雪の結晶のように純粋に透き遠り
それが風車のようにくるくるとまわっているイメージでいっぱいである。
何言っているのだか訳わからないと思うが
自分でも何言っているのだか訳わからなくなる程、
要は「蕎楽」の蕎麦が好きすぎるのだ。
もうすぐ会えると思うと言葉にならない。


ああ今、眼の前に。

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「彩美そば」、その美しさよ。

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写真ではその貴さが伝えきれないのが誠に残念である。
しっとりとおとなしい印象ながら、見入ればその肌の「特別さ」にハッとさせられる。
繊細な凹凸を持った肌、そこにゆらめく白い影。

たぐりあげ、香りを寄せてまた目が冴える。
美しく透き通る香り!
蕎麦の香りの美しいところだけを清らかに浮かべている。
見た目に反してちゅるちゅるとした喉越しの良さ。
ウワーこれはしあわせ。今日来てよかった・・・



2枚目「全粒そば」。
(ちなみに今回は全てまゆきちと1枚を半量ずつ。それでもこのしっかりした量だ)

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「彩美そば」よりもぐっとたくましい印象。
まだ口に含まぬうちから、ふわ〜〜〜と漂う香ばしい香りがたまらない。
しっかりとした歯ごたえ、力強い風味。
3種ある蕎麦の中ではこれがいわゆる「田舎そば」のような性格になるのだと思うが
それがどこか品の良い、優等生な印象であるところが面白い。




3枚目「十割そば」。

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ウワー
これは・・・
今回は行く前から店主より「今、蕎麦とてもいいよ」と聞いていて
期待はしていたが、うーん、この眺めの素晴らしさときたら!!


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ドキドキする。
こんなにもこんなにもこんなことをされては、私はドキドキする。
(ついに故障)
ああああ なんですかねこれは!!
繊細に震える輪郭線、素朴な凹凸。
優等生な印象の「全粒そば」というのも面白かったが
「十割そば」としてこの眺めはさらに意表を突かれるではないか。
はかなく繊細な粗挽き。
しかし静かな存在感は凄みがあるほどである。

手繰り上げると、お?意外にも香りは淡い。
眼を閉じて探る。何かある。
下から静かに、これまた意表を突かれる個性的な香りが浮かんでくる。
ざらつきつつしっかりと密な歯ごたえ。
その奥に潜む、掴みどころのない不思議な香りを追いかけ
あああああ、しあわせだぁー
大好きだぁー 蕎楽。


食後は「蕎楽」定番デザート、蕎麦アイス。
しかし今日は興奮しすぎてフガフガ空気まで食べまくったか
お腹がいっぱいでどうにも入らないのでこれはまゆきちだけ。
でもそこはまゆきち、何もかもお見通しで
「あやちゃん、蕎麦の実のとこ食べたいでしょ?」
と一口くれた(^_^;)
「うん、そこ食べたい」と子供のように図々しくもらう私。


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茨城県といってもすぐそこは埼玉県という最も東京に近い地域。
「東武動物公園」駅前から「境車庫」ゆきバスに乗れば
40分で店の真ん前に着いてしまう。実に簡単だ。


今年は蕎麦の出来がよく、今「蕎楽」にはとてもいい玄蕎麦が入っているそう。

今度の休みはのんびり境町、いかがですか〜







posted by aya at 03:37 | Comment(2) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>茨城 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする