2010年07月14日

戸越銀座「蕎麦切り 翁」


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「翁」と言っても
あの「翁」でも 
あの!「翁」でもない。

昭和25年からこの戸越銀座に店を構える「翁そば」、
現「蕎麦切り 翁」である。
こっちの方がずっと「翁」ではないか。


この「翁」、まず立地からして面白い。
地図で見ると
「戸越」「下神明」「戸越公園」「戸越銀座」「戸越」「大崎」、
これだけの駅に包囲されるようにちょうど真ん中に位置している。
どの駅からも遠くお世辞にも便利とは言えない立地だが
それだけに、ここだけぽっかりと浮かんだ島のような、
濃厚な地元感を感じるのだ。

何たって戸越銀座。
台東区や葛飾区あたりともまた違う、
のんびりとした下町である。

その賑やかな「銀座通り」もさみしくなってきた
外れに現れる小さな木戸。
ちょっとくぐるような気持ちで店内に入ると
これがまたなんと、素晴らしい居心地の良さ。


私の隣は、夜の蕎麦屋で一人で憩う熟年女性。
その奥が「天ぷらで一杯」のおじいさま。
このあたりはこれでもかという程、
大変にゆっくりと時間が流れている。
おじいさん、さっきからどれだけ動かないんでしょう。

向かいのテーブル席には小さな男の子と女の子のいる仲の良い家族連れ。
元気のいい大学生らしきカップル。


皆地元の人らしくよく来ているようで
この店が如何に愛されているかが伝わってくる。


お店の方も甲斐甲斐しく、笑顔が輝くようですこぶる感じがよく、
とにかくここに座っただけで
この街に溶け込めたような錯覚を覚えてしまうのだ。




手打ちのお蕎麦は2種類、
細打ちの「石挽き蕎麦(もり)」と
太打ちの「田舎蕎麦」。

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粗挽きのざっくりとした風情。
一見田舎のほうが香りが濃そうだが、
香りはどちらも淡め。
やさしい歯ざわりを楽しむうちに粉の甘みが感じられる
おだやかな蕎麦だ。


しかし店内でもりを頼んでいるのは私一人。
それもそのはず、ここのメニューは
まさに「マイ食堂」にしたくなるような
体に良さそうで美味しそうなメニュー揃い。
「にら玉とうふ」「ほうれん草お浸し」「薬味いっぱい冷やっこ」
「豚しゃぶポンズ」など。
まるで「街のお母さん」のようだ。

お蕎麦は
「冷やし納豆おろし」「薬味いっぱい 冷やし鶏ささみ」あたりに
私は惹かれるが、本日は「冷やし梅おろし」が人気のよう。
家族連れは全員の蕎麦をグルグルまわして味見している。
お母さんの梅おろしが大好評で実に楽しそうだ。


うーん、いいお店だなあ。


今度はどの駅から歩いて行こうか。
私も次回は種物を、
できたらあの家族みたいに
グルグル回しながら食べたいなー。








 
posted by aya at 23:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>品川区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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