2014年05月20日
京都・堀川鞍馬口「かね井」
久しぶりに訪れてみると
私の愛する名店が大変な事になっていた。
京都は近年素敵なお蕎麦屋さんが増えたので
毎回全部を廻れるわけもなく、
もともと大好きなお店ほどなかなか行かれず仕舞い。
今回は久々に、絶対!と張り切って朝一番に訪れてみると
なんと平日の開店時間前だというの既に行列が・・・
(これは帰り際に撮った写真。店内の三和土は待つ人でぎっしり)
開店時間までに行列はどんどん長くなり
こんな「かね井」は初体験の私はビックリ。
ランキングサイトでの人気やらミシュランやら噂は聞いてはいたが
こんなすごいことなっていたとは。
いよいよ開店時間となり、懐かしい、相変わらずおっとりと丁寧な奥さんが
「いらっしゃいませ」と扉を開けてくれる。
並んでいた人たちは皆遠慮しつつもドドッと中に入り
ちょっと慌てて席に着くことになる。
私は運良く窓際のいつもの席に座れたが
なんだかここまででずいぶん緊張してしまった。
最近こういう経験が多い。
名店ほど人気が出過ぎてしまいお店の人が表現しようとした世界が
人でぎゅうぎゅう埋め尽くされてしまうのだ。
開店1分後に満席の店内。
お客さんは皆何を食べようかワクワクしている、
その興奮が伝わってくる。
私が知っているひっそり美しい「かね井」の時間とは
ずいぶん違うなあと思っていると
奥さんがスッ、とお茶を持ってきてくれる。
店内満席の大忙しだというのに、おもてなしの心が伝わる丁寧な仕草。
そのおかげで、私はいつも「かね井」の時間に戻ることが出来た。
紫野の古民家に注ぐ、やわらかな光。
混雑のため、本日お昼は「出汁巻き」「そばがき」は注文できないと知り
ものすごく楽しみにしていた私はビックリガッカリ。
でも店内は満席の上入り口の待合スペースにも人がぎっしりだし
お店の人も本当に大変そうだ。
人気が出過ぎてしまうってこういうことなんだなあ〜
私は大好きな「ざるそば」「粗挽きそば」を注文。
お通しの揚げそばを食べながら待つ。
蕎麦が来るまで、心を澄ませてこの古民家の呼吸をきく。
「ざるそば」
やっと会えた。
この窓辺であなたに出会うよろこび。ときめき。
かすかな透明感を感じる肌。
端正な極細の輪郭線の、ごく繊細に揺らめきに思わず見入る。
吸い込まれる。
ドキドキとたぐりあげると、
この上もなく美しい澄んだ蕎麦の香りがブワー!とこちらに押し寄せてくる。
極上の更科にも似た上品なかぐわしさ。
ごく繊細なため口中では束になる感じで
ちゅるちゅるみずみずしくくちゅっとした食感。
コシは強く、噛みしめると重なった蕎麦と蕎麦がズレるような弾力がある。
味わいもすっきりと澄んでさわやかな美味しさ。
「粗挽きそば」
ど どうしよう来ちゃった!
頼んだんだから来るに決まってるのだが
大好きな人との再会に大いにうろたえる私。
うっはーーー!ものすごい粗挽き肌!
久々のせいかなんだか前より一層粗いような気がします!!
ザッラザラゴッツゴツの肌から漂う、超濃厚な香ばしさ。
ピーナツやゴマに近い、やや熟成を感じる香ばしさだが
嫌味なく澄んでいるところがすんばらしい!さすがとしか言いようがない。
甘みはほとんどなく味わいはすっきりしているところも
この蕎麦にフレッシュな印象を加えさらにいい。
これだけの粗挽きゆえ蕎麦はかなり短めだが、それはそれで大好きな私。
ゆっくり食べられて、一緒にいられる時間が長くなって
素晴らしいじゃないですか〜
(いつもお蕎麦があっという間になくなりすぎなもので(^^;;))
「かね井」は汁がまた大変おいしいのだが
当然最後まで一度までつけられず、蕎麦湯の時にやっと堪能。
一口もらった「鴨なんばん」の出汁の美味しさにもビックリ感激!!
一口くれた私の大好きな「さっちゃん」
(注・一口くれる前から大好きです(^o^))
は、大変に鋭敏な舌を持つ京都在住のグルメ&料理上手さん。
そのさっちゃんも、「かね井」のお出汁の美味しさには悶絶してましたー!
さっちゃん、今度はもっとゆっくりした時間に
「4人で」行こうねー!(^o^)
(微妙に私のアタマが〜)
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