2011年11月21日
駒ヶ根「そば切り てる坊」
てる坊〜 てる坊はどこじゃ〜
大阪・北浜から移転した「そば切り てる坊」を目指して
中央道をひた走り。
駒ヶ根インターを降り、もう目標の住所に相当近づいているはずなのだが
どこにも看板が見えない。付近は一帯住宅街。
うーん・・何か間違えているのかなあ・・
今もう店の住所の場所ピンポイントのはずなんだけど、
こんなような普通〜の、のどかな住宅ばかり・・
んっっ?
えっ この家なんだ!
これだったぁ!
近づけば、おお懐かしや懐かしや、
北浜にあった赤いメニュー板が。
「やっています ホッとしてってください」。
どこまでもどこまでも普通〜〜〜の民家の玄関に
ランランラン〜 来ちゃったよん〜♪ と近づいていく。
店内もまた、本当に普通の住宅のまま。
手前の部屋は座卓を置いた座敷席。
奥の席は大きなテーブルをドンとひとつ置いた椅子席になっている。
座敷席から眺める、駒ヶ根の住宅街。
青空と家庭菜園とお隣の洗濯物。
大都会大阪のど真ん中、北浜とは対照的な立地である。
店内はすでに満席で忙しいながらも
お蕎麦の種類だけは店主が出てきて丁寧に説明してくれる。
もうすぐ「てる坊」の蕎麦に会えると思ったら・・思ったら・・・
ああ 会う前から胸がいっぱいだ。
「どうぞ・・」と控えめに、サービスらしい小鉢が運ばれてくるのが
田舎らしい家庭的なもてなし。
「そば豆腐」
「大根とひき肉の煮物」
お蕎麦はお目当ての「丸抜き」「玄挽き」に加えて
店主の説明で美味しそうだったので
今日は「ごま切り」にも挑戦。
「ごま切り」
へえええ、想像と違って真っ白い肌。
胡麻が練り込まれた全体に黒い肌のごま切りではなく
さらしなの肌にすり胡麻が散っているようだ。
そして汁にもごまだれがとろりと混ぜられ、
トッピング用の煎り胡麻が添えてある。
美しい・・
透き通るような白い肌。
鮮やかに散る胡麻の影。
手繰り上げると、いわゆる胡麻の力強い香ばしさとは違う、
実に爽やかな、軽やかな胡麻の香りがふわぁー。
見た目の通り更科蕎麦のような、密なすべすべの肌である。
どろどろ過ぎないすっきりしたごま汁に
煎り胡麻のプチプチの食感がまた美味しい。
真っ黒い「ごま切りそば」でもどろどろの「ごまだれそば」でもない、
非常に軽やかな「ごま切り」である。
さて、心の準備をしなくては・・
「てる坊」の、「玄挽き」!
感極まって3枚も写真を載せてしまう私。
だって好きすぎてこれ以上選べない。全部眺めたい。
「玄挽き」
ああ 何という眺めなのだ・・・
その肌の色も粗さも、素朴な輪郭線が描く流麗なラインも
素晴らしすぎる。
手繰り上げると、渋く枯れた趣の香ばしい香りがふわりと漂い
粗挽きの舌触りが心地よい。
噛みしめるとときどき感じるプチプチと楽しい刺激。
よく考えると甘みはほぼなく、
それが枯れた趣の香りと味わいをすっきりと際立たせている
そしてそして、どうしましょう。
次は「丸抜き」ですよね。
来ちゃいますよね。
ああ もう 来ました。
こっっ
言葉になりまへん・・・・
なんちゅう肌。
なんちゅう輪郭線。
あなたは、なんて、うつくしいのですか!!!
ふっくらとしろい粗挽き肌。
箸先からこぼれるフレッシュでふくよかな香り。
ざらざらとした粗挽きの舌触り
ほわあん ほわあんとやわらかな歯触りの中から
美しい蕎麦の味わいが溢れ出す。
美味しさと、やっと再会できた喜びが
体に染み渡る。
北浜のあの小さな店、ロケーションも忘れ難いが
駒ヶ根の新店を訪れ、店主の
「ホッとしてってください」
という思いが、より強くうれしく伝わってきた。
北浜の「てる坊」は思い出の中に。
駒ヶ根の「てる坊」は陽だまりの中にある。
<おまけ>
「てる坊」の爪楊枝入れ。
アンシュにお見せしたい・・・
バンザイして楊枝を「ハイ」ってくれるんですよぉ〜!
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早〜〜〜っ
次回よりは お師匠さま そう呼ばさせてください
あたらしい方にも是非〜
見ているだけで美味しさが溢れてくるようで。
羨ましいです。
食べに行くのも楽しいですが「行きたいな」と夢見る時間も楽しいですよね。私もそんなお店だらけです♪