2015年02月26日

埼玉・霞ヶ関「十割蕎麦 みかあさ」


「心温まる」どころの話ではない。

ある夜のこと。
初めて行くこの店に到着するのがラストオーダーギリギリになりそうだった私は
途中で電話をし営業時間と場所の確認をさせてもらった。
そして15分後に到着すると・・
( °o°)
なんと、店主が、店の外に立って待っていてくれた!!!!!
この2月の寒夜に・・・ (;o;)

驚き恐縮する私に
「いやぁ〜、わかんなくて通り過ぎちゃうといけないと思って!」
と快活に笑う店主。
電話の私の声がよほど頼りなかったのかもしれないが
(何せ血中蕎麦粉度最低状態だったので)
それにしたって泣ける温かさではないか。


店に入ると何より印象的なのはずらり並んだ美味しそうな一升瓶。
さすがは「手打ちそばと純米燗酒 十割蕎麦みかあさ」と名乗るだけのことはある。
(燗酒、ってとこがまたすごい。店名からして温まる〜(≧∇≦))

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店内手前にカウンター席、奥が座敷席になっている。
とにかくお酒好きなら店に入っただけでワクワクしてしまうに違いない楽しい雰囲気だ。


お酒は「杜の蔵」をはじめ
「鷹勇 純米吟醸なかだれ」
「独楽蔵 無農薬山田錦60」
「きもとのどぶ」
「秘 純米大吟醸」
「須々許里 純米古酒」
など、力いっぱいの酒愛感じるセレクション。


本日はお酒が飲めないのが誠に残念無念だが
(飲めたとしたって酒量だけは小鳥なのだが)
こういうお店には絶対に美味しいおつまみがあるのです。
ほらね!

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えー!

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イヤ〜〜ン

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ちょっとー、あんまり迷わせないでー!!
ってくらいの誘惑っぷり、この美味しそうさ。

とはいえもうラストオーダータイムですから急いで一気に頼まねば。
頭がちぎれそうなほど迷いまくった挙句こうなりました(^o^)


「蕎麦屋のポテトサラダ」
ゆで卵とマヨネーズのシンプルなポテサラです、って書いてあったので
フツウのポテサラを想像していたら・・
全然フツウじゃない!!
美味しそうすぎる!!

いきますよ〜〜

どーーーん!

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きゃー!
アイス型も、散らされた蕎麦の実も素晴らしい。
マヨネーズ味というよりもずっと上品で、なめらかで、クリーミーな美味しさ。
しかもちょっとスパイシーで、それがジャガイモのほくほくした味わいを引き立て、
・・・すみません、全然フツウじゃなく異常に美味しいんですけど・・・
きゃーきゃー (≧∇≦)


しかもですよ・・・先程から注文を取ったりお料理を運んできたりしてくれているのは
この店の奥さんらしいのだが、その接客がこれまたたまらなく素晴らしい。
あまりの感じの良さに奥さんが去った後ポカーンとその印象に浸ってしまうほど。
うーん、店の前で立っていてくれた店主といい、今夜は飲まずとも酔えそう・・ヾ(*´∀`*)ノ
美味しいおつまみがますます美味しく感じられてしまうではないか。



「産直!深谷ねぎの黒焼き」
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黒焼きと言ったからには本当に黒かった!
網焼きの香りが最高で、その中からトゥルッと熱々のあま〜いネギ♡
ついてきたにんにく辛味噌も大変美味しい。



「福岡産蕾菜(つぼみな)の天ぷら」
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蕾菜はからし菜の新芽。
辛みや香りは淡いが、ブロッコリーに似たような野菜の甘みが春らしい。
写真ではわかりづらいが実に薄く綺麗に揚げられている。
パリッと硬くてとても美味しい。



「だし巻き玉子」
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うっわー
なんて綺麗なだし巻き玉子なんだろう。
まさにお手本のような完璧な眺め。

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わ わわわわわ
しかも見た目だけでなくめっちゃめっちゃおいしいではないですかー!
私好みど真ん中ストライクのだし巻き卵!!
甘み少なく上品な出汁がしっかり。
卵の旨味が濃厚に感じられふっくらした軽さと濃さのバランスも完璧。
ここのおつまみはいろいろとみんな素晴らしい〜〜!


「熊本直送 馬刺 上バラ赤身」
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ねっとり濃厚、やわらかいのに噛みごたえがあり
旨みが長〜く楽しめる赤身の馬肉は大好物。
うーん、これはやっぱりお酒ですよねえー♪



「そばがき」
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ちょっと椀がきのような風情もあるそばがき。
茨城の蕎麦粉。

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やや青い穀物の香りが鼻腔をかすめ
食感はもっちりねっとり、ちょっとフワ感もある。
甘みは少なめで素朴な印象。



「せいろそば」
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うわー・・
これはちょっと見たことがないほどの、超超超極細切りだ。

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写真ではわかりづらいが本当に本当にものすごい極細切り。
しかも一本一本が工芸品のようにパッキリ繊細な輪郭線をもっている。
精巧なミニチュア品を見ているような気持ちになる。
口に含むとまた驚くべき食感。
かたく細い糸のような繊細な束が口の中でほどけてめぐる。

・・・ん?
ちょっと待ってこの蕎麦は??
ここであらためてメニュー本をゴソゴソ探り、
あーやっぱり、なるほど〜とやっと気づきました。

「十割蕎麦 みかあさ」の蕎麦は「富倉そば」。
つなぎに小麦粉は一切使わないのだが、
山ゴボウの一種のオヤマボクチでつなぐ手法で打たれている。
富倉は長野県飯山市にある集落で、そこに伝統的に伝わる蕎麦の製法だ。
長野では時々このオヤマボクチの蕎麦に出会うが
今夜川越でこの蕎麦に出会えるとは思っていなかった。

香りはあわくさわやかな、野生的な草のような香り。
甘みはなく、味わいもい草のような抹茶のような野性味に満ちている。

蕎麦汁もおいしい。
出汁、甘み、醤油、がそれぞれに感じられるのに
なんだかまとまっている不思議なおいしさ。


奥さんが明るい声でやさしく親切にしてくれる姿に接しながら
美味しいものをワーッとたくさん食べ、
たった数十分でものすごく楽しい気持ちになり、
意味ないヤル気のようなものに満ちあふれてしまった私。


「みかあさ」、Mi casa、スペイン語で私の家。

説明によると、「お客様に、我が家のように居心地がいいなあ〜、と感じて欲しい」
ということと、店の奥さんの名前が「みか」さんであることをかけたらしい。
うっはぁ〜かわいらしいなあ〜
何から何まで「心温まる」どころの騒ぎではない。



川越に別宅ができました(^o^)



(閉店後につき暗かったけど記念に一枚♪)
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posted by aya at 09:16 | Comment(2) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>埼玉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
愚拙もみかあささんの大ファンです。
高遠さん,お酒を嗜まれないようですが,みかあささんのお酒は「心の酒」。
蕎麦と一品料理の数々,お見事!
そして,大将とおかみさんのお人柄の良さ。
近所にこのお店があるのはプライドです。
ぜひまたお運びください(^_^)/
Posted by 久保田 廣美 at 2016年05月07日 08:02
久保田 廣美さま
みかあさのご近所とは羨ましい限りです!!本当に本当に私的なお店ですよね〜〜思い出すとジーンとくるほどです。この時は都合で飲めなかったのですが、私もお酒は好きなので(酒量は小鳥なのですが)次回は是非お酒も!と思っております♪ご案内ありがとうございました(^o^)
Posted by aya at 2016年07月06日 10:49
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