石神井公園駅から線路沿いを歩けばすぐ。

駅からこんなに近いのに
付近はあまり賑やかとは言えない雰囲気。
そこに突然ポンとこの新しい綺麗な店が現れると意外なほどである。
向かいの線路側が大がかりな工事中のせいもあるだろう。
オープンしてまだ半年、店内は清潔感にあふれとても綺麗だ。

そのすっきりとした店内で、
まず目をひくのが冷蔵庫にある銘酒の数々。
手書きのメニューにもそれぞれのお酒の特徴がわかりやすく書かれていて
お酒に詳しくなくても楽しく選べるようになっている。
飛騨、新潟、高知、神戸などの銘酒の中から
飛騨「蓬莱 まるしぼ生原酒」。
「アルコール度を極限まで高めた生原酒。辛口ばかりがもてはやされる昨今、
甘い口当たりの中にふくよかなこくをお楽しみください」
って全然私向きではなさそうなお酒なのだが・・

(ちょっと飲んだ後でスミマセヌ)
こ れ が! おいしい!びっくり!
甘いと言えばそうなのだが、
すっきり澄んだ入り口から一瞬でプワァ〜ンとふくらんで舌を満たす感じがたまらん!
お酒についての形容は、私相当個性的=ヘンらしいのであまり書きたくないのだが(^_^;)
お酒が美味しいお店はおつまみが美味しいからこまったもんです。
自家製の燻製がいろいろ選べる、と聞いただけで
長居決定である。
鯖にも相当惹かれたが迷いに迷って
「豆腐と砂肝」

さくらの木で燻したという燻製。
豆腐は濃厚でチーズのよう。
反対に砂肝はコリコリさっぱり、香りは深くこうばしく
いいコンビだな〜
ってなわけで早くも
飛騨「糖類無添加酒米づくり研究会」

(これもちょっと飲んだ後・・)
「ひだほまれ米使用。
お米を一粒たりとも無駄にせず造ったお酒はリーズナブルな価格の純米造り」
これはお酒ヒヨコ組長の私にはちょっと激しいが
バシッと、お酒好きの人が好きそうなお酒。
ここは個性的なおつまみがいろいろあって本当に楽しい。
またまた迷いに迷って
「豚の角煮(自家製)」

煮肉好きですから必ず気になるメニュー。
じっくり煮込まれた甘めの角煮。
お酒に合いますのぅ〜
「手羽元のリンゴ酢煮」

「和風餃子(自家製)」

この餃子が、なんたって本日一番の感激でございます。
どこが和風なのかと聞けば「ニラを使わず、タレが蕎麦屋風になっている」らしいのだが
とにかく素直に、ものすごく美味しい。
格別パリパリとかジューシーとかでもないのに、
素材の良さと作り手の真心が伝わるような、なんともじわーと、
ありがたいような気持ちになる味。
私最近、餃子が美味しくて有名なお店にも行ったりしたのだが
大して感心はしなかった。
これに比べるとなんて乱暴でジャンキーな味だったのだろうと思う。
聞けばなるほど「二村」の餃子は人気で売り切れてしまうことも多いそうなので
是非お試しを〜
見わたせば、店内は地元の「おひとりさま奥様」でいっぱいである。
これは地域に愛されている証拠である。
複数でおしゃべりランチ、とかいう奥様よりもシビアにメニューを見極め
今日のランチのおかずはどんななのかと詳しく聞いたりしている。
うーん、なかなか手強そうだが、みな「じゃあそれ!」とランチに決め
美味しそうに食べている。
どれどれ、その売り切れ必至のランチをみてみよう・・
「せいろランチ」900円

卵焼き、小鉢、かやくご飯。
でもすみません、私の目は一点のみに釘付けです。

おほー
みずみずしい肌、くっきりした輪郭線が
ナチュラルな木のせいろの上に気持ちよさそうに
ひろがっている。
箸先で淡く漂う甘い香り。
口に含むと見た目通りのパッキパキの食感で
しっかりした歯ごたえの中から粉の旨味があふれる。
こんなのもあります。
「ぶっかけ(豚しゃぶ+ゴマだれ)」

美味しいものがいろいろあって、何よりも居心地がいい。
店の奥さんの接客がなんとも営業的でないやさしい雰囲気で
帰り際さり気なく挨拶した店主も感じがいい。
開店時間に入りちょっと軽く・・のつもりが
思いのほか長居してしまった。
いい店というのはこうして愛されはじめ、
愛されていくのだ。