2014年09月29日
新橋「ひろ作」
久々の、「ひろ作」。
変わらぬ佇まい、店内の雰囲気にほっとする。
毎日寡黙に精緻な仕事をこなし続ける店主と、それを支える奥さん。
ミシュランで騒がれようと予約困難だろうと「ひろ作」には「ひろ作」の時間が変わらず流れている。
コトコトと、小さな古いカウンター内の店主の仕事の音。
この店の時間を楽しむ客達の静かな話し声。
店主の仕事ぶりは言わずもがなだが、
料理を出す時に一瞬だけ見せる晴れやかな笑顔と仕草にも毎度惚れ惚れさせれる。
熟練の余裕、とはこのことだ。
ここで大人の夜を過ごすのは私の長年の夢だが
やはりどうしても大人気の昼時になってしまう。
なにしろ2500円で「ひろ作」の味を楽しめてしまうのだから、
予約困難なのもうなずける。
「冷やし茶碗蒸し」と「ずいきのお浸し」
どちらも絶品!
ずいきの白の美しさに目を見張る。すだちの彩りと薫り。
さすが出汁が素晴らしい。
「冷やし茶碗蒸し」はジュレがけになっていて目にも涼やか。
中に潜む鶏肝の濃厚でありながら上品な旨味にノックアウトされる。
「イサキのお造り」
なんと、皮を炙った炙り刺身になっている。
これには参った。
ブリブリとした食感、炙ったことによる香り高さで最高の美味しさ。
「天ぷら 山科のししとう、緑竹、きす、骨煎餅」
天ぷらは目の前で揚げた揚げたてを。
上品な衣に包まれたししとうの新鮮なさっくり感と香り、緑竹のやさしい食感。
きすはふっくら味も濃く、揚げ方の良し悪しで
ここまで素材の美味しさが際立つものかとしみじみ。
また天汁が素晴らしい。
日頃は天ぷらは塩が好きな私だが、
それはお出汁の味が強過ぎて天ぷらの美味しさが溶けてしまうような印象を受けるから。
「ひろ作」の天汁はまさに天ぷらの美味しさを際立せる名脇役だ。
「穴子蒸し」
小さな器の中に穴子蒸しごはん。
臭みの全くない上質の穴子が、綺麗な味のまま蒸しあげられ素晴らしく美味しい。
ぷっくりツヤツヤの餅米がまたよく合う。
そして、懐かしい「ひろ作」の蕎麦。
ああ これだ。
ツヤツヤピカピカの極細、白く優しい姿。
ふっとただよう上品な白い香り。
食感は前よりいっそう優しくなったようで
ピカピカの見た目に反してフニャッとしているが、
極細の輪郭線の繊細な心地よさ、ツルツルすぎない素朴な歯触りがとてもいい。
しかもここは汁がさすがの美味しさ。
ここでばかりは、私は汁もつけずに蕎麦だけズルズル、なんてことはせず
その貴い汁につけて食べたくなる。
蕎麦湯も、いつもは汁で割らずに「蕎麦湯をゴクリ、汁を時々チロリ」と
塩を舐めつつお酒を飲む呑兵衛みたいに別々に、延々と飲んでいるのだが
ここでは迷わず割ってみた。
汁の良し悪しは蕎麦湯で割ると歴然とするもの。
少し残ったネギの香りもよく、このために作られた椀物の汁のように完璧な美味しさだ。
デザートは葛の黒蜜がけ。
何(十)年経っても変わらないでいてくれることのありがたさ。
今年の、私の「ひろ作」の思い出。
2014年09月24日
神奈川・菊名「手打ちそば大空」
東横線「菊名」駅から1分以内。
賑やかな商店街沿いながら
少しだけ奥まったいいロケーションにあるピカピカの新しい店舗。
これ以上ないほど感じの良い笑顔の奥さんと店主、
そしてとお母さんの三人でやっているらしい。
お母さんがシャワーキャップのような衛生帽?をかぶって
運んできてくれる生真面目な姿が実に爽やか。
店内も明るくあたらしくピカピカで気持ちがいい。
半生節が売りらしく、半生節100円というメニューや、
大根の千切りに半生節が乗った梅風味のサラダなどがある。
まさに半生でくにょんとした、削り立ての鰹節が乗った大根サラダ。
ともすれば人生蕎麦のみ!になりがちな私には
こんなふうに野菜を美味しくちょこっとつまめるのは本当に嬉しいー♪
「せいろ」
幌加内産二八のせいろは極細切り。
ふあーっと爽やかに香るいかにも北海道らしい野生の香り。
パキパキと尖って感じられるほどクッキリハッキリ角が感じられるが
食感そのものは硬くなく、
むしろその極細パキパキの輪郭線が口中を撫でるのが心地よい。
汁はストレートな旨味に優しい甘みが加えられたおいしい汁。
甲斐甲斐しい一家の感じの良さに加え、
地元「菊名産はちみつ」なんてものも売ってるし
BGMはジブリのクラシックバージョンだし、
こちらまでニコニコしたくなるようなほんわか気分。
「焼き味噌ぶっかけ」「湯葉ぶっかけ」も気になる〜♪
2014年09月18日
ライブの写真♪
2014年09月04日
この夏観たもの。
映画では「グランド・ブダペスト・ホテル」に全てを奪われました・・。
全てのシーンが完璧な絵画のような映像美、
ストーリーも演出も俳優陣の演技も何もかもが素晴らしかった!
「ぼくを探しに」は観ている間は
独特のセンスの煙に巻かれているような不思議な世界なのに
見終わってからグワーンと押し寄せ忘れられなくなる、
さすがは「アメリ」を思わせるニクイ限りの名画。
「マダム・イン・ニューヨーク」はどなたにもおすすめの楽しい名作、
話題のシュリ・デヴィの美しさには私もうっとりでしたが、
思い返すほどに彼女は演技力も素晴らしかったです。
インド映画界はやっぱりすごい。
大好きで何度も行っている鏑木清方美術館(鎌倉)、
「華麗なるジャポニズム展」(世田谷美術館)での
モネ「ラ・ジャポネーズ」の生まれ変わった鮮やかな美しさ、
戸栗美術館(松濤)の涼をテーマにした古伊万里コレクションも
見終わってヘトヘトになるほど楽しかった。
その他「めぐり逢わせのお弁当」
「サンシャイン・歌声の響く街」「人生はマラソンだ!」などなど。
海でビキニで泳いだりというキラキラしたことはできませんでしたが
(この夏に限らず人生で一度もしたことない(^^;;))
文化的にはなかなか豊かな夏だったかな♪