2014年05月21日
栃木・那須烏山「八溝そば街道そばまつり 2014」
今日ははるばる、こんなお祭にやってきましたー!
栃木県「八溝地域のお蕎麦屋さん10店舗」の出店に加え
あの蕎麦打ち名人高橋邦弘さんの「達磨」も出店ということで
毎年大盛況のこのイベント。
特に今年は「達磨」が最後の出店になるので
「達磨」のブースにはますます物凄い行列が予想されているらしい。
運良く晴天に恵まれ
さわやかで本当に気持ちのいい那須烏山の青空。
お祭りは10時からなのだが10分前に到着すると
会場にはもう既にかなりの人が集まっている様子。
ひゃ〜 「かなりの人」どころではなく
「達磨」のブースにはすでにもう大行列が!
すごい人気だぁ〜
「達磨」のブースはスタッフ一同大忙し!
奥には数百人分を打って打って打ちまくる高橋さんの姿が。
いつもながらただただ口あんぐりの早さ、正確さ、美しさ。
並びながら写真や動画を撮っている人もたくさん!
「達磨」テントの周りにはうっすらと美味しい蕎麦の香りが漂っていて
蕎麦犬は吸い寄せられるようにウロウロ(^^;;)
とは言え今日は「達磨」以外にも10店舗ものお蕎麦屋さんが出店しているし
私のお腹は残念ながら本日も一つなのだから
ここは慎重にブレーキをかけつつ愛を捧げねばならない・・・
でもねえ〜 青空の下のこんなに気持ちのいいところで
高橋さんのお蕎麦を食べるのは初めての私。
ついブレーキが壊れました!っていうか壊しました!
うふふー
ダブルバーガーならぬダブル蕎麦!
お盆の上で狭そうに重なる蕎麦の眺め・・
ときめくー! (≧∇≦) ♡
あらためて席で眺めると、
相変わらずハッとするほど美しい緑色。
心を、奪われる。
この、一見おおらかでなんでもないような顔をしながら
寸分の隙もなくととのった表情。
飛び抜けて美しい緑。
いつもながら高橋さんの蕎麦の佇まいには感動させられる。
感激余って日の光の下でも眺めまくる私。
こんな自然の光の中であなたに会うのははじめて。
もっともっとあなたが見たい。
(周りから見たら完全に不審者です。プルプルしながら片手でお盆持って激写)
いよいよドキドキと、ひとたぐり。
おおっ 今日はいつもよりも北海道を強く感じる香りである。
最近は茨城・常陸秋そばと北海道のブレンドが定番の「達磨」の蕎麦だが
ここまで北海道を強く感じるの初めて。
かなり強い野生の香りだ。
ムチッとフレッシュな印象の強靭なコシ、そこからこぼれる澄んだ味わいは
さすがとしかいいようがない、いつもの高橋さんの蕎麦。
ところが今日は野外のせいなのか、
私が早起きしすぎて寝不足のせいなのか
食べ始めてしばらくしたら香りが薄まって感じられなくなってしまった。
最初に感じた香りも、
いつものあの最高にバランスの良い美しいかぐわしさとはちょっと違った。
今まで食べた高橋さんの蕎麦の中では、一番感激が薄い印象だった。
しかし、私はこのあと不思議な体験をした。
この「達磨」のあと結局私は4軒のお蕎麦屋さんの蕎麦を食べた。
どれも個性鮮やかでとても美味しかったのだが
不思議なことに時間が経つごとに、この最初に食べた「達磨」の2枚が
楽しい美味しい思い出として何度も何度も心に蘇ってくるのだ。
その4軒が余程美味しくなかったのならわかるが
4軒それぞれにとても美味しかったのだ。
その中で、心の中に浮かんでならない「達磨」の蕎麦の強烈な魅力。
これはもはや恋?
なーんていうのは冗談としても、
それだけ無意識のうちに、私の心はガッチリとらえられていたのだ。
(こんな、あまり人に理解されなさそうなことを大真面目に語る私って一体・・・ (* ̄∇ ̄*) )
汁の美味しさにも毎回うならされる。
今回も汁が美味しいばっかりについつい蕎麦湯をたくさん飲んでしまい
その後ほかのブースめぐりがますますデンジャラスに!
1軒めでこんなにお腹いっぱいになってどうすんだ!
ではでは、
張り切って他のブースの探検に行きますよー!
どの店にも人が集まり賑やかな楽しいお祭の雰囲気。
左側がそれぞれのお蕎麦屋さんのブース、
右手に見えている白いテントの下が椅子席になっている。
椅子席は、回転は早いものの常に満席状態で
空席を見つけるのは慢性的に困難。
お蕎麦屋さんは10軒もあるので
絞らなくてはならないのがツライところなのだが
烏山の有名なお蕎麦屋さん「手打そば処 はん田」があったので
まずはここに並んでみました〜
烏山「手打そば処 はん田」
(写真は食後、空いてから撮ったもの)
テント下の椅子席が空かないので立ち食いを決意した私。
ちょうど会場設営用の脚立が畳んで置いてあったので
それをエイヤと立てて机にしちゃいました。
この人、お蕎麦のためならなんでもやります( •̀ .̫ •́ )✧
「細打ち十割」
脚立の上の蕎麦。
なかなか斬新な眺めです。
在来種らしい強い野生の香り。
みずみずしい肌は強靭なコシを持ち、
噛みしめるとこれまた濃厚な野生の味わいが広がる。
この近辺でとれる新種の蕎麦です、と説明されたが
なんていうお蕎麦なのかな〜?
