観光地として飲食街として、
最近ますます賑わいを増している神楽坂。
通りを歩けば新しい店もいろいろ出来ていてついキョロキョロ。
こんな時は大通りに面したぱっと目立つ店もいいが、
「路地を覗いた奥にぽっと灯る小さな明かり」、
なんていうのに惹かれるものだ。
まさにそんな路地の奥。

小さく読み取れる看板には
「そば切り 酒膳 中村屋」。

しばらく来ない間に
明るくやわらかい雰囲気になったような気がする店内。

「黒龍」

「お通し」

どん!
ひとり分のお通しとは思えない量の「おでん」である。
このお通しもそうなのだが、この店にはいつも
「せっかくウチに来てもらったからには、
うんと美味しいものをしっかり食べて行ってもらいますよ!」
という心意気のようなものを感じさせられる。
カウンター奥の厨房で
パワフルにガンガン料理を作りまくる店主夫妻を見ていると尚更なのだ。
「旬菜一品」という美味しそうな旬のメニューの中から
「山盛りキノコ焼」というのを選んでみたらこうなった。

(今日は写真の色がいまひとつですみません・・)
どかーーん!
山盛りとは聞いたがそれ以上の迫力である。
この鍋の上でじゅうじゅうキノコを焼いていくわけだが
これが楽しい上に非常に美味しい。
ガーリックが効いていたのか、
ちょっとイタリアンのような洋のテイストもありつつ脂っこさがないので、
大量のキノコをあっという間に平らげてしまった。
「菜の花おひたし」

大好物なので自分も八百屋さんに行く度に買っては茹でているのに
外でもつい頼んでしまう。
春は何度噛みしめてもうれしいものだ。
「ブリ刺」

これまた大好物。
メニューに「脂のってます」とあったとおり
本当にいい〜脂がのっております!
お蕎麦は、ここではいつも
「せいろと田舎の二色そば」。
しかし、今日は珍しく壁の張り紙が目についてしまった。

「今月の変りそば 昆布切り」
おいしそうだな・・!
ヨシ、今日は欲張って
「せいろと田舎と変り蕎麦の三色そば」
にしてみよう。
「三色そば」

すごい、圧巻の「六つ山盛り」!
「二色そば」の「四つ山盛り(私は田の字盛りと呼んでいる)」は他でも見かけるが
「六つ山盛り」はなかなかない。
昆布切りの緑が際立って鮮やかだ。
「せいろ」

細めの平打ち。
やわらかめで、独特のふにゃぷる感がある。
「ふにゃ」だけでなく「ぷる」があるところが津軽そばっぽい印象も。
二八なのかな? 粉の甘い香りと味わいが何ともやさしい蕎麦だ。
「田舎」

がっつり、これでもかと黒く粗い肌。
干し草のような香ばしさ、甘皮のたくましく濃厚な香りと味わいが
食べている間じゅう全身を染めるかのようだ。
ちょっと粘性のある触感だがフカフカと密度が粗いので
食感は軽く、スルスルと食べられる。
「せいろ」との対比が鮮やかで楽しいなあー。
こういう個性豊かな「二色もり」「三色もり」大好き!
「変わり(昆布切り)」

写真の色がうまく出ていないが実際はもっと綺麗な緑だったんですよ!
昆布締めのようないい香りがプンと香り、
高級料亭の突出しか何かのよう。
香りはそのまんま昆布締めだがもちろん塩分はなく、
品の良い粉の味わいが溶けるように消えていく。
海藻のせいなのか、せいろや田舎よりしっかりした舌触りと輪郭線が印象的だった。
これだけ個性鮮やかな三種となると、それを味わい比べるだけで
楽しいやら忙しいやら。
つゆをつける暇は(私には)全然ないはずなのだが
私ここのつゆも結構好きで・・
悩ましいなあー
.
照明のせいでしょ。
> 今日は写真の色がいまひとつで
照明のせいでしょ。
> 「六つ山盛り」はなかなかない。
焼肉屋の『ナムル盛り合わせ』がこんな感じよ。
ココは蕎麦もそうだけど、料理を食べに行く感じで利用してしまいます。1度、長嶋の話もきいてみたいのですがねぇ。
『中村屋』がそうかどうかわ置いといて、照明をLEDに変えることで、微妙に雰囲気の変わる店舗は、蕎麦屋に限らず、最近増えた様ですね。
>焼肉屋の『ナムル盛り合わせ』がこんな感じよ。
最初「全然関係ないし!」と言い返したくなりましたが、全然違うのに大変よく似ているので可笑しくなってきました・・(^^;)