浅草から吾妻橋を渡ってすぐ。
裏通りにある小さなお蕎麦屋さん。

店そのものより賑やかな幟だの看板だの張り紙の方が目立っている。
入り口脇の製粉機には目玉がついている。
なんだか面白い外観のお蕎麦屋さんだなあ。
店の作りそのものは非常にシンプルなのだが
そこにメニューやら張り紙やらがたくさん貼ってある。

立て看板のメニュー。

各種「種ものそば」から「おつまみ」まで
豊富なメニューは居酒屋さんのように賑やかだ。
店に入るとこれまた意外な事態に遭遇。
なんとギャルソンエプロンをしたスラリと背の高い
繊細そうな男性が席に案内してくれたのだ。
え、お蕎麦屋さん・・ですよね?

はい、どう見てもお蕎麦屋さんです。

しかもかなり個性的な創作メニューが揃っている。
でありながら蕎麦は自家製粉手打ちである。
ますます不思議は深まっていく。

「京都の水なす」

「豆腐サラダ」

軽い気持ちで頼んだらすごいボリュームサラダが来てビックリ。
揚げ蕎麦がのった上にゴマドレッシングがたーっぷり!
普段はあまりドレッシングの類は好きでない私だが
このサラダは家庭的なボリュームと懐かしいような味わいがおいしくてパクパク。
「恒(つね)」の蕎麦は2種類、「せいろ」と「田舎」。
しかもワーイ!両方が食べられる「二色もり」があるではないですか!
ありがたいなあ〜
「せいろ」

本日の蕎麦は北海道弟子屈町の蕎麦、品種は摩周とのこと。
外観にも店内にも「手打 恒のこだわり 外一蕎麦」との張り紙があったので
(蕎麦10 : 小麦粉1の蕎麦のこと)
少なくとも「せいろ」は外一だろう。

むわ〜〜とかなり濃厚な熟成の香り。
口中で感じるパキッとシャープな輪郭線。
しかし食感に硬さはなく弾むような強靭なコシがある。
「田舎」

ええええ
予想を超える太さにビックリ!
これだけの太打ちを出す店は珍しい。
太さ余って暴れ龍の如く笊からはみ出しております。

近づくほどにド迫力!
ここでこんな蕎麦に出会うとは思わなんだ。
つくづく面白いお店だなあ〜
濃厚な甘い香りを想像したが、黒く渋い香りが静かに香り意表を突かれる。
うわー、これはいい!
はじめの印象はごくストイックだが
かみしめるうちに甘みも出てきて実に美味しい「モグモグ蕎麦」。
実は今回は初めて来たお店だったうえ
最初の印象が「不思議なお蕎麦屋さん」だったこともあり
「二色もり」にこんなものをつけてもらっていた。
「鬼おろし」

「鬼おろし器」でおろした「おろし蕎麦」が食べられるのは珍しい。
大根おろしが大好きなあまり自宅に数種類のおろし金を所有する私。
もちろん「鬼おろし」も持っています(^o^)
(こちらを参照)
ザックザクの粗挽きおろし、おいしいんですよね〜
普段はお蕎麦の香りを偏愛するあまり
最初から最後まで汁を全くつけずにお蕎麦だけをズルズルいってしまう
行儀の悪い蕎麦犬な私。
故にどこでも「もり」しか頼まないが
初めてのお店ではたま〜にこういう「つけそば」にするのだ。
今回は特に「せいろ」が、この「鬼おろし」で
さっぱりおいしく食べられました♪
いろいろ面白いメニューが多いし地酒の品揃えも豊富なので
夜は地元の人が集う居酒屋さんのようなお蕎麦屋さんなのかな?
「とろ牛つけそば」っていうのも見てみたかったなあ〜♪

入り口の石臼、見ました?ふざけて目玉を付けてあったでしょ。(中々笑える)
よい意味の下町の庶民のざわめきに溢れたお店で価格も安くて地元民に愛されるのがわかります。
観光名所(浅草・スカイツリー)に挟まれた立地なのに余り知られてない不思議な立ち位置のお店ですね。
目玉書き忘れたあ〜!ので、今書き足させていただきました。なんだかいろいろと面白いお店でした〜♪
勝手に蕎麦仲間と思わせて戴いておりますが、失礼ありましたらご容赦ください。
ここのところ、幾度か書きもみたいとは思いましたが、そろそろ誰も見なくなってきたと思いますのでお店の事を。
ネクタイしめたご主人は元々日本料理で御修行をなされたとかで、ちょっとお話を伺ったところ、やっぱり味を感じて欲しいと言うことで噛んで味を食べて欲しいという気持ちで蕎麦を打っているって仰ってました。
あ、そうそう、出汁巻き卵はおすすめですよ。
お酒のメニューも良い感じで、水茄子も旨かったですが、稚鮎のあぶり焼きなんか最高です。(これはちょっと前のメニューですけど)