2013年05月18日

本所吾妻橋「山介」


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2013年5月17日オープン!
ピッカピカの新店は「本所吾妻橋」A0出口真ん前。
なにしろ便利である。


「手打そば 日本酒 山介」。


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左右対称の漢字が二つ並んだ堂々たる看板。
実に目に鮮やかだ。


外観はすっきりと純和風だが、店内は相当おもしろい造りになっている。


入って左手はカウンター席。

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右手は個室風のテーブル席。

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うん、ここまではまあ普通ですね。

でもよく見てください。
テーブル席の上あたりに、もうひとつ部屋が見えませんか?

そう、中二階とも呼ぶべき上のフロアには、さらにこんな空間が。

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上から見下ろすとこんな感じ。

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楽しい眺め〜〜!(^o^)
写真左側が1フロア下の個室風テーブル席、その奥がカウンター席だ。

しかもその上、地下には隠れ家のようないい〜個室席があるのだ。
これは、一回来るごとにまったく別の店のような体験ができるに違いない。


本所吾妻橋はアサヒビールのお膝元ということで
「山介」の生ビールはアサヒの熟撰。(熟撰すきー♪)

しかし看板にも「日本酒」と掲げ店先に杉玉も提げるこの店。
なにしろ日本酒の品揃えがものすごいので
ついそちらに目がいってしまう。

全部はメニューには全く乗り切っていないので
冷蔵庫の写真を撮ってしまいました。

じゃん!

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「本日の地酒」というメニューより。

「栃木 旭興 特別純米 直汲み 無ろ過 生原」
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旭興っておいしいんだー!
スッキリしているのにコクが分厚い。
これは大変に気に入ってしまいました。
お酒のことは右から左に忘れてしまう私だが覚えておかなくっちゃ(^^)
八丁味噌と蕎麦の実をたっぷり使った蕎麦味噌と共に♪


肴メニューがまた粋だ。
王道の「間違いなくおいしいもの」だけが揃っている感じ。

「野菜の酢みそ和え」
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「とろり生ゆば刺」
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「そばがき」
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朱塗りの椀とはまたいい演出。
しかもこの肌・・・やや「生感」を感じる、個性的な姿だ。


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顔を近づけて思わず「はあああ〜」と言ってしまった。いい香りー!!!
香ばしくて、フレッシュで、それをまとめるような大地の感じもあるのだが
どこまでもきれいな香り。
もっちりモコモコ、でも田舎っぽいどっしり系ではなく軽やかな、めずらしい食感。
ちょうど椀がきそばがきと鍋がきそばがきの中間のような感じで、
そうか、だから見た目にも生感が感じられたんだなあ。
何よりもこの香りが素晴らしすぎる。美味しすぎる。
なんだっけこのかぐわしさ、この、私の脳に入り込んで何も考えられなくしてしまうような、
なんだっけなんだっけ・・・
と思っていたら、これは私の大好きな大好きな「大分・さちいずみ」でした。
ひゃーん、さちいずみさーん!(>_<)♪



「山介」は店主がアートが好きなのか、
あちこちに面白いものがあるのも見逃せない。

器も素晴らしい。

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描き絵の小さな猪口。
形も質感も色も、可愛らしすぎないほっこりとした愛嬌が実にいい!


この猪口と同じ作家のものという壁飾り。
これ、幅6cmくらいしかないんです。

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眺めていると小さな夢の中に入っていってしまいそうだ。
サイドのポチポチが優しいなあー


「高知 亀泉 吟麗 純米吟醸 うすにごり」
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こんなグラスでにごりの白を見せてくれる演出がまたいい。
白いシーサー?の置物とお似合いだったので一緒に眺める。

にごりはつい「ヨーグルトとかマッコリみたいでおいしそう」と思ってしまう私だが(幼稚)
これは香りからしてかなり大人のお酒でした〜
どんなお酒だと思ったか書くとどうにもアタマの悪そうな擬音だらけなので
自粛しておきます・・(^^;;)


「初摘み生のり」
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おおおおおいしいいぃ〜〜〜〜!!
店主のおすすめだけあって、食べた瞬間目がかっぴらいて動けなくなりました!
海の旨味がぎゅぅうううっと凝縮されて、でも食感は繊細でふんわり感すらあり、
さすがは有明産!
もうなんというか問答無用に最高に美味しい。
ついでに器も素晴らしい。
こんな肴が揃っていては、
お酒が飲めたらもうどんどん飲んじゃうでしょうねえ・・危険危険!



「鴨ロース」
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何とも太っ腹に分厚くふっくら、贅沢な鴨ロース。
うんとご馳走感のある肴と、シンプルで粋な肴の対比がいい。



「静岡 喜久酔 特別純米」
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わぁ〜「喜久酔」はやっぱりお酒一年生にも優しいお酒だ。
優しいのだけど味は濃いところが好き♪



「山介」の蕎麦は「せいろ」と「田舎そば」の二種類。
もちろんどっちもいきますよ!いきますとも!


「田舎そば」
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うず高く盛られた小山盛り。
ざっくり黒々、これは香り高そう、おいしそう〜〜!

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しっとりふっくら、ザックザクの粗挽き肌。
手繰り上げるとふわぁ〜と濃厚に香ばしい香りがさわやかに押し寄せてくる。
濃厚だが重くなく、さわやかフレッシュなところがすんばらしい。
口に含むと粗挽きの質感がザラザラザラ〜としっとりとやさしく舌に伝わり
それにうっとりとしていると、突如現れたイタズラ坊主にびっくりすることになる。
噛みしめると、クリスピーと言ってしまいたいほどの強いジャリジャリ感に
突然出会い目が覚めるような思い!
しかもかみしめた質感は驚くほどかろやかで、その中にジャリジャリがある。
うわぁ〜たのしい、おいしい!!
あまりにおいしくて、一生懸命ゆっくり食べようとしたのに
驚くほどあっという間に居なくなってしまいました・・・

ちなみに「田舎そば」は
自家製粉した「栃木・常陸秋そば」と「大分・さちいずみ」のブレンド。
両方共私が大好きな品種!いいとこどりだぁ〜〜


お次は「せいろ」・・となるところで
「肉つけせいろ」「鴨つけせいろ」というメニューが目についてしまいました。
おいしそう・・・(>_<)
迷いましたが、「せいろ」は「肉つけせいろ」にすることに。


「肉つけせいろ」
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実は先程からまわりのお客さんのもとに運ばれてくるお蕎麦のあまりの美しさに
ろくろっ首になってしまいそうなほどジーーーーーッッと見つめてしまっていた私。
おいしそうな肉汁はとりあえず置いておきまして、
そ、そ、その美しい緑のお蕎麦はいったいナンデスカ!!!

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ふっくらとかさなる粗挽き肌、そこに浮かぶ白い陰影、ゆらめく輪郭線。
うわぁ〜〜と口に含むと、しっとりとやさしい質感の奥に凛としたコシがあり
そこから穏やかで上品なかぐわしさと味わいが生まれる。
それがだんだんにふくらんでくる。穏やかなかぐわしさに私が染まる。
こちらももちろん自家製粉、「大分・さちいずみ」。

これは肉汁につけるのはもったいない・・・つけられない・・

あっ やっぱりお蕎麦だけで食べちゃった!

肉汁は肉汁だけでいただきまして、
甘辛の汁に薄切りの豚肉、おいしかったですよ〜



蕎麦後の蕎麦湯。

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うっ この猪口もいいー・・!
こんな器で飲めば美味しい蕎麦湯がますます美味しく、
蕎麦湯時間が余計長くなってしまう。


舌のしあわせ、目のしあわせ。



「山介」の時間が、ここに端然と清々しく流れ始めた。





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(すぐそこにスカイツリーの「あたま」がぴょっこり♪店前より。)


posted by aya at 10:32 | Comment(7) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>墨田区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
かつての『若松』ですね。
店内段差客席というと、小規模なもので麻布十番の『川上庵』、大規模だと『神田尾張屋本店』とか思い出しますが、写真で見るとその中間ですな。限られた空間で窮屈にならずに席数を増やすためでしょうか? 最上フロアの下は何の空間なんでしょう?
で、酒。これは凄い。凄い数。こりゃ確かに席数が多くないと。個人的には『神亀』を置いてくれているのが嬉しい。
看板に『日本酒』とあるのも実に珍しい。結構驚き。
『吾妻橋やぶそば』が移転しちゃってから、あまり歩かなくなっちゃっていたエリアですが、跡地の確認がてら、また行ってみたいですね。
Posted by TC at 2013年05月18日 19:25
はじめまして。

天抜きで昼酒をと、蕎麦屋を探していましたらこちらが見つかりました。

各店の丁寧な説明が嬉しく、また蕎麦以外の美味しい情報も参考になりました。

お気に入り登録し、頻繁に情報を頂戴しにあがります。
これからも有意義で嬉しい情報、酒呑みでひょうきんな高遠さんの世界を教えてください。
Posted by ぱんだ at 2013年05月22日 09:38
昨日 出陣
本営を中二階の隠れし所に設営。
取りあえずは涼しきところに三〜四日隠れ続けし黒い粒を身に纏いし限定兵士を押さえ・・
次々と押し寄せ来る甘辛に緑の粒をまといしもの、海を香らせしもの、儚く崩れし茶褐色の柔肌、艶めかしく輝く桜・・・
戦中身を清めるべく、般若の湯を次々とたしなみ。
その日が初陣と言う限定の兵士を嗅ぐれば・・・ギョッ! 香しきナッツが潜んでいるでは (^0^;)
その後緑の常駐兵やらなにやらと・・・
そして、終戦を迎えようという、その時だ!? 最後に出されたほんのり白く濁った温かな祝杯が・・・甘〜〜い、甘〜〜い、ナッツの香り。 其奴が全てを飲み込み、ただただそれ一色になってしまった・・(>_<)ゞ 主人に一言「これって   なんか  しまった(>_<)ゞ かな?)
Posted by 而酔而老 at 2013年05月30日 15:07
TCさま
最上フロアの下は何の空間が、隠れ家のような個室になってます♪密会(なんの)にどうぞ〜
>『吾妻橋やぶそば』が移転しちゃってから、
私も久々歩いたのですがとても楽しかったです。のんびりした下町の良いエリア!あのへんのガレージとかライブやりたいな〜。ジャズ好きの工場社長さんとかいないかな〜

ぱんださま
はじめまして、うれしいコメントありがとうございます。なんだか日々お蕎麦屋さんで写真撮ってもそのまま書かず仕舞いのことばかりなのですがこんなコメントいただくとやる気満々になっちゃいます。単純(^^)

而酔而老さま
すごい、而酔而老さまの文才を見せつけられた思いです!本営って書いてトグロって読むんですか?(^^;;)
Posted by aya at 2013年05月31日 13:58
エイエイッ!! 非国民!!
本営を「とぐろ」とはっ!!
 でも、なんか・・とぐろ巻いてた気もするが・・
まっ「文才」ならぬ「文災師」としては、栄光の至りではありますが??
戦中派には ちと ほど遠いが・・
 月月火水木金金 知らん人のために「げつ げつ か〜 すい もく きん きん」
この精神で蕎麦屋を歩き楽しむaya姫には
 感服 感激 完敗 乾杯 を覚えずにはいられませぬ
Posted by 而酔而老 at 2013年05月31日 23:00
行って参りました。蕎麦屋酒好きな私にはドンピシャリなお店でした。酒好きの鏡のような肴たち。個性的で美味しい取り揃えの日本酒。人当たりの良い店員さんたち。美味しいお蕎麦。人懐こそうで一癖ある庵主。再訪必至です。
ご紹介ありがとうございます
Posted by kenken at 2013年06月09日 19:21
而酔而老さま
月月火水木金金、知ってますよ〜私の実家は戦中飛び越して江戸時代でしたから(^^)
>でも、なんか・・とぐろ巻いてた気もするが・・
ね、やっぱり読み方合ってましたよね?♪

kenkenさま
>酒好きの鏡のような肴たち。
なるほど〜、私が「王道の”間違いなくおいしいもの”だけが揃っている」と感じたのはそういうことだったのか!と納得しちゃいました。お酒一年生につき・・(^^;;)
こちらこそありがとうございます。
Posted by aya at 2013年06月10日 12:49
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