2015年06月01日

栃木・日光市「水無湧水庵」


グァッ グァッ グァッ グァッ グァッ・・


はぁっ?



私の前を横切るあなたは・・・

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アヒルちゃん!?


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なんとまあ、絵本の中のようにピカピカに可愛いアヒルちゃんが
私と同じ人間同士かアヒル同士(?)のように
私の周りを自然〜〜にうろうろしている。


あの・・

私はただあのお蕎麦屋さんの開店を待っているだけなのですが・・・


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雨上がりの緑のにおい。

鶯の澄んだ歌声が森に長くこだましている。


アヒルちゃん、ここはアヒルちゃんのナワバリですか?
ちょっとここで待たせてもらってもいいですか〜?

アヒルちゃんの方はずっと前から私を知っていたかのように
私の存在を許し、気を許してくれているかのように見える。

それにしても立ち止まってるとほんとにお人形にしか見えないほど
きれいで可愛い子だなあ〜〜



11時、いよいよお店が開き入り口に暖簾が下げられた。

「アヒルちゃん、ちょっとおそば食べてくるからねー」
いそいそとお店に近づく私。


「水無湧水庵」。

水が無いんだか湧いてるんだか忙しいがなかなか趣き深い店名だ。


名前のイメージからすると仙人が滝行でもしてそうな
かっこいい山の庵のようなのを想像してしまう・・・



が、お店はご覧の通りくつろぎムード♪



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しかしこのビシーッッと整った椅子や各テーブルから
ある種の緊張感を感じ取っていただけるだろうか・・

そうなんです。
ここは開店と同時にドドドドッと数組のお客さんがなだれ込み
昼前には戦場のように忙しくなるのだ。
学生アルバイト?に見えるごく若い女性スタッフがたくさんいたが
彼女たちのピーク時の活躍ぶりはすごいものだった。

この「水無湧水庵」がある水無地区は豊かな森と湧水に恵まれた美しい地域で
その大切な湧水を村おこしに有効活用しよう、と平成12年に開店したのがこの店。
「地元水無原住民の有志が運営する農村的なそばやです」との自己紹介がなんとも微笑ましい。



うっふん。

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お蕎麦は通常の一枚の量のものから
大勢で囲んでつつくための大サイズまでいろいろ揃っている。

「一升そば 5400円」のところに
「五合二枚になります」と説明があるが
その五合がどんな量か分かりまへん・・(^^;;)



数字のことを考えると具合悪くなるタイプなので
気にせず「もりそば」と、コレいきましょう!

「そばっかき」
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「そばがき」ではなく「そばっかき」である。なんか汗かきそう(^^;;)
そして指あとバッチリの大胆な盛りっぷり!
椀がきらしく粉の生々しさが強烈で、生な蕎麦粉がちくちくするほど。
ねっちりがっちりセメントのような「そばっかき」。
参りました!


「ごちそうさまでした〜!」
「ありがとうございまぁ〜す!」


え!?
まだ開店して10分ちょっとしか経っていないのにもうお蕎麦を食べ終わって帰る人がいる!!
早すぎませんか!?あの慣れた感じはご近所の常連さんとかかな?
こんな森で毎朝お蕎麦が食べられたら、幸せだなあ〜



「もりそば」
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わ〜
田舎らしいたっぷり盛りがうれしい、森の「もりそば」!


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みずみずしい、なまなましいような野生の香り。
肌もみずみずしくコシもゆたかで、殊更でない粗挽きの食感がいい。
甘みは少なく、野生のえぐみを感じる個性的な蕎麦・・と思ったらやはり地粉。
水無地区の休耕田で栽培された地粉100%と湧水で打たれているそうだ。

美味しいなあ〜 
たっぷりあるのにあっという間に食べちゃうな〜

と、周りを見回したらもう食べ終わって帰る人がたくさんいる!
そこへまた新しいお客さんが入ってくる!
たくさんいるバイトさん達は全員がフル回転で働きまくっている!

こんなのどかな静かな森の入口で、この回転の速さは一体・・・
すごい人気だな〜



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そば猪口になみなみと大盛り大サービスで入ってきた蕎麦汁は
関西の蕎麦汁のようにちょっと薄めの色。
全体の印象はすっきりしているのだがちょっと宗田節のような酸味も感じ
味わい深い美味しい蕎麦汁だ。



もうちょっとゆっくりしていても良かったのだが
お店の回転の早さに私もなんとなく乗っかって
早めに蕎麦湯を切り上げて席を立つ。


入口付近の席で食べていたお客さんのかき揚げ(100円)の大きさに目を奪われつつ

「ごちそうさまぁ〜!」
「ありがとうございまぁ〜〜す!」。



活気ある店内から一歩外に出るとまた森の匂い。



森にこだまする鶯の歌声。




そしてアヒルちゃんが、さっきと変わらぬ姿で私を待っていてくれた。


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posted by aya at 10:46 | Comment(2) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>栃木 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする