2013年05月31日
神楽坂「東白庵 かりべ」
雨の音しか聞こえない。
路地の奥に灯る明かりは
素朴な山小屋のような、異次元の迷路の入り口のような。
店にはいると雰囲気は一変、
女性スタッフ達が明るく「いらっしゃいませ!」と迎えてくれる。
おなじみ、ゴブラン織地張の猫脚チェア。
この個室風二人席、私は勝手に「デート席」と呼んでおります(^^)
「八海山泉ビール ヴァイツェン」
泡がクリーミー!
ヴァイツェンという名前だが味わいは素直で爽やか。
不思議レトロなラベルデザインがこの店によく合っている。
お通しとして出された、海老の頭の揚げたもの。
大好物につき嬉し過ぎです。
美味し過ぎて最後まで取っておきたくなるくらい大事!!(^^;)
「前菜盛り合わせ」
蛸の薫製、ミョウガの甘酢漬け、玉子焼き、そら豆、ふきのとう味噌。
「ぜんまい」
「新潟県塩沢の緑干し」とメニューに書いてあった通り
とても綺麗な緑色。
通常は干すことで茶色くなってしまうのだが
摘みたてを瞬間乾燥させるとこのような美しい緑が保たれるらしい。
色だけでなく食感も普通のぜんまいと違ってシャキシャキ新鮮な感じ。
味付けも上品で、これはおいしい!
「豆腐」
メニュー名もシンプルなら姿もシンプル、その味わいもシンプル。
だけどめちゃくちゃ美味しい!!なんでしょうこのお豆腐は!!
「福島県川俣町天然ニガリ豆腐」とメニューにはありましたが
見ての通り今流行りのなめらか系でも、甘みぎっしり系でもありません。
ぎっしりほろりと素朴な食感、大豆の上品な味わい。
「そう、お豆腐ってこういうものでしたよね!」
と膝を正したくなるような美味しさなのだ。
ドシンと大きめですけど、う〜んもっと食べられちゃうなあ〜〜(^^;;)
「鯖の薫製(〆鯖の冷薫)」
味も美味しいが眺めがまた素晴らしい。
添えられた「鯖の卵の煮凝り」の断面もきれいだったなあ。
「そばがき」
「竹やぶ」阿部さんの作品らしい、無邪気で可憐な器の中に
「そばがき」がぽってり夢見るように浮かんでいる。
ああああああああ
すみません
もう
ことばが
でまへん
なんというかぐわしさ・・・
とろっとして ふわーーーんとエアリーで、
かぐわしさの中で目が見えなくって
はあああ〜〜〜〜
無邪気で可憐な器の中で夢見ているのは私なのか・・・?
わたしはそばがきなのか・・?(違う)
とにかく最高のそばがきすぎる!!(日本語が・・)
この湯呑もいい。
口がすぼまっているが飲みにくくはなく、
肌は渋いのにヨーグルトの瓶のようなかわいらしさ。
「せいろ」
今日は「田舎そば」が目の前で売り切れ断腸の思いでありましたが
それだけに、「せいろ」への思いは強いです。
うん、美味しそう!!
ひゃあーーーー
これまた
飛び越えちゃってます!!
素晴らしすぎて雲の上のようです!!
正統派の、ピシッと端正なかぐわしさ。
食感はふんわりやさしい入り口に始まって、ふっくらした歯ざわり、
それが殊更でない、しかし確かに弾んでくれるようなコシに受け止められるまでが
鮮やかに目にみえるよう。
なんというしあわせ・・
なんという世界・・・
「そばがき」に続いて、これもまた夢に浮かぶ夢・・・
この夢のまま 雨の中を歩きたい。
2011年12月の「東白庵 かりべ」
2013年05月29日
立川「手打ち蕎麦 なかさと」
来ちゃった来ちゃった〜
久しぶりの「なかさと」!
