2022年11月11日

名古屋・栄「玄水」


名高いクラブ街のど真ん中にある、
個性爆発の手打ち蕎麦屋。

この立地ゆえ、超高級価格であることは理解できるが
この場所にして、全国各地の蕎麦、在来種ばかり常時6種もの蕎麦を
手打ちで揃えているというのがおもしろすぎる!!



昼間のクラブ街は独特の明るい静けさ。

そこに立つミラー張りの建物の存在感に私は恐れ入った。

どーーん!

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無知な私がなんとなーく思い描く
クラブ街というもののイメージそのままのバブリーさ!
すごい〜


どの建物にも夜の店が密集しているのが小さな看板から伺える。
夜の時間帯のこの場所は、今とは全く違う雰囲気なんだろうなあー
(完全に遠足気分 (≧∇≦))

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お店はミラー張りのビルの一階にある。

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夜の街の蕎麦屋だが、
ものすごく夜遅くまでやっているわけでもなく
22時には閉まるらしい。



カウンターのみの店内は、蕎麦屋というより料理屋のような雰囲気。

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先客は常連らしい二人連れの女性客。
ランチコースを肴に、次々と楽しげにお酒を頼んでいる。
ランチコース(蕎麦三昧コース)は7700円なので
ちょっとしたフレンチレストラン並みだ。


ここは料理も美味しそうなので私もコースを考えたが
お蕎麦が6種あると聞いた以上、
どうしても全種類食べたい私!!
コースは潔く諦めました〜(価格とオナカ的に!(^^;))
なにせ6種ある在来種のうち、4種の「せいろそば」は一枚1200円、
残り2種の「希少種のせいろそば」は手挽きで一枚1500円なので
お蕎麦を6枚食べただけでもそれはそれは大変に贅沢なランチなのだ。



こちらがお蕎麦メニュー。

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今日ある在来種の説明もあってわくわく (≧∇≦)♡

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どれも親しみのある在来ばかりだが
強いて言えば伊吹が一番食べた経験が少ないかな?
今から日本全国の蕎麦畑を旅する気持ち。
たのしーーーー!! (≧∇≦)



アラカルトのおつまみメニュー。
興奮のあまり手ブレしました (^^;)

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というわけで、本日はお蕎麦6種+そばがきを
オーダーいたしました!!
めっちゃ贅沢!!アタシやっちゃうぜ!! (≧∇≦)




高台つきの器に弱い私、この湯呑は大変好み。

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こんな素敵な湯呑で美味しいお茶をまず出してくれるって
これも素晴らしい日本文化ですよね〜
(海外だとお水も有料だもんね)




お通し「湯葉豆腐と塩昆布」
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ちょっとしたものだがすごーく美味しい。
湯葉豆腐の質感と甘みがよく、
そこに塩昆布を合わせたところがありそうでないセンス。
最初に食べるものが美味しいと期待高まりますよね〜



「せいろそば一枚目・伊吹在来種(滋賀)」
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おおおお〜
立派な竹笊の中に輝く、
すこーし透明感のある美しい粗挽きの肌。
色はなかなか濃い目で、
うん、香ってくれそう、おいしそう!

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おや???
意外にも、全く、なんにも香りませんでした。。
口に含むと、みずみずしくむっちり硬めのコシに出会うが
決して硬い蕎麦ではない。
味わいもほんのり系で淡め。
香りは待ったら出るかな?と粘ってみたがあまり変化はなく
最後の方だけ、かすーかにこうばしさを含んだ香りが
感じられるようになってきた。




「せいろそば二枚目・丸岡在来種(福井)」
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うわああ
1枚目の伊吹よりさらにすごい粗挽き!
こちらも皮を含んだ濃いめの色で、
美しいザクザク感がたまりません〜

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こちらは見た目で予想した香りがそのまんま濃厚で嬉しい!
ムワーと香ばしい、ナッティーな黒い香り。
こちらもみずみずしくむっちり硬めの質感で
1枚目の伊吹より硬め。
ちょっとガチガチした感じの歯触りなのだが、
それを噛んだ味わいが濃い〜♡美味しいーー!!



そして3枚目の前のこのタイミングで
この方がカットインしてきました。

うわっ

これはおいしい!!絶対においしい!!
すごいのキタヨーーーーー!!!! (≧∇≦)♡


「そばがき(祖谷在来種)」

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もうこれは食べなくてもわかります。
もったりとろーり
なんという美しさ・・・

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ギャーーーーー

期待はしていたがそれを超える最っ高の美味しさであります!!
香りは意外と素朴、渋めの滋味深い香りで、
何が素晴らしいってこの食感である。
最高の最高!!
とろりとしつつフワーと軽く、
粗挽きのざらつきありつつ、モチモチとろ〜の極上エアリー!!
いやー、もうこれ以上はないと断言したい食感の素晴らしさだ。
そして食感とともに素晴らしいのが味わいの濃さ。
下にぎゅうぎゅうと押し込まれるような
グルタミン系の旨味の塊が口の中を染め続け
もうもうもう、私までとけそうなんです
このままずっとこの人と一緒にいたい・・・!!

あまりにも美味しすぎて薬味をつけるなんて絶対無理、
このそばがき3個くらい頼まないとできなさそう。

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でもこのついてきた薬味シリーズがまた尋常ではなく。
こんなシルキーなめらかな大根おろし、私は初めて食べました。
どうやっておろしたんだろう??
またこのきな粉にはお砂糖がまぶしてあって
そのまま食べても美味しいったらありゃしない (きなこ大好き(≧∇≦)♡)
最後まで取っておいてデザートにもふもふ美味しくいただきました〜




「せいろそば三枚目・奈川在来種(長野)」
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こちらも色濃いめの粗挽き。
直線的なラインで、これもしっかりめの食感かな?



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箸先から香りを寄せると、
これまた皮を含んだ香ばしい甘い香りが淡く漂っている。
1枚目の伊吹同様、むっちりと硬めのコシだが硬くはない。
その硬めのコシを噛み締めた味わいが素晴らしく、
なんとも濃厚な蕎麦粉そのままの旨みが溢れ出す感じ。
食べ進むほどに香りはぐんぐん深く濃くなり
味わいも限界の濃さに到達!!
うおおおお このグルタミン系の旨味爆発感、すごい〜!!
食感もだんだんやさしくなり、
三枚目にして初めて繊細優しい食感に出会った感じ。
香り、味わい、食感ともに、今までダントツ気に入りましたーー!!
コレ美味しいーー!大好き♡♡♡



「せいろそば四枚目・佐渡在来種(新潟)」
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こちらも色濃いめの粗挽き。
エッジ感のない輪郭線から、これは比較的柔らかめの質感かな?

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ええええ
箸先から香りを寄せただけでまずびっくり。
なんと個性的な香り!!
香りの強さとしては淡めなのだが
はっきりと、ヨモギのような野草のような香りがする。
(私が大好きな京都の麩饅頭みたいな!♡)
食べてみると味わいも最初は薄め。
ところがそれがゴンゴン濃くなり、
黒い皮の甘さとヨモギの入り混じった味わいがおいしいーー!
細かな粗挽き感を感じる舌触りだが
質感としては二枚目・丸岡に似たガチガチ感がある。
でもそれを噛み締めた味わいがなんとも個性的な美味しさで、
いっやーーおいしいなあーー!


「せいろそば五枚目・祖谷在来種(徳島)」
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私の大好きな祖谷在来は極太打ちでやってきた。
こちらも粗挽き、色濃いめ!

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ガッツリと太く、質感も今までで一番の硬さがあるため
とにかくモグンモグンと噛み締める蕎麦。
最初の香りはほんのりと淡く、しかし黒く香ばしく甘い、素晴らしい香り。
それが期待通り、時間が立つとどんどん濃厚になりうっとり〜
食感は時間が経っても変わらず硬めで、
それを噛みしめた味わいの甘さが大変印象的。
なんというか、和菓子のような?すあまのような?
とにかく上新粉系の上品な甘さがあるのだ。





「せいろそば六枚目・椎葉在来種(宮崎)」
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これまた、色濃いめの粗挽き!


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うわわ この香りは素晴らしいー!!
うっとりするようなナッティーな、
そして荒々しさを感じるまでのたくましい黒い香り。
こちらは見ての通り輪郭線は優しいのだが
芯を噛み切らせないようなむっちりとした硬さがある。
滋味深き味わいはどんどん濃くなり、
最後は舌に乗せただけで甘さが押し込まれてくる感じがするほど!
噛み締めるほどに味わいと甘さが口いっぱいに広がっていく。



蕎麦汁は今まで出会ったことのない
かなり個性的なお味。

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酸味も強めの濃厚で、一番感じるのは「お酒の味」!
いわゆるまろやかな汁ではなく、
口の中でいろんなものが弾け合う感じで
美味しいお酒そのものというか?おつまみ?みたいな個性的な汁。
ここの蕎麦つけると合うのかな?と、
ちょっとだけつけてみましたが、私のような「蕎麦汁初心者(笑)」には
やっぱりお蕎麦だけで食べた方が美味しく感じちゃいました。
(良い子はまねをしてはいけません(笑))



蕎麦湯はとろーりまっしろで、まるで葛湯みたい。

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店主によると、今日の蕎麦湯は更科粉。
蕎麦湯はその時によって全く変えていて
粗挽きの蕎麦粉で作ることもあれば
季節によっては桜を浮かべたりするらしい。

店のスタッフは若い人が多く、
皆さん素晴らしく丁寧でととのった接客態度。
店の雰囲気もだが、高級蕎麦屋らしいゆったりとした時間が流れている。

そんな中、しゃがれ声で髭面、
極めて人懐こい笑顔で話しかけてくる店主の存在は
余計に印象的であり、この店の魅力でもある気がした。
ずっと昔並木藪で働いていたこともあるということを
少し照れ臭そうに話してくれた。



「6種の在来種」+「そばがき」を食べてみての感想としては、
一番恋に落ちたのはやはり3枚目「奈川」と、「そばがき」でした!♡
次点で「丸岡」「佐渡」「椎葉」かなあ〜
「奈川」と「そばがき」は、
もうこれ以上はない最高の美味しさだったなあーー!


強いて言えば、どのお蕎麦も皮のたっぷり入った黒い香り、味わいだったので
せっかく在来種そのものの味わいを感じて比べようと思っても
わかりづらかったこと。
皮の味と香りって素晴らしいけど強烈なので
全体の7割くらい?を占めてしまい、
残りの3割で蕎麦そのものの違いを見つけ出す感じに、
(私の場合は)なっちゃうんですよね〜
このお店の黒くないお蕎麦も食べてみたいな〜♡

とは言え、実はこの店のあと名古屋でもう一軒、
大変評判の高いお蕎麦屋さんに行き、そこもすごーく美味しかったのだが
かなりこの「玄水」のお蕎麦と似たタイプだったんですよね。
(似たタイプのお蕎麦を7枚食べた昼( ̄∇ ̄)  )
今までの経験からも、名古屋は黒っぽい粗挽き蕎麦多いかも?

黒っぽい粗挽きは確かに美味しいし映え間違いなしだし、
西に来るとそういうお店が多い気がしますね〜
それが旅蕎麦の楽しいところ!


さて、この店のランチタイムは、
コースを頼んだ人以外は1時間の時間制限があるので
「そばがき」+「6種の在来種」を1時間きっかりで食べた私。
その頃には店内はすっかり満席で、
どの人も予約のうえ来ているらしいのがすごかった。
大人気で素晴らしい!


予約をしたけど早く来過ぎて外に並んでいる20台の女性二人連れなどもいたが
私が注目したのは私が4枚目を食べている頃に
私の隣に座った常連らしい30代くらいの男性。
やけに整った綺麗な顔で、なんかこの街の人らしい感じ??
元はお店に出ていて今は経営者とかかしらん??
とクラブ街遠足気分の私はわくわく想像してしまいました (≧∇≦)


そんな人が慣れた様子でスッと入ってきて
「祖谷。」
とだけ言ってせいろ蕎麦を頼み、
一枚手繰ってスッと出て行くんですよ!
容姿がそれっぽいだけに、すごいものを見た気がしてしまいました!


いっやーー
クラブ街のマニアック在来種手打ち蕎麦屋、
楽しい体験でした!!!

ここのコースもぜひ食べてみたいなあ〜











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posted by aya at 10:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東海の蕎麦>愛知 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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