大好きな長野も春の気配。

広い空、静かに香る春の土。
ここをもう少し行くと日本三大遺跡のひとつである
「平出遺跡公園」がある。
その平出遺跡からすぐの「蕎麦屋しみず」は
自宅を改装して営業しているお蕎麦屋さん。
・・でありながらこの圧巻の風格、すごすぎるー!

江戸時代から蕎麦屋です、と言われても信じてしまいそうな店構え。
東京だったらこんな自宅改造のお蕎麦屋さんはまずありえないので
ますます長野への憧れを持って見惚れてしまう。
瓦屋根と松が大好きな私にはたまらない景色だ。
扉をガラガラ開けると

あらっ いきなりオウチっぽいですねー(^o^)
「お客様へ」という案内も家庭的でほのぼの。
今日は大好きなお仲間と三人張り切って開店時間にやってきたので
お客さんはまだ誰もいないようだ。
明るい笑顔とバシッとはっきりした口調が頼もしい店主が迎えてくれ
奥に案内される。

張り切って開店時間にやってきたのには訳がある。
ここはお蕎麦が4種類もあって、しかも一種類は限定なのだ。
昼時は行列ができるほどの人気店につき
のんびりやってきてどれか一種類でも売り切れていて泣いたり倒れたりしたら
いろいろご迷惑おかけしますのでね〜(* ̄∇ ̄*)
ね〜ほら、すごいでしょう?うふ ♡
「更科」「挽きぐるみ」「田舎」

「更科」「挽きぐるみ」「田舎」を3種盛りにしてくれる
「高ボッチ」というありがたいメニューもあるので一人で来ても安心(≧∇≦)/
そしてドキドキセレブ価格の手挽き十割、「玄蕃之丞」!

ああ これらを全部食べられるなんて贅沢すぎる・・嬉しすぎる・・・
長野らしく「まずはお漬物」。

手前はお通しの切り干し大根&ちくわの煮物。
ああ本当に長野っていいなあ〜
「夜明け前 純米吟醸」

これがすんばらしくおいしくてびっくり大感激!!
入り口からすーっと澄んでいるのにうまみが厚みを持ってふくらむ。
私の理想といっていいおいしさ♡
開店1番ってことはまだ11時なんですがね・・・おほほ(* ̄∇ ̄*)
「海老野菜天ぷら」

わー なんと豪華な楽しい盛り合わせ!
何種類あるのやらワクワク。
ふんわりと海老、アスパラガス、えんどう豆、ヤングコーン、とうもろこし
人参、エリンギ、じゃがいも、れんこん、
そして中央にあったのはズッキーニとプチトマトが楊枝にさしてある可愛らしいもの。
サクサクというよろふんわりと家庭的な感じの衣なのだがこれが滅法美味しい。
海老も大きくてプリプリで美味しかったし
ズッキーニ&プチトマトも真似したくなる美味しさで
大満足の盛り合わせ。
そして「その時」は突然に、いっぺんにやってきました。
眼下を埋め尽くすこの絶景・・・!!

あああああ
おおおお〜〜ん・・・(遠吠え)
立派な大きなせいろにそれはそれはたまらないお蕎麦がたっぷり3種類。
これだけでテーブルがいっぱいになる見渡す限りの蕎麦だらけ、
この胸苦しいまでのときめきをどうしろと!!
しかもこれだけときめきつつも、
「茹でたてを1秒でも早くお客様へ!」
と小走りにやってきて並べてくれた奥さんの感じの良さにもシビれ、
この3種類をバシーッ同時に出してきてくれた
店主のプロフェッショナル技にも思いを馳せ、
遠吠えでお店の迷惑にならないよう自分を抑え
食べる前から私の心は忙しすぎる。
「更科」

見入るほどに美しい、端正で繊細な極細切り。
極細な上に質感が軽いので手繰り上げた感じもこれ以上ないほど軽やか。
更科らしく味や香りはごく淡いが
ちゅるちゅるとみずみずしく軽い極細の食感が心地よい。
「挽きぐるみ」

見入るほどにたまらなく美味しそうな粗挽きの極細。
なんという美味しそうさ・・・・!
そして、うわあーーーー
なんでしょうこのかぐわしさは!
表現がなかなか難しい、じわーと濃いたくましい香りだ。
さわやかさはなくじわーと低くたくましいのだが
どこか洗練された清澄さがある。
こちらも「更科」同様超繊細な極細なのだが
柔らかくふんわりとした素晴らしいコシがある。
さわやかさはなくじわーと低くたくましいのだが
どこか洗練された清澄さがある。
こちらも「更科」同様超繊細な極細なのだが
柔らかくふんわりとした素晴らしいコシがある。
挽きぐるみという名前だけれど色は美しく緑がかっていて
さすがにムワァ〜と黒い甘皮の香り。
香ばしいというより黒く甘い感じなのだがフレッシュで美しい感じがたまらなく嬉しい。
食感はネチッとして私が大好きな中国の干豆腐にも似た密な感じ。
しかしこれだけ端正な極細ゆえ黒さもネチさも全て洗練の中にある印象。
いやーーん どれも美味しくてこまっちゃうー
そしていよいよ・・・
その名も妖しい、限定の手挽き「玄蕃之丞」!
わわ
わわわわわ
こりゃ確かにものすごい

これだけの粗挽きで十割でこの細打ちってすごすぎる。
迫力の粗挽き細打ち十割!
ザラザラザラ〜と口中をめぐる大変にみずみずしい粗挽き肌。
香りは先の「挽きぐるみ」にも似た低く静かなたくましさで
あまりにもみずみずしいためその全てが水の向こう側にあるイメージ。
味も香りも濃厚ではないのだがじわーとした滋味が舌にひろがり
あああ〜 なんという贅沢、なんというしあわせ・・・
八ヶ岳産信濃1号の十割。
ここは蕎麦汁も大変美味しい。

鰹が華やかに香り甘さもしっかりしているのだが
全体のバランスが素晴らしくまろやかで美味しい。
蕎麦湯もそのまま飲むのが好きな私にとって
「蕎麦湯はお酒で蕎麦汁は最高のおつまみ」。
蕎麦湯をそのままゴクリ、蕎麦汁チロリが蕎麦後の至福のひとときなのだが
「この蕎麦汁は!」と思った時だけ蕎麦汁を蕎麦湯で割ることにしている。
本当に素晴らしい汁は割った時、それこそ「玄蕃之丞」の如く大化けするのだ。
「蕎麦屋しみず」の蕎麦汁も然り。
あたたかな蕎麦湯のなかで美しい鰹の香りとバランスの良い旨味がやわらかにひろがり
うわー これはかけそばもおいしそうだな〜
帰り際お手洗いを借りるとそこはますます民家そのもの。
それこそ「SOBA ISBA いさと」さん級の!
http://ayakotakato.seesaa.net/article/298826571.html
間違えてお風呂にも入っていっちゃいそうでした(* ̄∇ ̄*)