夕闇迫る立川の飲食店街。
道の先に灯る「なかさと」の四角い明かりに心が踊る。
近づくと、こんなわくわくする看板も。
うふふー「なかさと」には
「あらびき」「十割」「二八」と三種類もお蕎麦があるんですよ♪
だから絶対お腹を空かせて来なくちゃいけないのです。
当然本日はペコペコであります!
青森「豊盃」特別純米
その時々でいろいろおいしいお酒が入っているので
通常メニュー以外にお酒だけのメニューがある「なかさと」。
今日は
「奈良萬 純米生酒 中垂れ無濾過」
「王祿超辛純米無濾過」
「醸し人九平次純米吟醸」
などからワクワク迷ってここに着陸。
さすがは青森のお酒、ガッツリぶっとい味してます〜
ホーハイ♪ ホーハイ♪
「自家製豆腐」
ピンと角の立っためずらしいケーキ型の「自家製豆腐」。
つやつやとプリンのように輝き、食感はまるで「なめらかプリン」のよう。
(このケーキな見た目でプリンな食感の「謎」は後ほど解かれることに!?)
しかもこの豆腐、出汁でも入っているかのような不思議な味の濃さがある・・不思議〜
と思ったら塩がしのばせてありました。
甘さが引き立つんですね♪
「鴨焼き」
「そばがき」
ザクザクの粗挽き、むっちりネトッとした食感の「そばがき」。
はじめは香りがごく淡く、見た目の割に上品な印象だったのだが
時間が経つうちにムハーと濃厚な香りに満ちてきた。
蕎麦ではよく感じることだがそばがきでは珍しい。
ゆっくり食べてて得したぞ(^o^)!
もう最後まで待ちきれないので前述の「謎」についてバラしちゃおうかな〜
なんと今回はじめて知ったのですが
「なかさと」の店主の前職はパティシエなのです!
料理人とはまた別の、緻密な作業能力が命というパティシエという仕事。
「なかさと」では、道理で道理でと頷けることばかりで
この玉子焼きもとてもきれいでしょう?
「玉子焼き」
実は私が甘い味付けは苦手と知っていた店主。
卵焼きを注文すると
「うちのは、出汁巻きではないのですが・・」
と控えめに言って厨房に戻ったので大変申し訳ない気持ちになってしまったが、
この玉子焼きが、おいしい!
甘さはむしろごくやさしく、
卵の味わいも「蕎麦屋でのご馳走」としてのボリュームもしっかりあるのだが
なんだかすっきり洗練されているのだ。このバランスはいいなあ〜
こちらは裏メニュー。
「とり南蛮つけそば」(だったかな?)の鶏がある時だったらオーダーできるそうです。
裏メニューなのでお店にはご迷惑かもしれませんが、
これ滅法美味しかったので大変おすすめしちゃいます!
山形の地鶏蕎麦もそうですが、こういう鶏、好きなんです〜
蕎麦粉は北海道のものを中心にいろいろブレンドされている「なかさと」。
店内片隅には北海道の地図が貼られている。
「あらびきそば」
あらびきから来ちゃった〜、ドキドキ。
北海道摩周産と余市産のブレンド。
手びねりの陶器のような輪郭線が見るからに美味しそう!
はらりとした空気感を持って重なる、いびつな輪郭線。
肌にうかぶ無数の陰影。
野性的な、やや青いようなかぐわしさが静かに漂い、
舌触りは見た目の通りのややゴツゴツと節のある感じが楽しめる。
食感はかすかにネチッとしてやや固めだが
噛みしめるとプツリとはかなく切れてくれるので食べにくさは全くない。
甘みもほのかで、粗挽きのゴツゴツ感と爽やかさがいいなあー
「十割そば」
打って変わってこちらはなめらかに整った、均一な肌。
流れるような美しいラインを描きながら空気感を持ってふっくら重なる姿が美しい。
香りは穏やかにまるく上品な感じで、みっちりと密な肌はやや固め。
そのぶんよく噛みしめることになり、味わいがどんどんむわぁ〜と濃くなってくる。
これは温かいつけ汁に合いそう!
