雪の中に佇む名高き名店。

今夜は偶然のタイミングとは言え、なんと「せきざわ」を独り占め出来てしまった。
混雑時は数十人待ちもザラな店だけに、なんという贅沢!


玄関を入ってすぐの待合のような空間から店内を見る。
そう、待合スペースが必要なほどの店なのだ。

静かな雪の夜。

「せきざわ」の蕎麦は、
自家栽培(信州栄村)や契約栽培の蕎麦を手狩り、完熟、天日乾燥させ
それを低温貯蔵し、自家製粉したもの。
書くは易いが気の遠くなるような手間のかけられた蕎麦なのだ。

まずは、「せきざわ」では必ず頼みたい「手挽きそばがき」から。
あの愛しいそばがきに対峙できる今宵のありがたさ、嬉しさときたら・・・
「手挽きそばがき」

身を寄せ合う姿がなんとも可愛らしい。
でもさらに見入ってください、見つめてください。
「せきざわ」の「手挽きそばがき」の超絶肌!!

どろ〜り、ギリギリで形を保っているような極粗挽き肌。
網ですくって器に取り分けただけで、テーブルに香りがふわぁー!
フレッシュな、青い、しかし野性味というほど暴れていない、
出会ったことがないほど上品なフレッシュさ。
こんっな素晴らしい香りがこんっなにふんだんに香ってくれるなんて・・
口に含むと姿の通りのどろどろ〜
極粗挽きゆえつぶつぶ感も大変楽しく
つぶつぶどろどろ〜としているのにほわっとエアリーな感じもしっかりあり
エアリー過ぎてシュワシュワした感じすらある。
この食感はすばらしすぎる。恍惚過ぎる。
つけて食べるように「自家製味噌」や「つゆ」も添えられてくるのだが
それは一生絶対につけられないほどそばがきが美味しい!!!
お味噌はあとでそれだけで美味しくいただきました(^o^)
「おまかせ」

「鴨ロース」「出汁巻き卵」「蓮根まんじゅう」
「二十日大根」「田んぼで採れたセリ」「にしん」
出汁巻きは上品な薄味ながら甘みはしっかりあるタイプ。
蓮根まんじゅうが揚げたてで香ばしくて美味しい!
田んぼで採れたセリのおいしさにも感激。大地の香り。
いよいよ、心澄ませて、蕎麦。
「生粉打ち」

ひろびろと美しい木の空間と蕎麦の景色。
静けさが際立つ瞬間。

わーっこれは!!
そばがきとまっったく同じすんばらしい香りである。
繊細な極細、1本1本がちゅるちゅるちゅるりと超みずみずしいが
こういうみずみずしいタイプの蕎麦にはありえないほど香りが濃厚である。
ちゅるちゅるだが、1本1本が非常に繊細で大切な印象。
みずみずしいせいか味わいはごくさっぱりと感じられるが、
とにかくひんやりと清澄で、しかも香りが濃くて、最高の美味しさ!!
「磯切り」

さすがは磯切り、鮮やかな緑。
これまた極細ゆえ重なりが密なのか、
なんだが全体が小さくギュッとくっついたような印象の小山盛り。

新海苔がはいっているというので
青海苔のようなはっきりした香りがプンプンの蕎麦を想像したが、意外や意外。
さきほどの生粉打ちの上澄みだけのような清澄な香りに
磯のヴェールをふわりとかけた程度。なんというニクい美味しさ!!
「磯切り」というより「磯の風切り」とでも呼びたいような。
この蕎麦は、噛めないほどの強靭な食感だったのがまた面白い。
一本一本断面が丸いイメージの輪郭を持ち、ちゅるんっちゅるんでものすごい強靭さ。
すっきり薄口の汁につけるとこれがまたドンピシャリ合っていて美味しい〜。
「あら挽き」


またまた全く同じ、美しいフレッシュな香りに感激!
「同じ蕎麦なら同じ香りで当然なのでは」と思われるかもしれないが
同じお店の同じ品種の蕎麦でも、
挽き方や打ち方で香りの方向性が違って感じられるのはよくあること。
しかし「せきざわ」ではすべて「この香り」という、同じかぐわしさをピタリ突いてくる。
同じとは書いたがこの「あら挽き」は
先出の「そばがき」や「生粉打ち」よりさらに白い粉の夢のようなすべすべしたイメージ。
(いつもながら私の感覚、表現って・・(^^;;))
粗挽きのざらつきはあるがみずみずしいので全体としてはすべらかで、
なによりもちっとした食感が美味しい。
しろく美しい味わいがしろいもちもちのなかでひろがる恍惚・・・
お馴染みのオリジナル湯桶。

蕎麦湯はナチュラルだが、底に濃いところがあって嬉しい。
今は誰もいないが、それまでは混んでいたことを伺わせる味わいの濃さである。
雅やかなネーミングのデザートも、おいしそう♪


こんな素敵なお蕎麦屋さんがあるのですね^ ^
ちなみに、お蕎麦は三枚すべて食べられたのでしょうか?^ ^
てまはまた
仙台から、いらっしゃいませ!コメントありがとうございます(^O^)
せきざわ、素敵ですよね〜♪お蕎麦はいつも、その店にある全ての種類を頼まずにはいられない私です(*^^*)