2011年11月27日
由比ガ浜「鎌倉 松原庵」
うつくしき午後。
今日はmyソウルメイトのおじさんが
計画してくれた鎌倉蕎麦デートの日。
おじさんと二人でではない。
おじさんはかねてより、おじさんが尊敬する女性老画家に
私を紹介したいと言ってくれていたのだ。
二人で、鎌倉の画家の家を訪れ、
ヨーロッパの田舎家のような大正ロマンのような居間で
お茶をご馳走になる。
新しいものが一つも見あたらない家。
そこに調和する画家の作品の数々。
ストーブの上で湯気を立てるやかんの音を聞きながら、
私はその古びた空間の曇ったような輝きに圧倒された。
そしてその空間を輝かせているのは、
間違いなくその画家本人の輝きだった。
年齢からすれば「老画家」なのだが、その魂にも姿にも、
今すぐ絵や小説のモデルにしたいような、潔い美しさがあった。
お蕎麦が大好きなのだけど、近所のよく行くお店がなくなってしまった、
だから今日はうれしいと言ってくれる。
ストーブの火を消したのを2度確かめて家を出る。
松原庵。
11月とは思えぬほど陽気のいい今日はテラス席もいっぱいだ。
まずおじさんはイソイソと、ぬる燗。
私の好物
「くらかけ豆」
画家のリクエストで
「海鮮のあられ揚げ」
これが予想以上の豪華なボリューム。
海老、イカ、野菜がサクサクパリッと気持ちよく揚げられている。
ブロックで分かれやすいので皆で分け合うのにとてもいい天ぷらだ。
おじさんのリクエスト
「そば屋のだし巻玉子」
「せいろ」
松原庵らしいじんわり濃厚そうな姿ながら
今日はフレッシュで爽やかな香りが実にいい。
味わいもすっきりとしながら十分な味わい深さ、甘さ。
おいしいおいしいと言いながら私一人あっという間に食べてしまう。
築75年の古民家にはひっきりなしに人が訪れ
どのテーブルも楽しげに賑わっている。
坪庭の向こうに浮かぶような打ち場。
このドラマティック?な演出を初めて見たときは驚いた。
打ち場は、鶴の機織場のような秘密の部屋だと思っていたから。
食後、おじさんの発案で海を見に行く。
由比ガ浜。
ヒールが砂に食い込むので防波堤で待っていた私に
おじさんが手を振っている。
画家はただその細い姿に、潮風を吹かせている。
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