2022年08月24日

新江古田「じゆうさん」


悔しいくらい、国内最高レベルの蕎麦である。

悔しいというのは表現がおかしいかもしれないが
とにかく私個人に降りかかる問題として、
お値段が高級な上に量が少なめ。
私が食べたい量を食べてしまうと
お昼から1万円とか平気でいきそうなの〜・・・(涙)
(オマエの量がおかしいのだ(笑))

しかし、「それも仕方ない、これだけの蕎麦だもの」
と思えるほどの、ニクイ、悔しい美味しさなのである。



今年6月にリニューアルして店舗もぐんと美しくなった
東京が誇る蕎麦屋、「じゆうさん」。

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構えはストイックでさりげない印象だが
中の空間は明るくモダンな美しい空間。

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かと言って気取り過ぎた感じもなく、
自然なお洒落さが大変居心地がいい。
前のお店も好きだったが、今度はさらにいいなあー!


もう食べたいものはほぼ決まっているのだが
もちろんメニューはガン見します。

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こちらは量が上品なので欲望のままに頼むと
「せいろ」3枚+「手挽き田舎そば」3枚くらいは
余裕でいけそうなのだが、大人のブレーキで一枚ずつ頼みます。


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ここの「そばがき」は宇宙をブチ抜く美味しさなので
それも絶対忘れちゃいけません〜♡



そしてこれも昔から大好物。
極太が個性的な、ぜんまいの含め煮!

「ぜんまい」
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魚沼産の極太ぜんまいを2日かけてふくめ煮にしたもの。
これがさすがの味しみで、美味しいんですよね〜
一本一本食べても食べ応えのある極太が素晴らしい。


そして早くも・・・

胸打ち震える、この方!!


「そばがき」
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やややややや ヤバイやばいヤバイ!!

もうだめだ 語彙喪失!!

これは絶対にヤバイですーーー!!


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すっっ

素晴らし過ぎて瞳孔が開きっぱなしになる程
すんばらしい香りである。
とにかく青くさわやかでフレッシュ!最高の美しさ。
しかもその美しさに加えて、落ち着きと余裕を感じる、
「臈たけた」とでも形容したくなるようなニクイ深みがある。
舌触りは思い切りザラつぶなのに、質感はたまらないふわもちエアリー!!
その最高のエアー感の中からいちいち香りが爆発し
舌に触れたところ全てから濃い味わいが伝わってくる。

これ以上のそばがきはない!!
これ以上のそばがきはない!!

興奮のあまり2度言ってしまいました(^^;)




「せいろ(十割)」
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テーブルに運ばれてきた時から
私は固まりました。
この揺るぎなき存在感・・・


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写真では伝わりにくいかもしれないが大変繊細な極細で、
見つめるほどに吸い込まれそうになる程、
それはそれは美しい輪郭線なのだ。
もうこれは食べなくてもわかる。
奇を衒わずまっすぐに、
蕎麦という穀物の美しさを空から掬い上げたような
完全で完璧な姿。
見事としか言いようがない十割蕎麦だ。


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箸先から香りを寄せると、
おー!先程のそばがきと同じ香りだー♡
この最高の青い美しさと臈たけた深み・・・
どこのお蕎麦なんだろう?全然わからない!
(あとでわかりました (≧∇≦))
口に含むと、これまた飛び上がるほどの感激が降ってきた。
ふんわりと繊細で極上の優しい食感ながら
頼りなさは全くなく、なめらかで凛とした美しい食感。
そこからあふれる味わいは超濃厚で
グルタミン系の強烈な旨味がぎゅうーーと舌全体に押し込まれるよう。
な、な、ナンデスカこの美味しさは!?!?
こんなのシビレ過ぎて椅子から落ちちゃうでしょーー!!
完璧を超えた最高の魅力にもうメロメログデグデ!!
えーーん これあと3枚食べたい・・・(笑)



「手挽き田舎そば」
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ああヤバイ・・・
語彙喪失アゲインでござるよ・・・
こんなの誰が見たって美し過ぎて素晴らし過ぎて、
私なんかが何を語っても全く意味はない。


もう、何も語らず、誰にも邪魔されず、

いつまでもあなただけを見つめていたい。

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なんという肌。
なんという輪郭線とその間の空気感。
素朴な趣に満ちた肌だが
「田舎」という名前に違和感を覚えるほど
洗練を極めた姿である。


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っはあーーーーーーー!♡
これはまた「せいろ」とは全然別の世界。
極上の炊き立てごはんのようにふっくら甘い香りプラス、
厚みのある香ばしさが素晴らしすぎる。
口に含むと見た目の通りたいへんに繊細、
なのに楽しいジャリ感もある。
味わいがこれまた濃い!
この滋味深さ、深い旨味、なんなんですか〜〜
もう最高すぎてシビレすぎてなにもいえまへん〜〜〜
身も心も奪われてヘナヘナ、
全壊しましたので高遠彩子終了のお知らせですさようなら・・・




お蕎麦がどちらも大気圏をブチ抜く美味しさだったので
蕎麦汁にはついぞ一度もつけられなかった。
(おかわりすれば一回くらいはつけられたかもしれないけど(笑))
なので蕎麦汁は蕎麦湯を飲みつつちろっと舐めてみただけだが
がっつりと濃く、甘さも辛さもしっかりの汁だった。
うーん、夢としては、
せいろと田舎3枚ずつ頼んで汁もつけて食べてみたい・・・(笑)


帰り際に訊くと本日の蕎麦は
「そばがき」と「せいろ」はやっぱり同じ蕎麦粉で
「滋賀・伊吹」であった。
ほぉーー!そりゃわかんないわけだ!


