2014年08月08日

神奈川・大船「侘助」


大船駅からバスに乗って「常勝寺」というバス停で降りると
不思議なエリアがある。
「蕎麦と懐石(会席)料理」を出す、大きくて立派な店が2軒くっついているのだ。

一軒は横浜や玉川高島屋などにも支店がある「九つ井」の本店。
もう一軒がこの「侘助」だ。

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バスを降りた真ん前に店があるのだから何とも便利。

この外観写真だけではわかりにくいが
「侘助」の建物はなんと築200年の古民家。
福島県いわきで十代にわたり風雪に耐えた家というのだから
建物を見せてもらうだけでも価値があると言うものだ。


実際、息を飲む。
圧巻。

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なんと美しい空間だろう。
世界中に自慢したいこの眺め。
日本の古い家は、そしてお蕎麦屋さんはすてきだなあ・・

まだ時間が早いので店内には他に客もなくガランとしている。


「〆張鶴」
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吹き抜けの高い天井の下、この大きな古い家の時間を見つめるひととき。

店内には"Lullaby of Birdland"のピアノ演奏が流れている。



先付「白魚と芽かぶ」
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焼八寸
「稚鮎オイル漬け、いちじくワイン寄せ、焼き姫サザエ、オクラとイカ、
サワラ西京焼き、車海老塩焼き、サーモンチーズ、うなぎしんじょう、数の子」
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お酒のつまみにちょこちょこつまめる
カジュアルな雰囲気の焼八寸。
彩りも綺麗で楽しい。


きゃあ!
お作りの写真を撮り忘れている・・
「イサキ、マグロ、ヒラメ、ハタ」
ハタが美味しかったなあ〜



焼物「甘鯛のウニ焼き」
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煮物(冷し鉢)
「とうがん、なす、えび、鱧、枝豆しんじょう、そうめん瓜」
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ひんやり涼しい夏の煮物鉢。
そうめん瓜というのが珍しい。楽しい食感!


かわり揚げ
「キスの梅肉揚げ、ししとう海老しんじょう、蓮根」
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「手打ちそば」
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あらたいへんお海苔さんがのっかっております〜
普段は海苔は大・大好物だが、蕎麦との逢瀬時は別。
私と蕎麦との間に割り込もうとする輩はいかなる者も敵である!!



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小さめの塗りの器にみっしり。
お海苔さんには最初に薬味皿にお引越しいただいて一口・・・
いかにも二八の感じの肌はちゅるりとやわらかめの食感。
法事のあとのお年寄りにも愛されそうなやさしいやわらかさだ。
二八ならではの甘い粉の香りと味わいが濃厚で
つゆもこっくりと甘めの仕上がりである。



デザートはブルーベリーのゼリー。

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気がつけば店内には入れ替わり立ち代りお客さんが入ってきて
奥の座敷は家族連れで賑わっている。

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一見敷居が高そうな雰囲気ながらつまみ類も多いし
スペースもゆったりしているので家族での食事にもぴったりなのだろう。

そうだ、この家には「賑わい」が似合う。
「家族」が似合う。

最初ガランとした静けさの中でジャズピアノを聴いていた時間より
家族らの笑い声がこぼれる今の方がずっと居心地がいい。



200年という気が遠くなるほどの時間の中で
この家はどんな家族たちを見てきたのか。


今片隅に私が座っている今夜は
この家の歴史の中で一番新しい夜。


曲は"As Time Goes By"に変わった。
posted by aya at 00:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>神奈川 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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