2013年03月18日

長野・松本「蕎麦倶楽部 佐々木」


久々に、目が覚めるような思いをした。

人気の店にはワケがある。
面白いなあー!


観光地だけあって、松本には実に蕎麦屋が多い。
すぐに名前が挙がる有名店だけでも相当あるし
行く度に「えっこんなお店もあったんだ!」と
私は嬉しい悲鳴で大忙しである。

「蕎麦倶楽部 佐々木」は
有名老舗「手打ちそば こばやし本店」の数軒隣というすごい立地。
周囲は飲み屋や飲食店が点在するいい雰囲気のエリアで
石畳で整えられた裏路地は、ほろ酔いそぞろ歩きにもってこいだ。

RIMG7498.jpg


なまこ壁がアクセントの外観。

RIMG7493.jpg

純和風でありながら洗練された「新しさ」を感じさせるセンスの良さ。
いい外観だなあー、この外観だけでも入ってみたくなっちゃうよなあー
としばし見惚れる。

RIMG7490.jpg

本日のそばの実 「麻績日向」。
聞いた事ないけれど、
松本の北に位置する麻績村(おみむら)のあたりで採れたお蕎麦かな?
楽しみ〜♪

夜の部は18時からの「蕎麦倶楽部 佐々木」。
私は18時の開店と同時に入ったのだが、
驚くべきことに私が席について5分もせぬ間に
お客さんが入ってくるわ入ってくるわ、
あっという間に店内はほぼ満席となってしまった。
それもカウンター狙いの常連さんが多いらしく
皆さん慣れた様子で「いつもの」を注文している。

RIMG7480_3.jpg


人気のカウンター内を観察すると、確かに面白い。
シングルモルト好きという店主だけあって
グレンリベットやマッカラン、ボウモアなどスコッチのボトルが勢揃い。
その他バーボン、コニャック、ワイン、泡盛などの他
日本酒は木曽・湯川酒造の「十五代九郎右衛門」が専門店並に揃っているのが
長野らしくていい。
そして黒板にはいかにもお酒に合いそうな本日のおつまみが
ぎっしり書かれている。

RIMG7484.jpg



よーし、せっかくですからテーブル席の私も、
伸び上がって目を凝らして黒板メニューの中からおつまみを頼んでみよう!

一番上に書かれていた、
「豚肩のソテー」
RIMG7459.jpg

こ〜れ〜が〜!
見た目も嬉しいが食べてビックリのブタカタソテーなのですよ。
写真からもお分かりかと思うが、柔らかジューシー!みたいな
ごはんのおかず的なソテーではなく
ギッチリコッチリ旨みが凝縮、かめばかむほど味が出る、
どうにもこうにもお酒のおつまみなブタカタソテーなのだ。
お店の奥さんに訊いてみると「焼く前にちょっと燻煙をかけてるんです。簡単ですよ〜」
と親切に教えてくれた。
添えられたサラダにはこれまたお酒に合いそうなチーズのドレッシングがかかり
焼きネギの自然な甘みがまたいい。
ちょっとちょっと、これは呑兵衛にはたまらなすぎるおつまみでしょ!


そしてこれは定番メニューより

「そばがき」
RIMG7450.jpg

珍しいほどの超濃厚ポタージュ蕎麦湯の中に浮かんだ姿にもまず驚いたが
さらなる驚きはこのあとにやってくる。

RIMG7453.jpg

これだけ、いかにも香りそうなそばがきだけに
「さぞや素敵な蕎麦の香りがするだろうなあ・・!!」
とワクワク顔を寄せたのだが・・
あれ?今厨房でジャーッと調理してるものの香りがここまで強く漂っているのかな?
出汁の香りしかしない・・さっき注文が入った「サンマの唐揚げ」かな?

一口、口に含んでビックリ。
なんと蕎麦ポタージュ部分にはあらかじめ蕎麦汁が入っているのだ。
それだけで単なる「そばがき」を超えて東欧の豆のスープか何かのような
存在感を持ってくるから不思議である。
おそらく蕎麦汁しか入っていないと思うのだが、あまりの濃厚さに
バターか何かが入っているような贅沢な錯覚を覚えるほど。
蕎麦の香りや味わいはほとんど感じられないのは
私のような蕎麦蕎麦蕎麦虫にはやや物足りなかったが
これまたお酒のおつまみとしてはすんばらしい「そばがき」である。
面白いなあー!


そしていよいよ、お蕎麦〜♪(^o^)
「蕎麦倶楽部 佐々木」のそばメニューはもりそば1000円からなので
かなり高級イメージ。
本日は「そば粉九割二分で打ちました」とのことである。

「もりそば」
RIMG7463.jpg

おお〜
ホシいっぱいの黒っぽい肌、いかにも香ってくれそう!

RIMG7465.jpg

極細、ザックザクの粗挽き肌。
食感はややネチッと粘性があるが繊細な極細のため気にならず
かえってその食感がジャッキジャキの粗い粒感を程よく優しくしてくれている感じがある。
見た目は柔らかそうだが舌触りはしっかりはっきりとしていて
いびつで粗い輪郭線は手びねりの陶器のようだ。
香りにも味わいにも甘みがないのが硬派な印象。
墨のような渋い香りがじわーと低く漂っている。

ちなみに「蕎麦倶楽部 佐々木」は蕎麦汁も甘み少なく硬派な印象なのだが
それがやたらと美味しい。
最初はちょっと個性的な汁に感じたのだが、私は大いに気に入ってしまった。
あの出汁には何か魔法があるぞ!(^^)


そしてこの店では欠かせないメニューではないだろうか、
「鴨つけそば」
RIMG7474.jpg

この出汁がまた何だかやたらと美味しい。
本鴨だという鴨が大きくゴロゴロ入っていて嬉しい。
ネギ好きとしてはネギいっぱいなのも嬉しい。
そしてこの鴨汁につけるとここのお蕎麦の食感は一段と良くなる。
これは美味しいメニューですよ〜〜〜
もりそば1000円とつけ鴨そば1500円だったら
断然こちらがお得な感じがしちゃうなー!おすすめです。


店内の壁にはオペラのステージ写真が絵画のようにたくさん飾られていて
訊けばサイトウ・キネン・オーケストラ演奏のものだった。
そうだ、ここは松本、サイトウ・キネン・フェスティバルの地だった。
音楽好きらしい店主夫妻、
奥には真空管アンプもあったので素敵なBGMも楽しめそうだ。



くだけすぎず気取り過ぎず、
美味しいお酒を主役に「ちょっと上質な時間」を過ごす蕎麦屋。

開店と共にいっぱいになってしまう、
松本の人気店の「ワケ」をちょっとだけ垣間見た気がした。


面白い夜だったなあー






<おまけ>
近所には、こんな路地も・・これまた魅惑的でしょう?
RIMG7504.jpg


posted by aya at 01:49 | Comment(6) | TrackBack(0) | 甲信越の蕎麦>長野 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ここ行ってみたいんですよね。あと街中ならCCubeさんとか種村さんとか。
浅間温泉や三才山方面にも訪ねてみたいお店があって、松本周辺だけでも
行きたいとこだらけです。
Posted by Z33 at 2013年03月21日 00:20
こんにちは「!!」
長野も凄くいい蕎麦屋さんが色々あるんですねダッシュ
長野行きたいな〜あせあせ(飛び散る汗)
「四季の味」の本に出てた、長野佐久にある蕎麦屋職人館さんが凄く気になってましてダッシュ高遠さんのblog見て、職人館さん行ってるダッシュダッシュうらやまし〜って感じです「!!」
この時期なら美味しい山菜たべれたろうに下向きカーブ矢印
Posted by 23才 at 2013年03月21日 11:10
ありゃま!?
せっかく松本くんだりまで行ったのなら「米十」に行ってみれば良かったのに・・
のんびり畳に横たわって倉でも見ていると、浮き世の憂さも彼方に飛んで行くかも
Posted by 而酔而老 at 2013年03月21日 11:50
しもうた・・・

こんなところです

http://yoneju.com/soba/index.html
Posted by 而酔而老 at 2013年03月21日 11:51
あのね、
松本には秋に行く予定でね、
行くお店はね、
もう決まってるの。
ふふ……。(楽しみ笑い)

『佐々木』、蔵みたいな壁ですねぇ。
江古田の『甲子』を思い出します。
あっちにも行きたい。

昨日は六本木蕎麦、
今日は小名浜蕎麦、です。


具合はどうなの?
Posted by TC at 2013年03月22日 01:30
Z33さま
そうですよね〜〜、夜やらない早仕舞いの店も多いし、ほんと松本周辺は悩ましいですよね!

23才さま
長野は本当に大好きな県です。お蕎麦、山、温泉・・たまりません(>_<)♪
「山菜」なんて聞いたら俄然職人館にまた行きたくなっちゃいました!

而酔而老さま
松本は夜行くことが多くて、今回も夜でした〜。それはそれで楽しく迷うところなのですが♪昼間行ったら忙しくて体がちぎれるかも(^^;)

TCさま
わー楽しい春の大活動ですね!具合は声という大問題を残してほぼ元気になりました!その声も、話し声はほぼ元通りです。
Posted by aya at 2013年03月22日 21:17
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック