このところ、定期的に恵比寿に出没する私。
ふらりと足が勝手に向かうのは、あの路地。

おや、あんなイルミネーションサインなんてあったっけ。

入口脇に流れる「お気軽にお入りください」などの文字。
少々この店のイメージとは合わぬ気もするが
音もなく瞬く掲示板は、辺りに店もないこの路地の
平和な静けさに耳を傾けさせる。
確かに、以前より少し親しみやすいイメージになったかも知れない。
「せいろ」と「田舎そば」の「二色もり」。

「せいろ」

潔く、ひんやりキリッと締められた「せいろ」。
流麗にめぐる肌を噛みしめると
しっかりした歯ざわりの中からかぐわしい香りが生まれ、
しばし夢中でその夢を追いかける。
「田舎そば」

「せいろ」よりぐっと黒い肌。
素朴な陰影の中に浮かぶ黒いホシが美しく、
たぐりあげると冷気にのって田舎らしい香ばしさが届く。
これまた、キリッと流麗に口中をめぐり
ふくらんでいく淡く黒い味わいが、ああ おいしいなあー
都会で食べる洗練の田舎そばだ。
向こうのテーブルのグループの人は、
明日の子供の遠足が台風で延期になった、
自分も行かなくてよくなったとウキウキしている。
私は子供になって大いにがっかりする。
別の人は
「この店の鴨が好きで、だからこのあたりの道に詳しくなった」
と話す。
暖簾を出ると雨。
次回は初めて「鴨せいろ」食べてみようかなあ。
(と思ってもまたどうせ二色にしちゃうのだが・・(^_^;))
2011年01月の恵比寿「手打ち蕎麦 慈玄」
その中で蕎麦を手繰る。。
いいですねぇ!
ツルッとひっかけては出ていく人が一日中入れ代わり立ち代わる日本の蕎麦屋は、パリで言えばカフェみたいなもの?カフェが舞台の映画がたくさんあるように、蕎麦屋に一日居ればいろんな人生を垣間見ちゃうでしょうね。