
今夜は、神楽坂に
「アレ」を食べに来たんです〜(^O^)
客席からガラス越しに見えるスペースに
「自家製粉」どころか製粉工場並みの機械を揃える「芳とも庵」。
石抜き機、磨き機、選別機、脱皮機、玄蕎麦貯蔵用冷蔵庫・・・
壮観としか言いようの無いこの眺め。
まさに「ないものは畑だけ」!

美味しい蕎麦のためなら努力を惜しまない、情熱たぎる店主だけあって
ここの「江戸そば」「田舎そば」「津軽そば」は
どれも本当に香り高くて美味しい。
三種類とも絶対にハズせない個性の素晴らしいお蕎麦なので
私はここに来て「三種盛」を頼まなかったことは一度もない。
しかしですよ、事もあろうに、なんと本日の目的はお蕎麦ではないのである!
(イヤ、実はここだけの話、私の最終目的&墜落場所は
いつ如何なる時もお蕎麦でしかありえないのだが・・
それじゃあまりに協調性がないじゃないですか〜(^^;;))
本日はこのためにやってきたのです。
じゃーーーーん

「芳とも庵」名物、野鴨鍋!
楽しみだなあ〜〜
まずは前菜のセット
「菜の花のお浸し」「ビール漬け」「きんぴらごぼう」
「ワカサギの南蛮漬け」「長芋のたたき」


うしろの「北見たまねぎ」は客席でなく隣の製粉スペースにあったもの(^^)
そして早くも主役の出番となりました・・!
どーーん


えーっ これはまたスゴイ色ではないですか!!
見慣れた鴨肉の色よりかなり紫、しかも相当濃い色である。
店主によると鴨肉はこういう紫色のものが美味しいそう。
へえ〜 初めて聞きました(・∀・)☆スゴイ
新潟の猟師さんから直接送られてきたばかりの極上野鴨肉!

鴨肉はもちろんすごいが野菜の盛り付けも本当に美しい。
すべて湯通ししてあり、極太ネギには焼き色がつけてあるのがいかにも美味しそう!
いよいよ、火入れの儀。

「鳳凰美田 辛口純米」

鴨鍋煮えました〜

これは・・・!
美味しいだろうなとは思っていたが、いやービックリするほどの美味しさである。
柔らかい鴨肉からあふれる肉の旨みがただ事ではない。
ちょっと美味しい鴨鍋はいくらもあろうが、さすがは野鴨(青くび)。
人工飼育の物とは色も違うが味も全然違う。
鴨から出る味が美味しいために野菜も何も鍋の中の全てが美味しく
食べ終わるまでに何回美味しいって言っちゃったかなあ〜〜(^^)
店主によると野鴨は本当は12月のうちが一番美味しいとのこと。
この日は2月だったのだが、とてもいい鴨が入っていたので
相当ラッキーだったらしい。
ここで店主の言葉。
「この後、本当は蕎麦1種類のつもりだったんですけど
高遠さんがそれじゃあ・・と思って2種類出しますね〜」
なっ 泣けるほど嬉しいではないですか!
でも「・・」の部分は「暴れる」とかが入るのかな?(^^)
「江戸そば」

きゃーん!!
大好きな「芳とも庵」の「江戸そば」!
本日は長野・松本の蕎麦だそうでウハハハハハ・・・
もう嬉しくって笑いが止まらぬ。

おお〜
今日の「江戸そば」は、香り穏やかマイルドながら
ちょっと変わった野性味がある。
端正な極細で、口中でもくっきりした輪郭線が際立つが硬さはなくしなやか。
これだけの極細の中にこんないいコシを感じるのは稀有な感覚だ。
なめらかな微粉の舌触りは、ちょっとここの「津軽そば」にも似たような
もっと言うと中国の「干し豆腐」にも似たような密ではっきりしたきめ細かさ。
う〜ん 個性も面白いし、すごくおいしい!
もう一枚は「田舎そば」かな?それとも「津軽そば」かな?
と思っていたら、
なんと今日は実験的に粗挽きを打ってみたそう。

えーっ 同じ松本の蕎麦なのに
こちらはものすごい緑色です!
きれい〜〜〜

美しい粗挽きながら輪郭線はくっきりしているのが「芳とも庵」らしい。
たぐりあげると、うわ〜〜本当に面白い。
同じ松本の蕎麦なのに、先程の個性的な「江戸そば」とは全く違う香り。
こちらはフレッシュでさわやか、
噛み締めた時に広がるほんのり白いイメージの上品な野性味が素晴らしい。
口の含むと口中で一本一本が暴れる感じすらある固めの食感で
粗挽きのゴツゴツした舌触りを楽しみつつしっかり噛んで食べる蕎麦。

店はついさっきまで家族連れやら宴会やらで満員の大賑わいだったが
私が蕎麦に耽溺している間にすっかり落ち着いたようだ。
ここは昼の営業は開店と同時に近隣の会社員でいっぱいになるという人気ぶりだが
夜は家族連れも多い。
「うちは小さい子どもいっぱいでもベビーカーでも全然オッケーなんで!」
さすがは自身も子煩悩なパパの店主だけあって
子連れ家族にも親切な店なのだ。
店の雰囲気や席のスペースから、子連れでは行きづらいだろうなと思える店も多い中
「ベビーカーでも行かれる美味しいお蕎麦屋さん」というのは貴重な存在だろう。
私の座っている席のすぐ横では
先程から石臼がゆっくり、ゆっくり回っている。
しかも出てくる粉がほんの少ししかない。
ものすごい微粉を挽いているということなのかな?
「芳とも庵」のなめらかで香り高い蕎麦を思うと
石臼を見ただけで「芳とも庵」らしく思えてくる。
そして、野鴨が主役のはずが
後半やっぱりお蕎麦お蕎麦になってしまった文章に今気づきましたとさ!(* ̄∇ ̄*)