2014年03月29日

「猫返し神社」


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ライブ等でもご一緒させていただいている敬愛するジャズピアニスト、
山下洋輔さんの猫本「猫返し神社」が
飛鳥新社より出版されました! *\(^o^)/*

洋輔さんの文章の魅力の強烈さときたら、
どの1ページも可笑しくってとんでもなく可愛らしくって
「天は二物を与えず」なんて嘘ばっかりだぁー!!
猫好きの方にはもちろん、そうでない方にも
一度は覗いて頂きたい、たまらん世界です。

そして本書175ページには
光栄にもこの私まで超音波猫として登場しておりまして、
あろうことかまさかのスッピン写真つきであります・・・マヂデスカ(゜▽゜;)


本の装丁は拙著「蕎麦こい日記」と同じデザイナーさんなんですよ〜
カワイイ♪


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2014年03月27日

群馬・沼田市利根町「つくし」


街道沿いに数多ある看板の中で
どうして「手打ち蕎麦」の文字だけが私の目に飛び込んでくるのだろう。
ギラギラ電飾でもついているかのように輝き、
目に心に突き刺さってくる。

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私の目は「上州手打二八そば」の文字だけに吸い寄せられているが
どんな店かと見やれば ウハッ 賑やかだなあ〜

「とんかつ」「手打ちそば」「天ぷら」

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「ハンバーグ定食」「焼き魚定食」「エビフライ定食」
「うな重」まであるよ!



きっとほっこりのんびりした食堂なんだろうな・・と思って入ると



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期待を全く裏切らないほっこりぶり(^o^)

こういうお店は「汁もつけずに蕎麦だけズルズル」
なんていつもの行儀の悪い蕎麦犬な真似はせず
ガッツリおいしい種ものなどを頼みたいところ。


ニコニコととても感じのいいおかみさんに「舞茸天もり」を頼み
(それでもやっぱり蕎麦は蕎麦だけで楽しもうという魂胆ミエミエなメニュー選び)
動き出した厨房の音を聞く。

ラジオからは民謡番組が流れている。



「舞茸天もり」
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おっ やはり平打ちですね
この地域は平打ちのお店が多いのであります。

ゆるりおおらかな蕎麦の眺め。
のんびり〜とひとたぐり・・

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( °o°)

えええええ


突如目がかっぴらいてしまいました!!
このお蕎麦、全然のんびりしていられないほど美味しいんですけどーーー!!

むわぁ〜とたくましい甘皮の香り。
ものすごく濃厚なのだがそれがどこまでもフレッシュで
澄んだ美しさを感じるところが本当に素晴らしい。
表面はつるっとしているのだが滑るようなつるつる感ではなく
言葉は悪いがビニールのような独特のつるつるヒラヒラ感。
お、美味しい・・・・・
この個性も香りも味わいも、意外な出会いにビックリ感激。
前言撤回、結局汁なしでお蕎麦だけ一気に全部食べてしまいました(≧∇≦)/



あっ天ぷらくんゴメン!
忘れてた訳じゃないんだよ〜
(お蕎麦に夢中で目に入らなかったくせに・・)
今、今、楽しみに食べるよ〜!!

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舞茸、ふきのとう、なす、サツマイモ。
卵リッチらしい黄色いサクサク天ぷら、おいしいなあ。


今日はこんなのんびりした時間を楽しませてもらったが
おかみさん聞いたところによると
この街道の先にある尾瀬のトップシーズンには
一日100食(!!)もお蕎麦が出るらしい。
なので本当は群馬産のお蕎麦を使いたいが量が間に合わないので
今は北海道産を使っているらしい。


尾瀬の散策で疲れた体で
みんなでワイワイここに立ち寄ったらさぞかし楽しいだろうな。
「ハンバーグ定食」を食べる人あり、「うな重」いっちゃう人あり、
しかもお蕎麦もこんなに美味しいなんて私には嬉しすぎる(^o^)
「もち豚ロースかつ定食」「もち豚しょうが焼き定食」
ってのも美味しそうだー!




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(壁に貼ってあった手ぬぐい カワイイ〜可笑しい〜
 山下(洋輔)アンシュに見せたい!!)


posted by aya at 09:37 | Comment(5) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>群馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月19日

群馬・沼田「みどりや」


何故か今年から、看板に「手打ち」の文字が添えられたのである。

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お蕎麦はできれば「手打ち」であって欲しい私にとって
初めて行くお店が「手打ち」かどうかを見極めるのは時に難しい。
特に「十割そば」という幟が目立つ店は
「十割で作れる製麺機使用」というお店が多いのでますます難しい。
蕎麦打ち場が外から見えている店は少ないし、
入って行って訊くわけにもいかないので
外観をジーッッと見つめ沈黙の問答を重ねるしかない。

そんな私のような人が多かったのか(多くないか)
今年から大きな看板が設置されたので大変わかり易くなった。
嬉しいような可笑しいような気持ちで意気揚々と店に入る。


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テレビの音とストーブ、
「ザ・和の山小屋」ないい雰囲気。
隅の席では大学生らしき真面目そうな男女グループが
静かに楽しそうに話をしている。



私が席に着くとお店の奥さんがお茶を持ってやって来る。
次にメニューを持ってやって来る。
普通、メニュー本はテーブルの上に置いていったりするものだが
ここの奥さんは私の目を見て
「はい。」
と手渡してくれる。
愛想があるかといえばそんなにないのだが、
山間の店らしいものすごい直球のサービスは私の心に温かく響いた。
この店が好きになった。


奥さんにバシッと手渡されたメニュー本を開くと
メニューはそんなに多くない。
お蕎麦のメニューと天ぷら類、あと
「みそおでん 50円」
というのがある。


お蕎麦のページがまたいい。
(メニュー本というのは何となくお蕎麦屋さんの
 「閉じてある内側の世界」「舞台裏」のような感じがして
 いつもは掲載を遠慮しているのだが今日は愛に免じてお許しいただきたい)

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のっけの一行目から

「十割そば(固めです)」

この揺るぎなき大宣言。
必要なことだけを簡潔に、はっきりと言うまっすぐさ。
「うちのお蕎麦は普通より固めなんです。
それが美味しいと思うからそうしてるんです」
というプライドも感じるし、
高飛車でも謙虚でもない感じが気に入ってしまった。
固めのお蕎麦が苦手な人はここでうどんに針路変更するのか
お店を出て行ってしまうのかわからないが
とにかく私はその「固めのお蕎麦」というのが楽しみでたまらない。




天ぷらメニューも

「まいたけ(地元産) 150円」
「えび 150円」
「かぼちゃ 100円」
「なす 100円」

なんともほのぼのとした気持ちになる楽しさだ。


では大好物の「まいたけ」と「えび」と「十割そば」、
私も直球で、お願いします!


「まいたけ天」と「えび天」
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写真では伝わりにくいのがもどかしいが
このまいたけ天、1つが何かの建造物のように大きい。
バリッッと潔いほど固いので箸で割るにも割れず
横っ腹から攻めて行って果敢にかぶりつく、といった感じになる。
そして大変に美味しい!!
こんなに大きくて美味しいまいたけ天が1つ100円!
もう嬉しくって口がまいたけでいっぱいなのにニッコニコしてしまうではないか。


ふと、暖簾の奥から店主が顔をのぞかせる。
「海老は小さかったので100円でいいです〜」
とこれまた嬉しい可愛らしいサービス。
その海老がですよ、こんな山奥でですよ、
なんとも柔らかくてぷるんとした甘い美味しい海老でビックリ。
これが1尾100円でいいんですかい!!

天つゆはなく塩で食べるというのも、揚げ物塩派の私にはうれしいところ。
しかもテーブル脇に設置されたお塩はアジシオである。
テレビでは美空ひばりが歌っている。
昭和のような、山の夜。




「十割そば」
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おお〜 確かに一本一本がしっかりしていそうな
黒っぽい中太打ちのずっしりとした蕎麦山。


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たぐりあげただけでスーッと鼻腔をくすぐる
石のような墨のような渋い香り。
あまり褒め言葉に聞こえないかもしれないが素晴らしいかぐわしさだ。
肌はつるつるでなく独得のスベスベ感。
一本一本にハリがあり口に入る前も入った後も
暴れる感じはあるのだが固いかというと決して固くはないと思う。
中太なのでそれなりに噛みごたえはあるのだが
程よいコシのあるよい食感だ。
口中で生まれつづける香りと滋味深い味わい・・・
ああ いいなあ 美味しいお蕎麦だなあ〜


汁はいりこなのかアゴなのか、独特の磯の香りがする。
しかし甘みも濃さもすっきりとして
個性的だがとても美味しい汁だ。
夏期には十割そばに加え二八も打っているらしい。


話してみると実ににこやかで親しみやすい奥さんと
しばしこのあたりの天気の話などをし、
さてもうそろそろ帰ろうかな、と思っていたら
店主がまた顔を出し

「おでん食べます?」


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1本50円のみそおでん。


心あたたまっちゃうなあー






posted by aya at 08:49 | Comment(4) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>群馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月16日

長野・軽井沢「ささくら」


石畳の道に面した、昼も夜も大人気のお蕎麦屋さん。

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追分宿の旧道にあるので昼間は観光客が圧倒的に多いが
夜は地元の人率がかなり高そうである。
21時までやっていてくれるのは本当にありがたい。
入り口ののれんには
「あなたのそばに ささくら」
と書いてある。




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古民家を改造した店内は今夜も大賑わい。
家族連れやら地元の人らしきグループやらで
活気があって楽しい雰囲気だ。

カウンター内の壁にはお酒の瓶がずらりと並べてあり、
おつまみも豊富なので皆で集まって飲むのにもぴったりなのだろう。



「お刺身盛り合わせ」
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つい先日聞いた
「長野の寿司屋は海が遠いので命懸けで仕入れてくるから美味しい」
という話が面白かったのでとってみた。
真鯛の昆布締め加減が美味しく、
バチマグロも酸味なくたしかに新鮮(^o^)



「スジと豆腐の煮込み」
を頼んだら残念なら今日はもうなかったのでこちらに。
どーーんと大きなお鍋でやってきました。

「豚もつ煮」
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もつが大ぶりで嬉しい♪
味噌煮ながら甘すぎない濃すぎない味付けがとてもおいしく、
お鍋が大きいだけにボリュームもあって大満足。


「ささくら」はお酒に合いそうなメニューが沢山あるので
次のメニューは
「サバの一夜干し焼」にするか
「カレイの一夜干し焼」にするか
「ハーブ鶏の塩こうじ焼」にするか
あれこれ迷った挙句ここに着地!

「スモークサーモンハラス焼」
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どっひゃー 思った以上のすごい脂、ジューシーさ!
これは・・私が酒豪ならこれだけでどれほど飲めちゃうだろう(^^;;)
ただのサーモンハラス焼ではなく「スモーク」であるところが
燻製好きの私には魔法のように美味しい。
ああ燻製万歳・・・



「ざるそば」
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大きな陶皿の上に
ひろびろ豊かに気持ちよさそうにひろがってやって来た。

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ぱっと見は、割と普通?に見えたのだ。
しかし・・よく見るとありそうでないかすかな透明感と、
ほんの少しだけ褐色を帯びているところに静かな魅力を感じる肌。

いかにも二八らしい、甘くやさしい香りを濃厚にまとい
舌触りはムッチリしっかり。
しかし食感は軽く味わいもあっさりなのでするするっと食べられて
これは飲んだあとにもぴったりだろう。

「ささくら」の蕎麦は自家製粉。
今年は軽井沢産と南相木産のものを使用しているそうだが
これはどちらかな?ブレンドかな?



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蕎麦湯の時になってはじめてつけ汁と仲良くしはじめる私。
「ささくら」の汁はカツオがよく効いた薄口で
個性的ながら美味しい汁だ。



店内では、先程までカウンターで一人飲んでいた男性が
もうすっかりこっち向いちゃって
真ん中のグループ客とお友達になっている。
地元の人同士知っている人が重なっているらしく
誰かの名前を出しては大笑いして実に楽しそうだ。

向こうのグループはいよいよ蕎麦タイムとなったらしく
一人が全員に何の蕎麦にするか決めろと呼びかけている。
結局みんな同じになっているところが酔っぱらいらしくて可笑しい。


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この店の夜は、いつもこんなふうに更けていくのだろう。

私は、隅っこのヨソモノながら
この古民家で今のんびり蕎麦湯を飲んでいる時間を
とても幸せに思った。






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こういうのだいすき



posted by aya at 08:55 | Comment(6) | TrackBack(0) | 甲信越の蕎麦>長野 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月14日

神楽坂「芳とも庵」(紫色が、美味しい証!)


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今夜は、神楽坂に
「アレ」を食べに来たんです〜(^O^)


客席からガラス越しに見えるスペースに
「自家製粉」どころか製粉工場並みの機械を揃える「芳とも庵」。
石抜き機、磨き機、選別機、脱皮機、玄蕎麦貯蔵用冷蔵庫・・・
壮観としか言いようの無いこの眺め。
まさに「ないものは畑だけ」!

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美味しい蕎麦のためなら努力を惜しまない、情熱たぎる店主だけあって
ここの「江戸そば」「田舎そば」「津軽そば」は
どれも本当に香り高くて美味しい。
三種類とも絶対にハズせない個性の素晴らしいお蕎麦なので
私はここに来て「三種盛」を頼まなかったことは一度もない。



しかしですよ、事もあろうに、なんと本日の目的はお蕎麦ではないのである!
(イヤ、実はここだけの話、私の最終目的&墜落場所は
 いつ如何なる時もお蕎麦でしかありえないのだが・・
 それじゃあまりに協調性がないじゃないですか〜(^^;;))



本日はこのためにやってきたのです。
じゃーーーーん

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「芳とも庵」名物、野鴨鍋!
楽しみだなあ〜〜



まずは前菜のセット
「菜の花のお浸し」「ビール漬け」「きんぴらごぼう」
「ワカサギの南蛮漬け」「長芋のたたき」

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うしろの「北見たまねぎ」は客席でなく隣の製粉スペースにあったもの(^^)


そして早くも主役の出番となりました・・!

どーーん

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えーっ これはまたスゴイ色ではないですか!!
見慣れた鴨肉の色よりかなり紫、しかも相当濃い色である。
店主によると鴨肉はこういう紫色のものが美味しいそう。
へえ〜 初めて聞きました(・∀・)☆スゴイ
新潟の猟師さんから直接送られてきたばかりの極上野鴨肉!



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鴨肉はもちろんすごいが野菜の盛り付けも本当に美しい。
すべて湯通ししてあり、極太ネギには焼き色がつけてあるのがいかにも美味しそう!





いよいよ、火入れの儀。

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 「鳳凰美田 辛口純米」
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鴨鍋煮えました〜

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これは・・・!
美味しいだろうなとは思っていたが、いやービックリするほどの美味しさである。
柔らかい鴨肉からあふれる肉の旨みがただ事ではない。
ちょっと美味しい鴨鍋はいくらもあろうが、さすがは野鴨(青くび)。
人工飼育の物とは色も違うが味も全然違う。
鴨から出る味が美味しいために野菜も何も鍋の中の全てが美味しく
食べ終わるまでに何回美味しいって言っちゃったかなあ〜〜(^^)


店主によると野鴨は本当は12月のうちが一番美味しいとのこと。
この日は2月だったのだが、とてもいい鴨が入っていたので
相当ラッキーだったらしい。


ここで店主の言葉。

「この後、本当は蕎麦1種類のつもりだったんですけど
高遠さんがそれじゃあ・・と思って2種類出しますね〜」

なっ 泣けるほど嬉しいではないですか!
でも「・・」の部分は「暴れる」とかが入るのかな?(^^)


「江戸そば」
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きゃーん!!
大好きな「芳とも庵」の「江戸そば」!
本日は長野・松本の蕎麦だそうでウハハハハハ・・・
もう嬉しくって笑いが止まらぬ。

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おお〜
今日の「江戸そば」は、香り穏やかマイルドながら
ちょっと変わった野性味がある。
端正な極細で、口中でもくっきりした輪郭線が際立つが硬さはなくしなやか。
これだけの極細の中にこんないいコシを感じるのは稀有な感覚だ。
なめらかな微粉の舌触りは、ちょっとここの「津軽そば」にも似たような
もっと言うと中国の「干し豆腐」にも似たような密ではっきりしたきめ細かさ。
う〜ん 個性も面白いし、すごくおいしい!



もう一枚は「田舎そば」かな?それとも「津軽そば」かな?
と思っていたら、
なんと今日は実験的に粗挽きを打ってみたそう。

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えーっ 同じ松本の蕎麦なのに
こちらはものすごい緑色です!
きれい〜〜〜

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美しい粗挽きながら輪郭線はくっきりしているのが「芳とも庵」らしい。
たぐりあげると、うわ〜〜本当に面白い。
同じ松本の蕎麦なのに、先程の個性的な「江戸そば」とは全く違う香り。
こちらはフレッシュでさわやか、
噛み締めた時に広がるほんのり白いイメージの上品な野性味が素晴らしい。
口の含むと口中で一本一本が暴れる感じすらある固めの食感で
粗挽きのゴツゴツした舌触りを楽しみつつしっかり噛んで食べる蕎麦。




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店はついさっきまで家族連れやら宴会やらで満員の大賑わいだったが
私が蕎麦に耽溺している間にすっかり落ち着いたようだ。

ここは昼の営業は開店と同時に近隣の会社員でいっぱいになるという人気ぶりだが
夜は家族連れも多い。
「うちは小さい子どもいっぱいでもベビーカーでも全然オッケーなんで!」
さすがは自身も子煩悩なパパの店主だけあって
子連れ家族にも親切な店なのだ。
店の雰囲気や席のスペースから、子連れでは行きづらいだろうなと思える店も多い中
「ベビーカーでも行かれる美味しいお蕎麦屋さん」というのは貴重な存在だろう。



私の座っている席のすぐ横では
先程から石臼がゆっくり、ゆっくり回っている。
しかも出てくる粉がほんの少ししかない。
ものすごい微粉を挽いているということなのかな?

「芳とも庵」のなめらかで香り高い蕎麦を思うと
石臼を見ただけで「芳とも庵」らしく思えてくる。


そして、野鴨が主役のはずが
後半やっぱりお蕎麦お蕎麦になってしまった文章に今気づきましたとさ!(* ̄∇ ̄*)





posted by aya at 09:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>新宿区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月13日

埼玉・東所沢「松むら」


住宅街にあるお店は、昼と夜とで表情が違う。

昼間はご近所の庭木や洗濯物を通り過ぎ、
子供たちの元気な声に追い越されながら店に着くという
のんびりした雰囲気。

夜はひっそりと暗闇にその姿を見つけることになる。

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小上がりもある店内。

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一人お酒とお蕎麦を楽しむダンディーな初老の男性。
おしゃべりに花咲く奥様グループ。
先程から熱燗をちびちびやっているキャリアウーマン風女性など
それぞれがそれぞれにこの店を楽しんでいる。



この店は「自家製豆腐」「自家製温豆腐」というメニューがある。
豆腐好きは当然両方行きますよ!


「自家製豆腐」は「一人前 200円」と書いてあり
小さな器にデザートのようにやって来る。

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表面にプリンのようなツヤがあるほどのなめらかさ。
某有名人気なめらか豆腐にも似た、
なめらかさと豆の甘さがおいしいお豆腐。


そして打って変わって、
「自家製温豆腐」はどーん!とやってくる。

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鍋に入っているのはまだサラサラの豆乳で、
テーブルで火を入れ固まるのを待つスタイル。
火が消えるまで待っていると・・・


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出来上がり〜!
出来上がってもとろ〜り柔らかいほんわか温豆腐。
温かいとやはり豆の味わいが濃く感じられて美味しいので
「温豆腐」の方が私は好み♪
演出も楽しくてとてもいい。


「夜の部限定 旬菜の一品」というメニューより
「うるいと蛤のおひたし」
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うるいが大変に美味しい。
はきはきとした食感、静かな山の味わい。
店の奥さんが野菜ソムリエと聞くとますます納得してしまう美味しさだ。
蛤の味わいは思ったより淡かったが
それだけに全体にすっきり薄味で上品。
それもこれも出汁が美味しいからこそだろう。
これはいいもの食べたなあぁ〜




同じく「夜の部限定 旬菜の一品」メニューより
「鰆の刺身 香味野菜のせ」
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刺身と書いてあったが炙りが入っていてタタキになっていた。
炙りの香ばしい香りに大変弱いので嬉しい!
ふっくらジューシーな鰆といっぱいの香味野菜で大満足。




「鴨つくね焼」(夜の部のみのメニュー)
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写真では伝わらない気がするのだが
これ、一個がゴロンとかなり大きいのだ!
小さな三つにせず、大きなゴロン二つというのがなんとも可愛らしい。
甘辛いタレの香りがテーブル中にひろがり、
ハンバーグにむしゃぶりつく感じに近い。



そして「松むら」において絶対にハズせないのがこちら!!

「そばがき」
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うっぴゃ〜〜
美味しそうすぎる!!
この思いっきり香ってくれそうな肌・・・
たまりませぬ!!!

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(>_<)

おおおおおおいしいぃ〜〜〜〜〜〜〜〜

濃厚に香る、墨のように渋い野性味。
ぽってりと箸に取り口に含むと
ざっくりとした粗挽きながらモチッとして、どろ〜として
ふわっとエアリー感もあって最高の美味しさ!!
甘みは潔いほどなく、それがまた渋い滋味をストイックに深める。
ううう 香りといい食感といい・・・美味しすぎる・・・



「ざるそば」
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これまた深く香ってくれそうな、ストイックな印象の肌・・・

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黒っぽい肌に浮かぶ、無数のホシ。
キンと氷水でしめられた肌からは最初は冷気のみが伝わってきたが
だんだんに、濃厚なかぐわしさが伝わってきた。
先刻のそばがきの墨っぽい渋さにくわえ
野性的なたくましさがあるのが素晴らしい。
噛みしめるとジャリッとした刺激が、ほんのごく微かであるところがニクイ。
実はこの蕎麦もそばがきも、
潔いまでに甘みがなくストイックに香ばしいという特徴が面白いなと思い
しばらくおいたら甘みが出るかな?などと思って
わざとものすご〜〜くゆっくり食べてみるという、
お店の方にはちょっと申し訳ないことをしてみた。
そして発見したビックリは・・・
このお蕎麦、いくら時間がたってものびません、乾きません!
出された時のフレッシュなみずみずしさと食感を保ち続けるミラクルな十割そば。

ちなみに「松むら」では日によって
「福井産丸岡在来」「茨城産常陸秋蕎麦」「青森産階上早生」など
各地の蕎麦が味わえるのだが、この日私が食べたのは安曇野の信濃一号。
自家製粉の十割そばである。


またおつまみの「うるいと蛤のおひたし」でもオオッと思った通り
「松むら」が汁が大変に美味しい。

「蕎麦湯はお酒で、汁はつまみ」だと思っている私は
普段は蕎麦湯はそのままゴクリ、汁を舌にチロリなのに
今日は「うるいと蛤のおひたし」の澄んだ美味しさにつられて
汁を蕎麦湯に入れてみて大正解!
蕎麦湯に加えると極上のスープになった。


今日はせっかくの「松むら」なのに
新しいカメラにまだ慣れていなくて
光も足りていなかったようで超残念・・・(;_;)

土日限定の「田舎そば」も食べたいし
今度は週末、昼間に行きたいなあ〜♪




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製粉機に貼ってある「松むら」シールがナイス♪


posted by aya at 07:49 | Comment(6) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>埼玉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月10日

群馬・伊香保温泉「いけや」


雪に埋れた、古き良き温泉街の面影。


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あたりは静かだが、この店の中からだけ賑わいが伝わってくる。

この地で40年愛されてきた蕎麦の名店は、
営業時間が朝11時から深夜1時まで(中休みなし)ということに驚かされるが
以前はなんと深夜3時までだったという。
理由は温泉街ならでは。

昼間は観光客や遠方からわざわざこの店を目指してきてくれるお客さんがやって来る。
夕方は、お客さんと仕事前の芸者さんがやって来る。
夜は飲んだ後のお客さんがやって来る。
そして深夜12時過ぎには、仕事明けの芸者さんがやって来る。

いくらみんながやって来るったって
その全てに応えるのは不可能と考えるのが普通だと思うのだが・・
一体店主はいつ寝ているのか心配になってしまう。



こぢんまりと居心地の良い座敷に通される。
隣は広間で、酔客の笑い声が雪の夜の趣を深める。

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そしてこれまた驚くべきことに、この店にはおつまみの類が一切ない。
あるのは「そば」「うどん」メニューと甘味のみ。
「天せいろ」はあるが「天ぷら」という単品メニューはない。
ビールと日本酒(八海山)はあるのに酒肴らしきものがない。

ではお隣の宴会の人たちはどうやってお酒を飲んでいるのかと思ったら
前日までの予約でコースメニューがあるのだった。
それ以外のお客さんは皆スルッと蕎麦だけで帰るらしい。
温泉街ならではの蕎麦文化に触れた思いだ。

スルッと蕎麦だけ、でももちろんいいのだが
せっかく来たのだから「いけや」の時間をゆっくり楽しみたかった私は
「そばがき」も頼むことにした。


お通しの蕎麦味噌。

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全てがビシッと整った正統派の美しさ。
奥は次にやってくる「そばがき」用の薬味と海苔だ。


「そばがき」
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意外にも「そばがき」は椀がき(鍋でなく椀の中で作るそばがき)であった。
しかも椀の縁からはみ出さんばかりのワイルドな風貌。
べったりねっとりギッチリとした食感で
香りはごくあわい甘い穀物の香り。
薬味が豪華で嬉しいのでせっせと「海苔巻きそばがき」を作って楽しく食べる。


足利一茶庵出身の店主が打つ蕎麦は
「せいろ」「田舎」「更科」の三種類。
しかし大雪の影響でしばらく「田舎」はおやすみとのことなので
「せいろ」と「更科」を頼む。


「更科」
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端正な細切りの平打ち。
量がしっかりあるのは嬉しいが
なんとなく真ん中にギューとくっつきすぎなような・・・
ギッチリかたまったお蕎麦・・?



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うわー!大変失礼いたしました!
「ギッチリかたまった」なんてとんでもない。
食感も、香りも、素晴らしく美味しい更科でありました。
つるつる過ぎない、するりとした肌。
端正な細打ちの輪郭線、ほどよいコシ。
何よりも、何よりも香りが素晴らしい。
美しい更科の香り!
そう、更科って、こんなふうに美味しいお蕎麦なのですよね〜〜



「せいろ」
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これまた繊細な平打ちそばが
ぎっちりギューとくっついて盛られてやってきた。

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ごく淡く漂う、ほんのり甘いきれいな香り。
香りも味わいも淡いのだが、何ともしみじみとした美味しさがある。
この美味しさは何なのだろう?と不思議になるほど、幽き趣のある美味しさ。
極細平打ちのしなやかな舌触りも、優しいコシも素晴らしい。

福井大野の蕎麦。
実は「田舎」も同じ福井で打っているそうなのだが
この時は大雪の影響で量が仕入れられずやむなく「田舎」だけお休みにしたそう。



親切な店主が蕎麦の実や自作の漆器を見せてくれる。

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一茶庵の流れを忠実に受け継ぐ店主は漆器製作も長年続けている。
この店で使われている立派な漆器類は全て店主の手によるものだったのだ。
営業時間を聞いただけで殺人的忙しさなのに信じられない働きぶりである。
「もうとても体がもたなくて、昔みたいに深夜3時までなんて無理なんです」
と、さも疲れたような笑顔で話す店主だが、その今でも深夜1時までやっているのだ。
どれだけ頑張る人なのだろう。



窓からは庭越しに蕎麦打ち場が見えている。
打ち場はこの同じ建物、角を曲がった先にあるのだが
別棟に製粉と漆の作業場があるそうだ。

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帰りに見ると、入口付近は店主の漆器作品展示コーナーになっていた。
目まぐるしく働いていた奥さんがパッと顔を上げ、爽やかな笑顔で
「ありがとうございました」と丁寧に挨拶してくれる。



冒頭で書かなかったが実は今回私は雪の中で迷子になり
この店の娘さん(だと思う)に迎えに来てもらわねばならなくなった。
甲斐甲斐しい感じの娘さんは雪の中上着も着ずに小走りでやってきてくれた。
コートを着ていても寒かった私には
やっとたどり着いたこの店の灯りが昔話の家のようにあたたかく見えた。

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私が温泉街で見た、雪の夜の話。



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2014年03月07日

鴨南蛮


陽射しは春なのに
なかなか春らしく暖かくならないので
鴨南蛮作りました。

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花かつおと昆布で出汁をとり、
私の理想とする「汁はすっきり、鴨はふっくら」に・・・

おっ まあまあ・・いや思った通りの味にできちゃった!
バンザイヾ(≧∇≦)/



ちなみにお蕎麦はこちらを使いました。
温ものにぴったり♪さすが!