さっきの「あらびき」が北海道摩周産と余市産のブレンドで
こちらは北海道余市産の十割。
ということは同じ要素が半分は含まれているわけで、
それを見つめると面白い。遠い蕎麦畑が愛しく思えてくる。
「二八そば」
うわー いいなあ〜!
「あらびき」「十割」「二八」、
3つの蕎麦が全く違う個性を持っているのが「なかさと」の素晴らしいところ。
しかも店のスタンダートとも言える「二八」が
こんなに黒くて細くてしかも平打ちなんてユニークではないか。
この「二八そば」が実に個性的で美味しい!
まずたぐりあげただけで、外皮の甘い香りがずっしりむわぁ〜と濃厚。
口に含むとハラハラとした平打ちの輪郭線が口中で繊細に揺らめき
その1本1本の肌があまりにもなめらか、すべらかなことに目を見張る。
噛み締めたコシはやさしく1本1本はこんなに繊細なのに余裕で受けとめてくれる感じで
これはなかなかない個性だ。
ムワァーとして、ごく繊細ながら流麗で、なめらかな肌に余裕のコシがあって・・
おいしいなああ〜〜〜(>_<)
今回は「あらびき」「十割」「二八」の3枚を頼んだように見えたかと思いますが
実はこんな浮気をしておりました。
壁のメニューがとても美味しそうだったもので・・
2枚はつけ汁を変更(^o^)!!
「鹿児島南州黒豚 黒豚そば」
甘辛で少しとろみのあるボリュームつけ汁。
煮肉好きなのでつい頼みましたが
やっぱりお蕎麦はお蕎麦だけでウホウホ食べてしまったので
蕎麦後に単体で頂きましたぁ〜
「北海道天然ほたて貝柱 ほたて南蛮そば」
ほたて南蛮なんてメニュー自体あまり見かけないが
このほたての肉厚感はすごい。
しかもゴロゴロいっぱい入ってうれしいーー!
1650円とこの店では大変高額なメニューだが、
こういう素材命のものは「安いけどしょぼい」より
「少々高くても大満足させてくれる」もののほうが断然いいですよねっ
うーん、これは飲む人だったら
これだけで延々飲んでられそうなつけ汁ですよ・・(^^)
前述の通り元パティシエの店主。
以前は「なかさと」でもデザート類を出していたが
今は予約のコースの時のみ出しているそう。
とろトゥルなめらかなココナツ風味のデザートは
蕎麦後のデザートとして主張しすぎない優しい味。
小さくてもちゃんと美味しい存在感が、さすが!
もう動けないほどお腹いっぱい、ニコニコいっぱいで
暖簾を出ると賑やかな立川の街。
都心の賑やかさとはまた違うのびのびとした賑やかさで、
私は立川という街が好きだ。
楽しい夜だったなあー
2013年05月28日
浅草「丹想庵 健次郎」(バースデー蕎麦♪)
浅草寺本堂裏のいい〜あたり。
大好きなお仲間たちが私の誕生日祝いをしてくださるとのことで
羽が生えたように浮かれてやってきましたー♪
料亭のような佇まいの「丹想庵 健次郎」。
まずはビールでかんぱーい!!
この、うーんとロングなグラスいいー!
ビールがますます美味しく飲めて、しょっぱなから全員大感激。
浅草ですからやっぱりアサヒ。
熟撰はおいしいなあ〜
「炒り松の実」
たった今鉄板から上げたばかり、という感じのアッツアツの松の実。
香ばしくてビールに最高!
これまたみんなに大好評で、早くもビール2杯目飲み終わっちゃった人も!(^o^)
「豆腐の盛り合わせ」
豆腐だけで4種類もあるなんて楽しいメニュー!
手前から時計まわりに
「ゆば」「アスパラ豆腐」「白ごま豆腐」「トウモロコシ豆腐」、全て自家製。
「自家製豆腐」というメニューも別にあるのだが、
それはこの中から一種類を選ぶ形になるらしい。
私はトウモロコシ豆腐が特にお気に入り♪
韓国のトウモロコシ茶も好きなので〜
鳥取「こなき 超辛口純米」
店が多忙を極める中
「この、こなきジジイをひとりくださーい!」とか意味なくノリノリな私たちに
「ハイ、ジジイ2合で!」と真顔で受けてくれて走り去っていった店員さん・・懐深い!(^^)
「枝豆」
見た目は青々綺麗だが中はかなり茶色い。茶豆だぁ!
さすがの美味しさ、味の濃さ。
うーん、茶豆大好き・・夏だなあ。
「山形牛タンやわらか煮」
これまた大ヒットおいしいメニュー!!全員に大好評!
まず味付けがいい。
ふっくらやわらかい肉質とほどよいさっぱり感が素晴らしい。
一切れ一切れがどーんと大きいのもうれしい♪♪
煮肉好きな私ではありますがこれは特に私好みど真ん中〜
青森「豊盃」
頼んだお酒が生憎売り切れだったので
メニューにない「豊盃」を、サービスでとっくりの口ギリギリまで注いでくれました(^o^)
この「豊盃」が大人気で、本日のベスト1に選んだ方も。
いやーこれ飲んだらどうしてもホーハイ節歌いたくなっちゃいますよね〜
エヘン、木津茂理さんに直接教えていただき
なんとステージでご一緒に歌わせていただいた私(^^)v。
「蔵王地鴨の炙り焼き」
「エイヒレの天ぷら」
あれー、このあと
山形「上喜元 純米」
群馬「水芭蕉 純米吟醸」
の2種類飲んだはずなんだけど、写真がひとつしかない・・
どうにも楽しすぎてへにゃへにゃだったもので(^^;;)
「そばがき」
うわー
そばがきも見るからに美味しそうだけど、器も素敵!
この器、高台が10cm程もあるのだ。
うわ おいしいぃぃ!!
少し青いような新鮮さをまとった、滋味深きかぐわしさ。
くちびるに触れてくるポテッとした肌のきめ細さ。
食感はふんわりエアリーのなかにかすかなモチッと感があり
もうこれを食べている間は全員が口々にウマイオイシイ吠えながら
個別に恍惚状態だった気がします・・
「二種もり」
ここに来たらやっぱりどうしてもこれでしょう!
「もり」と「田舎そば」の二種もり♪♪
「極旨丹想庵肉蕎麦」というのにも毎回惹かれるのですが・・
そしてここの「ぶっかけ」が美味しいこともわかっているのですが・・・
やっぱりどうしても「もり」と「田舎」、食べたいですよねー!!
「田舎そば」
じわ〜、しっとり〜と重なる黒い肌。
いかにもムワムワの超濃厚な甘い香りを予想させるが
一歩控えた滋味深い、渋めの香りがまた素晴らしい。
ざらつきのある肌は噛みしめるとジャリ感も潜んでいて
いかにも田舎らしい。しかし甘ったるくなく渋いところがニクイ。
ウワーン おいしいよう〜
「もり」
わわわ これまたフレッシュないい香り!
穏やかで落ち着きのある、ちょっとめずらしい青さを含んだ香りだ。
舌触りは見た目以上に端整で、
細切りの一本一本の輪郭線がは口中で尚はっきりと目に見えるよう。
固いわけではないのがどこかパキッとした食感で、
噛みしめるとやや伸びるようなコシが個性的だ。
うーん、どっちもおいしいけど私は今日は「もり」が好きかなあ〜
(ジャリ好きの友人は「田舎」にベタボレでした♪)
濃厚蕎麦湯もおいしい・・
そして本来ならこのあと別の場所でケーキを食べるはずが、
お店が大人気大混雑だったこともあり時間がなくなってしまい、
わがままを言ってここでケーキを食べさせていただくことに。
ウワーーーン!!
