2016年06月29日
群馬・富岡「そば食堂 仁べえ」
通りの向こうから猫が歩いてくる。
道の真ん中を猫が歩けるのどかな街。
近年大人気の観光地、富岡製糸工場からも徒歩で3分程ながら夕暮れ時はこの静けさ。
私は「そば食堂 仁べえ」の前に立ち、感無量の思いだった。
店主・石井さんの名を最初に知ったのは神田「いし井」のころ。
まだ私が「蕎麦を食べ過ぎ始めた」20年以上前のことだ。
「神田藪蕎麦」と「神田まつや」という二大超有名老舗の間といっていい場所に
「そうとは知らないで店を出した」というエピソードを聞き
「大物すぎる!」と大ウケしていたものだ。
その後、修善寺「朴念仁」、銀座「古拙」、日本橋「仁行」 と
贅沢に研ぎ澄まされた料理、蕎麦、空間で、人々を魅了し常に話題をさらい続けてきた。
その料理も蕎麦も本当に素晴らしく、
実際店に行くと飾らない気取らないさっぱりとした高級店であったが
「ゴージャスなミシュラン蕎麦屋さん」というのが世の中の印象であったと思う。
その石井さんが今年ついに故郷に帰り出した店が「そば食堂 仁べえ」。
あの石井さんから「故郷で食堂やります。」と聞いたときには、
くーっそう来たか!ニクイ、カッコ良すぎる!!と心からワクワクしたものだ。
私にとってそんな「感無量」。
今日は都合で「仁べえ」の看板が出ていないだけに
「そば食堂」の文字が一段とほのぼのと目に映る。
店は「食堂」というにはかなり上品なような、家庭的なような独特の雰囲気。
カウンターに座るのも楽しそう。
「仁行(にぎょう)」の時も素晴らしい店名と感激したが(店主は石井仁さんという)
「仁べえ」というのも本当に最高の名前をつけたものだ。
まずは静岡・川根の美味しいお茶でのおもてなし。
「豆腐」
富岡の隣町と言っていい甘楽にある「豆忠」の豆腐。
濃いのに甘すぎず素材の旨味ぎっしりで超好み!すばらしい。
「白滝のおひたし」
これもご近所、下仁田の手作りこんにゃくの名店「やまふぐ本舗」 の白滝。
このべらぼうな美味しさは犯罪!!
しらたきそのものの美味しさもすごいが
出汁の美味しさ、味の程よい薄さ、温度等々全てがもこれ以上無い最高を突きまくっている。
「三千盛」
「桜海老と九条ネギのおから」
おからはこれまた「豆忠」のもの。
由井の桜海老に九条ネギという取り合わせがニクイ。
ほんのり甘い味わい。
「トマトそば(冷製)」
きゃ〜〜〜
ときめくルックス!
涼しげでおいしそう〜〜!
おおおおおおいしい・・・・おいしすぎる・・・
この手のものはイタリアンの「トマトの冷製カペッリーニ」もそうだが
トマトの甘味だけが勝って感じられやや単純な印象のものも多いのだが
さすがとしかいいようのないこの超絶深淵美味世界。
トマトの酸味、素材の味の濃さ、そこに絡まってくるすっきり美味しい出汁。
これだけでどんぶりいっぱい食べたい・・・
「手練りこんにゃく」
「やまふぐ本舗」 の手練りこんにゃく。
凝固剤を限界まで使用してないので火入れしてないのに臭みゼロ。
あまりの美味しさに何ですかこの味付けは!???と聞いたら
ただ三杯酢ですよ、といわれた。いろんな魔法がこの器の中で起こっている!
この器もさりげなく素晴らしい。
高台の高い器に弱い私。
大きくも分厚くもないのにゆったりドシンとした佇まいもいい。
「そばずし」
ウワー!
この美しさ・・・・
器といい、絵のように完璧に仕上がったそばずしといい、圧巻の景色。
これがまた人生最高と言ってしまいたい美味しさだから参ってしまう。
お、お、お、美味しい〜〜〜〜〜・・・・
玉子焼きときゅうりとしいたけ。
何も奇を衒っていないスタンダードなそばずしなのに
なんでこんなにおそろしいほど美味しくできてしまうのだろう。魔法だ!
海苔の香りもあんまり素晴らしいので訊いたら
「鮨水谷と同じ海苔」というお答えでびっくり。
ワーイ「佐賀のはしり」ですよね〜!私の一番大好きな海苔!!
(高いから買ったことはないけど♡(≧∇≦) )
「宮崎の黒岩土鶏、こんにゃくピリ辛煮、独活のきんぴら」
「そばがきの鍬焼き」
調理中からたまらなく香ばしい香りが漂ってきていた鍬焼き。
まさかそばがきだったとは。
熱々のそばがきはもったりとろ〜り。
すごいボリューム感。
壁には「上毛新聞」に取り上げられた時の記事や蕎麦についての張り紙があった。
この蕎麦についての説明は店主独特で
湯島「古拙」に行った時も私は過剰反応しているが
香らないどころか素晴らしい香りをまとった、個性的な極細の蕎麦なのだ。
神田「いし井」、
修善寺「朴念仁」、
銀座「古拙」、
日本橋「仁行」、
そして富岡「そば食堂 仁べえ」。
時の流れを思うと私はまたここで感無量となる。
時を越えて、私はまた店主の蕎麦にこれから出会う。
店主の思いと職人技のすべてが詰まった「水腰蕎麦」。
その美しさ。
写真では伝わりづらいが本当に極細で美しく揃った端正な姿。
「喉越し重視で打っているので香りを求めるお客様には云々・・」なんて言いながら
すべてを最高の形にヒョイと持っていってしまうところがすごすぎる。
つゆが「ごまだれ」と2種あるところもすごいサービス。
この汁がどちらもとんでもなく美味しい。
蕎麦汁はすっきりとしかし深く旨味がひろがり全体のバランスもビシッと完璧な、圧巻の美味しさ。
ごまだれはよくある甘ったるいものとは別世界の、
香ばしさと出汁の旨味が研ぎ澄まされストイックな印象すらある稀有なごまだれ。
おいっしぃ〜〜〜!
「青梅煮」
こんな素晴らしいコースを堪能できる「仁べえ」、
全然食堂じゃないじゃないか!と思われてしまいそうだが、
昼間はちゃんと「食堂」している。
コースはなく、蕎麦や丼が中心で予約も不可。
逆に夜は三日前までの予約のみの営業となっている。
昼の食堂らしい「仁べえ」も見てみたいな〜♪
あの悶絶「トマトそば」も食べられますよ!!
「海苔玉ごはん」っていうのも気になるぅ〜〜〜(≧∇≦)♡
2016年06月26日
大阪・宇野辺「梵保庵」
その時私は京都に居たのだ。
ところが昼間に4時間、時間が空いた。
では、いざ行かむ!!
大阪・吹田市「梵保庵」へ(≧∇≦)/ !!
4時間あればたぐって戻って来られるよね〜〜
地下鉄だのJRだの阪急だのモノレールだの
どこで何回乗り換えたかわからないほど電車に乗って
やっとたどり着いた「宇野辺」駅。
初夏の日差しが容赦なく照りつける中
歩きはじめるとあっという間に暑くなりかなりの汗。
もう店はすぐそこと思ったところで突然緑の水辺が現れた。
うわー 涼しげできれい〜
(白い建物はパナソニックリゾート大阪という施設らしい)
「梵保庵」はこの静かな水辺のまん前という最高のロケーション。
店の窓からの景色もさぞ素晴らしいだろう。
ああ いよいよ「梵保庵」の蕎麦に会える!
会える・・・!
( °o°)
ぐわわわわーーーーん (lll ̄ロ ̄)!!
定休日ーーー!!!
「火・水・木」の3日間定休日だったんですね・・・
完全に勘違いして来てしまいました・・・
どうしよう、ショックすぎて池に落ちそう・・・・(;o;)(;o;)(;o;)
しかし!
これくらいであきらめる私ではなーい!
私の蕎麦愛を甘く見てもらっては困る!
なんとこの人、執念でここに戻ってきます。
時は流れて数十時間後・・・
うははは・・・・・
うはっはっはっはっは・・・・・
夕闇の中、帰ってきた蕎麦犬!!(怖い)
だってどぉーーーしても、
「梵保庵」のお蕎麦が食べたかったんだもん!
1階は蕎麦打ちスペースで店舗は2階になっていた。
下は静かだったが2階に上がるとほぼ満員でビックリ。
自宅改造なのかな?と思わせるこぢんまりとした空間だが
皆さん実に楽しそうにくつろいでいる。
窓からの景色は東山魁夷の絵そのままの深い深い青緑。
水辺の魔法だろう。
器のギャラリー&販売も兼ねているらしく
いろいろ個性的な器が並べられているのもインテリアの一部になっている。
テーブルに付くとまずはお茶とお漬物でもてなされた。
朱塗りの器やテーブルウエアが大阪らしい華やかな、気を抜かない美意識。
根来ってかっこいいなあ〜
隣のお席の方々は何だか音楽の話をしているみたい。
んー?
あそこには楽器も飾ってありますねえ・・
壁の張り紙を見て納得。
「梵保庵」では月に一度、津軽三味線の生演奏&蕎麦の会が行われているらしい。
店の奥さんが津軽三味線を習っていて
その先生はこの間世界大会で優勝したらしい!
そしてねそしてね、
その向こうの張り紙には
「当店のそば
白・信州八ヶ岳 二八の更科そば
黒・越前粉を中心とした玄挽入の二八の田舎そば」
うふっふっふっふっふーー♡
楽しみだなあ〜〜〜
お目当ては決まっていてもメニューがいろいろ楽しい。
私のような「酒量だけは小鳥」な人間でもものすごーーく飲みたくなるものばかり。
でもやっぱり一番嬉しいの赤く囲った中の文字なんですが〜
白と黒〜〜♡
ああ〜〜ウキャキャキャキャッッ(≧∇≦)♡
私の心は「白と黒の合もり」に決定しているのだから
こんな魅力的なもので誘惑するのはやめていただきたい。
上記の誘惑にグラングランに揺れている私に
さらに「小椀そば」って! 本当にやめていただきたい!!
これなら追加でイケる気がしてきちゃうじゃないですかぁ〜〜♡
これもいいですよねえ〜
前日予約ならこんな鍋コースもある。
「そばきりたんぽ」に「そばしゃぶ」〜(≧∇≦)
「夜明け前」
「いぶりがっこ」
燻製大好きな私はいぶりがっこも大好物 。
あー秋田が懐かしいなあ〜 また行きたいなあ〜〜
「金平ごぼう(ピリカラ)」
キンピラって黄金の名メニューですよねえ〜!
レンコンも入っているのがさらに嬉しい。
「そばがき」
えーーー!!
普通のそばがきのつもりで注文したら
なんとおろし汁のお風呂に浸ってきてしまいました。
メニューの「そばがき(みぞれつゆかけ)」の文字を見落としてました!やっちゃった!
でもでもでも、このみぞれつゆすごく美味しい〜
そばがきはちょっと粉感のある舌触りで蕎麦の香りはあまりしないのだが
郷土料理のようなほっこりしたおいしさ。
「河内鴨くんせい(焙り)」
焙ってあるだけあって燻製の香りがさらに際立っていて嬉しい。
やわらかく、色も質感もハムのような感じの燻製。
「だし巻き玉子(ふわふわ)」
ふわふわと名乗ったからには本当にふわふわ!!
運ばれテーブルに置かれた瞬間ふるんふるんっっと揺れてときめきました(≧∇≦)
ウワこれはおいしい!!
出汁もうまみもしっかり濃いのにすっきり上品。
食べ応えがあるのに全く脂っこくないのも素晴らしい。
ここのだし巻きものすごく好きー!
そしてついに・・・♡
「合もり(白と黒)」
あああああ
あなたに会いたかった
灼熱の中を歩き、
数十時間の時を越え、
今、私はあなたの前にいる・・・感涙。
「ざるそば(白)」
おお〜〜〜
更科なので香りはそれほど期待していなかったのだが
美しい更科と小麦の入り交じった白く甘い香りが嬉しい。
一般に更科そばは香りではなく喉ごしを楽しむものと言われているが
極上の更科そばは蕎麦の香りの美しいところだけを
天女が羽衣でふわりとすくい上げたような素晴らしい香りがあるのだ。
なかなか出会えない天女の世界ではあるが・・・
「梵保庵」の「白」はその要素に小麦の甘い香りが加わって
美しくも親しみやすい感じのかぐわしさ。
澄んだ軽やかさよりまったりまろやかな白い香り。
肌はつるつるだが一本一本がはらりはらりと独立し輪郭線に角を感じる、
ちょっと寒天にも似た独特の質感。
すっきりとした甘みがありとても美味しい更科そばだ。
「ざるそば(黒)」
打って変わって黒といったら黒い肌。
箸先から漂うストイックな黒い香ばしさに、
ふくよかな小麦の香りがまったりマイルドな印象を加えている。
みっちり密でちょっとネチッとした質感。
こんな感じの太打ちに出会うことはあるが
これは細打ちのため全体に洗練された印象であるところが素晴らしい。
肌そのものはなめらかなのに散りばめられたホシが時折ジャリッ!と楽しい刺激。
おいっしい〜〜〜!
本当に本当に、きてよかった・・・
「梵保庵」は蕎麦汁がまた異様に美味しい。
薄くすっきりした印象なのにうまみや甘みはしっかり濃いという魔法世界。
なんだかわからんがやたらに美味しいー!
だし巻き玉子があんなに美味しかったのは焼き方ももちろんだが
この出汁のせいでもあったのだ。
「鴨香」
うっわ〜 これまた大変に美味しくて困るんですけど〜〜
先程のおつまみで食べた「河内鴨の燻製」が入っているらしい「梵保庵」の鴨南蛮。
燻製というのが珍しく、香り高いために「鴨香」というネーミングも頷ける。
あたたかい汁の中で白そばがふっくらに感じられて優しい食べ応え。
そして何より出汁がまたまた美味しすぎる。
うーんこんなにすっきり美味しいと飲み干したくなっちゃいますね〜危険危険。
そしてやっぱり誘惑に負けていってしまいました、
「小夏」ちゃん!
「夏香(すだちとみょうがのそば)」の小さいサイズは
「小夏」という可愛らしい名前なのだ。
ネーミングもいいが味はもっと素晴らしい。
ほんのり甘めだがすっきりの美味しい出汁。
この「小夏」の出汁は柑橘のせいかちょっと個性的な風味になっていたが
それも含めて大変に美味しい。飲み干したい!
みょうがとすだちの風味が最高で
白そばがすっきりするするととてもよく合ってとにかく滅法美味しい。
普段もりそば一筋で種物を食べる機会があまりない私は
すだちの冷かけを食べた経験は数えるほどしかないのだが
すだちってかなり酸っぱいんですね〜
それが素晴らしいのですね〜
かなり酸っぱいので蕎麦は「すだちの本体でなく香りとともに」食べると美味しい♡
すだちのひやかけってすだちの世界一おいしい食べ方ではないかと本気で思いました。
魁夷の青緑は黒一色に塗り込められた。
同じ闇でもそこに水辺があると思うとしっとりとした黒に感じる。
水辺に眠る植物たちが見えるような気がしてくる。
店内は少し空いてきたもののオーダーは次々入るので
お店の奥さんは始終大忙し。
しかしとても自然な,営業的でない接客で感じがいい、
帰り際こんなものをくれた。
次回の津軽三味線と蕎麦の会のご案内。
「是非来てね!アラ宣伝しちゃった。うふふ。」
とおちゃめな奥さん。
あのお蕎麦と津軽三味線といろんなアテで3500円!?
格安だし楽しそう〜!!