写真 2.jpg


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2014年03月05日

長野・上田「いちや」(いちや×る庵)


上田菅平インターからすぐの住宅街にある「いちや」。

住宅街の奥の普通〜!の民家がお店なのだが
「生活感あふれる自宅を改造してお店にしました」
という感じはない。
店主は店としてその家を選び、
ひろびろと、穏やかに営業している。


私は以前上田が誇る超有名パン屋さん「ルヴァン上田店」併設のレストランで
ライブをさせて頂いたことをきっかけに「いちや」さんと知りあったのだが
お蕎麦もお料理も、どこまでも自然なまま洗練された店主のセンスに驚いた。
出会いというもののありがたさ、深さを思う。


そして今夜は、その「いちや」さんが
「ルヴァン代々木八幡店」奥の秘密のスペース「る庵」にて
三日間限定で「出張いちや」を開店しているということで
張り切って予約してやってきました〜


もう「ルヴァン代々木八幡店」は閉店している時間。

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こっそりおじゃました気分の「る庵」。
ひえー、「ルヴァン」の奥に、こんな楽しい場所が隠れてたんだ!!
炬燵に柱時計に和箪笥・・・ 泣けます。
エンケンさんに見せたいなあ〜(>_<)♪♪

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本日のメニュー。
「いちや×る庵」と題されている。

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和紙に印刷されたこのメニュー表をつくったのは「る庵」さん。
かすかな桃色のラインが効いている。
さすがのセンス、素敵!




まずはこんなふうに始まりまして

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付きだし
「独活のきんぴら」
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「アボカドおろし和え」
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どちらもシンプルだが隅々まで行き届いた美味しさ!
あらためて、今日ここで「いちや」の料理に出会えたことに感激する。
アボカドのおろし和えは緑大根という地元の大根のおろしだそう。


「五人娘 生酛仕込み 純米」
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「ルヴァン」店主の甲田さんもおすすめのお酒。
私にはなかなかオトナな味わいだが
お料理が美味しいのでつい舐めてしまう。今日は危険ですよ〜(^^;;)
添えられた「芹」がまた美味しい。
すばらしい自然の香りが口の中にやって来た。



朱塗りの椀に胸がときめく。
中に何が控えているのかなあ〜とわくわくする。
日本の器は素晴らしい。

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椀盛
「自前ねぎの粕汁 春菊のせ」
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蓋をあけると、こんなご馳走が控えていました。
「いちや」店主が近所の畑で育てたネギ、とろっとおいしい〜



刺身
「信州産鹿肉たたき 自家製味噌」
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信州で最近知り合った猟師さんから直接仕入れているという鹿肉。
これがものすごーーーーーくおいしくてビックリ!!
ねっとりと密な舌触り。
そしてこのじわぁ〜〜んとした味わい深さ、ほんのりした甘さはなんでしょう・・・
鹿肉はもともと好きだけどこんなにこんなにおいしかったっけ・・?
盛り付けも素敵でただ恍惚。


煮物
「新玉ねぎ蒸し煮 そばの実 菜の花飾り」
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今回の器は「いちや」のものではなく「る庵」のものだが
それぞれの料理に合わせた趣向が楽しい。
新たまねぎの甘さに菜の花の香りがさわやかさを添えている。



「ルヴァン」店主の甲田さんが
ソースを付けて食べる用にパンを持ってきてくれちゃいました!
でもルヴァンのパンは美味しすぎるので結局パンだけで食べてしまった私・・・
お蕎麦もパンも、どうしてこうなっちゃうのでしょう(^^;;)

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こうばしさとかすかな酸味、噛むほどに味わい深く
「ルヴァン」のパンはやっぱり特別!大好き!





「かきオイル煮、わさび菜」
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「いちや」の料理は素材の味がそのままなのが本当に素晴らしい。
簡単なことのようで、なかなか出会えないものなのだ。
牡蠣もわさび菜も大好物ゆえ、嬉しく大切にあじわう。


「のりれんこん」
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生のりと和えるとこんなふうに赤くなるそう。おもしろーい!
こういう料理にも余計な甘みが一切ないのが「いちや」の素晴らしいところ。
和食において「甘み」というのは本当に難しいものだと思っているので
「いちや」のバランスにはいつも唸らせられる。



「豆腐の塩麹漬け」
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これまた驚きのアイディアメニュー!
濃厚で深〜い味わいと、チーズなどとは違う後味の軽さがたまらない。
こんな絶品のアテがあったらお酒なんていくらでも飲めちゃいますよ!(口だけです(^^;;))。
上に散らしてあるのはエゴマ。




箸洗い
「つけもの」
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日本は美しい国だなあ、とずっと眺めていたくなるような盛り付け。
しかも牛蒡と蕪と鶉って・・素材のチョイスが素晴らしい!



そば
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きゃー きちゃった!
いよいよついに、数年ぶりの「いちや」のお蕎麦!


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明るい肌、端整な細切り。
たぐりあげるとふっとさわやかに墨のような渋い香りがただよう。
口中で感じる輪郭線は角張らず何処か丸みを感じる上品さで、
女性的な印象すらある。
すべすべした肌を噛みしめると程よいコシが迎えてくれ
さっぱりした味わいがスッとひろがる。

以前は長野の蕎麦だったが今日は北海道の蕎麦だそう。

ああ 東京で「いちや」のお蕎麦に出会えるなんて・・・
「いちや」さん「る庵」さん、本当にありがとう(;_;)



菓子
「そば豆腐」
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蕎麦豆腐の上に生姜の蜜煮と黒糖。
すごい、冬でも温まりそうな最強のヘルシーデザートだ!



茶道もたしなむ「いちや」店主らしく、最後は薄茶で〆。


懐かしくて 嬉しくて 楽しくて
夢のようなひとときはあっという間に終わる。



でもこの夢の夜には、後日談がありまして。

うひゅひゅひゅ・・・
訳あって「いちや」のお蕎麦は今後さらにもっと進化しちゃうんです! (≧∇≦)/
ああ早くまた上田に行きたいー!


今夜の「る庵」のほっこりレトロな雰囲気も最高だったが
上田の「いちや」の雰囲気にも想いを寄せる。

山の空気。
縁側と大広間。
懐かしいような民家で出会う「いちや」の美しい料理の数々・・



「上田菅平インター」と聞いたらピクッとお耳を立ててくださいね♪
降りたら「いちや」がありますよ〜(^o^)





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(お薄♪)


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2014年03月04日

長野・茅野「そばのさと」


諏訪インターからすぐの、152号線沿い。

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国道に面している上に店も大きくて立派なので
ぱっと見た感じでは手打ちのお蕎麦屋さんには見えない。
チェーンの和食屋か何かのような印象で
そこでお蕎麦も出しているのかな?くらいに思われてしまいそうである。


ところがどっこいこの「そばのさと」、
攻めに攻めている物凄い手打ち蕎麦屋さんなのだ。


まず入り口にあるこの蕎麦メニューの攻めっぷりをご覧頂きたい。

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特に圧倒されるのは「どうづきそば」の写真で
目が覚めるような物凄い粗碾き、ザックザクのツブツブ肌のアップの写真に
「今までの常識を破ったまったく新しい製法のそば切り」
と書いてある。

その他
「粗きりそば」(限定品)
「玄挽きそば」(日替り限定品)
「変わり更科」(日替り限定品)

日替わり限定品もあるにせよ、これ以外に二八の「ざるそば」もあるので
今日は何種類のお蕎麦が食べられるかな〜?(^o^)


広々と綺麗な店内。


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メニューを開くとドカーン!

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えっ さっきの物凄いザクザクツブツブ蕎麦、十割だったんですか!
あんな物凄い粗碾きを十割でつなげるってどんなんだ!!
しかも、せ、せんろっぴゃくえんって・・ ホントに?



お店の人に聞いてみると今あるお蕎麦は
「どうづきそば」
「粗きりそば」(限定品)
「ざるそば(二八)」
らしい。
(もちろんその他、種ものや丼ものはありますよ!)


今あるお蕎麦は全部いきます!全部ください(^o^)!

「どうづきそば」
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うおー、写真通りのすんごいザクザクツブツブ肌!
しかもアレレ、天ぷらがついていますよ?
1600円にはびっくりしたけど「どうづきそば」は自動的に天ぷら付きなのでした。


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見れば見るほどものすごい肌!!
粗碾きの大きな粒がポコポコと、ネコヤナギの芽のように輪郭線から飛び出している。
たぐりあげると甘〜い、極上の米のような香り。
ザラザラを通り越して大きな粒を口中でも感じる初めての舌触り。
これが全部蕎麦粉でできているなんて凄すぎる、面白すぎる。
1本1本はかなり短く切れているのだが、それよりも
これだけの大きな粒がよくつながっているなあーと感心してしまう。
食感は固めだが口の中で暴れる感じはなく、かみしめるとじんわりそのまま切れる感じ。
そこからほんのり甘い上品な味わいがこぼれ続ける。
すごいなあ、ものすごい攻めっぷりだなあーー!
国道沿いの外観からは想像できない世界だ。




「粗きりそば」(限定品)
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「どうづきそば」ほどではないが
これも十分にすごい粗挽き!


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明るい肌に浮かぶ白い陽炎のような蕎麦の粒子。
いびつに揺れる輪郭線。
ビックリ尽くしの「どうづきそば」よりこの「粗きりそば」のほうが
落ち着いてその美しさにうっとりできる気がする(^^)。
こちらは「どうづきそば」より野性味のある、青い葉のような、お茶のような?
爽やかな香りをふわぁ〜・・とまとっている。
食感はしっかりめだが「どうづきそば」よりはやややさしくしなやかさもあり
その中に粗碾きのツブツブ感が感じられるのがとても美味しい。


しなやかで長さもしっかり長いので
一般的には「どうづきそば」よりこちらの方が人気がありそうだが
なにより私は、「どうづきそば」へのあのストイックな挑戦が凄いと思う。
店の営業のことを考えれば普通の二八のお蕎麦でもっとたくさんの種物を作ったり
セット物とかをやったりするほうが絶対にいいはずなのに
店主は「蕎麦への挑戦を続ける人」なのだ。
1600円出してあの一風変わったお蕎麦を食べようという人は多くはないと思うし
天ぷら付きですよとメニューに全然書いていないところにも
不器用さのようなものを感じてしまい、つい応援したくなってしまうではないか。


「ざるそば(二八)」
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今までの2つの蕎麦にはなかった、ムワァ〜と甘くたくましい蕎麦の香り。
見るからにこれが今までで一番しなやか、やわらかそうかな?
と思ったら大間違いで、はっきりとした固めの食感。
口の中で1本1本が暴れる感じすらあるしっかりした蕎麦だ。
蕎麦だけでそのまま食べると固めでコシがなくぷっつり噛み切れる感じの食感だが、
汁に付けてみるとアラ不思議、突然しなやかな印象になるのが面白い。

また「そばのさと」の蕎麦にはどれも「水そば」がついてくるのが特徴だ。
融通の効かない私はどうしても蕎麦は蕎麦だけで食べたく、
水すらも「蕎麦と私の二人の世界に入り込んでくる人」とつい疎んでしまうのだが
もちろんついているものはありがたく頂きました。
3種類とも、水につけると香りが消え、ギュッと締まってさらに固めの食感になり
汁につけた時との食感の違いにビックリ!
こんなに違うものなのかあ〜 面白いなあ〜



八ヶ岳山麓産、地の蕎麦だけを使い
こんなに凄い挑戦を続ける素晴らしいお蕎麦屋さんが
諏訪インターからすぐの国道沿いにあり、茅野駅からも近く、
しかもしかも、しかもですよ・・・!

「中休みなしで20時過ぎまで営業!!」

インターから数時間の山深いところにあったり、
「お昼で終わり」や「売切仕舞」というお店も多い長野において
この便利さ、ありがたさは筆舌に尽くし難い。


次回は「玄挽きそば」も是非食べたいなぁ〜〜〜



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2014年03月03日

群馬・新前橋「山人」


住宅街の奥だというのに、
昼も夜も大賑わいのお蕎麦屋さん。

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無機質な吹き抜けの店内には、中央に大きなテーブルがあり
取り囲むように個室風の席があり、奥にはさらに座敷席もある。
個室風の席は高い柵が個性的な空間だ。

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大きめの音楽と楽しげなお客さんの賑わい、
何より驚くのはお客さんの年齢層のひろさである。
お蕎麦屋さんにして若いお客さんがとても多い。
20代前半の男女のグループや若い女性グループというのは
私が普段お蕎麦屋さんであまり出会わない層だけに
やたら華やいだ活気を感じてしまう。


それもそのはず。
「山人」にはとにかくがっつりお腹にたまる楽しいメニューが
ものすごーくたくさんあるのだ。
その紹介の仕方も楽しい。

例えば、「夜飯」というメニュー

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「炙り豚丼セット」「山辛豚丼セット」「トマトチーズの豚丼セット」
「豚カリーセット」

さすがは上州、豚どころ!


「山人のカレーシリーズ」というメニューには
「山人カレー汁」「クリーミーカレー汁」
「完熟トマトのカレー汁」「完熟トマトのクリーミーカレー汁」
「山辛カレー汁」「山辛クリーミーカレー汁」
「カレーうどん」「クリーミーカレーうどん」「まいたけ天カレーうどん」
「チーズカレーうどん」

凄すぎるカレー軍団・・・ (*○*;)

もう全くもって書き切れ無いのでかなり端折るが
鍋焼うどんだけでも8種類(!)、
丼ものもあり、天ぷらや豚料理、魚料理などのつまみも多数な上
しゃぶしゃぶやコースメニュー各種もあり、
どんなシチュエーションでも楽しそうな店なのだ。
そして聞くところによると、驚くべきことにこのメニューのバリエーションは全て
若い店主一人の考案らしい・・・すごすぎる!



「上州麦豚冷しゃぶごまサラダ」
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ザ・ごまドレ!という感じのB級グルメ系ドレッシングががっつりかかっているのだが
これが非常に良く合っていて素直に美味しい(^o^)
ヒラヒラした野菜だけでなく千切り野菜も入っているのがいい食感を生んでいて
そこに口の中で砕けた揚げ蕎麦のプチプチとした食感がさらに楽しいアクセントとなっている。



「こんにゃく刺」
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大好物ゆえこんにゃくが名産のエリアに行くと必ずオーダーしちゃいます。
この鮮やかな緑色は何?と思ったら、私の大好物青海苔の香り!
粗くザラザラして食感はプルップル。
うわ〜 これはおいしいなあ〜




「山豚肉豆腐」
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県産の豚料理が自慢の「山人」。
これは軽い気持ちで頼んだらその鍋の大きさにビックリ!!
しかもそこにドッカーンと大胆に横たわるお肉の巨大なこと。
お肉もお豆腐もものすごく美味しい。
薬味のネギと生姜がまた気が効いている。

そして私いまさらなのですがこの巨大かつ美味しい肉豆腐が780円であることに気がつきました。
ものすごいお得さではないですか!
ここが若者に人気の訳は、メニュー構成のみならずリーズナブルさにもあるのだろう。




「もり」
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やっぱりー!!ナンデスカこの超爆量の「もり」は!!
写真だとお蕎麦が一番奥にあるのでわかりにくいが
実際の蕎麦山はものすごい標高&存在感。
手打ちのお蕎麦で、こんなものすごい量で650円というのはやはりお得すぎる。


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かなりギンギンに冷たくしめられていたためか
最初ほとんど香りらしい香りは感じられなかった。
しかし食べてみるとなんとも渋い、藁のような炭のようなお寺(!)のような
(毎度無茶苦茶な私の形容詞だが3番目が一番しっくりきた)味わいがひろがる。
口中で感じる輪郭線はところどころバラつきもあるのだが、
それまた楽しいと思える私にはこのザラザラした舌触り、
噛み締めた最後かすかに感じるネチッとした粘質も含めおいしいお蕎麦。

さすがの私も不安になるほどのものすごい量だったが
するするさっぱりとしているので、あっという間に汁なしで全部食べてしまった。
(汁は蕎麦湯の時のお楽しみに舐めたが、ガツンと鰹な甘めの汁)



メニュー豊富で、ボリュームたっぷりリーズナブルで、
それぞれのメニューに創意工夫が感じられるので
若い人に人気なのも頷ける。


この日は数量限定の太打ち田舎というのがなかったので
それも食べてみたいな〜











posted by aya at 10:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>群馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする