2016年08月01日

東十条「一東菴」


好き過ぎてブログに書きたくないお蕎麦屋さん・・・

もとい、「書きたくない」のではなく
あまりにも愛が溢れて文章化が困難すぎると
つい先延ばしや書かずじまいになってしまうのだ。

だいたい私は日々お蕎麦屋さんに行き過ぎなので書く方は全然追いつかず
実際書いているのは行った中のごく一部。
楽しい時間を思い出しながら落ち着いて書けるお店はいいが
感激極まって半トランス状態になった時のことを文章にするのは至難の業だし
やっと文章に出来たところで私がオーバーヒートで壊れ過ぎててみっともない。
その上「こんな名店誰だって大好きよね・・」
と思うと正面から愛を叫びまくるのが恥ずかしくなってきたりもし
それでも愛を叫びたい気持ちは止められず
蕎麦乙女心はいろいろ複雑なのだ。


そんな乙女の激愛爆発の「一東菴」。
今回は大好きな素敵なお仲間をお連れしたく、
夕方の開店時刻に予約してワクワク集合。
東十条の駅を降り、ルンルンルン〜♪と人通りのない小道を歩いていくと・・
店の前に黒山の人だかり!?

なんと開店時間前に行列・・というか相当な人だかりが出来ていたのあった。
程なくして店が開き、その方々に続いてゾロゾロとお店に入る。
「予約しておいてヨカッタね〜」なんて言っていたら
入り口のところに小さく「本日は予約で満席です」の張り紙があった。
店の前にいたのは全員開店時間に予約をしていた方々だったんですね〜
イヤーン私の大好きな人がものすごい人気過ぎちゃってたいへーん(≧∇≦)♡


本日は開店時間にすでに満席につき
私の大好きな美しき「一東菴」店内の景色はあまり撮れず。
でもやっぱりこの唐箕はどうしても撮りたい。

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「日本の道具」の美しさに目を奪われるが
それが実際に店主の両親が使っていたものだと聞けばますます心も奪われる。
座敷部分に屋根を作り唐箕がまるで田舎家の軒先にあるかのように置かれた演出も
本当に素晴らしい。
(その他いろいろ見どころ盛り沢山の美しい店内については是非4年前初めて行った時のこちらを♡)




「こんな名店誰だって大好きだ」と書いたが
ここはとにかく全てがおいしすぎる。
おつまみがいっぱいあってどれもが美味しい、お酒がニクイ品揃えで美味しい、
そして蕎麦の美味しさと来たらもうもうもうもうピピピピピーー!!!(警報音)
ほらもう早くも壊れかけてますよね・・(* ̄∇ ̄*)


メニューはたくさんあってどれも美味しそうすぎて頭は煩悩でぐるぐる!
皆で決めるのは真剣な会議のようになってくる。
美味しそうなおつまみを厳選して、今あるお蕎麦は全部の種類を食べられるようにして、
けっこうそれだけでもスゴイ量になりそうなのだが
その上ここはこんな大問題がある・・・
超絶美味しい「そばがき」がなんと3種類もあるのだ!!

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あああ・・・
見ているだけでときめくこのページ、この文字・・・

「微碾そばがき」
「粗碾そばがき」
「焼畑 手碾そばがき」

このページに突っ伏して居眠りしたら相当いい夢が見られるに違いない。



本日のお仲間はみなさん揃ってお酒大好きにつきドンドコいきますよ〜♡

「鳳凰美田 純米吟醸」
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「伯楽星 純米吟醸」とお通し。
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「水茄子漬」
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見るとどうしても頼みたくなるこの季節の宝物。
しかも当たり前でないのはマスタードとわさび味噌が添えられているところ。
どちらもさすがのセンス!



「わさび二点盛」
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お酒好きはこういうメニューを見逃しません。
わさび漬けとわさび味噌♡
こんなの口に入れたらその瞬間にお酒を口に入れたくなりますよね?
キャーたいへーん(≧∇≦)



「豚肉と大根のプラム煮」
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運ばれてきた瞬間テーブルに「おお〜!!」と感嘆のため息が漏れたほどの
この圧倒的な美味しそうさ。
「煮肉愛好会(会員1名)」会長である私がここでは必ず頼みたい大好きメニューで
これが本当に美味しい。
見た目から「こういう味だろうな」と想像したのの何倍も奥深い、
でもガツンとキャッチーな美味しさなのだ。
お仲間もみなさん美味しい美味しいと大喜びで遠慮しつつも奪い合い(≧∇≦)。
本当はここの鴨ロース煮も犯罪的に美味しいんですよね〜♡
我が煩悩は尽きまじ。



「三点お造里とゆば」
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猫のようにお魚が好き過ぎて食べ過ぎてアニサキスアレルギー発症2年めの私。
ゆばと帆立以外は食べられないものばかりで残念(>_<)
でもお造りだけでなくゆばも盛り合わせてくるところが
「一東菴」らしくていいなあ〜♪



「穴子天ぷら」
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穴子だけではなく盛り合わせなのであります♡
こちらに向かってくるような迫力の大きさの穴子が嬉しい。



「おまかせ天ぷら盛合」
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この帆立のビジュアルには歓声が上がりました。
それまで写真を撮っていなかった人も思わずカメラを取り出す問答無用のこの魅力!
宝物の帆立は大事に割って平等に分けっこ。
ムニッと肉厚でおいしかった〜〜


さて、いよいよあの方の登場でございます。
全体会議で「ひとつでいいんじゃないか」と決定したのに
どーしても皆さんに食べ比べして欲しくて
(私が一番したくて?(* ̄∇ ̄*))
決定を覆し「微碾そばがき」「粗碾そばがき」、両方お願いしちゃった!!


「粗碾そばがき」(埼玉・三芳)
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ぶっ
ナンデスカこのぶっ飛んだ青さはーーー!!!

いやいや、あの〜・・・
このありえない青さは絶対に危険かと・・・
美味しそうすぎる!!


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ああああああ

ああああああああああぅ

もう
完全に打ち上がりました

大気圏脱出
全く帰ってこられません

なんという、最高の美しさ、青さかぐわしさ
このままずっと香りに浸っているだけでいくらでも時が経ってしまいそうなくらい
香りだけで痺れる・・二の腕がビリビリいっている・・・
その上、粗挽きの食感が豪快にゴッツンゴッツンで
それがたまらないふっくらもったり感の中にあり
舌に触れている全ての肌の中から濃厚な味わいがいくらでも溢れてくる。
うまみが舌に押し込まれてくる。
その濃厚さは出汁にも近いグルタミン系で穀物とは思えないほどの美味しさ!
何をどうしたらこんなそばがきができちゃうのでしょうね??
地球最高のそばがきを作っちゃった「一東菴」ばんざーい・・・

もう私は帰ってこられません・・
地球を俯瞰している自分が見える気すらするあぶないトランス状態
でもこの先まだまだあるのでかえってこなくちゃ・・
(大袈裟とお思いかもしれませんがこの時はテーブルの他の皆さんの唸り声も相当すごくて
録音して店主に聞かせたかったくらいなんですよ〜(≧∇≦))



「微碾そばがき」(栃木・益子)
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微粉のほうはとろとろ蕎麦湯に入ってくるタイプ。
それも大好き!


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微粉の方が香りが強いのではと思っていたのだが
蕎麦湯入浴タイプのせいか香りはほわんとやさしい感じ。
しかし淡くてつまらないのではなくもったりネトとろ〜っとした食感の奥から
ふっくらと滋味深いかぐわしさがこちらを引き寄せるように漂っている。
「近づきたい!あなたにもっと惹き込まれたい・・!」
私は完全に周囲が目に入らなくなりかなりヤバイ人なのだろうがもう何も構える状態ではなく
口中の奥深い世界を見つめればあとからずっしりと深い味わいが追いかけてきて
ああ 私ごと溶けてしまいたい・・・



もうそばがきだけでヘナヘナ状態なのですが
ここからがいよいよお蕎麦です。

き きた

「栃木・日光 夏そば」
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えええええええ
またまたありえない、見たことないくらい美しい青さでやってきてしまいました!
私のカメラがおかしいんではありません。
この店主の腕がおかしいくらいすごいんです
あれだけ素晴らしいおつまみも全部作ってお蕎麦もこれって、何? 魔術師!?

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(>_<)

(>_<)

(>_<)

たまらない、最高のその上のその上のかぐわしさ!!
この上なく青く美しくフレッシュな、最高のかぐわしさに
私まで透き通って天に登っていってしまう。
美しいだけではなく味わいにはズンと下を支えるようなたくましさがあり
ふっくらむっちりほんわりした食感がまた素晴らしい。
深い味わいや食感に酔う中でそのかぐわしさは透明に高くひろがりのぼっていくような感じで
ここで私がメモした走り書きは
「とうめいにのうこうにそらへと旅立つ 」。
もう完全に逝っている・・・(* ̄∇ ̄*)


「長崎・五島在来」
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打って変わってこちらは黒っぽい蕎麦。
いわゆる甘皮を挽き込んだ黒っぽい蕎麦とはちょっと違うような
独特のグレーっぽい肌でそこに赤、白、褐色、色とりどりのホシが散っている。
蕎麦肌も素晴らしいが器との合わせ方も素晴らしい。
「一東菴」の器は本当に楽しいものばかりなのだ。

