2014年05月15日

京都・北山大宮「おがわ」



京都・北山通りの至宝、美しき「おがわ」。


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その立地。

その佇まい。


その、蕎麦。



店の前に立っただけでしみじみとした気持ちなる。
私はこの店の外観がたまらなく好きだ。


古い家に掲げられた潔く白い暖簾が、
北山通りを抜ける風にかすかにゆらめく。

このまま時が過ぎていってもいい、と思う。



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静かな店内。

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大きな硝子戸越しの自然の光。
間口そのままの広さのシンプルな間取りもとてもいい。



綴じてあるメニュー本の中の写真はいつも掲載を遠慮しているのだが
この「おがわ」のメニューは本当に可愛らしくて・・
ファン精神に免じてお許しください〜〜

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文字も、紙質も、全体のデザインも
隅々まで上質で丁寧。





わかっていたことではあるが、いよいよその時が来てしまった。

えー あのー
ドキドキして
もうどうしていいかわからなくなってきました。
みなさんもドキドキしておいたほうがいいと思います。
何を突然言っているのやらわからないかと思いますが
もうとにかくそんな、ドキドキが爆発して大空に打ち上がってしまうようなものが
今からここにやってくるのです。


こんなに静かな美しい店内で

私の胸を心を鼻腔を三尺玉級の激しさをもって

ときめきで爆発させるような

そんな危険なものが来てしまうのです・・・!


さあ、


いらっしゃいませ・・・・

「おがわ」の「そばがき」!!



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(>_<)


こっ

このときめきをどうしろと!!!!!!!



漆黒の器の上の、大胆な存在感。
その肌の無尽蔵の美しさ。

そんなに、そんなに、
その美しさをさらけ出してしまっていいのですか・・・

食べるのがもったいなくてならないが早く食べたくてたまらない。


姿も素晴らしいが味はそれ以上と言っていい。
山駆け登っててっぺんから叫びたいような、最高の美味しさ!!

箸先で香る、ホワッとかぐわしいこうばしさ。
口に含んでその味わいの濃厚さに驚く。目がかっ開く。
まるで出汁でも入ってるかのように濃い、グルタミン酸系の濃厚な旨みが
ぎゅううううううううと舌の上全部に広がるのだ。
どんな魔法を使うと、蕎麦からこんなもの凄い味わいが引っ張り出せるのだろう。
完璧に煎れられた極上の煎茶などにも感じたことのある、自然界の不思議な旨み。
   
                   
食感はふっくらとしているがエアリーという程ではなく
ザラザラ〜としてもっちりふっくら、
それが全てとんでもなく濃厚な旨みで染まり、私の脳も全部染まり
私の目は開いているのだがもうこの世に居るのだか居ないのだか(こわい)
とにかく、夢のようにおいしい「おがわ」の「そばがき」なのであります(>_<)
                                                     

すでにこれだけ感激してしまったが
肝心の蕎麦はこれからである。

ああ なんとうれしい
久しぶりの「おがわ」の蕎麦。


「ざる」                                   
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その宇宙に、息を飲む。

さきほどの超絶そばがきに勝るとも劣らぬ、美しき粗挽き肌。
                    
穀物の香ばしさを淡くまとい
ざらざら〜と口中をめぐる肌は          
噛みしめると思いのほかしっかりとした歯ざわり。
味と香りが淡く澄んでいるぶん、
ザラザラの肌と弾力あるコシを穏やかにピュアに楽しむひととき。
淡い水彩画のなかで穀物の素朴さを見つめるような蕎麦だ。


実は今回私はメニュー本の可愛らしさに誘われて
珍しく「ざる」でなく「とろろ」を頼んだのだった。


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案の定、淡き水彩の夢を追いかけるのに夢中で
結局最後までとろろはつけられず・・・
「蕎麦後のとろろ」、美味しかったー(^o^)



人気店ゆえ混んでしまうとこの静寂は味わえないが
時間を外せばこの店の美しさをこれだけ堪能できる。


奥さんの穏やかな接客も、

厨房がカタコト動く音も、

全てがこの店の景色に美しく重なり


ああ このまま時が過ぎていってもいい、
と思うのだ。







                                                    
posted by aya at 10:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 関西の蕎麦>京都 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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