皆様ありがとうございます!!
私はなんて幸せ者なのでしょう〜
る 涙腺が・・・ (。>_<。)
ちなみにケーキは私が東京で好きなケーキベスト2のうちのひとつ、
パティスリー・パリセヴェイユの「サントノーレ・キャラメル」。
(去年のクリスマスもこれでした♪)
おいしかったー!(^o^)
夜の浅草寺。
こんな夜は 羽が生えて 飛んで行けそうだ。
2010年09月の「丹想庵 健次郎」
2013年05月22日
NARUMI TAKIZAWA
NARUMI TAKIZAWAのモデルをさせていただきました〜
photography by glen
めちゃくちゃcoolでかっこいいコレクションです!
広尾のブティック是非行ってみてくださいね。
http://www.narumitakizawa.com/Pages/default.aspx
2013年05月18日
本所吾妻橋「山介」
2013年5月17日オープン!
ピッカピカの新店は「本所吾妻橋」A0出口真ん前。
なにしろ便利である。
「手打そば 日本酒 山介」。
左右対称の漢字が二つ並んだ堂々たる看板。
実に目に鮮やかだ。
外観はすっきりと純和風だが、店内は相当おもしろい造りになっている。
入って左手はカウンター席。
右手は個室風のテーブル席。
うん、ここまではまあ普通ですね。
でもよく見てください。
テーブル席の上あたりに、もうひとつ部屋が見えませんか?
そう、中二階とも呼ぶべき上のフロアには、さらにこんな空間が。
上から見下ろすとこんな感じ。
楽しい眺め〜〜!(^o^)
写真左側が1フロア下の個室風テーブル席、その奥がカウンター席だ。
しかもその上、地下には隠れ家のようないい〜個室席があるのだ。
これは、一回来るごとにまったく別の店のような体験ができるに違いない。
本所吾妻橋はアサヒビールのお膝元ということで
「山介」の生ビールはアサヒの熟撰。(熟撰すきー♪)
しかし看板にも「日本酒」と掲げ店先に杉玉も提げるこの店。
なにしろ日本酒の品揃えがものすごいので
ついそちらに目がいってしまう。
全部はメニューには全く乗り切っていないので
冷蔵庫の写真を撮ってしまいました。
じゃん!
「本日の地酒」というメニューより。
「栃木 旭興 特別純米 直汲み 無ろ過 生原」
旭興っておいしいんだー!
スッキリしているのにコクが分厚い。
これは大変に気に入ってしまいました。
お酒のことは右から左に忘れてしまう私だが覚えておかなくっちゃ(^^)
八丁味噌と蕎麦の実をたっぷり使った蕎麦味噌と共に♪
肴メニューがまた粋だ。
王道の「間違いなくおいしいもの」だけが揃っている感じ。
「野菜の酢みそ和え」
「とろり生ゆば刺」
「そばがき」
朱塗りの椀とはまたいい演出。
しかもこの肌・・・やや「生感」を感じる、個性的な姿だ。
顔を近づけて思わず「はあああ〜」と言ってしまった。いい香りー!!!
香ばしくて、フレッシュで、それをまとめるような大地の感じもあるのだが
どこまでもきれいな香り。
もっちりモコモコ、でも田舎っぽいどっしり系ではなく軽やかな、めずらしい食感。
ちょうど椀がきそばがきと鍋がきそばがきの中間のような感じで、
そうか、だから見た目にも生感が感じられたんだなあ。
何よりもこの香りが素晴らしすぎる。美味しすぎる。
なんだっけこのかぐわしさ、この、私の脳に入り込んで何も考えられなくしてしまうような、
なんだっけなんだっけ・・・
と思っていたら、これは私の大好きな大好きな「大分・さちいずみ」でした。
ひゃーん、さちいずみさーん!(>_<)♪
「山介」は店主がアートが好きなのか、
あちこちに面白いものがあるのも見逃せない。
器も素晴らしい。
描き絵の小さな猪口。
形も質感も色も、可愛らしすぎないほっこりとした愛嬌が実にいい!