お近くの方はぜひぜひ♪♪♪
2016年06月19日
「大江戸和宴2016」ありがとうございました!
2016年06月18日
福井・福井駅前「あみだそば 遊歩庵」
(代々木公園にて開催中の「大江戸和宴2016」
に出店している福井の「あみだそば遊歩庵」の記事です♪
本日18日私のステージ出演は13時〜、16時〜です!
東京で遊歩庵のお蕎麦を食べられるチャンスですよ〜!)
*******
その時私は大変時間がなかったのだ。
あと数十分後の特急に乗らなければならない。
しかも時刻は15時をまわっていてどこも昼休みであろう時間。
そんな時にも大変ありがたい、通し営業、駅近商店街のお蕎麦屋さん♪
「あみだそば 遊歩庵 (ゆうぶあん)」は
越前の郷土蕎麦である「おろしそば」の専門店。
十割というのが大変嬉しいところですが
蕎麦の上にはたっぷりのかつお節とネギがのっていて
それを大根のおろし汁につけて、もしくは蕎麦にぶっかけて食べるスタイル。
「もりそば」はありません。
え、何が何でも蕎麦は蕎麦だけで食べたい蕎麦犬が、それでいいの???
との声が聞こえてきそうですが・・
はい、確かにその無念さはあります・・・。
でもねえ〜私「越前おろしそば」がだーいすきなんですよね〜〜〜(≧∇≦)/
東京の人がイメージする「大根おろし」が入っている「おろし蕎麦」とは違い
「大根のおろし汁」で食べるのが「越前おろしそば」。
きた〜〜 早っ!
急いでいるのでありがたい〜〜〜(≧∇≦)/
うわー なんて可愛らしい小さな器。
写真ではわかりづらいが大きめのご飯茶碗くらいしかない器に
こんもりと盛られている。
「福井のおやつ」って感じで嬉しいなあ〜〜
実際15時過ぎだというのに店はたいへん流行っていて
途切れずにお客さんが入ってきてはさっと手繰って帰っていく。
平打ち、ずっしり密で流麗な舌触りの蕎麦。
一応、まずは隅っこの何もついていなさそうなところをたぐって食べてみたが
やっぱり蕎麦の風味だけを味わうことはできず・・
でもここではそんなことはどうでもいいとして!
おろし汁がおいっしーーーーい!!(≧∇≦)
つゆは甘みもあるのだが澄んだ出汁とおろしの風味でさっぱりー!すっきりー!
ああ〜「越前おろし蕎麦」は本当に素晴らしい郷土蕎麦だなあ〜
おろし汁が美味しすぎて残念ながら蕎麦の風味は私には感じられないのだが
さっぱりすっきりつるつる、あっという間に食べてしまった。
さすが人気店、数が出ているだけあって
蕎麦湯はナチュラルなのに風味が濃い♡
ハッ!
いけないいけない
つい蕎麦湯でのんびりしそうになったが
私は急いでいたんだった!
さー 福井駅まで早歩きだぁ〜!
2016年06月17日
滋賀・甲賀市「生粉打 作美」
美味しいお店はどんなに奥深くに潜んでいても
放っておいてはもらえない!
青い空、白い雲、緑のお山とだんだん畑。
こんな静かでのどかな山間の蕎麦屋、開店15分前に・・・
神戸ナンバー、京都ナンバー、三重ナンバー、多摩ナンバーの車が
押し寄せている物凄さ!
えええええ
事前に情報を得たために早めに到着したのだが
あらためて驚かされるこの状況。
店の庭部分にはガーデンテーブルとチェアが置かれていて
すでにそこには人がわんさか待っている。
並んでいるお客さんのためにお店もいろいろ対策を講じてくれている。
近づくとご覧の通りまだ暖簾もかかっていないのだが・・・
このようなシステムとなっております!
札はグループに一つではなく一人一つ。
なるほどこれなら
「待っていたのに蕎麦が売り切れてしまった!」
という悲劇が起こらないのですね〜 グッドアイディア。
私も名前を書いて札を取り、しばし待つ。
食べたいものは決まっていてもやっぱりじーっと見てしまう。
ああ〜楽しみだなあ〜〜
開店時間になると店主夫妻が出てきて
順にゆっくりと名前が呼ばれます。
皆さんとてもお行儀がよく
山あいでひっそり行われている儀式のよう(^^)
緑の眺めと囲炉裏のある、あたたかい雰囲気のきれいな店内。
私が通されたのは窓際の囲炉裏席。
わわわ 外のメニューにはなかった「そばがき」があるではないですか!!
やったぁー♡
き 来た
なんか予想以上にモノスゴイのが来てしまいましたよ!!
「そばがき」
そばがきには何ものってない、味もついてないのが一番だが
この炒った蕎麦の実と蕎麦の芽で飾られた姿には参った。
なんて素朴で可愛らしいセンス!
しかもこの美しい薄緑、蕎麦の実がそのまま見えているかのような極粗挽き肌・・
あああああ
ときめきすぎてどうにかなりそう・・・
(>_<)
なんと青く、美しい蕎麦のかぐわしさ!!
もう
はやくも
ダメです
これ以上ないほどフレッシュなかぐわしさが
私の全身を吹き抜け、染めていく。
青い畑の夢に染まっていく。
もうこのまま食べずに香りに染まっているだけでいい、と思ったそばから口に含むと
ザラザラつぶつぶどろどろ〜、ものすごーくやわらかで流れていくよう。
粒が本当に大きな極粗挽きなのでつぶつぶの五穀が入ったおかゆのようなお茶漬けのような?質感だ。
形がしっかり形成されていたのが不思議なほどの流れ方なのだが
噛みしめるほどの極上のかぐわしさが膨らむ夢世界。
あまりの香りの素晴らしさに無我夢中でそのまま食べてしまったが
「黒豆きなこ&お砂糖」「生醤油」「静岡の山葵」
も添えられていた。
お客さんが美味しいように楽しいように、一生懸命な作り手の思いが伝わってくる。
私の頼んだ「盛り」が来る前にやってきた
「かけ」と「おろし」はこんな感じ。
「かけ」
「おろし」
「七味」も自家製。
そしてついにこの時が・・・
「盛り」
美しき、日本の景色。
お蕎麦が運ばれてくるとさらに際立つこの空間の趣と
かみしめなくてはバチが当たる、今日という日の幸せ。
しかし姿に見惚れている場合ではありませんでした・・・
( °o°)
あっっまりの素晴らしいかぐわしさに目がかっぴらきました!!
えーーっ
ええええーーーっっ
ちょっと素晴らしすぎて絶句。
ナンデスカこのとんでもなくフレッシュな青い香りは!!!
もう脳が溶けてどうにかなりそう!!
口に含むと感激はさらに天を突き抜ける。
やや太打ちでずっしりしているがむっちりではない潔い質感。
直線的に口中をなでる輪郭線と、極粗挽きのざらざらつぶつぶした肌。
意外なほど、香りは強烈でも濃厚でもないのだ。
ふわーっと軽く、しかしそのかぐわしさの質が尋常でない。
ああああああ
この美しさ清澄さ
太打ちの肌に歯を当てる度にふくらむ香り
その軽やかな極上の夢が私の脳を染め全身を染め、
なにがどうでもよくなってくる。
完全にへにゃへにゃで私自身が液体化しそうなのでお願いですから私のことは見ないでください。
天国みたいにおいしすぎるこの蕎麦のせいなんです。
今日は唸り声が出ていないだけそんなに目立たずに済んでますよね・・・・? (^^;)
「蕎麦湯」
蕎麦湯がこれまた超濃厚。
あまりの感激に液体化した脳と体を立てなおそうと必死の私を
またさらに溶かすかの如く押し寄せる蕎麦密度・・・
全身にキラキラ輝く蕎麦オーラをまとい外に出ると
むせぶような初夏の熱気。
茶畑の緑がさらに濃くなっている。
駐車場にはまだまだ県外ナンバーや滋賀ナンバーの車がいっぱいだ。
立地や人気を考えるとなかなか難易度が高く思える店だが
「西出」バス停が店を出たところにあるので
信楽駅〜京阪石山寺駅間のコミュニティバスでも行かれますよ〜♪
便は少ないですが一番最初のに乗れば「札取り競争」にも間に合うかと(≧∇≦)/
美味しいお店はどんなに奥深くに潜んでいても
放っておいてはもらえない。
2016年06月16日
いよいよ明後日、「大江戸和宴」♪
いよいよ明後日でーす!
6/18(土)13時〜、16時〜の2回
日本最大規模のお蕎麦と日本酒の祭典!!
お蕎麦のイベントですので歌ではなくトークでの出演です(^o^)
(せっかくの蕎麦イベントですからステージの蕎麦度を上げたくトークにしました(≧∇≦) )
見かけたら是非お声かけてくださいね♪
詳細はコチラ↓↓
http://www.oedo-waen.com
京都・東福寺「そば茶寮 澤正」
「東福寺」駅を降りるとまだ陽は十分に残っていた。
夜の予約時間に合わせてやってきたのだが
明るいうちに京都の街を歩けて嬉しい。
駅から東福寺とは逆方向に住宅街を歩いてきて
もう店に近いなと思ったところで真正面に立派な門に出くわして驚いた。
なんと、泉湧寺ではないですか!
(私はいつもこんな感じ・・
お蕎麦屋さんに行ったつもりが「アラこんなところに平等院が!」とか(* ̄∇ ̄*))
泉湧寺の門の直前で小道に入りさらに進むと「剣神社」も。
ああ なんて楽しい。
こんな美しい旧跡が住宅街のなかにひっそりとある。
前を歩いていた中学生の女の子がふっとモダンな新築の家に帰っていったりして
夕暮れ時の京都の日常のなかにいる喜びに浸る。
しかし地図は突然道をそれ、こんな面白い急坂を下れと言い出した。
え なんですかこの道は!
自動的に鬱蒼とした藤棚に吸い込まれていきます。
宮沢賢治の世界。
藤棚をくぐると、なんだか私が生まれた家を思い出すような緑の中の小さな坂道。
登りつめると
( °o°)
( °o°)
( °o°)
えええええええ
まぢですかコレですか!!!
さすがは昭和5年築の元迎賓館・・・・
日本家屋に洋館がくっついた昭和モダンなデザインが何とも優雅で
ただごとでない風格と気品に満ちている。
物語ならここで白ひげの執事のおじいさんが無表情に出てきそうだが
玄関に入ると明るくハキハキとした若い男性がにこやかに迎えてくれホッとする。
通された部屋は
( °o°)
すっっ
素敵すぎるんですけど!!!
私今日ふつ〜〜にのんびりお蕎麦屋さんにきたつもりだったんですけど!!
ええええ〜〜〜 こんな個室・・・
どうしましょう・・・うれしすぎる・・・・!!
窓からは見えるは今日の最後の陽に輝く木々の葉。
小鳥の声、カラスの声、葉ずれの音しかしない静寂。
・・・なに?
ここは天国ですか?
いきなり降りかかった嬉しすぎる展開にヘナヘナ・・・
テーブルには本日のメニューが。
いや〜〜〜ん
もうもうもうほんとに嬉しすぎてダメでゴンス!!(壊れた)
美味しそうすぎる上にこのメニューの体裁が素敵すぎて
早くもすんばらしいセンスを感じてわくわくが絶頂を越えて落ち着くので精一杯!!
人間のフリ大人のフリに努めるべし!!
鳴いちゃダメ!遠吠えは心の中で!
おお〜〜〜ん
おおお〜〜〜〜ん・・・
お酒のメニュー。
結構頑張って歩いてきて暑いのでこちらに。
わたくし、こんなに優雅なアサヒスーパードライ(瓶)は生まれて初めて見ました。
それもそのはず。
この江戸切子のグラスはなんとここで名前を言うのも憚られる
超・名工による最高級品!!
ひえぇぇぇ〜 そんなすごいもので飲んじゃっていいんですか〜?
美しさもさることながら持った手触りがなんともくっきりと、しかしもったりなめらか色っぽく、
うう〜〜〜ん ただただ すごすぎる・・・
「八寸」
きゃ〜〜〜
嬉しすぎる!叫ばない!飛びあがらない!私は大人!
遠吠えは心の中で・・・おお〜〜〜ん・・・
人参の冷たい和スープ
オクラのモロッコインゲンと揚新じゃがのお浸し
大葉とプチトマトの白和え
パプリカとはるさめの甘酢
蕎麦パンのカナッペ
芋餅のはちみつ漬木の実乗せ
蕎麦衣の寄せ揚げ
人参スープは私のお気に入りの横浜のイタリアンでも大好きなメニューなのだが
ここのは鰹出汁が美しく感じられる和仕立て。
えー!これはすごい。
すっきりさっぱり甘くなく、あまりの美味しさにビックリ。
寄せ揚げには三度豆、キャベツ、赤タマネギ、隠し味にスルメが使われているらしいのだが
この異様な美味しさはやっぱり蕎麦粉のなせる麻薬効果でしょうか。
香ばしさが素晴らしい〜〜
ちょっと甘めの白和えはねっとり濃厚。
大葉というのがニクイ美味しさ。
蕎麦パンのカナッペは反則過ぎます!!
たまごとベーコン、バターで朝ごはんに毎朝いっぱい食べてダメ人間になりたいほど美味しい。
う〜〜〜ん!
ここまでで十分にわかってしまいました・・・
ここの店主は美的センスも味のセンスも素晴らしい!!
これからがますます楽しみ・・・♡
温鉢
「竹田の太白おあげ、トマト、蒟蒻のクリームチーズ蕎麦餡仕立て」
あっつあつの炊合せに
エンドウ豆とクリームチーズを和えたソーズが掛かっている。
ボリューム感とみずみずしいヘルシーさのバランスが絶妙。
何よりアイディアの奇抜さを感じさせない自然で素朴な美味しさがすごい。
本当に面白いお店!!
小鉢
「更科変わりそば 彩り野菜のピクルス」
いろんな変わり蕎麦を見てきたが
こんな素敵なグラスに入った変わり蕎麦は初めてだ。
新たまねぎ、パプリカ、白きゅうり。
ここの野菜は山科・神田農園の無農薬野菜というだけあって本当に美味しい。
蕎麦は更科粉と片栗粉が混ぜてあるということで蕎麦の風味はほぼないが
むっちりとした食感で何よりゴマダレが反則すぎる。
こんなのおいしいに決まってる〜〜ずるい〜〜(≧∇≦)
この先まだまだお料理が出てくるのはわかっているがもっと食べたい、
煩悩をかき乱される美味しさ。
伏見・藤岡酒造「蒼空 純米 美山錦 火入れ 」
祖母が伏見出身のため嬉しくなって頼んだのだが
この江戸切子がまた凄すぎてのけぞる。
え〜〜〜 いいのかなあ〜〜
こんなので飲んだら余計美味しく感じて酔っ払っちゃうじゃないですか〜〜
(実際この蒼空は甘めだけれど余韻はスッキリ澄んで消えるので私でも飲みやすくて
小鳥にしては結構飲んでしまいました・・・うはははは)
途中で出された麻薬・・・じゃなくてシーズニングとしての蕎麦茶。
いや〜・・ダメですってばこんなの出しちゃ・・・(≧∇≦)
何を隠そう私は自宅で禁止にしたほど蕎麦茶が大好き。
こんなのかけたらなんでも香ばしくて夢のように美味しくなってしまいます。
焼き物
「豚肉の焼きしゃぶマリネ そばのガレットのサラダ仕立て」
レタス、きゅうり、赤玉ねぎを使いビネガードレッシングでサラダ仕立てにしてある。
豚肉さんの姿は見えないが下にちゃんと居ました。
焼きしゃぶというだけあってユニークなガッチリした質感で
クリームチーズを蕎麦衣で揚げたものが良いアクセントになっている。
日が暮れてきた。
小鳥やカラス達はもう巣に帰ったのか
今はもう竹林の葉ずれの音しかしない。
私は竹林に囲まれた家で葉ずれの音を聞いて育ったので
なんだかとても切なくてありがたい気持ちになる。
「手打ち二八そば」
江戸切子や清水焼など器のコレクションがすばらしい「澤正」だけに
蕎麦もただごとでない器に盛られてきた。
スリランカの塩も添えられている。
二八らしい香りをほわ〜とまとったなめらかな姿。
口に含むとつるんつるんの舌触りで、ムニュンムニュンとコシがすごい。
香りも味わいも二八らしいがとても上品な印象であるところがいい。
北海道黒松内町の蕎麦粉。
驚いたのはその蕎麦汁である。
そのままで少し舐めるとちょっと個性的なシャープさを感じたのだが
蕎麦湯で割ってみてビックリ。
「蕎麦汁は蕎麦湯で割った時に真価がわかる」と言われるが
ここの汁ほど突然美しく出汁の香りが際立ったのは記憶にない。
スパーン!と縦に突き抜けるような美しい昆布の香り。
驚いて思わず尋ねるとやはり。
店主が惚れ込んで仕入れているという、白口浜の献上昆布であった。
本物って語らずともバレてしまうのねえ〜としみじみ驚かされました(>_<)♡
ここで、メニューに無い一品。
そばがき「焼いていないもの」
ガラスのレンゲ?に乗った一口サイズが可愛らしくて楽しい。
みっしりミッチリ水分の少ない素朴な感じが
椀がきのような印象のそばがき。
力強い風味が一口の中にほわっと封じ込められている。
「そばがき(焼いてあるもの)」
そばがきを一口サイズで「焼いてないもの」「焼いてあるもの」
と二種も出すアイディア、センスに脱帽!!
小さけれどとっても手間がかかるのにそれでも形にするところが
職人というよりアーティストな感じで楽しすぎる。
焼いた方はお餅のようにもっちりむっちりして
香ばしさが素晴らしすぎて思わず「炭火焼ですか?」と訊いてしまったほど。
ガス火でもこの香ばしさって,蕎麦という穀物の凄さを思い知らされる。
砂糖醤油も添えられてくるので甘党の方はぜひそちらで♡
ご飯
「南高梅干の炊込そばご飯 赤出汁六甲味噌仕立て」
もう相当お腹いっぱいだったのでご飯食べきれないかも・・と思っていたが
(蕎麦ならいくらでもドンと来いなのにご飯となるといきなり尻込み(* ̄∇ ̄*))
可愛らしい上品な盛りでよかった〜
うわ
この御飯も美味しい〜〜
モッチリホワッとした炊き加減、南高梅の梅干とあられの風味。
でもやっぱり私には蕎麦が隠し入ってるからこんなに美味しいんだと思う・・・(^^)
菓子
「そばのこおり餅 そば短冊を添えて」
うわわわわ
さすがのこの姿!!
フランスの一流パティスリーのデセールと並べても引けを取らない
アートのような和のデセールの眺め。
寒天で漉し餡をくるんだ「こおり餅」。
とぅるんつるんと極上の食感と美しい姿。
さすが!!
・・・実は、意図的にここまで書かずにおりましたがこの「澤正」、
もともとは明治時代創業のお菓子屋さん、それも「そばボーロ」屋さんだったのです。
その三代目である現店主が始めた蕎麦会席の店がこの「そば茶寮 澤正」。
料理はどこでも修行していない、と言う店主だが
相当な知識とセンスを感じさせる独創的な料理は本当に心から美味しかった。
この建物、空間、器、料理、すべてに通じるセンスのすばらしさに酔わされたひととき。
しかもこんな優雅な店ながら
店主の人柄が明るく気取らずたいへん感じがいいところが素晴らしすぎる。
アハハハと明るい笑顔と機敏な雰囲気はこの迎賓館の厳かな空間よりも
太陽の下のテニスコートか何かの方が似合いそうな感じ。
最初に出てきたにこやかな若い男性はなんと四代目で
会話が楽しくてゲラゲラ笑って、肩肘張らずに優雅な「澤正」を満喫できた。
外に出ると、音のない闇。
庭木も灯篭も庭石も往時のままだけに
ズンと胸を押されるような迫力だ。
最後に、無粋ながら書きたいので書いてしまいますが・・・
元迎賓館で、こーーーーんな贅沢でおいしい夜を満喫したのに、
あのコース、ろ、ろくせんえんだったんですよ・・・!!
しかも京都で!
いいんですか!?
これは・・・みなさん行かないテはないですよ〜〜
京都にいらした際はぜひぜひ♡
2016年06月15日
長野・山形村唐沢地区「山法師」
蕎麦の秘境として知られる山形村の「唐沢集落」。
のどかな田園風景の中に10軒ほどの蕎麦屋が点在する
夢の世界の入り口にはこんなゲートがある。
観光向けに作られたゲートは立派だが付近はどこまでも静か。
霧のような小雨の中、緑の香りが私の胸の中まで満ちるようだ。
「山法師」は集落を奥に進んだところにある。
ここの蕎麦屋はどこも看板こそあれどまるきり普通の民家のような店が多い。
「山法師」も暖簾がなければ店には全く見えない。
いや暖簾があってもあんまり店には見えない。
「自家栽培・自家製粉」なんていう物凄い店にはもっと見えない。
玄関に入るとすぐ階段があり
たいへん感じの良い奥さんが「どうぞ、いらっしゃいませ」と迎えてくれる。
お店なのはわかっているのだが
「お邪魔します〜・・」と言いたくなってしまうほどまるっきり普通の日本の家だ。
広々と、静かな座敷。
家も庭も、隅々まで手入れが行き届いていてとてもきれい。
こんな空間を独り占めとはなんて贅沢な午後だろう。
長野らしいもてなしが嬉しい。
お庭の素晴らしいこと!
鳥の声に耳を澄ませていると
雨上がりの気配まで聞こえてくる静寂。
メニューはシンプルだが唐沢集落らしい嬉しいものばかり。
(「お客さん撮影」ってところに人柄が出ていて可愛らしい(^o^))
下にある「そばうすやき」っていうのはなかなか見ないですねえ、
これも是非いきましょう!
「馬刺し」
長野に来たらやっぱりコレ。
ちいさめ一口サイズ。
「わらび」
えええええ
250円でこの量にビックリ。
しかもパリッパリの素晴らしい食感にさらに大喜び!
わらびは茹でると柔らかくなってしまいがちなだけに
この絶妙な食感はさすが〜おいしい〜〜
「そばうすやき」
きゃーー!!
ここでいきなり大興奮。
さすが蕎麦だけに尋常じゃない香ばしい香り!!
(いつも思うがその日一番の蕎麦成分の体へ浸透、感動は格別!!)
あああああ
なぜ私は蕎麦粉が入っているだけでこんなにも強い反応を示してしまうのでしょう。
薄焼きピザのようなものなのに、この香ばしさは麻薬!!
特に焦げてるところが最高!!(≧∇≦)
蕎麦の香ばしさ、滋味深さに加えバタークッキー?みたいな芳醇な香りと味わいもあり
とても美味しい薄焼きだ。
って蕎麦部分に夢中すぎて真ん中に塗ってある蕗味噌について
全然書いてなくてすみません(* ̄∇ ̄*)
甘めの蕗味噌と蕎麦の素朴な風味、これぞ長野なアイディアメニューだ。
「蕎麦(並みもり)」
今気づいてびっくりしたのだが
なんとあろうことかこの私が蕎麦のアップの写真を撮っていなーい!
その時感じた熱情を閉じ込めるためにも蕎麦肌を撮り忘れたことなどないのに。
静かな座敷でよほど気持ちよくのんびりして
頭のネジが緩むどころか取れてしまっていたのだろう。
箸先から漂う、石のような静謐な香り。
口に含むとひじょーうに独特なふるんふるんとした食感にハッとさせられる。
ふるんふるんフカフカと不思議な柔らかさだ。
食感も軽いが味わいも透き通るように軽くさっぱりとした蕎麦。
汁もこれまた独特なのだがなんだか大変美味しい。
甘さもあるがストイックな渋さを感じる出汁の風味。
あまりの居心地の良さについ長居してしまい
自然と店主夫妻とお話することになったのだが
あまりの感じの良さにさらに長居してしまう。
こんな、ふらりと入ってきた得体の知れない蕎麦野良犬にも
こんなに感じよくニコニコ親切にしてくれるなんて
心温まりすぎて心中遠吠えするしかない。
おおーん おおおおーーーん・・・
店主によると以前は全て自家栽培だったがイノシシにやられて以来
ひと月ぶんくらいしか作らずにあとは地元の信濃一号を入手しているそう。
「山法師」の店名を尋ねると穏やかな笑顔で
「家の前にたくさん咲いている山法師からとったんです」
とのこと。
えっ山法師が咲いてた?
蕎麦蕎麦蕎麦で全然気付かなかった・・・(* ̄∇ ̄*)
「お送りしがてらお見せします」と店主。
外に出ると雨上がりの山形村の景色。
なるほど山法師が今を盛りと咲いている。
私は素晴らしい季節にここに来たのだ。
見入ると吸い込まれそうな花の宇宙。
「ハナミズキより品があると僕は思ってるんです」
静かな言葉が胸に響いた。
<おまけ>
玄関にあった呼び鈴の置き場所がおちゃめすぎるんですけど・・
ミニチュアの石臼の上に置いちゃった(≧∇≦)♡
2016年06月13日
出演のお知らせ「大江戸和宴2016 」
6/18(土)代々木公園での
蕎麦&日本酒のイベント「大江戸和宴2016」に出演します。
お蕎麦のイベントですので歌ではなくトークでの出演です(^o^)
(最初は歌でというお話だったのですがせっかくの蕎麦イベントですからステージの蕎麦度を上げたくトークにしました(≧∇≦) )
お蕎麦屋さんがいーっぱい出店して全国の日本酒も飲めて
すっごく楽しそうなイベントですのでお時間のある方は是非♪
私の出演は13時〜、16時〜の2回です。
見かけたら是非お声かけてくださいね♪
大江戸和宴2016 〜大江戸そば博・大江戸大酒会〜
日本最大級の蕎麦&日本酒イベント
日本全国の”そば処”・”酒処”から至極の逸品が代々木に集結!!
平成28年6月16日(木)〜19日(日)4日間開催
詳細はコチラ↓↓
http://www.oedo-waen.com/