2010年11月19日
神奈川・鶴巻温泉「手打そば 信玄」
小田急線「鶴巻温泉」駅と「東海大学前」駅のちょうど真ん中。
「石臼挽自家製粉 手打そば 信玄」はのんびりと幟を掲げている。
中に入ると思いの外広々とした店内は
堀ごたつ式のテーブルがかなり間隔をもって配され
ゆったりとくつろげる印象。
しかしながら何かの道場のような熱い硬派な雰囲気も。
厨房も接客も男性というのが、この店には実によく似合っている。
蕎麦の種類もなかなか熱い。
なんと今日は4種類もある。
細挽きせいろ
手挽き粗そば(5食限定)
十割そば
田舎そば(太打ち)
この上手打ちのうどんもあって
種物だって「豚汁せいろ」「「牛スジカレーうどん」「蔵王鴨せいろ」ほか色々あって、
お昼には「大山地鶏丼、蕎麦、野菜の炊合せ」なんてセット物もやっている。
手挽き蕎麦までやる本格派ながらこのメニューの豊富さは凄い。
そしてそれぞれのメニューが何となく
男性らしくガッツリ美味しそうな感じがまたこの店である。
湯飲み茶碗して出された蕎麦猪口には金継ぎが施され
この道場のような店内で眺むるによい景色だ。
「細挽きせいろ」。
見た目はそんなに細く見えないかもしれないが
口に含むとザラザラの粗挽きでありながら繊細な細打ちなのが印象深い。
この香りは北海道かな、と思ったら本日はやはり北海道産の新蕎麦。
細挽きは「粗挽き外二」とある。
お次は、5食限定なのにまだあって大喜びした、
「手挽き粗そば」。
この、見るからに香り豊かそうな眺め。
豪華にホシをまとった粗挽きの肌も見事ながら、
私をうならせるのはこの素朴に歪む輪郭線である。
嗚呼ずっと見惚れていたい。
口に含むと先程の「細挽きせいろ」に通ずるちょっと個性的な香りを淡くまとっている。
見ためから期待したとおりのザラ粒の舌触りが嬉しい蕎麦。
最後は「十割せいろ」
こちらは打って変わってすべらかな肌と、
強靭なコシを持った蕎麦。
これまた、「細挽きせいろ」「手挽き粗そば」と同じ個性的な香りを
かなり濃厚にまとっているのが面白い。
確かにこれも北海道の蕎麦なのだが、
産地は「細挽きせいろ」とはちょっと違って「雨竜町産」である。
もともとしっかりとした味わいは噛みしめるほどに濃くなっていく。
「信玄」にて、
勇ましき山梨でなく
たくましき北海道を感じた午後であった。
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック