神田「眠庵」のお客さんの中から希望者を募り
定期的に開催されている八種もりの蕎麦会。
今回はこの蕎麦会をいつも楽しみにしている、とある江戸っ子気質の女性が
「退っ引きならない理由で」泣く泣く欠席。
聞いてみると理由は「祭」だった。
今頃お神輿担いでるらしい。
そりゃー退っ引きならないわ!と出席者同士で言い合いながら
「今回は特別に美味しかったんだよーってあとでイジメちゃおっか♪」
なんて言っていたのだが・・
それがほんとになっちゃった!
神田「眠庵」の蕎麦会では
毎回選りすぐりの、全国8箇所の名蕎麦に最高の形で会えるのだが
今回はまたいつも以上に美味しい蕎麦揃いで
ものすごかった!めまぐるしかった!
いつも通り、1枚目のみお店の方のプロ盛り。
2枚目以降はお椀に入れられて来たお蕎麦を
自分でパカッとひっくり返す「セルフ盛り」。

1枚目「埼玉」2012年三芳の夏蕎麦の新蕎麦、品種はキタワセ

いつも一枚目の感動は鮮やかだが、この埼玉の新蕎麦の香り高さと来たら!
甘く、深く、どこまでも濃厚な香りがおいしすぎる。香りだけで恍惚すぎる。
こんなにも素晴らしい香りにパンチを喰らったのは久しぶりだ。まさにノックアウト。
ハラハラとやや粉っぽいような食感も個性的。
ああー美味しいなあー
1枚目だからこんなに美味しく感じちゃうのかなあー
2枚目「群馬」2012年、夏蕎麦の新蕎麦、品種は階上早生

見るからにしっとりとやさしい風情の肌。
香りはこれまた濃厚だが非常に爽やかな印象で
食べてみると予想以上に味わいが濃い。
やさしいやさしいコシの肌を噛みしめると
内側から水分とともに旨みがにじみ出てくるようなジューシーな食感。
ひゃ〜 これまたおいひい〜〜まだ2枚目でうれしい〜
3枚目「茨城」2011年、品種は常陸秋そば

これがまたものすごい蕎麦!
やや赤みを帯び、一際の勢いを持って流れるようなラインが印象的な茨城。
1枚目も2枚目もあんなにおいしく大感激したというのに、私のメモには
「いちおくまんてんのいばらき!!」
と実に頭の悪そうなことが書いてある。
恥ずかしながらその後も披露しますと
「香りぜんぶある めちゃこい しとぴた やわらかコシすばらしーこわれた」
早くも壊れたらしいです。
でもこの時は私だけじゃなく、周りの男性陣の唸り声もすごくて
あちこちからウーン、ウーンと携帯電話のバイブレーター音みたいだったんですよ!
4枚目「富山」2011年、山田在来種

くにょんくにょん ふにゃんふにゃん
こんな食感で最高に美味しいなんて不思議過ぎる。
そこらの茹で過ぎ麺と何が違うんだろう?
粗挽きの肌はがっちり密につながっているというよりは
蕎麦の粒子と粒子が水で軽く疎らにつながっているという感じ。
限界まで軽くやわらかいのに、やさしく受け止めてくれるコシがある。
香りはこれまた甘く濃く、味わいは最初さわやか、あとから濃くなる感じ。
はあーこれもおいしいー
なんかいまいちなのも挟んでくれないと勿体無いような気がしてきた・・
5枚目「宮城」2009年、秋保在来種

さわやかな山のフィトンチッドのような香り!
ビスクドールのように「荒くて細かい」肌、ジューシーな食感。
味わいはさわやかさっぱり・・と思ったら、
おお〜 これは一つ前の富山以上に、後からどんどん味が濃くなる。
驚いたことに蕎麦が口の中から消えてからも
口の中でどんどん味が濃くなる。
恐るべし、東北の蕎麦。
6枚目「長野」2011年、品種は信濃一号

あのー もう美味しい蕎麦続きすぎて
だんだんトランス状態になってきて
どうおいしいか、とかわからないんじゃないか?と思ったのですが・・
この長野はそうはさせてくれなかった!
とにかく味が濃い。香りが濃い。
舌に載せた瞬間から味がグワァーと口いっぱいに広がるなんてすごすぎる。
このかぐわしさ、味と濃厚さ。
もうなんというか濃すぎてくさみに近い気までしてくるほど。
信濃一号もすごいんだなあ〜
と思っていたら店主は
「どうもこれ、打ってても食べても牡丹ぽいんですよね・・変だなあ〜」
とオリジナルな見解を。
新生児取り違え事件?!
7枚目「徳島」2009年、徳島在来種

私の大好きな徳島。
3年熟成のこちらは、落ち着いた、どこか老成したような
野性的なこうばしさがおいしい〜
ひたひた ふるふる とした、儚いような、しかし凛とした食感。
味も香りもこれまた濃厚、もう今日は全部美味しい全部凄すぎる。
8枚目「福井」2011年、大野在来種

きたー・・・
トリを飾るこの福井の美しい緑は、毎度のお楽しみだ。
ふっくらと全方向が満たされるようなかぐわしさ。
炊きたての白米のような、上品な甘さと穀物の旨み。
いつも最後に華々しくも強烈なパンチを食らわす福井だが、
今日は全部が全部スゴ過ぎて福井も特には際立たず、
最初から最後までトップスピードで走りきった感じ。
はじめて参加したというとても上品でほっそりとした女性は
最初「えっ・・・これが8枚くるんですね・・」と驚いていたようなのに、
最後には「美味しいので入っちゃいました」と控えめにニッコリ。
そうなんです!私なんか何度人の分を引き受けちゃったことか!(^^;;)
今日もまた皆様持ち寄りのおいしいおつまみ、お酒が揃いまして
私もお蕎麦最優先とは言え、いただきましたよ〜
ちびちび、味見程度ですが今日一番美味しいと思ったお酒はこれ。

古酒なんて私には無理かと思ったのだが(強いのが多い)
これは真鍮の玉の重みを手のひらにぽってりと受け止めるような、
まっすぐで確かな旨みがズシッと短くやってきて美味しい。
(いつもながらお酒の形容が変すぎる私)
苦手な部類の「大人の酒」ながら
これは私にもわかっちゃいましたよ、イケちゃいますよ〜〜(^o^)
本日の丸抜きさん達。

お三方をピックアップしてみました。
「群馬」

きれいな緑〜
「富山」

小粒!
「長野」

例の、すごかった信濃一号。
美味しいお蕎麦は丸抜きをかじっても美味しいんですよ♪
2012年7月の「八種もりの会」
2012年5月の「八種もりの会」
2012年3月の「八種もりの会」
2012年2月の「八種もりの会」
2011年12月の「八種もりの会」
神田「眠庵」
神田「眠庵」(豆のスープ)
2011年11月の「八種もりの会」
2011年9月の「八種もりの会」
2011年7月の「六種もりの会」
2011年5月の「眠庵」手挽き蕎麦
2011年3月の「眠庵」
2011年2月の「八種もりの会」
2010年11月の「八種もりの会」
2010年9月の「八種もりの会」
2010年7月の「八種もりの会」
2010年4月の「八種もりの会」
'11年モノは、麺線がキレ〜に出ていると思いました。(目が悪いし、気のせいかな?
これで「田舎モノ」とか入ると、
一体どういう会になっちゃうんだろうか?
と凄く怖いのですが、そうはならないようですね。('hot'…安堵;;
ジットリとした重い暑い空気に覆われた大都会。疲れと倦怠感に包まれた体を引き摺り行く・・・
気持ち安堵を覚えるチョットだけ冷たい真鍮の取っ手、ゆっくりと音を立てないよう、ゆっくりと ゆっくりと・・
暖かな陰影に包まれた異次元・・・
そうだな「これ半量でいいや・・・あとこれと、これと、それとね、今、何が上がってる?」「・・・」「じゃ、それ!」
「んん〜〜っ、もう一つ何かない?」「・・・」「じゃっ!!それも!!」
・・・・
「もう一つ良いかな!?」「・・・」「うんうん!それで!!」
「っえ! もう来ちゃった・・」
○○前と肴と蕎麦と雰囲気と、十字の形の天秤があるとすると、どこに向かって傾くのだろう?
どこに傾く事なくまるで何も無かったかのように微動だしない天秤が一番かな!?
○○前と蕎麦を天秤に載せたら・・本当はうんと、うんと重い蕎麦に飛ばされる○○前のくせに、ふっと気付くと何故か○○前がガクンと下がって宙を舞う蕎麦・・
どうもチョット困ったちゃんの私の天秤
何故かこの前も0種盛りの バランスの取れない私
次回は天秤の軸受け、瞬間接着剤でくっつけて行こう??
よしのさまは丸抜き写真が大好きでいらっしゃるので、私も撮った甲斐があります!いつも愛でてくださってありがとうございます〜
而酔而老さま
>どうもチョット困ったちゃんの私
エッちょっと!?
うふふ そういう私もですからご安心を(^o^)