この猪口と同じ作家のものという壁飾り。
これ、幅6cmくらいしかないんです。
眺めていると小さな夢の中に入っていってしまいそうだ。
サイドのポチポチが優しいなあー
「高知 亀泉 吟麗 純米吟醸 うすにごり」
こんなグラスでにごりの白を見せてくれる演出がまたいい。
白いシーサー?の置物とお似合いだったので一緒に眺める。
にごりはつい「ヨーグルトとかマッコリみたいでおいしそう」と思ってしまう私だが(幼稚)
これは香りからしてかなり大人のお酒でした〜
どんなお酒だと思ったか書くとどうにもアタマの悪そうな擬音だらけなので
自粛しておきます・・(^^;;)
「初摘み生のり」
おおおおおいしいいぃ〜〜〜〜!!
店主のおすすめだけあって、食べた瞬間目がかっぴらいて動けなくなりました!
海の旨味がぎゅぅうううっと凝縮されて、でも食感は繊細でふんわり感すらあり、
さすがは有明産!
もうなんというか問答無用に最高に美味しい。
ついでに器も素晴らしい。
こんな肴が揃っていては、
お酒が飲めたらもうどんどん飲んじゃうでしょうねえ・・危険危険!
「鴨ロース」
何とも太っ腹に分厚くふっくら、贅沢な鴨ロース。
うんとご馳走感のある肴と、シンプルで粋な肴の対比がいい。
「静岡 喜久酔 特別純米」
わぁ〜「喜久酔」はやっぱりお酒一年生にも優しいお酒だ。
優しいのだけど味は濃いところが好き♪
「山介」の蕎麦は「せいろ」と「田舎そば」の二種類。
もちろんどっちもいきますよ!いきますとも!
「田舎そば」
うず高く盛られた小山盛り。
ざっくり黒々、これは香り高そう、おいしそう〜〜!
しっとりふっくら、ザックザクの粗挽き肌。
手繰り上げるとふわぁ〜と濃厚に香ばしい香りがさわやかに押し寄せてくる。
濃厚だが重くなく、さわやかフレッシュなところがすんばらしい。
口に含むと粗挽きの質感がザラザラザラ〜としっとりとやさしく舌に伝わり
それにうっとりとしていると、突如現れたイタズラ坊主にびっくりすることになる。
噛みしめると、クリスピーと言ってしまいたいほどの強いジャリジャリ感に
突然出会い目が覚めるような思い!
しかもかみしめた質感は驚くほどかろやかで、その中にジャリジャリがある。
うわぁ〜たのしい、おいしい!!
あまりにおいしくて、一生懸命ゆっくり食べようとしたのに
驚くほどあっという間に居なくなってしまいました・・・
ちなみに「田舎そば」は
自家製粉した「栃木・常陸秋そば」と「大分・さちいずみ」のブレンド。
両方共私が大好きな品種!いいとこどりだぁ〜〜
お次は「せいろ」・・となるところで
「肉つけせいろ」「鴨つけせいろ」というメニューが目についてしまいました。
おいしそう・・・(>_<)
迷いましたが、「せいろ」は「肉つけせいろ」にすることに。
「肉つけせいろ」
実は先程からまわりのお客さんのもとに運ばれてくるお蕎麦のあまりの美しさに
ろくろっ首になってしまいそうなほどジーーーーーッッと見つめてしまっていた私。
おいしそうな肉汁はとりあえず置いておきまして、
そ、そ、その美しい緑のお蕎麦はいったいナンデスカ!!!
