この店を店と思っていいのか私には分からない。
まず値段が安すぎる。
一人で切り盛りしているおかみさんが良い人過ぎる。
心のこもったおいしい料理の数々、そして手打ち蕎麦を
全く商売になっていないとしか思えない値段で食べさせてくれるので
どうにもお店と思えない。
こちらも親戚の家にでも行くようなつもりで、予約をしてはるばる出かける。
はるばると書いたが、私の家からは電車で一時間の駅である。
そこから歩く。

歩く。

歩きまくること25分。
付近にのどかな畑などがチラホラ現れた頃に、着いたぁ〜!
(歩くの苦手な方には便利なバスもあります!)
久々の「手打ちそば ほしの」。

今は予約のみだけあって、静かな外観。
おかみさんのかわいらしい笑顔も変わらず、元気そうでよかった。
蕎麦の名店として大変に名高かった「手打ちそば ほしの」の旦那さんが亡くなって10数年。
普通ならそのまま閉店してしまう店が多い中、
ファンの期待に応えんと大決心をしてそこから蕎麦打ちを学び、
予約のみなら一人でもやれると店を再開させ、以来頑張り続けてきたおかみさんなのだ。
今日はお酒好き、美味しいもの好きの皆さんと、楽しみにやってきましたよー!
まずはハートランドで、かんぱーい!!


「酒肴盛り合わせ」

「かまぼことわさび漬け」「数の子」「いんげん煮」「うざく」「梅干」
いんげん煮は山菜としか思えず皆で「これ何の山菜?」と散々言い合った後だったので
いんげんと知ってビックリ。
「煮過ぎちゃったの〜!」とおかみさんは茶目っ気たっぷりに言うが
上手な人が煮過ぎると山菜みたいな美味しさになるんだな(^^)
「天吹」

実は私、夏の暑さゆえか駅からのエッホエッホ歩きが効いたのか
最初のハートランド3口で愉快なメリーゴーランドに乗車致しまして・・
もう本日は全くもってぐるんぐるんのヨワヨワで舐めることもできない有様です・・
いいんです、お酒なしでもお蕎麦さえあればしあわせなんです!
他の大人のみなさまはウッキウキのニヤニヤで大変なペースです(^o^)
「栗林酒造 特別純米」


「湯葉、黒大豆の湯葉、長芋」

食感も色も、食材の取り合わせがとてもいい。
器の雰囲気もよく合っていて、涼し気な一品。
「鶏肉とズッキーニ」

野菜いっぱいが嬉しい「ほしの」。
青い方のズッキーニはまんまるズッキーニだったそうで
味もちょっと普通のズッキーニとは違って楽しい。
「羽根屋 特別純米酒」

「野菜のプレート」

夏らしくて、フレッシュできれいだなぁ〜
「茄子ときゅうりのぬか漬け」「いぶりがっこ」「夏野菜のピクルス」
「豚レバー」「プチトマトのお浸し」「枝豆」「エゴマの葉っぱ」。
「なんだかお酒のつまみみたいのばっかりになっちゃった〜」とおかみさん。
「えー、それが最高なんですよー!」
とますますニヤニヤ飲みまくる皆様(^^)
「満寿泉 生純米吟醸」

「銀だら」

何が好きって一瞬蕎麦のことを忘れそうな程「脂の乗ったお魚」に目がない私。
銀だら焼なんてもう大好きに決まっています!
これまたおいっしい銀だら〜〜〜(>_<)♪
金山寺味噌のようなものが添えられ、おつまみにもぴったり。
「玉子焼き」

「ほしの」の玉子焼きは大変においしいのですよ〜
しっかりした旨味と甘味があるけど甘すぎず(私にはコレ大事)、
なんともほんわか和むおいしさ。
どんなにおいしいかは、断面をお見せすれば伝わる、でしょうか〜

ウヒャ(≧∇≦)
「旭鳳 純にして醇」

「牛肉の煮もの」

すき焼きみたいでほっとする、素直に美味しい味。
「新政 No.6 純米吟醸無濾過原酒」

こんなおっしゃれーなデザインのお酒があるんですね〜
上のラベルもAir Forceの 階級章みたいでかっこいい。
(もはやお酒は「眺めるもの」になっちゃっている本日・・(^^;;))
「鮎」

なんとなんと、ここでドーンと鮎が出てきました。
いいなあ〜 贅沢な夏だなあ〜
焼きびたしにしてあるのかな?
頭から尻尾までぺろり、おいしかった〜
「志太泉酒造 出品酒」

ここで厨房から「カラカラピチピチ・・」と華やかな揚げ物の音が聞こえてきた。
いよいよ来ますよ、
「ほしの」名物「大えび天ぷら」!
ドドーン!!

私の写真が下手過ぎて全く迫力がお伝えできず無念の極みだが、
この海老、ゆうに30cmはあるのだ!(二人で1匹をはんぶんこでした♪)
おかみさんは
「今日はいつもより一回り小さいのしか入らなくて・・」
と頻りに申し訳なさそうに言っていて
確かにいつもよりは小さいのだが、それでも十分に巨大。
しかも大きいだけではなく、この天ぷらものすご〜〜〜く美味しいんです!!
カリッと固い衣が美味しい。ほこほこふっくらした海老が美味しい。
お蕎麦の前に「お口直しに・・」とプリンスメロン。

そして・・・いよいよ。

お、おいしそうすぎる・・・
今日は茨城のお蕎麦だそう。
ああ ときめく・・ときめきが止まらない・・・

もわわぁ〜とやさしい、なまあたたかな香気。
もったりふっくらした穀物の甘い香ばしさが、
氷水でしめないモッチリした肌に満ちている。
夏は外が暑いのでやはりキュッと冷たいお蕎麦がおいしいものだが、
「ほしの」くらい時間がゆっくりと流れていて体もすっかり涼んだ頃だと、
このなまあたたかな香気は特別な贅沢に感じる。
ザラザラした粗碾きの舌触りが心地よく、
噛み締めたコシから生まれる味わいがまた美味しい。
「ほしの」のお蕎麦はいつも美味しいが、今日はまた違う美味しさに出会った感じ!!

美味しい蕎麦湯。
そして私はここの猪口がとても好き。
旦那さんが元気だった頃からずっと使われている猪口。
手描きの、趣深いものだ。
デザートは手作りの「いちごアイス」。

甘いものは苦手の私。
おかみさんの「甘くしすぎちゃった〜」という予告?のせいもあり
かなりへっぴり腰でひとくち・・ワッおいしい。
ぱくぱくぱく・・・一気に全部食べちゃった!(^o^)
そうなんです・・私甘いものは滅法苦手ながら、ごくごく一部、
魔法のようにおいしく感じちゃうものがあるんですね〜
このアイスはいちごの甘酸っぱさがとてもフレッシュに感じられる
おかみさんの魔法でした☆
はじめてここに来たのはもう10年ほども前。
お昼に2000円のコースを電話予約しようとしたら
「1500円で十分だと思いますよ〜」
と言われ2000円のを予約させてもらえず(^^;;)商売気のないお店だなあ〜とびっくり。
実際訪れ食べてみて値段に全く合わないそのボリュームと美味しさに
さらに驚いたものだ。
実際1500円のコースでも大・大満足の内容なのだ。
今日は頼み込んでお昼から3000円のコース(お酒別)にしてもらったけど
次回はまた1500円で、びっくり喜びに来ようかな〜(^o^)♪
(予約の電話は店舗にかけても出られないことが多いので
おかみさんの携帯電話がよいようです。080-3026-6588)