2011年01月28日

亀有「吟八亭 やざ和」


この道の先に、美味しいお蕎麦がある。
そしてお腹がとっても空いている。

そんな時、お恥ずかしいことに私はどう踏ん張っても我慢出来ず、
ついつい走ってしまう。
それをひそかに「蕎麦走り(そばしり)」と呼んでいる。

でもお蕎麦が大好きな人とわくわくしながら歩くと
あっという間だなあ!
蕎麦好きのまゆきちと「吟八亭やざ和」。
まゆきちは「初・やざ和」ということでフレッシュなわくわく感を
共有できるのがまた何とも嬉しいのだ。

まんず、「吟八亭やざ和」においては
何が何でも頼まにゃの「そばがき」。

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可愛らしいデザインながらどこか中世の武具めいた金属製の蓋付き。
「風の谷のナウシカ」にでも出てきそうな魅力的な堅牢さだが
蓋のなかは、もにょぉ〜ん、ふわぁ〜ん
とろけるばかりの世界である。


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はじめて「吟八亭やざ和」の「そばがき」を食べた時の衝撃は忘れられない。
蒸気が運ぶ、この上なくかぐわしい香り。

ここの「そばがき」は一般的なものとは一線を画している。
ぽってりしたそばがきが、澄んだお湯の底に沈んでいるのではなく
「特濃蕎麦湯」の中にジッとしているのだ。
その蕎麦湯の濃厚さときたら
「そばがき」さんが揺らぐことも身動きも全くできないほどの超・特濃。
蒸気からの香りが「特濃」なのも当然なのだ。


唇がまず出逢う、とろぉりかぐわしき濃厚蕎麦湯。
そしてその中の、もったりフワフワのそばがき。
口の中は隅から隅まで、もにょぉ〜ん、ふわ〜ん・・
なんと馥郁たる小宇宙。
冗談ではなく「ココはドコ?」の境地である。

熱いものはアッチアチが好きな江戸っ子の私には今日はちょっとぬるめだったが
(スターバックスでミルク入りを頼むときはエクストラホットでございます)
まゆきちにはちょうど良かった様子。


さて「そばがき」の夢も醒めやまぬうちに
「せいろそば」。

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おお、香りは「そばがき」と同じ、
なんともバランスの良い濃厚なかぐわしさだ。
そして今日の「せいろそば」はこれまた物凄いきめの細かさである。
密着してくるような舌触りすら感じるつるつるの肌。
むにゅーうとちょっとのびるようなコシは
津軽蕎麦を思わせるような食感である。
香りは「そばがき」と同じだが噛みしめるうちに
こちらの方が少し生々しい、力強い味わいを出してくる。


こちらは「田舎そば」。
まゆきち、両方あってよかったねーえ!うれしいねーえ!

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きたー。
これぞ「吟八亭やざ和」の「田舎そば」。
写真からも香りが漂ってきそうではないか・・・・

しかし、最初たぐりあげたときは
期待よりは香りは軽かった。
「そばがき」や「せいろそば」とは全く違う、
香ばしい、たくましい香りをふわっと品良くまとう「田舎そば」。
ところがどっこい、そりゃ最初だけのフェイントで
ざっくりがっしりした歯ごたえを楽しむうちに
何もかもが濃くなる!これでもかと!どうだまいったかと!
そ、そんな四方八方から美味しくされては・・
とっくに白旗降参である。


夢はまだ終わらない。
これまた濃厚スペシャル、「吟八亭やざ和」の蕎麦湯。

RIMG2657.jpg


そうそう、拙著「蕎麦こい日記」の巻頭カラーページ(グラビアと言っちゃおうか)において
私が子供のように口をパカッと開けて嬉しがっているのがこの蕎麦湯だ。
まゆきちも大喜び!


それにしても、私もまゆきちも今日食べたものといえば
「そばがき」「せいろそば」「田舎そば」「特濃蕎麦湯」。
お腹のなかは蕎麦粉だけではないか!!
(ふたりとも全く汁はつけていない・・。
 勿論、蕎麦湯の「おつまみ」にちろっとなめますが♪)


もうこれ以上無理というほど蕎麦浸り、しあわせ浸りの1月の夜。

帰り駅まで全く寒くなかったのは
お腹の蕎麦湯が濃厚だったから、かな?








posted by aya at 23:35 | Comment(4) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>葛飾区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
先だっての事
 ン〜〜ッ ン〜〜ッ・・ と一人心の中で呟いている
あの、ニコニコとも飄々とも取れるような笑顔で
 「ドオッ!!かおるでしょッ!!・・・・
  良いでしょっ!!かなり・・っ!!
   ・・・良い小麦粉の香りがっ!?・・」
これには、正直やられたっ! って言う感じでした。
真っ当に、正直に・・・
 心がオロオロしました、どう答えて良いものか。
  お弟子が打ったのかどうか・・
「うんっ!!! 良い香りだっ!!!」それが精一杯の返事でしたが。
お蕎麦の味は奥が深い
 本当に 深すぎる!!
あの小麦の香りのお蕎麦も心に焼き付いた
 それも「美味しい」と。
やっぱり蕎麦の味って、私にとってはその蕎麦屋の全てを巡るものなのかも知れない
余談ですが某有名店の店主がこんな名刺を作れっ!って私に言った名せりふ(迷せりふ?)
言うこと一流
 やること二流
  味は三流
   手抜き蕎麦○○庵
こんな親爺が好きです 
 蕎麦よりも
長文ですみませんでした
Mr8manも何やらのたまっておりました、先日
Posted by 而酔而老 at 2011年01月29日 19:24
而酔而老さま
Mr.8の個性はすごいですよね!私はお会いするたびそれまでの自分の考えがぐりんとひっくり返るようなパワーと勇気をもらいますよ☆
言うこと一流云々の店主もまたただ者でありませんな・・。きっと痛快なお蕎麦を打つのでしょうね。
Posted by aya at 2011年01月30日 23:40
行きたい。。食したい。。
あぁ。。ただそれだけで満足です。
Posted by 25¢ at 2011年02月01日 12:14
25¢さま
短いお言葉から 25¢さまの蕎麦愛が伝わります〜
とっても素敵なコメント、うれしいです!
Posted by aya at 2011年02月04日 03:01
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