2025年02月07日

小川町「米むら」


私が紹介するお蕎麦屋さんはどんな基準で選んでいるかと言うと・・・

まず、手打ち蕎麦屋さんであること。
ごくたまーーーに、手打ちを超えそうなほど美味しい機械打ちにも出会うことはあるが(近日紹介予定♡)
それは超レアケース。
やはり手で打たれた蕎麦の風情、そこに込められた手間暇と思いに、私は滅法弱い。

そして外せないのはやはり蕎麦の香りが良く美味しいことだ。
とにかく蕎麦の香りが嗅ぎたい一心の虫のような生き物の私は、
ただただあの芳しい香りに酔いたい、まみれたい、溺れたい欲求がDNAの一番上に書かれている。
もちろん食感や味わいも大切だが、私にとっての一番はやはり香りなのである。

しかし何事にも例外ってものはありまして。。

例え条件を満たさなくとも、すべての恋に理由なんてない。

・・・でしょ? (≧∇≦)♡




まず、この佇まいがズルい。

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どう見ても、町蕎麦屋にしか見えない。
蕎麦を食べ過ぎて30年超、私には手打ちかそうでないかを見極める特殊能力が備わっている(笑)。
しかし初めてだったら、この店の前は迂闊にもスルーしてしまうだろう。
どこにも手打ちの文字はない。
メニューにはカツ丼とかカレーライスもあって、手打ちかどうか調べるまでもないように見える。


でもね、よく見てください。


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右脇側の看板に小さく入った赤い文字。
ここだけ!ここにだけ、この店が手打ちがであることが表されているのだ。
難易度高ーーっ!(笑)


そして何が素晴らしいってこの店内の雰囲気だ。

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町蕎麦屋風でありつつ、一定の品格と「ごく普通さ」が入り混じるこの感じ。
高級老舗系とも違う。
かと言っていわゆる普通の町蕎麦屋とも違う。

いいっ!
素晴らし過ぎる!!
手打ち蕎麦屋でこの雰囲気は本当に、なかなかない!!

神田という粋な土地柄もあるだろう。
超老舗の居酒屋にいそうな年配のおばちゃまスタッフの甲斐甲斐しい接客も、客層も、全て抜群にいいのだ。
何度来てもシビレる。




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これこれ、この感じ。
手打ち蕎麦屋っぽくないですよねえ〜



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でもこんなあたりから、蕎麦への強い志を感じます。
今日の蕎麦粉は「栃木小山のキタワセ、一本挽き」。



そしてこのメニューのバリエーション、ご覧ください。
手打ち蕎麦屋でこれだけやるって、超人的じゃあないですか??


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メニュー把握力と決断力のテストがあったらかなりすごい偏差値を叩き出す自信がある私ですが
(自分の食い意地が恥ずかしい笑)
ここのメニューのレイアウトはなかなか斬新です。
あたたかいそば、冷たいそば、うどん、雑煮、ひやむぎまでもが入り乱れて並んでおります!
何かと思ったら「価格順」なんですね〜
うんうん、それはそれでわかりやすい(≧∇≦)♡


そしてもう一つの注目点はその安さだ。

写真付きのメニューだとわかりやすいと思うが、どれもこれも安すぎません??
手打ち蕎麦でこの値段、ありえないんですけど!?
(以下はランチセットではなく終日メニュー)

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やっすーーーー!!!


そして個人的に、このお店でイッチバン面白いと思ってるのはこのおつまみメニューの左端です。
ひとり変な子がいまーす (≧∇≦)

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「よねオム蕎麦」ってなんやねん!!(笑)
一度見たら忘れないこのネーミング。
そして私はこの「米むら」に来てこのよねオム蕎麦を頼まなかったことは、一度もない (≧∇≦)




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お酒もつくづくいいものが多い。
てか要は私好み! (≧∇≦)
散々心揺さぶられたが、今日は寒いので・・・


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お燗にしちゃった♡
(お燗だと「日本酒」というメニュー一択になります)
ギュンッと強い酸味の、お燗にサイコーなお酒。
常温で飲む繊細な銘酒とは別次元の美味しさですよね〜♡
この雰囲気でこの味、しあわせすぎてヤバイ (≧∇≦)


「お通し」
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お通しが野菜っていい。
体に優しくはじまり、その後は好きなだけ暴れるのです(笑)




「ゆば刺し」

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こちらは冬季限定メニュー。
さりげないけど、ここのゆば刺しは美味しい!
とろっと感も味の濃さも最高♡




そしてね、早くもここのスペシャリテの登場ですよ!
みなさま御覚悟ください。
アナタがまだ、手打ち蕎麦屋で見たことがないものが、
これからアナタの眼前に爆弾のように落下します。



どどどーーーーーん!


「よねオム蕎麦」

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もう笑うしかない馬鹿デカさ(≧∇≦)
ラピュタのゴリアテかってくらいの迫力。
蕎麦屋のおつまみとして、その体積は日本最大級かもしれません。
こんなん食べたら普通はもうお蕎麦食べられませんって(笑)



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読者の皆様にこの迫力の大きさを伝えたく、何枚も激写。

大きいのにはひとつ訳がありまして、中に入っているのが揚げ蕎麦なんですよね。
揚げそばですから、1本1本が硬くて好き放題の形をしているから嵩張るわけです。
揚げそばだけじゃなく、牛すじ煮込みみたいな?美味しい煮込み肉とこんにゃくも入ってるゴージャスな構成。
いわゆるB級グルメというものはそんなに好みな方ではありませんが、
煮肉愛好会会長(会長しかいません)であり煮込み系に滅法弱い私には、これは理想的なB級グルメ感であります。



このユニークな存在感、美味しさ。
唯一無二!



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そしてもう一つ、この店に来たら外せないメニューが。

東京の甘い「玉子焼き」より、甘くない「だし巻き玉子」のほうが断然好きな私。
しかしこの「米むら」は別。

だいたいね、「玉子焼き」が税込385円ってありえないですよね?
どういうことかというと、こんな「おひとり様サイズ」で出してくれるのです!

「玉子焼き」

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小皿にふた切れ。
1人飲みにぴったり、おつまみにぴったり!!
このサイズで焼くのは不可能だから、どうやってこの提供が成立しているのか不思議だが、
作り置きとかではなく、ふんわりあったかい焼きたての味である。

そして、この焦げ色と照り感からお分かりいただけるように(少なくとも超のつく食いしん坊の私にはわかります(笑))
お砂糖たっぷり、お醤油たっぷりの甘辛〜い濃い味付け。
これがお酒のつまみにぴったり!!
しかも、この美しいミルフィーユのような断面が物語っている通り、ふんわり、でも密な最高の食感。
はあああ・・・この店、本当に特別な魅力に溢れている。



お蕎麦の時間も、この店ではいつもの蕎麦との逢瀬とは違う時間が流れている。


「もりそば」

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素朴な輪郭線、艶のある肌には褐色のホシが散らされている。

香りを寄せると甘い小麦粉の香りをメインに、ごく淡く一番粉に近い香りが漂う。
(なので一本挽きと聞いた時とはちょとイメージが違う)
口に含むとちゅるりとした質感、噛み締めると見た目以上に強靭なコシが迎えてくれる。


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蕎麦の香りを愛するあまり、全国の手打ち蕎麦屋で
蕎麦汁をつけずに蕎麦だけズルズル完食するという行儀の悪い食べ方を展開している私だが、
ここではそんな野暮な事はしない。

ガッツリ汁につけて食べる、もっと言うとこの↓食べ方がベスト!

この店のもう一つのスペシャリテと私が勝手にも思ってる、
「天せいろ」さま♡


ここでも私は、この店の凄さを声を大にして叫びたい。
手打ちの店で、税込1155円の「天せいろ」ってったら、お蕎麦に小さな野菜天ちょびっとくらい?と思いますよね。

それを、こともあろうにこの「米むら」さんは!!

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ナニ!?あの巨大な海老天は??


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ええええええええ!!

普通は、こんなにデッカイ海老天つけたら
「大エビ天せいろ」とか名乗ります!
そして1500円以上はします!

それをただ「天せいろ」と名乗って税込1155円って・・・
謙虚にも程がある。


大きいだけじゃなく、バリンと香ばしい衣が、いかにも蕎麦屋の天ぷらで超美味しい!!
ナスもバリン!おいしー!

あまり絶賛ばかりしてるとリアリティーがないので、私にとっての難を書くと、私には少々蕎麦汁の味が濃すぎる。
ザ・下町な濃い甘辛で、天ぷらもお蕎麦とドブンと全部つけてしまうとさすがに味が濃すぎるので、ちょっと調節が必要となる。


手打ち蕎麦屋さんに行ったら、蕎麦の香りを体中で吸い込みたいあまり蕎麦汁をつけないまま完食するのが私の常だが
そういうお店とはちょと違う。



でもこの店の存在は、ありそうで他にない魅力に満ちているのです。



ご興味ある方はぜひ一度、戦艦よねオム号を目撃にいらしてください(≧∇≦)♡
















posted by aya at 18:50 | Comment(0) | 東京の蕎麦>千代田区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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