2015年05月14日

京都・桂「隆兵そば」


久々に訪れた、京都の「セレブ蕎麦屋」さん。



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「桂川畔、桂離宮からすぐのお蕎麦屋さん」
と聞くと壮大なロケーションを想像するが、店は少し入り込んだ裏手にこぢんまりとある。
あたりは静かな住宅街。店の前は畑。
まるきり普通の一軒家だが、小さな「酒」の幟が揺れているのが目印だ。


どのあたりが「セレブ」かというと
この店は蕎麦屋でありながらアラカルトメニューが無い。

この日、ランチに私が選んだメニューは「おそば充実コース」。

「とにかくおそばが大好きな方のための大変お得なコースです」、
ということなのだがお値段のけぞる5900円(!)である。


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昼間からバチが当たりそうなドキドキ価格だが
まあたまのことだし、今日は桂の方に用事があったので
久々にこちらへ!と張り切って予約してやってきた。
実に、十年ぶりくらいである。


「こんにちは」

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中も店というより「家」である。


緑の眺めが清々しいカウンター席。

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本日は個室へ通される。

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すでに「おそば充実コース」を予約してあった私だが
さらにここで心千々に乱れる決断を迫られる。
しかも理解するのが結構難しいので真剣だ。

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(このメニュー、耳付の和紙にとても綺麗な字で書いてあって素敵だな〜)

この上の段の真ん中あたり、
「ひとくち盛りそば」のあとに
「お好きなおそば」というのがありますね?
その部分を下の段の選択肢から選ぶわけです。

お蕎麦そのものはその前の「ひとくち盛りそば」と同じなので
「お好きなおそば」として「盛りそば」を頼むと
全く同じものが違う量で来ることになるようです。
そしてびっくりなのはここで「盛りそば」を頼んでも
「鴨そば」を頼んでも料金は変わらないということ。
いやー、そうなったら「バカの一つ覚え的もりそば派」の私も
さすがに「盛りそば」は頼みません!(^^;;)

うーんどうしよう!!
テーブルにはこんな魅力的な限定蕎麦のお知らせも出ているし
どのお蕎麦にしようかな〜〜♪


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(昨日の夜、京都で一番好きなお料理屋さんで塚原の絶品筍を食べてしまっただけに
筍に惹かれる気分・・!)



まずはコース一品目の「そばがき」。
メニューでは「そばがきのお椀」となっていて
本来は蜆のお出汁で食べるメニューだが
汁に浸っていないものにもできるというので喜んでそれにする。


「そばがき」
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ほわ〜とただよう、墨のような渋い香ばしさ。
粗挽きの肌がとろーんぬぱーと溶け、
ざら〜とした中にちょっとシャクシャクするような不思議な食感がある。
おいしいぃ〜〜〜〜


汁に浸っていない「そばがき」には
「炒り蕎麦塩(蕎麦茶の塩)」というのが添えられてきたのだが
例によってそばがきはそばがきだけで食べてしまい最後までつけられず。

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ところが、その後塩だけ舐めてみたらその美味しいこと!!
これは片付けられてしまわないよう家宝としてテーブルの壁際に安置し
のちのお料理に大事に使うことにする(^o^)。


ちなみに素直に「そばがきのお椀」を頼むとこんな感じ(蜆のお出汁)。

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「先付盛り合わせ」
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わー!先付の一品として蕎麦が盛られている。
面白い眺めだなあ〜
これは「焙煎粗びきそば」というもの。
山葵の葉っぱの下に隠れているのは何かな?

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上から
「琵琶湖の鯉の昆布〆」
「そば茶角」
「胡麻豆腐」
「豆腐、たたきわらび胡麻酢」
「焙煎粗びきそば」

パートさんらしい女性スタッフは全てを完璧に暗記して説明してくれたのだが
そば茶角とか胡麻豆腐の上に載っているものが不思議でさらにいろいろ訊いてしまった。

「そば茶角」というのは「蕎麦を伸ばして焼いたもの」。
胡麻豆腐の上に載っているものは「泡醤油」。
「ゼラチンで固めてあるお醤油」で、ほんとに泡のように消える〜( °o°)♪

「焙煎粗びきそば」はその粗挽きっぷりもさることながら
ちょっと珍しい香ばしさが際立っている。例えるなら檜のような?
むっちりとたくましいコシもすごい。



「名物ぶぶ天」
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「ぶぶ天」とは鱧のすり身と山芋をぶぶあられであげたもの、らしい。

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衣は想像以上に思い切って固い。
バリンバリン香ばしく固いおせんべいのようだ。
中はかぶらむしに似た感じ。




「ひとくち盛りそば」
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きゃ〜〜
「ひとくち」と伺いましたが全然ひとくちじゃない♡♡♡
こういうフェイント大好きです!(逆はイヤだけど〜(^^;;))
嬉しいなあ〜〜いっぱいお蕎麦が食べられる(≧∇≦)♪

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っはー!
極上のさらしなを思わせる、素晴らしくフレッシュな
蕎麦の香りというものの上澄みのような澄んだかぐわしさ。
肌はザラザラなのだが輪郭線は凛としている。
独特のプルッとした舌触りで、そのザラぷるを噛みしめると
やや太めなだけにやわらかな腰が受け止めてくれる感じ。
味わいも香りも白く澄んだイメージでそれがそのまま膨らんでいく。

汁は醤油そのままのようにシャープに濃い個性的なもの。
本日は北海道の蕎麦だそう。




さていよいよ、「お好きなおそば」の時間です♡
私が悩みに悩んだ挙句選んだのは・・


「鴨汁そば」(^o^)♪
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お蕎麦そのものは先程の「ひとくち盛りそば」と同じ。
なのでいつもは何蕎麦をとろうとどうしても最後まで汁につけられない私も
今日はちゃんと鴨汁にお蕎麦をつける、というミラクル体験ができました!(それが普通だってば(^^;;))
すると鴨汁につけて初めてわかる「隆兵そば」のお蕎麦が現れた・・
プルップルと弾むようなコシがさらにすごい。
スルスル〜サラサラ〜プルプル〜
口中で蕎麦の束が弾むような食感を楽しむ。


ちなみに「雉そば」はこんな感じ。

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雉そばはさっぱりとしています、との説明を受けたが
実際は脂の旨味がとてもゴージャスでそれが素晴らしく美味しかったらしい。
これまた嬉しいフェイント。



「うなぎの飯蒸し」「香のもの」
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蕎麦湯。

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うん?何かがついてきたぞ?
尋ねてみると
「蕎麦湯の具です」。
蕎麦湯の具!?それは初耳なので、さらに
「すみません、具って・・なんでしょう?」
と訊いてみると「お麩と湯葉」とのこと。

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なんか絵本の中の何かのようでかわいい〜


「デザート盛り合わせ」
白味噌羊羹、生姜のブランマンジェ、はるか(みかん)
が出てきたのだがナント、蕎麦の余韻で写真を撮るのを忘れてしまったらしい!
これは私には珍しい出来事。


店は静かだが、カウンター席のおばちゃまの話し声が絶え間なく聞こえてくる。
去年庭に植えた木の話や習い事の話をしている。
はんなりとした京都弁というのはなんともいいものだ。


今回は例によって時間がなかったが
次回は店の反対側にある、店主の実家である老舗和菓子屋「中村軒」にも寄ってみたいな〜

お菓子は詳しくはないですが名高いお店のようですよ♪



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posted by aya at 23:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | 関西の蕎麦>京都 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。とある蕎麦のサイトからおじゃまさせていただきました。
メニュー的にも濃そうでかつ、高級感漂う蕎麦屋ですね。
蕎麦茶からできる塩もあるのですね。何かの調理に使えればと思います。

また、遊びに来ます。今後ともよろしくお願いします。
Posted by bm-two at 2015年05月16日 11:17
bm-twoさま
はじめまして!なにか調理をなさっている方なのでしょうか?私は香ばしいものに弱いのでこの蕎麦茶塩には参りました〜。蕎麦は炒ると本当に香ばしいですよね。
こちらこそ今後とも宜しくお願いいたします(^o^)
Posted by aya at 2015年06月13日 08:17
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