ふっくらとかさなる粗挽き肌、そこに浮かぶ白い陰影、ゆらめく輪郭線。
うわぁ〜〜と口に含むと、しっとりとやさしい質感の奥に凛としたコシがあり
そこから穏やかで上品なかぐわしさと味わいが生まれる。
それがだんだんにふくらんでくる。穏やかなかぐわしさに私が染まる。
こちらももちろん自家製粉、「大分・さちいずみ」。
これは肉汁につけるのはもったいない・・・つけられない・・
あっ やっぱりお蕎麦だけで食べちゃった!
肉汁は肉汁だけでいただきまして、
甘辛の汁に薄切りの豚肉、おいしかったですよ〜
蕎麦後の蕎麦湯。
うっ この猪口もいいー・・!
こんな器で飲めば美味しい蕎麦湯がますます美味しく、
蕎麦湯時間が余計長くなってしまう。
舌のしあわせ、目のしあわせ。
「山介」の時間が、ここに端然と清々しく流れ始めた。
(すぐそこにスカイツリーの「あたま」がぴょっこり♪店前より。)
2013年05月15日
上町「蕎麦 Sycamore」
店名はSycamore(シカモア)。
蕎麦屋らしからぬ洒落た名だ。
しかも営業時間が17:30〜25:00。
なんだかバ、バーみたいなのですが・・・
私なんかが行って大丈夫なんでしょうか。
基本的に「夜より朝」「都会より山」の雰囲気の方が性に合うので
「都会の夜の店」というイメージに対しては「そりゃたいへんだ」と身構えてしまう。
赤いハイヒールを履いていかなくてはいけないのかと思ってしまう(←意外とノリノリ)。
でもお蕎麦屋さん、なのです。
別に身構える必要はないのです。
世田谷線「上町」駅から徒歩1分。
わぁ 素敵な店構えだなあ。
都会的だけれど温かみがあって、
洗練されているけれど土着的な大胆さも感じる外観。
身構えていたのが馬鹿みたいだ。
早くはいってみたい!
階段を降りて行くとこれまた蕎麦屋らしからぬ、センスの良い空間が現れる。
地下の店にしては天井がとても高い。
ぐっと落とされた照明の中、壁を巨大スクリーンに見立てて映し出された映像が
客席の色彩を変化させている。
テーブル席から見るとカウンターはかなり高い位置にある。
それが空間に縦の広がりを持たせ、それぞれの空間をそれぞれに居心地よくさせている。
蕎麦屋としては大変個性的な空間だが、その全てをまとめているのがこの松だ。
ドンと置かれた大きな松の盆栽が、この空間を「Sycamore」にしている。
松好きの私にはたまらない、
「バンザイ!」と言いたくなるような素晴らしい眺め。
コンクリートの地下空間ながら冷たくない。ありふれたイマドキ風でもない。
クールな洗練美を表現しつつも土や木から離れない、「Sycamore」な空間。
ここで何だか私、突如嬉しさが頭から爆発してしまいました。
ただでさえ松に酔っていたところへ
メニューがどれも美味しそう。
しかもお店の人が皆さん素晴らしく感じがよく
その居心地の良さに俄然二カニカ嬉しくなっていた。
そこに現れたこの麗しき錫の徳利、猪口。
「謙信 純米吟醸 無濾過 山田錦」
酒量だけは小鳥の私が見た瞬間に
「わぁーーっもう浴びるほど飲みたい!!」と思ってしまったのだから
器の効果というのは凄い。
ひんやりとした錫の質感、潔いほど無駄のないデザイン。
無機質になりすぎぬよう猪口は麻のコースターに置かれて、
演出のセンスがまた素晴らしい。
飲みたい飲みたい、だってこんなに美味しそうなんだもの!
(心意気だけは買ってください)
お通し
「磯つぶ貝」
「ザーサイの漬物」
「ホタルイカとホタテの薫製盛り」
聞いただけで嬉しくなっちゃう大好物の組み合わせメニュー。
薫製の香ばしさに加えて何かもうひとつ、
甘い香りがするところはワインにも合いそうだ。
この時は壁のムービーが海のシーンで青かったので
イカさんもホタテさんも海の光に喜んでおります(^^)
メニューにはない本日おすすめのお酒というのも
いろいろ面白いものが揃っている。
山の壽 Okiro(オキロ) 活性にごり生酒
個性的なラベルに圧倒されるが、これ美味しい!
にごり、好きなのです。
「香味野菜とフランス産鴨ロースサラダ」
写真で見ても美味しそうでしょう?
この鴨ロースもサラダも、本当に、大変に美味しいのです!
ひとつひとつが「うわっこれ美味しい!」という美味しさの真ん中をバシーッと突いていて
食べるごとに思わずうれしくなってしまう。
鴨ロースは素材の旨味が凝縮しつつもしっとりジューシー、味付け加減も最高で
うーん、鴨ロースってこんなにも美味しいものだったっけ・・
添えられたサラダも見た目はさりげないが一口食べたら
「これだけを、お皿いっぱい食べたい・・!」と思ってしまいました。(^^;)
「熟成純米原酒」だけあって、これはちょっとお酒一年生には大人の味。
でも間違いなくツウな人には喜ばれそうなお酒!!
「鰯と香菜の食べるオリーブ和え」
一口食べて、お店の方に言いました。
「なんでこんなにいちいち美味しいんですか!」
それくらい美味しい。こういうのを「料理が上手い」というのだろう。
「ただ和えただけ」に見えるものなのに、一口食べるごとに顔が輝いてしまった。
しかもお店の方が実に謙虚でにこやかで感じがいいんですよね〜
なんて素敵なお店なのでしょう・・・
「そばがき」
おおっ これは・・
なにやらめちゃめちゃおいしそうではないですか!?
わわわわわ
おいしすぎます これは確実に度を越しておいしすぎます
とんでもなくすばらしいかぐわしさ!
ぐっと下を支えるたくましさ、香ばしさがありながら
どこまでもフレッシュなかぐわしさを感じさせてくれるのが嬉しすぎる。
この共存には大変に弱いのですよ、ああもうどうしましょう・・
と口に含めば
(ハイまだ食べていませんでした、だって香りが素晴らしすぎる!!)
もにょフワとろトゥル〜〜
とろトゥル〜〜
もにょフワ〜
(恍惚の閉眼)
・・・アホかと言われても仕方がないが
もう食べている顔はただアホでしかない。
そういう美味しさなのです。
まず「もにょ〜」と極上のやわらかさでありながら
「フワ〜」とエアリーな食感を持っているところがすんばらしい。
その上「とろトゥル〜〜」・・舌に吸い付くようにきめの細かい肌。
その全てが、最初に私をノックアウトしたとんでもないかぐわしさの中にある。
はああ・・あまりにも陶酔してもうぐにゃぐにゃふにゃふにゃ、
恍惚の国から帰って来られない。
「せいろ」
移りゆくムービーの光のなかで出会った、端整な姿。
くっきりとした輪郭線が目に鮮やか!
ひんやり清澄な空気が運ぶ、美しいかぐわしさ。
私までが清められるかのような思いで香りに酔えば
その奥からたぐられてきたかように力強いたくましさや香ばしさも押し寄せてくる。
この奥深いかぐわしさは、そばがきでも感じたが福井のような・・?
(福井大野でした♪)
見た目の通り、口中でもくっきりはっきりシャープな輪郭線を際立たせ、
やや太めのせいもあってしっかりモグモグ噛みしめるお蕎麦。
みっちり密な質感を噛みしめる度に、穀物の旨味と甘みが深まっていく。
濃厚蕎麦湯がまた美味しい。
しあわせ。とけていく。
「蕎麦 Sycamore」の夜にとけていく。
.