なんだかすごく面白そうな予感がしたのだ。
たどり着けば「工房」と名乗るにふさわしい、素っ気ない外観。

石臼のみならず
「石抜き」「磨き」「皮むき」など5台の機械を使って
全ての行程を自家製粉しているという「そば工房 風車」。
しかも蕎麦は全て十割だ。

玄関を開けると予想外の空間。
うわあ・・

気持ちのいい板の間の向こうに緑の窓。
大きな窓いっぱいに初夏の草花があふれんばかり。
その向こうは畑だ。

禁煙席は別に設けてあるが
誰もいないのでやはりあの大きな窓辺に座りたい。

紫陽花を眺めながら蕎麦をたぐれるとは
なんて贅沢な空間だろう。

それにしても静かだ。
営業時間前に入ってしまったのではないかと心配になるほど静かだ。
メニューがまた素晴らしい。
薄くて大きな和紙に一枚一枚手書きされている。

特に特に、やっぱり最初の「かざぐるま三昧」がたまらないですよねえーーー!
しかも変りそばとかじゃなくて
「せいろそば」「田舎そば」「荒挽そば」って、
嬉しすぎるじゃないですか!(≧∇≦)♡
「天ぷら盛り合わせ」

ドーン!!とどっさり盛られてきた
まいたけ、にんじん、かぼちゃ、ピーマン、いんげん、海老。
畑の横で畑の恵みにかじりつく喜び。
がっつりさっくり、海老も立派で美味しくて
これはお得な盛り合わせだなあ〜
「そばがき」

丁寧に蓋付きの器でやってきた。
日本の器は世界一素晴らしいと私は思っている。
ひとつひとつの食べ物に対して「これ」という器がある。
開けるのが楽しみ!!

現れた、造形美。
蕎麦を練って盛っただけのものがどうしてこんなにも美しいのだろう。
むわ〜としたたくましさと甘さが入り交じる香り。
食感はむっちりネトーとして
昨今はやりの感じとは無関係の、いかにも田舎らしいそばがきだ。
香りも味わいもガツンと濃厚。
ああ いいなあ
そうそう、そばがきってこんな感じだよなあ・・・ヽ(*´∀`*)ノ
「かざぐるま三昧」

3種のうち、まずは2種が一緒に盛られてくるスタイル。
「せいろそば」と「田舎そば」。
葉っぱのお皿がすんごい可愛いんですけど〜〜(≧∇≦)
お皿まで自家製!
「せいろそば」

ふわ〜と漂う、ちょっとウリにも似た青い野生+厚みのある香ばしさ。
食べた瞬間、んんーー!これはどこのお蕎麦??
長野っぽいけど長野っぽくないような?
と思ったら長野の茨城のブレンドだった。激しく納得(≧∇≦)/
端正な細切りの蕎麦はふわりと軽い食感で
蕎麦と蕎麦の間に香りが膨らむ感じを見つめ楽しむひととき。
「田舎そば」

荒々しい平打ちの姿からはいかにも香りそうな予感がしたが
意外と香りは穏やかだった。
しかし見つめると、香ばしさと甘い香りを静かにたたえている。
食感は平打ちだけに軽く、ひらりふわりと密度の薄い印象の肌。
そっと噛みしめると思いのほか力強い滋味深さがひろがる。
そして「かざぐるま三昧」最後の一枚。
この子だけは暴れん坊すぎて一緒に盛ることができなかったのでしょうか、
別盛りでやって参りました。
「荒挽そば」

いかにもムッチムチそうな極太打ちの蕎麦が
せいろの上に何とかおさめられた感じ。

たぐりあげるというよりは「持ち上げる」感じすらある太打ち蕎麦。
姿からも感じたが香りもやや熟成の感じで
しかし嫌味なく甘皮の黒い香ばしさと混じり合っている。
口に含むとやはりムッチムチで口中で暴れる感じがあり
それを押さえつけモグンモグンと嚙み締めるたびに甘みが深まる。
蕎麦汁はちょっと出汁の風味が個性的なのだが
とても美味しい。
普通は蕎麦汁が美味しいとお蕎麦が美味しく食べられるのだと思うが
例によって蕎麦を全部たべおわってから初めて蕎麦汁に手をつけた私は
美味しい蕎麦湯タイム。

この湯桶も店主夫妻の手作り。
蓋の形が可愛らしくほっこり蕎麦湯タイムにぴったり。
私は食べに食べ尽くしたが、店は相変わらず静か。
私が居たのはほんの短い間ではあったが
心に残るひとときだった。
店主の姿は見ていないが、時代にも周りにも流されず、
自分の打ちたい蕎麦を極め自然と生きる姿を垣間見た気がした。
「風車」という自然で可憐な店名も胸に響く。
「春のみ」という「天然山菜天ぷら」も
食べに来たいなぁ〜


さて群馬県の藤岡市に“岡部”さんというお蕎麦屋さんがあります。
私も蕎麦好きですが、ここの蕎麦は絶品です。
群馬へ起こしの際は、是非寄ってみてください。
都合が合えば私がご案内します!
岡部は行ったことないのですがすばらしくかっこいいお蕎麦屋さんですよね〜!
あの雰囲気なら、行くなら絶対明るい時間の空いている時間がいいなと思っているためなかなか難しいんですが,いつか是非行ってみたいです♪