2012年12月27日

学芸大学「尚古庵」


フレンチのコース料理の最後に手打ち蕎麦が出てくる面白い店がある。
しかもどちらも美味しい!


学芸大学駅から徒歩3分。
以前「夢呆」があった場所からすぐの場所にある、小さな入口。

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訪れた日はクリスマス間近だったため一層わくわく、いい雰囲気。

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小さな店内はカウンターもテーブル席もお客さんでいっぱいで
どの席も笑顔にあふれている。

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間接照明がムードを高める洋のインテリアの中に
アンティークの茶箪笥など和のテイストがあしらわれている。
しかし気取った感じではなく、
全体にあたたかみがあるのがとてもいい。



厨房からは牛肉を煮込んだような良い香りがして
隣の女性二人は白ワインと鯛のポワレを楽しんでいる。
そしてテーブルにセットされている「カトラリー」はこれ!
面白ーい(^^)

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アラカルトのメニューが楽しくてさんざん迷ったが
コースメニューがこれまた全部美味しそうだったので
今夜はコースでいくことに。

前菜の盛り合わせ
本日のスープ
鯛・海老・牡蠣のポワレとそばの実のリゾット サフラン風味
和牛または骨付子羊のステーキと温野菜
手打そば
デザート
コーヒーまたは紅茶


唐突な「手打そば」が面白いでしょう〜〜〜?

しかも内容が、これですから!


「前菜の盛り合わせ」
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わぁ〜っと楽しい気分になる円形の盛り付け。
「12時」から時計回りに、
キノコのオムレツ、スモークサーモン、玉ねぎのパイ、海老とオリーブ、
鴨スモークとオレンジ、テリーヌ、真ん中が生ハム。
バターたっぷりフレンチより和食やイタリアンが得意な私には
余計嬉しいアレンジだ。
特にキノコのオムレツは一見和風のだし巻き卵のようで
フレンチのキノコのスープのような美味しさが中から飛び出す。
おいしい〜


本日のスープは
「クラムチャウダー」
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クラムの生臭さは殆どなく、じゃがいもごろごろ、
とろーっとなめらかクリーミーでおいしいクラムチャウダー。
子供も大人も大好きな味だ。



次は
「鯛・海老・牡蠣のポワレとそばの実のリゾット サフラン風味」

白ワインとフランスパンとオリーブオイルとそばの実のリゾット。
各国のいいとこ取りでしあわせだなあ〜
オリーブオイルもとても香りの良いものだ。

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しかし、実は唯一と言っていいほど苦手な食材がサフランである私。
本来「サフラン風味」であるところをお願いして
サフランを使わないアレンジにしてもらった。
厨房は多忙を極めているしそんな中我侭な注文をしたので
少々心配だったのだが・・


「鯛・海老・牡蠣のポワレとそばの実のリゾット サフラン風味」
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これが激烈に美味しいいぃぃぃ〜〜〜(>_<)
鯛も海老もふっくらと美味しいが牡蠣の美味しさは時間を止めたくなったほど。
そしてそばの実リゾットがまた最高。
白ワインの風味と胡椒とほのかなバターの香り、
とにかくバランスが素晴らしく、ゆっくり食べたいのに美味しくてどんどん食べてしまう。
一番混んでいる時間の即興アレンジだというのに
なんとなんとおいしいのでしょう。
私以外の人にとってのサフラン風味は、これより更に美味しいと推察されます。




メインは和牛と子羊から選べます。
私はもちろん羊で!わーい!

「骨付子羊のステーキと温野菜」
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まず、この野菜の美味しさはなんでしょう。
ポテトのシンプルなキッシュも芽キャベツも
素材の美味しさがきちんと感じられる「料理しすぎていない美味しさ」。
メインの子羊は思った以上にボリューム満点で
子羊だけに臭みもなく食べやすい。
香りの強いマトン系の方が好みの私には子羊は退屈なことが多いのだが
赤ワインのソースが美味しくてとてもおいしく完食。

「柿の描絵」の和皿とのコンビネーションが素晴らしいなと思っていたら
なんと「尚古庵(しょうこあん)」の前身は
ずいぶん昔に別の地にあったという「尚古堂(しょうこどう)」という骨董店であった。
店内には「尚古堂」時代の古い看板も。





そして世界は一変する。


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セーヌ川端にいきなり現れた武士のような。

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店内中にこれだけおいしいご馳走の香りが満ちていては
蕎麦の香りが感じられないのではと心配した杞憂だった。
まさに武士にような渋いイメージの、けむるようなストイックな蕎麦の香りが
フーーッッとおだやかに、笊の周りの空気を染めている。
口中でほどける蕎麦束のくっきりとした輪郭線がここちよく、
決して硬さはないのだが噛みしめるとややのびるような強靭なコシがある。
華やかで賑やかな美味しいご馳走のあと
このひんやりと美しい穀物で口中を清める幸福感。
心まで洗われていくかのようだ

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さっきまで「子羊のステーキ」を食べていたとは思えないこの眺め。


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つゆは舌に乗せてみて、ちょっと個性的かな?と思っていたのだが
「もしや、これはきっと」と蕎麦湯に入れてみてその美味しさに驚く。
フレンチのシェフだけにスープ名人なのでしょうか。



食後のデザート。
果物とバニラアイスと小さなケーキ。

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ざくろの赤い粒がかわいくて、しかもおいしい!


どのプレートにも「尚古庵」ならではの世界があり
その少し抑制のきいた、誰も美味しいと感じるような調和にすっかり魅了される。
おいしいお店だなあ。


先程までグループのお客さんで満席だったカウンターでは
常連さんらしいカップル客がアラカルトメニューとワインを楽しんでいる。

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余計な愛想は振りまかないが自然なマダムの接客も居心地がいい。
なにか聞くと小さな笑顔でそっと教えてくれる。


私には、最後のコーヒーが美味しいことも
とても大切だ。

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(わーい、と一口飲んじゃってから撮影。たっぷりでうれしかった!)



ちなみにこれだけ楽しんで、コース5300円。


うーん、楽しいお店だなあ〜
posted by aya at 14:03 | Comment(1) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>目黒区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あ、私もね、この間『天使のトンカツ』と勝手に呼んでいるトンカツのあとで手打ち蕎麦というお店に行ってきたのです。
肉料理と蕎麦ってイイですよね。
今度は、和牛ステーキのあとで蕎麦というお店に行くことになってるの。
早く正月休みが終わらないかなぁ。
Posted by TC at 2013年01月03日 02:30
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