お次に気になったのはこのブース。
「太郎在来」
「那珂川町建武太郎地区の特級畑、
薄井清志さんが自家採取している在来種の玄蕎麦を使用しています。」
との張り紙があります。
那珂川町「JOZO CAFE 雪月花」
「馬頭広重美術館」に併設されたカフェで手打ち蕎麦を出しているらしい。
見た目からして、なんとなく二八かな?
手繰り上げるとこうばしい外皮の香りがフワーッ!いい香り!
微かに透き通ったような肌に浮かぶ無数のホシが美しい。
食感は驚くほど軽く、味わいはごく淡い。
軽やかな香ばしさが際立つ蕎麦。
太郎在来っていい名前だなあ〜
お腹の容量も限られてきたので
次のお店は「人を見て」決めることにした。
どの店もその場で打ったり茹でたりしているので
その人達の仕事っぷりを見て決めてみようと。
そして惚れ込んだのがこちらです!
烏山「蕎川庵 高瀬」
本日はイベントのせいか、若いお姉さんが店頭で打っているお店も多い中
こちらは店主らしい方がストイックに
責任持って打ちまくっている感じがかっこよかったんです〜
那珂川町と那須烏山市の山間部で採れた玄蕎麦を
毎日自家製粉しているお店だそう。
わーお
これはすごい ざっくざくの粗挽き黒肌!
うわー!予想を超えたびっくりの香り高さ!
甘皮の香りがやや熟成感を帯びてピーナツやゴマなどに似た
すばらしい香ばしさになっている。
熟成感といってもふっくらとまったく嫌味のない感じで
これは大変に美味しい。
ちょっとふるんふるんとした独特の質感で
チリッと舌にあたるこまかい粒の刺激も楽しく
味わいも濃厚で穀物の甘さもしっかり楽しめ実に美味しい。
汁はかなり甘め。
いよいよお腹も限界となってきたので
トリはこちらのお店にしてみました。
烏山「田舎そば処 長山」
自家栽培、自家製粉の栃木在来種を出している「田舎そば処 長山」。
那珂川支流の木須川流域で育てられてきた在来種なので
「木須そば」と呼ばれているらしい。
しかも今日は「田舎十割 寒ざらしそば」って書いてあります。
寒ざらしもやってるんですかあー すごい!
(寒ざらし:蕎麦を美味しくするために、秋に収穫した玄蕎麦を、
厳寒期の冷たい水に10日間ほど浸けおき、
引き上げた玄蕎麦を20日ほど寒風にさらす手法。
大変な作業で、ものすごーーく手間が掛かっています。)
「寒ざらし 田舎十割」
美しく整いつつも
のんびりゆったりした風情が田舎らしい蕎麦。
うわー この野性味はすごい。
青畳をもっと強くしたような野性味あふれる香り。
味わいは墨のようなものすごい渋い深さ。
寒ざらしが引き出した個性なのか、
もともとこの在来種「木須そば」が持つ個性なのかはわからないが
とにかくおどろくほどの野性味である。
面白いことに一つ前の「蕎川庵 高瀬」でも感じた「ふるんふるん」という食感を
この「田舎そば処 長山」も感じた。
こちらはさらにそれが強く、蕎麦と蕎麦の重なりを噛むと滑る感じがある。
両方那珂川地区で採れたお蕎麦なので、それがこのあたりの蕎麦の特性なのか、
はたまたこのあたりの蕎麦打ちの特性なのか?
蕎麦打ちの地域性というのはよく感じるので面白い。
汁はうどんの汁にもありそうな薄め、甘めで独特の磯の香り。
このお祭りの名に冠されたあ「八溝」とは
茨城県の最高峰「八溝山(やみぞさん)」からくるもので
その山地は福島県、茨城県、栃木県の県境付近にまたがっているらしい。
郷土性豊かな蕎麦の野生の香り、味わいを堪能できて
本当に楽しいひとときだった。
そしてその楽しい気持ちの中で繰り返し思い出される
「達磨」の蕎麦の、揺るぎなき王道の美しい記憶。
全てをひっくるめて最高に楽しいお祭で
この日はこのあとお気に入りの名湯に行ったりもしたのだが
一日中「あーそば祭り楽しかった」「あーそば祭り楽しかった」
と遠足のあとの子供のように思い出に浸っていた。
そして夜もしっかりお蕎麦屋さんに行ったのだから・・
「私の体の80%が蕎麦で出来ている」
という冗談が冗談でなくなってきているような? (* ̄∇ ̄*)
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ン〜〜〜ッンッ
それって二八か
どうりで・・・
二八
温かな汁の中でもへこたれない。
(温かな環境の中で(だから?)へこたれない!)
腰が強くモチモチ食感
(・・・・・・!?) 下手なことは書けまへんな・・
はやく 早く はやく
十割 生粉にならんかな
温かな環境の中 フワフワ トロトロ
温かな中では腰が抜けて(低くて) プヨプヨ 人感?
饂飩には蕎麦粉も米粉も片栗粉も何も(塩が入るか・・)入らん
蕎麦も蕎麦粉だけが本道の様な気が
はやく十割にならんかな
フワフワ トロトロ 柔らかな人柄
まっ 今もそんな人ですが
何故か二八か
修行が足らん!?
戯れ言を切におゆるしの程
「はん田」さんご夫妻は、とてつもなくいい人達です。優しいですよ(店主の顔に似合わず・・)
またまた大爆笑のコメントありがとうございます。そうかー私二八蕎麦だったんですね、気付かなかった!腰が強くモチモチ食感、すごいじゃないですか(≧ω≦)
>はやく十割にならんかな
いつも成長を見守ってくださりありがとうございます(^^)