2023年03月03日

宮城・仙台「妙庵」


店も、蕎麦も、接客も含めて、
これだけ美しい店も珍しい。


閑静な住宅街のなかに突如現る、この存在感。

IMG_2611.jpeg



ライトアップされた緑が目に眩しい。

IMG_2614.jpeg



誘われるように中に入る。

IMG_2616.jpeg


店内も隅々まで完璧にととのっている。



庭の緑が絵のように飾られた大きな窓。

IMG_2632.jpeg



漆喰の壁や趣ある仕切りは茶室のムードだ。

IMG_2627.jpeg

IMG_2683.jpeg

どのテーブルの雰囲気も素敵で
あちこち座ってみたくなってしまう。



またここの奥さんの接客がすごい。
なんというか、優しいやわらかい真綿のようなおもてなしなのだ。

BGMはショパンやシューベルトのピアノ曲。



まず出されたのが、蕎麦湯。

IMG_2657.jpeg

こーれーがー!!
せっかく優雅なところに、
例によって動物的に興奮して申し訳ありませんが
もうぶっ倒れそうなほどの美味しさでして!!
もんんのすごい濃厚さ・・・
そしてなんですかこのすばらしい香りと味はーー!
フレッシュな青い美しさがたまらない、最高の蕎麦湯。
これからの蕎麦がちょー楽しみで
全細胞が今、踊り出しました!!
(奥に柚子がしのばせてあるのだがその効かせ方もニクイ!)


メニューは意外にも大充実。
Collage_Fotor.jpg

ここに大問題が発生しました。
なんとそばがきが「田舎」と「荒挽き」2種類もあります!!
そしてお蕎麦は「ざるそば」と「田舎そば」があり
その両方を頼むことはもう紀元前から決まっています。
でもその上にそばがきもふたつってーのは・・・
いくらなんでもそれ全部はヨクバリすぎよね私・・・
ということで、そばがきをどっちにするか
めちゃめちゃ悩みました・・・辛かった・・・(涙)




「玉子焼き」
IMG_2639.jpeg

まずは大きさにびっくり。
これはおいしそうだーーー!

IMG_2641.jpeg

素晴らしいふっくら感。
柔らかく甘くて香ばしい〜!
私は甘くない方が好みなのだが、香ばしさがあるのが素晴らしく、
全体に味が濃くない絶妙の味付け。
醤油とおろしで完成するおいしさ!これはいい!!



「鴨スモーク」
IMG_2644.jpeg

これは意外とあまりスモークの味はしなくて
ハムのようなおいしさ。
付け合わせの野菜がとても新鮮で美味しくて
ドレッシングの味もよく、サラダのようになっているのが嬉しい。




そしてついに、先ほど私を悶絶悩ませた方の登場です。
こちらに決めました!!

「そばがき(荒挽き)」
IMG_2649.jpeg

ウアアアアアア
予想を超えた荒挽きっぷりに
胸が高鳴り本気で痛い!心臓大丈夫か!



IMG_2655.jpeg

すごい。

すごい。

いくら眺めてもすごい・・・

なんというか、蕎麦畑がそのまままるめられたような世界であります。
この美しき蕎麦粒子たち・・・
食べずにいつまでも見惚れていたいほどの美しさだ。
しかしそれを許さずこちらにブッ飛んでくる香りが
とんでもない素晴らしさなのですよ!!
青くフレッシュでふくよかで、もう天国のその上みたいな最高さ!
口に含むとザクザクを通り越してブツブツな食感にも驚かされる。
砕いた蕎麦の実感がものすごい〜!
味わいも濃厚で最高。
口の中にいくらでも旨みが広がり、脳はとっくに青い蕎麦色に染められて
ああもう・・・しあわせすぎてどうなってもいい・・・




「ざるそば」
IMG_2662.jpeg

これもまた・・・
ビシッとストイックで、
それでいて柔和な落ち着きも感じる美意識にうっとり。
世界に誇りたい日本の絶景だ。
しかも見入れば見入るほど、
蕎麦そのものも美しい・・・


IMG_2671.jpeg

最初の香りは静かな石のようなストイックでフレッシュな香り。
素晴らしい〜!
しかもそれがだんだん香ばしくふくらんできて
ますますかぐわしくなった。
食感は見た目に反してしっかりめで、
硬くはないが噛み締めて旨みがひろがる蕎麦。
しっかりめのコシを噛み締めて広がる旨みも甘みも濃厚で
ああおいしい・・・ しあわせ・・・


「田舎そば」
IMG_2673.jpeg


IMG_2678.jpeg

この肌、この輪郭線!
あまりの美しさにただただ見惚れるばかり。
風情あふれる素朴な肌だが、
輪郭線は優しくも端正にととのって、
「洗練の田舎」の雰囲気がこの店らしい。

期待を込めて手繰り上げ香りを寄せると・・・
意外にも香りはかなり淡い。
淡すぎてわかりづらいが、つかまえると大変よい香りで、
胡麻のような香ばしい香りの、上の美しい部分だけが軽やかにのっている感じ。
食感はもりそばよりさらにしっかりめで
ザラザラとして粗挽き感が楽しい。
味もすっきりで、軽やかに洗練された田舎そば。


私は蕎麦の香りを偏愛するあまり
蕎麦汁はつけないまま蕎麦だけで完食してしまう大悪党。
蕎麦汁をつけて食べるのが下手、と自分では思っているのだが
ここの蕎麦汁はなかなか面白かった。
そのままちろりと舐めると結構甘みがしっかりで
小慣れた旨みとスッキリ感もある汁、という印象だった。
ところが蕎麦をつけて食べるといきなり甘みがスーッと消え
やたらに粋なキリッとした汁になったのだ。

ここの蕎麦とのバランスというものだろう。



食後の蕎麦湯。

IMG_2680.jpeg





仙台が誇る名店。


こんな美しい店で
美しいおもてなしと蕎麦に出会い・・・


夢を見ていたのではないかと思う夜だった。







posted by aya at 09:44 | Comment(1) | TrackBack(0) | 東北の蕎麦>宮城 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
たつおさま
非公開ご希望のコメントありがとうございます。とても嬉しいメッセージで、行ったお店の10分の1?くらいしか書いていないことを反省、読んでくださる方のために頑張って書かなくちゃ、と励まされました。お店拝見しましたがめっちゃめっちゃ素晴らしそう、香りそうで両目がハート型に高速点滅しちゃいました (≧∇≦)!いつかぜひお邪魔したいです。
Posted by aya at 2023年03月07日 17:41
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック