キャハハハハー!と笑いだしてしまった私 (≧∇≦)
とにかく衣がおいしい。
揚げ方が別次元にうますぎる。
ふんわりさっくり、中の素材が100倍美味しく感じる天ぷら!!
「玉子やき」

ふるんっふるんっと震えながらテーブルに到着した玉子やき。
東京らしい甘口で、ふっくら極上の食感!
そこにおろしと、ほんの少しだけお醤油をつけて食べるのが
たまらなく美味しいんですね〜〜
玉子やきの背後におろしとお醤油が見えると思うんですが、
そのお醤油の量にご注目。
カーーッ 粋だよねえ〜 (≧∇≦)
そしてメニューに戻らせていただきますが
毎度毎度私の胸を揺さぶり惑わす憎い憎いこのお二方をご覧ください。

「普通そばがき」
「妙高あらびきそばがき(こそば使用)」
そんなもんどっちも食べたいにい決まってるでしょう!?!?
と叫びたいがお値段とお腹の都合上一つに決めなくてはなりません。
微粉の「普通そばがき」もそりゃあそりゃあ腰抜かすほど美味しいんですが、
本日は「映え」狙いもありましてこちらに♡
「妙高あらびきそばがき(こそば使用)」

どどーん。
なにかの武器とか、前方後円墳とかではありません。
私はこの大胆な器も大好きです♡
見入れば、そこは宇宙。

ウッ・・・
わかってはいたものの、そこに在るものの凄みに、私は固まる。
この粗挽きの粒たちと、もっちりした肌の調和。
モワーー!と強烈に香ってくる、最高のかぐわしさ。
えーんえーん
こんなに素晴らしいのものを、
私の口に入れちゃっていいんですかあ〜
入れちゃいますよ〜
エイ
ああああああああ
ああああああああああああああ
超越、としか言いようのない異次元の美味しさ・・・
なにをどうしたら、ここまでの世界に到達できるのか?
まずはこの、胸をかき乱されるほどのかぐわしさ。
こうばしさと、王道の蕎麦の穀物感に満ちた馥郁たる香り。
食感は、ねっとりとふっくらの絶妙なバランスで
そこに散りばめられた粗挽きの粒感がもうただただニクイ加減である。
荒いのだが、ことさらでない。
見た目よりはずっと優しい。
しかし一歩控えつつも口中全体に主張してくる粗挽き感が、
なんとも洗練された田舎の風情である。
そしてそれらだけに酔う間もなく、舌にぎゅうぎゅうと押し込まれてくる
このグルタミン酸を感じる強烈な、濃厚な旨みはなんなのでしょう!!
これが穀物だけから生まれる旨みって凄すぎる。
愛する愛するお蕎麦の旨みが、こんなに凝縮されて口の中で爆発されたら
私はもうもうもう、
うお〜ん うお〜んと吠えるか、むせび泣くしかないわけなのですが
それはさすがにおかしいので私は先ほどからそれを我慢して
ただただこの超越した世界と、壊れていく自分を見つめるしかないわけです・・・
壊れすぎて
「すべてのそばがきがこうあってほしい」
なんていう傲慢な?フレーズが脳に点滅してしまうほどの
飛び抜けた美味しさ。
これが1800円でよかったとおもいます・・・
じゃないと私猫みたいに毎日ここにきてしまいます・・・
本命の「おせいろ」が来る前にこんなに壊れてしまいましたが
ここではこれが通常運転。
なにしろ何を頼んでもケタ違いに美味しいのだから、
そりゃあ予約のみだろうが多少待たされようが
「だから何?」というくらい、私はこの店を愛しているのだ。
「おせいろ」

気がつけば、私はあなたしか見えない。
両隣のテーブルの賑わいも、今日ここに来るまでにあったことも全て忘れ、
吸い込まれるようにその美しさに見入る。
日本が世界に誇るべき絶景が、ここに在る。

暗めの肌に無数の粗挽きの粒をはらみつつも
どこまでも繊細で優しい風情の、極細の平打ち。
ここの「おせいろ」を愛してやまない私は
これから無限の宇宙に引きずり込まれる覚悟を決め、そこに飛び込む。
鼻腔から脳を染める、甘みのない深く渋い香ばしい香り。
ちょっと日本離れした、ヨーロッパの蕎麦粉などにあるような
外皮のしぶーいスモーキーな香りをうんと綺麗にした感じ、
のかぐわしさに新鮮にビックリする。ここまでやるかー!
口に含んでさらに驚く。
ピキーッと潔いまでに、ギンギンに冷たくしめられているのだ。
この冷たさにしてこんなにも香るとは、
もう奇跡とか魔法とかそういうレベルの話である。
噛み締めてさらにシビレる極細の繊細さ、密な平打ちの質感。
私の大好物の、中国の干し豆腐を思わせる密な肌だ。
しかし食感は干し豆腐とは無論別物で、ことさらな弾力やコシを感じないのに、
歯で簡単には噛み切らせない、でもやわらかい、小慣れたコシ。
その上、噛み締めずとも舌にのっただけでぎゅうぎゅう押し込まれてくるような
濃厚な味わいに見舞われ、完全にノックアウトされる。
先程のそばがき同様、グルタミン酸系強烈な旨味。
粗挽きゆえ、ぷつぷつとした刺激も感じるがそれもことさらではなく、
すべてが繊細さと優しさと超越した洗練の中にある。
これだけあらゆる方向から私に襲いかかり盲目にしてしまう麻薬的な魅力。
自分の中を駆け抜ける衝撃的と言っていい美味しさと、
またまたむせび泣きたいほどの感動の渦の中で
「私はあなたに全てを捧げたい。」
と澄んだ熱い思いを一心に捧げつつ、
その相手をあっという間に全部食べちゃったこの矛盾に満ちた愛の世界。
毎度毎度私を狂わせる、とんでもなく超越した美味しいものばかり出すこの店の壁には
こんな書き物が。

「何でもないありふれた手打せいろそば」
いやいやいやいや・・・
いかにも一茶庵「友蕎子」片倉康雄さんの直弟子のお店らしいが・・・
かっこいいにもほどがあるでしょーーーー!!
(その下の靴べらコレクションもなんだか微笑ましい(^^)
ブーツスタンドもあるよ!)
ここのもうひとつの名物と言っていい
ひょうひょうとした個性の素敵なおかみさんが
少しお元気がないのが心配だったが・・・
店主はバッキバキにお元気!!
一言話しただけでその頭脳のキレっぷりが伝わる、
はっきりとしたエネルギッシュな物言いにホッとする。
この宝物のような店は、ずっとここにあってほしいのだ。
私が蕎麦屋について書き続ける理由はこんなところにある。
宝物のような店は、毎日毎日、何十年も宝物のような店であり続けるのに
それは人々の舌と記憶の中だけに、それぞれに残るばかりで、
記録としては何も残らない。
写真はあっても、その味や、雰囲気や、そこに流れていた時間は残しようがない。
私はなんとか、そのほんの少しのかけらでも残したくて。
稚拙な私の筆でも、何かをあらわし残すことができたらと
そこで私が感じた全てを、こうして書き続けているのだ。