そして「手挽き田舎そば」の方は「群馬・黒保根」。

高い目線からさらに高いところを見据えた
店主の選んだ名蕎麦たちである。


今日はとにかく最初から最後まで
とんでもなく美味しいものしか食べていないが
店主はまだまだ若手と言っていい世代である。

この店のみならず、近年、驚くほど美味しい物ばかり出す
若手の凄い蕎麦屋が何軒も現れ
その中には価格的に一般的なイメージより高めの店も出てきた。
お蕎麦屋さんも経営者であるし、それぞれにスタイルというものがあり
いろんなお蕎麦屋さんがあってこそ楽しいと思っているので
それはそれでいいことだと私は思う。
手打ち、ましてや手挽きとなれば大変な手間と労力がかかるものでもある。
たまに行きたい、最高の味と環境に出会えるお蕎麦屋さんというのもあるべきだ。


ただね、長い長い間、
手打ち蕎麦屋さんというものをしつこく愛し続けてきた身としては
めっちゃめっちゃすんごいお蕎麦や美味しいおつまみを、
ひょいっとなんでもなさそうに、
フッツーーーの価格で出しちゃうお蕎麦屋さんのカッコよさには、
敵わないなあーとは思っちゃうんですが・・・


でも、点数をつけるのが嫌いな私が
もしこの「じゆうさん」に点数をつけろと言われたら
「100点満点の100億点!!」 (≧∇≦)

それでも足りないくらい、ひれ伏したいほどベタ惚れです〜〜!







posted by aya at 12:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>中野区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年08月22日

新潟・南魚沼「松よし 大崎本店 」


私はかつてうっかりと伝説を作ってしまったことがある。

話せば長いのだが、かつて、
とある素晴らしいミュージシャンのCDのジャケット撮影ロケに、
何故か私が「スタイリストとして同行する」という、
前代未聞というか分不相応というか、
そんな不思議な面白い1日があったのだ。
もちろん当時すでに私はシンガーだったのにである。

撮影は新潟・南魚沼市の自然の中で行われ
当然自然光が大切であるから午前中から午後までが命。

しかし不埒な即席スタイリストであった私は昼時にはすでに
「このへんだと〜あの店とあの店(もちろん両方蕎麦屋)が近いんだけどなあ〜」
なーんてことも、考えていた(笑)。

そして撮影がやっと終わったのが15時過ぎ。
スタッフも皆様腹ペコだったので、
ようやくどこかに入って軽く打ち上げ、という話になり
この辺に適当なお店はないかと探し始めたのだ。

探すも何もこのお仕事の話をいただいた直後から
このあたりのお蕎麦屋さんを調べ上げていた私。
新潟のお蕎麦に詳しい愛すべき我が友にも連絡していろいろと聞き
その撮影場所から本当にすぐ近くに
大人数で行くのに良さそうな、手打ちの(ココ大事!!)、
へぎそば屋さんをチェックしてあった。

しかしその店にいざ行ってみると時間が時間だけに、ち〜〜〜ん。
やはりその時は中休みの時間で、やっていませんでした!

そうだよね。。。当たり前だよね・・・
と思いつつ、お蕎麦に関しての諦めがいまいち悪い私は
その新潟友に電話をしてみたのだ。
するとその友がそのまた友に電話してくれ、
その方はそのへぎそば屋さんの常連だったらしく
店に電話を入れ、なんとなんと、本当に申し訳ないことに
閉まっていたお店を開けてくれてしまったのだーーーーっっ!!

えええーーーーっっ!?!?
ごめんなさいーーー!!
まさかそんなことになるとはぁ〜〜〜(>人<;)!!

かくして私はその日初めて会った方ばかりの撮影スタッフの皆様方に
「閉まっている蕎麦屋を開けさせた女」
という強烈な印象、伝説を残すこととなった・・・(笑)

違うんです・・・そんなつもりじゃなかったんです・・・
閉まってるお蕎麦屋さん開けたことなんて一度しかありません・・・
(あるのかよ!(笑)
 20年くらい前に渋谷で、店主が開店時間を15分過ぎても開け忘れて蕎麦打ちしていたので
 3分の1くらいだけ開いていたシャッターから覗いて
 入っていいですかあ〜?と自分で開けて入ったことがあります(笑))


さて、過去最高に前置きが長くなったが
今回やってきたのはそのCDジャケット撮影後にご好意で店を開けていただき
スタッフ一同で大喜びで美味しいへぎそばをいただいた
ご恩ある思い出の店である。


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闇の中に輝く堂々たる美しい外観。
外観には特に手打ちと書いていませんが手打ちです!
蕎麦どころとして知られる新潟だが、
もともとツルツルのへぎそばを大量に食べる文化のある土地なので
有名一流店でも意外と機械打ちが多く、
手打ちのお店は貴重なのです♡


玄関が二重になっているところが
雪深い街らしい趣。

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前回は大人数だったので大きな座敷を使わせていただきましたが
今回は個室風のお部屋で落ち着きます〜

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カウンター席もあってさすが広いお店。

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お目当てはもちろんこちら!

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その他、種物メニューも多数充実。

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全然見てなかったけどうどんもありました。
おつまみも郷土性があってすごくいい!迷う〜

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別紙のメニューはいついかなる時も見逃せません♡

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ぬぬぬ!!最後から3行目に釘付け!!
高遠の「ますや」や竜王の「山の実」を始め
蕎麦ピザを出すお店はいろいろあるが、
なにせ蕎麦切りのみならず「蕎麦生地を焼いたもの」にも
滅法弱い私、つい食べたくなるんですよね〜



一品目は、「煮肉愛好会(会員一名)」会長の私が
見たら必ず頼んじゃう大好物。

「牛すじ煮」
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お肉もこんにゃくもたっぷり!
味噌の旨味が普通より濃厚だが甘くなくめちゃくちゃ美味しい。
ここの「牛すじ煮」最高ー!!


「八色しいたけの天ぷら」
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これも見た瞬間に食べると決めたメニュー、
「厚いにもほどがある」のキャッチフレーズがある
南魚沼の特産である八色(やいろ)しいたけ。
見るからに大きくて綺麗で肉厚。
かじるとしいたけ汁がジューシーに溢れ出してたまりません〜♡
揚げ方もパリパリで、
うしろの石突きまで丁寧に衣がついていた。
時間経ってもパリパリで最高に美味しい天ぷら!


「蕎麦ピザ」
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パッと惹かれてオーダーしたけれど
実は蕎麦ピザって当たり外れが大きいメニューだったりするので
ドキドキではありました。
でもここのは大当たり!
パリパリの薄皮の生地は、さすがお蕎麦で最高の香ばしさと風味♡
耳だけでもいくらでも食べたいくらい美味しい〜!

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トッピングは何が載っているのかわからないけど
とにかくボリュームたっぷりで美味しい。
チーズ以外にたっぷり入ってるのはお味噌?でもチーズ味?
トマトの酸味も甘味もしっかりしていて
とにかく大変美味しい蕎麦ピザでした。



さていよいよ待ちに待ったこの方のご登場です (≧∇≦)


じゃーーーーーーん

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やっぱりこの盛り付けは郷土性を感じて気分上がりますね〜

へぎそばとは、ふのりをつなぎとしたツルツルのお蕎麦ですが
「松よし」のへぎそばは山牛蒡もつなぎとして入っている二八のへぎそば。
しかも魚沼産の蕎麦を里山で雪室貯蔵、熟成させたという
「白袖そば」というこちらの名物蕎麦である。

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ふのり入りだけどふのりの香りや食感は薄めなのが
お蕎麦の香りを嗅ぎたい一心の虫のような私には嬉しいところ!
黒い蕎麦らしいずっしりした外皮の香りが、
スキーッと爽やかに香り、時間がたっても変わらない。
食感はへぎそばらしいツルツルだがツルツルすぎないのもいい。
(本当にツルツル過ぎて食べながら滑って転びそうになるのもあります(笑))

いっやーーーここのへぎそばは本当においしい!
お蕎麦だけでいくらでも食べられちゃう (≧∇≦)
魚沼産の蕎麦粉に青森県尻屋産のふのり、
魚沼産山ごぼうを使用、手打ちの二八蕎麦。



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蕎麦汁はかなり強烈な甘さ。
しかも鰹の風味がずっしり濃厚なので、鰹のふりかけみたい?
(口が悪くて誠に申し訳ございません(汗)m(_ _)m)
しかし、これがまた不思議なことに、
ここのお蕎麦をつけて食べてみると意外とそこまで甘くない。
しかも天ぷらそばにしたら激ウマ!! (≧∇≦)
永遠に食べられそうな美味しさなんですけどーー!
ナニコレなんの魔法?


個室のようなテーブル席だったので
店員さんは注文を取ったり運んだりが大変かと思ったが
それにしてもあまりにも無表情なので
ちょっとビビってしまいました(笑)

帰りがけ忙しそうな店主と少しだけお話しし、
元店主である父上は「松よし寺尾店」にいて
この本店は息子さんである彼が任されている話が聞けた。

忙しそうだったので私があの時ご迷惑をおかけして
素晴らしい時間を過ごさせていただいたことは話せなかったが
あの時の御恩は忘れないし、私には全てが繋がった大切な思い出だ。


この辺りには魅力的な低山も多くて
よく登りに来るので、またぜひお邪魔しますねー!



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posted by aya at 22:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 甲信越の蕎麦>新潟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年08月19日

長野・松本「ヒカリヤヒガシ」


本日はお蕎麦屋さんではなく
和食屋さんでたまたま出会えた手打ち十割蕎麦のご紹介。


気がつけば年に10回程行っている、愛する松本の街。
その松本に大人気のレストラン、
「ヒカリヤヒガシ」と「ヒカリヤニシ」がある。

明治20年建築の名門商家の堂々たる、美しい建物をリノベーションし、
母屋を和食の「ヒカリヤ ヒガシ」として、
改装した蔵をフレンチの「ヒカリヤ ニシ」として
再生させたレストランである。


特に「ヒカリヤ ニシ」は長野県で唯一の
「ルレ・エ・シャトー(Relais & Châteaux)」加盟レストランでもある。
Relais & Châteaux!!
初めて行ったパリで元修道院の建物のRelais Christineに宿泊し
Relais & Châteaux という言葉は私にとってその時初めて知った魅惑の響き。
Relais & Châteaux加盟店紹介のガイド本は
見ているだけでもうっとりなんですよね〜♡


話は逸れたが、今回はたまたまご紹介いただき
家族でヒカリヤを訪れることになったのだが
その日は「ヒカリヤ ニシ」は定休日だったために
必然的に和食の「ヒカリヤ ヒガシ」の方に行くことになった。


想像はしていたが、建物の美しさにとにかく圧倒された!!

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すすすすごすぎる
美しすぎる


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好きすぎて激写しまくり〜

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松本城を思わせる黒々とした姿に完全に一目惚れ!!


入るのに緊張を覚えそうなほどの素晴らしい建物だが
中に入ると意外と雰囲気は砕けた感じ?
簡易着物のようなものを着た若い女性スタッフが
いらっしゃいませ〜と迎えてくれ個室に案内された。


個室は床の間や立派な襖絵もありいいムード。
スタッフがお料理の説明をしてくれるのだが
これがなんともこのムードに似つかわしくない初々しさで
こちらも一生懸命耳を傾けて聞くことになった。

その時、事件が!

聞き捨てならない単語が飛び出し
私の両耳がぴょんと立ちました!!!


本日のコース料理はこちらなのですが

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なんと最後のごはんを、
プラス料金で手打ちの十割蕎麦に替えられるんだとか!!

ハーイハーイハーイ私替えます!絶対お蕎麦にします!

父が可笑しそうにこちらを見ていました(笑)。


コースのお料理はこんな感じ。

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特に美味しかったのは卵味噌漬、勘八の幽庵焼、
真鯛もすごくいいところでおいしかった〜



でも最初に「十割蕎麦」の四字熟語を耳にして以来
すっかり落ち着きを失くした私(笑)。


いよいよ、その時が〜♡


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おー!

色とりどりの美しい和食を見た後だと
蕎麦という食べ物のストイックな美しさがますます際立って見える。
本当に、蕎麦の景色は世界に誇りたい絶景だ・・・



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褐色のホシが散りばめられた肌。
輪郭線に全く角がなく、ちょっと手打ちとは思えないくらい
ほにゃーんと優しげな雰囲気の蕎麦だ。
(正真正銘手打ち十割蕎麦ですが!)


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箸先から香りを寄せると、
ジーッと低く香る、いわゆる長野らしい野生より一歩渋い、
素朴で土着的な香り。
ここから近い、奈川の蕎麦の香りだ。
食べるとこれがまた十割と思えないほど軽い。
ふわっとした感じはとてもいいのだが、悪く言えば頼りないかな?
味わいは淡く、見た目でも思ったが、知らずに食べたら
機械かな〜?と間違えてしまいそうな食感だ。

でも、美味しいコース料理を食べた後なので
このふわっと淡いお蕎麦はスルッと入って
ちょうどよかったかも!


お料理が美味しかったので蕎麦汁には期待。

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意外にもかなり甘かったが長野の平均よりは甘くなく、
出汁の味がすっきりしているので全体にはしつこさがなく
澄んだ印象だった。



とにかく大好きな松本のこんな美しい建物で
家族水入らずで個室で楽しいひとときを過ごせたのは
本当に楽しかったし、素晴らしい思い出となった。



今度は「ヒカリヤニシ」も行ってみたいなあー
お蕎麦は出てこないと思うけど!(笑)





<s7>
posted by aya at 12:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 甲信越の蕎麦>長野 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年08月18日

西荻窪「カネイ」


とにかくものすごい人気なのだ。

「昼時は開店時間前から行列の手打ち蕎麦屋」と聞いたら
それなりに便利で目立つ場所にある、活気ある雰囲気の店を想像するだろう。

ところが、店があるのは駅近とは言えまるっきりの住宅街。
しかもかなり入り組んだ路地の奥にある。

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えっ もしやアレ?
とお思いかもしれませんが、そうです。
あのピンクの建物です (≧∇≦)


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昔懐かしい感じのアパート風の建物。
一階エントランス部分だけがお洒落に改装され
なかなか面白い風情が生まれている。


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2階は鍼灸院で一階がお蕎麦屋さん。



玄関を入ると、2階の鍼灸院への階段がまず目に入る。
ますます面白い!レトロでいい感じ! (≧∇≦)

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(慌てて撮ったのでピンボケ〜)


どれだけ混んでいるか覚悟の上で来たのに
今日は雨のせいかとても空いていた。
控えめで丁寧な、感じの良い奥さんに案内されて
テーブルにつく。


漆喰壁のあたたかな色味に包まれるような店内。

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綺麗なお店だなあー



テーブルの上にはストイックな印象のかっこいいメニュー本。
(ストイックどころか私の欲望が詰まったような本だが( ̄▽ ̄))

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ウッこれは・・・

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ギャーーーー
さすが美味しそうなものばかり!!
白和えとかうずらの卵の味噌漬けとか砂肝の柔らか煮とか!
蕎麦がきも食べたい!!




しかし今日は、会いたかった愛しい愛しい方と
濃密な時間を過ごすのであります・・・♡



目も心も奪われる、この瞬間。

「ざる」
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笊といい器といい、選び抜かれた隙のない美しさ。
世界に誇りたくなる日本の美意識、絶景であるが
何よりすごいのはこの蕎麦の存在感、佇まいである。


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笊の上になんでもなさそうにゆるやかに盛られているが
「完璧」をひょいと超越したような、ニクイ余裕が伝わってくる。
このあたり、店主の修業先である同じ西荻の超名店、
「鞍馬」と通ずるものがある気がする。
箸先から香りを寄せると、
フレッシュで香ばしい、濃厚な香りに感激!!
口に含むと見た目よりややずっしりとして食べ応えのある質感。
しかし硬さはなく、程よい余裕のコシがあり
そこからあふれる滋味深い味わいがたまらない。
あああ〜おいしい〜しあわせ〜
秋田と茨城(?)のブレンド、外一。





「広島県産 比和在来」(平日十食限定)
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この限定を食べるために平日の開店時間を
狙ってやってまいりました!
比和在来を食べるのは久しぶり。
先程の「ざる」よりやや色濃いめで
しっかりした質感を思わせる肌だ。
楽しみ〜〜!

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おおおおお
これは珍しい香り!!
葉っぱのような野草のような?
近年嗅いだことのない不思議な野生、それプラス香ばしさがある。
食感がまたびっくりで、これ十割?というくらい
するりつるりとして、くにゅんと優しい自在なコシがある。
見た目に反してざるよりずっと軽やかな質感。
味わいもさすが濃厚で、これはおいしい!!

個人的な悩みではあるが、
これだけ香りが素晴らしいお蕎麦なのに
お箸が私の苦手な竹箸であったことが少し残念・・・

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この手のお箸は素材のにおいがきつすぎて
お蕎麦の香りが全くわからなくなってしまうんですよね〜
(おつまみとか食べている時は全然気にならないんですが!)
というわけで今回もマイ箸出動で、
この「カネイ」の素晴らしいお蕎麦の香りを
純粋に楽しませていただきました。



入店時は雨のせいか空いていたが
私が食べ終わる頃にはやはり満席になった。
しかしどのテーブルも実に静かにこの店の時間を楽しんでいて、
一人客である私も居心地はすこぶるいい。



美しい店内。
完璧な、超越した世界を感じる蕎麦。

静岡・島田の某店とか、両国の某店みたいに
幾ばくかの緊張感も伴いかねないほどの静謐な世界だが
そうはならない、気楽なムードメーカーがありまして・・・

厨房から途切れることなく流れ続ける、 
「山口百恵ゴールデン・ベスト」!
その世代ではない私でも知っている名曲が続くので
おそらくベストだろうと推測)
店主がファンなのかな?
百恵ちゃんの名曲からエネルギーもらって、店主は毎日、
この素晴らしい世界を作り続けているんだなあ〜 (≧∇≦)
(全く別の音楽ですがここ思い出しました♡)


西荻エキチカの住宅街、
昭和のアパート風のピンクの建物、
美しい店内と完璧な蕎麦、
そしてこのBGM・・・


もうなんと言うか、このバランスにただただ降参。

ハートを鷲掴みにされました (≧∇≦)









posted by aya at 16:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>杉並区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年08月16日

長野・穂高「そば処 一休庵」


想像を遥かに超える、
特大フライパンみたいなサイズのもりそばが来て腰抜かしました!!

登山後でお腹が空いていたので、ほぼ何も考えずに
「もりそば大盛り!」と頼んだのですが・・・


まずはこちらの名物である、「なごり雪」という、
ぶっかけスタイルの創作蕎麦を眺め
世の中の普通サイズというものを認識していただきたい。

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美味しそうでしょうー? (≧∇≦)
この器は特に小さいサイズではなく、
おそらく平均より大きめなんですが、
普通にお盆の中に収まっていますよね?


対する「もりそば大盛り」の巨大さであります。
さあみなさんご一緒にびっくりしましょう!!

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もう笑うしかないくらいのレベルで
お盆からはみ出しすぎ事件!!
機械打ちならいざ知らず、手打ちでこの量って有り得ますか??
お盆の中にお箸を載せようと試みましたがこの有様・・・  


この笊、本当に特大フライパンくらいあるんです。
「名残り雪」のお盆と並べるとさらにわかりやすいこの差!

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これは・・・いくら私でも食べられるのかちょっと心配なレベル・・・ (^^;)



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やや明るめで、かすかに透明感を感じる肌は、
上品でまろやかな香りを想像させる佇まい。
ところが実際箸先から寄せた香りは大衆的とも言えるなごみ系で
小麦粉の甘い香りと、蕎麦のややたくましい香りが混じり合った香りを
しっかりとまとっている。

口に含むとこれがまた、びっくりするほど軽い食感。
手打ちなのかな?と思ってしまうほどのゲキ軽い食感なのだが
正真正銘手打ちで、長野と北海道のブレンドの二八蕎麦である。
ふわっとして、噛み締めた感じもあっけないほどやわらかい。
というわけでもう空気のようにスルスル入っちゃう!
(アナタがお腹空き過ぎなだけでは?笑)
瞬く間に半分がなくなり、気がついたら完食していた。
ええええ〜??
眼下に、あんなに広大に広がっていたのに・・・
我ながら信じられない・・・ ( ̄▽ ̄)


ここは蕎麦汁がまた独特。
まず驚かされるのが予想された長野的な強烈な甘さがないこと。
そして鰹の風味がなんとも枯れたイメージというか
ややスモーキーさも感じるズシッとした渋さである。
酸味もがっつり濃く、それがこの鰹の渋い風味と相まって
低くがっつり濃い香りと味わいの汁だ。

それがここの、あの超軽いふわっと蕎麦と滅法合う!!
全く違うイメージの蕎麦と汁だけに、もはや魔法と言っていいレベルの合いっぷりだ。

今になってメニューをよく見て気づいたが、この「一休庵」では
温かい蕎麦は大盛り260円増しであるのに対し、
冷たい蕎麦は大盛り430円増しなのであった。

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いろいろと変わっている!!
でも面白い!!



「名残り雪」
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大根の千切り、わさびの茎漬け、揚げ玉、きのこを散りばめたお蕎麦。

聞いただけで、こんなの美味しいに決まってますよねー!
ありそうでないこの組み合わせ、アイディアが素晴らしい。
わさびの茎の香りが思った以上に華やかで、揚げ玉や大根の風味の美味しさは言わずもがな。
山菜なのかな?支那竹のようかコリコリした食感のものもあり、
大変に美味しいぶっかけ蕎麦。
これまたスルスルスルスル入っちゃいますー!



穂高駅前から近い目立つ場所にあるため長い間気にはなっていたが、
行列がすごかったり営業時間前に閉まっていたりで
入ったことはなかった。
今日は15時ということもあり行列が短く見えたので入ってみたが
それでも5組待ちだった。
すごい人気!

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趣のある立派な店舗。

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個人的にはこの箸袋がツボでしたー!

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昨日から2泊3日で燕岳〜槍ヶ岳縦走の予定でしたが
台風の影響で急遽本日、常念岳の手前で下山したばかりの私。
こんな雰囲気のいい、色々楽しいお蕎麦屋さんにて
さっきまで居た山に想いを馳せるひととき。

ああ やっぱり長野はいいなあ〜〜




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(17:00までの営業ですが人気すぎて16:00前には店仕舞い〜)








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posted by aya at 12:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 甲信越の蕎麦>長野 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年08月09日

人形町「粗挽きそば 手打ち 日本橋福田雅之」



店名が店主のフルネームというところがまず珍しい。

虎が雨の中、中高時代のお友達Mちゃんと訪れたお店は・・・

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え・・・コレ?
夜は予約のコースのみと聞いて敷居の高さを感じ、
なかなか来られなかったお店だけに、さりげなさ過ぎて意外!!



あー、こちら側には看板ありました〜
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昼間は行列必死の人気店だが、今日は大雨のおかげで比較的空いていているよう。

それでも小さな店内は満席で、しばらく入り口付近の椅子で待つ。


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(満席につき天井だけ撮影)


Mちゃんは筋金入りの食いしん坊であるばかりか
信じられないほど美しいお料理を作る、日本料理専門の先生でもあるので
(インスタ見て腰抜かしました)
もう二人ともワクワクしておしゃべりが止まらず、待つ時間も楽しい (≧∇≦)


店名も雰囲気も個性的ですが、なんたって個性的なのはそのメニュー。

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お蕎麦は粗挽きと十割があるのだが、注目はその「量」と「値段」であります!!

ええええ!?
さ、さんびゃくグラム??
手打ちで300gで、粗挽き750円、十割900円っていったい何事ですか!?
多過ぎて安過ぎて、アタマがフリーズしそうです!
(しかも人形町という立地で??( °o°) )


フリーズしつつも、筋金食いしん坊二人はメニュー理解も決断もめっちゃ早いです。
見たらすぐ決まっちゃった (≧∇≦)
「粗挽き」「十割」を一人前ずつとって、
それぞれに舞茸天をつけて、シェアしたいと思いまーす♡


まず私のところにやってきたのは「十割」。

「十割せいろ」
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おおおお〜!!
さすがは300g、圧巻のボリュームである。
美味しそうなお蕎麦がこんなにたっぷり、
しあわせーーーー!♡

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箸先から香りを寄せると、香りよりもまず寒いほどのキンキンの冷気が漂ってきた。
さらに見つめると、ごく淡くではあるが素晴らしいかぐわしさを纏っている。
口に含むととにかくバリカタ!!
このバッキンバッキンの輪郭線と硬さにはなかなか驚いたが
食べ進むうちにだんだん食感がやさしくなり、
香りも味も膨らんできた。
フレッシュで、誠実なイメージの、正統派の美しい香りにうっとり。


お蕎麦が美味しすぎて蕎麦汁をつける余裕はほぼなかったが、
味見してみると濃いめで甘みもしっかりながら
バランスよくまろやかな美味しい汁。

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まいたけ天はカリカリながらしっかり油感があり、ボリュームのある衣だった。

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そして、「福田雅之」の真骨頂と言えば、

やはりこの粗挽きの圧倒的な景色だろう。


「粗挽きせいろ」
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萌える見た目ーーーー!♡!♡ (≧∇≦)♡
食べずとも、これを拝めただけでも胸がいっぱいになるような
ものすごい景色である。


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ところが、箸先から香りを寄せると・・・
おお?意外にもほぼ香りません。
食べてみると見た目ほどの荒々しさはなく意外なほど「程よい美味しい粗挽き感」。
うすーい平打ちなのもしなやかでいいなあ〜
よくこんなんで繋がってるなあー!
こちらは半分食べてから、Mちゃんと交換して食べ始めたので
「十割せいろ」の最初の頃のようなバリカタさはなく、
かと言ってのびた感じもなく、素晴らしい食感だ。
味わいもすっきりと、ごく淡い感じ。


香り、味わい薄めで食感がこんなに素晴らしいってことは、
この「粗挽きそば」で種物食べたら最高なんじゃ!?と思いついてしまった筋金食いしん坊ふたり。
なんと300gずつ平らげた後に、「デザートとして」
こんな素敵なものを頼んじゃいました (≧∇≦)♡


「冷やかけスペシャル」
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こーれーがーね〜〜〜!
もうもうもう、犯罪的と言っていい美味しさなんであります。
こういった、上にいろいろ載った冷やかけが元々大好物な私でありますが
日頃はお蕎麦の香りを偏愛するあまり、ざるとかせいろとかに身を捧げることになり
なかなか食べる機会がない。
それでもチャンスを射ては方々で食べてきたわけですが、
ここの「冷やスペ」はとにかくセンス抜群!
ガッツリ系として100点満点の美味しさ!!
ミョウガやネギなどの香味野菜、香ばしく美しい揚げ夏野菜、
そこに揚げ玉やら温玉まで入っちゃって、まさに私の蕎麦煩悩の全てをかき集めたような
超絶美味混沌宇宙!!


混ぜた姿も激萌えですよね〜

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この粗挽きそばの食感がとにかくめっちゃ合う!!
ヤバすぎる美味しさー!!


ここの店主の前職は大手製粉会社社員とのことで、
まさに製粉のプロフェッショナル。
他にはない美味しい手打ち蕎麦を安価でたっぷり食べて欲しいとの思いから
粗挽きの粉は北米産を選択するあたり、やはり他とは違う店だ。

この店の予約のコースがどんななのか、興味津々!!

昼のメニューから消えてしまったそばがきも食べられるし
何より安くてこれまたびっくり。



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え、この内容で、ほんとにこの値段でいいの??


ほんっとーーに他にない面白いお店だなぁー
アッパレ!(≧∇≦)















posted by aya at 16:02 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>中央区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年08月01日

長野・下島「木鶏」


蕎麦という運命の食べ物に出会い、
蕎麦だけを食べ過ぎるようになってウン10年。

長年、数え切れないほどの蕎麦屋に出会ってきたが
愛される蕎麦屋としての条件というものがあるなら
ここはそれを全て兼ね備えたような店だ、と思う。

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佇まいは美しく、
かと言って気取った感じでもなく、
あたたかな風情がある。



店内は天井が高く広々としているのだが
靴を脱いで入るせいか
家庭に招かれたような、ほっこりした雰囲気の客席スペース。

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店内にはゆったりとした音楽が流れ(Nora Jones etc.)
天井がうんと高く、テーブルも広々していて贅沢な空間。
でありながら、足元にはほにょほにょ気持ちのいい
アクリル毛布のようなものが敷かれていて
食べ終わったらそのままここで眠りたくなるような
なんというか「安心感」みたいなものが満ちているのだ。


また注文を取りに来てくれる奥さんの
優しく明るい声と笑顔の素晴らしいこと。
癒されます〜(>_<) ♡


そしてそして、
何よりこのメニューが美味しそうすぎてヤバイ!!


ぎゃーーー

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ややややばいですよね!?


ひーーー!!

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どうすんのコレ!?

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(訪問は4月)



いつもはお蕎麦屋さんでごはんものなんて目にも入らない私ですが
(むしろごはんに蕎麦の分の胃の容量を奪われると思い敵視(笑))
これはガン見!!

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もう欲望のままに食べたいものを全部頼んでしまいたい衝動に駆られるが、
そうするとひとりで6人分とかになっちゃう (≧∇≦)

一応大人なので欲望にブレーキをかけますが、
ううっ ブレーキが重い店だなあ・・・ああ苦しい、ツライ!!



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ビールと一緒にお通しとして出てきたのは
ひたし豆。

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むかーし昔、武蔵小金井の「みやざわ」さんにて恋に落ちたひたし豆。
ここのも超絶に美味しい!
この豆そのものが美味しいしシンプルな味付けもよくて
汁まで全部飲んじゃいました(笑)



「とりわさ」
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見るからに新鮮で美味しそう。
そして見た目以上になめらかで繊細な質感が素晴らしい。
わさびなどの薬味や「再仕込み醤油」もついてきたが
再仕込み醤油は濃厚だし、わさびも強く感じてしまうほど
この鶏肉は繊細な美味しさ。
塩で食べたいとりわさなんて初めて!
またさりげなく盛られた薬味の野菜が全部美味しい。
玉ねぎの甘さがすごい〜♡



「だし巻卵」
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これがもう・・・
ただただ絶賛しかない「だし巻卵」なのであります。
見るからに、図抜けた美味しさを想像させられ
思わずアハハハハハと笑い出してしまいましたが
実際食べたらほとんど飛び上がりました。
理想の美味しさと言っていい「だし巻卵」!!
あまりに完璧だと形容するのも難しくなるのだが
ふっくらしつつ、密な肌。
何より、汁がジュワーじゃなくて
やわらかい卵の肌の中に汁が閉じ込められている感じが凄い。

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なんですかこの食感!?
味も強くないのに全く足りない感じがない。
何もつけずに食べて完璧すぎる。
参った!





「地物 山菜の天ぷら」(訪問は4月)
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うわあああああ
運ばれてきただけでシビれる見た目!
山菜の天ぷらは大好物なので見かけたら必ず頼むが
ここのは段違いな美味しそうさだ。
こしあぶら、やまうど、たらのめ。
一口食べてやっぱり目がかっ開きました。
なんというサクサク感、軽やかさ。
脂っこさが全くなく、油の良さと腕前の良さに
ただただ「ギャフン」としか言いようがない。
時間が経ってもサクサクで、
中からパーンと弾ける山菜の香りが幸せすぎる。
山の恵みに手を合わせたくなる。



「手羽塩焼き」
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お蕎麦屋さんで手羽って意外と出会いません。
おすすめと書いてあったので頼んでみましたが
皮パリジューシーでこれも最高の美味しさ!
野菜もドレッシングも美味しい。
もう〜なんなの〜!?
どれもこれも最高に美味しすぎて絶賛ばかりで
文章にメリハリがつかなくて困るんですけど〜 (≧∇≦)



そして、待ちに待ったこの時間でございます。


「2種盛り(もりそば+玄挽き田舎そば)」
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おっほーーーー
めちゃめちゃいい眺め!!


嗚呼 ときめき過ぎて心臓がどうにかなる・・・!!

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「もりそば」
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箸先から寄せた香りにまず感激。
めちゃめちゃフレッシュで青い綺麗な香り〜!
口に含むとパッキリとした輪郭線とシャープなエッジが感じられるが
不思議と硬さはなくしなやか。
最初鮮烈だった香りは食べ進むうちに弱まってきてしまったが
まろやかで上品な香りと味わいが楽しめる。
ここと同じ長野の、野辺山のキタワセと聞いて意外!
こんな香りの長野のキタワセもあるんだなあ〜



「玄挽き田舎そば」
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無数に散りばめられた褐色系のホシ、
微かに震える素朴な輪郭線。
見るからに香りまくってくれそうな
たまらない美肌に吸い込まれそう・・・
と、思ったのだが、最初は意外にも香りがほぼなく、
口に含むとすかに黒いスモーキーな味わいがある感じ。
が、食べ進むうちにそれがだんだん変わってきて
ヨモギとか青畳のような
爽やかな野生の香りがフワーッと感じられるようになり
ついにはいわゆる黒くスモーキーで甘い香りに!
香りととも味わいも濃くなったが
全く嫌味なくどこまでも美しいのが素晴らしい。
そして「もりそば」同様、
こちらもパッキリくっきりな輪郭線を感じる舌触りなのに、
噛み締めると硬いわけではないのが面白い。
細かい粗挽き感、とでも言いたくなる、
優しいヤスリのような粗挽きの舌触りもなんとも心地いい。
うーん、先ほどの「もりそば」と甲乙つけ難いけど
やっぱりこの「玄挽き田舎そば」の方が好きかなあー
ここから近い乗鞍の、乗鞍在来種。


そしていつもならここで、お蕎麦との逢瀬の感激、余韻に浸りつつ終わるところが、
今日はここのメニューの凄さにあまりにも目移りした結果、
なんとデザート?にこんなものを・・・(笑)

その名も「木鶏丼」!

頼んだのは「ミニ木鶏丼」の方なので
小さめの丼か、お茶碗に盛られてくるのを想像していたら
こんな素敵な根来の蓋つき椀でやってきました♡


「ミニ木鶏丼」
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蓋を開けて感激はさらに。

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お、おいしそうすぎる・・・
メニュー写真でも美味しそうだと思ったけど
本物の方がさらに強烈な魅力を持って私に迫ってくる。
オーダーしてから店主に「鶏肉炙りますか?」と訊かれ
即答でお願いした私。
(全ての味の要素の中で「香ばしさ」と「苦味」を偏愛するもので)
炙りたての香ばしい香りがたまりません〜!
そして「だし巻卵」に続いて、ここでも卵の美味しさにびっくり。
甘くないけど旨みとコクがしっかり。もうただただ最高!!
お肉もふっくらして、噛み締めた味が濃い。
あああああ 美味しいーーーー・・・
お蕎麦の後にこんなに恍惚とするなんて
なんか浮気してる気分・・・(笑)



ふと周りを見回すと
常連らしい家族連れが店主と実に楽しそうに話していたり
向こうの大きなテーブルではお祝い事らしい女性二人が
ゆっくりと、何やらものすごく美味しそうなものを
次々と食べている。予約限定のコース料理らしい。
(実は私はずっと羨ましくて(笑)時々チラ見しておりました)


そう、ここはコースが素晴らしそうなんです!

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いつもの私ならお蕎麦が4種も食べられるという
「そば三昧コース」一択なのですが
今日超絶に美味しいおつまみの連続攻撃に遭ったあとだと
料理が6、7品もつく「味わい御膳」にめちゃめちゃ惹かれる・・・!
お蕎麦が小盛りという問題は追加注文で解決しよう〜♡
と、まだ店にいるうちから次回食べるものを決める私 (^^;)


でもコースは2日前、コースによっては1週間前までの予約なので
いつも弾丸突撃行動が多い私にはかなり難易度高め・・・


でも絶対食べたいからなんとか予約したい〜〜!!♡











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posted by aya at 12:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 甲信越の蕎麦>長野 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする