沿線住民になりたいような、
なったら大変と思うような(これ以上耽溺してどうする)、
そんな沿線駅のひとつ、三鷹駅。
先週末は最初からハシゴのつもりで、
まずはここ!

名前がちょっと面白い「味のそば兵衛」。
そばべえ・・・・
実は非常に親近感を覚えてしまう名前だったりするのだが、
恥ずかしいのでそのへんは割愛(^_^;)
店内は新しく清潔感のある空間ながら、家庭的な雰囲気がとてもいい。

まんずは、ゴーヤと豆腐のサラダ。
シャキシャキ新鮮なゴーヤがたっぷり!
お蕎麦屋さんで緑黄色野菜をたっぷりというのは
実はなかなか難しいことなので非常にありがたい逸品。
豆腐もずっしり風味の濃いもので、
ゴーヤはパリパリシャキシャキ大変美味しく、これはおすすめ!
実は、今日はお目当てだった「土日限定の粗挽き」が売り切れで
それはそれはみっともないほど落ち込んだのだが
(まだ時間は早かったのに、人気なんだなあ〜)
1種類しかないなら益々ハシゴがしやすいじゃないか!と発想を転換。
「せいろ」だけを大事に、ありがたく食べることに。


見るからにしっとりやさしい、ふんわりした蕎麦。
箸先にたぐると、甘い香りがふわぁとこちらに漂ってくる。
口に含むと思った以上のふんわり優しい感触で
ほにょほにょした歯ざわりだけに
噛みしめずとも穀物の甘みが舌の上にひろがる。
ここは駅からも近く居心地も良くとてもいいお店なのだが、
接客担当の娘さんがまた非常に感じがよい。
営業らしくない、素朴で明るい接客にこちらもついニコニコ顔に。
あーいいとこに来たなあー
と言う舌の根も乾かぬうちの2軒目。
駅の反対側、北口の「きびや」さんへ。
ウッシッシ、嬉しいなあー!

2軒目のくせにここでも蕎麦前を楽しんじゃったりしまして。
暑かった夏の終わりをなぞるように、
「焼きなすのお浸し」。

んー すっきり、染み渡る!
これはシンプルなようで家で作ると結構面倒な料理なので
こうしてパクパク食べられるのは贅沢で、ありがたいものだ。
そして飲まない人も頼んでいいのです。
土日限定の「酒肴3点盛り」。

「穴子の煮こごり、タコときゅうりの酢の物、キノコといくらのおろし和え」
って・・・
もうほんとに、参りますよ。
この、季節にぴったりの、涼やかながら食欲をそそるメニュー揃い。
土日の開放感に合わせた適度な華やかさ、ボリューム、演出。
「きびや」さん、ニクイとしか言いようがありません。
向こうのテーブルの男性はこの3点盛りを前に、
「いやー、美味しいものを食べるってすごいことだなあ!」
とつい大声で感激している。
ウンウン、ほんとそうですね!
「僕もうお蕎麦なくてもいいや!」
( °o°)
それはない。
だって、この、お蕎麦だもの!!


箸先から漂う、さわやかな檜のような、
フレッシュな蕎麦の香り。
軽い歯ざわりながら噛みしめれば程よいコシ、広がる蕎麦の深い味わいと甘み。
端正で品の良い姿ながら、
瞬時に私を虜にしてしまう圧倒的な力を備えた蕎麦である。
そして粗挽きはぐっとワイルド、黒い蕎麦だ。


見た目からして熟成のようだが、
最初箸先での香りはほぼなく、さわやかな冷気のみが伝わってきた。
しかし程なくして、それはそれはこうばしい、力強い、
野趣に富んだ香りがふんだんに漂ってきた。
あまりのこうばしさに、目は到底まともに開けていることは出来ない。
香りだけでもうっとりなのに、
その噛み締めたジャリ感の心地よさたるや、
そしてそこから溢れ出す濃厚な味わいと甘みの嬉しさたるや・・・
まさに「こういう粗挽きが食べたかった!」という粗挽き。
「味のそば兵衛」さんで粗挽き売り切れの無念に耐えただけに、
今日は「きびや」さんにも来て、本当によかった。
あーお腹が2つあったら、あそこも、ここも寄りたいのに。
と、満腹の私をまだまだ誘惑する危険な中央線沿線なのであった。