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ぶあーーー!とあまりも濃厚に香る豊かなかぐわしさにビックリ。
なんというものすごい蕎麦の連続、これも素晴らしい〜〜〜・・・
芥子にも似た、フレッシュなオイルのような豊かな香ばしさ。
口にふくむとざっくりとした粗挽き感、でありながらゴツゴツの感じでなく
豊かな余裕を感じる流麗さにうっとりさせられる。
味わいも芥子とか胡麻のような厚みのある豊かなオイル感があり
それがどこまでもフレッシュで、口いっぱいにゴージャスにひろがる。
余韻として残るまったりとした甘みも美味しく
ウーン ウーン 一枚目の「日光在来」が宇宙最高だと思ったけど
これも美味しすぎてぜんぜん順位がつけられない・・・



「埼玉・三芳 手碾き」
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ウワー・・・
さすがは手碾き、圧巻の美肌!!
しかもこの梅のような睡蓮のような器もツボ過ぎる。だいすき。
「一東菴」さん・・・そうやって多方向から私をグニャグニャにしないでください・・・


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あああ
これは・・・

ずっしりとした香ばしさ。
とうもろこしにも似た軽やかで濃厚なこうばしさが
透明感を持って高くひろがっていくのが目に見えるよう。素晴らしすぎる。
いかにも手碾きらしいいびつな粗挽きの舌触りは見た目以上にはっきりとしていて
独特のしっかりとした歯ごたえがある。
しっかり噛むとお米のような澄んだ美しい甘みととうもろこしの香ばしさが絡まり
またまたこれもおいしすぎる、好きすぎる・・・
今日いままでに食べたのぜんぶすき過ぎてもうなにがなんだかわかんない・・・

わおぉーーーーん・・・・(蕎麦犬の遠吠え)



「北海道・新得 牡丹の手碾き」
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いよいよ、私の大好きな新得のお蕎麦♡
なのですが・・・なんだかもう自分が心配になるほどものすごそうなのが来てしまいました♡
この濃いめの肌、しっとりこんもり盛られた姿・・・
めちゃくちゃ美味しそう!!


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わ〜 これは新得の中でもまた出会ったことのない感じ!
ふっくらもったりした甘さの中にシャープな強い野生を感じる香り。
しかも食べるとなんとピスタチオ!
トウモロコシっぽい香ばしさを通り越してピスタチオ!
ざらざら、ぐったりやさしい食感から生まれ続けるものすごい旨み。
このピスタチオ感にはテーブルの全員が驚いていて
「こんなお蕎麦もあるの!?」
「これは旨いなー!!」
と皆さん口々に言いたいだけ吠えていました(≧∇≦)/
もともと新得大好きな私もますます新得の奥深さのファンに♡



広島「神石高原天空そば」
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いやーーん
これもまた恐ろしく美しい肌なんですけどーー!!
今日はもう本当にトランス状態で全く降りてこられない。
トランスの上にトランスがどんどん重なっていくのだから
まともに文章を書こうという方が無理だ。


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美しい・・・・・!
ランダムに光を跳ね返す素朴な肌、そこに浮かぶ色とりどりのホシ。
これだけ素朴な粗碾きの手碾きながら
全体は完璧に美しく端整で余裕の洗練を感じるところがすごすぎる。
手繰り上げるとふわりと軽く香るこうばしさ。
ピーナツとか胡麻のような深〜い香ばしさなのだが
熟成そばなどにある重いピーナツ感ではなく
あくまでフレッシュで軽い香りなのが本当に素晴らしい。
味わいはこれまた豊かでフレッシュなオイル感を感じる、芥子やごまにも似た味わい。

はあぁぁぁーーー
なんという美味しさの連続。なんというバリエーション。
どの蕎麦も個性がはっきりとばらばらで
しかもそれぞれの個性の中で最高のその上を突きまくっていて
違いがわかりやすい上に全部が美味しすぎるので
美味しくゆったり食べるというよりは
三尺玉大花火が連発されて脳も体も痺れて飲みこまれていくような時間。


実は全部食べた後「神石高原天空そば」について店主に質問したのだが
トランス頭が痺れていて全然アタマに入らず全然ここに書けません(≧∇≦)
私の反応がボケすぎてて店主もちょっとキョトンとしていたような?
せっかく訊いたのにすみません(≧∇≦)



「蕎麦湯」
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蕎麦湯の美味しさにも感嘆の声が。
素材の素晴らしさそのもの!
蕎麦粉がものすごくよいものであることがよくわかる贅沢な蕎麦湯。
お腹いっぱい過ぎてもう何も入らないはずなのに
美味しすぎていくらでも飲みたくなる・・・



こんな壊れた文章をこんなに長々書かずとも・・と我ながら思うが
全てが愛しすぎて割愛できない私にとって宝物のような時間。


この店を出る時はいつも必ず心もお腹もしあわせでいっぱい。
一同で美味しかった楽しかったを口々に輪唱のように言いまくりながら
電車に乗ってたくさん笑って


私は

この夜への感謝でいっぱいになるのだ。



IMG_4315 - バージョン 2.jpg





2012年1月の「一東菴」
2014年1月の「一東菴」



posted by aya at 08:13 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>北区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする