2011年07月20日

神田「眠庵」(六種もりの会)


2月に店主が事故で怪我→復帰してからはじめての蕎麦会である。

まだまだ肩に具合が本調子ではないということで
今回は八種でなく「六種もりの会」。
その代わりのメニューとして「ガスパチョ」と「食後にお楽しみ」があるとか♪

いつもの「自家製豆腐」と「ガスパチョ」。

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ガスパチョは野菜のさわやかな青い香りがふわーっと香り
うんうん、これはおいしいガスパチョだ。
そしてこの店の豆腐は相変わらず素晴らしい!
濃いのにさっぱり。なめらかすぎない素朴さ。
このバランスはなかなかないのだ。




さてお待ちかねの1枚目。
今回は「群馬の夏蕎麦、品種キタワセ」からスタートを切る。

1枚目のみ、お店の方で盛ってくれるのでさすがに美しい。
蕎麦山のなだらかな稜線、一本一本が描く流れるライン。


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お?夏だからか、それとも今回は夜の部だからか、香りは淡い。
しかしそれも、いつものこの店のレベルと比べてのこと。
例えば先週食べた長野と福井など、あまりのかぐわしさ味わいの素晴らしさに
まったく目が開けられない状態に陥らされた。
それまで隣で話していた某N氏に
「すみません私今ちょっと口きけませんから!」
と言渡してしまったほどである。

この群馬は、ガツンとわかりやすい強烈な香りはまとっていないにせよ、
探ると段々高原の爽やかな空気のような芳しさが感じられてくる、
食感は非常に軽く、ふあ〜〜としているのだが
1本1本はなんとなくねっとりした存在感を感じるところがたくましくていい。



2枚目「茨城(2010年)」。

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ふるえるラインから見て取れる粗挽き感。
どこまでもやさしい舌ざわり歯ざわり。
これは眠庵ならではの個性だが、この蕎麦は更に何とも言えないすべらかさと
ややチュクチュクした楽しい食感を持っている。
噛みしめると香ばしい味わいがどんどん感じられてくるのが嬉しい。

これもまたわかりやすく強烈な香りや味わいのある蕎麦ではないが
だいたいこの店ではいつも全てが香り高すぎて味わい深すぎて
高遠が大袈裟なだけだと思われそうなので
こういう日もあると私の落ち着いた人となりが表現でき(?)とてもいいではないか。


3枚目「福島、会津のかおり (2010年)」。

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およっ
これはまた随分としっとりねっとりした感じの風貌。

食べてみればまさに。
一際しとーっとやわらかく、絶妙の「眠庵なやさしさ」。
香りは今までで一番淡いのだが、
やさしさの奥からにじみ出てくる滋味深き味わいにふいに出会う。
それを夢中で追いかけるよろこび。
福島、いいとこだぁ〜〜



4枚目「長野 信濃一号」。

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繊細なしっとり感、しっとりなのにフワッ。
箸先での香りは淡い・・と思いきや、
細かくめぐる食感を楽しむうち
香ばしいかぐわしい空気が口中に生まれ、染めてゆく〜
たまらない〜〜
蕎麦の内側から生まれる香ばしいきれいな空気・・



ここまでで既に4枚。
いつもならまだまだ、なのに本日はあと2枚なんて寂しすぎる。うわあん。
しかし同席の皆様はお酒とおつまみでお腹の余裕がかなりタイトなことになっているらしく
私のこの寂しさを分かち合ってくれる人が居ないのが更に寂しい。
というか大食いみたいで恥ずかしい(今更何を)。

5枚目「徳島 在来種(06年)」。

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おーっ
その前の福島や長野に比べると何やら貫禄と気品を感じる眺めである。
たぐりあげて思わず短く一声「おいしいっ!」。
存分に私を引き寄せ染めていく、香ばしく美しい香り。
1本1本はしっとり、じんわりした歯ざわりなのに
全体の食感は驚くほど、それこそ空気のように軽い。
その中でふくらむ甘さ、濃い味わい・・
これは美味しいーーーー!!唸るしかない。
圧巻の眠庵5年熟成である。




6枚目「福井 越前大野在来」。

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キター。

この青さ美しさ・・・
写真で伝わるだろうか。

毎度のことだが、この蕎麦会でトリをかざる福井は凄い。
美しい青い肌がまとう、たまらぬかぐわしさ。
香ばしい、深い、甘い、青くフレッシュ、たくましい、力強い、やわらかい。
蕎麦の香りのいいところだけを濃縮してすべて持っている感じである。
さらに噛みしめて深まる味わいと甘み。
それを追いかけるうちにも際限なく濃縮され深まっていくかぐわしさ。

あああああ
もう まいりましたのです 

降参です





6種の蕎麦夢のあとの、甘い蕎麦夢。

蕎麦を使ったデザート、店主の説明によれば
「名前はありません。蕎麦のかたまりです。」。
えっ名前それでいいじゃん すごくいいよ!
「蕎麦のかたまり」、なかなか文学的なネイミングではないか。

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見た目はミートローフかセミフレッドかといったところだが
食べるとなかなかユニークな美味しさ。
ケーキではなく、ちょっとモチッと、ずっしりした食感である。
ほんのり香るラム酒とココナツの風味がとてもよく、
甘いもの苦手の私も完食!


完食といえば、今回は途中で体調を崩された方がいらして(;_;)
しかもその方が私の目の前のお席でして(;_;)
結果的に3枚の蕎麦が余ってしまいまして(;_;)
そういう時、食べるものを残すのはよくないことですよね?
しかも、なんたって美味しいお蕎麦ですから、
干からびていってしまったらもったいないですよね?

と、いうわけで

斜め前のお席の人気フードライターさまと「いっただっきまーす♪」と
なかよくいただいてしまった私・・・

皆様そんなに怖そうに見ないでくださいよ〜
お酒のぶん、私には皆様より余裕があるのですよ〜
(ということにしてください)




(本日のお酒)
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幻となりぬ「奥羽自慢」「奥羽自慢まめ宝」、
「生\x{915b}戦隊どぶレンジャー」,
「I love you & I need you ふくしま 限定ラベルの花春」
など名酒、珍種が勢ぞろい。
右から4番目の青いラベルのが酸味があるのに私でも美味しく飲めるという
嬉しいお酒だったけど名前覚えてない〜







2011年5月の「眠庵」手挽き蕎麦
2011年3月の「眠庵」
2011年2月の「八種もりの会」
2010年11月の「八種もりの会」
2010年9月の「八種もりの会」
2010年7月の「八種もりの会」
2010年4月の「八種もりの会」









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posted by aya at 11:38 | Comment(4) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>千代田区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>嬉しいお酒だったけど名前覚えてない〜

秋田・新政酒造の「青ヤマユ」じゃないですかね?
右隣が「桃ヤマユ」で。
Posted by Z33 at 2011年07月20日 18:50
Z33さま
それです〜!
同席の皆様が「アラマサ、アラマサ」と呼んでいらしたので、頭が蕎麦な私は粗挽きの延長で「粗・・まさ?」とか思っていたんです。どうもお酒の名前は頭に入らないのですがラベルと産地?を見るのは大好きです。
Posted by aya at 2011年07月22日 11:19
今日、やっと行けました。
お豆腐、おいしかった。
そばはもちろんおいしかった。
Posted by 桜 at 2011年08月25日 21:59
桜さま
うはっそれはよかったですね〜〜!眠庵は蕎麦はもちろん、お豆腐もほんとにおいしいですよね♪
Posted by aya at 2011年08月25日 23:29
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