浦和駅前のデパート裏。

「ナカギンザ通り」という名のアーケードに一歩足を踏み入れると
いつも時空がグニャリと歪む。
私は昭和の映画の中にでも流れついてしまったのか。
ここに、埼玉が誇る超・名店蕎麦屋が潜んでいるとは
知らぬ人にはわかるまい。
この店に来たら、まずはとにかく「自家製豆腐」と「自家製燻製」!


これを食べて飲みたくならない人っているんだろうか?
この私がそんな生意気を思うほどの美味しさである。
埼玉産の大豆「借金なし(何度聞いてもスゴイ名前)」
で作られた豆腐はまるでチーズのような存在感。
とろ〜り甘くて濃厚な豆腐が大流行の昨今であるが、
ギュウッとした凝縮感と味わいの深さは他では出会えないもの。
お酒のつまみとしてチーズのように
チビチビ食べられる稀有な豆腐である。
そしてメニューには、ずらーり並んだ選びぬかれたお酒のラインナップ。
ここの店主は「酒好き、おいしいもの好き」のかゆいところをかきまくってくれるのだ。
もちろん蕎麦好きの、かゆいところもですよ。


ふっくらした肌。
そこにゆらめく白い陰影に見入れば、ときめき過ぎて言葉にならない。
(大嘘。ウワー!!おいしそーっっ!!って大騒ぎしました)
こちらは、産地違いで,福井。

みずみずしくふくよかな蕎麦を箸先にたぐれば
鼻腔をくすぐるさわやかな蕎麦の香り。
品のよいやさしい味わいが、口の中を美しく染める。
ああ今日も、やたらにしあわせだなあぁー
来られてよかったなあー
そしてこの店の困ったところは、お蕎麦がこんなに美味しいのに、
フレンチ出身の店主が腕に任せて
美味しいつけ汁をバンバン発明してしまうところだ。
「肝せいろ」

「クリーム花巻せいろ」

その他、「鴨せいろ」「カレークリームせいろ」などなどあるのだが。
あのー、そんなことされてもですねぇ〜・・
お蕎麦がこんな美味しくちゃあ、
いつまでたっても私は汁にはつけられないんですよぉー!
先程隣の席にやって来たサラリーマンらしき男性は
慣れた風に入ってきて
「カレークリーム大盛り!」。
美味しそう〜に、かなりの量をあっという間に平らげ
今は満足そうに蕎麦湯を飲んでいる。
そう、ここのつけ汁のファンはとても多い。
「庵 浮雨」にしかない美味しさなのだ。
だというのに、このどこまでも融通のきかないわからず屋(私)は、
今回もまたつけ汁は最後までつけず、
お蕎麦とは別々に味わいやがりました。
全く・・・
お蕎麦さんはお蕎麦さんだけで♪
汁も遠ざけ、薬味も遠ざけ、
ああ今宇宙にはお蕎麦と私の二人きり・・・
ぷう太郎さま、しあわせを、ありがとう〜〜〜
2010年08月の「庵 浮雨(un peu)」
*高遠彩子3月〜5月のライブ出演予定*
そう言っていただけるとすごくうれしいですー!
私もよく写真をアップしていて食べたくなっちゃいます。
KTGさまも、やはり燻製と豆腐はおさえていらっしゃるのですね。しあわせですよね〜♪